特許第6231891号(P6231891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231891
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】シャワーフック
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/06 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
   E03C1/06
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-6982(P2014-6982)
(22)【出願日】2014年1月17日
(65)【公開番号】特開2015-135016(P2015-135016A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2016年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼梨 登士郎
(72)【発明者】
【氏名】平澤 善士
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−050462(JP,U)
【文献】 特開2005−282150(JP,A)
【文献】 実開平01−065369(JP,U)
【文献】 特開2009−108513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00−1/10
A47K 3/02−4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック部を有する内部部材と、前記フック部を露出させた状態で前記内部部材を覆うカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記フック部が設けられている側から前記内部部材に装着され、前記内部部材の側面に加えて前側を覆うことを特徴とするシャワーフック。
【請求項2】
前記内部部材および前記カバー部材の少なくとも1つは、前記内部部材に前記カバー部材が装着された状態で固定箇所に固定された固定部材と係合可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシャワーフック。
【請求項3】
前記内部部材は、前記フック部と別に設けられ、該フック部を支持するインナー部を有し、
前記フック部は、前記インナー部に対して角度調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシャワーフック。
【請求項4】
前記カバー部材と前記内部部材とは、仮固定可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシャワーフック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーヘッドを保持するシャワーフックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室などにおいてシャワーヘッドを保持するシャワーフックは、シャワーヘッドを保持可能なフック部を有する内部部材と、フック部を露出させた状態で内部部材を覆うカバー部材と、を備えている。
このようなシャワーフックは、例えば浴室の壁面などの固定箇所に固定される側を後側とすると、前側にフック部が設けられていて、内部部材に対して後側からカバー部材が装着されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−70097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシャワーフックでは、内部部材の後側からカバー部材が装着されるため、カバー部材が内部部材の前側を覆うことができず、内部部材とカバー部材との間に隙間が生じてしまい、この隙間から水や石鹸が入り込みやすく内側が汚れてしまう虞があるとともに、見栄えが良くないという問題がある。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、内部部材とカバー部材との間に隙間が生じることを防止することができるシャワーフックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るシャワーフックは、フック部を有する内部部材と、前記フック部を露出させた状態で前記内部部材を覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記フック部が設けられている側から前記内部部材に装着され、前記内部部材の側面に加えて前側を覆うことを特徴とする。
【0007】
本発明では、カバー部材は、フック部が設けられている側から内部部材に装着されることにより、内部部材のフック部近傍とカバー部材との間に隙間が生じることを防止することができる。例えば、フック部が内部部材の前側に設けられていて、内部部材の後側が浴室の壁面などに支持されている場合、内部部材の前側からカバー部材を装着することにより、内部部材の側面に加えて前側を覆うことができるため、内部部材とカバー部材との間に隙間が生じることを防止することができる。
