特許第6231985号(P6231985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231985
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】保護素子
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/11 20060101AFI20171106BHJP
   H01H 85/06 20060101ALI20171106BHJP
   H01H 85/08 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   H01H85/11
   H01H85/06
   H01H85/08
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-533101(P2014-533101)
(86)(22)【出願日】2013年8月30日
(86)【国際出願番号】JP2013073264
(87)【国際公開番号】WO2014034833
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2016年6月7日
(31)【優先権主張番号】特願2012-192157(P2012-192157)
(32)【優先日】2012年8月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516119106
【氏名又は名称】Littelfuseジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(72)【発明者】
【氏名】野村 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】柴原 信行
(72)【発明者】
【氏名】横田 貴之
【審査官】 太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−042632(JP,A)
【文献】 特開2007−280807(JP,A)
【文献】 特開平10−275546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/00−85/62
H01H 37/76
H01H 69/02
H01H 87/00
H01M 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性樹脂により形成され、少なくとも1つの貫通開口部を有する層状要素、
層状要素の各主表面上に位置する導電性金属薄層、および
該貫通開口部の少なくとも1つを規定する側面上に位置し、導電性金属薄層を電気的に接続するヒューズ層であって、少なくとも、高融点金属からなる第1金属層および低融点金属からなる第2金属層を含むヒューズ層
を有して成る、保護素子であり、
低融点金属が、絶縁性樹脂の分解温度よりも低い融点を有することを特徴とする保護素子
【請求項2】
ヒューズ層が、高融点金属からなる第1金属層および低融点金属からなる第2金属層からなることを特徴とする請求項1に記載の保護素子。
【請求項3】
高融点金属が、Niであることを特徴とする請求項1または2に記載の保護素子。
【請求項4】
低融点金属が、Sn、Sn−Cu合金、またはSn−Bi合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保護素子。
【請求項5】
第1金属層が、高融点金属を無電解メッキすることにより形成され、第2金属層が、該第1金属層上に低融点金属を電解メッキすることにより形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の保護素子。
【請求項6】
第1金属層と第2金属層の厚みの比が、1:100〜5:1であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の保護素子。
【請求項7】
導電性金属薄層およびヒューズ層が、高融点金属および低融点金属をメッキすることによって一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の保護素子。
【請求項8】
層状要素と導電性金属薄層との間に位置する金属箔を更に有して成ることを特徴とする請求項7に記載の保護素子。
【請求項9】
金属箔が、ニッケル箔またはニッケルメッキ銅箔であることを特徴とする請求項8に記載の保護素子。
【請求項10】
層状要素が、内側周面および外側周面により規定される環状要素であって、内側周面によって規定される1つの貫通開口部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の保護素子。
【請求項11】
