【実施例7】
【0154】
次に、
図19を参照して、
図8〜
図11に示した本発明の第2の実施形態に係る開き戸駆動装置100Aに使用される緩衝装置の第7の実施例について説明する。
【0155】
図19において、(A)および(B)は、それぞれ、第7の実施例に係る緩衝装置20Eの内部構成を示す正面断面図および右側面断面図である。
【0156】
図8〜
図11に示した本発明の第2の実施形態に係る開き戸駆動装置100Aに使用される緩衝装置では、ロッド17Aがシリンダ14の右板14Rと左板14Lとを貫通しているので、シリンダ14内でピストン17が左右方向Yに移動しても、シリンダ14内のロッド17Aの容積は一定である。そのため、シリンダ14内に収容された流体の容積が変動することはない。
【0157】
これに対して、
図19に示された第7の実施例に係る緩衝装置20Eでは、ロッド17Bの先端がピストン17の左壁に結合されており、ロッド17Bは、シリンダ14の左板14Lのみを貫通している。このような構造では、ピストン17の移動により、シリンダ14内のロッド17Bの長さが変化するので、シリンダ14内に収容された流体の容積も変化する。
【0158】
そのため、第7の実施例に係る緩衝装置20Eは、シリンダ14の一部に流体溜め18を更に備えている。
【0159】
一方、
図19に示すような第7の実施例に係る緩衝装置20Eでは、ロッド17Bとシリンダ14との間に設けられたシール(図示せず)には、圧力がかからない。そのため、シールの構造を簡略化でき、寿命を容易に延伸することができる。
【0160】
流体溜め18は、シリンダ14内のロッド17Bの長さが最長のときに流体溜め18から流体があふれず、シリンダ14内のロッド17Bの長さが最短ときに流体溜め18が空にならない容積が必要である。
【0161】
流体溜め18には、流体圧を逃がすための解圧孔18aが設けられている。この解圧孔18aは、流体溜め18に流入する流体の容積が変化することで、ピストン14の第2の部屋16の流体圧が変化するのを防ぐためのものである。
【0162】
尚、解圧孔18aを用いずに、第2の部屋16の流体圧の変化を弾性体の伸縮力に付加する形で利用しても良い。
【0163】
また、
図19に示す緩衝装置20Eでは、流体溜め18がシリンダ14とは別部材の構成になっているが、シリンダ14の一部上方に膨らみを持たせて、その膨らんだ部分を流体溜めとして使用しても良い。
【0164】
[変形例3]
次に、
図20を参照して、本発明の第3の変形例に係る開き戸駆動装置100Dについて説明する。
図20は、開き戸200が閉じた状態における、開き戸駆動装置100Dの内部構成を示す底面断面図である。
【0165】
図示の開き戸駆動装置100Dは、第1の可動部材4の移動範囲が変更されている点を除いて、
図4(A)に示した開き戸駆動装置100と同様の構成を有し動作をする。
【0166】
すなわち、開き戸駆動装置100Dでは、回転軸(モータ軸)2の長さを、
図4(A)に示した開き戸駆動装置100の回転軸(モータ軸)2よりも長くすると共に、モータ1を、
図4(A)に示した開き戸駆動装置100のモータ1よりも、右側に配置している。
【0167】
図4(A)に示すように、第1の実施形態に係る開き戸駆動装置100では、開き戸200が閉まりきったときに、第1の弾性体5と第2の弾性体6とが釣り合った状態となっている。そのため、次のような理由で、開き戸200が十分に閉まりきらないことが起こりうる。
【0168】
詳述すると、一般的に、開き戸200は、閉まりきる直前に動作抵抗が大きるなることが多い。その原因としては、開き戸200とドアフレーム210との間の摩擦や、窓などが開いていた場合などで、屋内に入った風が開き戸200を開く方向に流れる場合がある。
【0169】
このような問題を解決するために、
図20に示した開き戸駆動装置200Dでは、第2の弾性体6に、開き戸200の閉め方向の応力(閉め付勢力)の残す(保つ)ようにしている。
【0170】
すなわち、
図20に示されるように、第2の弾性体6は、開き戸200が閉まりきったときでも、第2の弾性体6に蓄積された弾性エネルギーを利用して、開き戸200を閉め方向へ閉め付勢力を保っている。
【0171】
したがって、
