特許第6232053号(P6232053)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232053
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】毛髪を処理する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/365 20060101AFI20171106BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20171106BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   A61K8/365
   A61K8/49
   A61Q5/04
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-513093(P2015-513093)
(86)(22)【出願日】2013年5月15日
(65)【公表番号】特表2015-517542(P2015-517542A)
(43)【公表日】2015年6月22日
(86)【国際出願番号】EP2013060022
(87)【国際公開番号】WO2013174690
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2016年3月15日
(31)【優先権主張番号】12168632.3
(32)【優先日】2012年5月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590003065
【氏名又は名称】ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ポール,プレム,クマール,チエヤラザガン
(72)【発明者】
【氏名】パイ,スーザン
(72)【発明者】
【氏名】ウオール,ブライアン,ダグラス
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−519965(JP,A)
【文献】 特表2010−531834(JP,A)
【文献】 特表2010−525019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/365
A61K 8/49
A61Q 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪を直毛化する方法であって:
i)成物全体の少なくとも0.8重量%のグルコノラクトン;および
ii)成物全体の少なくとも0.8重量%のクエン酸を含み、グルコノラクトンのクエン酸に対する比が1:3から3:1である毛髪処理組成物を毛髪に塗布するステップ、および
その後に毛髪を120℃超の温度まで少なくとも10秒間加熱するステップを含む方法。
【請求項2】
グルコノラクトンの濃度が前記組成物全体の1.5から5重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
クエン酸の濃度が前記組成物全体の1から5重量%である、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記組成物のpHが20℃にて4以下である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記毛髪を150℃を超える温度まで加熱する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物を塗布してから加熱プロセスまでの間に前記組成物を洗い流さない、請求項1から5のいずれかに記載の毛髪を直毛化する方法。
【請求項7】
熱を加える前に前記組成物を前記毛髪にて最低10分間放置する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物を乾いた毛髪に塗布する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は直毛化の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の毛髪市場には、直毛化製品が幅広く出回っている。特定の髪形を保持する一般的な方法は、ヘアスプレー、ムース、ジェル、ローションまたはワックスを塗布することによる。これらの組成物中の物質は概して、膜形成剤、樹脂、ゴムおよび/または粘着性ポリマーである。このような方法では、洗髪から洗髪までの間に毛髪は直毛化されない。
【0003】
市販されている毛髪直毛化パーマネント組成物は、チオールまたはヒドロキシドベースの還元剤の使用と、続く中和または酸化ステップによる2段階方法で毛髪を化学処理することに基づく。このような系は、方法自体が行い難く、多くの例でこの直毛化方法は専門のサロンで資格を有する美容師によって行われるという点で、該系に関して多様な欠点を有する。さらに直毛化方法は毛髪にダメージを与え、不快な臭気を有し、頭皮に刺激を生じるおそれがある。
