【実施例】
【0020】
図1は、本発明の実施例に係る熱圧着用電極研磨装置1を斜め上方から視た斜視図である。
図2は、熱圧着用電極研磨装置1の全体構成を概略的に示したブロック図である。
図3は、
図1に示した熱圧着用電極研磨装置1の圧着面研磨部10の拡大斜視図である。
図4は、
図1に示した熱圧着用電極研磨装置1の熱圧着用電極60を取り付ける前の面取り部20の拡大斜視図である。
図5は、(a)が熱圧着用電極60を面取り部側電極保持部26に保持した状態の面取り部20の斜視図であり、(b)が面取り部側電極固定機構部27によって熱圧着用電極60を面取り部側電極保持部26に固定した状態の面取り部20の斜視図である。
図6は、(a)が
図5(a)とこのなる方向から視た面取り部20の斜視図であり、(b)が(a)に示した面取り部20の切削刃22周辺を拡大した図である。
図7は、熱圧着用電極60と、熱圧着用電極60を研磨部側電極保持固定部13にセットする際に熱圧着用電極60に取り付ける取付部品16とを示した斜視図である。
本発明の実施例に係る熱圧着用電極研磨装置1は、複数の電線の導体部同士を熱圧着して接合するための熱圧着用電極60を研磨するものである。
【0021】
この熱圧着用電極研磨装置1は、
図2に示すように、熱圧着用電極60の電線Wへの圧着面61aを研磨する圧着面研磨部10と、熱圧着用電極60の電線Wに押圧される角を削り落とす面取り部20と、入力部30と、記憶部40と、制御部50と、を有する。
【0022】
まず、熱圧着用電極60について説明する。
熱圧着用電極60は、融点が高く、金属のなかでは比較的電気抵抗が高いタングステン等の金属材料からなり、
図7に示すように、電線Wの導体部に熱圧着する圧着面61aを形成した圧着部61と、熱圧着を行うための不図示の熱圧着装置に固定する部分となる取付固定部62と、有する。
この熱圧着用電極60は、電線Wを熱圧着する際に電線Wを損傷しないように、電線Wに押圧される角61bを削り落としてある。より具体的には、熱圧着用電極60は、導体部の延在方向に略直交する方向の角61bを削り落としてある。
【0023】
次に、圧着面研磨部10について説明する。
圧着面研磨部10は、砥石等の研磨材11aを設けた研磨部11と、熱圧着用電極60を保持固定する研磨部側電極保持固定部13と、を有する。
【0024】
研磨部11は、円状の研磨材11aを取り付ける円盤状の研磨材取付部12を有し、この研磨材取付部12が不図示の駆動部によって自動で回転する。
研磨材11aは、例えば、立方晶窒化ホウ素からなる、いわゆるCBN砥石によって実現する。なお、研磨材11aは、CBN砥石に限らず、ダイヤモンド砥石等、その他の砥石を用いてもよい。
【0025】
研磨部側電極保持固定部13は、熱圧着用電極60の圧着面61aを研磨部11の研磨材11aに向けて露出した状態で保持する研磨部側電極保持部14と、研磨部側電極保持部14にセットした熱圧着用電極60を研磨部側電極保持部14内に固定する研磨部側電極固定機構部15と、を有し、不図示の駆動部によって上下方向に自動で移動する。
【0026】
研磨部側電極保持部14は、熱圧着用電極60の断面外形形状に対応した矩形状の開口を形成した枠状をなし、上部開口から熱圧着用電極60をセットできるようになっている(
図8参照)。
なお、熱圧着用電極60は、
図7に示すように、取付部品16を取り付けた状態で研磨部側電極保持部14内にセットする。この取付部品16は、研磨部側電極保持部14の上部開口の開口縁面に研磨部側電極固定機構部15の後述する押圧部15bによって押圧されることによって、熱圧着用電極60を研磨部側電極保持部14内に固定可能にするものでる。
このため、取付部品16は、
図3に示すように、押圧部15bによって押圧される押圧面16aを有する。
【0027】
研磨部側電極固定機構部15は、作業者が熱圧着用電極60を研磨部側電極保持部14内に固定あるいは固定解除するために操作する部分となる固定操作部15aと、押圧面16aを押圧する押圧部15bと、一端側を固定操作部15aに連接し、他端側を押圧部に連接するリンク機構部15cと、リンク機構部15cを可動可能に支持する支持部15dと、を有する。
