特許第6232067号(P6232067)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6232067タンパク質分離用多次元の液体クロマトグラフィーの分離システム及分離方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232067
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】タンパク質分離用多次元の液体クロマトグラフィーの分離システム及分離方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/88 20060101AFI20171106BHJP
   G01N 30/46 20060101ALI20171106BHJP
   G01N 30/02 20060101ALI20171106BHJP
   G01N 30/34 20060101ALI20171106BHJP
   G01N 30/32 20060101ALI20171106BHJP
   C07K 1/16 20060101ALI20171106BHJP
   B01D 15/08 20060101ALI20171106BHJP
   A61L 2/07 20060101ALI20171106BHJP
   A61L 2/04 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   G01N30/88 J
   G01N30/46 A
   G01N30/46 E
   G01N30/02 Z
   G01N30/34 A
   G01N30/32 C
   C07K1/16
   B01D15/08
   A61L2/07
   A61L2/04
【請求項の数】20
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2015-528830(P2015-528830)
(86)(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公表番号】特表2015-534635(P2015-534635A)
(43)【公表日】2015年12月3日
(86)【国際出願番号】CN2012080868
(87)【国際公開番号】WO2014032285
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2015年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】515042889
【氏名又は名称】西安奥▲嵐▼科技▲開▼▲発▼有限▲責▼任公司
(73)【特許権者】
【識別番号】508340639
【氏名又は名称】西北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】▲耿▼信▲篤▼
【審査官】 大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−309778(JP,A)
【文献】 特開2003−254955(JP,A)
【文献】 特開2010−014429(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/055362(WO,A1)
【文献】 特開平06−050953(JP,A)
【文献】 特開昭53−140097(JP,A)
【文献】 グラジエン溶離のはなし,LCtalk,株式会社島津製作所,2015年 4月20日,p.17
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00 − 30/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出装置、移動相リザーバー、輸液装置No.1と輸液装置No.2、サンプル供給装置No.1及びサンプル供給装置No.2、分離装置、少なくとも1つの蓄積器を含む蓄積装置、少なくとも2つのドレン装置及びチャンネル切替え装置を含むタンパク質分離用高次元の液体クロマトグラフィーの分離システムであって、
(1)前記の移動相リザーバーは高次元の液体クロマトグラフィーの分離に用いられる移動相を貯蔵し、
(2)前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2は独立して前記の移動相リザーバーから液体クロマトグラフィーの分離に適用する移動相を取り出し、当該移動相を前記の高次元の液体クロマトグラフィーの分離システムのチャンネルに輸送し、前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2は独立して移動相の流量を調節、計量でき、1次元目の分離の際に当たり、前記の輸液装置No.1は当該1次元目の分離に適用する移動相をサンプル供給装置No.1に輸送し、2次元目又は更に高次元の分離の場合、前記の輸液装置No.1は当該2次元目又は更に高次元の分離に適用する移動相を前記の蓄積装置に輸送し、前記の少なくとも1つの蓄積器に貯蔵した中間留分を前記のサンプル供給装置No.2に押し入れると同時に、前記の輸液装置No.2は前記の移動相リザーバーから当該2次元目又は更に高次元の分離に適用する移動相を取出して前記のサンプル供給装置No.2に輸送し、
(3)前記のサンプル供給装置No.1はシステムの外部からオリジナルサンプルを導入し、このオリジナルサンプルを、輸液装置No.1からの移動相と同時に前記の分離装置に入るようにし、サンプル供給装置No.2はサンプル供給混合機を含み、当該サンプル供給混合機は前記の蓄積装置における少なくとも1つの蓄積器からの中間留分及び移動相が前記の輸液装置No.2の移動相と混合して供給サンプルの混合液を取得し、当該供給サンプルの混合液を前記の次の1次元の分離装置に輸送するようにし、
(4)前記の分離装置はクロマトグラフィのカラム切替えユニット及びクロマトグラフィのカラムのn本を含み、又は分離モード総数がmであるクロマトグラフィのあるカラムを含み、前記のクロマトグラフィのカラムにより分離装置に入った液体が異なる留分に分離するようにし、その中、前記のクロマトグラフィのカラム切替え弁は前記の分離装置に入った液体を選択的に前記のクロマトグラフィのカラムのn本におけるクロマトグラフィのカラムの1本に流入させ、nが非負整数であり、mが前記の高次元の液体クロマトグラフィーの分離システムに用いられる異なる分離モードの個数であり、nとmが下式を満たし、
m≧n (1)
m=n+qi (2)
その中、
i:正整数
qi:i種の分離モードのあるクロマトグラフィのカラムの個数
(5)前記の蓄積装置は蓄積器のp個及び蓄積器の切替えユニットを含み、その中、p≧1、前記の蓄積器の切替えユニットが前記の蓄積装置に入った液体が選択的に前記の蓄積装置の少なくとも1つの蓄積器に流入するようにし、当該蓄積装置は次元ごとの分離が行われて取得した異なる留分で更なる分離が必要である中間留分を収集し、蓄積の少なくとも1つに貯蔵し、
(6)前記の少なくとも2つのドレン装置はチャンネルにおける液体をシステムの外部に排出し、
(7)前記のチャンネル切替え装置は前記の装置と連通するバルブと管路からなり、前記のチャンネル切替え装置におけるバルブに対する切替えにより、前記のチャンネル切替え装置は従来の液体クロマトグラフィーの分離におけるチャンネルを形成する外に、高次元の液体クロマトグラフィーの分離に用いられるチャンネルも形成し、
前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2が輸送する2次元目又は更に高次元の分離に用いられる移動相の量に対して調節及び計量を行って、2次元目又は更に高次元の分離に用いられる前記の供給サンプルの混合液における溶離剤の濃度を臨界移転溶離剤の濃度CCMPより低く調節し、前記の供給サンプルの混合液における溶離剤の濃度が臨界移転溶離剤の濃度CCMPよりも低い場合には、前記の供給サンプルの混合液における目標タンパク質が2次元目又は更に高次元の分離で液体クロマトグラフィのカラムに保留されるタンパク質分離用高次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項2】
前記の次の1次元の分離装置が混合分離モードを持つ分離装置であり、又は前の1次元の分離モードと異なるシングルモードの分離装置であることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項3】
前記の輸液装置No.1及び前記の輸液装置No.2がそれぞれ多元グラジエントユニット及びポンプからなり、前記の多元グラジエントユニットは複数の輸液チャンネルがあり、各チャンネルの流量を輸送、計量できることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項4】
前記の高次元の液体クロマトグラフィーシステムは全体式であり、即ち、すべてのハードウェアがケースに取付けられ、制御システムにより制御され、又は前記の次元の液体クロマトグラフィーシステムは分割式であり、即ち、各ハードウェア及び自己制御システムが2つの又は2つの以上のケースに取付けられ、現状のクロマトグラフの自己制御システム及び他の操作の自己制御システムを利用することを特徴とする請求項に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項5】
前記のサンプル供給装置No.2におけるサンプル供給混合機が混合タンク又は管路混合機であることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項6】
前記のサンプル供給装置No.2と前記の輸液装置No.2を連通する管路にバルブが設けられていて、前記のバルブは前記のサンプル供給装置No.2及び前記の輸液装置No.2が連通するように制御することに用いられることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項7】
前記のクロマトグラフィのカラム切替えユニットが少なくとも1つの多方弁を含み、前記の多方弁が前記の分離装置の入口としてのバルブ入口の1ヶ所及び前記のn-q個のクロマトグラフィのカラムと一々に対応して連通するバルブ出口を持ち、前記の多方弁がn-qi個のバルブ出口を切替えて前記の分離装置に入った液体が選択的に前記のクロマトグラフィのカラムにおけるクロマトグラフィのカラムの1本に流入するようにすることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項8】
前記の次元の液体クロマトグラフィーの分離システムが液体から少なくとも一部の塩を除去することに用いられる脱塩装置を含むことを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項9】
前記の蓄積器は容積が部分的に違っていることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項10】
前記の蓄積装置の蓄積器の切替えユニットが多方弁No.3及び多方弁No.4を含むことを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項11】
前記の多方弁No.3でも多方弁No.4でも液体が逆にバルブの本体を流れることを許容することを特徴とする請求項10に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項12】
前記のチャンネル切替え装置が選択的に、
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記のサンプル供給装置No.1、前記の分離装置、前記の検出装置及び前記のドレン装置No.1とNo.2を連通する従来の分離チャンネル、
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記の分離装置、前記の検出装置、前記の蓄積装置及び前記のドレン装置No.2を連通する1次元目の分離チャンネル、
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記の蓄積装置、前記のサンプル供給装置No.2、前記の分離装置、前記の検出装置、前記の蓄積装置及び前記のドレン装置No.2を連通し、それに、相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.2及び前記のサンプル供給装置No.2を連通する中間留分を収集する2次元目又は更に高い次元の分離チャンネル、
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記の蓄積装置、前記のサンプル供給装置No.2、前記の分離装置、前記の検出装置及び前記のドレン装置No.1を連通し、それに、相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.2及び前記のサンプル供給装置No.2を連通する中間留分を収集しない2次元目又は更に高い次元の分離チャンネル、
のいずれかに切替えることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用高次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項13】
少なくとも前記の蓄積装置がタンパク質の不活性化時間を延長できる恒温温度で保持するようにする恒温装置を含むことを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項14】
滅菌装置を含み、前記の滅菌装置は少なくとも前記の蓄積装置にある細菌が少なくとも部分的に殺されるようにすることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項15】
記の分離装置、蓄積装置及びチャンネル切替え装置におけるバルブの自動切替えも行う自動化制御装置を含むことを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項16】
検出装置、移動相リザーバー、輸液装置No.1と輸液装置No.2、サンプル供給装置No.1及びサンプル供給装置No.2、分離装置、少なくとも1つの蓄積器を含む蓄積装置、少なくとも2つのドレン装置及びチャンネル切替え装置を含むタンパク質分離用2次元の液体クロマトグラフィーの分離システムであって、
(1)前記の移動相リザーバーは2次元の液体クロマトグラフィーの分離に用いられる移動相を貯蔵し、
(2)前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2は独立して前記の移動相リザーバーから液体クロマトグラフィーの分離に適用する移動相を取り出し、当該移動相を前記の2次元の液体クロマトグラフィーの分離システムのチャンネルに輸送し、独立して流量を調節、計量でき、1次元目の分離の際に当たり、前記の輸液装置No.1は当該1次元目の分離に適用する移動相をサンプル供給装置No.1に輸送し、2次元目の分離の場合、前記の輸液装置No.1が当該2次元目分離に適用する移動相を前記の蓄積装置に輸送し、前記の少なくとも1つの蓄積器に貯蔵したすべての中間留分が当該移動相と共に前記のサンプル供給装置No.2に輸送されるようにし、前記の輸液装置No.2が前記の移動相リザーバーから当該2次元目分離に適用する移動相を取出し、前記のサンプル供給装置No.2に輸送し、
(3)前記のサンプル供給装置No.1がシステムの外部から分離されるタンパク質を含む分離されるサンプルを導入し、輸液装置No.1からの移動相と共に前記の分離装置に入らせ、サンプル供給装置No.2はサンプル供給混合機を含み、当該サンプル供給混合機は前記の蓄積装置からの少なくとも1つの蓄積器の中間留分及び移動相が前記の輸液装置No.2の移動相と混合するようにし、供給サンプルの混合液を取得し、当該供給サンプルの混合液を前記の分離装置に輸送し、
(4)前記の分離装置はクロマトグラフィのカラム切替えユニット及びクロマトグラフィのカラムのn本を含み、又はm種以上の分離機能を持つクロマトグラフィのカラムを含み、前記のクロマトグラフィのカラムにより分離装置に入った液体が異なる留分に分離するようにし、その中、前記のクロマトグラフィのカラム切替えユニットは前記の分離装置に入った液体を選択的に前記のクロマトグラフィのカラムのn本におけるクロマトグラフィのカラムの1本に流入させ、nが非負整数であり、mが前記の2次元の液体クロマトグラフィーの分離システムに用いられる異なる分離モードの数量であり、nとmが下式を満たし、
m≧2 (4)
(5)前記の蓄積装置は蓄積器のp個及び蓄積器の切替えユニットを含み、その中、p≧1、前記の蓄積器の切替えユニットは前記の蓄積装置に入った液体が選択的に前記の蓄積装置における少なくとも1つの蓄積器に流入するようにし、当該蓄積装置は次元ごとの分離が行われて取得した異なる留分で更なる分離が必要である中間留分を収集し、少なくとも1つの蓄積器に貯蔵し、
(6)前記の少なくとも2つのドレン装置はチャンネルにおける液体をシステムの外部に排出し、
(7)前記のチャンネル切替え装置は前記の装置と連通するバルブと管路からなり、前記のチャンネル切替え装置におけるバルブに対する切替えにより、前記のチャンネル切替え装置は従来の液体クロマトグラフィーの分離におけるチャンネルを形成する外に、2次元の液体クロマトグラフィーの分離に用いられるチャンネルも形成し、
前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2は輸送する2次元目分離に用いられる移動相の量に対して調節と計量を行い、前記の供給サンプルの混合液における溶離剤の濃度を臨界移転溶離剤の濃度CCMPより低く調節し、前記の供給サンプルの混合液における溶離剤の濃度が臨界移転溶離剤の濃度CCMPよりも低い場合には、2次元目分離に用いられる前記の供給サンプルの混合液における溶離剤の濃度が当該供給サンプルの混合液に含む中間留分における当該2次元目分離で保留される目標タンパク質の臨界移転溶離剤の濃度CCMPより低くなるように調整することを特徴とするタンパク質分離用2次元の液体クロマトグラフィーの分離システム。
【請求項17】
タンパク質分離用高次元の液体クロマトグラフィーの分離方法であって、
