(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の支持構造に結合された複数のソーラー部の表面のうちの第1のソーラー部の表面および第2の支持構造に結合された複数のソーラー部の表面のうちの第2のソーラー部の表面を含む、複数のソーラー部の表面の方位を太陽に対し較正をするための方法であって、前記第1の支持構造および第2の支持構造は、互いに分離され、
ロボットを前記第1のソーラー部の表面に隣接する第1の場所に位置決めし、
前記第1のソーラー部の表面及び前記第2のソーラー部の表面を分離する地形を横切って前記ロボットを案内することによって、前記ロボットを前記第2のソーラー部の表面に隣接する第2の場所に再位置決めし、
前記ロボットが前記第1の場所に位置決めされる場合、該第1のソーラー部の表面についての第1の方位情報を識別するとともに、前記ロボットが前記第2の場所に位置決めされる場合、該第2のソーラー部の表面についての第2の方位情報を識別し、
前記ロボットが前記第1のソーラー部の表面に対応する場所に位置決めされる場合、前記識別した第1の方位情報に基づいて該第1のソーラー部の表面の方位を調整するとともに、前記ロボットが前記第2のソーラー部の表面に対応する場所に位置決めされる場合、前記識別した第2の方位情報に基づいて該第2のソーラー部の方位を調整することを含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
では、本発明の好ましい実施例が、同一の参照数字が同一または機能的に同様の要素を
示している複数の図を参照して説明される。また、複数の図において、各参照数字の1番
左側の数字は、その参照数字が最初に使用された図に対応する。
【0024】
本明細書において「一つの実施例」または「実施例」を参照すれば、複数の実施例に関
連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含
まれることを意味する。本明細書の様々な個所で「一つの実施例では」または「実施例」
という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施例を参照しているとは限らない。
【0025】
以下の詳細な説明の一部は、コンピュータメモリ内のデータのビット単位で工程のアルゴリズムおよび記号式表現により表される。これらのアルゴリズムの記述および表現は、その作業の内容を他の当業者に最も効果的に知らせるためにデータ処理分野の当業者により使用される手段である。アルゴリズムは、本明細書において、かつ一般に、所望の結果に至る首尾一貫した工程(命令)の順序であると考えられる。複数の工程は、物理量の物理的処理を必要とするステップである。通常、必ずしも限られないが、これらの物理量は、記憶、転送、組み合わせ、比較、他の方法で処理され得る電気信号、磁気信号、または光学信号という形をとる。主に、時々、通常使用が理由で、ビット、値、要素、記号、文字、語彙、数字としてこれらの信号を指すと好都合である。さらに、時々、一般性の喪失もなく、モジュールまたはコードデバイスとして物理量の表現または物理量の表現の物理的処理または変換を必要とするステップのある構成を、指すと好都合である。
【0026】
しかし、これらの用語および同様の用語はすべて、適切な物理量に関連しており、これらの物理量に適用される好都合な標識に過ぎない。特に明示されないかぎり、以下の説明から明らかなように、説明全体にわたって、「処理する(processing)」または「算出する(computing)」または「計算する(calculating)」または「測定する(determining)」または「表示する(displaying)」または「決定する(determining)」などの言葉を利用した説明が、コンピュータシステムメモリもしくはレジスタまたは他のそのような情報の記憶装置、情報の伝送装置、もしくは、情報の表示装置内で物理量(電子)として表されるデータを処理し変換するコンピュータシステムまたは同様の電子計算装置(特定の計算機など)の動作および処理を指すことを了解されたい。
【0027】
本発明のある一面は、本明細書でアルゴリズムの形で説明された複数のプロセスステップおよび命令を含む。本発明のプロセスステップおよび命令が、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで具現化されてもよく、ソフトウェアで具現化された場合、プロセスステップおよび命令が、ダウンロードされ常駐し、様々なオペレーティングシステムによって使用されるそれぞれの異なるプラットフォームから処理されてもよいことに留意されたい。本発明は、計算処理システムで実行され得るコンピュータプログラムに存在してもよい。
