特許第6232065号(P6232065)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6232065家庭用食品加工装置のための安全システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232065
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】家庭用食品加工装置のための安全システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/044 20060101AFI20171106BHJP
   B26D 7/22 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   A47J43/044
   B26D7/22 A
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-527858(P2015-527858)
(86)(22)【出願日】2013年8月14日
(65)【公表番号】特表2015-529107(P2015-529107A)
(43)【公表日】2015年10月5日
(86)【国際出願番号】EP2013066965
(87)【国際公開番号】WO2014029670
(87)【国際公開日】20140227
【審査請求日】2016年7月28日
(31)【優先権主張番号】12181468.5
(32)【優先日】2012年8月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】ホスネル マリオ
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第2384676(EP,A1)
【文献】 特開平08−322741(JP,A)
【文献】 特表2002−528157(JP,A)
【文献】 米国特許第6186425(US,B1)
【文献】 特開2000−245631(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2564745(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/044
B26D 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部ユニットと、
供給された食品を加工するための加工器具を備えた加工器具ユニットと、
前記加工された食品を受容するための受容空間を備えた受容ユニットと、
を有する家庭用食品加工装置であって、
前記基部ユニットは前記加工器具を作動させるための駆動力を提供し、
前記受容ユニットは、前記加工器具ユニットに装着可能であり、前記基部ユニットは、前記加工器具ユニットに装着可能であり、
前記家庭用食品加工装置は、前記受容ユニットが前記加工器具ユニットに装着されている場合にのみ、前記基部ユニット前記加工器具ユニットに装着できるようにする一方、前記基部ユニットが前記加工器具ユニットに装着されている場合には、前記加工器具ユニットからの前記受容ユニットの取り外し防止するように構成された安全装着機構を有する、家庭用食品加工装置。
【請求項2】
前記受容ユニット、前記加工器具ユニット及び前記基部ユニットは、加工されるべき食品の送り方向とは反対の方向である装着順序で装着可能である、請求項1に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項3】
前記受容ユニットは、第1の相互係止機構によって前記加工器具ユニットに着脱可能に装着され、前記基部ユニットは、第2の相互係止機構によって前記加工器具ユニットに着脱可能に装着され、
前記安全装着機構は、前記第1の相互係止機構及び前記第2の相互係止機構と協働して前記安全装着機構の機能を実現する少なくとも1つの安全ラッチを備えた安全係止装置を有する、請求項1又は2に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項4】
前記安全係止装置は、前記受容ユニットが装着されている場合に、前記基部ユニットの装着のため前記第2の相互係止機構を機能させるように構成された、請求項3に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの安全ラッチは、前記第1の相互係止機構によって前記受容ユニットを前記加工器具ユニットに装着することにより、前記第2の相互係止機構が機能しない受動状態から前記第2の相互係止機構を機能させる能動状態へと後退させられることができ、
前記受動状態においては、前記加工器具ユニットへの前記基部ユニットの装着防止され
前記能動状態においては、前記基部ユニットが前記加工器具ユニットに装着可能である、請求項3又は4に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの安全ラッチは
前記能動状態において、前記基部ユニットが前記加工器具ユニットに装着されている場合、前記受容ユニットの取り外しを防止する、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの安全ラッチは、前記受容ユニットを前記加工器具ユニットに装着することにより係止状態へと動かされることができ、