(1)事前の準備:当該2次元目又は更に高次元の分離条件における分離されるタンパク質のサンプルで当該2次元目分離で保留される必要があるすべての目標タンパク質の臨界移転溶離剤の濃度CCMPを確定する工程と、
(2)1次元目の分離:グラジエント溶離によりタンパク質のサンプルに対して従来の液体クロマトグラフィーの分離を行って、異なる留分を取得する工程と、
(3)中間留分の収集及び貯蔵:前の1次元の分離により取得した留分で更なる分離が必要である中間留分を収集、貯蔵する工程と、
(4)2次元目又は更に多くの次元の分離:次の1次元の分離が必要である中間留分の全部又は一部を次の1次元の分離に用いられる移動相と混合して次の1次元の分離の供給サンプルの混合物を取得し、前記のサンプル供給混合物サンプルを次の1次元の分離のクロマトグラフィのカラム中に供給し、次に、グラジエント溶離により、前記のステップ4)の次の1次元の分離のクロマトグラフィのカラムに保留された前記の供給サンプルの混合物に対して2次元目又は更に高次元の液体クロマトグラフィーの分離を行って、再び異なる留分を取得し、前の1次元の分離により取得し、この次元の分離が必要であるすべての中間留分に対して前記の分離を行う工程と、
(5)前記のステップ(3)と(4)を繰り返してすべての目標タンパク質産物を取得する工程とを含み、
前記のステップ(4)で、前記の次の1次元の分離に用いられる移動相の量に対して調節及び計量を行い、前記の供給サンプルの混合液における溶離剤の濃度が当該供給サンプルの混合液に含む目標タンパク質の全部又は一部が中間留分における当該2次元目又は更に高次元の分離で保留される必要があるすべての目標タンパク質の臨界移転溶離剤の濃度CCMPより低くなるようにすることを特徴とする請求項1に記載された分離システムを用いた、タンパク質分離用高次元の液体クロマトグラフィーの分離方法。
【請求項18】
前記のステップ(4)で、速い流速の移動相により前記の中間留分のサンプルが前記のクロマトグラフィカラムに供給されるようにすることを特徴とする請求項17に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離方法。
【請求項19】
前記のステップ(4)のサンプル供給まで又はサンプル供給が完了してから、次の1次元の分離に用いられる移動相を緩衝液にし、前記の緩衝液が前記の次の1次元の分離のクロマトグラフィのカラムを流れるようにし、その中、前記の緩衝液における溶離剤の濃度が前記の目標タンパク質の中間留分で次の1次元の分離で保留される必要があるすべての目標タンパク質の臨界移転溶離剤の濃度CMPより低く、少なくとも部分的に前記のクロマトグラフィのカラムにおける元の移動相を置換する緩衝液交換ステップを含ことを特徴とする請求項17に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離方法。
【請求項20】
前記の緩衝液の流速がグラジエント溶離により液体クロマトグラフィーの分離を行う場合に常に利用する流動相の流速より速いということを特徴とする請求項17に記載のタンパク質分離用次元の液体クロマトグラフィーの分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタンパク質分離用多次元の液体クロマトグラフィーの分離システム、具体的に、タンパク質オンライン快速分離用多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムに関する。本発明は当該液体クロマトグラフィーの分離システムによりタンパク質分離を行う分離方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフィーはタンパク質の分析、分離及び純化のための最も効果的な方法であり、天然的動物・植物の体液からの活性タンパク質の抽出と分離、及び遺伝子工学によるさまざまな再編タンパク質薬の調製及び生産に広く用いられていて、生物化学実験室の必要な機器でもある。例えば、プロテオミクス研究でマークタンパク質のタンパク質及びポリペプチド分離を探すことに用いられる。こんな生体高分子が存在する環境成分が十分に複雑であり、普通、複雑成分における生体高分子の分離と分析に呼ばれる。クロマトグラフィのカラムはクロマトグラフィ分析の中核である。クロマトグラフィのカラムの1本で普通の場合に複雑な物質の分離及び分析の課題を解決できるように、科学家はできる限りクロマトグラフィのカラムの効果を向上させるようにしてきた。小分子溶質の分離に対して、液体クロマトグラフィーのカラムは理論段数が一般に104-105である。しかしながら、細胞における成分、体液及び動物組織の成分の分離のような更に複雑な混合物に関する分析に対して、市販のクロマトグラフィのカラムの分離度が要求からかなり離れているので、2次元の液体クロマトグラフィー法(2D-LC)又は多次元の液体クロマトグラフィー法(mD-LC)だけで部分的にこれらの課題を解決できる。2D-LC及びmD-LC技術はクロマトグラフィ研究のホットスポット及び発展の方向となっている。
【0003】
2D-LC及びmD-LC分離はオフライン(off-line)とオンライン(on-line)に分けられる。
【0004】
早期の2D-LC分離法は主にオフライン方式である。言い換えれば、1次元の液体分離後の留分を収集してから当該1次元留分に対して処理しないまま直接に少ない分の独立したサンプルを入れ、又は、処理(集結又は緩衝液交換)してからその一部又は全部のサンプルを2次元目クロマトグラフィのカラムに供給して分離を行う。オフライン方式は時間がかかり、操作しがたく、サンプルが汚染されやすく、回収率が低く、重複性が悪い。
【0005】
2D-LC及びmD-LC法の研究に適応するために、複数の会社はオンラインモードの2D-LC及びmD-LC法を開発してきて、短い期間を経てこの種類のクロマトグラフを生産してきた。但し、原則として、これらのクロマトグラフは共に既存のクロマトグラフに基づいて改善を行い、並列のクロマトグラフィのカラム(2〜3本)の1組を加え、これらの並列クロマトグラフィのカラムの間に切替えのインタフェースを加え、クロマトグラフィのカラムの1本から流出する留分がオンラインで他のカラムに移転して次のモードの分離を行うようにする。しかしながら、これらのオンライン2D-LC及びmD-LC法に解決しなければいけない課題がたくさんある。例えば、異なるモードのクロマトグラフィの組合せについて移動相互換性の課題を解決しなければいけない。インターフェイスの接合もとても肝心な技術課題である。
【0006】
mD-LC技術における切替えインターフェイスはシステムの全体のキーである。サンプルリングによるサンプルの交互する保管・移転、平行カラム交互濃縮分析サンプル、トラップ濃縮サンプル及びインターフェイス無しの整体クロマトグラフィのカラムの2本は常用のものである。しかしながら、これらの装置は共に致命的な欠陥がある。インターフェイスのあるオンライン2D-LC及びmD-LC用液体クロマトグラフは1次元収集のサンプルの1〜10%のみ(数ml)2次元目クロマトグラフィに供給して分離することができ、それをタンパク質の調製に用いられることができなく、特に量産できない。インターフェイス無しの混合モードのカラムは移動相の2種に互換性がなければいけなく、強陽イオン交換クロマトグラフィ(SCX)が素材を供給してから反対相の液体クロマトグラフィー(RPLC)が素材を供給する場合のような特殊な場合しかこのようなオンライン2次元の分離に達成することができない。二者の充填順序が反対になると、当該スイッチ無しの方法は利用できない。
【0007】
科学の進歩に伴って、科学家らは「混合モードクロマトグラフィ」(mixed-mode chromatography,MMC)法を提出した。即ち液体クロマトグラフィーで同時に2種又は2種以上の作用力を利用して溶質が保留及び分離を行うようにするクロマトグラフィの方法である。当該方法は更に高い選択性及び高いクロマトグラフィのカラム負荷量があり、半調製及び調製形のクロマトグラフィの発展に新しい選択及び考え方を提供した。しかしながら、従来のクロマトグラフィのカラムの1種の力しかに制御されることができない1種の分離モードと比べてみると、1種の作用力を主要、もう1種の作用力を補助にして当該主分離の効果の改善に達成するものであるから「一カラム一用」の効果しかに達成することができない。
【0008】
前世紀の80年代の初期に、Guiochon氏ら(Chromatographia、第17巻、第3号、P121〜124、1983)は2次元クロマトグラフィのカラムで2D-LCを実施する方法を指摘した。いわゆる2次元とは空間上の2次元(平面)クロマトグラフィのことであり、その2次元クロマトグラフィのカラムが方形(lOcm×lOcm)であり、普通の薄いクロマトグラフィ版のようなものであり、特許を請求したが、普及されていなく、実際に利用されたいかなる報道さえも見えられていない。普通、いわゆる2次元クロマトグラフィ法とは円筒形のクロマトグラフィのカラムのことである。2年前に、本特許の申請者などは円筒形2次元クロマトグラフィのカラムを利用して「オンラインタンパク質シングル・カラムの2次元の液体クロマトグラフィー法」を指摘して、普通のクロマトグラフにバルブ及び螺旋形のサンプルリングの複数を加えて、円筒形の2次元クロマトグラフィのカラムの1本でタンパク質に対する2D-LC分離を実施し、快速分離の目的に達成したものである。しかしながら、次の通りに、当該方法に複数の課題がある。
(1)クロマトグラフ最大流速(5ml/分だけ)及び蓄積装置における各蓄積管の最大体積(5mlだけ)に制限されて、分析のレベルしかで行うことができなく、調製のレベルに拡大することができなく、更に生産のレベルに拡大することができない。
(2)当該装置はクロマトグラフィのカラムの1本だけでタンパク質の分離を行い、複数のクロマトグラフィのカラムしか行うことができないmD-LC法純化の高純度(例えば、注射用インスリンの場合、タンパク質の純度が99%にあること)の目的に達成することができない。
(3)理論上の有力的なサポートがないので、経験により手動操作を行い、プログラムを作成してソフトウェアで制御することができなく、ポリペプチドを応用範囲に含めていない。
(4)利用するのクロマトグラフィのカラムは専門調製の「2D-LC」であり、関係の製品がないので、他人の実施が困難である。
(5)更に重要なこととして、当該方法の実施をサポートするすべてのものは機器の部品の既存のクロマトグラフ上での順序のない組み合わせだけであり、新しい機器の製造に関する全体上の考え方の枠組みがないだけでなく、実施に供するソリューションやパラメータもない。平板形2Dクロマトグラフィのカラムによる2D-LCの実施と比べてみると、円筒形2Dクロマトグラフィのカラム(以下「カラム2D」と略す)を使うと更に多くの長所がある。
【0009】
しかしながら、当該クロマトグラフィ法に下記の潜在的長所がある。即ち、タンパク質の2D-LC分析の第一分離モードの流出液の収集からこれらの流出液の収集及び貯蔵まで、速い流速におけるオンライン緩衝溶液の交換とクロマトグラフィシステムのリバランス及び二次サンプルが当該同一の2次元クロマトグラフィのカラムに供給されてから第二分離モードで分離されることを含むすべての操作は閉じられた体系で行うので、「オンラインタンパク質のシングル・カラムの2次元クロマトグラフィの快速分析」に達成した。当該体系は環境の汚染を防止できるだけでなく、目標タンパク質が定量的、完全に2次元目クロマトグラフィに移転して分離することができるので、プロテオミクスにおける低豊富機能タンパク質の検出下限又は感度を10〜100倍に向上させることができ、大いに現状のプロテオミクスの「上から下までの質量分析」策略の速度を速くすることができる。MMCにおける混合モードのカラムにすると、そのカラムの負荷が普通であり、クロマトグラフィのカラムがとても高いので、それをタンパク質薬の量産に利用すると、大きなコストダウンにつながる。
【0010】
当該方法の潜在的長所を検討して、申請者は深く研究して、元に基本的に部品の「堆積」である基礎の上に新しい近代化のタンパク質分離用新型機器としてタンパク質多次元の液体クロマトグラフィー純化システムを開発した。
【0011】
本発明は新しい多次元の液体クロマトグラフィーの分離システム及び当該システムによりタンパク質及びポリペプチドの分離及び純化を行い、ポリペプチドを含むタンパク質(以下「タンパク質」と略す)のオンライン快速分析、分離及び規模化の調製に達成することができ、純化のプロセスを短縮し、2次元及び多次元の分離における各タンパク質の速度及び回収率を向上させ、環境からの汚染を防止し、分離のプロセスの期間及びコストを削減することができる新しい方法を提供する。
【0012】
反対相の液体クロマトグラフィー(RPLC)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、アフィニティクロマトグラフィ(AFC)及びイオン交換クロマトグラフィ(IEC)と言う4種の液体クロマトグラフィーモードにおいて、オンライン性グラジエント溶離条件でタンパク質に対して液体クロマトグラフィーの分離を行う場合、タンパク質がクロマトグラフィのカラムにおける保持挙動に「停滞-移転」の普遍的現象が存在し、それにすべてのタンパク質に特有の「停滞-移転」の領域又は時間空間がある。言い換えれば、移動相で溶離剤の濃度があるタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度CCMPの以下にある場合、当該タンパク質がクロマトグラフィのカラムから溶離されることがないが、溶離剤の濃度がだんだんにCCMPまでに向上する場合、タンパク質はそれぞれの「停滞-移転」の空間に応じて一々に移動され、溶離される。当該臨界移転溶離剤の濃度CCMPは対応する保留期間が臨界移転時間tCMPである。よって、グラジエントから(t=0)tCMPまでの時間空間はタンパク質の分離、純化にさまざまなクロマトグラフィ分離の補助の操作空間を提供する。オンライン性濃度グラジエント溶離の条件が変わらなく、クロマトグラフィのカラムの流体に入る溶離剤の濃度がCCMP以下にある場合、タンパク質は保留期間が変わらない。
【0013】
次に図1と結び合わせてタンパク質の「停滞-移転」の現象について説明する。
【0014】
図1に用いられるのは長さ1mm、直径10mmの円形クロマトグラフィのカラムであり、クロマトグラフとも呼ばれる。その中、図1A図1B及び図1Cはそれぞれジフェニル、炭酸脱水酵素及びフィフティーンペプチド(GEPPPGKPADDAGLV)の非同期のサンプル供給条件におけるRPLCリニア・グラジエント溶離におけるクロマトグラムであり、図1D図1E及び図1Fはそれぞれジフェニル、炭酸脱水酵素及びフィフティーンペプチドの保留期間とその非同期のサンプル供給期間との関係を示す。その中、利用するクロマトグラフィ条件はクロマトグラフ(lOmmx1mm内径)及びRPLCてん料充填(顆粒直径3pm、孔径30nm)である。移動相はアセトニトリル-水(0.1%トリフルオロ酢酸塩)である。
【0015】
RPLCリニア・グラジエント溶離条件(溶離剤:アセトニトリル-水溶液)で、それぞれ小分子溶質ジフェニル、生体高分子炭酸脱水酵素及びフィフティーンペプチドの3種のサンプルに対する非同期のサンプル供給(即ち、グラジエントが始まってから決まった期間(図1で1分となる)に置く。言い換えれば、当該サンプルは溶離剤の異なる濃度で供給されるものである)に置ける液体クロマトグラフィーの分離を行い、それによるクロマトグラムがそれぞれ図1A図1B及び図1Cに示す。前記の3種のサンプルの保留期間についてリニア・グラジエント時間t(下横座標)及び溶離剤の濃度CMeCN(上横座標)に対して図を作成し、それによる保持挙動曲線は図1D図1E及び図1Fに示す。よって、小分子化合物としてのジフェニルと炭酸脱水酵素及びポリペプチドとしてのフィフティーンペプチドに完全に異なる保持挙動の2種を示す。炭酸脱水酵素及びフィフティーンペプチドの保持挙動曲線は顕著な水平直線部及び上昇部があり、2部の間に顕著な変曲点があり、当該変曲点が図1D及び1Eに矢印で表示し、「臨界移転点」と呼ばれ、上下の横座標にある対応数値がそれぞれ炭酸脱水酵素及びフィフティーンペプチドのRPLCにおける「臨界移転時間tCMP」及び「臨界移転溶離剤の濃度CCMP」である。サンプル供給がグラジエントの時間tより遅滞し、tCMP以下にある場合(即ち溶離剤アセトニトリルの濃度がCCMP以下にある場合)、炭酸脱水酵素及びフィフティーンペプチドは溶離されることがないが、サンプル供給がグラジエントの時間より遅滞し、即ち、tiがtCMP以上にある場合(即ち溶離剤アセトニトリルの濃度がCCMPより大きい場合)、炭酸脱水酵素及びフィフティーンペプチドはクロマトグラフから溶離する。これはタンパク質及びポリペプチドのクロマトグラフ、又はクロマトグラフィのカラムにおける「停滞-移転」現象である。タンパク質及びポリペプチドのクロマトグラフ又はクロマトグラフィのカラムにおけるこの「停滞-移転」現象の発見により、こんなに薄いクロマトグラフでタンパク質及びポリペプチドの快速、効果的な分離に理論上の基礎を築いた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前記の発見により、本申請書により新形の多次元の液体クロマトグラフィーの分離システム及びこのシステムによりタンパク質を分離する方法を提出する。
【0017】
よって、本発明は検出装置を含み、次のものを含むことを特徴とするタンパク質分離用mD-LC分離システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(1)多次元の液体クロマトグラフィーが分離する移動相の液体の貯蔵に用いられる移動相リザーバー
(2)独立して前記の移動相リザーバーから液体クロマトグラフィーの分離に適用する移動相を取り出し、当該移動相を前記の多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムの指定のチャンネルに輸送し、独立して流量を調節、計量できる輸液装置No.1及び輸液装置No.2
(3)サンプル供給装置No.1及びサンプル供給装置No.2。前記のサンプル供給装置No.2はサンプル供給混合機も含む。その中、サンプル供給装置No.1は六方サンプル供給弁によりオリジナルサンプルの供給することができ、サンプル供給装置No.2は2次元及び多次元のクロマトグラフィの純化のプロセスに用いられる。