【0028】
本発明は、本明細書中、その演算を実行する装置にも関する。この装置は、その目的の
ために構成され、例えば、特定のコンピュータであってもよく、あるいは、それが、コン
ピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に作動または構造が変更される汎用コンピュータからなってもよい。そのようなコンピュータプログラムは、限定されないが、フロッピィディスク、光ディスク、CD−ROM、光磁気ディスクを含むいずれかの形式のディスク、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カードまたは光学式カード、特定用途向け集積回路(ASIC)のような、あるいは、電子命令を記憶するのに適した任意の種類の媒体のような、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶され得る。メモリは、情報、データ、プログラムを記憶することのできる上述のデバイス、および/または、他のデバイスのいずれかのデバイスを含んでもよい。さらに、本明細書で述べるコンピュータは、単一のプロセッサを含んでもよく、あるいは、計算能力が向上した複数のプロセッサ設計を使用するアーキテクチャ(architecture)の構成であってもよい。
【0029】
本明細書で提示されるアルゴリズムおよびディスプレイは、それ自体、いずれかの特定
のコンピュータまたは他の装置に関係するものではない。様々な汎用システムも、本明細
書中、教示に従ったプログラムにより使用可能とされ、あるいは、それが、その方法の工
程を実行するようにより限定した装置を構成するために好都合であることがわかる。これ
らの様々なシステムのための構造が、以下の説明から明らかになろう。さらに、本発明は
、いずれかの特定のプログラミング言語に関連して説明されていない。様々なプログラミ
ング言語が、本明細書中、説明されるように。本発明の教示を実施するために使用可能と
され、以下の特定の言語についての言及が、本発明の実施可能性およびベストモードを開
示するためにもたらされることが了解されよう。
【0030】
さらに、本明細書で使用されている言語が、基本的に、読みやすくしかつ教育目的のために選択されており、本発明の主題を図示し、または本発明の主題の範囲を定めるために選択されていない。したがって、本発明の開示は、本発明の範囲を例示するものであり、限定するものではない。
【0031】
次に、図面を参照すると、
図1は、実装されている要素を使用してソーラー部の表面の
領域におけるロボットコントローラ自体の位置を決定できるロボットコントローラの実施
例を示す。ロボットコントローラは、第1のソーラー部の表面(101)および第2のソ
ーラー部の表面(106)の近くに位置を変え得る。この動作を実現する方法は、限定さ
れないが、体系的に整備されていない環境においてロボットコントローラを物理的に移動
させる外部システム、即ち、システムの集合体と、体系的に整備されている環境において
ロボットコントローラを物理的に移動させる外部システム、即ち、システムの集合体と、
体系的に整備されていない環境においてロボット自体を自律的に移動させることができる
オンボードシステム、即ち、システムの集合体と、体系的に整備されている環境において
ロボット自体を自律的に移動させることができるオンボードシステム、即ち、システムの
集合体と、体系的に整備されていない環境においてロボット自体を自律的に移動させるこ
とができるオンボードシステムと外部システムとの組合せと、体系的に整備されている環
境においてロボット自体を自律的に移動させることができるオンボードシステムと外部シ
ステムとの組合せとを含む。
図1乃至
図14は、ロボットコントローラが、オンボードセ
ンサーおよび電気機械システムの集合体を使用して体系的に整備されていない環境におい
て自律的に移動させることができるものとする。従来の開示では、特に、2010年7月
15日出願の米国仮出願第61/364729号(特許文献1)、2010年12月3日
出願の米国仮出願第61/419685号、米国実用特許出願第13/118274号、
および、米国実用特許出願第13/182297号は、より詳しく、体系的に整備されて
いる環境または体系的に整備されていない環境においてロボットコントローラの位置を自
律的に変える方法を説明している。
【0032】
