【実施例】
【0117】
以下、本発明は、実施例を用いて、さらに説明されるが、本発明の範囲は、その実施例には限定されない。
【0118】
実施例および比較例において、使用される出発物質は、市販のものであり、その詳細な仕様は、以下の通りである。
【0119】
NaY型ゼオライト;工業製品、Si/Alの比率>4.7、結晶化度>85%、Sinopec触媒会社キリュウ支社製
混合された希土類の塩化物(本明細書においては、略して希土類の塩化物と称する);工業製品、仕様:リットルあたり、153gのランタン(La
2O
3として)および69gのセリウム(Ce
2O
3として)を含有、Sinopec触媒会社キリュウ支社製
硫酸アンモニウム;化学的に純粋
リン酸;化学的に純粋
リン酸2水素アンモニウム;化学的に純粋
硫酸;化学的に純粋
シュウ酸;化学的に純粋
フルオロケイ酸;化学的に純粋
塩酸;化学的に純粋。
【0120】
[修飾されたY型ゼオライトの調製]
[実施例1]
最初の置換:出発物質としてNaY型ゼオライトを使用すること、および硫酸アンモニウム溶液を用いて置換すること。NaY型ゼオライト、硫酸アンモニウムおよび水を、NaY型ゼオライト(無水ベース):硫酸アンモニウム:水=1:1:8の重量比にて混合した。その結果得られた混合物に対して、硫酸を用いてそのpHを3.5に調整し、85℃にて、1時間かけて置換し、ろ過し、脱イオン水を用いて洗浄したことによって、最初に置換されたゼオライトを得た。
【0121】
最初の焼成:水熱焼成処理。上記の最初に置換されたゼオライトを、580℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、最初に焼成されたゼオライトを得た。
【0122】
2回目の置換:上記最初に焼成されたゼオライトを、希土類を含む溶液を用いて処理すること。上記最初に焼成されたゼオライト、希土類の塩化物および水を、最初に焼成されたゼオライト(無水ベース):希土類の塩化物(Re
2O
3として):水=1:0.042:8の重量比にて混合した。上記混合物に対して、70℃にて、1時間かけて置換を行い、ろ過し、脱イオン水(水温≧50℃)を用いて洗浄したことによって、2度置換されたゼオライトを得た。
【0123】
2回目の焼成:水熱焼成処理。上記2度置換されたゼオライトを、580℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、2度焼成されたゼオライトを得た。
【0124】
3回目の置換:上記2度焼成されたゼオライトを、リン酸およびシュウ酸を含む溶液を用いて処理すること。上記2度焼成されたゼオライト、リン酸、シュウ酸(2分子の結晶水を含有)および水を、2度焼成されたゼオライト(無水ベース):リン酸(Pとして):シュウ酸(2分子の結晶水を含有):水=1:0.014:0.14:8の重量比にて混合した。その結果得られた混合物に対して、硫酸を用いてそのpHを2.8に調整した。上記混合物に対して、70℃にて、1時間かけて置換を行い、ろ過し、脱イオン水(水温≧50℃)を用いて洗浄したことによって、3度置換されたゼオライトを得た。
【0125】
3回目の焼成:水熱焼成処理。上記3度置換されたゼオライトを、550℃にて、70%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、3度焼成されたゼオライト、すなわち、ゼオライトA1とも称される、修飾されたゼオライトを得た。
【0126】
上記修飾されたゼオライトの特性を、表0に記載した。
【0127】
[比較例1]
中国特許出願公開第101537366号明細書に開示された方法に基づく、修飾されたY型ゼオライトの調製
100g(無水ベース)のNaY型ゼオライトを1000gの置換溶液(0.63%の(NH
4)
2HPO
4および8.58%のNH
4Clを含む)が入っている反応器の内部に注ぎ込んだ。置換の過程において、上記溶液を、pHを3.0〜3.5に制御しながら、90℃にて、1時間かけて、置換を実施した。上記置換の後、ろ過および洗浄を実施した。730℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成した後、上記の焼成された物質を、1200gの置換溶液(0.58%のRECl
3および6.8%のNH
4Clを含む)が入っている反応器の内部に注ぎ込んだ。置換の過程において、上記溶液を、pHを6.0〜6.5に制御しながら、90℃にて、1時間かけて、置換を実施した。上記置換の後、ろ過および洗浄を実施した。730℃にて、70%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成した後、修飾されたゼオライト、すなわちゼオライトB1を得た。上記修飾されたゼオライトの特性を、表0に記載した。
【0128】
[実施例2]
最初の置換:出発物質としてNaY型ゼオライトを使用すること、および塩化アンモニウム溶液を用いて置換すること。NaY型ゼオライト、塩化アンモニウムおよび水を、NaY型ゼオライト(無水ベース):塩化アンモニウム:水=1:0.8:8の重量比にて混合した。その結果得られた混合物に対して、塩酸を用いてそのpHを4.0に調整し、90℃にて、1時間かけて置換し、ろ過し、脱イオン水を用いて洗浄したことによって、最初に置換されたゼオライトを得た。