層状要素が、内側周面と外側周面により規定され、少なくとも2つの貫通開口部を有する環状要素であって、これらの貫通開口部は、内側周面によって規定される中心貫通開口部および内側周面と外側周面との間に位置する少なくとも1つの周辺貫通開口部であり、周辺貫通開口部がヒューズ層を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の保護素子。
【請求項12】
層状要素において、周辺貫通開口部が、中心貫通開口部の回りで45°毎に8つ設けられていることを特徴とする請求項11に記載の保護素子。
【請求項13】
層状要素が円環状形状を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の保護素子。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の保護素子を有して成ることを特徴とする電気装置。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれかに記載の保護素子を有して成ることを特徴とする2次電池セル。
【請求項16】
絶縁性樹脂により形成され、少なくとも1つの貫通開口部を有する層状要素、
層状要素の各主表面上に位置する導電性金属薄層、および
該貫通開口部の少なくとも1つを規定する側面上に位置し、導電性金属薄層を電気的に接続するヒューズ層であって、融点の異なる少なくとも2種の金属層を含むヒューズ層
を有して成る、ワッシャーであり、
ヒューズ層は、少なくとも高融点金属からなる第1金属層および低融点金属からなる第2金属層を含み、
低融点金属が、絶縁性樹脂の分解温度よりも低い融点を有することを特徴とするワッシャー
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気装置を保護する保護素子、より詳しくは、電気装置に含まれる電気要素または回路を保護する保護素子に関する。例えば、2次電池のような電気装置内で過剰の電流が流れた場合に、その電流の流れを遮断する保護素子、即ち、過電流保護素子に関する。
【背景技術】
【0002】
円筒型リチウムイオン2次電池の充電または放電時に過剰電流が流れた場合にその電流の流れを遮断する保護素子として、温度ヒューズ素子、電流ヒューズ素子、ポリマーPTC素子等が使用されている。中でも、ポリマーPTC素子は、2次電池の封口板に組み込んで配置できるので、特に多数の2次電池によって構成する電池パックがコンパクトになる点で有用である。
【0003】
しかしながら、市販されている例えば円環状PTC素子は、大きな電流(例えば10Aの電流)を継続して通電することができない。また、PTC素子は異常が取り除かれて温度が低下すると、低抵抗となる復帰性を有するが、用途によっては問題が生じる場合がある。例えば、多並列で使用する円筒型リチウムイオン2次電池セルにおいてPTC素子を使用する場合、PTC素子を使用している短絡したセルを取り除かない限り、そのセルが発熱し続け、結果的に電池セルが破裂する可能性がある。
【0004】
このような問題点を考慮して、円筒型リチウムイオン2次電池セルにおいて、例えば封口板の内側でPTC素子に代えて、スペーサを使用することが提案されている(下記非特許文献1参照)。しかしながら、スペーサを用いる場合、過剰電流に対する保護を確保できないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Matsushita Technical Journal Vol. 52 No. 4 Aug. 2006 pp31-35
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さらに、過電流保護素子においては、定格容量をそれほど大きく上回らない過剰電流、例えば定格容量の2倍程度の過剰電流であっても、迅速かつ確実に過剰電流を遮断することが好ましい。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、より大きい電流を流すことを可能にしながら、定格容量をそれほど大きく上回らない過剰電流、例えば定格容量の2倍程度の過剰電流に対しても、確実かつ迅速な保護を提供できる保護素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の要旨において、本発明は、
絶縁性樹脂により形成され、少なくとも1つの貫通開口部を有する層状要素、
層状要素の各主表面上に位置する導電性金属薄層、および
該貫通開口部の少なくとも1つを規定する側面上に位置し、導電性金属薄層を電気的に接続するヒューズ層であって、少なくとも、高融点金属からなる第1金属層および低融点金属からなる第2金属層を含むヒューズ層
を有して成る、保護素子を提供する。
【0008】
第2の要旨において、本発明は、上述および後述するような本発明の保護素子を有して成る電気装置、例えば2次電池を提供する。
【0009】