【0028】
この研磨部側電極固定機構部15は、固定操作部15aを押し下げることによって、固定操作部15aに連接するリンク機構15cが可動し、押圧部15bが取付部品16の押圧面16aを押圧する。これにより、熱圧着用電極60が研磨部側電極保持部14内に固定される。
一方、研磨部側電極固定機構部15は、押し下げた固定操作部15aを引き上げることによって、固定操作部15aに連接するリンク機構15cが可動し、押圧部15bが取付部品16の押圧面16aから離れる。これにより、熱圧着用電極60の研磨部側電極保持部14内での固定が解除される。
【0029】
次に、面取り部20について説明する。
面取り部20は、熱圧着用電極60の角61bを削り落とすための直線溝形状に延びる切削刃22を設けた切削刃固定部21と、熱圧着用電極60を保持固定した状態で切削刃固定部21に対して切削刃22の延びる方向に平行にスライド移動するスライド可動部23と、を有する。
【0030】
切削刃固定部21は、スライド可動部23の後述するスライド可動本体部24をスライド移動方向にガイドするスライドガイド部21aと、切削刃22を固定する刃物固定部21bと、を有する。
切削刃22は、超硬合金からなる直方体状をなし、長手方向に沿って略R状の溝22aを形成する。この切削刃22は、溝22aに沿って熱圧着用電極60の角61bがスライド移動することによって角61bを削り落とすようになっている。
【0031】
スライド可動部23は、本体部分を構成するスライド可動本体部24と、熱圧着用電極60を保持固定する面取り部側電極保持固定部25と、を有する。
面取り部側電極保持固定部25は、スライド可動本体部24に設けた面取り部側電極保持部26と、面取り部側電極固定機構部27と、を有する。
【0032】
面取り部側電極保持部26は、熱圧着用電極60の角61bを削り落とすための姿勢で熱圧着用電極60を保持する部分である。
この面取り部側電極保持部26は、
図4に示すように、熱圧着用電極60の一側面を当接させる保持用当接面26aと、保持用当接面26aの3カ所にそれぞれ突設し、熱圧着用電極60の一側面を保持用当接面26aに当接しつつ、熱圧着用電極60の角61bを切削刃22に向けるように所定の姿勢で保持する第一保持用突設部26b、第二保持用突設部26c、および、第三保持用突設部26dを有する。
【0033】
第一保持用突設部26bは、熱圧着用電極60の圧着面61aに面接触する支持面26bbを有し、熱圧着用電極60を切削対象となる角の近傍で支える部分である。
第二保持用突設部26c、および、第三保持用突設部26dは、熱圧着用電極60に形成した2カ所の凹部62aをはめ込むことによって熱圧着用電極60を支える部分である。
【0034】
このような、面取り部側電極保持部26は、熱圧着用電極60を保持用当接面26aに当接する際、圧着面61aを第一保持用突設部26bに面接触し、かつ、2カ所の凹部62a、62aのそれぞれを第二保持用突設部26cおよび第三保持用突設部26dのそれぞれと嵌め合わせることによって、熱圧着用電極60を保持する。
【0035】
面取り部側電極固定機構部27は、熱圧着用電極を面取り部側電極保持部26によって保持した姿勢で固定する部分である。
この面取り部側電極固定機構部27は、スライド可動本体部24に対しバネ27b、27bによる弾性力を利用して可動可能に設けた押圧可動本体部27aと、押圧可動本体部27aの可動を補助する一対のバネ27b、27bと、押圧可動本体部27aに突設し、作業者が押圧操作する部分となる押圧操作部27cと、押圧可動本体部27aに接続し、押圧操作部27cをバネ27bが圧縮するように押圧した状態で、面取り部側電極保持部26によって保持した熱圧着用電極60を面取り部側電極保持部26に固定する固定壁部28と、を有する。
【0036】
押圧操作部27cは、球状をなし、押圧可動本体部27aを可動して面取り部側電極保持部26によって保持した熱圧着用電極60を面取り部側電極保持部26に固定するように固定壁部28を移動操作する部分である。
また、押圧操作部27cは、スライド可動本体部24をスライド移動操作する部分である。
