【文献】
Angewandte Chemie International Edition,2009年,Vol.48,No.14,p2576−2579
【文献】
Journal of Organic Chemistry,2008年,Vol.73,No.3,p983−991
【文献】
Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2010年 9月,Vol.20,No.18,p5422−5425
【文献】
European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging,2008年,Vol.35,No.5,p1008−1018
【文献】
Journal of Nuclear Medicine,2008年,Vol.49,No.8,p1345−1352
【文献】
Angewandte Chemie International Edition,2006年,Vol.45,No.45,p7581−7584
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
国際公開第2004/080492号には、以下の式(I)の化合物と式(II)の化合物との反応又は式(III)の化合物と式(IV)の化合物との反応によってそれぞれ以下の式(V)又は(VI)のコンジュゲートを得ることを含む生体ターゲティングベクターの放射性フッ素化法が開示されている。
【0003】
【化1】
式中、
R1は、アルデヒド基、ケトン基、アセタールのような保護アルデヒド、ケタールのような保護ケトン、或いは酸化剤を用いてアルデヒド又はケトンに迅速かつ効率的に酸化することのできる官能基(例えばジオール又はN末端セリン残基)であり、
R2は、第一アミン、第二アミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ヒドラジド、アミノオキシ、フェニルヒドラジン、セミカルバジド及びチオセミカルバジドから選択される基であって、好ましくはヒドラジン、ヒドラジド又はアミノオキシ基であり、
R3は、第一アミン、第二アミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ヒドラジド、アミノオキシ、フェニルヒドラジン、セミカルバジド又はチオセミカルバジドから選択される基であって、好ましくはヒドラジン、ヒドラジド又はアミノオキシ基であり、
R4はアルデヒド基、ケトン基、アセタールのような保護アルデヒド、ケタールのような保護ケトン、或いは酸化剤を用いてアルデヒド又はケトンに迅速かつ効率的に酸化することのできる官能基(例えばジオール又はN末端セリン残基)である。
【0004】
【化2】
式中、Xは−CO−NH−、−NH−、−O−、−NHCONH−又は−NHCSNH−であって、好ましくは−CO−NH−、−NH−又は−O−であり、YはH、アルキル又はアリール置換基であり、
式(II)、(IV)、(V)及び(VI)のリンカー基は以下のものから選択される。
【0005】
【化3】
式中、nは0〜20の整数であり、mは1〜10の整数であり、pは0又は1の整数であり、ZはO又はSである。
【0006】
Poethko他[J.Nucl.Med.,
45(5),892−902(2004)]には、放射性同位体
18Fによるペプチドの放射性標識法であって、以下に示すように、アミノオキシ官能化ペプチドを[
18F]−フルオロベンズアルデヒドと縮合させてオキシムエーテル結合を有する標識ペプチドを得る方法が開示されている。
【0007】
【化4】
Schottelius他[Bioconj.Chem.,
19(6),1256−1268(2008)]には、Poethko他の方法のさらなる展開が記載されている。Schottelius他は、アミノオキシ基のアミンをN−Boc(Boc=tert−ブチルオキシカルボニル)保護基で保護したアミノオキシ官能化ペプチドを用いている。所望のアミノオキシ官能化ペプチドは、[
18F]−フルオロベンズアルデヒドの存在下、酸性pH(pH=2)、75℃でのN−Boc基の脱保護によってインサイチュで生成する。Schottelius他は、脱保護が反応条件下で定量的ではなかったので、5倍モル過剰のBoc保護前駆体を使用している。
【0008】
Mezo他[J.Pept.Sci.,
17,39−46(2010)]には、Boc保護アミノオキシ官能化ペプチドの上述のオキシムライゲーション化学に関する幾つかの問題について記載されている。例えば、最初に形成される遊離アミノオキシペプチドが未反応のBoc保護アミノオキシペプチドをアシル化して望ましくない副生物を生じかねないることが知られている。また、官能化ペプチドの遊離アミノオキシ基のカルボニル化合物に対する反応性が高いことも知られている。その結果、不要な縮合が起こるおそれがあり、反応混合物又は後段の精製ステップで偶発的なアルデヒド又はケトンが存在し得る。かかるアルデヒド又はケトンは、用いた溶媒中に存在するアセトンの痕跡、又はホルムアルデヒド(例えば可塑剤に由来する)であり得る。Mezo他は抗癌剤及び[
18F]−フルオロベンズアルデヒドとペプチドとのコンジュゲーションのためにこの問題を解決することに関心をもっている。Mezo他では、この問題を解決するため、「カルボニル捕獲剤」としての10倍モル過剰の遊離(アミノオキシ)酢酸(Aoa)の存在下でBoc−アミノオキシペプチドの脱保護を行っている。次に、脱保護アミノオキシペプチドと過剰のAoaを凍結乾燥し、4℃で貯蔵する。オキシムライゲーション反応の直前に、凍結乾燥混合物を再構成し、過剰のAoaをHPLC又はSep−PakプラスC18カートリッジで分離する。Mezo他には、この技術を用いて非放射性(
19F)4−フルオロベンズアルデヒドをアミノオキシ官能化ソマトスタチンペプチドとコンジュゲートした例が記載されている。Mezo他には、
18F−放射性標識に関するデータは記載されていない。
【0009】
そこで、ペプチドその他の生体ターゲティング分子の放射性標識するための改良法が依然として必要とされている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、第1の態様では、生体ターゲティング分子の放射性標識方法であって、
(i)以下の式(IA)又は(IB)の保護化合物を用意するステップと、
[BTM]−X
1 (IA)
Q−[リンカー]−X
1 (IB)
(ii)ステップ(i)の式(IA)又は(IB)の保護化合物を脱保護してそれぞれ以下の式(IIA)又は(IIB)のアミノオキシ化合物を得るステップと、
[BTM]−O−NH
2 (IIA)
Q−[リンカー]−O−NH
2 (IIB)
(iii)式(IIA)のアミノオキシ化合物と以下の式(IIIA)のカルボニル化合物との縮合又は式(IIB)のアミノオキシ化合物と以下の式(IIIB)のカルボニル化合物との縮合によって、それぞれ以下の式(IVA)又は(IVB)の放射性標識コンジュゲートを得るステップと
Q−[リンカー]−(C=O)Y
1 (IIIA)
[BTM]−(C=O)Y
1 (IIIB)
[BTM]−O−N=(CY
1)−[リンカー]−Q (IVA)
[BTM]−(CY
