特許第6231883号(P6231883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカの特許一覧

<>
  • 特許6231883-電子機器及び電子機器充電システム 図000002
  • 特許6231883-電子機器及び電子機器充電システム 図000003
  • 特許6231883-電子機器及び電子機器充電システム 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231883
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】電子機器及び電子機器充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20171106BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20171106BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20171106BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   H02J7/00 H
   H02J50/10
   H02J50/80
   H02J7/00 301D
   H02J7/10 B
   H01M10/46
   H01M10/48 P
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-550093(P2013-550093)
(86)(22)【出願日】2012年11月27日
(86)【国際出願番号】JP2012007603
(87)【国際公開番号】WO2013094126
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2015年10月6日
(31)【優先権主張番号】特願2011-281706(P2011-281706)
(32)【優先日】2011年12月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100119552
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 公秀
(74)【代理人】
【識別番号】100138771
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 将明
(72)【発明者】
【氏名】勝又 智樹
(72)【発明者】
【氏名】山下 雄市郎
【審査官】 高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−035417(JP,A)
【文献】 特開平08−045550(JP,A)
【文献】 特開2011−169817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 − 7/12
H02J 7/34 − 7/36
H01M 10/42 − 10/48
H02J 50/00 − 50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を受電する受電部と、
前記受電部で受電した電力を基に充電される二次電池と、を備え、
外部に対して送電の停止を指示することが可能であり、
前記二次電池の放電電流で動作する、
電子機器であって、
前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が第1の閾値より大きく、かつ前記第1の閾値より大きい第2の閾値より小さくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止し、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開し、
その後、前記二次電池の電圧が前記第2の閾値より大きくなった場合、前記送電停止の指示をするとともに、前記二次電池の充電を停止する、
電子機器。
【請求項2】
電力を受電する受電部と、
前記受電部で受電した電力を基に充電される二次電池と、を備え、
外部に対して送電の停止を指示することが可能であり、
前記二次電池の放電電流で動作する、
電子機器であって、
前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が第1の閾値より大きく、かつ前記第1の閾値より大きい第2の閾値より小さくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止するとともに、前記二次電池の放電電流を所定電流値以下にし、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開
その後、前記二次電池の電圧が前記第2の閾値より大きくなった場合、前記送電停止の指示をするとともに、前記二次電池の充電を停止する、
電子機器。
【請求項3】
電力を受電する受電部と、
前記受電部で受電した電力を基に充電される二次電池と、を備え、
外部に対して送電の停止を指示することが可能であり、
前記二次電池の放電電流で動作する、
電子機器であって、
前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が第1の閾値より大きく、かつ前記第1の閾値より大きい第2の閾値より小さくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止するとともに、前記二次電池の放電電流を所定電流値以下にし、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開するとともに、前記二次電池の放電電流を所定電流値以下にすることを停止
その後、前記二次電池の電圧が前記第2の閾値より大きくなった場合、前記送電停止の指示をするとともに、前記二次電池の充電を停止する、
電子機器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記受電部は、電磁コイルを有する、
電子機器。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記送電停止の指示は、前記受電部を介して送信される、