(4)クロマトグラフィのカラム切替えユニット及びクロマトグラフィのカラムのn本、又はm種の以上の分離機能のあるクロマトグラフィのカラムのq本を含む分離装置。その中、前記のクロマトグラフィのカラム切替えユニット前記の分離装置に入った液体を選択的に前記のクロマトグラフィのカラムのn本におけるクロマトグラフィのカラムの1本に流入させる。nは非負整数、mは前記の多次元液相クロマトグラフィ分離システムに用いられることなる分離モードの数量のことであり、n及びmが下式を満たすこと。
【0019】
[式1]
m≧n
混合モードクロマトグラフィのカラムのq本を利用し、m個の(m≧2)分離モードにより効果的な分離を行う場合
【0020】
[式2]
n=m-qi その中、
i:正整数
q:分離モードのm種のあるクロマトグラフィのカラムの個数
【0021】
(5)蓄積装置切替えユニットのp個を含む蓄積装置。その中、p≧1、前記の蓄積装置は前記の蓄積装置に入った液体を選択的に前記の蓄積装置における少なくとも1つの蓄積装置に流入させる。
【0022】
(6)少なくとも2つのドレン装置。前記のmD-LC分離システムにおける液体が前記のドレン装置からシステムの外に排出する。
その中、前記のサンプル供給装置No.1としての六方サンプル供給弁のドレン孔は前記の多次元の液体クロマトグラム分離システムの第一の排出装置にしてもいい。それと同時に、ドレン装置No.2留分の収集にも液体の排出にも用いられることができる。
【0023】
(7)前記の装置と連結するバルブ及び管路の連結により形成したチャンネル切替え装置。前記のチャンネル切替え装置におけるバルブに対する切替えにより、前記のチャンネル切替え装置に普通の液体クロマトグラフィーの分離におけるチャンネル及びmD-LC分離のためのチャンネルが形成する。
【0024】
その中、1次元目の分離の際に当たり、前記の輸液装置No.1は当該1次元目の分離に適用する移動相をサンプル供給装置No.1に輸送し、前記のサンプル供給装置No.1はシステムの外部から分離されるタンパク質の分離されるサンプル(オリジナルサンプル)を導入し、輸液装置No.1からの移動相と共に前記の分離装置に入らせ、前記の分離装置は当該分離されるサンプルに対して1次元目液体クロマトグラフィーの分離を行い、それにより異なる留分を取得する。
【0025】
次元ごとの分離の場合、前記の蓄積装置により収集し、分離してから取得した異なる留分で更なる液体クロマトグラフィーの分離が必要である中間留分があり、当該中間留分を少なくとも1つの蓄積装置に貯蔵し、前記のドレン装置により更なる分離が不要である留分をシステムから排出する。
【0026】
2次元目又は更に多くの次元の分離の場合、前記の輸液装置No.1は液体クロマトグラフィーの分離に適用し、適切な構成のある移動相を前記の蓄積装置に輸送し、前記の少なくとも一つの蓄積装置に貯蔵された中間留分の全部、又は一部と共に当該移動相につれて前記のサンプル供給混合機に輸送し、前記の輸液装置No.2は前記の移動相リザーバーから液体クロマトグラフィーの分離に適用し、適切な構成のある移動相を取り出して前記のサンプル供給混合機に輸送し、前記のサンプル供給混合機は前記の少なくとも1つの蓄積装置からの中間留分の全部、又は一部及び移動相を前記の輸液装置No.2からの流動相と混合させ、適切な構成がある2次元目供給サンプルの混合液を取得し、前記の分離装置は前記のサンプル供給の混合液に対する2次元目又は更に多くの次元の液体クロマトグラフィーの分離を行い、異なる2次元の分離後の留分を取得する。
【0027】
その中、前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2が輸送する2次元目又は更に多くの次元の分離に用いられるいわゆる適切な構成がある移動相は量が調節、計量されて、2次元目又は更に多くの次元の分離に用いられる前記の供給サンプルの混合液における溶離剤の濃度が当該供給サンプルの混合液が含む中間留分における当該2次元目又は更に多くの次元の分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低くなる。
【0028】
周期的にクロマトグラフィシステムを洗浄する場合、強溶離液を管路及び装置のいずれかに投入してもいい。例えば、当該クロマトグラフィシステム又は一部の分離装置に対する周期的洗浄を行う場合、当該第一及び第二の輸液システムはどの強溶離溶剤も輸送できる。
【0029】
本申請書において、「タンパク質」とはタンパク質、人工合成ポリペプチド及びタンパク質の水解産物としてのポリペプチド及びタンパク質のサンプルも含み、「オリジナルサンプル」とは目標タンパク質及びポリペプチドを含む混合物のことである。
【0030】
本申請書において、「分離」とは液体クロマトグラフィーの分離のことである。
【0031】
本申請書において、液体クロマトグラフィーの「分離モード」と「分離のメカニズム」は意味が同じである。
【0032】
本申請書において、周知の通りに、液体クロマトグラフィーの分離の「次元」数とは在当該液体クロマトグラフィー分離のプロセスに実施する液体クロマトグラフィーに用いられる円筒形クロマトグラフィのカラムの異なる分離モード数(即ち分離されるサンプルが円筒形液体クロマトグラフィーのカラムに入って異なる分離モードで分離される回数)のことであり、「多次元の液体クロマトグラフィー」とは2次元の液体クロマトグラフィーを含み、2次元以上の更に多次元の液体クロマトグラフィー(例えば3次元の液体クロマトグラフィー)のことである。言い換えれば、mD-LCは2D-LCも含む。
【0033】
本申請書において、「クロマトグラフィのカラム」とは円筒形液体クロマトグラフィーのカラム(以下「クロマトグラフィのカラム」と略す)、「i種の分離モードのあるクロマトグラフィのカラム」とはi種の分離モードがあり、i種の異なる分離のプロセスに用いられることができる液体クロマトグラフィーカラムのことである。本分野の技術者に容易に理解されるように、i=lの場合、当該クロマトグラフィのカラムは1種の液体クロマトグラフィーのある分離モードであるので、1種の分離のプロセスのクロマトグラフィのカラムに用いられることができる(本申請書において「1次元クロマトグラフィのカラム」と呼ばれる)。i>2の場合、当該クロマトグラフィのカラムは2種又は更に多くの種の液体クロマトグラフィーのある分離モードとなるので、2種又は更に多くの種の異なる分離モードのクロマトグラフィのカラムの1本に用いられることができる(本申請書において「混合モード」又は「混合モードクロマトグラフィのカラム(MMCカラム))とも呼ばれる)。RPLC分離ポリペプチドのようなごくわずかの場合、シングルモードの2次元クロマトグラフィの分離を実施してもいい。
【0034】
本申請書において、周知の通りに、「留分」とはクロマトグラフィのカラムに入った液体を分離してから取得する異なる保留期間のある目標製品の一部のことである。「中間留分」とは前の1次元の分離がされてから取得した各留分に更なる分離が必要である目標製品の留分のことである。
【0035】
本申請書において、「液体クロマトグラフィーの分離に適用する移動相」とは当該移動相がある1次元の液体クロマトグラフィーの分離における移動相としてふさわしいタンパク質が分離されることである。本分野の技術者にとって、分離されるタンパク質の性質、分離の際に当たり利用するクロマトグラフィ原理及び利用するクロマトグラフィのカラムの種類と結び合わせて適切な移動相を決める方法は公知のことである。
【0036】
処理量に応じて区分すると、本発明による多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムは分析用途(分析形の多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムは10mg以下にある)に用いられることができ、調製用途(半調製形のmD-LC分離システム)が10〜100mg、調製レベルが100 mg〜100g、生産用途(生産形のmD-LC分離システム)が100g以上にある。本分野の技術者に容易に理解されるように、前記の異なる用途に用いられるmD-LC分離システムにおける各装置は異なる寸法がある。調製及び生産用mD-LC分離システムにとって、本説明書における用語の「サンプル供給」は「フィード」、「サンプル」は「原料」、「産物」は「製品」に理解されてもいい。
【0037】
移動相リザーバー
【0038】
前記の移動相貯蔵用移動相リザーバーは本分野の技術者とって公知のことである。本分野の技術者に容易に理解されるように、移動相リザーバーは数量が本発明のmD-LC分離システムに用いられる移動相の種類や規模に関する。普通の液体クロマトグラフィーの分離システムに対して、本発明による液体クロマトグラフィーの分離システムに用いられる移動相は種類が更に多いので、必要な移動相リザーバーの数量も多いである。例えば、本発明による2次元の液体クロマトグラフィーの分離システムで少なくとも4種の異なる移動相溶液を利用し、4つの移動相リザーバーを含むことができる。また、本発明による3次元の液体クロマトグラフィーの分離システムで5種の又は更に多くの異なる移動相溶液を利用し、5つの移動相リザーバー及び図2に示す2つの輸液システムを含んだり、それぞれ4つの移動相リザーバー、共に8つの移動相リザーバーと連結したりすることができる。望ましくは、本発明による2D-LC、mD-LC分離システムは少なくとも4つの移動相リザーバーを含む。分析から半調製や調製まで、更に量産までそれぞれ容積1Lのガラス瓶から容積がトンレベルにあるステンレスリザーバーまでにすることができる。規模の大きな固定製品にとって、生産のプロセスが固定するので、利用するリザーバーの数量を大いに削減することができる。
【0039】
輸液装置及びサンプル供給装置
【0040】
前記の輸液装置No.1及び前記の輸液装置No.2はそれぞれ注射式計量ポンプ、往復式計量ポンプ及び隔膜式計量ポンプのような1つ又は複数のポンプを含むことができる。
【0041】
オプションとして、前記の輸液装置No.1及び/又は前記の輸液装置No.2はそれぞれ多元グラジエントユニット及びポンプから構成してもよく、前記の多元グラジエントユニットは複数の輸液チャンネルがあり、各チャンネルの流量を輸送、計量することができる。前記の多元グラジエントユニットは本分野の技術者とって公知のことであり、望ましくは各輸液装置に少なくとも4つのチャンネルがある。
【0042】
オプションとして、前記の輸液装置No.1及び/又は前記の輸液装置No.2はそれぞれ複数の輸液チャンネルがあり、各チャンネルの流量を輸送、計量することができるポンプNo.1及びポンプNo.2であってもいい。前記のポンプNo.1及びポンプNo.2は望ましくはそれぞれ少なくとも4つのチャンネルのあるポンプである。
【0043】
本分野の技術者は前記のmD-LCシステムに必要なサンプル供給圧力、流量及びポンプの輸送精度により前記のポンプのタイプ及び手動注射器サンプル供給又は自動のサンプル供給弁サンプル供給を決めやすい。オプションとして、前記のポンプは本分野の技術者の公知の大容量の高圧ポンプであり、本分野の技術者の公知の隔膜式超高圧ポンプ又は往復式超高圧ポンプを選択したほうがいい。
【0044】
分析形のmD-LC分離システムに対して、前記の超高圧ポンプは液体に40MPa以下及び40MPa以上の圧力を加えた超高圧ポンプであったほうがいい。調製形の及び生産形の多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムに対して、前記の高圧ポンプは液体に20MPa以上の圧力を加える高圧ポンプであったほうがいい。
【0045】
前記の多次元の液体クロマトグラフィーシステム全体式であり、即ち、すべてのハードウェアがケースに取付けられ、制御システムにより制御され、又は前記の多次元の液体クロマトグラフィーシステムは分割式であり、即ち、各ハードウェア及び自己制御システムが2つの又は2つの以上のケースに取付けられ、現状のクロマトグラフの自己制御システム及び他の操作の自己制御システムを利用する。
【0046】
分析形のmD-LC分離システムに対して、前記の高圧ポンプの流量範囲は0.001〜10ml/分にあったほうがいい。調製形のmD-LC分離システムに対して、前記の高圧ポンプの流量範囲は0.01〜100ml/分にあったほうがいい。生産形のmD-LC分離システムに対して、前記の高圧ポンプの流量範囲は0.1〜10L/分にあったほうがいい。
【0047】
望ましくは、前記の輸液装置は脱気ユニットも含み、前記の脱気ユニットが公知の方式により前記の移動相液体におけるガスを除去する。
【0048】
オプションとして、前記の移動相リザーバーと前記の輸液装置との間にリザーバーバルブが設けられ、前記のリザーバーバルブ前記の移動相リザーバーと前記の輸液装置との連通の有無を制御することができる。
【0049】
望ましくは、本発明によるmD-LC分離システムにおける前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2が輸送できる移動相流量の和はグラジエント溶離により液体クロマトグラフィーの分離を行う場合の普通の流動相流量より高い。
【0050】
前記のサンプル供給装置No.1は本分野の技術者の公知の普通の液体クロマトグラフィーシステムのサンプル供給器であり、当該サンプル供給器は手動サンプル供給器又は自動サンプル供給器、クロマトグラフィポンプである。例えば、前記のサンプル供給器は普通の6方クロマトグラフィサンプル供給弁であってもよく、分離されるサンプルを定量で本発明による多次元の液体クロマトグラフィー分離システムに輸送する。
【0051】
前記のサンプル供給装置No.2におけるサンプル供給混合機は本分野の技術者の公知の前記の中間留分と移動相と充分に混合させるどのような混合機であってもいい。オプションとして、前記の混合機は混合タンク又は混合機を含むがそれに限るものではない。
【0052】
前記の混合タンクは攪拌エレメントを含んでもよく、前記の攪拌エレメントの例は磁気攪拌子、モータ又は発動機に駆動される攪拌パドルを含むがそれに限るものではない。
【0053】
前記の管路混合機の例はノズル式管路混合機、渦流式管路混合機、多孔板式管路混合機、異形板式管路混合機及び静態管路混合機を含むがそれに限るものではない。
【0054】
オプションとして、前記のサンプル供給装置No.2と前記の輸液装置No.2を連通する管路にバルブが設けられている。
【0055】
前記の通りに、次の1次元の分離は前記のサンプル供給装置No.2により前記の蓄積液装置から流出する、前の1次元クロマトグラフィ分離された、目標製品を含む中間留分を分離装置に輸送するまで、輸液装置No.1に押される目標製品を含む中間留分の前の1次元収集液の全部又は一部を輸液装置No.2に輸送される移動相の流量と調節して計量を行い、二者混合後の目標製品の中間留分を含む希釈液、又は目標製品のサンプル再供給溶液における溶離剤の最終濃度が当該目標製品の臨界移転溶離剤の濃度より低くなるようにしなければいけない。本分野の技術者が理解できるはずであるが、前記の当該次の1次元の分離までの1次元留分サンプルに対する「前処理」(サンプルにおける「緩衝液置換」によりサンプルの質量及び体積の過負荷を防止)は2次元目及び更に多くの次元の分離の達成に必要なものである。言い換えれば、本発明による輸液装置及びサンプル供給装置中間留分と移動相を特殊な方式で混合させ、混合後の溶離剤の濃度が保留されるタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低くなるようにすることができるゆえに、本発明による多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムがタンパク質のサンプルの多次元の液体クロマトグラフィーによる目標タンパク質の分離に達成できるようにするものである。
【0056】
当該特殊な混合方式を実施する場合、まず注意しなければいけないものとして、ある目標タンパク質の臨界移転溶離液の濃度は当該タンパク質の液体クロマトグラフィーの分離を行う条件に応じて決められるものである。当該分離条件が移動溶液の種類、分離モード及びクロマトグラフィのカラムの特性を含むので、当該分離条件における当該タンパク質の特有の臨界移転溶離液の濃度が決められている。当該対応する「溶離液」とは特に当該次の1次元の分離の場合に強溶離剤としての移動相溶液又は置換剤のことであり、当該移動相溶液又は置換剤の濃度が当該分離条件における当該タンパク質の臨界移転溶離液の濃度となる。したがって、前記の供給サンプルの混合液にとって、その溶離液とは行う液体クロマトグラフィーの分離における強溶離剤としての移動相溶剤又は置換剤のことである。
【0057】
次に、あるタンパク質の臨界移転溶離液の濃度が特定して当該タンパク質自身の性質、選択する移動相溶液の種類及びに用いられるクロマトグラフィのカラムに関するので、2次元目又は更に多くの次元の分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離液の濃度は事前に実験で確定しておくこと。
【0058】
例えば、前記の臨界移転溶離液の濃度は同じ分離条件により該当するタンパク質の純サンプル、又は該当するタンパク質を含む混合物に対して非同期のサンプル供給条件におけるリニア・グラジエント溶離分離により事前に確定できる。本分野の技術者が理解できるとなるように、事前にある分離条件におけるあるタンパク質の臨界移転溶離液の濃度が確定されると、当該臨界移転溶離液の濃度は同じ分離条件における分離のプロセスに用いられることができ、当該臨界移転溶離液の濃度の再確定が不要となる。
【0059】
前記の説明を読んで、本分野の技術者は前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2が輸送する液体の量を調節、計量し、前記の供給サンプルの混合液の溶離液の濃度が当該次元の分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離液の濃度より低くなるようにすることができるはずである。
【0060】
分離装置
【0061】
前記の分離装置のクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフは本分野の技術者の公知のタンパク質の分離に用いられるクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフのいずれかであってもいい。本分野の公知によると、分離される異なるタンパク質のサンプルに対して、本分野の技術者は適当なクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフを選択して分離に用いるのは容易であるかもしれない。