図20に示す状態は、第1の弾性体5と第2の弾性体6は釣り合っていないが、第2の可動部材7は、開き戸200が閉まったことで、その動作を停止した状態を表している。
【0172】
換言すれば、動力源であるモータ1により移動する第1の可動部材4の移動範囲を、第2の可動部材7の移動範囲より大きくすることで、開き戸200が閉まりきる直前でも、モータ1の駆動力を保つことが出来る。
【0173】
尚、
図20は、開き戸200が閉まる場合の例を示しているが、開き戸200が開く場合も同様にすることが可能である。
【0174】
すなわち、図示はしないが、第1の可動部材4の移動範囲を、開き戸200が開いてストッパ(図示せず)に当たる範囲よりも大きくすればよい。
【0175】
この場合、第1の弾性体5は、開き戸200が開ききったときでも、第1の弾性体5に蓄積された弾性エネルギーを利用して、開き戸200を開き方向へ付勢する開き付勢力を保っている。
【0176】
このような構成を採用することにより、開き戸200が開ききったときに、風などの影響で、開き戸200が容易に動いてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0177】
このような第3の変形例に係る開き戸駆動装置100Dでも、前述した第1の実施形態に係る開き戸駆動装置100と同様の効果を奏することは明らかである。
【0178】
[実施形態3]
図21を参照して、本発明の第3の実施形態に係る開き戸駆動装置100Eについて詳細に説明する。
【0179】
図示の開き戸駆動装置100Eは、蓄積手段としてゼンマイバネを使用した例である。図示の開き戸駆動装置100Eは、駆動機器(動力源)であるモータ31の駆動力を使用して開き戸200(
図1参照)を駆動する装置である。
【0180】
図21において、(A)は開き戸駆動装置100Eの内部構成を示す縦断面図であり、(B)は開き戸駆動装置100Eに使用される緩衝装置(緩衝部材)40を示す上面図断面図である。
【0181】
開き戸駆動装置100Eは、直方体形状の筐体100Eaで囲まれている。開き戸駆動装置100Eは、動力源(駆動機器)であるモータ31を備える。モータ31は、筐体100Ea内の上部に配置されている。モータ31に印加する電圧の極性を反転させることにより、モータ31は正転も反転もする。モータ31は、モータ本体31aから下方へ延出する回転軸31bを持つ。このモータ31の回転軸31bには減速ギヤ32が噛み合っている。したがって、減速ギヤ32の中心軸(回転軸)は、上下方向Zへ延在している。モータ31には、それに電圧を印加するための電線33が接続されている。
【0182】
開き戸駆動装置100Eは、第1の可動部材34を備える。第1の可動部材34は、減速ギヤ32に嵌合されている。したがって、減速ギヤ32が回転すると、その減速ギヤ32の回転とともに、第1の可動部材34も回転する。
【0183】
第1の可動部材34は、中空の軸部341と、上円板342と、円筒部343と、下円板344とを有する。中空の軸部341は、ギヤ32に嵌合されて、ギヤ32の回転軸と同軸に上下方向Zに延在している。上円板342は、中空の軸部341の下端に設けられて、半径方向外側へ延在している。円筒部343は、上円板342の外周端から下方向へ延在している。下円板344は、円筒部343の下端に設けられて、半径方向内側へ延在している。下円板344は、中央に開口344aを持つ。
【0184】
なお、上円板342は第1の円板とも呼ばれ、下円板344は第2の円板とも呼ばれる。
【0185】
本例では、第1の可動部材34は、中空の軸部341と、上円板(第1の円板)342と、円筒部343と、下円板(第2の円板)344とから成るが、下円板(第2の円板)344を省いてもよい。換言すれば、第1の可動部材は、中空の軸部341と、上円板(第1の円板)342と、円筒部343と、のみから構成されてもよい。
【0186】
第1の可動部材34の中空の軸部341には、第2の可動部材37が摺動自在に嵌めこまれている。第2の可動部材37は、円柱形状をしており、減速ギヤ32の回転軸と同軸に、上下方向Zに延在している。すなわち、第2の可動部材37は、第1の可動部材34の中空の軸部341から下方へ延在している。第2の可動部材37は、第1の可動部材34の下円板344の開口344aを、隙間を空けて、貫通している。