電子機器。
【請求項6】
電力を送電する送電部を備え、
外部からの送電停止の指示に従って、前記送電の停止が可能な充電器と、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子機器と、を有する、
電子機器充電システム。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器充電システムであって、
前記送電部は、電磁コイルを有する、
電子機器充電システム。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の電子機器充電システムであって、
前記充電器は、外部の商用電源より電力の供給を受ける、
電子機器充電システム。
【請求項9】
電力を受電する受電部と、
前記受電部で受電した電力を基に充電される二次電池と、を備え、
外部に対して送電の停止を指示することが可能であり、
前記二次電池の放電電流で動作する、
電子機器において利用可能な充電停止/再開方法であって、
前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が第1の閾値より大きく、かつ前記第1の閾値より大きい第2の閾値より小さくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止し、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開し、
その後、前記二次電池の電圧が前記第2の閾値より大きくなった場合、前記送電停止の指示をするとともに、前記二次電池の充電を停止する、
充電停止/再開方法。
【請求項10】
電力を受電する受電部と、
前記受電部で受電した電力を基に充電される二次電池と、を備え、
外部に対して送電の停止を指示することが可能であり、
前記二次電池の放電電流で動作する、
電子機器において利用可能な充電停止/再開方法であって、
前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が第1の閾値より大きく、かつ前記第1の閾値より大きい第2の閾値より小さくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止するとともに、前記二次電池の放電電流を所定電流値以下にし、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開
その後、前記二次電池の電圧が前記第2の閾値より大きくなった場合、前記送電停止の指示をするとともに、前記二次電池の充電を停止する、
充電停止/再開方法。
【請求項11】
電力を受電する受電部と、
前記受電部で受電した電力を基に充電される二次電池と、を備え、
外部に対して送電の停止を指示することが可能であり、
前記二次電池の放電電流で動作する、
電子機器において利用可能な充電停止/再開方法であって、
前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が第1の閾値より大きく、かつ前記第1の閾値より大きい第2の閾値より小さくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止するとともに、前記二次電池の放電電流を所定電流値以下にし、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開するとともに、前記二次電池の放電電流を所定電流値以下にすることを停止
その後、前記二次電池の電圧が前記第2の閾値より大きくなった場合、前記送電停止の指示をするとともに、前記二次電池の充電を停止する、
充電停止/再開方法。
【請求項12】
請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の充電停止/再開方法であって、
前記受電部は、電磁コイルを有する、
充電停止/再開方法。
【請求項13】
請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の充電停止/再開方法であって、
前記送電停止の指示は、前記受電部を介して送信される、
充電停止/再開方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無接点で電力を受電し、受電した電力を基に二次電池を充電する無接点充電機能を備えた電子機器及び該電子機器と該電子機器に無接点で電力を送電する送電機能を備えた充電器とで構成される電子機器充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池を利用する電子機器には、電池残量を検出する機能を備えているものがある。二次電池の残容量を求めるには、無負荷状態での端子電圧(これは“OCV(Open Circuit Voltage、開放端子電圧)”と呼ばれる)を検出する必要がある。特許文献1に二次電池の残容量を求める演算方法が記載されている。この特許文献1に記載された二次電池の残容量演算方法は、予め求められている二次電池の開放端子電圧OCVと相対残容量SOC[%]との関係を示すテーブルを参照して該二次電池の開放端子電圧から該二次電池の相対残容量を求めるに際し、前記二次電池の満充電状態における開放端子電圧OCVfullを検出し、この開放端子電圧OCVfullに従って前記テーブルを参照して相対残容量SOCfull[%]を求め、その後、前記二次電池の放電停止時に検出される該二次電池の開放端子電圧OCVに従って前記テーブルを参照して求められる相対残容量SOCを、前記満充電状態で相対残容量SOCfull[%]に基づいて、SOCtrue=SOC×(100/SOCfull)として補正して前記二次電池の真の相対残容量SOCtrueを求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特開2011−053088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無接点充電機能を備えた電子機器は、電力を送電する充電器に置くことで無接点充電を開始するが、無接点充電中にOCV測定を実施する際に充電を停止するとともに、充電器の送電を停止させてしまい、そのままでは充電を再開することができない。充電を再開するには、電子機器側の着地検出が必要となる(即ち、電子機器を一旦充電器の置き台から離し、再度置き台に置く操作が必要となる)。このように、OCV測定後に電子機器側の着地検出無しに充電を再開することができないという課題がある。