【0062】
本申請書において、「適当な」クロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフとは当該クロマトグラフィのカラムが必要な液体クロマトグラフィーの分離モードを持ち、当該クロマトグラフィのカラムの液体におけるタンパク質に入って、少なくとも部分的に分離されることである。
【0063】
処理量が同じである場合、前記のクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフはクロマトグラフのカラムの圧力が普通のクロマトグラフィのカラムより低くなるので、更に速い流速、低圧条件で調製形の又は生産形の多次元の液体クロマトグラフィ分離システムに用いられることに適するかもしれない。
【0064】
本申請書において、前記の多孔弁とは孔数が少なくとも8であるバルブのことである。例えば、10方弁、又は更に多くのチャンネルの多方弁。
【0065】
本分野の技術者に容易に理解されるように、前記の分離装置がクロマトグラフィのカラムの2本以上を含む場合、普通の多次元のクロマトグラフィにおける専用切替え装置の代わりに、前記の分離装置のクロマトグラフィのカラム切替え弁により選択的に前記のクロマトグラフィのカラムにおける適当なクロマトグラフィのカラムをチャンネルと連通させる。
【0066】
ここで述べる分離装置はクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフの2本以上を含む場合、前記の分離装置のクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフ切替えユニットは少なくとも多方弁の1つを含むことができる。前記の多方弁は具有前記の分離装置の入口としてのバルブ入口の1ヶ所及び前記のクロマトグラフィのカラムのn本と一々に対応して連通するバルブ出口のnヶ所がある。前記の多方弁バルブ出口のnヶ所に対する切り替えにより前記の分離装置に入った液体が選択的に前記のクロマトグラフィのカラム、又はクロマトグラフにおけるクロマトグラフィのカラムの1本に流入するようにする。
【0067】
望ましくは、前記の分離装置のクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフ切替え弁は多方弁No.1及び多方弁No.2を含み、前記の多方弁No.1は前記の分離装置の入口としてのバルブ入口の1ヶ所及び前記のクロマトグラフィのカラムのn本と一々に対応して連通するバルブ出口のnヶ所があり、前記の多方弁No.2は前記の分離装置の出口としてのバルブ出口及び前記のクロマトグラフィのカラムのn本と一々に対応して連通するバルブ入口のnヶ所がある。前記の多方弁No.1のバルブ出口のnヶ所の間の切替え及び前記の多方弁No.2のバルブ入口のnヶ所の間の切替えにより、前記のクロマトグラフィのカラム、又はクロマトグラフにおけるクロマトグラフィのカラムの1本、又はクロマトグラフを連通させることができ、即ち、前記の分離装置に流入した液体が前記の多方弁No.1を経て前記のクロマトグラフィのカラム、又はクロマトグラフにおけるクロマトグラフィのカラムの1本に流入し、前記の多方弁No.2を経て前記の分離装置から流出する。
【0068】
なお、各次元の分離に用いられる液体クロマトグラフィーの分離モードは同じであっても違ってもいい。よって、前記のmD-LC分離システムに用いられる分離モードの数量m≦当該mD-LC分離システムの分離回数であってもいい。望ましくは、当該2次元の分離モードが「直交タイプ」モード中クロマトグラフィのカラムの本数qであり、同じクロマトグラフィのカラムに2D-LC行う切替えバルブに代えられる。もちろん、普通の場合、隣り合った2次元分離に用いられる分離モードは同じではない。
【0069】
本分野の技術者に容易に理解されるように、前記の分離装置が混合モードクロマトグラフィのカラムの1本だけ含む場合、前記の分離装置はクロマトグラフィのカラムの間の切替え弁を含まなくてもよい。
【0070】
望ましくは、本発明によるmD-LC分離システムは脱塩装置も含む。液体クロマトグラフィーシステムに用いられる脱塩装置は本分野の技術者とって公知のことであり、液体から少なくとも一部の塩を除去する。例えば、当該普通の脱塩装置は前記の分離装置のクロマトグラフィのカラムと並列するサイズ排除クロマトグラフィのカラムに脱塩を行うことができる。
【0071】
検出装置
【0072】
前記の検出装置は液体クロマトグラフィー方法に用いられて異なるタンパク質成分を検出できる検出器を含む。前記の検出器は本分野の技術者の公知の常に液体クロマトグラフィーシステムに用いられるどの種類の検出器であってもいい。望ましくは、量産のプロセスで移動相の流速がとても高いので、検出器と並列する排液孔を加えて目標製品がドレン孔から同時に排出、検出、収集するようにしなければいけない。当該検出装置に入った流体から1/10-1/1000抽出し、抽出した分を検出器に送る。
【0073】
蓄積装置
【0074】
前記の蓄積装置の前記の蓄積器は蓄積パイプ、蓄積タンク、蓄積リザーバー又は直列に接続された蓄積パイプ及び/又は蓄積タンク及び/又は蓄積リザーバーであってもよい。前記の蓄積器の数量pは分離されるタンパク質のサンプルの複雑さに応じるものであり、次元ごとの分離の際に当たり取得した留分で収集、貯蔵されて更なる分離を行う留分の数量に関する。望ましくは、pは式3を満たすことができる。
[式3]
P≧max(xj)
その中、
xj:j次元目の分離の際に当たり収集、貯蔵して更なる分離を行うための中間留分の数
【0075】
オプションとして、前記の蓄積装置の蓄積器は容積が全部又は部分的に違っている。本分野の技術者に容易に理解されるように、体積の大きな留分を容積の大きな蓄積器に入れ、体積の小さな留分を容積の小さな蓄積器に入れ、1種の留分を2つの又は複数の蓄積器に入れてもいい。
【0076】
望ましくは、前記の蓄積装置は式(3)に満たすp個の蓄積器を含む外に、容積の小さな蓄積器の1つも含む。前記の容積の小さな蓄積器は収集や貯蔵が不要である留分が快速に前記の収集・蓄積装置を通じて最終にドレンロから排出するようにする。
【0077】
望ましくは、前記の蓄積装置の蓄積器の切替え弁は多方弁No.3、又は多位選択弁(図2に示す11-1の中のいずれか)及び多方弁No.4(図に示す11-2の中の同一のもの)を含み、前記の多方弁No.3は前記の蓄積装置の入口としてのバルブ入口及び前記の蓄積器のp個と一々に対応して連通するバルブ出口のpヶ所があり、前記の多方弁No.4は前記の蓄積装置の出口としてのバルブ出口の1ヶ所及び前記の蓄積器のp個と一々に対応して連通するバルブ入口のpヶ所がある。前記の多方弁No.3のバルブ出口のpヶ所及び前記の多方弁No.4のバルブ入口のpヶ所を切替えて、少なくとも前記の蓄積器の1つを連通させることができる。即ち、前記の蓄積装置に流入した液体が前記の多方弁No.3を経て前記の蓄積装置の少なくとも1つに流入して、前記の多方弁No.4を経て前記の蓄積装置から流出する。
【0078】
更に望ましくは、前記の多方弁No.3でも多方弁No.4でも液体が逆にバルブの本体を流れることを許容し、即ち、液体がバルブの出口から流入し、バルブの入口から流出することを許容する。この場合、前記の多方弁No.3のバルブ出口のpヶ所及び前記の多方弁No.4のバルブ入口のpヶ所を切替えて、蓄積装置の少なくとも1つを連通させることができ、前記の蓄積装置に流入した液体が前記の多方弁No.3を経て前記の蓄積装置の少なくとも1つに流入して、前記の多方弁No.4を経て前記の蓄積装置から流出する、前記の蓄積装置に流入した液体も逆に前記の多方弁No.4を経て前記の蓄積装置の少なくとも2つにおける蓄積装置の少なくとも1つ(即ち、前記の多方弁No.4の出口から流入し、前記の多方弁No.4の入口から前記の蓄積装置に流入する)に流入し、逆に前記の多方弁No.3を経て前記の蓄積装置から流出する(即ち、前記の三方弁の出口から流入し、前記の三方弁の入口を経て前記の蓄積装置から流出する)。
【0079】
SECモードで脱塩を行う場合、2次元流出液の体積が大きく、流出液における目標タンパク質の濃度が時間に応じて変わり、1回に完全にサンプルをSECカラムに供給できなく、蓄積装置が楕円形であり、発振器による攪拌に応じて流出液が均一に混合し、何回に等量で収集液のサンプルをSECカラムに上供給して脱塩を行うようにする。
【0080】
ドレン装置
【0081】
前記のドレン装置は本分野の技術者の公知の常に液体クロマトグラフィーシステムに用いられるドレン装置であってもいい。前記のドレン装置によりシステムの外に排出する液体は更なる分離が不要であり、最終分離産物としての留分及びチャンネルにおける廃棄液体を含む。簡単な状況として、前記のドレン装置はシステムの外部に連通する管路であってもいい。
【0082】
望ましくは、本発明による液体クロマトグラフィーの分離システムはドレン装置No.1及びドレン装置No.2を含んでもいい。その中、前記のドレン装置No.1は前記の検出装置からの液体をシステムの外部に排出でき、前記のドレン装置No.2は前記の蓄積装置からの液体をシステムの外部に排出できるので、ドレン装置No.1は供給したサンプルを排出する同時に移動相を置換し、ドレン装置No.2は目標製品及び廃棄液体を排出できるようになる。
【0083】
望ましくは、本発明による液体クロマトグラフィーの分離システムが調製又は量産である場合、体積の大きな液体が検出器の検出池を流れることが許容されないので、ドレン装置No.3を設けなければいけない。当該ドレン装置No.3は直径が検出池の直径よりはるかに長い支管であり、前記の検出装置と並列して設けられていて、分離装置から流動相を受けて、90%以上の移動相が前記のドレン装置No.3から排出できる。
【0084】
オプションとして、前記のドレン装置は本分野の技術者の公知の常に液体クロマトグラフィーシステムに用いられるドレン装置の3つであってもよく、ドレン装置No.1がサンプル供給の際に当たり置換された移動相を排出し、ドレン装置No.2が目標製品ドレンロ及び大量廃棄液体のドレンロであり、ドレン装置No.3が量産のために専に設計されたものであり、二方弁により検出器と並列している。当該二方弁の2つの孔は大さが調節でき、目標製品を含む移動相の90%〜99.9%が検出器を経ないで製品収集装置又は廃棄液体収集装置に排出し、成分の同じ移動相の0.1%〜10%が同期に検出器を流れるようにする。
【0085】
チャンネル切替え装置
【0086】
望ましくは、前記のチャンネル切替え装置は選択的に下記のチャンネルのいずれかを構成してチャンネルを切り替える。
【0087】
普通の分離チャンネル
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記のサンプル供給装置No.1、前記の分離装置、前記の検出装置及び前記のドレン装置No.1を連通する。
【0088】
1次元目の分離チャンネル
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記の分離装置、前記の検出装置、前記の蓄積装置及び前記のドレン装置No.2を連通する。
【0089】
中間留分を収集する2次元目又は更に高い次元の分離チャンネル
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記の蓄積装置、前記のサンプル供給装置No.2、前記の分離装置、前記の検出装置、前記の蓄積装置及び前記のドレン装置No.2又はNo.3を連通し、それに、相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.2及び前記のサンプル供給装置No.2を連通する。
【0090】
中間留分を収集しない2次元目又は更に高い次元の分離チャンネル
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記の蓄積装置、前記のサンプル供給装置No.2、前記の分離装置、前記の検出装置及び前記のドレン装置No.1を連通し、それに、相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.2及び前記のサンプル供給装置No.2を連通する。
【0091】
本申請書において、チャンネルにおける各エレメント「を相次ぎに連通する」とはバルブ及び管路により空間で前記の各装置を相次ぎに連通して、チャンネルにおける流体が時間で相次ぎに前記の対ごとのエレメントを経させ、本発明によるmD-LC分離システムにおける液体が前記のエレメントの順序により前記の各エレメントを流れることができるようにする。簡潔にするために、前記のエレメント序列にチャンネルにおけるバルブ及び管路を示さない。
【0092】
恒温装置
【0093】
望ましくは、分離のプロセスにおける分離されるタンパク質の不活性化を避けるために、本発明によるmD-LC分離システムは恒温装置も含む。前記の恒温装置は少なくとも前記の蓄積装置がタンパク質の不活性化の期間を延長できる恒温条件に保持するようにする。オプションとして、前記の恒温装置は本発明によるmD-LC分離システムの全体がタンパク質の不活性化の期間を延長できる恒温条件に保持するようにする。前記の恒温温度は4℃が望ましい。例えば、前記の恒温装置は恒温箱であってもいい。当該恒温箱装は冷却装置があるので、箱内の空間を恒温(4℃が望ましい)に保持でき、前記の蓄積装置又は多次元の液体クロマトグラフィー分離システムの全体を当該空間に入れることができる。
【0094】
前記の恒温システムは全部又は一部がクロマトグラフの他のエレメントとケースに組み立てられて全体式のシステムとなることができるし、それぞれ分割式のシステムにすることもできる。
【0095】
滅菌装置
【0096】
望ましくは、本発明による多次元の液体クロマトグラフィーの分離システム滅菌装置も含む。当該滅菌装置は公知の方式により少なくとも前記の蓄積装置に存在する細菌が殺されるようにする。オプションとして、前記の滅菌装置は本発明によるmD-LC分離システムの全体にある細菌が少なくとも部分的に殺されるようにする。前記の滅菌装置は蒸気発生装置及び蒸気注入又は電気加熱装置を含んでもいい。前記の蒸気発生装置は140℃以上の蒸気が発生でき、前記の蒸気注入装置は前記の蒸気を多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムの蓄積装置に注入する。
【0097】
前記の滅菌装置は電気加熱装置を含み、前記の電気加熱装置は電力により直接に加熱し、又は電気加熱による熱気で加熱する。
【0098】
前記の滅菌装置は全部又は一部がクロマトグラフの他のエレメントとケースに組み立てられて全体式のシステムとなることができるし、それぞれ分割式のシステムにすることもできる。
【0099】
自動化制御装置
【0100】
望ましくは、自動化操作に達成するために、本発明によるmD-LC分離システム自動化制御装置も含む。当該自動化制御装置は本分野技術者の公知の普通の液体クロマトグラフィー自動化操作を完成する外に、前記の分離装置、蓄積装置及びチャンネル切替え装置におけるバルブの自動切替えも行う。本発明によるmD-LC分離システムは全体式及び分割式を含む。当該自動化制御装置は整体であるが、独立した制御装置の2つに分けられることもでき、前者がまったく新しい「システム」であるが、後者が現有のクロマトグラフに協力して使用される自己制御システムだけである。
【0101】
オプションとして、本発明によるmD-LC分離システムは普通の液体混合装置を含むこともできる。当該普通の液体混合装置は本分野の技術者とって公知のことであり、公知の方式によりさまざまな成分がチャンネルで更に充分に相互に混合するようにする。例えば、当該普通の液体混合装置を前記の輸液装置に設置して当該輸送装置からの流出液におけるさまざまな移動相の液体が更に充分に相互に混合するようにする。
【0102】
ケース
【0103】
オプションとして、本発明によるmD-LC分離システムのエレメント全部又は一部を1つ又は複数のケースに取り付けて全体式又は分割式の装置を形成する。例えば、前記の輸液装置、サンプル供給装置、分離装置、蓄積装置、チャンネル切替え装置、自動化制御装置、普通の検出装置及び普通のドレン装置をケースに取付けて全体式の多次元の液体クロマトグラフを形成し、2つ以上のケースに分割式のシステムを組み立てることもできる。
【0104】
2次元の液体クロマトグラフィーの分離システム
【0105】
特に、本発明は円筒形クロマトグラフィのカラムを利用し、検出装置を含み、下記のものを含むことを特長とするタンパク質分離用2D-LC分離システム(以下「2D-LC分離システム」と略す)を提供する。
【0106】
(1)2D-LC分離に用いられる移動相の液体を貯蔵する移動相リザーバー
【0107】
(2)独立して前記の移動相リザーバーから液体クロマトグラフィーの分離に適用する移動相を取り出し、当該移動相を前記の2D-LC分離システムのチャンネルに輸送し、独立して流量を調節、計量できる輸液装置No.1と輸液装置No.2
【0108】
(3)サンプル供給装置No.1及びサンプル供給混合機を含むサンプル供給装置No.2
【0109】
(4)クロマトグラフィのカラム切替えユニット及びクロマトグラフィのカラムのn本、又は2種以上の分離機能を持つクロマトグラフィのカラムを含む分離装置。その中、前記のクロマトグラフィのカラム切替えユニットは前記の分離装置に入った液体を選択的に前記のクロマトグラフィのカラムのn本におけるクロマトグラフィのカラムの1本に流入させ、nが非負整数であり、下式を満たす。
[式4]
n>q
【0110】
普通の単分離モードクロマトグラフィのカラムの2本により当該多次元クロマトグラフィシステムでオフライン2D-LCを実施する場合、n=2、q=0、m=0。なお、どのように普通のクロマトグラフィのカラムにより(即ち、クロマトグラフィのカラムの1本に分離モードの1種しかない)当該多次元クロマトグラフィシステムでオフライン及びオンライン2D-LCを実施するかということについて説明するので、利用するクロマトグラフィのカラムの個数n=2、q=0,m=0となる。
【0111】
2Dクロマトグラフィのカラムの1本により当該多次元クロマトグラフィシステムでオフライン及びオンライン2D-LCを実施する場合、
[式5]
n=m=q=1
【0112】
