(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231888
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法
(51)【国際特許分類】
G01T 1/16 20060101AFI20171106BHJP
E21B 7/04 20060101ALI20171106BHJP
G01V 5/06 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
G01T1/16 A
E21B7/04 Z
G01V5/06
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-5576(P2014-5576)
(22)【出願日】2014年1月16日
(65)【公開番号】特開2015-132589(P2015-132589A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年12月1日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)経済産業省のウェブサイト (1−1)掲載アドレス http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/20131108_01.html http://irid.or.jp/cw/public/group/info_list.pdf http://irid.or.jp/cw/public/group/form2_701−750.pdf (1−2)掲載日 平成25年11月8日 (2)技術研究組合 国際廃炉研究開発機構(IRID)のウェブサイト (2−1)掲載アドレス http://irid.or.jp/cw/?lang=ja http://irid.or.jp/cw/wp−content/uploads/2013/11/RFI_Result1115_1_3.pdf http://irid.or.jp/cw/public/ http://irid.or.jp/cw/public/709.pdf (2−2)掲載日 平成25年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】山内 崇寛
(72)【発明者】
【氏名】川西 敦士
(72)【発明者】
【氏名】坂藤 勇太
【審査官】
南川 泰裕
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−517105(JP,A)
【文献】
特開2007−155495(JP,A)
【文献】
特開2007−023704(JP,A)
【文献】
特開昭60−064285(JP,A)
【文献】
実開昭58−051297(JP,U)
【文献】
米国特許第5563846(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0183385(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0132794(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0090934(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00−7/12
E21B 1/00−49/10
G01V 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中内放射線量の測定対象領域外から、当該測定対象領域の地中に自在ボーリングマシンにより削孔管を圧入して削孔を行う削孔工程と、
前記削孔管の先端部に位置計測器と放射線量計測器とを送り込み、前記削孔管とともに前記位置計測器及び前記放射線量計測器を引き抜きながら、連続して地中内放射線量を測定する測定工程とを含み、
前記削孔管による削孔深度及び削孔位置を変更して、前記削孔工程及び前記測定工程を繰り返すことにより、前記測定対象領域の地中内における放射線量を3次元的に測定する、
ことを特徴とする自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法。
【請求項2】
削孔管の先端部に試料採取装置を配置し、適宜箇所において、地中から試料を採取することを特徴とする請求項1に記載の自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定装置に関するものであり、鉛直方向のボーリングを行うことなく、測定対象領域から離れた場所で地中内の放射線量を測定することが可能な自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地中内の放射線量を測定するには、例えば、測定対象領域において、鉛直方向にボーリングを行い、ボーリング孔内に放射線測定装置を挿入して放射線量を測定していた。また、測定対象領域の地表面に浅い穴を掘って放射線量を測定し、当該測定値に基づいて想定対象地域の放射能量を推定していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載された技術は、地中で得られた特定核種による放射線量の値の和(放射線量の面積)を調査地域の土地利用形態によって異なる値である換算係数で除算することにより、その核種の放射能量を推定するようになっている。具体的には、地中50cm程度の深さの穴(直径2.5cm程度)の中で測定された特定核種の放射線量の値の和を、調査地域の土地利用データ(森林、耕作地、未耕地に分類)の換算係数で除算することにより、その場所の放射能量を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−214348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1に記載された技術は、地表面付近の放射線量を測定するものであり、地中内の放射線量を直接測定することはできない。すなわち、測定対象領域の全体(地中の深い位置)の放射線量を測定することはできなかった。
【0006】
また、鉛直方向にボーリングを行う方法では、1回のボーリングで放射線量を測定可能な範囲は限られている。また、高線量区域における測定では、作業時間に制限があるため、十分な調査を行うことができない。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、1回の測定における測定範囲を拡大することができ、また、高線量区域に対して、低線量区域から安全に計測を実施することが可能な自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴を有している。すなわち、本発明の自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法は、地中内放射線量の測定対象領域外から、当該測定対象領域の地中に自在ボーリングマシンにより削孔管を圧入して削孔を行う削孔工程と、削孔管の先端部に位置計測器と放射線量計測器とを送り込み、削孔管とともに位置計測器及び放射線量計測器を引き抜きながら、連続して地中内放射線量を測定する測定工程とを含む。そして、削孔管による削孔深度及び削孔位置を変更して、削孔工程及び測定工程を繰り返すことにより、測定対象領域の地中内における放射線量を3次元的に測定することを特徴とするものである。