1)=N−O−[リンカー]−Q (IVB)
を含む方法を提供する。
式中、
[BTM]は生体ターゲティング分子であり、
X
1は次式の保護アミノオキシ基であり、
【0018】
【化5】
(式中、R
1及びR
2は、C
1-3アルキル、C
1-3フルオロアルキル又はC
4-6アリールから独立に選択される。)
QはインビボでのPET又はSPECTイメージングに適した放射性同位体を含む基であり、
Y
1は、H、C
1-6アルキル又はC
4-10アリールであり、
[リンカー]は、リンカー基である。
【0019】
行為を表す「放射性標識」という用語は、その通常の意味をもち、放射性同位体を(本発明ではBTMに)共有結合するプロセスを意味する。
【0020】
「生体ターゲティング部分」(BTM)という用語は、投与後に、インビボで哺乳類の身体の特定の部位に選択的に取り込まれるか或いは局在化する化合物を意味する。かかる部位は、例えば、特定の病態に関係していることもあるし、臓器又は代謝過程がいかに機能しているかの指標となることもある。
【0021】
「脱保護」という用語は化学分野及び/又は放射化学分野におけるその通常の意味をもち、保護基の除去を意味する。
「保護基」(P
GPと略す。)という用語は、望ましくない化学反応を阻止又は抑制するが、分子の残部を変質させない程度に温和な条件下で問題の官能基から脱離させるのに十分な反応性を有するように設計された基を意味する。脱保護後には所望の生成物が得られる。保護基の使用については、Protective Groups in Organic Synthesis,4th Edition,Theorodora W. Greene and Peter G. M. Wuts,[Wiley Blackwell,(2006)]に記載されている。
【0022】
「アミノオキシ基」という用語は、その通常の意味をもち、式−O−NH
2の置換基、好ましくは−CH
2O−NH
2をいう。
【0023】
「放射性同位体を含む基」という用語は、ある官能基が放射性同位体を含んでいるか、或いは放射性同位体が追加の化学種として結合していることを意味する。ある官能基が放射性同位体を含んでいる場合、これは、その化学元素が化学構造に既に含まれており、その元素の放射性同位体がその天然存在比を超えるレベルで存在することを意味する。このような同位体の増大又は濃縮レベルは好適には5倍以上、好ましくは10倍以上、最も好ましくは20倍以上であり、理想的にはその同位体の天然存在比の50倍以上であるか或いは同位体の濃縮度が90〜100%となるレベルで存在する。かかる官能基の例としては、高レベルの
18Fを有するフルオロアルキル基であって
18F原子が化学構造に存在するものが挙げられる。放射性同位体が
99mTc、
68Ga又は
64Cuのような放射性金属である場合、「追加の化学種」は通例キレート化剤である。放射性同位体が放射性ヨウ素である場合、追加の化学種はフェニル又はビニル基であり、当技術分野で公知の通り、インビボ代謝脱ヨウ素化に対して炭素−ヨウ素結合を安定化する。
【0024】
「PET」及び「SPECT」という用語は、放射性医薬分野におけるそれらの通常の意味を有し、それぞれ陽電子放射断層撮影及び単光子放射断層撮影をいう。
【0025】
「リンカー基」という用語は、式−(A)
m−の二価基を意味する。式中、各Aは独立に−CR
2−、−CR=CR−、−C≡C−、−CR
2CO
2−、−CO
2CR
2−、−NRCO−、−CONR−、−NR(C=O)NR−、−NR(C=S)NR−、−SO
2NR−、−NRSO
2−、−CR
2OCR
2−、−CR
2SCR
2−、−CR
2NRCR
2−、C
4-8シクロヘテロアルキレン基、C
4-8シクロアルキレン基、C
5-12アリーレン基又はC
3-12ヘテロアリーレン基であり、各Rは独立にH、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、C
1-4アルコキシアルキル又はC
1-4ヒドロキシアルキルから選択され、mは1〜20の整数である。
【0026】
式IAにおいて、X
1基は好適には後述の通りBTMの官能基に結合している。
【0027】
好ましい特徴
第1の態様では、R
1及びR
2は好ましくはいずれも独立にC
1-2アルキルである。さらに好ましくは、R
1及びR
2はメチル及びエチルから選択され、最も好ましくはR
1がメチルでR
2がエチルのもの、すなわちエトキシエチリジン(「Eei」)保護基である。
【0028】
第1の態様の方法は、好ましくは、ステップ(i)で式(IA)の化合物を使用し、ステップ(ii)のアミノオキシ化合物が式(IIA)のものであり、放射性標識コンジュゲートが式(IVA)のものであるように実施される。これは、式(IIIB)のカルボニル(すなわちアルデヒド又はケトン基)よりもアミノオキシ基の方がBTMへの選択的導入が簡単であるからである。
【0029】
第1の態様では、Y
1は好ましくはHであり、すなわち式(IIIA)又は(IIIB)のカルボニル化合物がアルデヒドである。
【0030】
第1の態様では、Qは好ましくは
18F、
123I、
99mTc、
68Ga又は
64Cuから選択される。さらに好ましくは、Qは
18Fである。Qが
18Fである場合、式(IIIA)の好ましいカルボニル化合物は
18F−4−フルオロベンズアルデヒドである。
【0031】
第1の態様の方法のステップ(iii)の後、生成物の式(IVA)又は(IVB)のコンジュゲートを好ましくはクロマトグラフィーのような標準的技術を用いて分離及び/又は精製してもよい。
【0032】
BTMは合成品でも天然品であってもよいが、好ましくは合成品である。「合成品」という用語はその通常の意味を有し、つまり、天然の起源(例えば、哺乳類の身体)から単離したものではなく、人工のものをいう。かかる化合物は、その製造及び不純物プロファイルを十分に制御できるという利点を有する。従って、天然由来のモノクローナル抗体及びそのフラグメントは、本明細書で用いる「合成品」という用語の範疇には属さない。BTMの分子量は好ましくは30000ダルトン以下である。さらに好ましくは、分子量は200〜20000ダルトン、最も好ましくは300〜18000ダルトンの範囲内にあり、400〜16000ダルトンが特に好ましい。BTMが非ペプチドである場合、BTMの分子量は好ましくは3000ダルトン以下、さらに好ましくは200〜2500ダルトン、最も好ましくは300〜2000ダルトンであり、400〜1500ダルトンが特に好ましい。
【0033】
BTMは、好ましくは、3〜80残基のペプチド、ペプチド類似体、ペプトイド又はペプチド模倣体(これらは線状ペプチド、環状ペプチド又はこれらの組合せであってもよい。)、単一のアミノ酸、酵素基質、酵素アンタゴニスト、酵素アゴニスト(部分アゴニストを含む。)又は酵素阻害剤、レセプター結合化合物(レセプター基質、アンタゴニスト、アゴニスト又は基質を含む。)、オリゴヌクレオチド、或いはオリゴDNAフラグメント又はオリゴRNAフラグメントからなる。さらに好ましくは、BTMはAffibody(商標)又は単一アミノ酸、3〜100残基ペプチド、酵素基質、酵素アンタゴニスト、酵素アゴニスト、酵素阻害剤又はレセプター結合化合物を含む。