ロボットコントローラは、体系的に整備されていない環境において実装されている要素
のみを使用して自律型の屋外位置感知およびナビゲーションを実現するために、地上の障
害物に遭遇する必要がないようにフライトシステムおよびフライト制御システムを装備さ
れ得る。地上ロボットコントローラは、a)3次元地形、b)表面密度の変化、c)天候
の要件、およびd)検知される環境の不安定性により、移動できるシステムの集合体を含
まなければならない。これらの目的を実現する既存の一方法は、ロボットコントローラに
ついてa)3D視覚システムによって地形をマッピングし、b)この視野内の地形上の安
全な領域および安全でない領域を算出し、c)所望の目的地に向かう安全な領域を横切る
最適な経路を算出し、d)駆動モータ、車輪、および関連電子機器を含み得る駆動機構を
作動させ、e)目的地に到達するかあるいは目的地への経路が分からなくなるまでこのサ
イクルを繰り返すことである。ロボットコントローラ(104)が認識できる注意すべき
障害物は、ソーラー部の表面(101)、ソーラー部の表面の支持用構造システム(10
2)、および、ソーラー部の表面の支持用基礎(103)である。
【0033】
では、ロボットコントローラの実施例が、説明される。ロボットコントローラは、それ
自体を第1のソーラー部の表面(101)と第2のソーラー部の表面(106)との間で
移動させるための駆動機構(105)を含む。その駆動機構は、電気駆動モータに連結さ
れた複数の車輪を利用し、ロボットシャーシを、ステーションが第1のソーラー部の表面
または第2のソーラー部の表面の近く全般の領域として画定される地形の個々のソーラー
部の表面較正ステーション(107)の一部に進める。ロボットコントローラは、電気エ
ネルギーを駆動モータに供給し、他の電子機能を作動させるように、バッテリーを使った
電源装置を利用し得る。オンボード3D視覚システム(108)は、固有のソーラー部の
表面または地上の障害物(109)を認識するための構造化カメラシステムまたは自然光
型カメラシステムを使用し得る。オンボードマイクロプロセッサシステムは、安全な駆動
領域、最適な駆動経路(110)を算出するために使用可能とされ、駆動システムの電気
モータに最適な駆動経路を実行するように命令を送り得る。
【0034】
ロボットコントローラは、全地球座標におけるロボットコントローラの位置を決定でき
るオンボード位置決めシステム(111)を含み得る。動作中、オンボード位置決めシス
テムは、全地球(X、Y、Z)座標におけるシステムの位置を絶えず更新され得る。この
システムは、全地球座標系で較正される複数のデバイスと通信することのできるGPSデ
バイス、即ち、三角測量システムを使用することによって機能され得る。三角測量システ
ムにおいて、3つの三角測量受信機/送信機が、システムオンボードロボットコントロー
ラと通信し得る。一実施例では、移動体三角測量システムは、信号相互間の遅延時間を測
定し各三角測量送信機までの未処理距離を測定する。これらの信号は、光学信号、電磁信
号、可聴信号であってもよい。これらの3つの送信機の幾何学的位置が既知である場合、
三角測量装置は、ソーラー部の表面の領域における相対位置または全地球位置を測定でき
る。ロボットコントローラは、ソーラー部の表面の領域におけるロボットコントローラの
相対位置を決定するように3D視覚システム(108)およびSLAMアルゴリズムを使
用し得る。
【0035】
図2は、実装されている要素を最小限に体系的に整備された環境として機能する較正さ
れたインフィールドセンサと一緒に実装された要素を使用しソーラー部の表面の領域にお
けるロボットコントローラ自体の位置を決定できるロボットコントローラの実施例を示す
。実施例において、ロボットコントローラは、自律的トータルステーション(total stat
ion)(202)に対応するオンボードターゲット(onboard target)(201)を含み
得る。この構成では、そのトータルステーションが既知の位置(203)に配置され、ロ
ボット(104)は、領域全体にわたって逆反射ターゲット(201)を自動的に移動さ
せる。そのトータルステーションは、逆反射ターゲットまでの距離を測定することができ
、ターゲットの相対位置を移動ロボットコントローラ(104)に知らせる。位置を検知
するための他のシステム、および/または、方法は、限定されないが、複数の較正された
タワーまたはターゲットまでの距離を決定できるロボットコントローラに搭載した距離検
知システムを利用すること、較正されたタワーまたはターゲットまでの距離を決定するた
