特許第6232055号(P6232055)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232055
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】測定装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   G08C 17/02 20060101AFI20171106BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20171106BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20171106BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20171106BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   G08C17/02
   G08C19/00 V
   H04W4/04 190
   H04W52/02
   A61B5/00 102
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-514645(P2015-514645)
(86)(22)【出願日】2013年5月27日
(65)【公表番号】特表2015-525395(P2015-525395A)
(43)【公表日】2015年9月3日
(86)【国際出願番号】IB2013054363
(87)【国際公開番号】WO2013179204
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2016年5月24日
(31)【優先権主張番号】61/653,440
(32)【優先日】2012年5月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ラルス
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−294814(JP,A)
【文献】 特開2005−216121(JP,A)
【文献】 特表2005−511223(JP,A)
【文献】 特開平11−284607(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0087595(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 17/02
G08C 19/00
H04W 4/04
H04W 52/02
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向通信プロトコルを利用するモニタ装置と通信する測定装置であって、
前記測定装置に送信される応答メッセージによらずにメッセージを送信するように一方向通信モードで動作するように形成され、及び
送信される1つ以上のメッセージに基づいて前記モニタ装置からの応答の見込みを判断し、判断した応答の見込みに基づいて1つ以上の次のメッセージを送信するように形成される、測定装置。
【請求項2】
所定の時間期間が経過すると、前記モニタ装置との通信リンクをリセットするために、通信を中断して再設定するように形成される請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
通信を再設定する前に、更新された前記測定装置に関する情報を前記モニタ装置へ送信するように形成される請求項に記載の測定装置。
【請求項4】
前記測定装置は、メッセージを送信するために無線通信方法を利用するように形成された携帯電子装置である、請求項1に記載の測定装置。
【請求項5】
前記測定装置は生理学的パラメータを測定するように形成され、送信されるメッセージは、測定された生理学的パラメータに関する情報を含む、請求項1に記載の測定装置。
【請求項6】
請求項1〜の何れか1項に記載の測定装置と、双方向通信プロトコルを利用するモニタ装置と、を有する測定システム。
【請求項7】
双方向通信プロトコルを利用するモニタ装置と通信するための測定装置による通信方法であって、
一方向通信モードで前記測定装置が動作するように、前記測定装置に送信される応答メッセージによらずに前記測定装置からメッセージを送信するステップであって、前記測定装置から送信される1つ以上のメッセージに基づいて、前記モニタ装置からの応答の見込みを判断し、判断した応答の見込みに基づいて1つ以上の次のメッセージを送信するステップ
を有する通信方法。
【請求項8】
所定の時間期間が経過すると、前記モニタ装置との通信リンクをリセットするために、通信を中断して再設定するステップを更に有する請求項に記載の通信方法。
【請求項9】
通信を再設定する前に、更新された前記測定装置に関する情報を前記モニタ装置へ送信するステップを更に有する請求項に記載の通信方法。
【請求項10】