【0129】
最初の焼成:水熱焼成処理。上記の最初に置換されたゼオライトを、550℃にて、80%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、最初に焼成されたゼオライトを得た。
【0130】
2回目の置換:上記最初に焼成されたゼオライトを、リン酸およびフルオロケイ酸を含む溶液を用いて処理すること。上記最初に焼成されたゼオライト、リン酸、フルオロケイ酸および水を、最初に焼成されたゼオライト(無水ベース):リン酸(Pとして):フルオロケイ酸:水=1:0.01:0.03:8の重量比にて混合した。上記混合物に対して、塩酸を用いて、pHを2.8に調整し、70℃にて、1時間かけて置換を行い、ろ過し、脱イオン水(水温≧50℃)を用いて洗浄したことによって、2度置換されたゼオライトを得た。
【0131】
2回目の焼成:水熱焼成処理。上記2度置換されたゼオライトを、550℃にて、70%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、2度焼成されたゼオライトを得た。
【0132】
3回目の置換:上記2度焼成されたゼオライトを、希土類を含む溶液を用いて処理すること。上記2度焼成されたゼオライト、希土類の塩化物および水を、2度焼成されたゼオライト(無水ベース):希土類の塩化物(RE
2O
3として):水=1:0.03:8の重量比にて混合した。上記混合物に対して、70℃にて、1時間かけて置換を行い、ろ過し、脱イオン水(水温≧50℃)を用いて洗浄したことによって、3度置換されたゼオライトを得た。
【0133】
3回目の焼成:水熱焼成処理。上記3度置換されたゼオライトを、550℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、3度焼成されたゼオライト、すなわち、ゼオライトA2とも称される、修飾されたゼオライトを得た。
【0134】
上記修飾されたゼオライトの特性を、表0に記載した。
【0135】
[比較例2]
中国特許出願公開第101537366号明細書に開示された方法に基づく、修飾されたY型ゼオライトの調製
100g(無水ベース)のNaY型ゼオライトを900gの置換溶液(0.45%の(NH
4)
2HPO
4および10%の(NH
4)
2SO
4を含む)が入っている反応器の内部に注ぎ込んだ。置換の過程において、上記溶液を、pHを3.0〜3.5に制御しながら、90℃にて、1時間かけて、置換を実施した。上記置換の後、ろ過および洗浄を実施した。730℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成した後、上記の焼成された物質を、1200gの置換溶液(0.44%のRECl
3および7.8%のNH
4Clを含む)が入っている反応器の内部に注ぎ込んだ。置換の過程において、上記溶液を、pHを6.0〜6.5に制御しながら、90℃にて、1時間かけて、置換を実施した。上記置換の後、ろ過および洗浄を実施した。730℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成した後、修飾されたゼオライト、すなわちゼオライトB2を得た。上記修飾されたゼオライトの特性を、表0に記載した。
【0136】
[実施例3]
最初の置換:出発物質としてNaY型ゼオライトを使用すること、および硫酸アンモニウム溶液を用いて置換すること。NaY型ゼオライト、硫酸アンモニウムおよび水を、NaY型ゼオライト(無水ベース):硫酸アンモニウム:水=1:1:10の重量比にて混合した。その結果得られた混合物に対して、硫酸を用いてそのpHを3.5に調整し、90℃にて、2時間かけて置換し、ろ過し、脱イオン水を用いて洗浄したことによって、最初に置換されたゼオライトを得た。
【0137】
最初の焼成:水熱焼成処理。上記の最初に置換されたゼオライトを、580℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、最初に焼成されたゼオライトを得た。
【0138】
2回目の置換:上記最初に焼成されたゼオライトを、リン酸塩およびシュウ酸を含む溶液を用いて処理すること。上記最初に焼成されたゼオライト、リン酸水素2アンモニウム、シュウ酸および水を、最初に焼成されたゼオライト(無水ベース):リン酸水素2アンモニウム(Pとして):シュウ酸:水=1:0.018:0.18:8の重量比にて混合した。その結果得られた混合物に対して、塩酸を用いて、pHを2.8に調整し、70℃にて、1時間かけて置換を行い、ろ過し、脱イオン水(水温≧50℃)を用いて洗浄したことによって、2度置換されたゼオライトを得た。
【0139】
2回目の焼成:水熱焼成処理。上記2度置換されたゼオライトを、550℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、2度焼成されたゼオライトを得た。
【0140】
3回目の置換:上記2度焼成されたゼオライトを、希土類を含む溶液を用いて処理すること。上記2度焼成されたゼオライト、希土類の塩化物および水を、2度焼成されたゼオライト(無水ベース):希土類の塩化物(RE