前記係止状態においては、前記基部ユニットが装着されている場合、前記加工器具ユニットからの前記受容ユニットの取り外しが防止される、請求項3乃至6のいずれか一項に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの安全ラッチは、前記第1の相互係止機構の係止方向を横切るラッチ方向において動くことができ、
前記少なくとも1つの安全ラッチを後退させるため、前記係止方向における作動運動を前記ラッチ方向における後退運動へと変換するための歯車機構が備えられた、請求項3乃至7のいずれか一項に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの安全ラッチは、組み立て方向に動くことができる第1のレバーとして備えられ、
前記歯車機構として、前記安全係止装置は、前記第1の相互係止機構の係止方向に動くことができる少なくとも1つの二次レバーを有し、
前記第1のレバーは、前記少なくとも1つの二次レバーのガイドスロットにおける突出部により移動可能にガイドされ、前記ガイドスロットは、前記係止方向に対して少なくとも僅かに傾けられて配置され、これにより、前記少なくとも1つの二次レバーが動かされると、前記第1のレバーが前記組み立て方向に変位させられる、請求項8に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項10】
前記受動状態において、前少なくとも1つの安全ラッチが、前記加工器具ユニットの接触面から突出し、
前記受容ユニット前記加工器具ユニットに装着されることにより、前記少なくとも1つの安全ラッチが後退し、前記基部ユニットの前記接触面の当接を可能とする、請求項乃至9のいずれか一項に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの二次レバーは、前記第1のレバーが前記受動状態にある開始位置と、前記第1のレバーが前記能動状態にある終了位置と、の間で動くことができ、
前記少なくとも1つの二次レバーは、前記少なくとも1つの二次レバーを開始位置に付勢するための付勢機構を備えた、
請求項9又は10に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項12】
前記基部ユニットは、
(i)駆動ユニットとしてハンディ型ミキサの主部を受容するための駆動ユニットマウント、又は
(ii)駆動ユニットとしてモータ
を備えた、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項13】
前記家庭用食品加工装置は、前記駆動ユニットが前記駆動ユニットマウントに受容された場合に、前記受容ユニットが、前記加工器具ユニットから取り外されることを防止するとともに、前記加工器具ユニットが、前記基部ユニットから取り外されることを防止するように構成された二次安全装着機構を有する、請求項12に記載の家庭用食品加工装置。
【請求項14】
家庭用食品加工装置の安全な組み立てのための方法であって、
(a)供給された食品を加工するための加工器具を備えた加工器具ユニットを備えるステップと、
(b)前記加工された食品を受容するための受容空間を備えた受容ユニットを、前記加工器具ユニットに着脱可能に装着するステップと、
(c)前記加工器具を作動させるための駆動力を提供する基部ユニットを、前記加工器具ユニットに着脱可能に装着するステップと、
を有し、前記家庭用食品加工装置は、前記受容ユニットが前記加工器具ユニットに装着されている場合にのみ、前記基部ユニット前記加工器具ユニットに装着できるようにする一方、前記基部ユニットが前記加工器具ユニットに装着されている場合には、前記加工器具ユニットからの前記受容ユニットの取り外し防止するように構成された安全装着機構を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用食品加工装置、及び家庭用食品加工装置の安全な組み立てのための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用食品加工装置は、フードプロセッサとしても知られ、食品を力学的に加工するために用いられる。一例として、食品の力学的な加工とは、薄切り、刻み、切断、角切り、圧搾、又はすり潰しを指す。種々の理由により、家庭用食品加工装置は、該家庭用食品加工装置の動作のために組み立てられる2つ以上のユニットを持つ。保管の面及び洗浄の問題の他に、器具の交換の可能性が斯くして提供される。例えば、ボウルが第1のユニットとして使用され、該ボウルの上に、いわゆる加工器具が第2のユニットとして配置される。基部ユニットが上に配置され、これにより例えば駆動力を提供するハンディ型ミキサー(blender)からの力を、歯車機構を介して、加工器具の駆動シャフトへと伝達し、最終的に、例えば回転するナイフ若しくは刃、切断又は薄切り用のプレート、又はすり潰しディスクのような器具自体を動作させる。安全の理由のため、ユーザが回転する器具と意図せず相互作用することが防止されることが要件となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、家庭用食品加工装置に、動作状態において加工器具に接触できないことを確実にする装着システムを備えるニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、独立請求項の主題により解決され、更なる実施例が、従属請求項に組み込まれる。
【0005】