前記測定装置は、メッセージを送信するために無線通信方法を利用するように形成された携帯電子装置である、請求項に記載の通信方法。
【請求項11】
前記測定装置は生理学的パラメータを測定するように形成され、送信されるメッセージは、測定された生理学的パラメータに関する情報を含む、請求項に記載の通信方法。
【請求項12】
請求項に記載の通信方法をコンピュータに実行させるように形成されるコンピュータプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
【請求項13】
求項12に記載のコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測定装置等に関連し、特に、監視ユニットと通信する測定装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
検知測定装置又はセンシング測定デバイス(例えば、血糖値計、心拍数モニタ、パルスオキシメータ(血中酸素濃度計)、歩数計等)は、健康管理や患者の監視に広く利用されている。モニタリングを患者にとって目障りでないようにし、患者を動きやすくするために、測定装置は、小型に組み込まれるバッテリ給電方式の装置になる傾向がますます強くなり、身体に装着する装置でさえあり得る。これらは、セントラルアグリゲータ、中央情報収集部、モニタリング装置、監視する装置(例えば、PC、ラップトップ、セルラ電話、ゲートウェイ、ハブ等)に接続するために無線通信を利用することも知られている。
【0003】
測定装置による消費電力の削減は、重要な検討事項となっており、これは小さな形状因子の限られたバッテリ容量に主に起因する。
【0004】
無線通信処理の消費電力を削減するために、様々な低電力近距離無線技術及び標準規格が利用可能である(例えば、IEEE802.15.4、ブルートゥース(登録商標)低電力エネルギ技術、ANT+、WiFi等)。これらの技術すべてに共通する原理は、デューティーサイクル(duty cycling)を適用すること、すなわち無線部の不要な動作全体を最小化することである。媒体アクセス制御(MAC)レイヤプロトコルの場合、これは、本質的には、送信されるべきデータが存在する場合に限って送信部をオンに切り替え、受信されるべきデータが存在する場合に限って受信部をオンにする(すなわち、アイドルで監視する状態を減らす)、という問題に言い換えられる。特に、いつデータが受信されるかは事前に分からないのが一般的であるので、アイドルの監視状態を減らすことは容易でない。短いアイドル監視期間で効率的な媒体アクセスを可能にするために、様々な観点から設計された多種多様なMACレベルプロトコルが存在する。
【0005】
健康及び健全性を監視する分野に特に関連する通信プロトコル標準規格は、グローバルISO/IEEE117073パーソナルヘルスデバイス(PHD)通信規格群である。そのような規格群の中で、ISO/IEEE11073-20601は全体的な双方向メッセージ送受信プロトコルを規定し、測定装置及び監視するユニット(監視ユニット)の間の双方向のメッセージ送信による通信を規定している(すなわち、測定装置から監視ユニットへの送信、及び、監視ユニットから測定装置への送信である)。
【0006】
双方向のメッセージング/通信プロトコルは、典型的には、監視ユニットから測定装置へ送信される以下の2つのカテゴリのメッセージを含む:
(i) 監視ユニットから測定装置へのデータ送信要求(データを送信することを求めるリクエスト)
(ii) 監視ユニットから測定装置への応答(例えば、監視ユニットによるデータ受信成功を確認するためのレスポンス)。
【0007】
そのような要求及び応答は、アイドルの監視時間の増加を招いてしまうことが懸念され、その理由は、監視ユニットからの要求及び応答を受信するために測定装置は受信部を起動させて監視する必要があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2758404号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/102681号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一つの側面における実施の形態の課題は、監視ユニットと通信する測定装置アイドルの監視時間を短縮できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態による測定装置は、
双方向通信プロトコルを利用するモニタ装置と通信する測定装置であって、
前記測定装置に送信される応答メッセージによらずにメッセージを送信するように一方向通信モードで動作するように形成される測定装置である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による測定システムを示す図。
図2図1の実施形態で使用される通信方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態の概要>