【0005】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、OCV測定後に電子機器側の着地検出無しに充電を再開することができる電子機器及び電子機器充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、電力を受電する受電部と、前記受電部で受電した電力を基に充電される二次電池と、を備え、外部に対して送電の停止を指示することが可能であり、前記二次電池の放電電流で動作する、電子機器であって、前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が所定の閾値より大きくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止し、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開する。
【0007】
上記構成によれば、二次電池の充電を停止してから再開するまでの間にOCV測定ができる。また、送電停止を指示しないので、電子機器側の着地検出無しに充電を再開することができる。
【0008】
上記構成において、前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が所定の閾値より大きくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止するとともに、前記二次電池の放電電流を所定電流値以下にし、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開する。
【0009】
上記構成によれば、二次電池の放電電流を下げることで、OCV測定時の負荷が軽減し、OCV測定精度が向上する。例えば、CPU(Central Processing Unit)をスリープ状態にすることで、二次電池の放電電流を下げることができる。
【0010】
上記構成において、前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が所定の閾値より大きくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止するとともに、前記二次電池の放電電流を所定電流値以下にし、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開するとともに、前記二次電池の放電電流を所定電流値以下にすることを停止する。
【0011】
上記構成によれば、二次電池の充電停止時から所定時間経過後に、二次電池の放電電流を所定電流値以下にすることを停止するので、その後は、充電の再開が可能な状態になり、二次電池を正常に充電することができる。
【0012】
上記構成において、前記所定の閾値を第1の閾値とし、前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が前記第1の閾値より大きく、かつ前記第1の閾値より大きい第2の閾値より小さくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止し、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開し、その後、前記二次電池の電圧が前記第2の閾値より大きくなった場合、前記送電停止の指示をする。
【0013】
上記構成によれば、二次電池の電圧が第1の閾値より大きく、かつ第1の閾値より大きい第2の閾値より小さくなった場合に、OCV測定を行うことができ、その後、二次電池の電圧が第2の閾値より大きくなった場合に充電を完了させることができる。
【0014】
上記構成において、前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が前記第1の閾値より大きく、かつ前記第1の閾値より大きい第2の閾値より小さくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止し、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開し、その後、前記二次電池の電圧が前記第2の閾値より大きくなった場合、前記送電停止の指示をするとともに、前記二次電池の充電を停止する。
【0015】
上記構成によれば、二次電池の充電を停止してから再開するまでの間にOCV測定ができ、さらに、満充電状態になると自動的に充電を停止できる。
【0016】
上記構成において、前記受電部は、電磁コイルを有する。
【0017】
上記構成において、前記送電停止の指示は、前記受電部を介して送信される。
【0018】
本発明の電子機器充電システムは、電力を送電する送電部を備え、外部からの送電停止の指示に従って、前記送電の停止が可能な充電器と、上記いずれかの電子機器と、を有する。
【0019】
上記構成によれば、電子機器は、二次電池の充電を停止してから再開するまでの間にOCV測定ができる。また、電子機器は、充電器に対して送電停止を指示しないので、電子機器側の着地検出無しに充電を再開することができる。
【0020】
上記構成において、前記送電部は、電磁コイルを有する。
【0021】
上記構成において、前記充電器は、外部の商用電源より電力の供給を受ける。
【0022】
本発明の充電停止/再開方法は、電力を受電する受電部と、前記受電部で受電した電力を基に充電される二次電池と、を備え、外部に対して送電の停止を指示することが可能であり、前記二次電池の放電電流で動作する、電子機器において利用可能な充電停止/再開方法であって、前記二次電池を充電している場合で、かつ、前記二次電池の電圧が所定の閾値より大きくなった場合に、送電停止の指示をすることなく、前記二次電池の充電を停止し、その後所定時間後に前記二次電池の充電を再開する。
【0023】