以下に説明される本発明の態様は、家庭用食品加工装置、及び家庭用食品加工装置の安全な組み立てのための方法に適用されることは、留意されるべきである。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、基部ユニットと、
【0007】
供給された食品を加工するための加工器具を備えた加工器具ユニットと、前記加工された食品を受容するための受容空間を備えた受容ユニットと、を有する家庭用食品加工装置が提供される。前記基部ユニットは前記加工器具を作動させるための駆動力を提供する。前記受容ユニットは、前記加工器具ユニットに装着可能であり、前記基部ユニットは、前記加工器具ユニットに装着可能である。前記加工器具ユニットは、装着順序を定義する安全装着機構を備え、前記装着順序によれば、前記受容ユニットが前記加工器具ユニットに装着されている場合にのみ、前記基部ユニットが前記加工器具ユニットに装着可能であり、また前記装着順序によれば、前記基部ユニットが前記加工器具ユニットに装着されている場合には、前記加工器具ユニットからの前記受容ユニットの取り外しが防止される。
【0008】
該家庭用食品加工装置は、家庭用食品加工器具であり、フードプロセッサとも呼ばれる。該家庭用食品加工装置は、1つの装着順序しか可能でないことを確実にする安全システムを備え、この装着順序は、受容ユニットが装着されていない限り、該装置を動作状態にすることができないことを確実にする。該受容ユニットは、ボウルとも呼ばれる。該受容ユニットはまた、容器基部及び容器壁を備えた容器とも呼ばれ得る。該受容ユニットは、ハンドルを備えても良い。
【0009】
該家庭用食品加工装置は可搬型であり、例えば台所におけるいずれの使用可能な面においても使用可能でありつつ、棚に収容されることができる。
【0010】
該加工器具ユニットは、交換可能な器具挿入具を備えても良く、例えば切断ナイフ、切断用、薄切り用若しくはすり潰し用のディスク型要素、又は回転するナイフ若しくは刃と組み合わせられた角切りグリッドを備えた角切り装置を備えても良い。
【0011】
基部ユニットは、加工器具ユニットとあわせて、受容ユニットの上の蓋として機能し得る。加工器具ユニットのための実際の駆動部は、該基部ユニットの中又は上に配置される。受容ユニットは、加工器具ユニットによって及び基部ユニットによって閉じられる。
【0012】
一実施例によれば、前記受容ユニット、前記加工器具ユニット及び前記基部ユニットは、加工されるべき食品の送り方向とは反対の方向である装着順序で装着可能である。
【0013】
「送り方向」とは、例えば上から下のような、加工される間に該機械を食品が通過する一般的な方向を指す。
【0014】
一実施例によれば、前記受容ユニットは、第1の相互係止機構によって前記加工器具ユニットに着脱可能に装着され、前記基部ユニットは、第2の相互係止機構によって前記加工器具ユニットに着脱可能に装着される。前記安全装着機構は、前記第1の相互係止機構と前記第2の相互係止機構との間で作用する少なくとも1つの安全ラッチを備えた安全係止装置を有する。
【0015】
一実施例によれば、前記安全係止装置は、装着された前記受容ユニットを検出するように備えられ、前記安全係止装置は、装着された前記受容ユニットが検出された場合に、前記基部ユニットの装着のため前記第2の相互係止機構の遮断を解放するように構成される。
【0016】
受容ユニットの検出は、ボウル検出とも呼ばれ得る。従って、該安全システムは、ボウル検出システムとも呼ばれ得る。
【0017】
一実施例によれば、前記少なくとも1つの安全ラッチは、前記第1の相互係止機構によって前記受容ユニットを前記加工器具ユニットに装着することにより、受動状態から能動状態へと後退させられることができる。前記受動状態においては、前記第2の相互係止機構が遮断され、前記加工器具ユニットへの前記基部ユニットの装着を防止する。前記能動状態においては、前記第2の相互係止機構により、前記基部ユニットが前記加工器具ユニットに装着可能である。
【0018】
該受動状態は、受容ユニットが加工器具ユニットに装着されていない場合に接続機構が遮断されるために、基部ユニットの装着が防止されるため、受動遮断状態とも呼ばれ得る。
【0019】
一実施例によれば、前記安全ラッチは、装着された前記基部ユニットにより前記能動状態に維持される。前記能動状態においては、前記基部ユニットが前記加工器具ユニットに装着されている場合、前記安全ラッチは、前記第1の相互係止機構を遮断して、前記受容ユニットの取り外しを防止する。
【0020】
一例においては、基部ユニットを加工ユニットに装着すると、安全ラッチが係止位置に固定され、該位置において第1の相互係止機構が遮断され、即ち加工ユニットからの受容ユニットの取り外しを遮断する。斯くして、遮断位置において、加工ユニットからの受容ユニットの取り外し又は解放が防止される。
【0021】
換言すれば、安全ラッチは第2の相互係止機構を遮断し、基部ユニットが装着された場合には、安全ラッチは第1の相互係止機構を遮断する。
【0022】
一例においては、安全ラッチは、二重遮断機能を提供する。
【0023】
他の例においては、少なくとも1つの安全ラッチが、第1の相互係止機構により加工器具ユニットに受容ユニットを装着することによって、少なくとも受動状態から能動状態へと移動可能なように備えられる。受動係止状態において、第2の相互係止機構が遮断され、加工器具ユニットへの基部ユニットの装着を防止する。能動状態において、基部は第2の相互係止機構により加工器具ユニットに装着可能である。
【0024】