そして、内部部材とカバー部材との間に隙間が生じることを防止することができることにより、内部部材とカバー部材との間に水や石鹸が入り込みにくくなるとともに、美観に優れたシャワーフックとすることができる。
また、カバー部材が内部部材の側面だけでなくフック部が設けられている側(例えば前側)も覆うことができることにより、従来のシャワーフックよりも内部部材がカバー部材にしっかりと覆われている構造となるため、シャワーフック自体の剛性を高めることができる。
【0008】
また、本発明に係るシャワーフックでは、前記内部部材および前記カバー部材の少なくとも1つは、前記内部部材に前記カバー部材が装着された状態で固定箇所に固定された固定部材と係合可能に構成されていることが好ましい。
このように構成されていることにより、固定部材との係合によって内部部材およびカバー部材を固定箇所に固定することができるため、内部部材およびカバー部材を固定箇所に容易に固定することができる。
また、カバー部材が内部部材から外れることを防止することができるため、例えば、使用者が不意の動作で固定箇所に固定されたシャワーフックのカバー部材をつかんだとしても、カバー部材が固定箇所から外れる虞がない。
また、内部部材およびカバー部材をそれぞれ固定部材に固定した場合、カバー部材がフック部を支持する必要がないため、カバー部材がフック部を支持する従来のシャワーフックと比べて、カバー部材の薄肉化および軽量化を図ることができる。
【0009】
また、本発明に係るシャワーフックでは、前記内部部材は、前記フック部と別に設けられ、該フック部を支持するインナー部を有し、前記フック部は、前記インナー部に対して角度調整可能に構成されていることが好ましい。
このように内部部材は、フック部とインナー部とが別に設けられていることにより、フック部およびインナー部をそれぞれ最適な形態に形成することができる。
例えば、インナー部を弾性変形可能な材料で形成し、インナー部がフック部を挟持して支持する形態とすることにより、インナー部がビスなどの固定具を使用せずにフック部を支持することができる。
また、カバー部材が弾性変形してフック部を挟持する従来のシャワーフックと比べて、カバー部材を弾性変形させることがないため、カバー部材がメッキされている場合でも、弾性変形によってメッキが剥がれるという虞がなく、美観を長期に亘って保つことができる。
【0010】
また、本発明に係るシャワーフックでは、前記カバー部材と前記内部部材とは、仮固定可能に構成されていることが好ましい。
このように構成されていることにより、カバー部材と内部部材とを仮固定した状態で壁面などの取付箇所に容易に取り付ける(固定する)ことができる。
また、工場などでカバー部材と内部部材とを仮固定することにより、カバー部材と内部部材とが離間することがないため、シャワーフックの搬送や保管を容易かつ確実に行うことができる。
また、現場において内部部材とカバー部材とを組み立てる必要がないため、間違って組み立てられる虞がない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カバー部材は、フック部が設けられている側から内部部材に装着されることにより、内部部材のフック部近傍とカバー部材との間に隙間が生じることを防止することができる。例えば、フック部が内部部材の前側に設けられていて、内部部材の後側が浴室の壁面などに支持されている場合、内部部材の前側からカバー部材を装着することにより、内部部材の側面に加えて前側を覆うことができるため、内部部材とカバー部材との間に隙間が生じることを防止することができる。
そして、内部部材とカバー部材との間に隙間が生じることを防止することができることにより、内部部材とカバー部材との間に水や石鹸が入り込みにくくなるとともに、美観に優れたシャワーフックとすることができる。
また、カバー部材が内部部材の側面だけでなくフック部が設けられている側(例えば前側)も覆うことができることにより、従来のシャワーフックよりも内部部材がカバー部材にしっかりと覆われている構造となるため、シャワーフック自体の剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態によるシャワーフックの一例を示す斜視図である。
図2】シャワーフックの上面図である。
図3】シャワーフックの前方上側から見た分解斜視図である。
図4】シャワーフックを示す断面図で、(a)は(b)のA−A線断面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
図5】シャワーフックの後方上側から見た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態によるシャワーフックについて、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態によるシャワーフック1は、浴室などの壁面(固定箇所)11に固定されて、シャワーヘッド(不図示)を保持するように構成されている。
本実施形態によるシャワーフック1は、内部部材2と、内部部材2を覆うカバー部材5と、内部部材2を壁面11に固定可能な固定部材6と、を備えている。
本実施形態では、内部部材2にカバー部材5を仮固定(装着)した状態で、内部部材2およびカバー部材5を固定部材6に固定するように構成されている。
ここで、シャワーフック1が壁面11に固定されたときの壁面11側を後側とし、壁面11の前方側を前側とし、前後方向に直交する水平方向を左右方向として以下説明する。また、各部材の説明における向きは、壁面11に固定されたときの向きを基準として説明する。