上記方法によれば、二次電池の充電を停止してから再開するまでの間にOCV測定ができる。また、送電停止を指示しないので、電子機器側の着地検出無しに充電を再開することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、無接点で電力を受電し、受電した電力を基に二次電池を充電する無接点充電機能を備えた電子機器において、OCV測定後に電子機器側の着地検出無しに充電を再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施の形態に係る電子機器充電システムの概略構成を示すブロック図
図2図1の電子機器充電システムの電子機器の動作を説明するためのフローチャート
図3図1の電子機器充電システムの変形例であって、受電制御部を電池パックに設けた電子機器充電システムの概略構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電子機器充電システムの概略構成を示すブロック図である。同図において、本実施の形態の電子機器充電システム1は、電子機器2と、充電器3とを備える。電子機器2は、無接点で電力を受電し、受電した電力を基に二次電池を充電する無接点充電機能を備えたものである。充電器3は、クレードルと呼ばれる充電用の置き台であり、交流電源(商用電源)ACから電子機器2に供給する電力を生成し、それを無接点で電子機器2に送電する送電機能を備えたものである。
【0028】
電子機器2は、システム制御部22と、CPU23と、受電制御部21と、機器各部に電力を供給する電池パック24とを備える。システム制御部22は、受電制御部21に送電開始・停止等の指示を出力し、またCPU23をスリープ状態にする指示や起動させる指示をCPU23に出力する。
【0029】
受電制御部21は、無接点で電力を受電する受電部211と、充電器3に送電開始信号や送電停止信号を送信する送信部212と、充電制御を行う充電制御部213とを備える。受電部211は電磁コイル214を有し、充電器3の送電部301の電磁コイル303との間で電磁誘導により充電器3の送電部301から送電される電力を受電する。送信部212は、システム制御部22から送電開始の指示を受けることで、電磁コイル214をアンテナとして利用し、充電器3に送電開始信号を送信する。充電制御部213は、電池パック24に内蔵された二次電池241に対する充電制御を行う。充電制御部213は、二次電池241に対する充電制御において二次電池241の電圧を検出し、検出結果をシステム制御部22に出力する。システム制御部22は、充電制御部213で検出された二次電池241の電圧に基づいて二次電池241が満充電状態かどうか判定し、満充電状態と判定すると送電停止の指示を出力する。
【0030】
電池パック24は、+端子242を介して受電制御部21、システム制御部22及びCPU23の+電源側と接続されるとともに、−端子243を介して電子機器2のグランドG及び受電制御部21の−電源側と接続される。電池パック24に内蔵された二次電池241は、受電制御部21によって充電器3から送電されてくる電力で充電される。
【0031】
充電器3は、送電制御部30を備える。送電制御部30は、無接点で電力を送電する送電部301と、電子機器2から送信される送電開始信号や送電停止信号等を受信する受信部302とを備える。送電部301は、電磁コイル303を有し、該電磁コイル303と電子機器2の受電部211の電磁コイル214との間で電磁誘導により電力を送電する。受信部302は、電磁コイル303をアンテナとして利用し、電子機器2の送信部212から送信される送電開始信号や送電停止信号を受信する。送電制御部30は、受信部302が送電開始信号を受信することで送電部301から送電を開始し、また受信部302が送電停止信号を受信することで送電部301からの送電を停止する。なお、送電の開始・停止の指示の送受信に電磁コイル214,303を利用することで、専用のアンテナが不要となり、その分、コストの削減及び装置の小型化が図れる。
【0032】
次に、本実施の形態に係る電子機器充電システム1の動作を説明する。
図2は、電子機器2の動作を説明するためのフローチャートである。同図において、システム制御部22は、受電を開始する(ステップS1)。即ち、システム制御部22は、受電制御部21に受電を開始する指示を出力する。受電を開始する指示を受けた受電制御部21は、受電部211にて受電を開始する。システム制御部22は、受電の開始後、充電停止かどうか判定する(ステップS2)。即ち、システム制御部22は、電子機器2の状態に応じて充電を停止するかどうか判定する。例えば、電子機器2に温度異常があれば充電を停止すると判定する。
【0033】
システム制御部22は、電子機器2に例えば温度異常があり充電を停止すると判定した場合(即ち、ステップS2の判定で「Yes」と判定した場合)、受電制御部21に送電停止の指示を出力する(ステップS14)。受電制御部21は、送電停止の指示を受けると、充電器3に送電停止信号を送信する。これにより、充電器3からの送電が停止する。
【0034】
システム制御部22は、ステップS2の判定において、充電を停止しないと判定した場合(即ち、ステップS2の判定で「No」と判定した場合)は充電を開始する(ステップS3)。即ち、システム制御部22は、受電制御部21に充電を開始する指示を出力する。受電制御部21は、充電を開始する指示を受けると、充電制御部213で二次電池241の充電を開始する。勿論、充電に使用される電力は充電器3から送電される電力である。システム制御部22は、充電を開始した後、二次電池241の電圧が第1の閾値より小さいかどうか判定する(ステップS4)。二次電池241の電圧が第1の閾値より大きい場合(即ちステップS4の判定で「No」と判定した場合)、二次電池241の電圧が第2の閾値より大きいかどうか判定し(ステップS12)、第2の閾値より大きくなければ、第2の閾値より大きくなるまで本判定を繰り返し、第2の閾値より大きければ、受電制御部21に充電停止の指示を出力する(ステップS13)。受電制御部21は、充電停止の指示を受けると、充電制御部213にて二次電池241の充電を停止する。システム制御部22は、受電制御部21に充電停止の指示を出力した後、受電制御部21に送電停止の指示を出力し(ステップS14)、本処理を終了する。
【0035】