すなわち、押圧操作部27cは、熱圧着用電極60の角61bを削り落とすために押圧操作する部分であるとともに、面取り部側電極固定機構部27が熱圧着用電極60を固定するように押圧操作する部分である。
【0037】
固定壁部28は、
図4および
図5に示すように、第一保持用突設部26bの支持面26bbと向かい合う面であり、支持面26bbとで熱圧着用電極60の移動を規制する面となる第一電極規制面28aと、保持用当接面26aと略平行な面であり、保持用当接面26aとで熱圧着用電極60の移動を規制する面となる第二電極規制面28bと、を有する。
【0038】
この固定壁部28は、作業者が押圧操作部27cを押圧操作せず、押圧可動本体部27aを介してバネ27b、27bを圧縮させる荷重を負荷しない場合、すなわち、バネ27b、27bが圧縮していない中立状態にある場合、面取り部側電極保持部26によって保持した熱圧着用電極60から離れて位置することによって、面取り部側電極保持部26から熱圧着用電極60を離脱し易くしている。
一方、固定壁部28は、作業者が押圧操作部27cを押圧操作し、押圧可動本体部27aを介してバネ27b、27bを圧縮させる荷重を負荷した場合、面取り部側電極保持部26によって保持した熱圧着用電極60に近接することによって、面取り部側電極保持部26に熱圧着用電極60を固定する。
【0039】
このような面取り部20は、熱圧着用電極60を面取り部側電極保持部26に保持しただけで固定していない状態であっても、熱圧着用電極60の角61bを削り落とす作業を行う際に、押圧操作部27cを押圧操作することによって、固定壁部28によって熱圧着用電極60を面取り部側電極保持部26によって保持した状態で固定するとともに、スライド可動本体部24をスライド移動することができる。
【0040】
なお、熱圧着用電極研磨装置1は、圧着面研磨部10と面取り部20とを同一面上、かつ、互いに近づけて設けている。
【0041】
次に、入力部30について説明する。
入力部30は、例えば、タッチパネルによって実現し、作業者が熱圧着用電極研磨装置1を動作させる指示情報等を入力する部分である。この入力部30には、例えば、熱圧着用電極60の圧着面61aの研磨量を入力する。
【0042】
記憶部40は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、熱圧着用電極研磨装置1が処理を実行する際にその処理に係る各種プログラムをハードディスクから読み出して記憶するメモリと、を有する。
【0043】
制御部50は、CPU等によって実現し、熱圧着用電極研磨装置1の上述した各部の動作を制御する。より具体的には、制御部50は、熱圧着用電極60の研磨量情報に基づいて、研磨材取付部12の回転しつつ、研磨部側電極保持固定部13を研磨材11aに対して相対的に移動することによって熱圧着用電極60の研磨処理を行う。
【0044】
このような熱圧着用電極研磨装置1は、研磨対象となる熱圧着用電極60を圧着面研磨部10によって研磨した後、面取り部20によって電線Wに押圧される熱圧着用電極60の角61bを削り落とす。
【0045】
次に、
図7−
図9を用いて、熱圧着用電極60を研磨部側電極保持固定部13によって固定する手順を説明する。
図8は、熱圧着用電極60を研磨部側電極保持部14内にセットする作業を示した図である。
図9は、熱圧着用電極60を研磨部側電極保持部14内に固定する作業を示した図であり、(a)が固定操作部15aを押し下げる前の状態を示し、(b)が固定操作部15aを押し下げた状態を示す図である。
【0046】
まず、作業者は、熱圧着用電極60に取付部品16に取り付け、研磨部側電極保持部14の上部開口から研磨部側電極保持部14内に熱圧着用電極60をセットする(
図7および
図8参照)。この作業は、熱圧着用電極60の形状に対応した枠状の研磨部側電極保持部14内に熱圧着用電極60をはめ込むだけなので容易に行うことができる。
【0047】
その後、作業者は、固定操作部15aを押し下げることによって、熱圧着用電極60を研磨部側電極保持部14内に固定し、熱圧着用電極60の固定を完了する(