2O
3として):水=1:0.02:8の重量比にて混合した。上記混合物に対して、85℃にて、1時間かけて置換を行い、ろ過し、脱イオン水(水温≧50℃)を用いて洗浄したことによって、3度置換されたゼオライトを得た。
【0141】
3回目の焼成:水熱焼成処理。上記3度置換されたゼオライトを、580℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、3度焼成されたゼオライト、すなわち、ゼオライトA3とも称される、修飾されたゼオライトを得た。
【0142】
上記修飾されたゼオライトの特性を、表0に記載した。
【0143】
[比較例3]
中国特許出願公開第101537366号明細書に開示された方法に基づく、修飾されたY型ゼオライトの調製
100g(無水ベース)のNaY型ゼオライトを1000gの置換溶液(0.63%の(NH
4)
2HPO
4および10%の(NH
4)
2SO
4を含む)が入っている反応器の内部に注ぎ込んだ。置換の過程において、上記溶液を、pHを3.0〜3.5に制御しながら、90℃にて、1時間かけて、置換を実施した。上記置換の後、ろ過および洗浄を実施した。670℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成した後、上記の焼成された物質を、400gの置換溶液(0.60%のRECl
3および6.8%のNH
4Clを含む)が入っている反応器の内部に注ぎ込んだ。置換の過程において、上記溶液を、pHを6.0〜6.5に制御しながら、90℃にて、1時間かけて、置換を実施した。上記置換の後、ろ過および洗浄を実施した。700℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成した後、修飾されたゼオライト、すなわちゼオライトB3を得た。上記修飾されたゼオライトの特性を、表0に記載した。
【0144】
[実施例4]
最初の置換:出発物質としてNaY型ゼオライトを使用すること、並びに、リン酸塩および硫酸アンモニウムを含む溶液を用いて置換すること。NaY型ゼオライト、リン酸2水素アンモニウム、硫酸アンモニウムおよび水を、NaY型ゼオライト(無水ベース):リン酸2水素アンモニウム(Pとして):硫酸アンモニウム:水=1:0.05:1:8の重量比にて混合した。その結果得られた混合物を、硫酸を用いてそのpHを3.0に調整し、85℃にて、1時間かけて置換し、ろ過し、脱イオン水を用いて洗浄したことによって、最初に置換されたゼオライトを得た。
【0145】
最初の焼成:水熱焼成処理。上記の最初に置換されたゼオライトを、580℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、最初に焼成されたゼオライトを得た。
【0146】
2回目の置換:上記最初に焼成されたゼオライトを、シュウ酸を含む溶液を用いて処理すること。上記最初に焼成されたゼオライト、シュウ酸および水を、最初に焼成されたゼオライト(無水ベース):シュウ酸:水=1:0.2:8の重量比にて混合した。その結果得られた混合物に対して、硫酸を用いて、pHを2.4に調整し、70℃にて、1時間かけて置換を行い、ろ過し、脱イオン水(水温≧50℃)を用いて洗浄したことによって、2度置換されたゼオライトを得た。
【0147】
2回目の焼成:水熱焼成処理。上記2度置換されたゼオライトを、550℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、2度焼成されたゼオライトを得た。
【0148】
3回目の置換:上記2度焼成されたゼオライトを、希土類を含む溶液を用いて処理すること。上記2度焼成されたゼオライト、希土類の塩化物および水を、2度焼成されたゼオライト(無水ベース):希土類の塩化物(RE
2O
3として):水=1:0.01:8の重量比にて混合した。上記混合物に対して、70℃にて、1時間かけて置換を行い、ろ過し、脱イオン水(水温≧50℃)を用いて洗浄したことによって、3度置換されたゼオライトを得た。
【0149】
3回目の焼成:水熱焼成処理。上記3度置換されたゼオライトを、600℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、3度焼成されたゼオライト、すなわち、ゼオライトA4とも称される、修飾されたゼオライトを得た。
【0150】
上記修飾されたゼオライトの特性を、表0に記載した。
【0151】
[比較例4]
中国特許出願公開第101537366号明細書に開示された方法に基づく、修飾されたY型ゼオライトの調製
100g(無水ベース)のNaY型ゼオライトを1200gの置換溶液(1.22%の(NH
4)
2HPO
4および8.58%のNH
4Clを含む)が入っている反応器の内部に注ぎ込んだ。置換の過程において、上記溶液を、pHを5.0〜5.5に制御しながら、90℃にて、1時間かけて、置換を実施した。上記置換の後、ろ過および洗浄を実施した。620℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成した後、上記の焼成された物質を、1200gの置換溶液(0.055%のRECl
3および7.8%のNH