【0014】
図3乃至図5に示すように、内部部材2は、シャワーヘッドを保持可能なフック部21と、固定部材6に固定されるとともにフック部21を支持するインナー部31と、を有している。フック部21は、インナー部31の前側に配されていて、フック部21とインナー部31とは別々に形成されている。
フック部21は、平面における断面形状が前方に開口した略U字状の所定の高さの部材で、開口した空部22にシャワーヘッドが嵌合可能に構成されている。
【0015】
インナー部31は、本体部32と、本体部32の前方に突出するように本体部32と一体に形成された一対のフック支持部33,33と、本体部32の後方に設けられて固定部材6と嵌合する固定部34と、を備えている。
一対のフック支持部33,33は、弾性変形可能な材料で形成されているとともに、左右方向に所定の間隔をあけるように配されていて、フック部21を側方から挟持して支持するように構成されている。また、一対のフック支持部33,33は、フック部21を左右方向に延在する軸23(図3および図4参照)を中心に回動可能に支持している。
【0016】
図4に示すように、フック部21の後面には、左右方向に延びる複数の角度調整溝部24,24…が回動方向に所定の間隔をあけて形成されている。これらの複数の角度調整溝部24,24…は、インナー部31の本体部32の前面に形成された角度調整突条35と嵌合可能に構成されている。
そして、これらの複数の角度調整溝部24,24…のうちの1つが角度調整突条35と嵌合することで、本体部32(インナー部31)に対するフック部21の回動が停止するように構成されている。このとき、角度調整突条35と嵌合する角度調整溝部24を選択することにより、インナー部31に対するフック部21の角度を段階的に調整できるように構成されている。
【0017】
図4および図5に示すように、固定部34は、本体部32の後面32aにおける上側、右側、左側からそれぞれ後方に延びる第1壁部36を有している。この第1壁部36は、後方から見て下側が開口した略U字状となるように形成されている。そして、第1壁部36の内側には、固定部材6が嵌合可能な空部37が形成されている。空部37は、下方から固定部材6がスライドして嵌合するように構成されている。
また、第1壁部36の後端部には、内側(空部37側)に突出する第2壁部38が形成されていて、第1壁部36の内側には、本体部32と、第1壁部36と、第2壁部38とに囲まれた固定溝部37aが形成されている。この固定溝部37aは、空部37の一部を構成していて、固定部材6の固定凸部61が嵌合可能に構成されている。
【0018】
また、図3乃至図5に示すように、第1壁部36のうちの上側の部分には、固定部材6の一対の第1突起部62,62(後に詳述する)が挿入可能な一対の第1孔部39,39と、固定部材6の第2突起部63(後に詳述する)が挿入可能な第2孔部40と、が形成されている。
本実施形態では、一対の第1孔部39,39が左右方向に間隔をあけて配置されていて、これらの第1孔部39,39の間に、第1孔部39,39と間隔をあけて第2孔部40が配置されている。
【0019】
また、本体部32の側部には、カバー部材5の位置決め突条55,55…(後に詳述する)と嵌合可能な複数の位置決め溝部41,41…が設けられている。本実施形態では、位置決め溝部41,41…は、前後方向に延びていて、本体部32の左右の側面においてそれぞれ上下方向に間隔をあけて2つずつ4つ設けられている。
また、図4(b)に示すように、本体部32には、カバー部材5のカバー部材側仮固定用爪部57,57…(後に詳述する)と係合可能な内部部材側仮固定用爪部42が形成されている。
【0020】
図3乃至図5に示すように、カバー部材5は、前後方向に延在する略円筒状の筒状部51と、筒状部51の前方に突出するように筒状部51と一体に形成された一対の腕部52,52と、を有し、前側と後側にそれぞれ開口部53a,53bが形成されている。
一対の腕部52,52は、左右に所定の間隔をあけるように配されていて、カバー部材5の前側の開口部53aは、筒状部51の前側で一対の腕部52,52の間に形成されている。また、カバー部材5の後側の開口部53bは、筒状部51の後部に形成されている。
カバー部材5は、内部部材2の前側(フック部21側)から内部部材2に装着可能で、後側の開口部53bから内部に内部部材2を挿入可能に構成されている。
【0021】
そして、図4に示すように、カバー部材5の内部に内部部材2が挿入されると、筒状部51の内側に内部部材2のインナー部31の本体部32および固定部34が位置し、一対の腕部52,52の間にインナー部31のフック支持部33,33およびフック部21が位置するように構成されている。このとき、一対の腕部52,52は、一対のフック支持部33,33の互いに対向しない側の側面33aと、前端面33b(図3および図4参照)を覆うように構成されている。また、図1および図2に示すように、カバー部材5の内部に内部部材2が挿入されると、カバー部5の前側の開口部53aからフック部21とインナー部31の一部が前方に露出するように構成されている。
【0022】
図4(b)および図5に示すように、筒状部51には、後端部近傍の下側で、固定部34の空部37の下側と対向する位置に切欠き部54が形成されている。筒状部51に切欠き部54が形成されていることにより、固定部34と嵌合する固定部材6がカバー部材5と干渉しないように構成されている。
【0023】