本発明の保護素子は、絶縁性樹脂により形成された層状要素を有して成り、この層状要素は、少なくとも1つの貫通開口部を有する。この開口部は、層状要素の厚さ方向に沿って延びて層状要素を貫通しており、その厚さ方向に垂直な方向の断面形状は特に限定されるものではないが、例えば円形であるのが好ましい。しかしながら、他の形状、例えば正方形、菱形、長方形、楕円形であってもよい。貫通開口部の数は、少なくとも1つである。即ち、1つまたは2つ以上であり、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、8つ、9つであってよいが、保護素子に要求される保護の程度に応じて、適宜選択できる。1つの貫通開口部を有する場合、貫通開口部は層状要素の中心部、即ち、厚さ方向に垂直な方向の断面形状の中心部に位置するのが好ましい。
【0010】
層状要素を構成する絶縁性樹脂は、電気的に絶縁性を有する樹脂であれば特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート−ABSアロイ樹脂、PBT樹脂、エラストマー等の樹脂を例示できる。特にポリエチレンやポリフッ化ビニリデンのような樹脂を使用するのが好ましく、そのような樹脂は、ポリマーPTC素子に用いるポリマーと同様の柔軟性を持っており、ポリマーPTC素子に代えて本発明の保護素子を2次電池セルの封口板に組み込むことができ、また、一般的に電気装置において信頼して使用できるという点で有利である。別の態様では、本発明の保護素子を、上述の2次電池セルの封口板の内側で用いられているスペーサに代えて素子使用することができ、その場合、保護素子は、ワッシャーとして使用することができる。
【0011】
この層状要素は、その両側の主表面上に配置された導電性金属薄層を有して成る。この導電性金属薄層は、導電性を有する金属の薄い層(例えば、厚さが0.1μm〜100μm程度)であれば特に限定されるものではなく、例えば銅、ニッケル、アルミニウム、金等の金属によって構成でき、複数の金属薄層により形成されていてもよい。
【0012】
導電性金属薄層が各主表面上に位置する層状要素は、層状要素を構成する絶縁性樹脂を、金属薄層を構成する金属シート(または金属箔)と一緒に同時押し出しすることによって、金属シート(または金属箔)の間に絶縁性樹脂が挟まれた状態の押出物を得ることによって、製造することができる。別の態様では、絶縁性樹脂の層状物を例えば押出によって得、この層状物を金属シート(または金属箔)の間に挟み、これらを一体に熱圧着して圧着物を得ることによって、製造することもできる。このような押出物(または圧着物)は、導電性金属薄層を両側の主表面に有する、絶縁性樹脂の層状要素が多数隣接して集合した状態であり、押出物(または圧着物)を所定の形状・寸法に切り出して、単一の、導電性薄層を有する層状要素を得ることができる。
【0013】
更に、別の態様では、絶縁性樹脂の層状要素に導電性金属のメッキを施すことによって、両側の主表面上に導電性金属薄層を形成してもよい。この場合も、上述のような集合状態のものを得、その後、個別の層状要素に分割するのが好ましい。
【0014】
このように、メッキする場合、層状要素は、その主表面に別の金属層、特に好ましくは金属箔を、例えば上述と同様に、押出または熱圧着することによって、予め別の金属層を層状要素に密着させておくのが特に好ましい。この場合、この別の金属層の上に、導電性金属薄層をメッキによって形成するのが好ましい。この導電性金属薄層をメッキによって形成する場合、導電性金属薄層としてのメッキ層が、層状要素に密着している別の金属層に密着できるという点で有利である。例えば、本発明の保護素子は、層状要素の両側主表面に別の金属層としてニッケル箔またはニッケルメッキ銅箔を有し、ニッケルメッキおよびスズメッキによって形成された、導電性金属薄層およびヒューズ層を構成する金属層を有する。
【0015】
層状要素の形態は、厚さ方向のディメンションが他のディメンションより小さい、好ましくは相当小さいもの(例えばシート状形態)であれば、特に限定されるものではない。層状要素の平面形状(層状要素を真上から見た場合の図形、例えば図2に示す保護素子の輪郭形状)または層状要素の厚さ方向に垂直な方向の断面形状が、幾何学的に線対称および/または点対称の形状、例えば、円形、正方形、長方形、菱形、環状(特に円環状、いわゆるドーナツ状)等の形状の主表面として有するのが好ましい。
【0016】
中でも、層状要素は、環状、特に円環状であるのが好ましい。環状の場合、中央の開口部、例えば円環状の場合の中央の円形開口部が、本発明の貫通開口部であってよい。また、層状要素は、環形状を規定する内側周と外側周との間の部分(例えばその中間部)に、追加の貫通開口部、例えば断面が円形の貫通開口部を1またはそれ以上有してよい。
【0017】