一例においては、受容ユニットが装着され、従って加工器具ユニットに接続された場合に、安全ラッチは受動状態から能動状態に移動させられる。加工器具ユニットから受容ユニットを取り外す又は解放するとき、安全ラッチが能動状態から受動状態に動かされ、受動状態において第2の相互係止機構による装着が防止され、即ち阻止される。
【0025】
一実施例によれば、前記安全ラッチは、前記受容ユニットを前記加工器具ユニットに装着することにより係止状態へと動かされることができる。前記係止状態においては、前記基部ユニットが装着されている場合、前記第1の相互係止機構が遮断され、前記加工器具ユニットからの前記受容ユニットの取り外しが防止される。
【0026】
安全ラッチを動かす代わりに、該ラッチに隣接する、基部ユニットに備えられた係止突起を配置し、該ラッチを遮断するようにしても良い。
【0027】
一実施例によれば、前記安全ラッチは、前記第1の相互係止機構の係止方向を横切るラッチ方向において動くことができる。前記安全ラッチを後退させるため、前記係止方向における作動運動を前記ラッチ方向における後退運動へと変換するための歯車機構が備えられ。
【0028】
第1の相互係止機構の係止方向は、加工器具ユニットに対する受容ユニットの組み立て方向を横切る方向であっても良い。該係止方向は、第1の相互係止機構により受容ユニットを加工器具ユニットに実際に装着させるための装着方向とも呼ばれる。該組み立て方向は、異なるユニットを互いに組み立てるための、より一般的な方向である。例えば、加工器具ユニットは、受容ユニットに上から組み立てられ、器具ユニットの回転運動により互いに対して係止される。斯くして、組み立て方向は垂直であり、係止方向は水平面内において時計回り又は反時計回り方向である。垂直及び水平なる語は、例えば、テーブルのような作業面の上に置かれた場合の、該家庭用食品加工装置の通常の動作位置に関するものである。第2の相互係止機構は、第1の相互係止機構の係止方向と等しくても良いし又は第1の相互係止機構の係止方向と反対であっても良い係止方向を有しても良い。
【0029】
一実施例によれば、前記安全ラッチは、組み立て方向に動くことができる第1のレバーとして備えられる。前記歯車機構として、前記係止装置は、前記第1の相互係止機構の係止方向に動くことができる少なくとも1つの二次レバーを有する。前記第1のレバーは、前記二次レバーのガイドスロットにおける突出部により移動可能にガイドされ、前記スロットは、前記係止方向に対して少なくとも僅かに傾けられて配置され、これにより、前記二次レバーが動かされると、前記第1のレバーが前記組み立て方向に変位させられる。
【0030】
該二次レバーはガイド要素であり、該第1のレバーは該ガイド要素とガイド的に係合している。該ガイド要素は、受容ユニットの突出部によって動かされ、該突出部は該ガイド要素の凹部又は突出部と係合する。
【0031】
一実施例によれば、前記受動状態において、前記基部ユニットの接触面の当接のため、前記安全ラッチが、前記加工器具ユニットの接触面から突出する。前記受容ユニットを前記加工器具ユニットに装着するときに、前記安全ラッチが後退し、前記接触面からあまり突出しなくなり、前記基部ユニットの前記接触面の当接を可能とする。
【0032】
突出する第1のレバーは、加工器具ユニットに対する基部ユニットの装着を防止する。基部ユニットは、第1のレバーが引かれたときにのみ装着されることができる。第1の(又は一次レバー)はライナーレバーであり、二次レバーは回転又は滑動レバーである。
【0033】
組み立て方向は、要素/ユニットが装着工程のために動かされる方向であり、例えば直線の方向である。係止方向は、ユニットを接続するために用いられる動き方向であり、例えば前述したようにねじり、ひねり、回転又は枢動の動きである。
【0034】
回転レバーは受容ユニットに接続されても良く、直線レバーは回転レバーに可動的に保持される。第1の及び/又は第2の相互係止機構は、バヨネット嵌合として備えられても良い。
【0035】
一実施例によれば、前記二次レバーは、前記第1のレバーが前記受動状態にある開始位置と、前記第1のレバーが前記能動状態にある終了位置と、の間で動くことができる。前記二次レバーは、前記二次レバーを開始位置に付勢するための付勢機構を備える。
【0036】
該付勢機構は、開始位置において二次レバーを付勢するばね要素として備えられても良く、二次レバーを終了位置に移動させるため、従って第1のレバーを作動状態とするために、ばね要素の付勢力に打ち克つ又は反作用するための力がかけられる必要がある。該ばね要素は、弾力性要素又はばね部材として備えられても良い。付勢機構は、更なる例によれば、開始位置において少なくとも第1の凹部に係合可能なスナップ留めフックを備えたスナップ機構として備えられても良い。
【0037】
一実施例によれば、前記基部ユニットは、(i)駆動ユニットとしてハンディ型ミキサの主部を受容するための駆動ユニットマウント、又は(ii)駆動ユニットとしてモータを備える。
【0038】
一実施例によれば、前記駆動ユニットマウントを備える場合、二次安全装着機構が備えられ、該二次安全装着機構によって、駆動ユニットが前記駆動ユニットマウントに受容された場合に、装着状態において、前記受容ユニットが、前記加工器具ユニットから取り外されることを防止され、装着状態において、前記加工器具ユニットが、前記基部ユニットから取り外されることを防止される。
【0039】