システム制御部22は、ステップS4の判定において、二次電池241の電圧が第1の閾値より小さいと判定した場合(即ちステップS4の判定で「Yes」と判定した場合)、二次電池241の電圧が第1の閾値より大きくなったかどうか判定する(ステップS5)。この判定において、二次電池241の電圧が第1の閾値より大きくなっていない場合(即ちステップS5の判定で「No」と判定した場合)は、二次電池241の電圧が第1の閾値より大きくなるまで本判定を繰り返す。これに対して、二次電池241の電圧が第1の電圧より大きくなった場合(即ちステップS5の判定で「Yes」と判定した場合)、充電器3からの送電は継続させるが、充電を停止する(ステップS6)。即ち、システム制御部22は、受電制御部21に充電停止の指示を出力するのみで、送電停止信号を送信する指示は出力しない。これにより、二次電池241の充電が停止するが、充電器3からの送電は継続して行われる。
【0036】
システム制御部22は、充電を停止し、送電を継続させる制御を行った後、二次電池241の放電電流を所定電流以下に設定するため、CPU23をスリープ状態にする(ステップS7)。即ち、CPU23をスリープ状態にして負荷を軽減する。二次電池241の放電電流を所定電流以下に設定した後、OCV測定を行う(ステップS8)。この場合、CPU23をスリープ状態にして負荷を軽減しているので、精度の良いOCV測定ができる。
【0037】
次いで、システム制御部22は、OCV測定開始時から一定時間を経過したかどうか判定し(ステップS9)、一定時間を経過していない場合(即ちステップS9の判定で「No」と判定した場合)、一定時間を経過するまで本判定を繰り返す。これに対し、一定時間を経過した場合(即ちステップS9の判定で「Yes」と判定した場合)、充電を再開する(ステップS10)。即ち、システム制御部22は、受電制御部21に充電開始の指示を出力して二次電池241の充電を再開する。この場合、充電器3からの送電は停止していないので、OCV測定した後も充電器3に置いた電子機器2を充電器3から一旦離して再度充電器3に置くといった操作を行う必要がない。
【0038】
システム制御部22は、充電の再開後、二次電池241の放電電流を所定電流以下の設定を解除する(ステップS11)。即ち、CPU23をスリープ状態から起動状態にする。二次電池241の放電電流の制限を解除した後、二次電池241の電池電圧が第2の閾値より大きいかどうか判定する(ステップS12)。二次電池241の電池電圧が第2の閾値より大きくない場合(即ちステップS12の判定で「No」と判定した場合)、第2の閾値より大きくなるまで本判定を繰り返す。これに対し、二次電池241の電池電圧が第2の閾値より大きくなった場合(即ちステップS12の判定で「Yes」と判定した場合)、充電を停止する(ステップS13)。即ち、システム制御部22は、受電制御部21に充電停止の指示を出力して二次電池241の充電を停止させる(ステップS13)。次いで、ステップS14で送電を停止させて本処理を終える。
【0039】
このように、システム制御部22は、二次電池241の電池電圧が第1の閾値より大きくなった場合に、充電器3からの送電を継続させたままで、二次電池241に対する充電を停止し、充電停止後、CPU23をスリープ状態に設定して二次電池241の放電電流を所定電流値以下に設定し、この状態でOCV測定を行う。そして、OCV測定後、充電を再開し、二次電池241の電池電圧が第2の閾値より大きくなると充電を停止し、さらに充電器3に対して送電を停止させる。
【0040】
このように本実施の形態に係る電子機器充電システム1によれば、無接点で電力を受電し、受電した電力を基に二次電池241を充電する受電制御部21と、受電制御部21を制御するシステム制御部22とを備えた電子機器2と、交流電源ACから電子機器2に供給する電力を生成し、それを無接点で電子機器2に送電する送電制御部30を備えた充電器3と、を備え、電子機器2のシステム制御部22は、二次電池241の電池電圧が第1の閾値より大きくなった場合に、充電器3からの送電を継続させたままで、二次電池241に対する充電を停止し、その後CPU23をスリープ状態に設定して二次電池241の放電電流を所定電流値以下に設定してOCV測定を行い、OCV測定後充電を再開し、二次電池241の電池電圧が第2の閾値より大きくなると充電を停止するので、電子機器2側の着地検出無しに(充電器3に置いた電子機器2を充電器3から一旦離して再度充電器3に置くといった操作を行うことなく)充電を再開することが可能となる。また、OCV測定の際に、CPU23をスリープ状態に設定して二次電池241の負荷を軽減するので、精度の高いOCV測定が可能となる。
【0041】
なお、本実施の形態に係る電子機器充電システム1では、受電制御部21を電子機器2側に設けたが、受電制御部21を電池パック側に設けてもよい。図3は、図1の電子機器充電システム1の変形例であって、受電制御部21を電池パックに設けた電子機器充電システム1Bの概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、電池パック24Bは受電制御部21を備えている。受電制御部21と電子機器2Bのシステム制御部22は通信端子244を介して通信を行う。
【0042】
また、本実施の形態に係る電子機器充電システム1の電子機器2における処理を記述したプログラムを、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して配布したり、インターネット等の電気通信回線を利用して配布したりすることも可能である。
【0043】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
【0044】
本出願は、2011年12月22日出願の日本特許出願(特願2011−281706)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、OCV測定後に電子機器側の着地検出無しに充電を再開することができるといった効果を有し、無接点充電機能を備えた電子機器への適用が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1,1B 電子機器充電システム
2,2B 電子機器
3 充電器
21 受電制御部
22 システム制御部
23 CPU
24,24B 電池パック
30 送電制御部
211 受電部
212 送信部
213 充電制御部
214,303 電磁コイル
241 二次電池
242 +端子
243 −端子
244 通信端子
301 送電部
302 受信部
図1
図2
図3