本発明の保護素子は、そのような貫通開口部の少なくとも1つを規定する側面上に位置し、層状要素の両側主表面に位置する導電性金属薄層を電気的に接続するヒューズ層を有する。該ヒューズ層は、融点が相互に異なる少なくとも2種の金属層を含む(以下、2種の金属層のうち、高融点金属からなる層を「第1金属層」と、低融点金属からなる層を「第2金属層」という)。該ヒューズ層は、3層以上の金属層からなってもよい。該ヒューズ層が3層以上の金属層からなる場合、これらの層を形成する金属はすべて異なっている必要はなく、少なくとも2種が異なっていればよい。好ましくは第1金属層および第2金属層以外の別の金属層の融点は、第2金属層の融点以上の温度であり、より好ましくは第1金属層の融点以下、かつ、第2金属層の融点以上の温度である。上記金属層が積層される場合、積層順は限定されず、製品要求などに応じて適宜設定することができる。例えば、腐食耐性が要求される場合、最外層を形成する金属をNi等とすることができる。また、該金属層は積層されていることが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、貫通開口部の半分の周に1つの層が形成され、残りの半分の周に別の層が形成されていてもよい。本発明の保護素子は、このような構造をとることにより、保護素子の定格容量の1.2〜4倍、好ましくは1.5〜2.0倍の過剰電流が流れた場合であっても、アークの発生を抑え、迅速かつ確実に過剰電流を遮断することができる。
【0018】
本発明はいかなる理論によっても拘束されないが、本発明の保護素子は、下記のように過剰電流を遮断すると考えられる。一方の主表面上の導電性金属薄層から他方の主表面上の導電性金属薄層に向かって過剰電流が流れようとする場合に、過剰電流が集中的にヒューズ層を流れて発熱する結果、まず、低融点金属からなる第2金属層が溶断する。その結果、第2金属層を流れていた電流も第1金属層に流れ、第1金属層に流れる電流が増大するので、保護素子の定格容量の低倍率の過剰電流、例えば定格容量の1.5〜2.0倍の過剰電流が流れた場合であっても、第1金属層が速やかに溶断し、過剰電流が迅速かつ確実に遮断される。ヒューズ層が3層以上の金属層を含む場合も、上記と同様に、最初に最も融点が低い金属層が溶断して、残りの金属層に電流が転流され、これらの金属層に流れる電流が増大する。そして、このような溶断と転流が順次繰り返されることにより、速やかにヒューズ層が溶断し、過剰電流が迅速かつ確実に遮断される。
【0019】
上記金属層を形成する金属としては、導電性であれば特に限定されるものではなく、例えば、Ni、Cu、Ag、Au、Al、Zn、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、Ni−P合金、Ni−B合金、Sn、Sn−Ag合金、Sn−Cu合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Ag−Cu−Bi合金、Sn−Ag−Cu−Bi−In合金、Sn−Ag−Bi−In合金、Sn−Ag−Cu−Sb合金、Sn−Sb合金、Sn−Cu−Ni−P−Ge合金、Sn−Cu−Ni合金、Sn−Ag−Ni−Co合金、Sn−Ag−Cu−Co−Ni合金、Su−Bi−Ag合金、Sn−Zn合金、Sn−In合金、Sn−Cu−Sb合金、Sn−Fe合金、Zn−Ni合金、Zn−Fe合金、Zn−Co合金、Zn−Co−Fe合金、Sn−Zn合金、Pd−Ni合金およびSn−Bi合金が挙げられる。
【0020】
このうち、上記高融点金属としては、限定するものではないが、例えば、Ni、Cu、Ag、Au、Al、Zn、Sn、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、Sn、Ni−Au合金、Ni−P合金およびNi−B合金が挙げられる。上記第1金属層は、該高融点金属を無電解メッキすることにより形成されることが好ましいが、これに限定されない。
【0021】
上記低融点金属としては、限定するものではないが、例えば、Sn、Sn−Ag合金、Sn−Cu合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Ag−Cu−Bi合金、Sn−Ag−Cu−Bi−In合金、Sn−Ag−Bi−In合金、Sn−Ag−Cu−Sb合金、Sn−Sb合金、Sn−Cu−Ni−P−Ge合金、Sn−Cu−Ni合金、Sn−Ag−Ni−Co合金、Sn−Ag−Cu−Co−Ni合金、Su−Bi−Ag合金、Sn−Zn合金およびSn−Bi合金が挙げられる。該低融点金属は、層状要素を構成する絶縁性樹脂の分解温度よりも低い融点を有する導電性金属であることが好ましい。層状要素を構成する絶縁性樹脂の分解温度よりも低い融点を有する導電性金属を用いることにより、過剰電流が流れた場合に、ヒューズ層が絶縁性樹脂の分解温度に達する前に切断され、絶縁性樹脂の分解を防止することができる。絶縁性樹脂の分解温度とは、絶縁性樹脂が熱分解する温度を言い、例えば示差熱熱重量同時測定装置(TG−DTA)により測定することができる。例えば、絶縁性樹脂が高密度ポリエチレンである場合、空気中で300〜550℃の間に段階的な重量減少が見られ、特に400℃以上において急激な重量減少が発生する。すなわち、400℃が分解温度である。上記第2金属層は、上記第1金属層上に、上記低融点金属を電解メッキすることにより形成されることが好ましいが、これに限定されない。