【0034】
「ペプチド」という用語は、ペプチド結合(つまり、あるアミノ酸のアミンと別のアミノ酸のカルボキシルとを連結するアミド結合)で連結した2以上のアミノ酸(以下で定義)を含む化合物を意味する。「ペプチド模倣体」又は「模倣体」という用語は、ペプチド又はタンパク質の生物活性を模倣するが、化学的性状がペプチドでない(つまり、ペプチド結合(アミノ酸間のアミド結合)を含まない)生物活性化合物をいう。ここでは、ペプチド模倣体という用語は広義に用いられ、性状が完全にはペプチドでない分子(例えば、プソイドペプチド、セミペプチド及びペプトイド)を包含する。「ペプチド類似体」という用語は、以下に記載する1種以上のアミノ酸類似体を含むペプチドをいう。Synthesis of Peptides and Peptidomimetics, M. Goodman et al, Houben−Weyl Vol E22c of Methods in Organic Chemistry, Thieme (2004)参照。
【0035】
「アミノ酸」という用語は、L−又はD−アミノ酸、アミノ酸類似体(例えば、ナフチルアラニン)或いはアミノ酸模倣体を意味し、これらは天然のもの又は純粋に合成由来のものであってよく、光学的に純粋なもの(即ち、単一の鏡像異性体)、従ってキラルなものであるか、或いは鏡像異性体の混合物であってよい。本明細書中では、アミノ酸に関する通常の三文字略語又は一文字略語を用いる。好ましくは、本発明のアミノ酸は光学的に純粋なものである。「アミノ酸模倣体」という用語は、アイソスター(即ち、天然化合物の立体構造及び電子構造を模倣するように設計されたもの)である天然アミノ酸の合成類似体を意味する。かかるアイソスターは当業者に公知であり、特に限定されないが、デプシペプチド、レトロ−インベルソペプチド、チオアミド、シクロアルカン又は1,5−二置換テトラゾールが挙げられる[M.Goodman,Biopolymers,
24,137(1985)参照]。チロシン、ヒスチジン又はプロリンのような放射性標識アミノ酸は有用なインビボイメージング剤であることが知られている。
【0036】
Affibody(商標)分子は、ブドウ球菌プロテインAのIgG結合性ドメインの1つから誘導された58アミノ酸残基ドメインに基づく。Affibodyは単量体又は二量体の形態で使用でき、Nygren[FEBS J.,
275,2668−2676(2008)]及びNilsson他[Curr.Opin.Drug.Disc.Dev.,
10,167−175(2007)]による総説がある。これらのAffibodyはサイズが比較的小さいので、10〜20倍も大きな抗体(〜150kDa)と比べて標的組織浸透及び血液クリアランスが優れているはずである。Affibodyは、あるpH域条件(pH5.5〜11)で安定であるという利点も有する。
【0037】
BTMが酵素基質、酵素アンタゴニスト、酵素アゴニスト、酵素阻害剤又はレセプター結合化合物である場合、好ましくは非ペプチドであり、さらに好ましくは合成品である。「非ペプチド」という用語は、ペプチド結合(つまり2つのアミノ酸残基間のアミド結合)を含まない化合物を意味する。好適な酵素基質、アンタゴニスト、アゴニスト又は阻害剤には、グルコース及びグルコース類似体、脂肪酸、或いはエラスターゼ、アンギオテンシンII又はメタロプロテイナーゼ阻害剤がある。好適な合成レセプター結合化合物には、エストラジオール、エストロゲン、プロゲスチン、プロゲステロンその他のステロイドホルモン、ドーパミンD−1又はD−2レセプター用リガンド又はトロパンのようなドーパミン輸送体用リガンド、並びにセロトニンレセプター用リガンドがある。
【0038】
BTMは、最も好ましくは3〜100残基ペプチド又はペプチド類似体である。BTMがペプチドである場合、好ましくは4〜30残基ペプチドであり、最も好ましくは5〜28残基ペプチドである。
【0039】
BTMが酵素基質、酵素アンタゴニスト、酵素アゴニスト又は酵素阻害剤である場合、本発明の好ましいかかる生体ターゲティング分子は合成薬物様低分子(即ち、医薬品分子)である。好ましいのは、トロパンのようなドーパミン輸送体リガンド、脂肪酸、ドーパミンD−2レセプターリガンド、ベンズアミド類、アンフェタミン類、ベンジルグアニジン類、イオマゼニル、ベンゾフラン(IBF)又は馬尿酸である。
【0040】
BTMがペプチドである場合、好ましいかかるペプチドとしては、後で定義するペプチドA、ペプチドB、ペプチドC及びペプチドDの他に、以下のものがある。
−ソマトスタチン、オクトレオチド及び類似体。
−STレセプターに結合するペプチド(ここで、STとは大腸菌(E.coli)その他の微生物によって産生される耐熱性毒素をいう。)。
−ボンベシン。
−血管作用性小腸ペプチド。
−ニューロテンシン。
−ラミニンフラグメント、例えば、YIGSR、PDSGR、IKVAV、LRE及びKCQAGTFALRGDPQG。
−白血球集積部位をターゲティングするためのN−ホルミル走化性ペプチド。
−血小板第4因子(PF4)及びそのフラグメント。
−RGD(Arg−Gly−Asp)含有ペプチド。例えば、血管新生をターゲティングし得るもの。[R.Pasqualini et al., Nat Biotechnol. 1997 Jun;15(6):542−6]、[E. Ruoslahti, Kidney Int. 1997 May;51(5):1413−7]。
−α
2−抗プラスミン、フィブロネクチン、β−カゼイン、フィブリノーゲン又はトロンボスポンジンのペプチドフラグメント。α
2−抗プラスミン、フィブロネクチン、β−カゼイン、フィブリノーゲン又はトロンボスポンジンのアミノ酸配列は、以下の参考文献に見出すことができる。α
2−抗プラスミン前駆体[M.Tone et al.,J.Biochem,
102,1033(1987)]、β−カゼイン[L.Hansson et al,Gene,
139,193(1994)]、フィブロネクチン[A.Gutman et al,FEBS Lett.,
207,145(1996)]、トロンボスポンジン1前駆体[V.Dixit et al,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,
83,5449(1986)]、R.F.Doolittle,Ann.Rev.Biochem.,
53,195(1984)。
−アンギオテンシンII:Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe(E.C.Jorgensen et al,J.Med.Chem.,1979,Vol
22,9,1038−1044)及び[Sar,Ile]アンギオテンシンII:Sar−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Ile(R.K.Turker et al.,Science,1972,
177,1203)のようなアンギオテンシンの基質又は阻害剤であるペプチド。
−アンギオテンシンI:Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu。
【0041】