該二次安全装着機構は、冗長安全概念を定義する。該二次安全装着機構は、第1及び第2の相互係止機構を遮断する。別の例においては、作動安全機構が備えられ、該機構により、受容ユニットが加工器具ユニットに装着され、且つ加工器具ユニットが基部ユニットに装着されている場合にのみ、駆動ユニットがスイッチオンされることができるようになる。駆動ユニットとしてモータを用いる場合(ii)、作動安全機構が備えられ、該機構により、受容ユニットが加工器具ユニットに装着され、且つ加工器具ユニットが基部ユニットに装着されている場合にのみ、モータがスイッチオンされることができるようになる。
【0040】
ハンディ型ミキサはハンドヘルド型ミキサとも呼ばれる。駆動ユニットマウントは、挿入接続とも呼ばれ、ハンディ型ミキサの接続伝達結合のための容器である。ハンディ型ミキサにより、駆動力が提供される。それ故、該家庭用食品加工装置は、ハンディ型ミキサ駆動型アクセサリとも呼ばれる。ハンディ型ミキサの代わりに、他の外部装置が駆動ユニットとして備えられ、駆動ユニットマウントを介して接続されても良い。
【0041】
代替として、(ii)として上述したように、加工器具を駆動するためにモータが備えられても良い。加えて、該モータは、適切な速度及び適切なトルクで駆動力を伝達するための歯車機構を備えても良い。
【0042】
本発明の第2の態様によれば、家庭用食品加工装置の安全な組み立てのための方法であって、
(a)供給された食品を加工するための加工器具を備えた加工器具ユニットを備える第1のステップと、
(b)前記加工された食品を受容するための受容空間を備えた受容ユニットを、前記加工器具ユニットに着脱可能に装着する第2のステップと、
(c)前記加工器具を作動させるための駆動力を提供する基部ユニットを、前記加工器具ユニットに着脱可能に装着する第3のステップと、
を有する方法が提供される。
【0043】
前記加工器具ユニットは、装着順序を定義する安全装着機構を備え、前記装着順序によれば、前記受容ユニットが前記加工器具ユニットに装着されている場合にのみ、前記基部ユニットが前記加工器具ユニットに装着可能であり、また前記装着順序によれば、前記基部ユニットが前記加工器具ユニットに装着されている場合には、前記加工器具ユニットからの前記受容ユニットの取り外しが防止される。
【0044】
一例においては、ステップ(b)において、第1の相互係止機構により受容ユニットが加工器具ユニットに装着される。ステップ(c)において、第2の相互係止機構により基部ユニットが加工器具ユニットに装着される。安全装着機構は第1の相互係止機構と第2の相互係止機構との間に作用する少なくとも1つの安全ラッチを備えた安全係止装置を有する。ステップ(b)において、受容ユニットを加工器具ユニットに装着することにより、該少なくとも1つの安全ラッチが、受動状態から能動状態へと動かされる。受動状態において、第2の相互係止機構は遮断され、加工器具ユニットへの基部ユニットの装着を防止する。能動状態において、第2の相互係止機構によって基部ユニットは加工器具ユニットに装着可能となる。
【0045】
別の例においては、ステップ(c)において、安全ラッチが係止位置において固定され、該位置において、第1の相互係止機構が、受容ユニットを加工ユニットから取り外すことから遮断される。
【0046】
更なる例においては、ステップ(b)において、第1の相互係止機構による加工器具ユニットへの受容ユニットの装着により、安全ラッチが受動状態から能動状態へと後退させられる。受動状態において、第2の相互係止機構が遮断され、基部ユニットを加工ユニットへと装着させることを防止する。能動状態において、第2の相互係止機構により、基部ユニットが加工器具ユニットへと装着可能となる。
【0047】
本発明の一態様によれば、3つの別個のユニット、即ち容器又はボウル、例えば交換可能な器具挿入具のような器具を有するユニット、及び装置を駆動するための基部ユニットの組み立てのため、これらユニットが所定の装着順序で組み立てられる。それ故、(a)ボウルを器具ユニットに接続するため、及び(b)器具ユニットを基部ユニットに接続するため、両方の接続インタフェースと相互作用する安全機構が備えられる。単純な力学的な相互作用により、装着及び取り外しが防止されることができ、それにより特定の装着順序、及び取り外し順序を定義する。斯かる装着順序により、器具ユニットが容器の下側においてカバーされることが確実とされ、それにより、該機構が駆動手段により動作させられているときに、加工器具自体又は該機構のその他の危険な可動構成要素に触れることができなくなる。このことは、基部ユニットを装着すると、その後に加工器具の動作が理論的に可能となり、器具ユニットとの器具ユニットの接続機構が遮断されるからである。それ故、基部ユニットが加工器具ユニットに装着され、他方で加工器具ユニットが自由に他方の側からアクセス可能となる構成は、安全に防止される。安全機構として、下部即ちボウル又は容器を加工器具ユニットに接続することにより、作動させられ、動かされ又は並進移動させられる、可動要素が備えられる。斯くして、加工器具ユニットへのボウルの装着と同時に、安全機構が作動させられ、基部ユニットの装着をも可能とする。基部ユニットを装着する間、該下部の取り外しが防止させられる適所に安全要素を維持することにより、安全機構が再び同時に作動させられる。
【0048】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。
【0049】
本発明の実施例は、以下の図面を参照しながら、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】家庭用食品加工装置の例を下から見た斜視図で示し、受容ユニット、加工器具ユニット及び基部ユニットを示す。