図9参照)。このように固定操作15aを押し下げると、リンク機構15cが押圧部15bを取付部品16の押圧面16aに押圧するように可動するので、簡単な操作で熱圧着用電極60を研磨部側電極保持部14内に固定することができる。
【0048】
なお、研磨部側電極保持固定部13から熱圧着用電極60を取り外す場合、固定操作部15aを引き上げることによって、リンク機構15cが押圧部15bを取付部品16の押圧面16aから離すように可動するので、簡単な操作で熱圧着用電極60の固定を解除することができる。
【0049】
次に、
図10および
図11を用いて、熱圧着用電極60を面取り部側電極保持固定部25によって固定しつつ熱圧着用電極60の角61bを削り落とす手順を説明する。
図10は、熱圧着用電極60を面取り部側電極保持部26にセットする作業を示した図である。
図11は、(a)が押圧操作部27cを押圧することによって、スライド可動部23をスライド移動方向に移動開始した図であり、(b)がスライド可動部23を(a)の状態から所定距離だけスライド移動した後の状態を示した図である。
【0050】
まず、作業者は、熱圧着用電極60を面取り部側電極保持部26にセットする(
図10参照)。この作業は、熱圧着用電極60の一側面を保持用当接面26aに向かい合わせながら、圧着面61aを第一保持用突設部26bに面接触し、かつ、2カ所の凹部62a、62aのそれぞれを第二保持用突設部26cおよび第三保持用突設部26dのそれぞれと嵌め合わせるだけでよいので容易に行うことができる。
なお、この状態ではまだ、熱圧着用電極60を面取り部側電極固定機構部27によって固定していないので、圧着用電極60を面取り部側電極保持部26から容易に取り外すことができる。
【0051】
その後、作業者は、押圧操作部27cを押圧することによって、スライド可動部23をスライド方向に移動し、熱圧着用電極60の角61bを落とす(
図11参照)。
この作業では、押圧操作部27cを押圧することによって、熱圧着用電極60を面取り部側電極保持部26によって保持した状態で固定するとともに、スライド可動本体部24をスライド移動する。すなわち、熱圧着用電極60の角61bを削り落とすための押圧操作部27cによる押圧操作に、面取り部側電極固定機構部27が熱圧着用電極60を固定するための押圧操作を含めている。
【0052】
次に、
図12のフローチャートを用いて熱圧着用電極研磨装置1の制御部50が行う圧着面研磨部10による熱圧着用電極60の研磨処理について説明する。
図12は、制御部50が行う圧着面研磨部10による熱圧着用電極60の研磨処理の手順を示したフローチャートである。
【0053】
まず、作業者は上述した手順に従って研磨対象の熱圧着用電極60を研磨部側電極保持固定部13に固定し、熱圧着用電極研磨装置1の電源を起動する。
【0054】
その後、例えば、入力部30から熱圧着用電極60の研磨処理開始の指示情報を入力すると、制御部50は、まず、原点位置に研磨部側電極保持固定部13を移動する(ステップS101)。
研磨部側電極保持固定部13の原点位置への移動では、研磨部側電極保持固定部13に固定した熱圧着用電極60の圧着面61aが研磨材11aの表面に押し当てられ、その後、圧着面61aを研磨材11aから所定の間隔隔てた位置で研磨部側電極保持固定部13が停止する。
【0055】
その後、制御部50は、研磨部側電極保持固定部13を原点位置から下降するとともに研磨材取付部12を回転する(ステップS102)。これによって、熱圧着用電極60の圧着面61aが回転する研磨材11aの表面に押し当てられて圧着面61aの研磨が開始される。
【0056】
その後、制御部50は、熱圧着用電極60の研磨量が所望の研磨量に達したか否かを判断する(ステップS103)。ここで、制御部50は、例えば、研磨部側電極保持固定部13を下降する不図示の駆動モータの回転数によって熱圧着用電極60の研磨量を検出する。なお、熱圧着用電極60の研磨量の検出方法は駆動モータの回転数によって検出する以外、その他の方法によって検出するようにしてもよい。
ここで制御部50は、熱圧着用電極60の研磨量が所望の研磨量に達していないと判断した場合(ステップS103:No)、ステップS102の処理を繰り返す。