さらに好ましいBTMペプチドは以下の通り定義されるペプチドA、ペプチドB、ペプチドC及びペプチドDから選択される。
(i)ペプチドA=Arg−Gly−Aspペプチド。
(ii)ペプチドB=次式のフラグメントを含むArg−Gly−Aspペプチド。
【0042】
【化6】
(iii)ペプチドC=以下のアミノ酸配列を含むc−Met結合環状ペプチド。
【0043】
−Cys
a−X
1−Cys
c−X
2−Gly−Pro−Pro−X
3−Phe−Glu−Cys
d−Trp−Cys
b−Tyr−X
4−X
5−X
6−
(式中、X
1はAsn、His又はTyrであり、
X
2はGly、Ser、Thr又はAsnであり、
X
3はThr又はArgであり、
X
4はAla、Asp、Glu、Gly又はSerであり、
X
5はSer又はThrであり、
X
6はAsp又はGluであり、
Cys
a-dの各々はシステイン残基であって、残基a及びb並びに残基c及びdは環化して2つの独立したジスルフィド結合を形成している。)。
(iv)ペプチドD=次式のランチビオティックペプチド。
【0044】
Cys
a−Xaa−Gln−Ser
b−Cys
c−Ser
d−Phe−Gly−Pro−Phe−Thr
c−Phe−Val−Cys
b−(HO−Asp)−Gly−Asn−Thr
a−Lys
d
(式中、
XaaはArg又はLysであり、
Cys
a−Thr
a、Ser
b−Cys
b及びCys
c−Thr
cはチオエーテル結合を介して共有結合しており、
Ser
d−Lys
dはリシノアラニン結合を介して共有結合しており、
HO−Aspはβ−ヒドロキシアスパラギン酸である。)。
【0045】
特に好ましいBTMペプチドはペプチドB、ペプチドC及びペプチドDである。
【0046】
最も好ましいかかるペプチドBペプチドは次式(A)のものである。
【0047】
【化7】
式中、X
1は−NH
2又は次式のものである。
【0048】
【化8】
式中、aは1〜10の整数である。
【0049】
式Aにおいて、aは好ましくは1である。
【0050】
好ましいc−Met結合環状ペプチドは以下の配列を有する。
Ala−Gly−Ser−Cys
a−Tyr−Cys
c−Ser−Gly−Pro−Pro−Arg−Phe−Glu−Cys
d−Trp−Cys
b−Tyr−Glu−Thr−Glu−Gly−Thr−Gly−Gly−Gly−Lys。
【0051】
BTMがペプチドである場合、ペプチドの一端又は両端(好ましくは両端)に代謝阻害基(M
IG)が結合している。このように両方のペプチド末端を保護することは、インビボイメージング用途で重要である。さもないと、急速な代謝が起こって、BTMペプチドに対する選択的結合親和性が失われてしまうと予想されるからである。「代謝阻害基(M
IG)」という用語は、アミノ末端又はカルボキシ末端でのBTMペプチドの酵素(特にカルボキシペプチダーゼのようなペプチダーゼ)代謝を阻害又は抑制する生体適合性基を意味する。かかる基はインビボ用途で特に重要であり、当業者に周知であり、好適には、ペプチドアミン末端に関してはN−アシル化基−NH(C=O)R
G(式中、アシル基−(C=O)R
Gは、C
1-6アルキル、C
3-10アリールから選択されるR
Gを有しているか或いは及びポリエチレングリコール(PEG)構成ブロックを含む。)から選択される。かかるアミノ末端M
IG基として好ましいのはアセチル、ベンジルオキシカルボニル又はトリフルオロアセチルであり、最も好ましくはアセチルである。
【0052】
ペプチドカルボキシル末端に適した代謝阻害基には、カルボキサミド、tert−ブチルエステル、ベンジルエステル、シクロヘキシルエステル、アミノアルコール及びポリエチレングリコール(PEG)構成ブロックがある。BTMペプチドのカルボキシ末端アミノ酸残基に適したM
IG基は、アミノ酸残基の末端アミンをC
1-4アルキル基(好ましくはメチル基)でN−アルキル化したものである。かかるM
IG基として好ましいのはカルボキサミド又はPEGであり、最も好ましい基はカルボキサミドである。
【0053】
第1の態様の方法は好ましくは、ステップ(ii)と(iii)を同時に行うように実施する。そのようにすると、式(IIA)又は(IIB)の遊離アミノオキシ化合物がその場で生成し、従って生成する反応媒体中に既に存在する式(IIIA)又は(IIIB)のカルボニル化合物と反応することができる。これは、比較的に反応性の遊離アミノオキシ化合物の副反応の機会が最小化されるので、所望の放射性コンジュゲート生成物の収率を改良することが期待される。
【0054】
第1の態様の縮合ステップ(iii)は好ましくはアニリン又はその塩(例えばアニリン塩酸塩)の存在下で行う。オキシムライゲーションにアニリンを使用すると、全体の反応速度を増大するのに効果的であり、かかる反応をより弱い酸性pH値で起こさせることができるということが示された[Dirksen他,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,
45,7581−7584(2006)]。
【0055】
第1の態様の方法は好ましくは、式(IVA)又は(IVB)の放射性標識コンジュゲートが、哺乳類への投与に適した形態で、さらに好ましくは第2の態様(後記)で記載するようにインビボイメージング用の放射性医薬品として使用するのに適した形態で得られるように行われる。
【0056】
第1の態様の方法は好ましくは、第2及び第4の態様(後記)で記載されるように自動合成装置を用いて行われる。
【0057】
N−(1−エトキシエチリデン)−2−アミノオキシ酢酸N−ヒドロキシスクシンイミジルエステルはIris Biotech社(ドイツ、95615、マルクトレドヴィッツ、ヴァルダーショーファー・シュトラーセ49−51)から市販されている。このEei保護アミノ−オキシ活性エステルは、アミンを含有するBTM(例えばLys残基を有する)に直接コンジュゲートさせて式(IA)の保護化合物を得ることができる。Eei保護ペプチドを得る別の経路がDulery他[Tetrahedron,
63,11952−11958(2007)]及びFoillard他[J.Org.Chem.,
73,983−991(2008)]により記載されている。Dulery及びFoillardはまたEei保護基の脱保護に適した条件も記載している。
【0058】
式IBのアミノオキシ化合物は次のようにして得ることができる。(4−アミノフェニル)トリメチルアンモニウムとN−(1−エトキシエチリデン)−2−アミノオキシ酢酸N−ヒドロキシスクシンイミジルエステルを有機溶媒中第三塩基の存在下で反応させて(Z)−4−(2−(((1−エトキシエチリデン)アミノ)オキシ)アセトアミド)−N,N,N−トリメチルベンゼンアミニウムを形成する。(Z)−4−(2−(((1−エトキシエチリデン)アミノ)オキシ)アセトアミド)−N,N,N−トリメチルベンゼンアミニウムを、標準的な
18F−標識条件を用いて
18Fで標識して、次式の(Z)−エチル N−2−((4−フルオロフェニル)アミノ)−2−オキソエトキシアセトイミデートを得る。
【0059】
【化9】
式IIIAのカルボニル化合物は次のようにして得ることができる。
18F−フッ素化アルデヒドは