本発明の実施形態によれば、例えば出願時の特許請求の範囲に記載されている測定装置が提供される。
【0013】
本発明の実施形態による測定装置は、自身に送信される如何なる応答メッセージにもよらず、メッセージを送信することしか行わない一方向メッセージングモードで動作してもよい。
【0014】
従って、本発明の実施形態は、測定装置の電力消費を削減しつつ、双方向通信プロトコル(例えば、ISO/IEEE11073-20601等)を利用する監視ユニットとのやりとりを維持することができる。
【0015】
測定装置は、例えば、血糖値計、心拍数モニタ、パルスオキシメータ、歩数計等であってもよく、バッテリ給電方式の身体装着装置であってもよく、その身体装着装置は、例えば、PC、ラップトップ、セルラ電話、ゲートウェイ、ハブ等のような監視ユニットに接続するために無線通信を利用する。
【0016】
本発明の実施形態では、監視ユニットが測定装置へデータを返す必要性を排除することにより、及び/又は監視ユニットから要求及び応答を受信するために測定装置が受信部を用いて監視する必要性を排除することにより、電力消費が削減される。従って、本発明による測定装置は、一方向通信モード(すなわち、「送信専用」通信モード)で動作してもよい一方で、双方向通信モードを利用する監視ユニットとの相互運用性を維持する。そのような一方向通信モード(送信専用通信モード)は、測定装置の無線受信部をオフに切り替えることを可能にし(あるいは、測定装置の無線受信部の利用を求める要請を無視し)、これにより電力消費を削減する。
【0017】
<図面>
本発明の実施形態は添付図面を参照しながら詳細に説明される。
【0018】
図1は本発明の実施形態による測定システムを示す図である。
【0019】
図2図1の実施形態で使用される通信方法のフローチャートである。
【0020】
<実施形態の詳細な説明>
図1は本発明の実施形態による測定システム10を示す。測定システム10は測定装置12及び監視ユニット(監視するユニット、監視装置又はモニタリングユニット)14を有し、これらはそれぞれ無線トランシーバ16、18を有する。無線トランシーバ16、18は無線通信リンク15を介してメッセージ(すなわち、通信信号、通信メッセージ等)を送受信するように形成されている。
【0021】
監視ユニット14は、通信を行うために、ISO/IEEE11073-20601の双方向通信プロトコルを利用する。無線RFトランスポート部は、ISO/IEEE11073-20601において規定されているタイプ3(Type3)であることが仮定されている。更に、測定装置12及び監視ユニット14は何れもトランスポートレベルでペア(又は組)にされており、アプリケーションレベルのメッセージ処理の準備を整えることが仮定されている。
【0022】
監視ユニット14で使用される双方向メッセージプロトコルは、監視ユニットから測定装置に送信される以下のカテゴリのメッセージを含む:
カテゴリA:測定データの送信を求める要求(リクエスト);
カテゴリB:測定データのコンテキスト情報の送信を求める要求(リクエスト);
カテゴリC:プロトコル状態の変更を求める要求(リクエスト);
カテゴリD:装置の属性の変更を求める要求(リクエスト)(例えば、時間の管理、特定の処理の起動等);
カテゴリE:測定装置12から送信された測定データの受信に成功したことを示す応答(レスポンス);
カテゴリF:測定装置12から送信されたコンテキスト情報の受信に成功したことを示す応答(レスポンス);
カテゴリG:プロトコル状態の変更を求める測定装置12からの要求に対する応答(レスポンス)。
【0023】
上記のプロトコル構成は、アイドルの監視時間を増やす潜在的な原因であり、その理由は、メッセージを受信するために測定装置14が自身の受信部をアクティブ(非アイドル)にして監視する必要があるからである。
【0024】
上記のリストにおける「コンテキスト情報(context information)」という用語は、測定装置12から送信された未処理測定データを監視ユニット14が適切に解釈するために必要な情報である。そのようなコンテキスト情報の一例は、測定の単位である。一般に、コンテキスト情報はどちらかというと静的であり、(変動したとしても)生理学的パラメータの測定データよりもかなり緩慢に変動する。例えば、心拍速度センサは、典型的には、接続の持続時間の間に、1分当たりの心拍数の単位で心拍速度値(bpm)を送信する。コンテキスト情報は、接続の開始時に測定装置12から監視ユニット14へ通知され、コンテキスト情報は測定毎に送信される必要はないので、送信電力消費は削減される。
【0025】
監視ユニット14から測定装置12へ返される通信に関して上述したような双方向通信プロトコルの構成要素は、一般に、幾つかの理由により決定されている。全体的な通信リンクの信頼性を向上させるために、アプリケーションレイヤの送達確認(アクノリッジメント)が利用される。測定装置の属性の管理又は制御は、例えば、測定値の報告プロセスを開始又は終了することにより、通信リンクのデータフローを制御するために利用可能である。測定装置のコンフィギュレーション情報(設定情報)を要求する可能性又は能力は、規制の理由等のために重要である。プロトコル状態情報の双方向通信は、同期した通信リンクの双方でプロトコル状態マシンを維持し、同期が外れつつあることを検出するのに使用され、そのような状況から復旧する機会を増やすために使用されてもよい。