(5)蓄積器のp個及び蓄積器の切替え弁を含む蓄積装置。その中、p≧2、前記の蓄積器の切替えユニットは前記の蓄積装置に入った液体が選択的に前記の蓄積装置における少なくとも1つの蓄積器に流入するようにする。
【0113】
(6)少なくとも2つのドレン装置。前記の2D-LC分離システムにおける液体が前記のドレン装置からシステムの外に排出する。
【0114】
(7)前記の装置と連結するバルブ及び管路からなり、それにおけるバルブに対する切替えにより、普通の液体クロマトグラフィーの分離におけるチャンネルを形成する外に、2D-LC分離のためのチャンネルも形成するチャンネル切替え装置
【0115】
その中、1次元目の分離の際に当たり、前記の輸液装置No.1は当該1次元目の分離に適用する移動相をサンプル供給装置No.1に輸送し(図2の7の通りに、左から右への1本目のクロマトグラフィのカラムはカラム2D、その他は普通の単分離モードのカラムである)、前記のサンプル供給装置No.1はシステムの外部からオリジナルサンプルを導入し、輸液装置No.1からの移動相と共に前記の分離装置に入らせ、前記の分離装置は当該分離されるサンプルに対して1次元目液体クロマトグラフィーの分離を行い、それにより異なる留分を取得する。前記の蓄積装置及び前記の留分に更なる液体クロマトグラフィーの分離が必要である中間留分があり、当該中間留分を少なくとも1つの蓄積装置に貯蔵し、更なる分離が不要である留分を前記のドレン装置2によりシステムから排出する。
【0116】
2次元目の分離の場合、前記の輸液装置No.1は液体クロマトグラフィーの分離に適用する移動相を前記の蓄積装置に輸送し、前記の少なくとも1つの蓄積器に貯蔵した中間留分を当該移動相と共に前記のサンプル供給混合機に輸送する。前記の輸液装置No.2は前記の移動相リザーバーから液相クロマトグラフィ分離に適用する移動相を取り出し、前記のサンプル供給混合機に輸送する。前記のサンプル供給混合機は前記の少なくとも1つの蓄積器からの中間留分及び移動相が前記の輸液装置No.2からの移動相と混合するようにして供給サンプルの混合液を取得する。前記の分離装置は前記の供給サンプルの混合液に対して2次元目液体クロマトグラフィーの分離を行い、それにより異なる留分を取得する。
【0117】
その中、前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2は輸送する2次元目分離に用いられる流動相の量に対する調節及び計量を行って、2次元目分離に用いられる前記の供給サンプルの混合液における溶離剤の濃度が当該供給サンプルの混合液に含む中間留分における当該2次元目分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低くなるようにする。
【0118】
望ましくは、本発明による液体クロマトグラフィーの分離システムはドレンロNo.1、ドレンロNo.2及びドレンロNo.3を含むことができる。その中、前記のドレン装置No.1は前記の検出装置からの液体をシステムの外部に排出でき、前記のドレン装置No.2は製品及び前記のオリジナルサンプルを供給する際に当たり廃棄液体蓄積装置から排出した液体をシステムの外部に排出できる。
【0119】
ドレンロNo.3はもっぱらに量産のために設計し、検出器と並列する二方弁である。当該バルブの2つの孔は大さが調節でき、目標製品を含む90〜99.9%の移動相が検出器を経ないで製品の収集装置又は廃棄液体の収集装置に排出し、0.1〜10%の同じ成分のものだけ同期経過検出器に流動する。
【0120】
望ましくは、前記のチャンネル切替え装置は選択的に下記のチャンネルのいずれかを構成してチャンネルを切り替える。
【0121】
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記のサンプル供給装置No.1、前記の分離装置、前記の検出装置及び前記のドレン装置No.1を連通する普通の分離チャンネル。
【0122】
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記の分離装置、前記の検出装置、前記の蓄積装置及び前記のドレン装置No.2を連通する1次元目の分離チャンネル
【0123】
相次ぎに前記の移動相リザーバー、前記の輸液装置No.1、前記の留分、前記のサンプル供給装置No.2、前記の分離装置、前記の検出装置及び前記のドレン装置No.1を連通し、それに相次ぎに前記の移動相リザーバー、輸液装置No.2及び前記のサンプル供給装置No.2を連通する2次元目分離チャンネル。
【0124】
本発明は次のステップを含む新しいタンパク質分離用mD-LC分離方法も提供する。
【0125】
(1)事前の準備:当該2次元目又は更に多くの次元の分離条件における分離されるタンパク質のサンプルで2次元目又は更に多くの次元の分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度を確定する。
【0126】
(2)1次元目の分離:グラジエント溶離によりタンパク質のサンプルに対して普通の液体クロマトグラフィーの分離を行って、異なる留分を取得する。
【0127】
(3)中間留分の収集及び貯蔵:前の1次元の分離により取得した留分で更なる分離が必要である中間留分を収集、貯蔵する。
【0128】
(4)2次元目又は更に多くの次元の分離:次の1次元の分離が必要である中間留分の全部又は一部を次の1次元の分離に用いられる移動相と混合して次の1次元の分離の供給サンプルの混合物を取得し、前記の供給サンプルの混合物を次の1次元の分離の同一の混合モードのクロマトグラフィのカラム又は並列の他のモード又は混合モードのクロマトグラフィのカラムに供給する。次に、グラジエント溶離により、前記のステップ(4)に保留される次の1次元の分離のクロマトグラフィカラムにおける前記の供給サンプルの混合物に対して2次元目又は更なるmD-LC分離を行って再び異なる留分を取得する。前の1次元の分離により取得し、この次元の分離が必要であるすべての中間留分に対して前記の分離を行う。
【0129】
(5)前記のステップ(3)と(4)を繰り返してすべての目標タンパク質産物を取得する。
【0130】
その中、前記のステップ(4)で、前記の次の1次元の分離に用いられる移動相の量に対して調節及び計量を行って、前記の供給サンプルの混合液における溶離剤の濃度が当該供給サンプルの混合液に含む中間留分における当該2次元目又は更に多くの次元の分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低くなるようにする。
【0131】
望ましくは、前記のステップ(4)で、速い流速の移動相により前記の中間留分のサンプルが前記の並列のクロマトグラフィのカラムに供給されるようにする。
【0132】
本申請書において、「速い流速」の移動相とは当該移動相の流速のグラジエント溶離により液体クロマトグラフィーによる目標タンパク質の分離を行う際に当たり常に利用する移動相の流速より速いことである。
【0133】
更に望ましくは、前記のステップ(4)で、前記の中間留分のサンプルを前記のクロマトグラフィのカラムに供給する時間が当該中間留分の分離時間の半分より短い。
【0134】
本発明による多次元の液体クロマトグラフィーの分離はオンラインでもオフラインでも行うことができる。
【0135】
本発明によるオンライン留分離方法で、前の1次元の分離の行われた留分はオンラインにより収集し、次に更なる分離が必要である中間留分を直接に次の1次元の分離に輸送する。
【0136】
本発明によるオフラインmD-LC分離方法で、前の1次元の分離の行われた留分をオフラインにより収集し、次に更なる分離が必要である中間留分に対して次の1次元の分離を行う。
【0137】
本発明によるmD-LC分離システムにより本発明によるmD-LC分離方法を実施する
【0138】
次の通りに、本発明によるmD-LC分離方法は本発明によるmD-LC分離システムにより実施できる。
【0139】
(1)事前の準備:当該2次元目又は更に多くの次元の分離条件における分離されるタンパク質のサンプルで2次元目又は更に多くの次元の分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度CCMPを確定する。
【0140】
(2)1次元目の分離:前記のチャンネル切替え装置により1次元目の分離に用いられるチャンネルを形成し、輸液装置No.1により1次元目の分離に用いられる移動相を輸送し、サンプル供給装置No.1により当該タンパク質のサンプルを前記のmD-LC分離システムに供給し、前記のクロマトグラフィのカラム切替えユニットがある場合、当該クロマトグラフィのカラム切替えユニットの切替えにより1次元目の分離に用いられるクロマトグラフィのカラムが連通するようにして、グラジエント溶離により前記のタンパク質のサンプルが前記のクロマトグラフィのカラムで異なる留分に分離するようにして、検出器でそれを検出する。
【0141】
(3)中間留分の収集及び貯蔵:前記の留分における蓄積器の切替えユニットの切替えにより更なる分離が必要である中間留分が収集され、それぞれ異なる蓄積装置に貯蔵し、更なる分離が不要である留分をドレンロNo.2を経てシステムから排出する。
【0142】
(4)2次元目又は更に多くの次元の分離:前の1次元の分離が完了してから、前記のチャンネル切替え装置により2次元目又は更に多くの次元の分離に用いられるチャンネルを形成し、前記のクロマトグラフィのカラム切替え弁がある場合に当該クロマトグラフィカラム切替え弁の切替えにより2次元目又は更に多くの次元の分離に用いられるクロマトグラフィのカラムが連通するようにする。輸液装置No.1により次の1次元の分離に用いられる移動相を蓄積装置に輸送し、次の1次元の分離が必要である中間留分が該当する蓄積器から流出し、前記の輸液装置No.2のサンプル供給混合機に入るようにすると同時に、輸液装置No.2により次の1次元の分離に用いられる移動相を前記のサンプル供給混合機に輸送して前記の中間留分が前記の移動相と混合して次の1次元の分離の供給サンプルの混合物を取得するようにする。前記の供給サンプルの混合物サンプルを次の次元の分離のクロマトグラフィのカラムに供給し、前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2が輸送する流動相の量に対する調節及び計量により当該供給サンプルの混合物における溶離剤の濃度が当該中間留分における次の1次元の分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低くなるようにして、前記のタンパク質が前記のクロマトグラフィのカラムに保留されるようにして、2次元目のサンプル供給を完成させるようにする。
【0143】
次に、グラジエント溶離により前記の供給サンプルの混合物が前記のクロマトグラフィのカラムで異なる留分に分離し、検出器で検出されるようにする。
【0144】
前の1次元の分離により取得し、この次元の分離が必要である中間留分に対してこのステップの分離を行う。
【0145】
(5)前記のステップ(3)と(4)を繰り返してすべての目標タンパク質産物を取得する。
【0146】
(6)多次元クロマトグラフィの最後の次元のクロマトグラフィ分離は脱塩であってもいい。普通、サイズ排除クロマトグラフィのカラム(SECカラム)を利用する。
【0147】
2次元の液体クロマトグラフィー(2D-LC)分離方法
【0148】
特に、本発明は次のステップを含む新しいタンパク質分離用シングル・カラム2D-LC分離方法を提供する。
【0149】
(1)事前の準備:当該2次元目分離条件における分離されるタンパク質のサンプルで2次元目分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度を確定する。
【0150】
(2)1次元目の分離:図2の普通の単分離モードクロマトグラフィのカラムによりタンパク質のサンプルに対して1次元目液体クロマトグラフィーの分離を行って異なる留分を取得する。
【0151】
(3)中間留分の収集及び貯蔵:1次元目の分離により取得した留分で必要とされる2次元目分離の中間留分を収集、貯蔵する。
【0152】
(4)2次元目分離:前記の中間留分を2次元目分離に用いられる移動相と混合して供給サンプルの混合物を取得し、前記の供給サンプルの混合物の全部又は一部のサンプルを2次元目分離のクロマトグラフィのカラムに供給する。次に、前記の供給サンプルの混合物に対して2次元目液体クロマトグラフィーの分離を行って目標タンパク質産物を取得する。1次元目の分離により取得し、2次元目分離が必要であるすべての中間留分に対してこのステップの分離を行う。
【0153】
その中、前記のステップ(4)で、2次元目分離に用いられる移動相の量に対して調節及び計量を行って前記の供給サンプルの混合液における溶離剤の濃度が当該供給サンプルの混合液に含む中間留分における当該2次元目分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低くなるようにする。
【0154】
本発明による多次元の液体クロマトグラフィーの分離システム又は2D-LC分離システムにより本発明を実施する2D-LC分離方法
【0155】
本発明によるmD-LC分離システム又は2D-LC分離方法は本発明による2D-LC分離システムにより実施できる。
【0156】
(1)事前の準備:当該2次元目分離条件における分離されるタンパク質のサンプルで2次元目分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度CCMPを確定する。
【0157】
(2)1次元目の分離:前記のチャンネル切替え装置により1次元目の分離に用いられるチャンネルを形成し、輸液装置No.1により1次元目の分離に用いられる移動相を輸送し、サンプル供給装置No.1(例えば図2の普通の単分離モードクロマトグラフィのカラム)により当該タンパク質のサンプルを前記のmD-LC分離システムに供給し、前記のクロマトグラフィのカラム切替え弁がある場合に当該クロマトグラフィのカラム切替え弁の切替えにより1次元目の分離に用いられるクロマトグラフィカラムが連通するようにして、グラジエント溶離により前記のタンパク質のサンプルが前記のクロマトグラフィのカラムで異なる留分に分離し、検出器で検出されるようにする。
【0158】
(3)中間留分の収集及び貯蔵:前記の蓄積液装置における蓄積器の切替えユニットの切替えにより更なる分離が必要である中間留分が収集され、それぞれ異なる蓄積液装置に貯蔵され、更なる分離が不要あるである留分をドレンロNo.2を経てシステムから排出する。
【0159】
(4)2次元目分離:1次元目の分離が完了してから、前記のチャンネル切替え弁により2次元目分離に用いられるチャンネルを形成し、前記のクロマトグラフィのカラム切替え弁6-1により2次元目シングルモードクロマトグラフィ分離カラムに切替えて2次元目クロマトグラフィ分離を行い、切替え弁により2次元目分離に用いられるクロマトグラフィのカラムが連通する。輸液装置No.1により2次元目分離に用いられる移動相を蓄積装置に輸送して、2次元目分離が必要である中間留分が蓄積器から流出し、前記の輸液装置No.2のサンプル供給混合機に入るようにすると同時に、輸液装置No.2により2次元目分離に用いられる移動相を前記のサンプル供給混合機に輸送して前記の中間留分と前記の移動相と混合して2次元目分離の供給サンプルの混合物を取得するようにする。前記の供給サンプルの混合物サンプルを2次元目の分離のクロマトグラフィのカラムに供給し、前記の輸液装置No.1と輸液装置No.2が輸送する流動相の量に対する調節及び計量により当該供給サンプルの混合物における溶離剤の濃度が当該中間留分における2次元目分離で保留されるすべての目標タンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低くなるようにする。前記のタンパク質が前記のクロマトグラフィのカラムに保留されるようにして、2次元目サンプル供給を完成する。グラジエント溶離により前記の供給サンプルの混合物が前記のクロマトグラフィのカラムで異なる留分に分離し、クロマトグラフィのカラム切替え弁6-2により検出器に入って検出されるようにする。1次元目の分離により取得し、2次元目分離が必要であるすべての中間留分に対してこのステップの分離を行う。
【0160】
緩衝液交換及びクロマトグラフィシステムのリバランス
【0161】
前記のステップ(4)のサンプル供給まで又はサンプル供給が完了してから、現在の1次元の分離後の中間サンプルにおける移動相の成分が次の1次元の分離の移動相成分と整合しない場合、本発明によるmD-LC分離方法又は2次元の液体クロマトグラフィーの分離方法は次のステップも含む。
【0162】
緩衝液交換:次の1次元の分離に用いられる移動相を緩衝液にし、前記の緩衝液が前記の次の1次元の分離のクロマトグラフィのカラムを流れるようにする。その中、前記の緩衝液における溶離剤の濃度が前記の中間留分で次の1次元の分離保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低くなるようにして、少なくとも部分的に前記のクロマトグラフィのカラムにおける元の移動相を置換するようにする。
【0163】
例えば、前の次元の分離から流出した目標タンパク質を含む収集液は既知成分を含む溶液1と溶液2の混合液であり、その成分がグラジエント時間及び当該溶液1と溶液2の成分により推知されることができるが、タンパク質は区分に応じて保留期間が違うので、異なるタンパク質収集液における成分が固定するものではなく、溶液Xであらわすことができる。収集溶液が一般に3ml以上にあるが、当該溶液Xが溶液1又は2に押されてサンプル供給装置No.2に入る場合、当該推進液と混合しないので、サンプル供給装置No.2で輸液装置No.2に押される溶液3又は4は溶液Xと混合してから、始めから完全にクロマトグラフィ2次元目分離カラムに入るまでの全過程はサンプルの緩衝溶液交換又は緩衝溶液置換である。
【0164】
クロマトグラフィシステムのリバランス:溶液Xのサンプル供給のプロセスで、事実として元にクロマトグラフィのカラムに残留し、1次元クロマトグラフィ分離に用いられる移動相を部分的に置換を行った。これはクロマトグラフィシステムのリバランスに役に立ち、2次元目クロマトグラフィ体系のバランス過程における一部と見なされてもいい。続いて完全なバランスに達成する場合、再び溶液3又は4が当該クロマトグラフィのカラムを流れるようにする。
【0165】
前記の緩衝液交換及びクロマトグラフィシステムのリバランスが完了するまで前記の中間留分に対して分離をしてはいけない。