図2(A)】第1の装着状態における図1の受容ユニット及び加工器具ユニットを、上面図で示す。
図2(B)】第1の装着状態における図1の受容ユニット及び加工器具ユニットを、切断面C−Cに沿った断面図で示す。
図2(C)】第1の装着状態における図1の受容ユニット及び加工器具ユニットを、底面図で示す。
図2(D)】第1の装着状態における図1の受容ユニット及び加工器具ユニットの、安全機構の詳細な斜視図を示す。
図3(A)】第2の係止安全状態における図1の受容ユニット及び加工器具ユニットを、上面図で示す。
図3(B)】第2の係止安全状態における図1の受容ユニット及び加工器具ユニットを、切断面C−Cに沿った断面図で示す。
図3(C)】第2の係止安全状態における図1の受容ユニット及び加工器具ユニットを、底面図で示す。
図3(D)】第2の係止安全状態における図1の受容ユニット及び加工器具ユニットの、安全機構の詳細な斜視図を示す。
図4】第1の状態における安全機構の詳細な斜視図を示す。
図5】更なる状態における図4の安全機構を示す。
図6】安全機構を詳細な斜視図で示す。
図7】加工器具ユニットの更なる例を斜視図で示す。
図8】第1の例における付勢要素を備えた安全機構の更なる詳細な斜視図を示す。
図9(A)】第1の状態における安全機構の付勢要素の更なる例を示す。
図9(B)】第2の状態における安全機構の付勢要素の更なる例を示す。
図10】家庭用食品加工装置の安全な組み立てのための方法の例の基本的なステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、基部ユニット12、加工器具ユニット14及び受容ユニット16を有する、家庭用食品加工装置10を示す。加工器具ユニット14は、回転する切断ナイフ19のような、供給された食品を加工するための加工器具18を有する。受容ユニット16は、加工された食品を受容するための受容空間20を有する。基部ユニット12は、加工器具18を作動させるための駆動力を提供又は伝達する。受容ユニット16は加工器具ユニット14に装着可能であり、基部ユニット12は、例えば2つの異なる側から、加工器具ユニット14に装着可能である。例えば、加工器具ユニット14を受容ユニット16と接続するために第1のバヨネット接続24が備えられ、基部ユニット12を加工器具ユニット14に接続するために第2のバヨネット接続22が備えられる。受容ユニット16は、ハンドル26を備えても良い。
【0052】
基部ユニット12は、(図示されていない)ハンディ型ミキサの主部を駆動ユニットとして受容するための、駆動ユニットマウント28を備えても良い。筐体構造32のなかに、歯車機構30が備えられる。歯車機構30は、加工器具ユニット14に備えられた駆動シャフト34を介して、加工器具18を駆動するための力を伝達する。更に、加工されるべき食品を供給するための食品挿入開口36が備えられる。
【0053】
加工器具ユニット14は、装着順序を定義する安全装着機構38を備え、該安全装着機構38により、受容ユニット16が加工器具ユニット14に装着されているときにのみ基部ユニット12が加工器具ユニット14に装着可能となり、また該安全装着機構38により、基部ユニット12が加工器具ユニット14に装着されているときには、加工器具ユニット14からの受容ユニット16の取り外しが遮断される。このことは、図面を参照しながら以下に詳細に説明される。
【0054】
受容ユニット16、加工器具ユニット14及び基部ユニット12は、或る装着順序で、即ち、加工されるべき食品の送り方向39(図1においては上から下への方向)と反対の方向である、底部から上部への順序、即ち垂直下向きの方向で装着可能である。該装着の順序は、装着方向とも呼ばれ、矢印37で示される。取り外しの順序は反対の態様となるように構成される。
【0055】
受容ユニット16は、例えば上述した第1のバヨネット接続24(第1のバヨネット係止とも呼ばれる)のような、第1の相互係止機構40により、加工器具ユニット14に着脱可能に装着される。基部ユニット12は、例えば上述した第1のバヨネット接続22(第2のバヨネット係止とも呼ばれる)のような、第2の相互係止機構42により、加工器具ユニット14に着脱可能に装着される。図1に示されるように、第1のバヨネット接続24、即ち第1の相互係止機構40は、受容ユニット16において、即ち容器の内側の端部において、第1の突出部44を有する。加工器具ユニット14は、第1の突出部44を挿入するための第1の受容開口46と、加工器具ユニット14を受容ユニット16に一時的に固定し締結するような横向きの相対運動で第1の突出部44を挿入するための横向きの第1のスロット部48と、を有する。
【0056】
同様の第2の接続が、第2の相互係止機構42として備えられる。加工器具ユニット14の上端の内側には、基部ユニットの下部の外側端部に備えられた第2の受容開口52に挿入されるための、及び基部ユニット12を加工器具ユニット14に一時的に係止するための、例えば水平に配置されたスロットのような、横向きの第2のスロット部54へと動かされるための又は該第2のスロット部54に沿って動かされるための、第2の突出部50が備えられる。
【0057】
図2Aは、受容ユニット16の上に置かれた加工器具ユニット14の上面図を示す。この状態においては、突出部44が開口46に挿入される。加工器具ユニット14は、例えばノブ56及びハンドル26を互いに向けて動かすことによって、受容ユニット16と加工器具ユニット14との間の相対回転運動をもたらすための、可動ノブ56を備える。
【0058】