【0057】
一方、制御部50は、熱圧着用電極60の研磨量が所望の研磨量に達したと判断した場合(ステップS103:Yes)、研磨部側電極保持固定部13の下降移動、および、研磨材取付部12の回転を停止し(ステップS104)、熱圧着用電極60の研磨処理を終了する。
これにより、熱圧着用電極60の圧着面61aに形成された酸化膜、あるいは炭化膜を削り取り、熱圧着用電極60の材料からなる新しい圧着面61aが形成される。
この熱圧着用電極60の研磨処理が終了すると、熱圧着用電極60の角61bの面取り部分が無くなり、角が発生するため、上述したように、面取り部20にて熱圧着用電極60の角61bを削り落とす。
なお、熱圧着用電極60の研磨量は、圧着面61aに形成された酸化膜、あるいは炭化膜を全て削り取り、熱圧着用電極60の新しい面が全面に露出するまで削り落としてもよいし、酸化膜、あるいは炭化膜が薄く残る程度の研磨量に調整してもよい。
熱圧着用電極60の圧着面61aに酸化膜、あるいは炭化膜が薄く残す理由は、薄く残った酸化膜、あるいは炭化膜が抵抗体として機能し、熱圧着用電極60が研磨後の使い始めであっても、熱圧着用電極60を熱圧着に必要な温度に調整し易いためである。
【0058】
本発明の実施例に係る圧着用電極研磨装置1は、圧着面研磨部10によって熱圧着用電極60の圧着面61aを研磨することによって、圧着面61aに形成された酸化膜、あるいは炭化膜を削り落とすことができ、しかも、圧着面研磨部10による研磨によって、熱圧着用電極60に角61bが生成された場合であっても、面取り部20によって角61bを削り落とすことができるので、電線Wの導体部を所定の導電部材に熱圧着する電線の接合処理に用いる熱圧着用電極60の再生利用を可能とし、接合処理にかかるコストを削減し、かつ、資源の無駄を無くすことができる。
【0059】
また、本発明の実施例に係る圧着用電極研磨装置1は、熱圧着用電極60の角61bのうち、電線の導体部を損傷し易い角61bを面取り部20によって削り落とすことができるので、電線の損傷を効果的に防ぐことができる。
【0060】
また、本発明の実施例に係る圧着用電極研磨装置1は、圧着面研磨部10と面取り部20とを同一面上、かつ、互いに近づけて設けているので、研磨部側電極保持固定部13から面取り部側電極保持固定部25に熱圧着用電極60を容易に付け替えることができる。
【0061】
また、本発明の実施例に係る圧着用電極研磨装置1は、熱圧着用電極60の角61bを削り落とすための押圧操作部27cによる押圧操作に、面取り部側電極固定機構部27が熱圧着用電極60を固定するための押圧操作を含めることができるので、結果的に、面取り部側電極保持固定部25によって熱圧着用電極60を固定する作業を簡略化することができる。
【0062】
また、本発明の実施例に係る熱圧着用電極の再生利用方法は、圧着面研磨工程によって熱圧着用電極60の圧着面61aを研磨することによって、圧着面61aに形成された酸化膜、あるいは炭化膜を削り落とすことができ、しかも、圧着面研磨工程による研磨によって、熱圧着用電極60に角61bが生成された場合であっても、面取り工程によって角61bを削り落とすことができるので、電線の導体部を所定の導電部材に熱圧着する電線の接合処理に用いる熱圧着用電極の再生利用を可能とし、接合処理にかかるコストを削減し、かつ、資源の無駄を無くすことができる。
【0063】
また、本発明の実施例に係る熱圧着用電極の再生利用方法は、熱圧着用電極60の角61bのうち、電線の導体部を損傷し易い角61bを面取り部20によって削り落とすことができるので、電線の損傷を効果的に防ぐことができる。
【0064】
なお、本発明の実施例に係る圧着用電極研磨装置1および熱圧着用電極の再生利用方法は、面取り部20が導体部の延在方向に略直交する方向の熱圧着用電極60の角61b削り落とすものを例示したが、これに限らず、面取り部20は、電線Wに押圧される熱圧着用電極60の角61bを削り落とすものであればよい。
【0065】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。