4Clを含む)が入っている反応器の内部に注ぎ込んだ。置換の過程において、上記溶液を、pHを6.0〜6.5に制御しながら、90℃にて、1時間かけて、置換を実施した。上記置換の後、ろ過および洗浄を実施した。700℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成した後、修飾されたゼオライト、すなわちゼオライトB4を得た。上記修飾されたゼオライトの特性を、表0に記載した。
【0152】
[実施例5]
最初の置換:出発物質としてNaY型ゼオライトを使用すること、並びに、リン酸塩および硫酸アンモニウムを含む溶液を用いて置換すること。NaY型ゼオライト、リン酸2水素アンモニウム、硫酸アンモニウムおよび水を、NaY型ゼオライト(無水ベース):リン酸2水素アンモニウム(Pとして):硫酸アンモニウム:水=1:0.05:1:8の重量比にて混合した。その結果得られた混合物を、硫酸を用いてそのpHを3.5に調整し、90℃にて、2時間かけて置換し、ろ過し、脱イオン水を用いて洗浄したことによって、最初に置換されたゼオライトを得た。
【0153】
最初の焼成:水熱焼成処理。上記の最初に置換されたゼオライトを、550℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、最初に焼成されたゼオライトを得た。
【0154】
2回目の置換:上記最初に焼成されたゼオライトを、希土類を含む溶液を用いて処理すること。上記最初に焼成されたゼオライト、希土類の塩化物および水を、最初に焼成されたゼオライト(無水ベース):希土類の塩化物(RE
2O
3として):水=1:0.02:8の重量比にて混合した。その結果得られた混合物に対して、85℃にて、1時間かけて置換を行い、ろ過し、脱イオン水(水温≧50℃)を用いて洗浄したことによって、2度置換されたゼオライトを得た。
【0155】
2回目の焼成:水熱焼成処理。上記2度置換されたゼオライトを、580℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、2度焼成されたゼオライトを得た。
【0156】
3回目の置換:上記2度焼成されたゼオライトを、リン酸塩およびフルオロケイ酸を含む溶液を用いて処理すること。上記2度焼成されたゼオライト、リン酸水素2アンモニウム、フルオロケイ酸および水を、2度焼成されたゼオライト(無水ベース):リン酸水素2アンモニウム(Pとして):フルオロケイ酸:水=1:0.006:0.03:8の重量比にて混合した。上記混合物に対して、塩酸を用いて、pHを3.0に調整し、上記混合物に対して、70℃にて、1時間かけて置換を行い、ろ過し、脱イオン水(水温≧50℃)を用いて洗浄したことによって、3度置換されたゼオライトを得た。
【0157】
3回目の焼成:水熱焼成処理。上記3度置換されたゼオライトを、550℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成したことによって、3度焼成されたゼオライト、すなわち、ゼオライトA5とも称される、修飾されたゼオライトを得た。
【0158】
上記修飾されたゼオライトの特性を、表0に記載した。
【0159】
[比較例5]
中国特許出願公開第101537366号明細書に開示された方法に基づく、修飾されたY型ゼオライトの調製
100g(無水ベース)のNaY型ゼオライトを1500gの置換溶液(1.11%の(NH
4)
2HPO
4および8.58%のNH
4Clを含む)が入っている反応器の内部に注ぎ込んだ。置換の過程において、上記溶液を、pHを4.5〜5.0に制御しながら、90℃にて、1時間かけて、置換を実施した。上記置換の後、ろ過および洗浄を実施した。650℃にて、100%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成した後、上記の焼成された物質を、1000gの置換溶液(0.35%のRECl
3および7.8%のNH
4Clを含む)が入っている反応器の内部に注ぎ込んだ。置換の過程において、上記溶液を、pHを6.0〜6.5に制御しながら、90℃にて、1時間かけて、置換を実施した。上記置換の後、ろ過および洗浄を実施した。700℃にて、70%の水蒸気中の条件において、2時間かけて焼成した後、修飾されたゼオライト、すなわちゼオライトB5を得た。上記修飾されたゼオライトの特性を、表0に記載した。
【0160】
【表1】
【0161】
[実施例6]
この実施例は、本発明の修飾されたY型ゼオライトの構造の水熱安定性を説明する。
【0162】
上述の実施例2〜4および比較例2〜4にて調製されたサンプルを、800℃にて、100%の水蒸気中の条件にて、2時間、4時間、8時間、17時間および24時間の水熱エイジング処理の対象とした。上記エイジング後のサンプルに対して、結晶化度についての測定を行った。その結晶化度および結晶化度の保持率についての結果を、それぞれ表1、
図1、表2および
図2に示した。
【0163】
本発明の修飾されたY型ゼオライトは、比較例における修飾されたY型ゼオライトよりも、より優れた結晶化度を備え、かつ、種々のエイジングの程度の下における水熱エイジング処理後の結晶化度の保持率がより優れていることが、上述の結果から理解され得る。