また、図3乃至図5に示すように、筒状部51の内周面には、内部部材2の位置決め溝部41,41…とそれぞれ嵌合可能で、内側に突出して前後方向に延びる位置決め突条55,55…が形成されている。これらの位置決め突条55,55…は、位置決め溝部41,41…に対応して、筒状部51の内周面の右側および左側の部分にそれぞれ上下方向に間隔をあけて2ずつ4つ設けられている。
本実施形態では、4つの位置決め突条55,55…のうち、上側に配された位置決め突条55,55の方が下側に配された位置決め突条55,55よりも筒状部51の内周面からの突出寸法が大きく、内部部材2の位置決め溝部41,41…の底部も、それぞれ嵌合する位置決め突条55,55に対応した位置に配されている。
このように構成されていることにより、内部部材2をカバー部材5に挿入する際に、位置決め溝部41,41…に位置決め突条55,55…が嵌合することで、内部部材2をカバー部材5に上下逆に挿入することを防止することができる。
【0024】
また、図4(b)および図5に示すように、筒状部51の内周面には、上側の部分に固定部材6の一対の第1突起部62,62の先端部62a,62aとそれぞれ係合可能な一対のカバー部材側固定用爪部56,56が形成されている。一対のカバー部材側固定用爪部56,56の前側にそれぞれ第1突起部62,62の先端部62a,62aが配されることで、カバー部材5と固定部材6とが前後方向に離間しないように構成されている。
また、筒状部51の内周面には、前側の開口部53a近傍に複数のカバー部材側仮固定用爪部57,57…が形成されている。内部部材2をカバー部材5に挿入すると、カバー部材側仮固定用爪部57,57…と内部部材側仮固定用爪部42とが係合し、内部部材2とカバー部材5とが仮固定されるように構成されている。
【0025】
図3乃至図5に示すように、固定部材6は、ビスなどの固定具(不図示)で壁面11(図1および図2参照)に固定されるように構成されている。固定部材6は、後端部6aが壁面11と当接し、前部側が内部部材2の固定部34の空部37(図4および図5参照))に嵌合し、前端部6bが内部部材2の本体部32の後面32aと当接するように構成されている。固定部材6の縁部には、内部部材2の固定部34の固定溝部37a(図4および図5参照)に嵌合可能な固定凸部61が形成されている。
本実施形態では、カバー部材5が仮固定された内部部材2が上側からスライドして固定部材6に嵌合するように構成されている。
【0026】
また、固定部材6には、固定凸部61の上面から上方に突出し左右方向に間隔をあけて配置された一対の第1突起部62,62と、一対の第1突起部62,62の間に一対の第1突起部62,62と間隔をあけて配置された第2突起部63と、を有している。
そして、カバー部材5が仮固定された内部部材2が固定部材6に固定されると、一対の第1突起部62,62は、内部部材2の固定部34の第1孔部39,39にそれぞれ下側から挿入されて先端部62a,62aが上側に貫通し、先端部62a,62aがカバー部材5のカバー部材側固定用爪部56,56とそれぞれ係合するように構成されている。
また、第2突起部63は、内部部材2の固定部34の第2孔部40に下側から挿入されて先端部63aが上側に貫通し、先端部63aが固定部34の第1壁部36と係合するように構成されている。
【0027】
次に、本実施形態によるシャワーフック1の壁面11への取付方法について説明する。
まず、壁面11の所定の位置に固定部材6をビスなどの固定具で固定する。
また、固定部材6の壁面11への固定と前後して、カバー部材5の内部に内部部材2を挿入して、カバー部材5を内部部材2に仮固定する。
このとき、内部部材2の位置決め溝部41,41…とカバー部材5の位置決め突条55,55…とをそれぞれ嵌合させるとともに、内部部材側仮固定用爪部42とカバー部材側仮固定用爪部57とを係合させて、内部部材2にカバー部材5を仮固定する。
なお、カバー部材5の内部部材2への仮固定は、シャワーフック1を現場に搬入する前に工場などで行ってもよい。
【0028】
続いて、カバー部材5が仮固定された内部部材2を固定部材6に固定する。
まず、固定部材6の上方から内部部材2およびカバー部材5をスライドさせて、内部部材2の固定部34の空部37に固定部材6を挿入させる。このとき、内部部材2の固定溝部37aに固定部材6の固定凸部61を挿入させる。
【0029】
また、固定部材6の第1突起部62,62を内部部材2の第1孔部39,39に挿入させるとともに、第1突起部62,62の先端部62a,62aをカバー部材側固定用爪部56,56と係合させる。
同時に、固定部材6の第2突起部63を内部部材2の第2孔部40に挿入させ、第2突起部63の先端部63aと内部部材2の固定部34の第1壁部36とを係合させる。
このようにすることにより、内部部材2およびカバー部材5と固定部材6とが前後方向に離間することが防止される。
【0030】
続いて、フック部21のインナー部31に対する角度を調整する。このとき、角度調整溝部24,24…のうちの1つをインナー部31の角度調整突条35に嵌合させる。なお、フック部21のインナー部31に対する角度調整は、カバー部材5を内部部材2に仮固定する前など所望の時点で行ってもよい。もちろん、使用者がシャワーを使用する際に自由にフック部21の角度調整をすることもできる。
このようにして、シャワーフック1が壁面11へ固定される。
【0031】