【0026】
しかしながら、監視ユニット14から測定装置12へ送信されるプロトコルメッセージは、プロトコルメッセージを受信するための期間だけでなくアイドルの監視の期間の間でも測定装置12の受信部を起動させることに起因して、望まれない電力消費を生じさせるおそれがあることに、発明者等は気付いた(監視ユニット14が如何なる時点でメッセージを送信し始めるかを、測定装置12は知らないからである)。
【0027】
本発明者等は測定装置12において一方向メッセージプロトコルを利用して電力消費を削減することを提案する。
【0028】
しかしながら、多くの家庭用健康及び健康増進装置の相互運用システムにおいて、個別的な装置に特有の要請に特化した専用のメッセージプロトコルを設計することは実用的でないことに、留意を要する。例えば、監視ユニットは、典型的には、多種多様な装置とともに動作する必要があり、しばしば、異なる業者により製造される。従って、発明者等は、例えばISO/IEEE11073PHDのような(発明者等にとって)従来の双方向通信規格を利用する監視ユニットと通信する機能を取り込む必要があることに気付いた。
【0029】
このため、図1の実施形態において、測定装置12のトランシーバ16は、監視ユニット14のトランシーバ18から測定装置12に送信される如何なる応答メッセージにもよらず、監視装置にメッセージを送信するように、一方向通信モード(すなわち、「送信専用」モード)で動作する。このようにして、測定装置12は、監視ユニット14により使用されている双方向プロトコルにおける必須の及び選択的なプロトコルエレメントの受信及び/又は通信を迂回してもよい。
【0030】
一例として、測定装置12及び監視ユニット14の間の通信セッションが、図2のフローチャート20を参照しながら説明される。
【0031】
先ず、ステップ22において、測定装置12は、選択的なプロトコルエレメントの中から、監視ユニット14から測定装置12へのメッセージのフィードバックを必要としないものを選択する。
【0032】
次に、自発的に、測定装置12は監視ユニット14とのコネクション(又は接続)を設定する(ステップ24)。場合によっては、測定装置12は、過去に使用されていない「コンフィギュレーション識別子」を利用して、「アソシエーションリクエスト」メッセージを監視ユニット14に(無線通信リンク15を介して)送信する。これに基づいて、監視ユニット14は測定装置12の構成(設定又はコンフィギュレーション)を認識しないであろうということ、及び、「アソシエーションレスポンス」メッセージを返すであろうということは、妥当な予想であり、「アソシエーションレスポンス」メッセージは、「アソシエーションリクエスト」を受け入れることを示すプロトコルデータユニットのフィールドと、その測定装置の構成(設定又はコンフィギュレーション)は監視ユニットにとって未知であることを示す別のフィールドとを含む。しかしながら、測定装置12は、「アソシエーションレスポンス」メッセージを監視(待機又はリスニング)するようには形成されておらず、監視ユニット14からの応答を受信する処理を避ける。更に、測定装置12は、「測定データ要求」メッセージを監視ユニット14から受信できないことを「アソシエーションリクエスト」メッセージで通知してもよい。これは、「アソシエーションリクエスト」メッセージ内の特定のフィールドを設定することにより実現できる。
【0033】
次に、ステップ26において、測定装置12は、全てのコンフィギュレーション情報及び/又はコンテキスト情報に加えて、測定データの解釈に関連する他の情報も(無線通信リンク15を介して)監視ユニット14に送信する(ステップ26)。これは、監視ユニット14がそのデータを要求する必要性を排除する。
【0034】
より具体的は、測定装置12は場合によっては無線通信リンク15を介して「コンフィギュレーションレポート」メッセージを監視ユニット14に送信する。測定装置12から送信されるこのコンフィギュレーションレポートメッセージは、未処理の測定データを後に受信する際に監視ユニット14が必要とする全てのコンフィギュレーション情報及びコンテキスト情報を含む。測定装置12及び監視ユニット14が相互運用可能である(相互に協働できる)と仮定すると、監視ユニット14は、その設定を受け入れることを示すプロトコルデータユニットのフィールドを含む「コンフィギュレーションレポートレスポンス」を返すことが予想される。しかしながら、測定装置12は「コンフィギュレーションレポート」メッセージを監視(又は待機)しないように形成される。
【0035】
