(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231884
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/048 20140101AFI20171106BHJP
【FI】
H01L31/04 560
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-551895(P2013-551895)
(86)(22)【出願日】2012年1月20日
(65)【公表番号】特表2014-504037(P2014-504037A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】KR2012000544
(87)【国際公開番号】WO2012102531
(87)【国際公開日】20120802
【審査請求日】2015年1月14日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0006991
(32)【優先日】2011年1月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513276101
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】パク、チ ホン
【審査官】
嵯峨根 多美
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−299353(JP,A)
【文献】
特開2004−260045(JP,A)
【文献】
特開2004−087743(JP,A)
【文献】
特開2001−267619(JP,A)
【文献】
特開2010−171400(JP,A)
【文献】
特開平11−031834(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/080469(WO,A1)
【文献】
特開2008−47614(JP,A)
【文献】
実開昭63−178354(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0194147(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04−078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一面に備えられた太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルと前記基板との間に形成された保護層と、
前記太陽電池パネルの下部に配置される保護シートと、
前記太陽電池パネルと前記基板との間の縁端に配置されるスペーサーと、
前記太陽電池パネルの一側に配置され、前記保護層の側面を収容するフレームと、
前記フレームの内側に配置されるシーリング材と、を含み、
前記フレームは、前記基板、前記太陽電池パネル、前記保護層、及び前記保護シートの外周面を覆い、
前記フレームは、第1フレームと、前記第1フレームの端部から折り曲げられて延長される第2フレームと、前記第2フレームの端部から折り曲げられて延長される第3フレームとを含み、
前記第1フレームと前記第3フレームは相互平行し、
前記第1フレームは、前記基板、前記太陽電池パネル、前記保護層、前記保護シート及び前記スペーサーと離隔して配置され、
前記第3フレームは、前記基板及び前記保護シートと直接接触し、
前記基板の一側面にはエンボスパターンが形成され、
前記保護シートは、EVAまたはバックシートの少なくとも1つを含み、
前記保護層は、2mm乃至7mmの高さに形成され、
前記スペーサーは、前記保護層の高さに対応するように2mm乃至7mmの高さに形成され、
前記シーリング材は、前記基板、前記太陽電池パネル、前記保護シート及び前記スペーサーの外周面と直接接触することを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記保護層は、不活性ガスが充填されて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記不活性ガスは、アルゴンガスまたは窒素ガスを含むことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記スペーサーは、前記太陽電池パネルと前記基板との間に多数個が一定間隔で配置されて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記スペーサーは、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記太陽電池パネルは、1つまたは多数のCIGS太陽電池セルで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、エネルギー及び環境問題によって太陽電池に対する関心が高まっており、特に建築物の外壁に使用することができる建物一体型太陽電池モジュール(BIPV)に対する研究が活発に進められている。
【0003】
従来、太陽電池モジュールは、屋外で使われるという点から長い寿命と耐久性が要求されるため、充填材、例えばEVA(Ethyl Vinyl Acetate)樹脂を太陽電池モジュールに取り付けて水分侵入防止及び外部衝撃から保護している。
【0004】