【0004】
特許文献1は、グルコノラクトンを含有するスタイリング/直毛化組成物を開示しているが、本方式でスタイリングした毛髪は、次に洗浄した後にそのスタイルを保持しない。
【0005】
本発明は今や、ダメージを軽減する方法で毛髪を直毛化可能であり、次に洗浄した後に毛髪がなお直毛化されたままであることを見出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2005/084623号パンフレット
【発明の概要】
【0007】
本発明は、毛髪を直毛化する方法であって:
i)組成物全体の少なくとも0.8重量%の糖ラクトン;および
ii)糖ラクトンの酸に対する比が1:5から5:1である、前記組成物全体の少なくとも0.8重量%の2座または3座カルボン酸;および
iii)得られた組成物を120℃超の温度まで少なくとも10秒間加熱すること;
を含む毛髪処理組成物を毛髪に塗布するステップを含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の組成物は糖ラクトンを含み、好ましくは糖ラクトンは単糖、より好ましくはグルコノラクトンであり、とりわけ好ましいのはグルコノ−デルタ−ラクトンである。
【0009】
糖ラクトン、好ましくはグルコノラクトンの濃度は、組成物全体の少なくとも0.8重量%、好ましくは8.0重量%未満である。より好ましくは、糖ラクトンの濃度は組成物全体の1.0重量%から6.0重量%であり、最も好ましくは、糖ラクトンの濃度は1.5から5.0重量%である。
【0010】
本発明の組成物は、2座または3座有機酸を含む。好ましくは有機酸は、ジまたはトリカルボン酸であり、より好ましくはカルボン酸は短鎖(C2−C10、好ましくはC3からC6))カルボン酸であり、とりわけ好ましいのはジまたはトリカルボン酸であり、クエン酸が特に好ましい。
【0011】
2座または3座カルボン酸は、組成物全体の中に少なくとも0.8重量%の濃度で、より好ましくは0.9重量%超の濃度で、最も好ましくは1.0から5.0重量%の濃度で存在する。
【0012】
糖ラクトンの2・3座(bi.tridentate)カルボン酸に対する比は1:5から5:1、より好ましくは1:3から3:1である。
【0013】
本発明のヘアケア組成物は、毛髪への塗布に好適である、担体またはこのような担体の混合物を含むことができる。担体は、組成物の約0.5%から約99.5%、好ましくは約5.0%から約99.5%、より好ましくは約10.0%から約96.0%で存在する。本明細書で使用する場合、「毛髪への塗布に好適な」という表現は、担体が毛髪の美観にダメージを与えないもしくは悪影響を及ぼさないこと、または下の皮膚に刺激を生じないことを意味する。
【0014】
本発明による組成物は、緩衝剤またはpH調整剤を含む。好ましい緩衝剤またはpH調整剤としては、弱酸および塩基、たとえばグリシン/ナトリウムヒドロキシド、乳酸、コハク酸、酢酸およびその塩が挙げられる。緩衝系の混合物がよく使用される。好ましくは、pHは4以下、より好ましくは2.5から3.5の間である。
【0015】
本発明による組成物は、好ましくは、シャンプーおよびすすぎの後に毛髪に塗布される水性組成物である。これらは好ましくは乾いた毛髪にもみ込み、加熱し、好ましくは続いてさらに水ですすいでから、毛髪を乾燥させる。水性組成物とは、本発明の組成物が60重量%以上の、好ましくは70重量%以上の、より好ましくは80重量%以上の水を含むことを意味する。
【0016】
ヘアケア組成物がヘアスプレー、トニック、ジェルまたはムースである場合、好ましい溶媒としては、水、エタノール、揮発性シリコーン誘導体およびその混合物が挙げられる。
【0017】
このような混合物で使用される溶媒は、相互に混和性でも不混和性でもよい。ムースおよびエアゾール・ヘア・スプレーは、物質を泡として(ムースの場合)としてまたは微細で均質なスプレーとして(エアゾール・ヘア・スプレーの場合)送達するための従来のいずれの噴射剤も用いることができる。好適な噴射剤の例としては、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、プロパン、n−ブタンまたはイソブタンなどの物質が挙げられる。低い粘度を有するトニックまたはヘアスプレー製品は乳化剤も用いてよい。好適な乳化剤の例としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性界面活性剤およびその混合物が挙げられる。このような乳化剤を使用する場合、乳化剤は組成物の総重量に基づいて、好ましくは約0.01%から約7.5重量%の濃度で存在する。噴射剤の濃度は、所望の通りに調整できるが、一般に、ムース組成物の総重量に基づいて約3%から約30重量%、エアゾール・ヘア・スプレー組成物の総重量に基づいて約15%から約50重量%である。
【0018】