18F−フルオロベンズアルデヒド又はp−(ジ−tert−ブチル−
18F−フルオロシリル)ベンズアルデヒド(
18F−SiFA−A)であり得る。式
18F(CH
2)
2O[CH
2CH
2O]
qCH
2CHO(ここで、qは3である)の
18F−標識脂肪族アルデヒドはGlaser他の方法によって得ることができる[Bioconj.Chem.,
19(4),951−957(2008)]。
18F−フルオロベンズアルデヒドはGlaser他の方法によって得ることができる[J.Lab.Comp.Radiopharm.,
52,327−330(2009)]。
18F−フルオロベンズアルデヒドの前駆体、すなわちMe
3N
+−C
6H
4−CHO.CF
3SO
3-はHaka他の方法によって得ることができる[J.Lab.Comp.Radiopharm.,
27,823−833(1989)]。
【0060】
123I−ベンズアルデヒドは、Thumshirn他によって記載されている対応するトリメチルスズ前駆体から製造することができる[Chem.Eur.J.,
9,2717−2725(2003)]。
【0061】
BTMがモノクローナル抗体である場合、式IIIBのカルボニル基は、例えば過ヨウ素酸塩を用いた抗体の糖部分の酸化により導入することができる[Kurth他及びその引用文献、J.Med.Chem.,
36,1255−1261(1993)]。アルデヒド側鎖を有するアミノ酸はTet.Lett.,
43(12),p.2303−2306(2002)に記載されている方法によってペプチド配列中に導入することができる。
【0062】
式IIIA又はIIIBのカルボニル化合物は、場合により、適切な保護誘導体の脱保護によってその場で生成し得る。カルボニル保護基の使用は、Protective Groups in Organic Synthesis,4th Edition,Theorodora W.Greene及びPeter G.M.Wuts,[Wiley Blackwell,(2006)]に記載されている。
【0063】
第2の態様では、本発明は、放射性医薬組成物の製造方法を提供し、ここで放射性医薬組成物は第1の態様で定義された式(IVA)又は(IVB)の放射性標識コンジュゲートを生体適合性担体と共に哺乳類への投与に適した形態で含み、製造方法は第1の態様の放射性標識方法を含む。
【0064】
第2の態様における式(IVA)又は(IVB)の放射性標識コンジュゲートの好ましい実施形態は第1の態様(上記)に記載した通りである。第2の態様の放射性標識コンジュゲートは好ましくは式(IVA)のものである。
【0065】
「哺乳類への投与に適した形態」という記載は、無菌でパイロジェンフリーであり、毒性又は有害作用を生じる化合物を含まず、生体適合性pH(約pH4.0〜10.5)で製剤化される組成物を意味する。かかる組成物は、インビボで塞栓を生じる危険性のある粒状物質を含んでおらず、しかも体液(例えば、血液)と接触しても沈殿を生じないように製剤化される。かかる組成物は、生物学的に適合性の賦形剤のみを含み、好ましくは等張性である。
【0066】
「生体適合性担体」とは、放射性コンジュゲートを懸濁又は好ましくは溶解できる流体、特に液体であって、組成物が生理学的に認容できるもの、つまり毒性も耐え難い不快感も伴わずに哺乳類の身体に投与することができるようなものである。生体適合性担体は好適には注射可能な担体液であり、例えば、パイロジェンフリーの注射用滅菌水、食塩液のような水溶液(これは注射用の最終製剤が等張性となるように調整するのに都合がよい)、生体適合性緩衝剤を含む水性緩衝液(例えばリン酸緩衝液)、1種以上の張度調節物質(例えば血漿陽イオンと生体適合性対イオンとの塩)、糖(例えばグルコース又はスクロース)、糖アルコール(例えばソルビトール又はマンニトール)、グリコール(例えばグリセロール)その他の非イオン性ポリオール材料(例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど)の水溶液である。好ましくは、生体適合性担体はパイロジェンフリーの注射用水又は等張食塩水又はリン酸緩衝液である。
【0067】
放射性標識コンジュゲート及び生体適合性担体は各々、無菌健全性及び/又は放射能安全性、さらに適宜ヘッドスペースの不活性ガス(例えば、窒素又はアルゴン)を維持できるとともに、注射器又はカニューレでの溶液の添加及び吸引も行うことのできる密封容器からなる適当なバイアル又は容器に入れた状態で供給される。かかる容器として好ましいのは、セプタムシールバイアルであり、気密蓋をオーバーシール(通常はアルミニウム製)と共にクリンプオンする。蓋は、無菌健全性を維持したまま皮下注射針で1回又は複数回穿刺するのに適したもの(例えば、クリンプオン式セプタムシール蓋)である。かかる容器は、所望に応じて(例えばヘッドスペースガスの変更又は溶液の脱気のため)真空に蓋が耐えるとともに、酸素や水蒸気のような外部雰囲気ガスを侵入させずに減圧のような圧力変化に耐えるという追加の利点がある。
【0068】
好ましい多用量用容器は、患者の複数回分の用量を収容した単一バルクバイアル(例えば容積10〜50cm
3のもの)からなり、臨床症状に応じて製剤の有効期間中様々な時間間隔で1回分の用量を臨床グレードの注射器に吸引することができる。プレフィルド型注射器は患者の1回分の用量つまり「単位用量」を収容するように設計され、そのため好ましくは使い捨てその他臨床用に適した注射器である。
【0069】
放射性医薬組成物は、抗菌保存剤、pH調整剤、充填剤、放射線防護剤、可溶化剤又はモル浸透圧濃度調整剤のような追加の添加剤を適宜含んでいてもよい。「放射線防護剤」という用語は、水の放射線分解で生じる含酸素フリーラジカルのような反応性の高いフリーラジカルを捕捉することによって、酸化還元反応のような分解反応を抑制する化合物を意味する。本発明の放射線防護剤は、好適には、アスコルビン酸、パラアミノ安息香酸(つまり4−アミノ安息香酸)、ゲンチシン酸(つまり2,5−ジヒドロキシ安息香酸)及びそれらの生体適合性陽イオンとの塩から選択される。「可溶化剤」という用語は、組成物に存在する添加剤であって、溶媒中での造影剤の溶解度を高める添加剤を意味する。かかる溶媒として好ましいのは水性媒質であり、従って可溶化剤は好ましくは水中での溶解度を高める。かかる可溶化剤として適したものとしては、C
1-4アルコール、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロック共重合体(Pluronics(商標))、シクロデキストリン(例えば、α−、β−又はγ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン或いはヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン)及びレシチンがある。
【0070】