めの1つ以上の自然光型カメラを利用すること、あるいは、構造光型位置検知技術を利用
することを含む。
【0036】
ロボットコントローラの環境が十分に制約されるシステムでは、このデータが、ソーラ
ー部の表面の領域におけるロボットの位置の決定について、ロボットを支援するように使
用可能とされる。たとえば、ロボットコントローラは、固定した線構造に沿って移動する
場合、ロボットコントローラが、最小自乗法を使用してすべての位置点を近似線に合わせ
るように、複数の位置読取り値を使用し得る。
【0037】
図3は、ロボットコントローラが、ヘリオスタット、即ち、ソーラートラッカーの幾何
学的原点までの距離を知るために使用することのできる一つのシステムを示す。ソーラー
部の表面の幾何学的原点(301)は、ソーラー部の表面が旋回する点として定義され得
る。構造光発光器およびセンサを含む構造光カメラシステム(302)は、X、Y、Z座
標においてロボットコントローラからソーラー部の表面の幾何学的原点(301)、また
は、ソーラー部の表面の支持構造(102)もしくは支持基礎(103)におけるマーク
(303)までの距離を検知するために使用可能とされる。このマークは、幾何学的原点
に対し予め確定したオフセットを有してもよい。ロボットコントローラは、この点までの
距離を決定することにより、予め確定した幾何学的オフセットを利用することによってソ
ーラー部の表面の原点までの距離を近似し得る。
【0038】
同様の目的を実現するためにロボットコントローラによって使用することのできる他の
システムは、限定されないが、自然光型カメラまたはカメラのシステムを利用すること、
1つ以上のレーザ距離センサを利用すること、物理的プローブシステムを利用すること、
あるいは、ソーラー部の表面、またはソーラー部の表面の支持構造またはソーラー部の表
面の支持基礎におけるある箇所によって放出された信号を検出することのできるシステム
を利用することが含まれる。個々のソーラー部の表面におけるマーク(303)または一
群のマークは、限定されないが、逆反射ターゲット、カラーコード化ターゲット、ソーラ
ー部の表面またはその支持構造における固有の物理的フィーチャ、あるいは、磁気信号、
電磁信号、または可聴信号を放出する信号放出装置を含んでもよい。
【0039】
ロボットコントローラの環境がより制約される場合、この情報は、ロボットがソーラー
部の表面の幾何学的原点に対する距離を決定することについて、支援するために使用可能
とされる。一例として、ロボットコントローラがソーラー部の表面の幾何学的原点(30
1)からの既知のオフセット量をもって幾何学的線に拘束される場合、ロボットコントロ
ーラは、他の2つの次元が想定されるとき、一次元においてそのオフセット量を算出する
だけでよい。
【0040】
図4は、個々に制御される2つ以上のソーラー部の表面における全地球座標または相対
座標における位置を測定するためにロボットコントローラが使用できる工程を示す。この
工程は、
図1乃至
図3に示される複数の方法と工程とを組み合わせたものである。
【0041】
較正の方法は、周囲の3Dマップを作成するステップ401により始まる。このマップ
により、ロボットコントローラがこの地形における安全な領域および安全でない領域を算
出できる(402)。ロボットコントローラは、個々のソーラー部の表面までの距離を検
出することのできるステーション検知システムを備え、算出された安全な領域と組み合わ
せられたこの情報が、次のステーションまたは較正ゾーンまでの最適な経路を算出するた
めに使用可能とされる(403)。実施例では、ロボットコントローラは、個々のヘリオ
スタット上のキーフィーチャ(key feature)を検出できる1つ以上のオンボードカメラ
を有する。他の実施例は、限定されないが、各ヘリオスタットを含み、ヘリオスタットは
、信号減衰を測定する較正ロボットにおける装置によって傍受される信号を放出し、周囲
をマッピングして分析するためにSONARまたはLiDAR型システムをロボットに備
え、TOF(time of flight )型3D走査システムを利用し、あるいは、ソーラー部の表面
またはその支持構造上に戦略的に配置された逆反射ターゲットと組み合わせてレーザ距離
センサシステムを利用する。
【0042】
ステップ404において、ロボットコントローラが、その駆動機構を作動させステーシ
ョンまたは較正ゾーンの方へ移動する。ステーション相互間の移動中、ステーション検知
機構は、目的地に到達するまで、最適な駆動経路を駆動機構に対して連続的に更新するよ
うに使用可能とされるのに使用されてもよい(405)。この例では、目的地は、ソーラ