ヘア・スタイリング・クリームまたはジェルも通例、構造化剤または増粘剤を通例、組成物全体の0.01%から10重量%の量で含有する。
【0019】
好適なスプレー容器は当分野で周知であり、従来の非エアゾール・ポンプ・スプレー、すなわち上記のような、噴射剤を有する「アトマイザ」、エアゾール容器または缶およびまた圧縮空気を噴射剤として用いるポンプエアゾール容器が挙げられる。
【0020】
該製剤は、コンディショニング剤、たとえば界面活性剤、毛髪に好適なカチオン性コンディショナー、第4級シリコーンポリマー、シリコーン・ベース・コンディショナーおよびそのエマルジョンならびにアミノ官能性シリコーンおよびそのエマルジョンを含んでよい。
【0021】
すべての製品形態に好適なさらに一般的な成分としては、日焼け防止剤、フケ防止活性物質、カルボン酸ポリマー増粘剤および本発明の組成物の各種の担体構成成分を乳化するための乳化剤が挙げられる。
【0022】
本発明のいくつかの態様において、組成物がスタイリング助剤を含むことが非常に望ましい。
【0023】
本発明でスタイリング助剤として特に有用なのは、ヘア・スタイリング・ポリマーである。ヘア・スタイリング・ポリマーは周知の商品であり、ポリマーにカチオン性、アニオン性、両性または非イオン性特性を付与する部分を含有する、多くのこのようなポリマーが市販されている。該ポリマーは合成であっても天然由来であってもよい。
【0024】
ヘア・スタイリング・ポリマーの量は、組成物の総重量に基づいて、0.1から10重量%、好ましくは0.5から8重量%、より好ましくは0.75から6重量%である。
【0025】
本発明の組成物はまた、ヘアケアに好適な添加剤を含有してよい。一般にこのような成分は、組成物全体の2重量%までの、好ましくは1重量%までの濃度で個別に含まれる。好適なヘアケア添加剤としては、アミノ酸、糖およびセラミドが挙げられる。
【0026】
製品は毛髪への塗布に好適な任意の形態であってよいが、洗い流し製品であることが好ましい。毛髪のコンディショニングに使用される製品がとりわけ好ましい。
【0027】
本発明の組成物は使用にあたって毛髪に塗布され、次に好ましくは塗布の最長60分後に洗い流され、より好ましくは本製品は塗布の40分後に洗い流される。
【0028】
本発明の方法は、本発明の組成物の塗布と、続いての加熱ステップを含む。毛髪は、120℃を超える、より好ましくは150℃を超える、最も好ましくは170℃を超える温度まで加熱されるべきである。毛髪に加えられる最高温度が220℃であることが好ましい。
【0029】
以下の非制限的な実施例は、本発明の好ましい実施形態をさらに例証する。実施例および本明細書全体で示す、すべてのパーセンテージは、別途指摘しない限り、総重量に基づく重量による。
【0030】
[実施例]
実験1:
長さ25cm、重量2グラムの暗褐色ヨーロッパ人ウェーブ#6毛束に、2%クエン酸;4%クエン酸;2%グルコノラクトン;4%グルコノラクトンおよび(2%クエン酸+2%グルコノラクトン)溶液をそれぞれ1mlずつ適用した。毛束を20℃および50%RHにて少なくとも30分間放置して乾燥させた。乾燥後、毛束をアイロン(180℃に設定)で7回直毛化して、高い湿度(30℃、80%RH)に1時間暴露させた。1時間の終了時の毛束の体積は、糖による直毛化の便益を示す(体積は、画面上への毛束画像の投影を指し、mmで表す。)。
【表1】
【0031】
表から、単一活性成分のみから期待された便益と比較して、組合せによって相乗的な便益がもたらされる、すなわち組合せの便益%が濃度2%の個々の活性成分の便益%の合計よりもはるかに高いことがわかる。濃度4%においても、組合せの便益は単一活性物質より大きい。
【0032】
実験2:
長さ25cm、重量2グラムの暗褐色ヨーロッパ人ウェーブ#6毛束に、下の表に示された組成を有する溶液をそれぞれ1mlずつ適用した。毛束を20℃および50%RHにて少なくとも30分間放置して乾燥させた。乾燥後、毛束をアイロン(180℃に設定)で7回直毛化して、高い湿度(30℃、80%RH)に1時間暴露させた。毛束の体積は、糖による直毛化の便益を示す(体積は、画面上への毛束画像の投影を指し、mmで表す。)。
【表2】
【0033】
表から少量のクエン酸をグルコノラクトンに添加しても、グルコノラクトン単独に勝る便益は一切もたらされないことが明らかである。
【0034】
実験3:
毛束を、2%クエン酸(Citirc acid)の水溶液+2%グルコノラクトン溶液の組合せ、4%クエン酸溶液または4%グルコノラクトン溶液1グラムによって処理した。毛束を少なくとも30分間乾燥させ、180℃のアイロンを用いて直毛化した。
【0035】
これらを続いてシャンプーおよびコンディショナーを用いて2回洗浄した。2回目の洗浄の後、組合せを用いた毛束は、単一活性物質で処理した毛束と比較して、より良好な直毛性、さらなる体積減少およびより大きい毛束長を示した。組合せ毛束は、単一活性物質で処理した毛束よりも、最初の塗布で作られた当初の直毛スタイルを良好に保持した。