「抗菌保存剤」という用語は、細菌、酵母又はカビなどの有害微生物の増殖を阻害する薬剤を意味する。抗菌保存剤は、使用する用量に応じてある程度の殺菌作用を示すこともある。本発明の抗菌保存剤の主な役割は、医薬組成物におけるこのような微生物の増殖を阻止することである。ただし、抗菌保存剤は、投与に先立って組成物の製造に使用されるキットの1種以上の成分における有害微生物の増殖の防止にも適宜使用できる。好適な抗菌保存剤には、パラベン類(即ち、メチル、エチル、プロピル又はブチルパラベン或いはこれらの混合物)、ベンジルアルコール、フェノール、クレゾール、セトリミド及びチオメルサールがある。好ましい抗菌保存剤はパラベン類である。
【0071】
「pH調整剤」という用語は、組成物のpHがヒト又は哺乳類への投与のための許容範囲(約pH4.0〜10.5)内に確実に収まるようにするのに有用な化合物又は化合物混合物を意味する。好適なかかるpH調整剤には、トリシン、リン酸塩又はTRIS[即ち、トリス(ヒドロキシルメチル)アミノメタン]のような薬学的に許容される緩衝剤、及び炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム又はこれらの混合物のような薬学的に許容される塩基がある。組成物をキットの形態で使用する場合には、キットのユーザーが多段操作の一部としてpHを調整できるように、pH調整剤を適宜別個のバイアル又は容器に入れて供給してもよい。
【0072】
「充填剤」という用語は、製造及び凍結乾燥時における材料の取扱いを容易にすることができる薬学的に許容される増量剤を意味する。好適な充填剤には、塩化ナトリウムのような無機塩、及びスクロース、マルトース、マンニトール又はトレハロースのような水溶性の糖又は糖アルコールがある。
【0073】
第2の態様の方法は、次のような様々な方法で実施し得る。
a)クリーンルーム環境でステップを実施する無菌製造技術、
b)第1の態様のステップ(i)−(iii)を無菌製造を使用しないで実施し、その後最後のステップとして滅菌する[例えば、ガンマ線照射、オートクレーブ乾式加熱又は化学的処理(例えば酸化エチレン)]最終滅菌、
c)式(IA)又は(IIIB)の適切な非放射性前駆体及び任意の添加物を含む無菌の非放射性キット製剤をそれぞれ式(IIIA)又は(IB)の放射性化合物と反応させるキット法、
d)自動合成装置を用いてステップを実施する無菌製造技術。
【0074】
方法(d)が好ましい。これは第4の態様(後記)で記載する。
【0075】
第3の態様では、本発明は第2の態様の方法に有用な前駆体を提供し、この前駆体は滅菌形態の式(IA)の保護化合物を含む。
【0076】
この第3の態様における式(IA)の化合物の好ましい実施形態については第1の態様(上記)で記載した。
【0077】
式(IA)の「前駆体」はBTMの非放射性の誘導体を含む。かかる前駆体は合成であり、従来法で良好な化学的純度で得ることができる。この「前駆体」は場合によりさらに、生体ターゲティング分子のある種の官能基のための1以上の保護基(P
GP)も含み得る。P
GPは第1の態様(上記)で定義した通りである。
【0078】
式(IA)の保護化合物の好ましい滅菌形態は凍結乾燥された固体である。さらに好ましくは、滅菌前駆体は、第5の態様(後記)で記載するようにカセットの一部として供給される。
【0079】
滅菌化合物を得る方法は、第2の態様(上記)の放射性医薬組成物について記載した通りである。
【0080】
第4の態様では、本発明は、第1又は第2の態様の方法を実施するための自動合成装置の使用を提供する。
【0081】
第3の態様における第1の態様の方法の好ましい実施形態は第1の態様(上記)で記載した通りである。好ましくは、第4の態様は第2の態様の方法の実施、つまり放射性医薬組成物の製造に使用される。
【0082】
「自動合成装置」という用語は、Satyamurthy他[Clin.Positr.Imag.,
2(5),233−253(1999)]に記載されているような単位操作の原理に基づく自動化モジュールを意味する。「単位操作」という用語は、複雑なプロセスが一連の簡単な操作又は反応に集約されることを意味し、広範な材料に適用できる。かかる自動合成装置は、本発明の方法、特に放射性医薬品生成物が所望される場合の本発明の方法に好ましい。これらは、GE Healthcare社、CTI社.、Ion Beam Applications社(ベルギー国、B−1348ルヴァン・ラ・ヌーブ、シュマン・デュ・シクロトロン3)、Raytest社(ドイツ)及びBioscan社(米国)を始めとする様々な供給業者から市販されている[Satyamurthy他、上掲]。
【0083】
市販の自動合成装置は、放射性医薬品の製造の結果として生じる液体放射性廃棄物用の適当な容器も提供する。自動合成装置は、適切に設計された放射能作業セル内で使用するように設計されているので、通例、放射線遮蔽が設けられていない。放射能作業セルは、潜在的な放射線量からオペレーターを保護するのに適した放射線遮蔽をもたらすとともに、化学薬品蒸気及び/又は放射性蒸気を除去するための換気装置を与える。自動合成装置は、好ましくはカセットを備える。
【0084】
「カセット」という用語は、合成装置の可動部材の機械的運動がカセットの外側から(つまり外部から)カセットの動作を制御するように、自動合成装置(上述)に着脱自在かつ交換可能に装着できるように設計された装置を意味する。好適なカセットは直線状に並んだ弁の列を含み、その各々は倒立セプタムシールバイアルの針穿刺又は気密連結継手によって試薬又はバイアルを装着することができるポートに結合している。各弁は、自動合成装置の対応する可動アームとかみ合うはめ込み型継手を有している。カセットを自動合成装置に装着した場合、アームの外部回転が弁の開閉を制御する。自動合成装置の追加の可動部材は、注射器のプランジャー先端をつかみ、注射器外筒を上昇又は降下させるように設計されている。
【0085】
カセットは汎用性であって、通例は試薬を装着することができる複数の位置、及び試薬のシリンジバイアル又はクロマトグラフィーカートリッジ(例えば、固相抽出(SPE))を装着するのに適した複数のポートを有している。カセットは常に反応容器を含んでいる。かかる反応容器は好ましくは1〜10cm
3、最も好ましくは2〜5cm
3の容積を有しており、カセットの様々なポートから試薬又は溶媒を移送できるように、カセットの3以上のポートが反応容器に連結されるように構成されている。好ましくは、カセットは直線状に並んだ15〜40個の弁、最も好ましくは20〜30個の弁を有しており、25個の弁が特に好ましい。カセットの弁は好ましくは各々同一であり、最も好ましくは三方弁である。本発明のカセットは放射性医薬品の製造に適するように設計され、医薬グレードの材料であって理想的には放射線分解にも耐える材料で製造される。
【0086】
本発明の好ましい自動合成装置は、放射性フッ素化された放射性医薬品の所定バッチの製造を実施するのに必要なすべての試薬、反応容器及び機器を含むディスポーザブルつまり使い捨てカセットを備える。かかるカセットは、単にカセットを交換するだけで、自動合成装置が相互汚染のリスクを最小限に抑えながら各種の放射性医薬品を製造できる柔軟性をもつことを意味する。カセットアプローチには、装置構成の単純化とそれに伴うオペレーターエラーのリスクの低減、GMP(Good Manufacturing Practice)コンプライアンスの向上、マルチトレーサー能力、生産作業間の迅速な変更、カセット及び試薬の作業前自動診断検査、実施すべき合成と化学試薬との自動バーコードクロスチェック、試薬のトレーサビリティ、使い捨てであり、そのため相互汚染のリスクがなく、改竄及び誤用を防ぐことができるという利点がある。