【0022】
ヒューズ層の厚さは、特に限定されないが、例えば0.001〜0.02mmであるのが好ましく、より好ましくは0.002〜0.015mmである。ヒューズ層の厚さが0.001mm未満である場合は、均一なメッキ層を成形することが困難でありピンホール等が生じ得る。一方、ヒューズ層の厚さが0.02mmを超える場合は、メッキ成形における時間とコストが大きくなる。このような場合は、貫通開口部の数量もしくは貫通開口部の径を増加させることにより素子特性を調整する方が好ましい。
【0023】
ヒューズ層における各金属層の厚さの比率は、所望の特性を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、ヒューズ層が、第1金属層および第2金属層からなる場合、第1金属層と第2金属層の比(厚み比)は、1:100〜5:1、好ましくは1:25〜3:5、より好ましくは1:25〜3:10である。
【0024】
ヒューズ層を側面上に有する貫通開口部を1つ設ける場合、層状要素は円形または他の適当な、元々穴の無い平板形状であり、その中心部(平面形状が円形(即ち、円板状)である層状要素のように、そのような中心部が存在する場合)に貫通開口部(「中心貫通開口部」とも呼ぶ)を設けるのが好ましい。その結果、層状要素は厳密には環状の形状を有することになる。このような環状の形状を有する層状要素の一方の主表面の導電性金属薄層を流れる電流は、貫通開口部の一方の端部に向かって流れ、その後、ヒューズ層を通過して、貫通開口部の他方の端部から層状要素の他方の主表面の導電性金属薄層上を放射状に流れる。
【0025】
このように層状要素に貫通開口部を1つ設ける態様では、後で詳細に説明する複数の貫通開口部を設ける態様と比較して、より大きい貫通開口部を環状要素の中心部に、中心貫通開口部として、設けるのが好ましく、その貫通開口部の側面上にヒューズ層を設ける。そのような保護素子は、抵抗値を小さくできるので、好適な金属層材料を選択することにより大容量の電流(好ましくは20Aより大きい電流、例えば30〜40Aまたはそれより大きい電流、例えば50A)を流す場合に好適に使用できる。また、貫通開口部を1つ設けるだけであるので、保護素子の製造が簡単になる。
【0026】
好ましい態様では、層状要素は、図2または図5で示すように、内側周30および外側周34によって規定される円環状である。層状要素の内側周を規定する円の直径は、例えば6〜16mmであり、その外側周を規定する円の直径は、例えば13〜24mmであるのが好ましい。20〜30Aの電流を流す場合の保護素子としては、内側周の円の直径は例えば6.5mmであり、ヒューズ層の厚さは、例えば0.008mmであるのが好ましい。
【0027】
複数の貫通開口部を設ける場合、層状要素を通過する電流が可及的に均等に各貫通開口部のヒューズ層を流れるように貫通開口部を配置するのが好ましい。例えば、中心貫通開口部を有する円環状の層状要素の周状部分(即ち、内側周と外側周とによって規定される層状要素の本体部分)に、同じ断面形状およびサイズを有する貫通開口部(「周辺貫通開口部」とも呼ぶ)を複数設けてよく、この場合、円環を規定する内側周の円の中心に関して等角度で貫通開口部を設けるのが好ましい。例えば、180°毎に2つ、120°毎に3つ、90°毎に4つ、60°毎に6つ貫通開口部を設ける。但し、保護素子の使用の条件に応じて、層状要素は、周辺貫通開口部を1つのみ有してもよい。従って、周状貫通開口部の数は、例えば1〜6であってよい。
【0028】
円環状の層状要素を規定する、内側周の円、即ち、中心貫通開口部の断面円の直径が他の貫通開口部、即ち、周辺貫通開口部の直径と同じであるか、それより小さい場合、そのような中心貫通開口部を規定する側面にもヒューズ層を設けてもよい。逆に、中心貫通開口部の断面円の直径が周辺貫通開口部の断面円の直径より大きい場合、中心貫通開口部にはヒューズ層を設けないのが好ましい。
【0029】
このように中心貫通開口部にヒューズ層を設けるか否かは、保護素子の各貫通開口部に設けたヒューズ層を流れる電流が実質的に等量となるか否かにより判断する。簡単には、中心貫通開口部が周辺貫通開口部より大きな円形断面を有する場合、中心貫通開口部にヒューズ層を設けると、保護素子を流れる電流の実質的に大部分そのヒューズ層を流れ易く、より小さい円形断面を有する他の貫通開口部に設けたヒューズ層を電流が流れ難いため、他の貫通開口部にヒューズ層を設ける意味が薄れる。
【0030】