ー部の表面を較正するための範囲内にあるロボットコントローラによって画定される。プ
ロセスステップ401〜405は、車輪、キャタピラートラック、可動レグ、関節継手、
またはロボットコントローラの位置を変えるチェーン駆動装置を利用する駆動機構につい
て同様である。代替的な実施例では、駆動システムは、ステーション相互間でコントロー
ラの位置を変えるためにトラック式機構、ケーブル式機構、またはレール式機構を使用可
能である。そのロボットコントローラは、外部駆動装置または1組の駆動装置と通信しこ
の位置を変え実行する。
【0043】
ステップ406では、ロボットコントローラは、オンボード位置判定機構に接続し、3
D空間におけるロボットコントローラの絶対位置または相対位置を知る。
図1〜
図2に描
かれるように、これは、全地球座標系において位置情報を高精度に知るリアルタイム全地
球測位システムによって実現され得る。3D空間における位置を測定する他の方法には、
限定されないが、標準的な全地球測位システムと、音声または光を放出する既知のセンサ
からの三角測量と、既知の位置までの距離を測定するロボットにおける複数のセンサと、
様々な距離においてパターンを認識し、あるいは手動全ステーション測量システムまたは
自律的全ステーション測量システムと通信するカメラ式システムとを含む。
【0044】
ロボットコントローラは、較正ゾーンに進入し、全地球座標系におけるロボットコント
ローラの位置を決定した(406)後、距離検知機構、および/または、既知の幾何学的
配置を使用し、X、Y、Z座標においてソーラー部の表面の幾何学的原点までの絶対距離
を知る(407)。ロボットコントローラは、この原点オフセットをロボットコントロー
ラの既知の位置に適用し、全地球座標系におけるソーラー部の表面の幾何学的位置を算出
できる(408)。たとえば、ロボットコントローラは、ロボットコントローラ自体がX
=4000、Y=4000、およびZ=4000の全地球位置に位置すると断定し、ヘリ
オスタットの原点が、較正ロボットの基準点からX=1、Y=2、およびZ=3の距離に
位置すると認識した場合、ソーラー部の表面の原点を全地球座標系においてX=4001
、Y=4002、およびZ=4003に較正する。
【0045】
較正ロボットは、それから、個々のソーラー部の表面に関する位置データを搭載データ
記憶ユニット、中央通信システム、または分散通信システムに送り得る(409)。実施
例では、較正ロボットは、ワイヤレス送信機を含む。データを送信するための他の実施例
は、限定されないが、個々のソーラー部の表面へのワイヤレス通信と、一群のソーラー部
の表面または中央コントローラへのワイヤレス通信と、個々のソーラー部の表面への直接
データリンクと、複数のソーラー部の表面または中央コントローラ用の直接データリンク
と、較正ロボットの電源によるデータ転送、あるいは、記憶媒体またはRFIDチップへ
の較正データのワイヤレスによる書込みによるデータ転送とを含む。
【0046】
較正プロセスが完了した(ステップ401〜409)後、較正ロボットは、較正すべき
ソーラー部の表面がまだあるかどうかを決定する(410)。較正する必要のあるソーラ
ー部の表面がまだある場合、プロセスが、ステップ401を繰り返す。すべてのヘリオス
タットが較正されたならば、ロボットコントローラはそのホーム位置またはドッキング位
置に戻り得る(411)。このドックは、再充電ステーションまたは情報の記憶、もしく
は中央コントローラへ較正データを送るためのデータリンクを含み得る。
【0047】
図5は、全地球3軸座標系(501)におけるロボットコントローラ(104)自体の
方位を求めることのできるロボットコントローラ(104)の実施例を示す図である。こ
の実施例では、ロボットは、オンボード加速度計を利用して重力および磁気コンパスに対
する方位を求め、地球の磁極に対する方位を求める。ロボットを全地球座標系に対して適
切に較正する他の方法には、オンボードジャイロコンパス、固体コンパス、GPSコンパ
ス、傾斜計、磁力計、ジャイロスコープ、または太陽センサが含まれるが、それらに限ら
ない。太陽センサを使用して瞬間太陽ベクトルに対するロボットコントローラの方位を求
めてもよい。ロボットコントローラは、現在時間を求め、この情報を近似GPS座標と組
み合わせることによって、太陽に対するロボットコントローラの方位を全地球3軸座標系
(501)にマッピングすることができる。
【0048】
図6は、ロボットコントローラが、ソーラー部の表面の相対3軸方位およびソーラー部