【0164】
本発明の修飾されたY型ゼオライトは、より優れた構造の水熱安定性を備えることを、この実施例が、はっきりと示した。
【0165】
[実施例7]
この実施例は、本発明の修飾されたY型ゼオライトの、活性の水熱安定性およびコークスの選択性を説明する。
【0166】
上述の実施例2〜5および比較例2〜5にて調製されたサンプルを、800℃にて、100%の水蒸気中の条件にて、2時間、4時間、8時間、17時間および24時間の水熱エイジング処理の対象とした。上記エイジング後のサンプルに対して、軽油マイクロ活性(MA)およびコークスの収量を測定し、そしてまた、コークスの収率/変換率を算出した。その結果を、それぞれ表3、
図3、表4および
図4に示した。
【0167】
厳しい水熱環境にて、本発明の修飾されたY型ゼオライトは、初期の速い失活の後、比較例の修飾されたY型ゼオライトよりも著しく高い、平衡状態の活性に、迅速に到達することが、表3および
図3から理解され得る。本発明のゼオライトは、活性の安定性により優れていたことを、このことが示した。
【0168】
本発明の修飾されたY型ゼオライトは、比較例の修飾されたY型ゼオライトよりも、コークスの選択性においてより優れていたことが、表4および
図4から理解され得る。
【0169】
【表2】
【0170】
【表3】
【0171】
【表4】
【0172】
【表5】
【0173】
[触媒の調製および評価]
以下の、触媒を調製する方法において、ゼオライトA1〜A5およびB1〜B5に加えて、以下の原料を用いた。
【0174】
カオリンは、宿州の中国カオリン社から市販されている製品であり、78重量%の固形分を有する。使用されたカオリンのスラリーは、45重量%の固形分を有する。
【0175】
擬ベーマイトは、山東アルミニウム・ファクトリーから市販されている製品であり、60重量%の固形分を有する。
【0176】
アルミナゾルは、Sinopec触媒会社キリュウ支社から市販されている製品であり、21.5重量%のAl
2O
3含有量を有する。
【0177】
以下、酸/アルミナの比率は、アルミナとしての擬ベーマイトに対する、36重量%の濃度を備える塩酸の重量比を示す。
【0178】
Mg含有超安定Y型ゼオライトは、中国特許出願公開第1157465号明細書の実施例1に開示された方法に従って調製され、以下、ゼオライトZ1と呼称される。
【0179】
REY型ゼオライトは、Sinopec触媒会社キリュウ支社から市販されている製品であり、12重量%のRE
2O
3含有量、および85重量%の固形分を有する。以下、上記REYのゼオライトは、ゼオライトREYとも呼称される。
【0180】
ZRP−1ゼオライトは、リンおよび希土類を含有するMFI構造のゼオライトであり、Sinopec触媒会社キリュウ支社から市販されている製品であり、4%のRE
2O
3含有量、2%のリン含有量、および45のSi/Alの比率を有する。以下、上記ZRP−1ゼオライトは、ゼオライトZRP−1とも呼称される。
【0181】
ZSP−1型ゼオライトは、リンおよび鉄を含有するMFI構造のゼオライトであり、Sinopec触媒会社キリュウ支社から市販されている製品であり、1.5重量%のリン含有量、2.5重量%のFe
2O
3含有量を有する。以下、上記ZSP−1ゼオライトは、ゼオライトZSP−1とも呼称される。
【0182】
DASY−2.0ゼオライトは、Sinopec触媒会社キリュウ支社から市販されている製品であり、87重量%の固形分および2%のRE
2O
3の含有量を有する。以下、上記DASY−2.0ゼオライトは、ゼオライトDASY−2.0とも呼称される。
【0183】
希土類修飾された、気相式超安定Y型ゼオライトは、中国特許出願公開第1286721号明細書の実施例5に開示された方法に従って調製され、以下、ゼオライトZ2と呼称される。
【0184】
希土類を含有した、酸処理され、熱水により脱アルミニウムされたY型ゼオライトは、中国特許出願公開第100497175号明細書の実施例1にて開示された方法に従って調製され、以下、ゼオライトZ3と呼称される。
【0185】
[第1組]
[触媒の実施例1]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、32重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、15重量部のゼオライトA1(無水ベース)、18重量部のゼオライトZ1(無水ベース)および5重量部のゼオライトREY(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C1を得た。
【0186】
[触媒の実施例2]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、31重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、30重量部のゼオライトA2(無水ベース)、1重量部のゼオライトZ1(無水ベース)および8重量部のゼオライトREY(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C2を得た。