【0087】
第5の態様では、本発明は、第4の態様で定義された自動合成装置で使用するのに適した単回使用の使い捨てカセットを提供し、カセットは第3の態様の前駆体を含む。
【0088】
第5の態様における自動合成装置及びカセットの好ましい態様は第4の態様(上記)で記載した通りである。第5の態様における前駆体の好ましい態様は第3の態様(上記)で記載した通りである。
【0089】
第6の態様では、本発明は、式(IA)の保護化合物を提供し、ここでそのX
1及びその好ましい態様は第1の態様で定義した通りであり、BTMは第1の態様(上記)で定義したAffibody、又はペプチドA、ペプチドB、ペプチドC若しくはペプチドD、及びその好ましい態様である。
【0090】
第7の態様では、本発明は式(IB)の保護化合物を提供し、ここでX
1及びQ並びにその好ましい態様は第1の態様で定義した通りである。
【0091】
第8の態様では、本発明は、第1の態様で定義された式(IA)又は(IB)の保護化合物の、第1の態様で定義された生体ターゲティング分子(BTM)の放射性標識における使用を提供する。第8の態様における式(IA)又は(IB)の化合物及びBTMの好ましい態様は第1の態様(上記)に記載した通りである。
【実施例】
【0092】
以下に詳細を示す非限定例により本発明を例証する。実施例1は、本発明のc−Metターゲティングペプチド(「ペプチド1」)の合成を提供する。実施例1は、アミノオキシ官能基が本発明の保護基(Eei)で保護されたアミノオキシ官能化ペプチド1(「化合物1」)の合成を提供する。実施例3は、化合物1を脱保護して遊離アミノオキシペプチド1(「化合物2」)を得る例を提供する。実施例4は、化合物1のその場で(すなわちワンポット)の脱保護及びアルデヒドコンジュゲーションでコンジュゲート(「化合物3」)を得る例を提供する。実施例5は本発明の別のEei保護ペプチドの合成を、実施例6はその脱保護を提供する。
【0093】
略号
従来のアミノ酸の一文字又は三文字略語を使用する。
Ac:アセチル
Acm:アセトアミドメチル
ACN:アセトニトリル
AcOH:酢酸
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
tBu:第三−ブチル
DCM:ジクロロメタン
DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
Eei:エトキシエチリジン;
Fmoc:9−フルオレニルメトキシカルボニル
HBTU:O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
NHS:N−ヒドロキシ−スクシンイミド
NMM:N−メチルモルホリン
NMP:1−メチル−2−ピロリジノン
Pbf:2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル
tBu:tert−ブチル
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TIS:トリイソプロピルシラン
Trt:トリチル。
【0094】
【表1】
実施例1:ペプチド1の合成
ステップ(a):保護前駆体線状ペプチドの合成
前駆体の線状ペプチドは次の構造を有する。
Ac−Ala−Gly−Ser−Cys−Tyr−Cys(Acm)−Ser−Gly−Pro−Pro−Arg−Phe−Glu−Cys(Acm)−Trp−Cys−Tyr−Glu−Thr−Glu−Gly−Thr−Gly−Gly−Gly−Lys−NH
2
0.1mmolのRink Amide Novagel樹脂から出発してFmoc化学を用いてApplied Biosystems 433Aペプチド合成装置でペプチジル樹脂H−Ala−Gly−Ser(tBu)−Cys(Trt)−Tyr(tBu)−Cys(Acm)−Ser(tBu)−Gly−Pro−Pro−Arg(Pbf)−Phe−Glu(OtBu)−Cys(Acm)−Trp(Boc)−Cys(Trt)−Tyr(tBu)−Glu(OtBu)−Thr(Ψ
Me,Mepro)−Glu(OtBu)−Gly−Thr(tBu)−Gly−Gly−Gly−Lys(Boc)−ポリマーを組み立てた。過剰の1mmolの予備活性化アミノ酸(HBTUを用いる)をカップリングステップに適用した。Glu−Thrプソイドプロリン(Novabiochem 05−20−1122)を配列中に導入した。樹脂を窒素バブラー装置に移し、DCM(5mL)に溶解した無水酢酸(1mmol)とNMM(1mmol)の溶液で60min処理した。無水物溶液を濾過により除去し、樹脂をDCMで洗浄し、窒素流下で乾燥した。
【0095】
樹脂からのペプチドの開裂と同時の側鎖保護基の除去を、2.5%のTIS、2.5%の4−チオクレゾール及び2.5%の水を含有するTFA(10mL)中で2時間30min行った。樹脂を濾過により除去し、TFAを真空中で除去し、ジエチルエーテルを残渣に加えた。生成した沈殿をジエチルエーテルで洗浄し、風乾して264mgの粗ペプチドを得た。
【0096】
粗ペプチドの分取HPLC(勾配:20〜30%B、40min、A=H
2O/0.1%TFA、B=ACN/0.1%TFA、流量:10mL/min、カラム:Phenomenex Luna 5μ C18(2) 250×21.20mm、検出:UV 214nm、生成物保持時間:30min)による精製で、100mgの純粋なペプチド1線状前駆体を得た。純粋な生成物を分析用HPLC(勾配:10〜40%B、10min、A=H
2O/0.1%TFA、B=ACN/0.1%TFA、流量:0.3mL/min、カラム:Phenomenex Luna 3μ C18(2) 50×2mm、検出:UV 214nm、生成物保持時間:6.54min)で分析した。さらに生成物の特性決定を、エレクトロスプレー質量分析(MH
22+計算値:1464.6、MH
22+実測値:1465.1)を用いて行った。
【0097】
ステップ(b):単環式Cys4−16ジスルフィド架橋の生成
Cys4−16;Ac−Ala−Gly−Ser−Cys−Tyr−Cys(Acm)−Ser−Gly−Pro−Pro−Arg−Phe−Glu−Cys(Acm)−Trp−Cys−Tyr−Glu−Thr−Glu−Gly−Thr−Gly−Gly−Gly−Lys−NH
2
ステップ(a)の線状前駆体(100mg)を5%DMSO/水(200mL)に溶解し、アンモニアを用いて溶液をpH6に調整した。反応混合物を5日攪拌した。次に、溶液をTFAを用いてpH2に調整し、殆どの溶媒を真空中で蒸発により除去した。残渣(40mL)を生成物精製のために少しずつ分取HPLCカラムに注入した。
【0098】
残渣の分取HPLC(勾配:0%Bで10min、次に0〜40%Bで40min、A=H
2O/0.1%TFA、B=ACN/0.1%TFA、流量:10mL/min、カラム:Phenomenex Luna 5μ C18(2) 250×21.20mm、検出:UV 214nm、生成物保持時間:44min)による精製で、72mgの純粋なペプチド1単環式前駆体を得た。純粋な生成物(異性体P1〜P3の混合物)を分析用HPLC(勾配:10〜40%B、10min、A=H