しかしながら、従来のEVAはフィルム材質で形成されるため、水分侵入防止には限界があり、これによって太陽電池モジュールの内に水分が侵入して不良を発生させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、太陽電池モジュールへの水分の侵入を防止するための太陽電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る太陽電池モジュールは、基板、前記基板の一面に備えられた太陽電池パネル、及び前記太陽電池パネルと基板との間に形成された保護層を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る太陽電池モジュールは、真空または不活性ガスを使用して保護層を形成することによって、太陽電池モジュールへの水分の侵入を効果的に防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る保護層が形成された太陽電池モジュールを示す断面図である。
【
図2】本発明に係る太陽電池モジュールに備えられた太陽電池パネルを示す斜視図である。
【
図3】本発明に係る太陽電池モジュールに備えられたCIGS太陽電池セルを示す斜視図である。
【
図4】本発明に係る太陽電池モジュールの変形例を示す断面図である。
【
図5】本発明に係る太陽電池モジュールの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を説明するに当たって、各パネル、配線、電池、装置、面、またはパターンなどが、各パネル、配線、電池、面、またはパターンなどの“上(on)”に、または“下(under)”に形成される、と記載される場合において、“上(on)”と“下(under)”は、“直接(directly)”または“他の層を介して(indirectly)”形成されるものを全て含む。また、各構成要素の上または下に対する基準は、図面を基準として説明する。図面において、各構成要素のサイズは説明のために誇張することがあり、実際のサイズを意味するものではない。
【0010】
図1は本発明に係る保護層が形成された太陽電池モジュールを示す断面図であり、
図2は本発明に係る太陽電池モジュールに備えられた太陽電池パネルを示す斜視図であり、
図3は本発明に係る太陽電池モジュールに備えられたCIGS太陽電池セルを示す斜視図であり、
図4及び
図5は本発明に係る太陽電池モジュールの変形例を示す断面図である。
【0011】
図1を参照すると、本発明に係る太陽電池モジュールは、基板100、前記基板100の下部に備えられた太陽電池パネル200、及び前記太陽電池パネル200と基板100との間に形成された保護層300を含む。ここで、太陽電池パネル200の下部には保護シート600がさらに形成され、太陽電池パネル200の一側には基板100、保護層300、及び太陽電池パネル200の外周面を覆いかぶせるフレーム400がさらに形成できる。
【0012】
基板100は四角のプレート形状に形成され、外部衝撃、例えば、風圧、ひょう、積雪荷重などの衝撃にも耐えることができるように、充分な強度を有する強化ガラスで形成できる。このために、基板100は破損時、かけらに破けないように単位面積当たり破けた破片の個数が一定数値以上のものが好ましい。
【0013】
基板100には、太陽電池に入射されて反射された太陽光が放出しないように鉄分要素が除去されるか、低鉄分の強化ガラスが好ましく、基板100の一側面にはエンボシング処理を行なうことができる。
【0014】
太陽電池パネル200は基板100の下部に備えられ、
図2に示すように、多数個の太陽電池セル220がマトリックス形態に備えられて形成される。太陽電池セル220は効率と耐久性に優れるCIGS系太陽電池が使われ、太陽電池パネル200に備えられるCIGS太陽電池セル220の個数は限定されるものではない。
【0015】
より具体的には、
図3に示すように、CIGS太陽電池セル220は多数個が金属リボンにより直列連結されてグリッド形態に構成され、CIGS太陽電池セル220の基板221にはソーダ石灰ガラス基板を使用できる。
【0016】
ソーダ石灰ガラス基板221の上には裏面電極層にMo層222が積層され、Mo層222の上には太陽光吸収層であるCIGS層223、バッファ層であるCdS層224、ZnO層225、そして透明電極層にAZO層226が順次に積層されて形成される。また、AZO層226の上には、捕集効率を上げるように上部電極(図示せず)が連結できる。
【0017】
ここで、下部電極層であるMo層222が金属リボンとハンダ付けなどにより連結できるように、CIGS太陽電池セル220の一側のMo層222の上には、CIGS層223乃至AZO層226が蒸着しない一定幅を有する領域を形成することができる。
【0018】
図面では、説明の便宜のために2つのCIGS太陽電池セル220が連結された構成が図示されたが、1つまたは3個以上のCIGS太陽電池セルで構成できることは勿論である。
【0019】
図1に戻って、太陽電池パネル200の下部には、保護シート600をさらに備えることができる。保護シート600は、EVA(Ethyl Vinyl Acetate)シートまたはバックシートを含むことができる。保護シート600は、太陽電池パネル200の下部面を保護する役割を果たし、太陽電池パネル200の下部から発生する外部衝撃または湿気の侵入を防止することができる。ここで、バックシートには弗素系列の樹脂が使用できる。
【0020】
保護シート600には、EVAまたはバックシートが単独に使われることができ、EVA及びバックシートが順次に積層されて形成できる。
【0021】
一方、本発明に係る保護層300は、基板100と太陽電池パネル200との間に形成される。前記のような保護層300は、外部衝撃から太陽電池モジュールを保護すると共に、外部からの水分侵入を防止する役割をする。また、保護層300は太陽電池パネル200の老化を防止することができる。
【0022】
保護層300は約2mm乃至