1つの好ましい態様では、層状要素は、外側周および内側周によって規定される環状要素であり、内側周面によって貫通開口部が規定され、更に、別の貫通開口部が、層状要素の内部、即ち、層状要素を規定する内側周と外側周との間(即ち、層状要素を規定する絶縁性樹脂の部分)に貫通して周辺貫通開口部として存在してよい。従って、この場合、層状要素には、内側周によって規定される中心貫通開口部(1つ)および層状要素の本体部分中を貫通する少なくとも1つの貫通開口部(上述の周辺貫通開口部に対応)が存在する。
【0031】
この態様では、ヒューズ層は、周辺貫通開口部を規定する側面(即ち、壁)上に存在する。中心貫通開口部の直径が周辺貫通開口部の直径と大差なく、中心貫通開口部にヒューズ層が存在するとした場合に、そのヒューズ層に、周辺貫通開口部のヒューズ層と同等に電流が流れるであろうと予想される場合、中心貫通開口部にもヒューズ層を設けてもよい。中心貫通開口部の直径が周辺貫通開口部の直径より大きく、中心貫通開口部にヒューズ層が存在するとした場合に、そのヒューズ層に、周辺貫通開口部のヒューズ層より遥かに多量の電流が流れるであろうと予想される場合、周辺貫通開口部にヒューズ層を設ける意味がなくなるため、中心貫通開口部にヒューズを設けない。
【0032】
従って、複数の貫通開口部を有する環状の層状要素、例えば円環状の層状要素を有する保護素子の1つの態様では、中心貫通開口部はヒューズ層を有さず、その回りで周状に配置された複数の周辺貫通開口部を有する。周辺貫通開口部を設ける周は通常1重であるのが好ましいが、場合によっては複数重の周、例えば2重の周または3重の周であってもよい。このように、周辺貫通開口部のみにヒューズ層を設ける態様は、設ける周辺貫通開口部の数に応じて、保護素子の抵抗値をコントロールできる。従って、上述の中心貫通開口部のみにヒューズ層を設ける態様と比較して、設ける貫通開口部の数を単に変えることによって、保護素子の抵抗値を容易かつ精密に変えることができる利点がある。
【0033】
周辺貫通開口部は、層状要素が環形状、例えば円環状である場合、層状要素の中心に関して対照的に位置するのが好ましい。周辺貫通開口部が複数存在する場合、例えば環状要素の中心、即ち、内側周を規定する図形、例えば円の中心の周囲で等角度で、例えば180°毎に2つ、120°毎に3つ、90°毎に4つ存在するのが好ましい。
【0034】
具体的な態様では、中心貫通開口部(ヒューズ層を設けない)の直径は6〜16mmであり、その周囲の周辺貫通開口部(ヒューズ層を設ける)の断面円の直径は、0.2〜1mmである。このような態様では、層状要素の外径は、例えば13〜24mmであるのが好ましい。20〜30Aの電流を流す場合の保護素子としては、例えば、直径0.6mmの周辺貫通開口部を8つ設け、ヒューズ層の厚さは、例えば0.008mmであるのが好ましい。
【0035】
尚、いずれの態様においても、貫通開口部は、いずれの適当な他の断面形状を有してもよく、通常円形断面を有するのが好ましい。別の態様では、正方形、長方形、菱形、三角形等であってもよい。その場合、上述の直径は、他の断面形状の相当直径に対応する。
【0036】
従って、想定される過剰電流量に応じて溶融するように、貫通開口部の断面形状、貫通開口部の大きさ(通常、直径)およびその厚さ方向の長さ、ヒューズ層の厚さ、ヒューズ層における各金属層の材料および各金属層の比、ならびに貫通開口部の数および配置等の種々のファクターを選択し、その数値等を所定のように選択する。この選択は、当業者であれば、これらのファクターに関して例えば試行錯誤によって、実施することができる。
【0037】
1つの好ましい態様では、導電性金属薄層およびヒューズ層が、高融点金属のメッキおよび低融点金属のメッキによって、より好ましくはNiメッキおよびSnメッキによって、一体に形成されている。この態様において、ヒューズ層は、第1金属層(Niメッキ)および第2金属層(Snメッキ)からなる。この場合、貫通開口部を有する層状要素を高融点金属および低融点金属でメッキすることによって、導電性金属薄層およびヒューズ層を同時にかつ一体に形成できるので有利である。即ち、ヒューズ層と導電性金属薄層とは、同じ種類の金属で形成される。ヒューズ層および導電性金属薄層を形成するメッキ法としては、電解メッキまたは無電解メッキ法を用いることができるが、高融点金属については無電解メッキ法、低融点金属については電解メッキ法を用いることが好ましい。
【0038】
特に好ましい態様では、層状要素と導電性金属薄層との間に、層状要素に予め密着している金属箔、好ましくはニッケル箔またはニッケルメッキ銅箔が存在する。この場合、メッキ層として形成された導電性金属薄層が金属箔に密着でき、その結果、導電性金属薄層が金属箔を介して層状要素に強固に結合するという利点がある。
【0039】
本発明の保護素子は、保護すべき回路またはそれを構成する電気要素を保護するために、第1電気要素(例えば2次電池)と別の電気要素としての第2電気要素(例えば充電器)とを電気的に直接的または間接的に接続するためにこれらの間に位置し、その結果、一方の導電性金属薄層は第1電気要素と直接または間接的に接触し、他方の導電性金属薄層は第2電気要素と直接または間接的に接触する。従って、本発明の保護素子、ならびにそれによって電気的に接続された回路および/または電気要素を有して成る電気装置をも本発明は提供する。