【0166】
望ましくは、前記の緩衝液交換及びクロマトグラフィシステムのリバランスの場合の移動相の流速がグラジエント溶離により液体クロマトグラフィーの分離を行う場合に常に利用する移動相の流速より速い。
【0167】
望ましくは、本発明によるmD-LC分離システムにより緩衝液の交換を実施できる。その中、次の1次元の分離に用いられる移動相を緩衝液にし、輸液装置No.1及び/又は輸液装置No.2により前記の緩衝液が前記の次の1次元の分離のクロマトグラフィのカラムを流れるようにする。その中、前記の緩衝液における溶離剤の濃度が前記の中間留分で次の1次元の分離保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低いので、少なくとも部分的に前記のクロマトグラフィのカラムにおける元の移動相を置換する。望ましくは、前記の輸液装置No.1及び/又は輸液装置No.2が輸送する緩衝液の流速がグラジエント溶離により液体クロマトグラフィーの分離を行う場合に常に利用する移動相の流速より速い。
【0168】
特に、前記のステップ(4)のサンプル供給まで又はサンプル供給が完了してから、本発明による2D-LC分離方法は下記のステップを含んでもいい。
【0169】
緩衝液交換:2次元目分離に用いられる移動相を緩衝液にし、前記の緩衝液が前記の2次元目分離のクロマトグラフィのカラムを流れるようにする。その中、前記の緩衝液における溶離剤の濃度が前記の中間留分で2次元目分離保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低く、少なくとも部分的に前記のクロマトグラフィのカラムにおける元の移動相を置換するようにする。望ましくは、前記の輸液装置No.1及び/又は輸液装置No.2が輸送する緩衝液の流速がグラジエント溶離により液体クロマトグラフィーの分離を行う場合に常に利用する流動相の流速より速い。
【0170】
前記の緩衝液交換及びクロマトグラフィシステムのリバランスが完成してから前記の中間留分に対する2次元目分離を行う。
【0171】
クロマトグラフィのカラムの再生
【0172】
クロマトグラフィのカラムは周期的再生が必要であり、適当な強溶離溶液により高速条件でクロマトグラフィのカラムを洗浄できる。本分野の技術者は利用するクロマトグラフィ分離モードにより適当な強溶離溶液を選択できる。
【発明の効果】
【0173】
本申請書で開示する技術的内容を読んで、本分野の技術者は次の通りに理解できるはずであり、即ち、本発明者はタンパク質の停滞-移転の現象を発見し、創造的にそれを液体クロマトグラフィーの分離技術に利用して本発明によるmD-LC分離システム及びmD-LC分離方法を設計した。その中、再びサンプル供給の場合の供給サンプルの混合物における溶離剤の濃度をその中の次の1次元の分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低くなるようにして前1次元の分離の後に取得した留分の全部サンプルを次の1次元の分離のクロマトグラフィのカラムに供給し、前1次元の分離後の留分の脱塩も不要であり、いかなる特殊なカラムの間の継ぎ手も不要である。
【0174】
本発明は長所が特にすべての目標中間留分の定量的移転を達成してタンパク質及びポリペプチドの快速の分離を達成することができると言うことにある。
【図面の簡単な説明】
【0175】
図1A-1F】非同期のサンプル供給条件でジフェニル、炭酸脱水酵素及びフィフティーンペプチド(GEPPPGKPADDAGLV)に対してRPLCリニア・グラジエント溶離を行った結果。
図2】例としてのmD-LC分離システムのチャンネルの構成図。
図3】市販カラムの奥嵐印WCXカラムにより7種のタンパク質の2D-LC(WCX,HIC)に対して分離を行った結果。
図4】市販Shim-packPΑ-CMのWCXカラム及び市販TSKgelG4000SWXLSEC脱塩カラムクロマトグラフィのカラムの2本の実施3次元クロマトグラフィ3D-LC(WCX/HIC/SEC)によりα-Chymotrypsin及びTrypsinに対して同時に純化を行い、脱塩した結果。
図5】オンラインシングル・カラムの2次元の液体クロマトグラフィーのカラム(2D(WCX,HIC)快速純化ウシ膵臓の細胞色素Cの結果。
【発明を実施するための形態】
【0176】
下記の実施案に示す通りに、本発明の技術方案及び長所は明らかである。
【0177】
2次元の液体クロマトグラフィー(2D-LC)分離システム
【0178】
特に具体的な実施案で、本発明による図2に示すmD-LC分離システムは2D-LCの疎水クロマトグラフィ(HIC)とイオン交換クロマトグラフィ(IEC)の分離システムに用いられ、次のものを含む。
【0179】
(a)移動相リザーバーとしてのリザーバーの4つ(それぞれ移動相リザーバー2-1〜2-4である)は容積及び材料がシステムの規模に応じるものである。例えば、100mlから100Lまで、ガラス製、ステンレス製など。その中、前記の移動相リザーバー2-1〜2-4はそれぞれ液体クロマトグラフィーに用いられる分離の溶液が入れられていて、前記の溶液がそれぞれ溶液に表示され、1〜2がそれぞれHIC移動相のA溶液及びB溶液であるが、溶液3〜4がそれぞれIEC移動相のA溶液及びB溶液である。その中、溶液1及び溶液2が1次元目クロマトグラフィ分離の溶液に用いられるが、溶液3及び溶液4が2次元目クロマトグラフィ分離の溶液に用いられる。
【0180】
(b)輸液装置No.1としてのポンプA (3)と4元グラジエントユニット1〜2、輸液装置No.2としてのポンプB(9)と4元グラジエントユニット1-1はチャンネルの4つがそれぞれ移動相リザーバー2-1〜2-4と一々に対応して連通し、独立してチャンネルの4つの流量の調節及び計量を行うことができる。
【0181】
その中、ポンプA(3)と4元グラジエントユニット1〜2及びポンプB(9)と4元グラジエントユニット1-1は市販の4元グラジエントポンプにしてもよく、ポンプ自身による動力により4種の異なる移動相チャンネルの流量の輸送及び計量を行うことができる。
【0182】
ポンプA(3)と4元グラジエントユニット1〜2は主に1次元目クロマトグラフィ分離に用いられるが、蓄積装置に貯蔵された1次元留分を送り出して2次元クロマトグラフィのサンプル供給に協力すること又は2次元クロマトグラフィ分離にも用いられる。ポンプB(9)と4元グラジエントユニット1-1は主に2次元目又は多次元クロマトグラフィ分離に用いられ、ポンプA(3)と共に2次元又は多次元クロマトグラフィサンプル供給及びクロマトグラフィ分離を実施する。
【0183】
ポンプA(3)とポンプB(9)は高圧ポンプであり、流量範囲が望ましくは0.001〜10ml/分、精度が±0.001ml、最大圧力が40MPaにある。調製形の多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムにとって、ポンプA(3)及びポンプB(9)は流量範囲が望ましく0.01〜100ml/分、精度が±0.01ml、最大圧力が20MPaにある。生産形の多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムにとって、ポンプA(3)とポンプB(9)は流量範囲が望ましく0.1〜10L/分、精度が±0.1ml、最大圧力が20MPaにある。
【0184】
(c)サンプル供給装置No.1としてのサンプル供給六方弁4-1及び4-2及びサンプル供給装置No.2としての混合機12。
【0185】
その中、サンプル供給六方弁4-1は1次オリジナルサンプル供給及び廃棄液体排出弁No.1、六方弁4-2は2次元目サンプル供給の制御弁であり、明らかに弁位「inject」及び「load」が表示されていて、2次元の分離体系の動作状態を明らかにする。
【0186】
前記のサンプル供給六方弁4-1にポートの6ヶ所があり、ポート1-4孔がサンプルリングとして連結されていて、ポート6孔がサンプル供給器ドレンロとつながっている。前記のサンプルリングは容量が例えば10mlである。前記のサンプル供給六方弁4-1は弁内の構成が次の通りである。サンプル供給状態で、前記のサンプル供給六方弁4-1のポート1孔とポート2孔、ポート3孔とポート4孔、ポート5孔とポート6孔が連通している。サンプル非供給状態又はサンプル供給準備状態で、ポート1孔とポート6孔、ポート2孔とポート3孔、ポート4孔とポート5孔が連通している。サンプル供給六方弁4-1のポート1孔とポート4孔がそれぞれサンプルリングの両端と連通しているが、ポート6孔とサンプル供給器ドレンロが連通している。
【0187】
前記の混合機12は例えばノズル式の管路混合機であり、混合機入口の2ヶ所(混合機入口Mlおよび混合機入口M2)と混合機出口M0がある。前記の混合機12の入口MlとポンプB(9)の出口が連通している。混合機12は前の1次元留分と次の1次元クロマトグラフィ分離に用いられる移動相を適当な比例でその中で混合して、混合後の濃度が2次元クロマトグラフィ分離に求められる「溶離剤の最低濃度」より低くなるようにする。六方弁4-2と当該混合機はサンプル供給装置No.2を構成する。
【0188】
(d)クロマトグラフィのカラムユニット7又はクロマトグラフユニット14、クロマトグラフィのカラム切替えユニットとしての多方弁6-1、多方弁6-2及び前記のエレメントの間の連通管路からなる分離装置。多方弁6-1及び多方弁6-2は目標タンパク質がクロマトグラフィのカラムユニット7又はクロマトグラフユニット14における必要な分離モードの中のいずれかに入ることを制御する。
【0189】
前記のクロマトグラフィのカラムユニット7又はクロマトグラフユニット14は本分野の技術者の公知の常にタンパク質分離に用いられる業務用クロマトグラフィのカラム及び混合モードクロマトグラフィのカラム又は業務用クロマトグラフ及び混合モードクロマトグラフの複数を含み、総数がn本である。簡潔にするために、これらのクロマトグラフィのカラム/クロマトグラフを統一してクロマトグラフィのカラム1、クロマトグラフィのカラム2、クロマトグラフィのカラム3、…、クロマトグラフィのカラムnと表示する。多方弁6-1は入口0及び少なくともnヵ所の出口(それぞれ出口1、出口2、出口3、…、出口nと表示する)がある。多方弁6-2は出口0及びnヶ所の入口(それぞれ入口1、入口2、入口3、…、入口Nと表示する)がある。多方弁6-1の入口0は前記の分離装置の入口、多方弁6-2の出口0は前記の分離装置の出口にされていて、多方弁6-1の出口1〜出口nはそれぞれクロマトグラフィのカラム1〜クロマトグラフィのカラムnの入口と一々に対応して連通しているが、多方弁6-2の入口1〜入口nはそれぞれクロマトグラフィのカラム1〜クロマトグラフィのカラムnの出口と一々に対応して連通している。多方弁6-1及び多方弁6-2は内部の構成が次の通りであり、即ち、あるクロマトグラフィのカラムa(a:1〜nの自然数)に切替えた状態で、多方弁6-1の入口0が当該クロマトグラフィのカラムaと対応する出口aと連通しているが、多方弁6-2の出口0が当該クロマトグラフィのカラムaと対応する入口aと連通している。
【0190】
その中、クロマトグラフユニット14はステンレス、高分子材料の円形キャビティに入れられたさまざまなクロマトグラム分離媒質に設置してもよく、1次元、2次元ないし多次元のモードであってもよく、クロマトグラフィのカラムユニット7の構成として他のクロマトグラフィのカラムと並列して一体に取付けられてもいい。多方弁6-1と6-2により、クロマトグラフユニット14はクロマトグラフィシステムと並列してさまざまな形式の多次元クロマトグラフィの分離を実施するようにする。
【0191】
(e)検出装置としての検出器13は本分野の技術者の公知の常にタンパク質の検出に用いられる検出器である。UV、屈折、電気化学的、質量分析などの種類の検出器、タンパク質又はポリペプチド検出に用いられる検出器は市販品であり、使用できる。
【0192】
(f)蓄積器としての蓄積パイプの8つ(蓄積装置10-1〜10-8と表示する)、蓄積器としての切替えユニットの八方弁11-1と八方弁11-2及び前記のエレメントの間の連通管路からなる蓄積装置。
【0193】
前記の蓄積装置はステンレス、peekパイプ又はチタン鋼製であり、異なる容積及び形状の螺旋パイプ状、オリーブ状の空心パイプにして流出液を入れるようにしてもいい。当該蓄積装置は一端が八方弁11-1、他端が八方弁11-2とつながる。
【0194】
八方弁11-1及び11-2はそれぞれ蓄積装置の8つの両端につながり、各通路が蓄積装置とつながって留分が該当する蓄積装置に入ることを制御する。
【0195】
その中、蓄積装置10-1〜10-8は容量が同じであり、少なくとも2mlであり、又は同じではなく、2ml〜2lで変わる。八方弁11-1は入口0及び出口の8ヵ所(出口1〜8)があり、八方弁11-2は出口0及び入口の8ヵ所(入口1〜8)がある。八方弁11-1の入口0は前記の蓄積装置の入口であるが、八方弁11-2の出口0は前記の蓄積装置の出口である。八方弁11-1の出口1〜8はそれぞれ蓄積装置10-1〜10-8の一端と連通しているが、八方弁11-2の入口1〜8はそれぞれ蓄積装置10-1〜10-8の他端と連通している。八方弁11-1及び11-2は内部構成が次の通りであり、即ち、連通蓄積装置10-β(β:1〜8の自然数)に切替えた状態で、八方弁11-1の入口0は出口βと連通しているが、八方弁11-2の出口0は入口βと連通している。ある蓄積パイプに切替えた状態で、液体は相次ぎに八方弁11-1、当該蓄積装置及び八方弁11-2を経て前記の蓄積装置を流れる。それと同時に、八方弁11-1及び八方弁11-2は液体の逆向きの流動を許容する。この場合、液体は相次ぎに八方弁11-2、当該蓄積装置及び八方弁11-1を経て前記の蓄積装置を流れる。
【0196】
発振器18はオリーブ形の蓄積装置(例えば図2の10-1及び10-2)に蓄積した収集液を均一に攪拌する。タンパク質溶液の脱塩を行い、又は収集液の一部を再び次の次元に供給して分離する場合に当該発振器18を利用する。
【0197】
(g)ドレン装置No.1としてのドレンロ17-1は三方弁5-4のポート2、ドレン装置No.2としてのドレンロ17-2は六方弁4-2の6孔と連通している。
【0198】
ドレンロはドレンロの3ヵ所を含み、即ち、留分収集器と連通するメインドレンロ17-1、2次オリジナルサンプル供給の場合の廃棄液体ドレンロ17-2及び大規模タンパク質純化の場合のドレンロ17-3である。
【0199】
ドレンロ17-3は検出器13と並列する並列分流管19を含む。大規模タンパク質純化の場合、高流量で検出器の検出池を流れて発生する高圧を防止するために、90%以上の移動相を当該並列分流管を経て留分収集器15に流れさせ、1〜10%の移動相が検出池を流れてタンパク質の「オンラインモニターリング」に用いられる。
【0200】
留分収集器15はもっぱらに純化後の最終製品の収集に用いられ、もちろんほしい中間留分の収集にも用いられることができる。留分収集器15は市販品である。
【0201】
(h)チャンネル切替え装置の六方弁4-2、三方弁5-1、三方弁5-2、三方弁5-3、三方弁5-4及び前記のバルブの間の連通管路とする。
【0202】
その中、六方弁4-2にポートの6ヶ所があり(ポート1〜6)、三方弁5-1、5-2、5-3及び5-4はそれぞれポートの3ヵ所(ポート1〜3)がある。六方弁4-2は内部構成が次の通りであり、即ち、当該六方弁4-2の1種目の切替え状態4-2aで、ポート1がポート2と、ポート3がポート4と、ポート5がポート6と連通している。当該六方弁4-2の他の切替え状態4-2bで、ポート1がポート6と、ポート2がポート3と、ポート4がポート5と連通している。三方弁5-1、5-2、5-3及び5-4は弁内構成が次の通りである。当該三方弁5-1、5-2、5-3及び5-4の1種目の切替え状態5-la、2a、5-3a及び5-4aで、それぞれポート1及びポート2と連通している。当該三方弁5-1、5-2、5-3及び5-4の他の切替え状態5-lb、5-2b、5-3b及び5-4bで、それぞれポート1及びポート3が連通している。サンプル供給六方弁4-1のポート2とポンプ1の出口が連通している。検出器の入口は分離装置出口としての多方弁6-2の入口0、検出器の出口は三方弁5-4のポート1と連通している。六方弁4-2のポート1は八方弁11-2の出口0、六方弁4-2のポート2はサンプル供給六方弁4-1のポート3、六方弁4-2のポート3は三方弁5-1のポート1、六方弁4-2のポート4は三方弁5-2のポート2、六方弁4-2のポート6はドレンロ17-2と連通している。三方弁5-1のポート2は混合機入口M2、三方弁5-1のポート3は三方弁5-3のポート2と連通している。三方弁5-2のポート1は分離装置入口としての多方弁1の入口0、三方弁5-3のポート3は混合機出口M0と連通している。三方弁5-3のポート1は多方弁1の入口0、三方弁5-2のポート3は三方弁5-4のポート3と連通している。三方弁5-4のポート2はドレンロ17-1と連通している。
【0203】
(i)恒温装置としての低温恒温制御箱8は図の点線枠以内のエレメントが4℃の恒温に保持されるようにする。
【0204】
当該低温恒温制御箱は滅菌装置を含み、冷却装置が搭載された恒温箱であり、箱内の空間が恒温4℃に保持されるようにして、前記の蓄積装置、又は多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムの全体を当該空間に収容する。当該温度制御システムは全部又は一部がクロマトグラフの他のエレメントとケースに組み立てられて全体式のシステムとなることができるし、それぞれ分割式のシステムにすることもできる。
【0205】
前記の滅菌装置は蒸気発生装置及び蒸気注入装置、又は電気加熱装置を含む。前記の蒸気発生装置は140℃以上の蒸気が発生でき、前記の蒸気注入装置は前記の蒸気を多次元の液体クロマトグラフィーの分離システムの蓄積装置に注入する。
【0206】
当該滅菌装置は電気加熱装置にしてもいい。前記の電気加熱装置は電力により直接に加熱し、又は電気加熱による熱気で加熱する。
【0207】
(j)自動化装置としてのコンピュータ制御装置は自動的に4元グラジエントユニット1-1及び1-2、ポンプA(3)とポンプB(9)及び低温恒温制御箱8の操作を制御し、検出器13からの信号を受信する。
【0208】