【0009】
また、上述した構成からなる自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法において、削孔管の先端部に試料採取装置を配置し、適宜箇所において、地中から試料を採取することが可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法によれば、測定対象領域が高線量区域であっても、測定対象領域外の低線量区域からから、自在ボーリングマシンを用いて削孔を行うことにより地中内放射線量の測定を行うので、作業時間に余裕ができ、十分な調査を行うことができる。
【0011】
また、自在ボーリングマシンは、測定対象領域の地中において略水平方向に削孔を行うことができるので、1回のボーリングで広範囲にわたって放射線量の測定を行うことができる。さらに、削孔管による削孔深度及び削孔位置を変更して放射線量の測定を行い、測定対象領域の地中内における放射線量を3次元的に測定するため、測定対象領域における放射線量分布を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る地中内放射線量測定方法における地中内放射線量測定手順を示す説明図。
【
図2】本発明の実施形態に係る地中内放射線量測定方法に用いる自在ボーリングマシンの模式図。
【
図3】本発明の実施形態に係る地中内放射線量測定方法に用いる自在ボーリングマシンの先端ビットの模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法の実施形態を説明する。
図1〜
図3は本発明の実施形態に係る自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法を説明するもので、
図1は地中内放射線量測定手順を示す説明図、
図2は自在ボーリングマシンの模式図、
図3は先端ビットの模式図である。
【0014】
<自在ボーリングマシン>
本発明で使用する自在ボーリングマシン10は、従来から公知のものを利用することができる。この自在ボーリングマシン10は、
図2に示すように、基台11と、基台11上に載置され、削孔管20を接続及び切断するための接続切断装置12と、削孔管20の挿入角度を調整するための角度調整装置13と、削孔管20を推進するための推進駆動装置14とを備えている。また、自在ボーリングマシン10の後方には、位置計測器40(例えば、ジャイロセンサ)及び放射線量計測器50に接続された信号ケーブル60を巻き取るためのウインチ15が配置されている。
【0015】
<先端ビット>
削孔管20の先端部には、先端ビット30が取り付けられている。この先端ビット30は、
図3に示すように、先端部が先細状となるようなテーパー部31を有しており、直線削孔時には、削孔管20及び先端ビット30を回転させながら削孔し、曲線削孔時には、削孔管20及び先端ビット30を回転させない状態で地盤中に圧入して、先端ビット30のテーパー部31に作用する土圧により曲線推進するようになっている。また、先端ビット30には、位置計測器40及び放射線量計測器50を挿通するための挿通孔32を設けてある。さらに、図示しないが、先端ビット30の先端部に、削孔管20を介して送出されるベントナイト泥水等の掘削補助液を噴出させるための噴出口と、削孔管20の内部と噴出口とを連通するための送出管とが設けられている。
【0016】
<位置計測器>
上述した信号ケーブル60は、位置計測器40及び放射線量計測器50からの信号を受信するためと、位置計測器40及び放射線量計測器50を削孔管20内へ送り込むとともに、位置計測器40及び放射線量計測器50を削孔管20内から引き抜くために使用する。なお、圧縮空気等の圧縮流体を用いて位置計測器40及び放射線量計測器50を削孔管20内へ送り込む構造としてもよい。このような構成とした場合には、信号ケーブル60を細くして、ウインチ15を小型化することができる。
【0017】
<放射線量計測器>
放射線量計測器50は、公知の計器を用いることができる。なお、本発明では、削孔管20の先端部に位置計測器40及び放射線量計測器50を送り込む必要があるため、位置計測器40及び放射線量計測器50を一体とし、削孔管20内へ挿入可能で、かつ屈曲部を通過可能な直径及び長さを有する形状(例えば、棒状)としている。
【0018】
<試料採取装置>
試料採取装置は、地中から試料を採取できればどのような構造であってもよいが、例えば、
図3に示すように、先端ビット30の側面に凹部33を設け、凹部33の開放部に開閉蓋34を設けるとともに、開閉蓋34を開閉するための開閉機構(例えば、開閉蓋34に接続したワイヤー等)を設ければよい。このような構成の試料採取装置では、試料を採取する位置で開閉蓋34を開いて凹部33内に試料を取り込む。そして、開閉蓋34を閉めて凹部33内に試料を収納し、削孔管20を引き抜くことにより試料を回収する。
【0019】
また、図示しないが、削孔管20の内部に挿入可能な箱状部材と、削孔管20の内部に箱状部材を挿入して引き抜くためのワイヤーとにより、試料採取装置を形成してもよい。このような形状の試料採取装置においても、箱状部材に開閉蓋を設け、試料を採取する位置で開閉蓋を開いて箱状部材内に試料を取り込み、開閉蓋を閉めて箱状部材内に試料を収納することができる。
【0020】
<放射線量測定方法>
次に、
図1を参照して、本発明の自在ボーリングマシン10を用いた地中内放射線量測定の手順について説明する。本発明の自在ボーリングマシン10を用いた地中内放射線量測定では、測定対象領域70から離れた位置に自在ボーリングマシン10を設置する。
【0021】
そして、自在ボーリングマシン10の接続切断装置12により削孔管20を接続しながら、推進駆動装置14により削孔管20を地盤中に貫入して、先端ビット30により削孔を行う(
図1(a)(b))。
【0022】
削孔が終了したら、削孔管20内へ位置計測器40(ジャイロセンサ)及び放射線量計測器50を挿入して、位置計測器40(ジャイロセンサ)及び放射線量計測器50を先端ビット30の位置まで到達させる(
図1(c)(d))。
【0023】
この状態から、削孔管20とともに位置計測器40(ジャイロセンサ)及び放射線量計測器50を引き抜きながら、位置計測器40(ジャイロセンサ)の軌跡(計測位置の軌跡)及び放射線量を測定する(
図1(e))。信号ケーブル60は、コンピュータ(図示せず)に接続されており、コンピュータにより位置計測器40(ジャイロセンサ)の引き込み軌跡(計測位置の軌跡)及び放射線量の測定結果を演算処理して、ディスプレイ装置等に表示する。
【0024】
次に、削孔深度及び削孔位置を変更して上述した工程を繰り返すことにより、放射線量の測定を行うべき測定対象領域70の全域にわたって3次元的に測定値を求める(
図1(f))。
【0025】
なお、測定結果を表示する際には、測定対象領域70における放射線量の分布を容易に把握することができるように、放射線量の分布を3次元表示することが好ましい。3次元表示するための演算処理は、コンピュータにインストールしたプログラムにより実施することができる。
【符号の説明】
【0026】
10 自在ボーリングマシン
11 基台
12 接続切断装置
13 角度調整装置
14 推進駆動装置
15 ウインチ
20 削孔管
30 先端ビット
31 テーパー部
32 挿通孔
33 凹部
34 開閉蓋
40 位置計測器
50 放射線量計測器
60 信号ケーブル
70 測定対象領域