【発明の効果】
【0040】
本発明の保護素子は、層状要素の両側の主表面上に導電性金属薄層を有し、これらをヒューズ層が電気的に接続することによって大きい電流を流すことを可能にしながらも、過剰電流が流れる場合には、ヒューズ層に電流が集中的に流れる結果、ヒューズ層が溶融して回路が遮断され、それによって電流の流れを遮断できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本発明の保護素子を、その厚さ方向に沿った断面図にて模式的に示す。
図2図2は、図1に示す保護素子を、平面図にて模式的に示す。
図3図3は、図1および図2に示す保護素子におけるヒューズ層を、断面図にて模式的に示す。
図4図4は、本発明の別の態様の保護素子を、その厚さ方向に沿った断面図にて模式的に示す。
図5図5は、図4に示す保護素子を、平面図にて模式的に示す。
図6図6は、図4および図5に示す保護素子におけるヒューズ層を、断面図にて模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図面を参照して、本発明の保護素子をより詳細に説明する。図1に、本発明の保護素子の1つの態様を、その厚さ方向に沿った断面図にて模式的に示し(切断面として現れる部分をAで示す)、また、図2に、図1に示す保護素子を、平面図にて模式的に示す。さらに、図3に、図1および図2に示す保護素子のヒューズ層を、断面図にて模式的に示す。
【0043】
図示した保護素子10は、絶縁性樹脂により形成され、少なくとも1つの貫通開口部、図示した態様では、断面円形の中心貫通開口部12および断面円形の周辺貫通開口部14の2つの貫通開口部を有する、円環状の層状要素16を有して成る。層状要素16の両側の主表面18および20上に位置する導電性金属薄層22および24を有する。尚、図示した態様では、層状要素16と導電性金属薄層との間に別の金属層26および28が存在する。
【0044】
図示した態様では、中心貫通開口部を規定する、円環の内側周30上に、即ち、円環の内側の側面上にはヒューズ層は存在しない。図示した態様では、円環の内側周30と外側周34との間の層状要素の本体部分36に位置する周辺貫通開口部14を規定する円周状側面38上にヒューズ層40が存在する。
【0045】
図示した態様では、ヒューズ層40は、周辺貫通開口部14を規定する円周状側面38上に存在する第1金属層41、第1金属層41上に存在する第2金属層42からなる。
【0046】
図示した態様では、ヒューズ層40を有する周辺貫通開口部14は、層状要素の中心Oを通過する直径(図2にて破線にて図示)に沿って本体部分36の中間に設けた1つのみであるが、直径方向に沿って反対側にもそのような周辺貫通開口部を設けてよい。その場合、中心Oの回りで180°毎に周辺貫通開口部を設けたことになる。更に別の態様では、円の中心Oを基準にして、例えば120°毎に3つ、90°毎に4つ、60°毎に6つ、あるいは45°毎に8つのヒューズ層を有する周辺貫通開口部を等角度で設けてよい。
【0047】
尚、図示した態様では、中心貫通開口部の直径が、周辺貫通開口部の直径より遥かに大きいため、円環の内側周30の側面上にはヒューズ層が存在しないが、中心貫通開口部の直径が周辺貫通開口部の直径と同等または小さい場合、必要に応じて、円環の内側周30の側面上にヒューズ層を設けてもよい。尚、ある態様では、保護素子を配置すべき電気装置に中心貫通開口部に対応する凸部を設けておくと、中心貫通開口部の大きい直径部分内にそのような凸部が嵌まり込むことによって、保護素子を電気装置に位置決めできる場合がある。例えば、2次電池セルの封口板にそのような凸部を設け、中心貫通開口部にその凸部が嵌まり込むようにすることによって、封口板に保護素子を位置決めできる。
【0048】
別の態様では、層状要素16は、中心貫通開口部12を有さず(従って、層状要素は円板形状)、少なくとも1つの周辺貫通開口部14のみを有し、それがヒューズ層40を有してよい。
【0049】
本発明の更に別の態様の保護素子10’を図4および図5に、図1および図2と同様に示す。また、ヒューズ層32を図6に、図3と同様に示す。尚、図1図3と同じ要素については、同じ符号を用いている。図示した態様では、層状要素16は、周辺貫通開口部14を有さず、中心貫通開口部12のみを有し、それがヒューズ層32を有する。ヒューズ層32は、中心貫通開口部12を規定する内側周30上に存在する第1金属層43、第1金属層43上に存在する第2金属層44からなる。
【実施例】
【0050】
(実施例1)
図1および図2に示す本発明の保護素子を製造した。従って、ヒューズ層40のみを有し、ヒューズ層32を有さない保護素子10を製造した。但し、周辺貫通開口部14は、周状に等間隔で8つ形成した。