の表面の垂直ペデスタル軸を検出するのに使用することのできる一方法を示す。この方法
では、立体照明型発光装置およびセンサを備える立体照明型カメラシステム(302)を
使用してソーラー部の表面(101)の相対方位およびソーラー部の表面の垂直ペデスタ
ル軸(103)を検知してもよい。このカメラシステムは、有効視野を増大させるうえで
静的であっても、動的であってもよい。立体照明型発光装置は、ドットのパターン(60
1)をソーラー部の表面(101)、その支持構造(102)、およびその支持基礎(1
03)上に投影してもよい。この立体照明型パターンを検出することのできるセンサまた
はカメラから得られる情報を使用してフィーチャを検出し、このようなフィーチャを幾何
学的平面に当てはめてもよい。
【0049】
ソーラー部の表面の位置を変えるシステムは、移動ロボットコントローラをこの方向検
出プロセスにおいて助ける機能を含んでもよい。このような機能には、事前に定められた
パターンで配置された逆反射ターゲット、カラーコード化ターゲット、ソーラー部の表面
またはその支持構造の固有の物理的フィーチャ、あるいは電磁信号または可聴信号を放出
する信号放出デバイスが含まれるが、それらに限らない。
【0050】
ロボットコントローラに対するソーラー部の表面の方位を求める他の方法には、事前に
定められた形状または検出された形状を利用すること、自然光式カメラを利用すること、
光または音声による距離検知システムを利用すること、あるいはソーラー部の表面の物理
的要素と相互作用するかまたはソーラー部の表面上の既知の位置によって放出される磁気
信号、電磁信号、または可聴信号を検出するプロービングシステムを利用することが含ま
れるが、それらに限らない。このプロービングシステムを使用して傾斜計をソーラー部の
表面の垂直ペデスタル軸上またはその近くに配置して垂直ペデスタル軸の非垂直を直接算
出してもよい。
【0051】
図7は、ロボットコントローラが全地球3軸座標系におけるソーラー部の表面の方位を
求めるのに使用することのできるプロセスを示す。このプロセスは、
図4に詳しく示すよ
うにステップ401〜405から始まる。ステップ701では、ロボットコントローラが
オンボード方位検出機構にアクセスして全地球座標系におけるロボットコントローラの方
位を検出してもよい。
図5〜
図6に示すように、これは、全地球座標系に対する較正ロボ
ットの方位を定めるオンボード加速度計およびコンパスによって実施されてもよい。
【0052】
ここで、ロボットコントローラの処理ユニットは、ソーラー部の表面の相対方位を求め
るのに使用されるオンボードセンサーに情報を要求できる(702)。次に、この情報を
、ソーラー部の表面の相対方位をロボットの検出された全地球方位に投影することによっ
て全地球座標系にマッピングできる(703)。次に、較正ロボットは、個々のソーラー
部の表面に関する方位データをオンボードデータ記憶ユニット、中央通信システム、また
は分散通信システムに伝達できる(704)。
【0053】
較正プロセスが完了した後、較正ロボットは、較正すべきソーラー部の表面がまだある
かどうかを判定する(410)。較正する必要のあるソーラー部の表面がまだある場合、
プロセスはステップ401を繰り返す。すべてのヘリオスタットが較正された後、ロボッ
トコントローラはそのホーム位置またはドッキング位置に戻ることができる(411)。
【0054】
図8は、ロボットコントローラが、ロボットコントローラ内の垂直ユニットを使用して
ヘリオスタットのペデスタル軸の非垂直の特徴を調査するのに使用することのできるプロ
セスを示し、この垂直ユニットは、たとえばソフトウェアアルゴリズムの形をとってよい
。このプロセスは、
図4に詳しく示すステップ401〜405および
図7に示すステップ
701から始まる。ここで、ロボットコントローラの処理ユニットは、ソーラー部の表面
のペデスタル軸の相対方位を求めるのに使用されるオンボードセンサーに情報を要求でき
る(801)。次に、この情報を、ペデスタル軸相対方位をロボットの検出された全地球
方位に投影することによって全地球座標系にマッピングできる(802)。較正プロセス
の最後のステップとして、ロボットコントローラは、検出された全地球方位のオフセット
を既知の重力ベクトルまたは近似された重力ベクトルと比較してソーラー部の表面のペデ
スタル軸の非垂直を算出する(803)。
【0055】
較正ロボットは次いで、ソーラー部の表面の基礎またはペデスタル軸の非垂直をオンボ
ードデータ記憶ユニット、中央通信システム、または分散通信システムに伝達できる(8