測定装置12は、全ての装置属性を含む未確認の「イベントレポート」も送信してよく、それは認証及び規制情報に加えて、時間設定機能が使用されていない情報を含む。これは、監視ユニット14が後にそのようなデータを要求するだけでなく時間設定コマンドを送信する必要性も排除する。「イベントレポート」メッセージを未確認としてマーキングすることにより、監視ユニット14は、受信に成功した確認(肯定応答)を返さなくてよい。このため、測定装置12における応答メッセージの受信も回避される。
【0036】
ステップ28において、測定装置12は一方的なメッセージング方式を適用する。すなわち、監視ユニット14における応答を引き起こすメッセージに関し、監視ユニットからのそのような応答を実際に監視(待機)及び受信することなく、測定装置12によりデフォルトの応答が見込まれる。すなわち、測定装置12は、監視ユニット14に送信される情報に基づいて、監視ユニット14からの応答の見込み(potential response)を判断する。「応答の見込み」は「潜在的な応答」等と言及されてもよい。測定装置12により送信される1つ以上の後のメッセージは、応答の見込み(すなわち、判断された応答の見込み)に基づいていてもよい。このようにして、監視ユニット14から測定装置12へ送信される実際の応答メッセージによらず、測定装置がメッセージを送信できるように、測定装置は一方向通信モードで動作するように形成される。
【0037】
ステップ28における情報メッセージの送信後に(情報メッセージは複数個存在する可能性がある)、更新されたコンフィギュレーション情報及び/又はコンテキスト情報を伴うメッセージを送信することが、必要とされてもよい。すなわち、これはステップ29において検査され、更新されたコンフィギュレーション情報及び/又はコンテキスト情報を送信する必要がある場合、本方法はステップ26に戻る。
【0038】
所定の期間が経過した後に、ステップ29において、通信リンクは切断されるべきことが決定される。そして、測定装置12は、「アソシエーション切断」メッセージを送信することにより、監視ユニット14との通信リンクを中断する(ステップ30)。これは、測定装置12及び監視ユニット14の状態(状態マシン)が非同期化してしまう問題に対処する。通信を切断するステップは、監視ユニット14により送信される潜在的な「アソシエーション解放」メッセージ又は「アソシエーション切断」メッセージを測定装置12が監視する必要性を排除する点にも留意を要する。
【0039】
監視ユニット14との更なる通信が必要とされる場合、測定装置12は以後に監視ユニット14との通信コネクションを再設定し(ステップ24)、通信リンクをリセットする。ステップ24、26、28、30は継続的な測定値の送信の間にわたって反復可能である。
【0040】
ステップ30のコネクションの切断の後に監視ユニット14との更なる通信が必要でない場合、通信セッションは終了する(ステップ32)。
【0041】
上記の実施形態は、監視ユニット14から送信されるプロトコルメッセージを回避し、監視ユニット14から送信される可能性があるプロトコルメッセージを監視する必要性を排除することが、認められるであろう。
【0042】
従って、本発明はプロトコルのレベルで単一方向の送信専用モードを可能にする。測定装置12は、監視ユニット14からの如何なるメッセージも受信又は監視しないように形成されるので、アクティブな監視時間及び/又はアイドルの監視時間の大幅な削減が実現可能になる。これは、測定装置12の消費電力を大幅に削減しつつ、双方向プロトコルを利用する監視ユニット14と測定装置12が協働することを可能にする。
【0043】
プロトコルメッセージの送信の合間に、測定装置12の送信部は、更なる電力消費削減のためにスリープモードに入ることができる。本発明の実施形態は、厳しい電力制限が課せられかつ双方向通信プロトコルに従う環境で動作する無線周波数(RF)センシング装置に相応しいかもしれない。
【0044】
本願の特許請求の範囲、明細書及び図面を参照することにより、本願発明を実施する当業者は、開示される実施形態に対する他の変形例を理解及び利用することが可能である。特許請求の範囲において、「有する」という言葉は他の要素やステップを排除するものではなく、「ある」又は「或る」のような語は複数個存在することを排除していない。特許請求の範囲における複数の記載事項に関する機能を、1つのプロセッサや他のユニットが実行してもよい。ある複数の事項が互いに異なる従属請求項で引用されていることは、それだけの事実によって、それらの事項の組み合わせを有効に利用できないことを示しているわけではない。コンピュータプログラムは、一緒に提供される又は他のハードウェアの一部として提供される光ストレージ媒体又はソリッドステート媒体(例えば、半導体記憶媒体)等のような適切な媒体に保存/分散されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線の通信システム等を介して他の形態で分散されてもよい。特許請求の範囲に何らかの参照符号が示されていたとしても、それらは本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
図1
図2