7mmの高さに形成され、基板100と太陽電池パネル200との間に真空または不活性ガスを注入することによって形成できる。ここで、不活性ガスには、N
2、Arガスが代表的に使うことができ、その他の不活性ガスが使われてもよい。
【0023】
基板100と太陽電池パネル200との間に保護層300が形成されれば、保護層300を基板100と太陽電池パネル200との間に閉じ込めるために、太陽電池パネル200の一側にはフレーム400がさらに形成できる。
【0024】
フレーム400は、基板100、保護層300、太陽電池パネル200、及び保護シート600の外周面を覆いかぶせるように、断面が“コ”字形状に形成され、基板100、保護層300、太陽電池パネル200、及び保護シート600の縁上部、側面、縁下部を覆いかぶせて固定させることができる。ここで、フレーム400は金属フレームであることがあり、例えば、アルミニウムステンレススチールまたは鉄などを含むことができる。
【0025】
フレーム400の内側には、シーリング材500をさらに形成できる。シーリング材500は、フレームに印加される物理的な衝撃を吸収して、基板100、保護層300及び太陽電池パネル200、及び保護シート600をより効果的に保護することができ、これと共に、基板100と太陽電池パネル200の間に形成された保護層300、例えば、真空または不活性ガスが外部に漏れないように、基板100と太陽電池パネル200との間に閉じ込めることができる。
【0026】
上記のように、本発明に係る保護層300が形成された太陽電池モジュールは、従来のEVA、PVBなどの充填材を保護層に使用した場合に比べて、外部衝撃からの保護及び水分侵入防止効果をより向上させることができる効果がある。
【0027】
また、保護層300である真空または不活性ガスは、太陽電池セルの老化を防止して太陽電池モジュールの寿命を延長させることができる効果がある。
【0028】
前記では保護層に真空または不活性ガスを注入して形成したが、外部衝撃及び水分侵入防止効率を一層高めるために、
図4及び
図5に示すように構成できる。
【0029】
図4に示すように、本発明に係る太陽電池モジュールは、基板100、前記基板100の下部に形成された太陽電池パネル200、前記太陽電池パネル200と基板100との間に備えられた保護層300、及び前記保護層300の側面を収容するフレーム400を含む。ここで、基板100、太陽電池パネル200、及びフレーム400については、前述した説明と重複するので省略し、本発明に係る保護層300を重点的に説明する。
【0030】
本発明に係る保護層300は、基板100と太陽電池パネル200との間に形成され、真空または不活性ガスが注入されることによって形成される。ここで、不活性ガスにはN
2、Arガスを使用できる。
【0031】
また、基板100と太陽電池パネル200との間の縁には、スペーサー700をさらに備えることができる。スペーサー700は、基板100と太陽電池パネル200との間に形成された真空または不活性ガスを閉じ込めると共に、湿気侵入をより効果的に防止することができる。スペーサー700には、湿気侵入に容易な樹脂系列、例えば、エポキシ樹脂が使用できる。
【0032】
上記のように、スペーサー700は、真空または不活性ガスを閉じ込める役割をするために保護層300のシーリングの役割をするフレーム400内のシーリング材500を、除去することができる。勿論、シーリング材500は、太陽電池モジュールの固定力を向上させるために使われることが好ましい。
【0033】
保護層300の高さは、2mm乃至7mmに形成されることが好ましく、このためにスペーサー700は、保護層300の高さに対応するように2mm乃至7mmの高さに形成できる。
【0034】
前記のような保護層300の高さが2mm未満になる場合、保護層の厚さが狭くなって、基板100と太陽電池パネル200との間の間隔を充分に確保することができない。これによって、保護層300は、基板100と太陽電池パネル200との間の緩衝役割を遂行し難いので、外部の弱い衝撃にも耐えられないという問題点が発生する。
【0035】
保護層300の高さが7mmを超過して形成される場合、基板100と太陽電池パネル200とを効果的に支持するためには、スペーサー700の個数を増やさなければならない。これによって、スペーサー700が占める面積だけの光損失が発生することがあり、水分侵入の可能性も存在するようになる問題点が発生することがある。
【0036】
また、
図5に示すように、基板100と太陽電池パネル200との間に保護層300が形成され、保護層300にスペーサー700が一定間隔で離隔配置されて備えられることができる。このようなスペーサー700は、太陽電池モジュールが大面積化される時、外部衝撃及び湿気侵入防止と共に、太陽電池モジュールの強度をより効果的に向上させることができる。
【0037】
前記のようなスペーサーは、基板と太陽電池パネルに一定間隔または不規則な間隔で配置することができ、両端スペーサーの間に備えられるスペーサーの高さは不規則に形成できることは勿論である。
【0038】
以上、本発明を好ましい実施形態をもとに説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するものでなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、以上に例示していない多様な変形及び応用が可能であることが分かる。例えば、実施形態に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができ、このような変形及び応用にかかわる差異点も、特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。