04)。較正プロセスが完了した後、較正ロボットは、較正すべきソーラー部の表面がま
だあるかどうかを判定する(410)。較正する必要のあるソーラー部の表面がまだある
場合、プロセスはステップ401を繰り返す。すべてのヘリオスタットが較正された後、
ロボットコントローラはそのホーム位置またはドッキング位置に戻ることができる(41
1)。
【0056】
図9は、ソーラー部の表面が現在太陽の方に向けられているかどうかを判定するために
ロボットコントローラによって使用することのできる光ファイバーシステムを示す図であ
る。このシステムの実施例では、ロボットコントローラは光検知デバイス(901)を備
える必要がある。このデバイスは、狭帯域光学機器(902)、光ファイバケーブル(9
03)、および任意の光散乱光学機器(904)を備える光ファイバーシステム(905
)の出力を検知することができる。狭帯域光学機器は、軸外直射日光(off-axis direct
sunlight)がファイバケーブルに入射するのを防止し、必要に応じて事前に定めるかまた
は調整することのできる太陽半角範囲に対する感度を有する。光ファイバケーブルの目的
は、必要に応じてケーブルをルーティングすることができるので、狭帯域光学機器からの
データ、すなわち、光出力または光出力の欠如によりうまくアクセスできるようにするこ
とである。光散乱光学機器は、このデータにずっとうまくアクセスできるようにし、ロボ
ットコントローラの光検知デバイス(901)を光ファイバケーブルの端部の近くに配置
するのを不要にする。
【0057】
このシステムの目的は、ソーラー部の表面が現在太陽に向けられているかどうかを判定
することである。この情報は、ロボットコントローラの光検知デバイス(901)を監視
しつつソーラー部の表面の位置を同時に調整する探索アルゴリズムと一緒に閉ループ較正
技術として使用されてもよい。この情報を使用し、近似全地球位置および内部クロックを
利用して現在の太陽ベクトルを算出することによって、全地球座標系におけるソーラー部
の表面の方位を求めてもよい。
【0058】
図10は、PVセルまたはCPVモジュールの瞬間出力を求めるためにロボットコント
ローラによって使用することのできる電流監視システムの一実施例を示す。このシステム
の目的は、ソーラー部の表面が太陽に位置合わせされているかどうかを判定することであ
る。
図9に示すように、この情報は、閉ループ較正技術で使用されるときまたは全地球座
標系におけるソーラー部の表面の方位を求めるときに有用である。電流監視システム(1
001)は、新しいシステム要素を必要としないので主としてPV適用例およびCPV適
用例で有用であるが、ヘリオスタット適用例で使用されてもよい。このシステムは、様々
な検知技術によってインバータ、ストリング、または個々のパネルレベルの光発電システ
ムまたは集光型光発電システムの瞬間出力を求めることができる。これらの技術には、プ
ロービングホール効果センサ(1003)を用いて、ワイヤ(1002)またはワイヤの
ループによって生成された磁界を測定することによる間接的な電流検知、電圧計および/
または電流計を光発電システムに物理的に挿入することによる直接的な電流検知、あるい
は瞬間電流出力情報をロボットコントローラ(104)に伝達することのできる外部計量
デバイスに接続することが含まれるが、それらに限らない。
【0059】
図11は、ソーラー部の表面に当たる光の量をディザするためにロボットコントローラ
によって使用することのできる光変調システムの一実施例を示す。このシステムの一目的
は、ソーラー部の表面に当たる人工光または自然光の量を変調しつつ、同時に、システム
の出力を測定することによって、個々のソーラー部の表面のステータスまたは全体的な最
盛状態を判定することである。光発電システムの統計的に有意な1つの要素が有効にオン
/オフに切り替えられる間システムレベルで電力出力変化が検出されない場合、前述のソ
ーラー部の表面が機能停止していると仮定してもよい。
【0060】
次に、このディザリング効果を実現する一方法について説明する。システムは、オンボ
ード指向性発光デバイス(1101)を使用してソーラー部の表面(101)に当たる光
の量を増大させる。発光デバイスがオフに切り替えられると、ソーラー部の表面に当たる
光の量が少なくなる。このシステムを日中に使用してもよい。ただし、変調信号は、シス
テムの基準電力出力がほぼ零になる夜間の方がより統計的に有意である。
【0061】
図12は、ロボットコントローラが、現場レベルバックトラッキングアルゴリズムを最
適化するのに使用することのできるプロセスを示す。バックトラッキングアルゴリズムは