安全装着機構38が加工器具ユニット14に備えられ、該安全装着機構38は、第1の相互係止機構40と第2の相互係止機構42との間で作用する少なくとも1つの安全ラッチ60を備えた安全係止装置58を有する。安全装着機構38は、図3Dにおける斜視図においてより詳細に示されている。
【0059】
安全係止装置58は、装着された受容ユニットを検出し、斯かる装着された受容ユニット14がある場合には、基部ユニット12の装着のために、第2の相互係止機構42の係止を解放するように構成される。斯くして、受容ユニットの検出は、「ボウル検出」とも呼ばれる。
【0060】
少なくとも1つの安全ラッチ60は、受動状態62(例えば図2B及び2D参照)から能動状態64(例えば図3B及び3D参照)へと後退させられることができる。このことは、図3A及び3Bに示されるように、第1の相互係止機構40により受容ユニット16を加工器具ユニット14に装着することによって実現される。図3A図2Aの上面図を示すが、ノブ56及びハンドル26が整合され、即ち受容ユニット16及び加工器具ユニット14が互いに対して回転させられ、突出部44がバヨネット係止のスロット48に配置されるようにされていることに留意されたい。同時に、即ちこれら2つのユニットを互いに対して回転させる間に、安全ラッチ60は上述した能動状態64へと動かされる。
【0061】
受動状態62において、第2の相互係止機構42は遮断されて、加工器具ユニット14への基部ユニット12の装着を防止する。能動状態64においては、第2の相互係止機構42によって、基部ユニット12は加工器具ユニット14に装着可能である。それ故、該安全ラッチは該第2の相互係止機構を遮断し、基部ユニットが装着されている場合、該安全ラッチは第1の相互係止機構も遮断する。
【0062】
例えば、受動状態62においては、安全ラッチ60は、基部ユニット12の接触面(図2Bにおいては更に示されていない)の当接のため、加工器具ユニット14の接触面66から突出している。受容ユニット16を加工器具ユニット14に装着すると、安全ラッチ60は後退して、接触面66からあまり突出しなくなり、基部ユニットの接触面の当接を可能とする(図3Bに示されるが基部ユニット12は示されていない)。安全ラッチ60の低減された突出は、比較として図2D図3Dとにもみられる。
【0063】
安全ラッチ60は、基部ユニット12を装着することにより、能動状態64、即ち後退させられた状態に維持される。斯くして、能動状態64においては、安全ラッチ60は、第1の相互係止機構40を遮断し、基部ユニット12が加工器具ユニット14に装着されているときに、受容ユニット16の脱着を防止する。
【0064】
更なる実施例(図示されていない)によれば、該安全ラッチは、受容ユニットを加工器具ユニットに装着することによって、係止可能状態へと動かされる。係止可能状態においては、基部ユニットが装着されている場合、第1の相互係止機構が、加工ユニットから受容ユニットを取り外すことから遮断される。基部ユニットが、該ラッチを係止する。
【0065】
図2D及び3Dに加え、図4A及び5Aに示されるように、安全ラッチ60を後退させるため、係止方向70における作動運動(回転)を、二重矢印74により示されたラッチ方向における後退運動(並進運動)へと変換するため、歯車機構68が備えられる。安全ラッチは斯くして、第1の相互係止機構40の係止方向70を横切るラッチ方向74において移動可能である。歯車機構68として、係止装置58は、第1の相互係止機構40の係止方向70に移動可能な、少なくとも1つの二次レバー76を有する。安全ラッチ60は斯くして、図1において矢印80により示される組み立て方向に移動可能な第1のレバー78として備えられる。第1のレバー78は、該二次レバーのガイドスロット84における突出部82により移動可能にガイドされ、該スロット84は、係止方向70に対して少なくとも僅かに傾くように備えられ、これにより、二次レバー76が動かされると、第1のレバー78が、組み立て方向80又はラッチ方向74に変位させられる。図5Aに示されるように、二次レバー76は、二次レバー76の凹部88に対する、受容ユニット16の突出部86の係合により、動かされる。斯くして、受容ユニット16及び加工器具ユニット14を互いに対して少なくとも特定の程度だけ回転させる間、二次レバー76もまた回転させられ、斯くして傾けられたスロット84における安全ラッチ68の突出部82のガイドが、安全ラッチ60の垂直方向の後退に導く。
【0066】
図6は、第1のレバーとしての安全ラッチ60と共に、二次レバー76を示し、該二次レバーは回転レバーとも呼ばれ、安全レバーは直線レバーとも呼ばれる。ガイドスロット84は、動きリンクとも呼ばれる。
【0067】
図7は、安全装着機構38の更なる例を示す。安全ラッチ60の上端に当接する対向突出部61が、基部ユニットに備えられる。
【0068】
特に図4A及び5Aの上述した図の説明から理解されるように、受容ユニット16の取り外しのためには、突出部86と凹部88との結合のため、安全ラッチ60が初期の開始位置へと動かされる必要がある。斯くして、安全ラッチは、面の上に突出することとなる。しかしながら、基部ユニット12が装着されている場合には、該対向突出部(又は対向当接面)が安全ラッチを再び上方に動かないよう遮断しているため、安全ラッチは当接面から突出することを防止される。
【0069】
図4A及び5Aは更に、第1のレバー78が受動状態にある開始位置Pと、第1のレバー78が能動状態即ち後退させられた状態にある終了位置Pと、の間で二次レバー76が動くことができることを示している。
【0070】