ワークステーション16は当該システムの分割式及び全体式の区分に応じて専用の操作ソフトウェアを作成する。前者は普通の液体クロマトグラフと連合して利用されるので、当該システムがクロマトグラフィシステムに協力して使用され、ソフトウェアが1種の設計であるが、後者は普通のクロマトグラフのソフトウェアを本特許設計の多次元クロマトグラフィシステムと整合して検討し、一括的設計ソフトウェアとして最終に普通のいかなるクロマトグラフワークステーションを含まないまったく新しいワークステーションとなる。
【0209】
前記のチャンネル切替え装置は次の通りに六方弁4-2、三方弁5-1、三方弁5-2、三方弁5-3及び三方弁5-4を切替えて異なるチャンネルを形成する。
【0210】
(A)普通の分離チャンネル:六方弁4-2を状態4-2bに切替え(ポート1がポート6、ポート2がポート3、ポート4がポート5と連通している)、三方弁5-1を状態5-lbに切替え(ポート1がポート3と連通している)、三方弁5-2を任意の状態に切替え、三方弁5-3を状態5-3aに切替え(ポート1がポート2と連通している)、三方弁5-4を状態5-4aに切替えて(ポート1がポート2と連通している)、相次ぎに移動相リザーバー、4元グラジエントユニット1-2、ポンプA(3)、クロマトグラフィのカラムユニット7/クロマトグラフユニット14、検出器13及びドレンロ17-1を連通する普通の分離チャンネルを形成する。
【0211】
一方、前記の普通の分離チャンネルのバルブ状態で、更にサンプル供給六方弁4-1をサンプル供給状態に切替え(ポート1がポート2、ポート3がポート4、ポート5がポート6と連通)、サンプルリングが本発明による2次元の液体クロマトグラフィーの分離システムのチャンネルに連通し、サンプル供給状態の普通の分離チャンネル(チャンネルA0)を形成するようにする。
【0212】
もう一方、前記の普通の分離チャンネルのバルブ状態で、更にサンプル供給六方弁4-1をサンプル非供給状態に切替え(ポート1がポート6、ポート2がポート3、ポート4がポート5と連通している)、サンプルリングが本発明による2次元の液体クロマトグラフィーの分離システムのチャンネルと連通しなく、サンプル非供給状態の普通の分離チャンネル(チャンネルA)を形成するようにする。
【0213】
(B)1次元目の分離チャンネル:六方弁4-2を状態4-2bに切替え(ポート1がポート6、ポート2がポート3、ポート4がポート5と連通している)、三方弁5-1を状態5-lbに切替え(ポート1がポート3と連通している)、三方弁5-2を状態5-2bに切替え(ポート1がポート3と連通している)、三方弁4-3を状態5-3aに切替え(ポート1がポート2と連通している)、三方弁5-4を状態5-4bに切替え(ポート1がポート3と連通している)、相次ぎに移動相リザーバー、4元グラジエントユニット1-2、ポンプA(3)、クロマトグラフィのカラムユニット7/クロマトグラフユニット14、検出器13、蓄積パイプ組10及びドレンロ17-2を連通するチャンネルを形成するようにする。
【0214】
一方、前記のチャンネルのバルブ状態で、更にサンプル供給六方弁4-1をサンプル供給状態に切替え(ポート1がポート2、ポート3がポート4、ポート5がポート6と連通している)、サンプルリングが本発明による2次元の液体クロマトグラフィーの分離システムのチャンネルに連通し、サンプル供給状態の1次元目の分離チャンネル(チャンネルB0)を形成するようにする。
【0215】
もう一方、前記のチャンネルのバルブ状態で、更にサンプル供給六方弁4-1をサンプル非供給状態に切替え(ポート1がポート6、ポート2がポート3、ポート4がポート5と連通している)、サンプルリングが本発明による2次元の液体クロマトグラフィーの分離システムのチャンネルと連通しなく、本発明による多次元の液体クロマトグラフィーの分離における1次元目の分離チャンネル(チャンネルB)を形成するようにする。
【0216】
(C)2次元目分離チャンネル:六方弁4-2を状態4-2aに切替え(ポート1がポート2、ポート3がポート4、ポート5がポート6と連通している)、三方弁5-1を状態5-laに切替え(ポート1がポート2と連通している)、三方弁5-2を状態5-2aに切替え(ポート1がポート2と連通している)、三方弁5-3を状態5-3bに切替え(ポート1がポート3と連通している)、三方弁5-4を状態5-4aに切替え(ポート1がポート2と連通している)、移動相リザーバー、4元グラジエントユニット1-1、ポンプA(3)、蓄積パイプ組10、混合機12、クロマトグラフィのカラムユニット7/クロマトグラフユニット14、検出器13及びドレンロ17-1が相次ぎに連通し、4元グラジエントユニット1-1、ポンプB(9)と混合機12が相次ぎに連通する2次元目分離チャンネルを形成するようにする。
【0217】
普通の場合、本発明による2次元の液体クロマトグラフィーの分離システムが2次元目分離チャンネルにある場合、六方弁4-2をサンプル非供給状態に切替え(ポート1がポート6、ポート2がポート3、ポート4がポート5と連通している)、本発明による中間分離産物を収集しない場合の2次元目分離チャンネル(チャンネルC)を形成するようにする。
【0218】
普通の液体クロマトグラフィーの分離(単次元液体クロマトグラフィーの分離)
【0219】
次のステップにより図2に示す本発明による2D-LC分離システムを操作する場合、タンパク質のサンプルの普通の液体クロマトグラフィーの分離(1次元の液体クロマトグラフィーの分離)に達成することができる。
【0220】
(1)本分野の技術者の公知により適当な成分の移動相を選択し、ポンプA(3)をONし、初期濃度、リニア・非リニアのグラジエント溶離モード、グラジエントの時間などを含む適当なグラジエント溶離条件を設置する。4元グラジエントユニット1-2により適当な流量で移動相リザーバーから適当な溶剤(例えば、それぞれ移動相リザーバー1及び移動相リザーバー2から溶剤1及び溶剤2を取出し、輸送する)を取出し、輸送し、分離装置がクロマトグラフィのカラムのいずれか又はクロマトグラフと連通している状態にあり、クロマトグラフィシステムが必要なバランスを行うようにする。
【0221】
(2)サンプル供給:サンプル供給六方弁4-1をサンプル非供給状態(普通、サンプル供給弁に「load」と表示する。この場合、サンプル供給弁のポート1がポート6、ポート2がポート3、ポート4がポート5と連通している)に設置し、サンプル供給六方弁4-1のポート5に混合タンパク質のサンプルを輸送し(例えば100μl)、サンプルがサンプルリングに収納されるようにする。次に、サンプル供給弁のハンドルを「inject」の表示に回し、サンプルがクロマトグラフィ分離装置に入るようにする。この場合、サンプル供給弁はチャンネルA0(サンプル供給の場合の普通の分離チャンネル)を形成する状態に設置される。それと同時に、当該MD-LCシステムの制御システムはグラジエント溶離システムに同期動作の指令を出す。それによりサンプル供給を完成する。
【0222】
(3)普通の液体クロマトグラフィーの分離:サンプル供給が完了してから、図2に示す本発明による2D-LCシステム分離システムを再びチャンネルA (サンプル非供給の場合の普通の分離チャンネル)に帰った状態に設置し、グラジエント溶離によりタンパク質のサンプルが当該クロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフで異なる保留期間のある各留分に分離し、検出器13で検出されるようにする。分離後のサンプルはドレンロ17-1を経てシステムから排出し収集される。
【0223】
具体的な実施案において、前記のステップ(1)におけるグラジエント溶離はリニア・グラジエント溶離である。
【0224】
具体的な実施案において、前記のステップ(1)におけるグラジエント溶離は非リニア・グラジエント溶離である。
【0225】
具体的な実施案において、前記のステップ(1)におけるグラジエント溶離は非同期のサンプル供給条件におけるリニア・グラジエント溶離である。
【0226】
分離を行う混合タンパク質の性質に応じて、本分野の技術者はとても容易に適当なクロマトグラフィのカラムの区分を選択でき、とても容易に液体クロマトグラフィーとしての分離における移動相の溶剤を選択できる。本分野の公知の方式により、本分野の技術者はとても容易にポンプA(3)により輸送される溶剤の流量を確定できる。
【0227】
2D-LC分離のプロセス
【0228】
次に、図2の液体クロマトグラフィーの分離システムを例にして本発明による液体クロマトグラフィーの分離システムにより2D-LC分離を実施する操作プロセスについて詳細に説明する。
【0229】
臨界移転時間tCMP及び臨界移転溶離剤の濃度CCMPの計算
【0230】
次に図1を例にしてtCMP及びCCMPの計算方法について説明する。図1Aにジフェニル(小分子有機物)、図1Bに炭酸脱水酵素(大分子のタンパク質)、図1Cにフィフティーンペプチド(GEPPPGKPADDAGLV)が非同期のサンプル供給条件(即ち、サンプル供給期間がグラジエント溶離時間と違う。図1で、次のサンプル供給期間は相次ぎに前回のサンプル供給より一分に遅い)におけるグラジエント溶離分離(その中の液体クロマトグラフィーの分離方法は普通の液体クロマトグラフィーの分離である)を示した。
【0231】
図1Eに炭酸脱水酵素の保留期間tRとサンプル供給期間tiとの関係曲線を示した。定量でCCMPを計算するために、ni回目のサンプル供給の場合の保留期間がtR,n、ni-1回目の次サンプル供給の場合の保留期間がtR,n-l、1回目からni回目のサンプル供給によるtR,1からtR,n-1までのn-1個tRの平均値がtRa、標準偏差が±2бである。平均値標準偏差>2бの場合、タンパク質がクロマトグラフィのカラムで顕著に移動したことを示す。前記の標準偏差によると、可確定タンパク質が顕著に移動した時刻がtR,n-lからtR,1にあり、即ち、図1Eの垂直矢印が指す2回のサンプル供給の区間にある。
【0232】
図1Eの垂直矢印右のデータポイントのフィッティングを行い、フィッティング用関数は次に示す。
【0233】
[式3]
tR=a+bti+cti2
その中、a、b、cはフィッティングされる常数であり、タンパク質自身の特性に関する。フィッティング後に式(4)となる。
【0234】
[式4]
tR = 0.1348 ti2 - 1.7985 ti + 32.652, R2 = 0.9993。 (4)
ここで、Rは、非線形相関係数を表す。
【0235】
tR=tRa+2бを式に代入すると、それによるtiは臨界移転時間tCMPとなる。
【0236】
次に、式(5)と式(6)によりそれぞれ臨界移転溶離剤の濃度CCMPを算出する。
【0237】
[式5]
CCMP=tCMP×tg
その中、tgはリニア・グラジエント勾配、即ち単位時間に溶離剤の濃度の変化率の事であり、下式により算出する。
【0238】
[式6]
tg=V%/tT
その中、V %はリニア・グラジエント溶離で体積分数で表される溶離剤の濃度の変化量、tTはV%の対応する当該リニア・グラジエント溶離の時間である。実のところ、2次元の分離のサンプル供給期間はtTより3〜5分に早い。これは当該具体的実例における炭酸脱水酵素にとって適当であるからである。
【0239】
操作プロセス
【0240】
(1)前記の方法によりタンパク質のサンプルで2次元目又は更に多くの次元の分離で保留される各種のタンパク質のCCMPを確定する。
【0241】
(2)適当な成分の移動相を選択し、ポンプA(3)をONし、初期濃度、リニア・非リニアのグラジエント溶離モード、グラジエントの時間などを含む適当なグラジエント溶離条件を設置する。4元グラジエントユニット1-2により適当な流量で移動相リザーバーから適当な溶剤を取出し、輸送し(例えばそれぞれ移動相リザーバー1及び移動相リザーバー2から溶剤1及び溶剤2を取出し、輸送する)、分離装置がクロマトグラフィのカラムのいずれか又はクロマトグラフと連通している状態にあり、クロマトグラフィシステムが必要なバランスを行うようにする。
【0242】
(3)1次元目の分離:サンプル供給六方弁4-1を「load」状態(ポート1がポート6、ポート2がポート3、ポート4がポート5と連通している)に設置し、サンプル供給六方弁4-1のポート5に混合タンパク質のサンプルを輸送し(例えばlOOμL)、サンプルがサンプルリングに収納されるようにする。次に、図1に示す本発明による2D-LC分離システムをチャンネルB0(サンプル供給の場合の1次元目の分離チャンネル) を形成する状態に設置し、ポンプA(3)をONし、4元グラジエントユニット1-2により適当な流量で移動相リザーバーから適当な溶剤を取出し、輸送し、サンプルリングに収納されたサンプルが本発明による2D-LC分離システムに入るようにする。次に図2に示す本発明による2D-LC分離システムをチャンネルB(サンプル非供給の場合の1次元目の分離チャンネル)を形成する状態に設置し、ポンプA(3)をONし、4元グラジエントユニット1-2により適当な流量で移動相リザーバーから1次元目液体クロマトグラフィーとしての分離の移動相の適当な溶剤(例えばそれぞれリザーバー1及びリザーバー2から溶剤1及び溶剤2を取出し、輸送する)を取出し、輸送し、多方弁6-1及び6-2により1次元目クロマトグラフィの分離に用いられるクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフが連通し、グラジエント溶離により混合タンパク質のサンプルが当該クロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフで異なる保留期間のある各留分に分離し、検出器13で検出されるようにする。
【0243】
(4)中間留分の収集及び貯蔵:2次元目の液体クロマトグラフィーの分離が必要である留分に対して、八方弁11-1及び八方弁11-2を切替えて蓄積パイプ10〜2から10-8までのいずれかが連通され、当該留分を収集し、当該蓄積装置に貯蔵するようにする。2次元目の液体クロマトグラフィーの分離が不要である留分に対して、八方弁11-1及び八方弁11-2を切替えて蓄積装置10-1が連通され、当該留分が蓄積装置10-1を経て検出器13を流れ、ドレンロ17-2(図に表示無し)を経てシステムから排出するようにする。すべての留分がある蓄積装置に貯蔵されたり、システムから排出されたりしてから、1次元目液体クロマトグラフィーの分離が完了する。
【0244】
(5)2次元目分離:次に図1に示す本発明による2D-LC分離システムをチャンネルC(2次元目分離チャンネル)を形成する状態に設置し、八方弁11-1及び八方弁11-2を切替えて1次元目液体クロマトグラフィーの分離により取得した中間留分を入れたすべての蓄積装置が連通されるようにし、多方弁6-1及び6-2を切替えて2次元目クロマトグラフィ分離に用いられるクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフが連通されるようにする。ポンプA(3)をONし、4元グラジエントユニット1-2により適当な流量で移動相リザーバーから適当な溶剤を取出し、輸送し(例えばリザーバー3から溶剤3を取出し、輸送する)、当該蓄積装置における中間留分が混合機12に流入するようにし、同時にポンプB(9)をONし、4元グラジエントユニット1-1により適当な流量で移動相リザーバーから2次元目の液体クロマトグラフィーとしての分離の移動相の適当な溶剤(例えばそれぞれリザーバー3及びリザーバー4から溶剤3及び溶剤4を取出し輸送する)を取出し輸送し、前記の中間留分と前記の移動相が混合して2次元目分離の供給サンプルの混合物を取得し、前記の供給サンプルの混合物サンプルを2次元目分離のクロマトグラフィのカラムに供給し、ポンプA(3)と4元グラジエントユニット1-2及びポンプB(9)と4元グラジエントユニット1-1の流量を調節して、当該供給サンプルの混合物における溶離剤の濃度Cが当該中間留分における2次元目分離で保留されるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より低くなり、これらのタンパク質が前記のクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフに保留されて、2次元目のサンプル供給が完成されるようにする。
【0245】
次に、グラジエント溶離により前記の供給サンプルの混合物が前記のクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフで異なる留分に分離し、検出器13で検出されるようにする。2次元目液体クロマトグラフィーに分離され、分離後のサンプルがドレンロ17-2を経てシステムから排出し、留分収集器15に収集される。
【0246】
このステップの操作を繰り返し、蓄積装置で2次元目液体クロマトグラフィーの分離が必要であるすべての中間留分が分離されるようにする。
【0247】
具体的な実施案において、前記のステップ(4)におけるグラジエント溶離はリニア・グラジエント溶離である。
【0248】
具体的な実施案において、前記のステップ(4)におけるグラジエント溶離は非リニア・グラジエント溶離である。
【0249】
分離を行う混合タンパク質の性質に応じて、本分野の技術者はとても容易に適当なクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフを選択して1次元目クロマトグラフィ分離及び2次元目クロマトグラフィ分離に用い、とても容易に1次元目クロマトグラフィ分離及び2次元目クロマトグラフィ分離における移動相溶剤を選択できる。
【0250】
緩衝液交換
【0251】
前記の2次元の液体クロマトグラフィーの分離のプロセスのステップ(4)における2次元目サンプル供給まで又はサンプル供給プロセスが完成してから、本発明による多次元の液体クロマトグラフィーの分離方法又は2D-LC分離方法は次のステップも含む。
【0252】
(1)緩衝液交換:2次元目分離に用いられる移動相を緩衝液(例えば移動相リザーバー3及び移動相リザーバー4における溶液3及び溶液4)にして、ポンプA(3)と/又はポンプB(9)により当該緩衝液を2次元目分離のクロマトグラフィのカラム又はクロマトグラフに輸送する。その中、前記の緩衝液における溶離剤の濃度が前記の中間留分で次の1次元の分離で保留される必要があるすべてのタンパク質の臨界移転溶離剤の濃度より高く又は低いので、少なくとも部分的に前記のクロマトグラフィのカラムにある元の一次元目分離の移動相(溶剤1及び溶剤2など) を置換する。
【0253】
(2)収集した前1次元の分離の行われた留分を移動相X (Xはその成分が既知であることを示すが、成分がタンパク質の区分に応じるものである)にすると、それを緩衝液と見なす。前記の相同方式のように、緩衝液の交換を行うと、2回目のサンプル供給が緩衝溶液の交換と同時に行われる。次に前記の中間留分に対して2次元目の分離を行う。