【0187】
[触媒の実施例3]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、30重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、25重量部のゼオライトA3(無水ベース)、5重量部のゼオライトZ1(無水ベース)および10重量部のゼオライトREY(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C3を得た。
【0188】
[触媒の実施例4]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、30重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、10重量部のゼオライトA4(無水ベース)、22重量部のゼオライトZ1(無水ベース)および8重量部のゼオライトREY(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C4を得た。
【0189】
[触媒の実施例5]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、30重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、20重量部のゼオライトA5(無水ベース)、10重量部のゼオライトZ1(無水ベース)および10重量部のゼオライトREY(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C5を得た。
【0190】
[触媒の比較例1〜5]
ゼオライトA1〜A5をそれぞれ、ゼオライトB1〜B5と交換した以外は、触媒の実施例1〜5に準ずる調製方法を繰り返したことにより、接触分解の触媒DC1〜DC5を得た。
【0191】
[触媒の実施例6]
ゼオライトREYを添加することなく、20重量部のゼオライトA1を添加する以外は、触媒の実施例1に準ずる調製方法を繰り返したことにより、接触分解の触媒C6を得た。
【0192】
[触媒の比較例6]
ゼオライトA2も、ゼオライトREYも添加することなく、39重量部のゼオライトZ2を添加したこと以外は、触媒の実施例2に準ずる調製方法を繰り返したことにより、接触分解の触媒DC6を得た。
【0193】
上述の接触分解の触媒C1〜C6およびDC1〜DC6を、800℃にて、100%の水蒸気中の条件にて、12時間エイジングした後、固定された流動床(FFB)装置(Dadi社により提供、RIPP、Sinopec)の中に積み込み、上記接触分解の触媒の反応能力を算出した。上記触媒の積み込み量は、150gであった。続いて、表1−1に示された通りの特性を有する原料油を、FBB装置に導入し、触媒/油の比率(重量による)を4とし、16/時間の単位時間当たりの重量空間速度にて、500℃の温度にて、接触分解反応を実施した。その結果を表1−2に示した。
【0194】
【表6】
【0195】
【表7】
【0196】
[第2組]
[触媒の実施例1]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、30重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、38重量部のゼオライトA1(無水ベース)および2重量部のゼオライトZRP−1(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C1を得た。
【0197】
[触媒の実施例2]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。その混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、30重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、その混合物に対して、30重量部のゼオライトA2(無水ベース)、5重量部のゼオライトREY(無水ベース)および5重量部のゼオライトZRP−1(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C2を得た。
【0198】
[触媒の実施例3]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、32重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、25重量部のゼオライトA3(無水ベース)、10重量部のゼオライトZRP−1(無水ベース)および8重量部のゼオライトREY(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C3を得た。
【0199】
[触媒の実施例4]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、35重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、15重量部のゼオライトA4(無水ベース)、10重量部のゼオライトZRP−1(無水ベース)および10重量部のゼオライトREY(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C4を得た。