2O/0.1%TFA、B=ACN/0.1%TFA、流量:0.3mL/min、カラム:Phenomenex Luna 3μ C18(2) 50×2 mm、検出:UV 214nm、生成物保持時間:5.37min(P1);5.61min(P2);6.05min(P3))で分析した。さらにエレクトロスプレー質量分析(MH
22+計算値:1463.6、MH
22+実測値:1464.1 P1);1464.4(P2);1464.3(P3))を用いてを用いて生成物の特性決定を行った。
【0099】
ステップ(c):第2のCys6−14ジスルフィド架橋(ペプチド1)の生成
ステップ(b)の単環式前駆体(72mg)を窒素雰囲気下で75%AcOH/水(72mL)に溶解した。1MのHCl(7.2mL)及びAcOH(4.8mL)中の0.05MのI2をこの順に加え、混合物を45min攪拌した。1Mアスコルビン酸(1mL)を加えて無色の混合物を得た。溶媒の殆どを真空中で蒸発させ、残渣(18mL)を水/0.1%TFA(4mL)で希釈しし、生成物を分取HPLCで精製した。残渣の分取HPLC(勾配:0%Bで10min、次いで20〜30%Bで40min、A=H
2O/0.1%TFA、B=ACN/0.1%TFA、流量:10mL/min、カラム:Phenomenex Luna 5μ C18(2) 250×21.20mm、検出:UV 214nm、生成物保持時間:43−53min)による精製で52mgの純粋なペプチド1を得た。純粋な生成物を分析用HPLC(勾配:10〜40%B、10min、A=H
2O/0.1%TFA、B=ACN/0.1%TFA、流量:0.3mL/min、カラム:Phenomenex Luna 3μ C18(2) 50×2mm、検出:UV 214nm、生成物保持時間:6.54min)で分析した。さらにエレクトロスプレー質量分析(MH
22+計算値:1391.5、MH
22+実測値:1392.5)を用いて生成物を特性決定した。
【0100】
実施例2:ペプチド1のEei保護アミノオキシコンジュゲート(化合物1)の合成
ペプチド1(0.60g、0.22mmol)及びEei−AOAc−Osu(IRIS Biotech;83mg、0.32mmol)をDMF(5mL)に溶解した。DIPEA(75μL、2mmol)を加え、反応混合物を30min振盪した。DIPEAの第2の試料(75μL、2mmol)を加え、反応混合物を1hr振盪した。次に、反応混合物を10%ACN/水/0.l%酢酸アンモニウム(10mL)で希釈し、生成物を分取HPLCで精製した。純粋な生成物を含有する画分を合わせ、生成物を凍結乾燥して550mg(89%収率)の化合物1を得た。
【0101】
純粋な生成物を分析用HPLC(勾配:10〜40%B、5min、A=H
2O/0.1%TFA、B=ACN/0.1%TFA、流量:0.6mL/min、カラム:Phenomenex Luna 3μ C18(2) 20×2 mm、検出:UV 214nm、生成物保持時間:3.56min)で分析した。さらにエレクトロスプレー質量分析(MH
22+計算値:1463.1、MH
22+実測値:1463.2)を用いて生成物を特性決定した。
【0102】
実施例3:ペプチド1のアミノオキシコンジュゲート(化合物2)を得るための脱保護
化合物1(実施例2;461mg、158μmol)を2.5%TFA/水(46mL)の溶液に懸濁させ、溶液を60min振盪/超音波処理した。懸濁液を水(414mL)で希釈し、溶液を凍結乾燥して472mg(105%)の化合物2を得た。
【0103】
純粋な生成物を分析用HPLC(勾配:10〜40%B、5min、A=H
2O/0.1%TFA、B=ACN/0.1%TFA、流量:0.6mL/min、カラム:Phenomenex Luna 3μ C18(2) 20×2mm、検出:UV 214nm、生成物保持時間:3.00min)で分析した。さらに、エレクトロスプレー質量分析(MH
22+計算値:1428.1、MH
22+実測値:1428.6)を用いて生成物を特性決定した。
【0104】
実施例4:化合物1とアルデヒドのワンポットコンジュゲーション
エタノール(0.5mL)中のアセトアルデヒド(1μL、17μmol)を1M HCl(0.5mL)中の化合物1(実施例2;5mg、1.7μmol)の混合物に加え、反応混合物を30min振盪/超音波処理した。次に、反応混合物を10%ACN/水/0.1%TFA(7mL)で希釈し、生成物を半調製用HPLCで精製して3.8mg(78%)の化合物3を得た。
【0105】
純粋な生成物を分析用HPLC(勾配:10〜40%B、5min、A=H
2O/0.1%TFA、B=ACN/0.1%TFA、流量:0.6mL/min、カラム:Phenomenex Luna 3μ C18(2) 20×2mm、検出:UV 214nm、生成物保持時間:3.22min)で分析した。さらにエレクトロスプレー質量分析(MH
22+計算値:1441.1、MH
22+実測値:1441.4)を用いて生成物を特性決定した。
【0106】
実施例5:(Eei−アミノオキシ)アセチル−ズラマイシン(化合物4)の合成
【0107】
【化10】
ズラマイシン(Sigma−Aldrich;50mg、25μmol)、(Eei−アミノオキシ)酢酸NHSエステル(Iris Biotech.,5.1mg、20μmol)及びDIPEA(17μL、100μmol)をNMP(1mL)に溶解した。反応混合物を45min振盪した。次に混合物を水/0.1%酢酸(8mL)で希釈し、生成物を分取HPLCで精製した。
【0108】
分取HPLC(実施例1と同じ、勾配14−45%B、40min、A=水/0.1%酢酸、B=ACN)で精製して14mgの純粋な化合物4を得た(収率26%)。精製した物質をLC−MS(勾配:20〜50%B、5min、tR:2.5、2.7min、実測値m/z:1078.8、予測値MH
22+:1078.5)で分析した。
【0109】
(Eei−アミノオキシ)アセチル−ズラマイシン位置異性体のクロマトグラフ分離は0.1%TFAを用いて分析用HPLCで達成できた。しかし、Eei保護基は0.1%TFA中で不安定であるので分取分離は実行できなかった。位置異性体は0.1%酢酸で分離されなかった。
【0110】
実施例6:アミノオキシアセチル−ズラマイシン(化合物5)の合成
【0111】
【化11】
化合物4(実施例5;14mg)をアルゴン下で40min2.5%TFA/水(2.8mL)で処理した。反応混合物を水(31mL)で希釈し、生成物を凍結乾燥して(イソプロパノール/ドライアイスを用いてアルゴン下で凍結)、18mgの化合物5を得た。凍結乾燥した生成物をLC−MS(勾配:20〜50%B、5min、tR:2.5及び2.1min、実測値m/z:1043.8、予測値MH
22+:1043.5)で分析した。
【0112】
化合物5位置異性体のクロマトグラフ分離は分析用HPLCで0.1%TFAを用いて達成できなかった。しかし、溶媒及び環境中の痕跡量のケトン及びアルデヒドに対する遊離アミノオキシ基の高い反応性のため、位置異性体を分離する試みは行わなかった。