【0254】
(3)二次サンプル供給が完了してから、収集液蓄積装置から排出した移動相(例えば、溶液2)を溶液3又は4と適当な比例で混合し、2D-LC体系のリバランスに達成する。
【0255】
(4)クロマトグラフィのカラムは周期的に溶液ポンプA又はBにより貯蔵タンクから取出した溶液のいずれかのような強溶離剤で洗浄しなければいけない。
【0256】
更に多くの次元の液体クロマトグラフィーの分離システム
【0257】
前記の実施形態は図2に示す2D-LC分離システム及びその操作方法について説明したが、本分野の技術者はとても容易にそれを更に多くの次元の液体クロマトグラフィーの分離システムに拡張できる。
【0258】
図2の2D-LC分離システムと比べてみると、更に多くの次元の液体クロマトグラフィー分離システムは更に多くの移動相リザーバーを含むことができ、その輸液装置もそれにより更に多く輸液チャンネルがある。
【0259】
本分野の公知によると、本分野の技術者は図2の2D-LC分離システムのチャンネル切替え装置を適切に変更して、2次元目の分離が行われて取得した更なる分離が必要である留分がシステムから流出する代わりに中間留分として再び収集され、蓄積装置に貯蔵され、後継ぎの更に多くの次元の分離で前記の2次元目分離ステップと同じ方式により当該中間留分に対して更なる分離を行うことができる。
【0260】
次に図2の2次元の液体クロマトグラフィーの分離システムによりタンパク質のサンプルを分離する例を示す。
【実施例1】
【0261】
市販品のカラム奥嵐WCXカラムによりタンパク質の7種に対する2D-LC(WCXXHIC)分離
【0262】
前記の2次元の液体クロマトグラフィーの分離システム及び2次元の液体クロマトグラフィーの分離方法により、本実例はミオグロビンタンパク質(Myo)、リボヌクレアーゼ(RNase)、細胞色素c(Cyt-c)、α-ミ元タンパク質(α-Chy)、リゾチーム(Lys)、炭酸脱水酵素(Car)とα-アミラーゼ(α-Amy)は当該タンパク質の混合物から完全に分離する。その中、1次元目の分離で弱陽イオン交換(WCX)分離モード、2次元目の分離で疎水相互作用(HIC)分離モードを利用する。この実例で利用するクロマトグラフィのカラムは業務用Shim-packPΑ-CMのWCXクロマトグラフィのカラムであるが、実にWCX/HIC混合モードクロマトグラフィのカラム(150mm×7.9mm)であり、WCXモードの1次元目の分離でもHICモードの2次元目分離でも当該クロマトグラフィカラムを利用する。
【0263】
分離の結果は図3に示す。図に塩の濃度が時間に応じて変化する曲線も示す。前記の2D-LC分離のプロセスにより分離を行う。
【0264】
WCXモードの1次元目の分離で、ポンプ1によりWCXモード(図3の左(図3の左の3、4ピーク))に用いられる移動相の塩溶液を輸送し、グラジエント溶離を行って、Myo、RNase及びLys(図3左の1、2、5ピーク) が分離するようにするが、Car及びα-Amyを保留しなく(図3左の6、7ピーク)、Cyt-C及びα-Chyも完全に分離できない(図3左の3、4ピーク)。よって、1次元目の分離によりタンパク質Myo、RNase及びLysを取得し、Carとα-Amyを含む中間留分及びCyt-cとα-Chyを含む中間留分をそれぞれ蓄積装置の蓄積パイプ10-2と蓄積パイプ10-3に収集する。
【0265】
1次元目の分離が完了してから、塩の濃度を向上させ、前記の方法により二次サンプル供給及び緩衝液置換を行うと同時に、2次元目のHIC分離システムのリバランス(図3の塩濃度曲線のプラットホーム領域以内)を実施した。方法として、ポンプB(9)により混合機12にHICのA液を輸送し、ポンプA(3)とポンプB(9)における液体の流量を調節して混合された濃度がCyt-C及びα-Chyの臨界移転溶離剤の濃度CCMP以内にあるようにする(当該CCMPの正確な数値は図1に示す普通の液体クロマトグラム分析により事前に取得した)。当該二次サンプル供給、緩衝液置換及び2次元目分離システムのリバランスの後に、中間留分Cyt-C及びα-Chyの全部は当該同クロマトグラフィのカラムの1本に保留される。次にグラジエント溶離によりHICモードにおける更に次のクロマトグラフィ次元分離を行い、Cyt-C及びα-Chyが分離された(図3におけるピーク3’と4’)。
【0266】
前記の方式によりCarとα-Amyを含む中間留分を再びサンプル供給、緩衝液交換、3回目のシステムリバランスを行う(2回目のHIC分離)。方式として、ポンプB(9)により混合機12にHICのA液を輸送し、ポンプA(3)とポンプB(9)における液体の流量を調節して混合された溶離剤の濃度がCarとα-Amyの臨界移転溶離剤の濃度CCMPにあるようにする(当該CCMPは普通の液体クロマトグラフィー分析により事前に取得した)。当該前記の三個過程が完成してから、中間留分におけるCarとα-Amyの全部はクロマトグラフィのカラムに保留された。次にグラジエント溶離によりHICモードにおけるクロマトグラフィ分離を行い、Carとα-Amyが分離された(図3におけるピーク6’と7’)。
【0267】
前記の通りに、本発明による液体クロマトグラフィーの分離システムにより80分までに前記の7種のタンパク質の完全な分離を完成した。
【0268】
この実例におけるクロマトグラフィのカラム、移動相及びクロマトグラフィ条件は下記に示す。
【0269】
クロマトグラフィのカラム:[西安奥嵐科技開発公司製WCXカラム、100mm×4.6mm);
【0270】
HIC移動相:A液20mmol/LKH2P04+3.0mol/L(NH4)2S04(pH=6.5)、B液:20mmol/LKH2P04(pH=6.5)
【0271】
WCX移動相:A液10mmol/LKH2P04(pH:6.5)、B液:10mmol/LKH2P04+1mol/LNaCl(pH=6.5);
【0272】
クロマトグラフィ条件
0〜15分:100%Α-80%A(20%B)、2.0ml/min
15〜20分:80%A(20%B)-50%A(50%B)
20〜25分:50%A(50%B)
25〜28分:100%C、4.0ml/min
28〜33分:100%C、1.0ml/min+混合ポンプ:100%C,3.0ml/min
33〜53分:100%C-100%D、2.0ml/min
53〜56分:100%C、4.0ml/min
56〜61分:100%C、1.0ml/min+混合ポンプ:100%C、3.0ml/min
61〜81分:100%C-100%D、2.0ml/min
81分から完了まで:100%D。
【実施例2】
【0273】
市販品のShim-packPΑ-CMのWCXカラム及び市販品のTSKgelG4000SWXLSECカラムにより3次元(多次元)3D-LC(WCX×HIC×SEC)を実施してα-ミ元タンパク質(α-Chy)とトリプシン(Try)に対して同時に純化と脱塩を行う。(G4000SWXL)
【0274】
前記の2D-LC分離システム及び2D-LC分離方法により、本実例は普通の方法により調製し油分が除かれたウシ膵臓の抽出液から同時にα-ChyとTryを抽出してから分離によるタンパク質に対してそれぞれ脱塩を行う。その中、1次元目の分離ではWCXモード、2次元目分離ではHICモードを利用した。2次元流出液の体積が大きく、流出液で目標タンパク質の濃度が時間に応じて変わり、1回に完全にサンプルをSECカラムに供給できないので、それを楕円形の蓄積パイプに収集し、発振器による攪拌に応じて流出液が均一に混合してから、数回でサンプルを3次元目に供給してSECモードにより脱塩をしなければいけない。分離の結果は図4に示す。図に塩の濃度が時間に応じて変化する曲線も示した。前記の2D-LC分離のプロセスにより分離を行う。
【0275】
WCXモードの1次元目の分離で、ポンプA(3)によりWCXモードの移動相に用いられる塩溶液を輸送し、グラジエント溶離を行い、α-ChyとTryタンパク質が大体に分離するようにする(図4におけるピーク1、2)。しかしながら、大体に分離された純度は要求に達することができない。よって、大体に分離されたα-ChyとTryタンパク質を含む中間留分をそれぞれ蓄積装置の蓄積パイプ10-2と蓄積パイプ10-3に収集する。
【0276】
1次元目の分離が完了してから、前記の方法によりTry(l)とα-Chy(2)タンパク質を含む中間留分を( (図4のクロマトグラフィピークTry(l)とα-Chy(2))それぞれ蓄積装置内の2つに収集する。前記の方法により二次サンプル供給α-Chy(2)と緩衝液置換を行うと同時に、2次元目のHIC分離システムのリバランス(図4の中央に示す塩濃度曲線のプラットホーム領域分)を実施した。方法として、ポンプB(9)により混合機12にHIC分離モードに用いられるA液を輸送し、ポンプA(3)とポンプB(9)における液体の流量を調節して混合された濃度がα-Chyの臨界移転溶離剤の濃度CCMP以内にあるようにする (当該CCMPの正確な数値は図1に示す普通の液体クロマトグラフィー分析により事前に取得した)。当該二次サンプル供給、緩衝液置換及び2次元目分離システムのリバランスの後に、中間留分α-Chyの全部は当該同クロマトグラフィのカラムの1本に保留される。次にグラジエント溶離によりHIC分離モードにおける更に次のクロマトグラフィ次元の分離を行って純化後のα-Chy(2’)を取得するようにする。
【0277】
前記の方法により2回にサンプル供給Try(l)と緩衝液置換を行うと同時に、次の1次元の2回目のHIC分離システムのリバランスを実施した(図4の右に示す塩濃度曲線のプラットホーム領域以内)。方法として、ポンプB(9)により混合機12にHIC分離モードに用いられるA液を輸送し、ポンプA(3)及びポンプB(9)における液体の流量を調節して混合された濃度がTry(l)の臨界移転溶離剤の濃度CCMP以内にあるようにする(当該CCMPの正確な数値は図1に示す普通の液体クロマトグラフィー分析により事前に取得した)。当該二次サンプル供給、緩衝液置換及び2次元目分離システムのリバランスの後に、中間留分Try(l)の全部は当該同クロマトグラフィのカラムの1本に保留される。次にグラジエント溶離によりHICモードにおける更に次のクロマトグラフィ次元の分離を行って純化後のTry(1’)を取得するようにする。
【0278】
2次元クロマトグラフィ純化の行われたα-ChyとTryをそれぞれ楕円形の蓄積パイプに収集し、5分間振動して収集したサンプルを均一に混合してからそれぞれサンプルを市販品のTSKgelG4000SWx1SECカラムに供給して脱塩を行う。
【0279】
前記の通りに、本発明による液体クロマトグラフィーの分離システムにより70分までにα-ChyとTryタンパク質の分離と純化を完成し、純度がそれぞれ82%と95%、総質量回収率がそれぞれ85.0%と83.5%、活性回収率がそれぞれ59.4%と76.5%に達したものである。オンラインによる収集、貯蔵、サンプル再供給及び脱塩であるので、普通のオフライン脱塩後の質量と活性回収率の50〜70%と比べてみると、脱塩の後に、当該二タンパク質の質量及び活性回収率が80〜90%までに向上した。
【0280】
分離で非リニア・グラジエント溶離モードを利用する。その中に用いられるクロマトグラフィのカラム、移動相及びクロマトグラフィ条件は下記に示す。
【0281】
WCXクロマトグラフィのカラム:市販品のShim-packPΑ-CM(100mm×7.5mmI.D)
【0282】
WCX用移動相:A液が0.02Mであるトリスバッファー(Tris-HCl、pH6.5)、B液が0.02MであるTris-HCl+1.0Mの塩化ナトリウム(pH6.5)
【0283】
HIC用移動相:C液は3.0Mの硫酸アンモニウム+0.05Mのリン酸二水素カリウム(PBS、pH7.0)からなり、D液が0.02MであるPBS(pH7.0)。
【0284】
SECクロマトグラフィのカラム:TSK-GELG4000SWXL(300×7.8mm,I.D.移動相:0.02mol/LNaCl溶液。流速:l.Oml/min,
【0285】
グラジエント溶離条件:
0〜20分:100%Α-50%A(50%B)、1.0ml/min
20〜25分:50%C(50%D)、3.0ml/min
25-30分:50%C(50%D),1.0ml/min+100%C,1.0ml/min
30-40分:50%C(50%D)-100%D、l.Oml/min
40-45分:50%C(50%D)、3.0ml/min
45-50分:50%C(50%D)、1.0ml/min+100%C,1.0ml/min
50-60分:50%C(50%D)-100%D、1.0ml/min
60-65分:100%D完了。
【0286】
サンプル供給量:α-Chy10(μL,Trypsin20(μL,Trypsin及びα-Chyのタンパク質濃度は共に10mg/mLである)。
【実施例3】
【0287】
オンラインシングル・カラムの2次元の液体クロマトグラフィーのカラム(2D(WCX,HIC)快速純化ウシ膵臓における細胞色素c
【0288】
ウシ膵臓から細胞色素cを粗抽出:新鮮なウシ膵臓から油脂及び結合組織を除き、洗浄してから迅速に-20℃の冷蔵庫に入れて保存する。冷凍ウシ膵臓を取出して薄く切ってから肉挽き機で砕き、2倍体積の硫酸で酸化(pH=4)された水を入れて攪拌して抽出する。3時間ごとにlmo/LのH2S04でpHを1回に調節し、pHが3.5〜4.0に安定であるようにし、低温(4℃)で攪拌し、12時間以上に抽出する。1.0mol/LのNH4OHでpHを6.5に調節し、ガーゼの4層で押してろ過し、ろ過液を収集し、4℃で置く。最後に、回転数10,000rpmで20分に回転させ、収集した上澄み液が細胞色素cの粗製抽出物となる。すべての操作は4℃で行い、ろ過液は-20℃条件で保存しておく。
【0289】
この実例に用いられるクロマトグラフィ方法:図5の通りに、1次元目クロマトグラフィ分離で、移動相の流速1.0ml/min及び0〜1.0mol/LのNaClのリニア・グラジエント溶離の溶離条件で、5.5〜10.5分の区間に、オンラインでCytcを含んだ1次オリジナルサンプルを定量リングに収集して保存する。次に、2.5ml/minの速い流速を利用して、3.0mol/Lの硫酸アンモニウムにより快速にクロマトグラフィシステムを10分にバランスとなるようにして、同じ方法で実例3に示す1次元及び2次元のクロマトグラフィ分離操作を行う。続いて、流速1.0ml/minで1次元収集液を蓄積リングから排出すると同時に、Bポンプから輸送され、流速2.0ml/minで送り出される3.0mol/L溶液とクロマトグラフの混合機で混合する。それにより元の1次元目収集液のきわめて低い塩濃度を2.0mol/Lに向上させて、当該相同2D(WCX,HIC)カラムでHIC分離モードで十分に強い保留力を持たせるようにする。当該プロセスは7.0分までに完成できる。最後、保留したタンパク質に対して3.0mol/L硫酸アンモニウムでリニア・グラジエント溶離を10分に行い、43.5〜46.5分間の留分を収集する。
【0290】
この実例に用いられるクロマトグラフィのカラム、移動相及びクロマトグラフィ条件は下記に示す。
【0291】
西安奥嵐-2D(WCX,HIC)クロマトグラフィのカラム(シリコーン基質、顆粒直径、5pm,孔径30nm;50mmX4.6mmI.D)。
【0292】
IECモード:溶液1、20mmol/LKH2P04(pH=6.5)、溶液2、20mmol/LKH2P04+1mol/LNaCl(pH=6.5)
【0293】
HICモード:溶液3、20mmol/LKH2P04+3.0mol/L(NH4)2S04(pH=6.5)、溶液4、20mmol/LKH2PO4(pH=6.5)。
【0294】
非リニア・グラジエント溶離モード(図5における点線で示す):
0〜20分:100%溶液1、0-100%、溶液2、流速1.0ml/min
20〜30分:100%溶液3、流速2.5ml/min
30〜37分:Aポンプ100%、溶液3、1.0ml/min+Bポンプ100%溶液3、2.0ml/min37-47分:100%溶液3-100%溶液4、流速1.0ml/min
47〜52分:100%D。
【0295】
それぞれWCXとHICを経た1次元、2次元の分離、収集したウシ膵臓の抽出液におけるCytcサンプルを処理して、純度に関するスキャニングをした後各電気泳動における目標タンパク質Cytcの純度は表1に示す。
【0296】
IEC×HIC2次元の液体クロマトグラフィーの分離の結果を検査するために、反対相の液体クロマトグラフィーでIEC-HIC2次元の液体クロマトグラフィーが収集したCytcの純度を測定し、純度に関するRPLCクロマトグラフィ分析を行った。計算によると、純度が97%以上である。
【符号の説明】
【0297】
1、4元グラジエントユニット
2、移動相リザーバー
2-1、溶液1
2-2、溶液2
2-3、溶液3
2-4、溶液4
3、ポンプA
4、六方弁ユニット:サンプル供給六方弁の1つ及び六方弁の1つを含む。
4-1、サンプル供給六方弁4-1、サンプル供給(オリジナルサンプル)装置No.1である。
4-2、六方弁4-2、当該六方弁4-2と関係のバルブ及び混合機12と共にサンプル供給装置No.2を構成する。
5、三方弁
5-1、三方弁5-1
5-2、三方弁5-2
5-3、三方弁5-3
5-4、三方弁5-4
6、多方弁ユニット:多方弁の2つを含む。
6-1、多方弁
6-2、多方弁が流体をクロマトグラフィのカラムに導入する
7、クロマトグラフィのカラムユニット
8、低温恒温制御箱(滅菌装置を含む)
9、ポンプB
10、蓄積装置
10-1、蓄積装置10-1
10-2、蓄積装置10-2
10-3、蓄積装置10-3
10-4、蓄積装置10-4
10-5、蓄積装置10-5
10-6、蓄積装置10-6
10-7、蓄積装置10-7
10-8、蓄積装置10-8
11、多方弁ユニット: 八方弁の2つを含む。
11-1、八方弁1
11-2、八方弁2
12、混合機
13、検出器
14、クロマトグラフ
15、留分収集器
16、ワークステーション
17-1、メインドレンロ
17-2、2次オリジナルサンプル供給の場合の廃棄液体ドレンロ
17-3、大規模タンパク質純化の場合のドレンロ
18、発振器
19、並列分流管
図で、太い実線は管路、細い実線はデータ回線を示す。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3
図4
図5