図9A及び9Bは、凹部94に係合することができるスナップ留めフック92の形をとる付勢機構としてのスナップ留めフック接続を示す。
【0071】
更なる選択肢として、駆動ユニットマウント28を用いる場合、二次安全装着機構96が備えられ、該機構により、駆動ユニット(図示されていない)が駆動ユニットマウント28に受容されたときに、装着状態において、該受容ユニットが、加工器具ユニットから取り外されることを防止され、装着状態において、加工器具ユニットが基部ユニットから取り外されることを防止される。例えば、二次安全装着機構96は、第1の相互係止機構40及び第2の相互係止機構42と相互作用する垂直に延在する棒を有しても良い。
【0072】
図10は、以下のステップを有する、家庭用食品加工装置の安全な組み立てのための方法100を示す。第1のステップ110において、供給される食品を加工するための加工器具を備えた加工器具ユニットが備えられる。第2のステップ112において、加工された食品を受容するための受容空間を備えた受容ユニットが、加工器具ユニットに着脱可能に装着される。第3のステップ114において、加工器具を作動させるための駆動力を提供する基部ユニットが、加工器具ユニットに着脱可能に装着される。該加工器具ユニットは、装着順序を定義する安全装着機構を備え、該順序によれば、受容ユニットが加工器具ユニットに装着されている場合にのみ、基部ユニットが加工器具ユニットに装着可能である。更に、該装着順序によれば、基部ユニットが加工器具ユニットに装着されている場合には、加工器具ユニットからの受容ユニットの取り外しが防止される。第1のステップ110はステップ(a)とも呼ばれ、第2のステップ112はステップ(b)とも呼ばれ、第3のステップ114はステップ(c)とも呼ばれる。
【0073】
上述した例によれば、角切りグリッド97のような、種々の交換可能な器具挿入具が備えられ得る。しかしながら、このことは、加工器具ユニット14の中の回転するナイフ(更には図示されていない)とユーザが意図せず相互作用してしまうことを可能とする。従って、回転するナイフの作動は、基部ユニットを加工器具に装着することによってのみ可能とされ、他方では、受容ユニット16が加工器具ユニットに装着されている場合にのみ可能とされ、これにより、ナイフ等が動作させられ得る状態については、回転するナイフに対するいずれのアクセスもが防止される。
【0074】
斯くして、例えば、種々の角切りのサイズを選択するよう、幾つかの交換可能なグリッドを備えることも可能である。換言すれば、ボウル検出がユーザの負傷を回避する。ボウル検出ユニットを用いると、ボウルが器具ユニットに装着されている場合にのみ、ユーザが装置をスイッチオンすることができることが、確実にされる。
【0075】
以上に説明された歯車機構は、例えば組み立て段階及び取り外し段階の間に、ボウルの回転運動を直線レバーの直線運動に変換する、動きリンクとも呼ばれ得る。
【0076】
直線レバー即ち安全ラッチ60は、例えば動きリンクの小さな角度のため、該安全ラッチにかかる垂直力に対する自己係止となり得る。斯くして、付加的なばねの必要なく、システムを動作させることが可能である。回転レバーは、受信ユニット16に結合されているため回転運動を記述し、該回転運動を直線レバー即ち安全ラッチ60の必要な直線運動に変換する。
【0077】
一例によれば、組み立て工程の論理的順序として、ボウル又は受容ユニットと加工ユニットとを共に装着することが提供される。これにより、直線レバーが、加工ユニットと基部ユニットとの間のバヨネット閉じを解放する。第2のステップとして、基部ユニットが加工ユニットに装着される。このとき、ボウル即ち受容ユニットを加工器具ユニットから取り外すことは、もはや不可能である。更なるステップとして、基部ユニットにハンディ型ミキサ等が装着されても良い。取り外しは反対の順序で提供される(更には図示されていない)。
【0078】
バヨネット係止の代わりに、ねじ型、スナップ型、ラッチ型等のような、他の接続機構も備えられる。更に、安全ラッチを動かす又は作動させるために、他の機構も備えられる。
【0079】
本発明の実施例が、種々の主題に関連して説明されたことは、留意されるべきである。特に、幾つかの実施例は、方法タイプの請求項に関連して説明され、他の実施例は装置タイプの請求項に関連して説明された。しかしながら、当業者は、以上の及び以下の説明から、別段の言及がない限り、1つのタイプの主題に属する特徴のいずれかの組み合わせに加えて、種々の主題に関連する特徴間のいずれかの組み合わせもが、本明細書によって開示されているとみなされると考察するであろう。しかしながら、あらゆる特徴は組み合わせられ、これら特徴の単なる足し合わせよりも大きな相乗効果をもたらし得る。
【0080】
本発明は図面及び以上の記述において説明され記載されたが、斯かる説明及び記載は説明するもの又は例示的なものであって、限定するものではないとみなされるべきである。本発明は、開示された実施例に限定されるものではない。図面、説明及び添付される請求項を読むことにより、請求される本発明を実施化する当業者によって、開示された実施例に対する他の変形が理解され実行され得る。
【0081】
請求項において、「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。単一のプロセッサ又はその他のユニットが、請求項に列記された幾つかのアイテムの機能を実行しても良い。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10