【0200】
[触媒の実施例5]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、32重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、15重量部のゼオライトA4(無水ベース)、15重量部のゼオライトZSP−1(無水ベース)および8重量部のゼオライトREY(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C5を得た。
【0201】
[触媒の比較例1〜5]
ゼオライトA1〜A5をそれぞれ、ゼオライトB1〜B5と交換した以外は、触媒の実施例1〜5に準ずる調製方法を繰り返したことにより、接触分解の触媒DC1〜DC5を得た。
【0202】
[触媒の比較例6]
ゼオライトA1を、同じ量のゼオライトZRP−1と交換した以外は、触媒の実施例1に準ずる調製方法を繰り返したことにより、接触分解の触媒DC6を得た。
【0203】
上述の接触分解の触媒C1〜C5およびDC1〜DC6を、800℃にて、100%の水蒸気中の条件にて、8時間エイジングした。小規模の固定流動床ACE R
+ユニット(合衆国のカイザー技術有限会社により設計、製造された)にて、上記接触分解の触媒の反応における性能を算出した。上記触媒の積み込み量は、9gであった。続いて、出発物質として表2−1に示された通りの特性を有する油を混合した触媒を、ACE R
+ユニットに導入し、触媒/油の比率(重量による)を4とし、16/時間の単位時間当たりの重量空間速度にて、520℃の温度にて、接触分解反応を実施した。その結果を表2−2に示した。
【0204】
【表8】
【0205】
【表9】
【0206】
[第3組]
[触媒の実施例1]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、30重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、35重量部のゼオライトA1(無水ベース)および5重量部のゼオライトREY(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C1を得た。
【0207】
[触媒の実施例2]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、32重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、30重量部のゼオライトA2(無水ベース)および8重量部のゼオライトREY(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C2を得た。
【0208】
[触媒の実施例3]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、32重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、25重量部のゼオライトA3(無水ベース)、10重量部のゼオライトREY(無水ベース)および3重量部のゼオライトDASY−2.0(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C3を得た。
【0209】
[触媒の実施例4]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、32重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、20重量部のゼオライトA4(無水ベース)、12重量部のゼオライトREY(無水ベース)および6重量部のゼオライトDASY−2.0(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C4を得た。
【0210】
[触媒の実施例5]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、32重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、15重量部のゼオライトA5(無水ベース)、10重量部のゼオライトREY(無水ベース)および13重量部のゼオライトDASY−2.0(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C5を得た。
【0211】
[触媒の比較例1〜5]
ゼオライトA1〜A5をそれぞれ、ゼオライトB1〜B5と交換した以外は、触媒の実施例1〜5に準ずる調製方法を繰り返したことにより、接触分解の触媒DC1〜DC5を得た。
【0212】
[触媒の実施例6]
ゼオライトREYを同じ量のゼオライトA1に交換し、ゼオライトA1のみを用いて、ゼオライトREYを添加しなかった以外は、触媒の実施例1に準ずる調製方法を繰り返したことにより、接触分解の触媒C6を得た。
【0213】