、非集光型PV適用例にのみ適用することができる。その理由は、バックトラッキングア
ルゴリズムでは、ソーラー部の表面を、陰になるのを避けるために太陽ベクトルから離れ
る方向に向ける必要がある。PVモジュールのある領域が陰になると、不均衡な電力損失
が生じる恐れがある。
【0062】
このプロセスは、
図4、
図7、および
図8で説明したプロセスを実行することから始ま
り、個々のソーラー部の表面およびそのペデスタル軸の現在位置、方位、および非垂直を
求める(1201)。次いで、プロセス1201が、バックトラッキング分析の影響を受
ける可能性があるあらゆるソーラー部の表面について繰り返される(1202)。これら
のソーラー部の表面群を事前に定めるかあるいは事前にプログラミングしておいてもよい
。ロボットコントローラを使用して安全な領域を判定または検出してもよく、この場合、
安全なゾーンは、既知の現場構成または検出された現場構成が与えられた場合、第1のソ
ーラー部の表面が第2のソーラー部の表面の陰になることが不可能な場所として定義され
る。
【0063】
次いで、収集された情報を使用してソーラー部の表面の領域の3Dマップが生成される
(1203)。ソーラー部の表面が現在、a)互いに陰になっているか、それともb)互
いの陰になる容量を有するかを判定するには、ソーラー部の表面の形状および面積を定め
なければならない。ロボットコントローラは、オンボード視覚システムを使用して個々の
ソーラー部の表面の形状および面積を検出してもよく、あるいはこの情報を人間のオペレ
ータによって定めてもよい(1204)。ソーラー部の表面が隣接するソーラー部の表面
の陰になっているかどうかを判定するには、太陽ベクトルをシミュレーションする指向性
照明をソーラー部の表面の生成された3Dマップに適用すればよい(1205)。陰が検
出された場合、計算システムは、第1のソーラー部の表面が第2のソーラー部の表面の陰
になるのを防止する第1のソーラー部の表面の方位に必要な最小変更量を求めてもよい(
1206)。この計算プロセスをソーラー部の表面の将来の方位および将来の太陽ベクト
ル角度について繰り返し(1207)、ソーラー部の表面の領域における個々のソーラー
部の表面の最適な位置を事前に求めてもよい(1208)。
【0064】
図13は、ロボットコントローラが、現場設置公差、製造誤差、バックラッシュ、およ
び経時的な土地環境の特徴を調査するのに使用することのできるプロセスを示す。製造プ
ロセスおよび設置プロセスにおける欠陥から生じるこれらの誤差は、ソーラー部の表面の
測定された方位および/または位置に関する情報を含む1組の履歴データポイントを、誤
差が存在しない場合に予測されるソーラー部の表面の方位および/または位置と比較する
ことによって定められてもよい。このプロセスは、
図4、
図7、および
図8で説明したプ
ロセスを実行することから始まり、個々のソーラー部の表面およびそのペデスタル軸の現
在の位置、方位、および非垂直を求める(1201)。次いで、プロセス1201がソー
ラー部の表面について繰り返され、履歴データセットが作成される(1301)。ステッ
プ1302では、ソーラー部の表面の推定された方位および既知の太陽ベクトルも記録さ
れる。次いで、計算システムは、測定データ、予測データ、および既知のデータを比較し
、太陽の位置およびソーラー部の表面の予測された方位に対する誤差マップを作成する(
1303)。この誤差検出プロセスを使用して、許容誤差範囲から外れたソーラー部の表
面を検出してもよい。この誤差マップを使用し、較正ループを有効に閉じることによって
太陽追尾制御アルゴリズムまたはバックトラッキング制御アルゴリズムを微調整できる。
【0065】
図14は、生データまたは処理済みデータをオンボード処理ユニット、中央処理ユニッ
ト(1401)、分散処理ユニット(1402)、または他のロボットコントローラ(1
403)に伝達することのできるロボットコントローラ(104)の実施例を示す。代替
実施例では、ロボットコントローラは、1つまたは複数のソーラー部の表面に隣接してい
ないときでもそれらのソーラー部の表面と通信し、それらのソーラー部の表面から情報を
受け取ることができる。
【0066】
本発明の特定の実施例および適用例を図示しそれらについて説明したが、本発明が本明
細書で開示した厳密な構成および構成要素に限定されず、特許請求の範囲に記載された本
発明の趣旨および範囲から逸脱せずに本発明の方法および装置の構成、動作、および細部
に様々な修正、変更、および変形を施せることを理解されたい。