次に、上述した本実施形態によるシャワーフック1の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態によるシャワーフック1では、カバー部材5は、フック部21が設けられている前側から内部部材2に装着されることにより、内部部材2のフック支持部33の側面33aに加えて前端面33bを覆うことができるため、内部部材2とカバー部材5との間に隙間が生じることを防止することができる。
そして、内部部材2とカバー部材5との間に隙間が生じることを防止することができることにより、内部部材2とカバー部材5との間に水や石鹸が入り込みにくくなるとともに、美観に優れたシャワーフック1とすることができる。
また、カバー部材5が内部部材2のフック支持部33の側面33aだけでなく前端面33bも覆うことができることにより、従来のシャワーフックよりも内部部材2がカバー部材5にしっかりと覆われている構造となるため、シャワーフック1自体の剛性を高めることができる。
【0032】
また、内部部材2およびカバー部材5は、内部部材2にカバー部材5が装着された状態で壁面11に固定された固定部材6とそれぞれ係合可能に構成されていることにより、内部部材2およびカバー部材5がそれぞれ固定部材6と係合して壁面11に固定されるため、カバー部材5が内部部材2から外れることを防止することができる。例えば、使用者が不意の動作で壁面11に固定されたシャワーフック1のカバー部材5をつかんだとしても、カバー部材5が壁面11から外れる虞がない。
また、固定部材6によって内部部材2およびカバー部材5を壁面11に固定することができるため、内部部材2およびカバー部材5を壁面11に容易に固定することができる。
また、内部部材2およびカバー部材5がそれぞれ壁面11に固定されることにより、カバー部材5がフック部21を支持する必要がないため、カバー部材5がフック部21を支持する従来のシャワーフックと比べて、カバー部材5の薄肉化および軽量化を図ることができる。
【0033】
また、内部部材2は、フック部21とインナー部31とが別に設けられていることにより、フック部21およびインナー部31をそれぞれ最適な形態に形成することができる。
例えば、インナー部31を弾性変形可能な材料で形成し、インナー部31がフック部21を挟持して支持する形態とすることにより、ビスなどの固定具を使用せずにインナー部31がフック部21を支持することができる。
また、カバー部材5が弾性変形してフック部21を挟持する従来のシャワーフックと比べて、カバー部材5を弾性変形させることがないため、カバー部材5がメッキされている場合でも、弾性変形によってメッキが剥がれるという虞がなく、美観を長期に亘って保つことができる。
【0034】
また、カバー部材5と内部部材2とは、仮固定可能に構成されていることにより、カバー部材5と内部部材2とを仮固定した状態で壁面11に容易に固定することができる。
また、工場などでカバー部材5と内部部材2とを仮固定することにより、カバー部材5と内部部材2とが離間することがないため、シャワーフック1の搬送や保管を容易かつ確実に行うことができる。
また、現場において内部部材2とカバー部材5とを組み立てる必要がないため、間違って組み立てられる虞がない。
【0035】
以上、本発明によるシャワーフック1の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、内部部材2およびカバー部材5は、内部部材2がカバー部材5に挿入された状態で壁面11に固定された固定部材6とそれぞれ係合可能に構成されているが、固定部材6を用いないで、内部部材2およびカバー部材5を壁面11に固定してもよい。また、固定部材6が内部部材2およびカバー部材5を壁面11に固定する固定機構は、上記以外の形態であってもよい。
また、内部部材2とカバー部材5のいずれか一方だけが固定部材6と係合可能に構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、内部部材2は、フック部21とフック部21と別に形成されたインナー部31を有する構成であるが、フック部21とインナー部31とが一体に形成されていてもよい。また、上記の実施形態では、内部部材2は、インナー部31がフック部21を挟持して支持する構成であるが、インナー部31がフック部21を支持する構成は上記以外でもよい。
【0036】
また、上記の実施形態では、フック部21は、インナー部31に対して角度調整可能に構成されているが、インナー部31に対するフック部21の角度が固定された構成としてもよい。また、インナー部31に対するフック部21の角度調整機構は、上記の実施形態以外の形態としてもよい。
また、上記の実施形態では、内部部材2とカバー部材5とは、仮固定可能に構成されているが、このような構成でなくてもよい。また、内部部材2とカバー部材5との仮固定機構は、上記の実施形態以外の形態としてもよい。
また、上記の実施形態では、内部部材2をカバー部材5に挿入する際に、内部部材2の位置決め溝部41,41…とカバー部材5の位置決め突条55,55…とをそれぞれ嵌合させる構成であるが、このような構成でなくてもよい。
また、上記の実施形態では、シャワーフック1は、浴室などの壁面11に固定されているが、これ以外の場所に取り付けられていてもよい。例えば、上下方向に延在するスライドバーなどに取り付けて、スライドバーに沿って上下方向に移動可能としてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 シャワーフック
2 内部部材
5 カバー部材
6 固定部材
11 壁面(固定箇所)
21 フック部
31 インナー部
図1
図2
図3
図4
図5