上述の接触分解の触媒C1〜C6およびDC1〜DC5を、800℃にて、100%の水蒸気中の条件にて、12時間エイジングした。小規模の固定された流動床ACE R
+ユニット(合衆国のカイザー技術有限会社により設計、製造された)にて、上記接触分解の触媒の反応における性能を算出した。上記触媒の積み込み量は、9gであった。続いて、出発物質として表3−1に示された通りの特性を有する油を混合した触媒を、ACE R
+ユニットに導入し、触媒/油の比率(重量による)を8とし、16/時間の単位時間当たりの重量空間速度にて、500℃の温度にて、接触分解反応を実施した。その結果を表3−2に示した。
【0214】
【表10】
【0215】
【表11】
【0216】
[第4組]
[触媒の実施例1]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、30重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、35重量部のゼオライトA1(無水ベース)および5重量部のゼオライトZ−2(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C1を得た。
【0217】
[触媒の実施例2]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、30重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、25重量部のゼオライトA2(無水ベース)、13重量部のゼオライトZ−2(無水ベース)および2重量部のゼオライトZ−3(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C2を得た。
【0218】
[触媒の実施例3]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、30重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、15重量部のゼオライトA3(無水ベース)および25重量部のゼオライトZ−3(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C3を得た。
【0219】
[触媒の実施例4]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、28重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、40重量部のゼオライトA4(無水ベース)および2重量部のゼオライトZ−2(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C4を得た。
【0220】
[触媒の実施例5]
20重量部の擬ベーマイト(アルミナとして)および脱イオン水を混合し、パルプ化したことによって、スラリーを得た。その結果得られたスラリーに対して、酸/アルミナの比率が0.20となるように塩酸(36重量%の濃度を備える)を添加したことによって解膠した。上記混合物を65℃まで温め、1時間かけて酸性化した。その結果得られた混合物に対して、30重量部のカオリンのスラリー(無水ベース)および10重量部のアルミナゾル(アルミナとして)をそれぞれ添加した。20分間撹拌した後、上記混合物に対して、5重量部のゼオライトA5(無水ベース)、30重量部のゼオライトZ−3(無水ベース)および5重量部のゼオライトDASY−2.0(無水ベース)を添加した。撹拌し続けた後、その結果得られた混合物を噴霧乾燥したことによって、微粒子触媒を生成した。上記微粒子触媒を、500℃にて、1時間かけて焼成した。その後、上記微粒子触媒を60℃にて、(NH
4)
2SO
4の溶液を用いて、Na
2O含有量が0.25重量%未満となるまで洗浄した((NH
4)
2SO
4の溶液:微粒子触媒:H
2O=0.04:1:10の重量比)。最終的に、上記触媒を、脱イオン水を用いてリンスし、ろ過し、120℃にて乾燥したことによって、接触分解の触媒C5を得た。
【0221】
[触媒の比較例1〜5]
ゼオライトA1〜A5をそれぞれ、ゼオライトB1〜B5と交換した以外は、触媒の実施例1〜5に準ずる調製方法を繰り返したことにより、接触分解の触媒DC1〜DC5を得た。
【0222】
[触媒の比較例6]
ゼオライトA1を、同じ量のゼオライトZ3に交換した以外は、触媒の実施例1に準ずる調製方法を繰り返したことにより、接触分解の触媒DC6を得た。
【0223】
上述の接触分解の触媒C1〜C5およびDC1〜DC6を、800℃にて、100%の水蒸気中の条件にて、8時間エイジングした。小規模の固定された流動床ACE R
+ユニット(合衆国のカイザー技術有限会社により設計、製造された)にて、上記接触分解の触媒の反応における性能を算出した。上記触媒の積み込み量は、9gであった。続いて、出発物質として表4−1に示された通りの特性を有する油を混合した触媒を、ACE R
+ユニットに導入し、触媒/油の比率(重量による)を5.5とし、16/時間の単位時間あたりの重量空間速度にて、518℃の温度にて、接触分解反応を実施した。その結果を表4−2に示した。
【0224】
【表12】
【0225】
【表13】