【0051】
最初に、絶縁性樹脂のシート(ポリエチレン製、厚さ0.3mm、層状要素16に対応)を準備し、その両側にニッケル箔(厚さ:22μm、別の金属層26および28に対応)を配置し、加熱下、これらを一体に押圧して、ニッケル箔を両主表面に貼り付けた圧着物を得た。
【0052】
圧着物の所定の箇所に直径0.6mmの貫通孔(周辺貫通開口部14に対応)を形成し、その後、圧着物を無電解法によるNiメッキ処理に付した。Niメッキ処理により形成したニッケル層の厚さは、約1.5μmであった。次に、圧着物を電解法によるSnメッキ処理に付した。Snメッキ処理により形成したスズ層の厚さは、約6.5μmであった。かかるメッキ処理により、導電性金属薄層(導電性金属薄層22および24に対応)、第1金属層(第1金属層41に対応)および第2金属層(第2金属層42に対応)からなるヒューズ層(ヒューズ層40に対応)を得た。次に、圧着物から円環状要素を打ち抜き、8つの貫通孔が円環状要素の中心の回りで所定の箇所に45°毎に位置する本発明の保護素子10を得た。
【0053】
得られた円環状要素の外側周円34の直径は15mmであり、内側周30の直径(即ち、中心貫通開口部の直径)は6.4mmであった。この円環状要素は、層状要素16としての絶縁樹脂層の両側主表面に別の金属層26および28として機能するニッケル箔を有し、円環状部分の本体部分36の中間部分に周辺貫通開口部14を有した。また、円環状要素は、導電性金属薄層22および24としてのメッキ層(ニッケルメッキ層およびスズメッキ層)をニッケル箔上に有し、周辺貫通開口部を規定する内側周面上に第1金属層41および第2金属層42からなるヒューズ層40として機能するメッキ層を有した。
【0054】
(実施例2〜3)
スズメッキ処理に代えて、それぞれ、Sn−Cu(Cu 4重量%)メッキ処理、およびSn−Bi(Bi 16重量%)メッキ処理を行うこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の保護素子を得た。
【0055】
(比較例1〜3)
スズメッキ処理に代えて、ニッケルメッキ処理を行い、該ニッケルメッキ処理により形成されるニッケルメッキ層の厚さが、それぞれ、4.5、6.5、および8.5μmであること以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜3の保護素子を得た。
【0056】
実施例1〜3および比較例1〜3の特徴を下記表1に示す。
【表1】
【0057】
(試験例1)
実施例1〜3および比較例1〜3の保護素子に、一方の導電性金属薄層22から他方の導電性金属薄層24に、下記表2に示す電流を流し、10分間通電した際にヒューズ層がブローしない電流値を調査した(60Vdc設定)。それぞれにおいてヒューズ層がブロー(溶断)しない最大電流値を定格容量とした。結果を表2に示す。なお、表中「○」は10分間ブローしなかったことを示し、「×」は10分内にブローしたことを示し、「−」はデータなしを示す。
【0058】
【表2】
【0059】
(試験例2)
実施例1〜3および比較例1〜3の保護素子に、一方の導電性金属薄層22から他方の導電性金属薄層24に、それぞれの定格容量の150%、200%、300%、および400%の過剰電流を流し、電流遮断時間(即ち、ヒューズ層がブローするまでの時間)を測定した。結果を下記表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
これらの結果から、その容量の約1.5倍程度の過剰電流に対しても、確実かつ迅速な保護を提供できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の保護素子は、2次電池のような電気装置内で過剰の電流が流れた場合に、その電流の流れを遮断する保護素子として利用することができる。また、本発明の保護素子は、例えば円筒型リチウムイオン2次電池セルにおいて、封口板に組み込まれたニッケルワッシャー、ステンレス材料にニッケルめっきを施したワッシャー等の代替品としても利用することができる。この場合、保護素子は、絶縁性樹脂により形成された層状要素を有するので、樹脂の弾性によってワッシャーとしての機能が向上する。従って、本発明の保護素子は、上述の本発明の保護素子の特徴を有するワッシャーとして利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
10,10’…保護素子、12…中心貫通開口部、14…周辺貫通開口部、
16…層状要素、18,20…主表面、22,24…導電性金属薄層、
26,28…別の金属層、30…内側周、32…ヒューズ層、34…外側周、
36…本体部分、38…側面、40…ヒューズ層、41…第1金属層、
42…第2金属層、43…第1金属層、44…第2金属層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6