【0187】
第1の可動部材34の円筒部343の内壁と、第2の可動部材37との間には、ゼンマイバネ35が設けられている。詳述すると、ゼンマイバネ35の太端部は、第1の可動部材34の円筒部343の内壁に接合されており、ゼンマイバネ35の細端部は、第2の可動部材37に接合されている。
【0188】
したがって、第1の可動部材34が回転すると、その回転に同期して、ゼンマイバネ35の太端部も回転する。このように、ゼンマイバネ35は、第1の可動部材34の回転によって伸縮する弾性体から成る。換言すれば、ゼンマイバネ35は、第1の可動部材34の回転(移動)に伴う第1の機械エネルギーを弾性エネルギーに変換して、その弾性エネルギーを一時的に蓄積する蓄積手段として働く。
【0189】
第2の可動部材37は、ゼンマイバネ35に蓄積された弾性エネルギーを第2の機械エネルギーに変換して回転(移動)される。
【0190】
図示の例では、第2の可動部材37は、開き戸200の駆動軸11を兼ねている。負荷の無いときには、第2の可動部材37は、第1の可動部材34とともに回転する。
【0191】
駆動軸11を兼ねた第2の可動部材37の下端部には、アーム110が強固に結合されている。アーム110は、駆動軸11の軸方向(上下方向Z)と直交する水平方向へ延在している。アーム110は、駆動軸11の回転とともに回転(旋回)し、開き戸200(
図1)の開閉動作を行う。
【0192】
したがって、駆動軸11とアーム110との組み合わせは、第2の可動部材37の移動(回転)に応答して、開き戸200を駆動する駆動部材として働く。
【0193】
開き戸駆動装置100Eは、第2の可動部材37の回転を抑制する緩衝装置40を更に備える。緩衝装置40は、ベース(図示せず)に固定されている。
【0194】
図21(B)に示されるように、緩衝装置40は、半円筒状の密閉空間を持つ筒部44と、この筒部44内に配置された羽根47とから成る。筒部44の中央部を、第2の可動部材37が貫通している。羽根47は、筒部44の内部で、第2の可動部材37に取り付けられている。したがって、第2の可動部材37の回転と共に、羽根47は、筒部44の内壁に沿って摺動しつつ回転する。
【0195】
本例では、筒部44は、半筒状の形状をしているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、筒部44の形状は、羽根47が回転移動する範囲を制限しないような形状であればよい。
【0196】
筒部44の密閉空間は、粘性のある流体で満たされている。筒部44の密閉空間は、羽根47により第1の部屋45と第2の部屋46とに隔てられている。羽根47には、第1の部屋45と第2の部屋46とを連通する流体通路47aが明けられている。
【0197】
したがって、このような構造の緩衝装置40は、開き戸200の急激な動きを抑えることができる。
【0198】
開き戸駆動装置100Eは、第1の可動部材34の回転範囲を制限する第1および第2のリミットスイッチ12、13をさらに備える。第1の可動部材34の上円板342は、半径方向外側へ突出する突起342aを持つ。第1および第2のリミットスイッチ12、13は、この突起342aが接触する位置に設けられている。突起342aが接触すると、第1および第2のリミットスイッチ12、13が切れる。切れたことに応答して、コントローラ(図示せず)は、モータ31の回転を停止する。それにより、第1の可動部材34の回転範囲を制限することができる。
【0199】
次に、
図21に示した開き戸駆動装置100Eの動作について説明する。
図21の状態では、開き戸200は閉じた状態にあるとする。また、説明の都合上、回転方向は、上下方向Zの上面からみた方向をいうものとする。
【0200】
図21(A)の状態において、第1の可動部材34の突起342aが第1のリミットスイッチ12に接触しており、第1のリミットスイッチ12が切れている。
【0201】
この状態において、外部から開指令がコントローラ(図示せず)に入力されたとする。この開指令に応答して、コントローラは、動力源であるモータ31を、矢印B1で示されるように時計回りに回転するように、駆動制御する。
【0202】
このモータ31の時計回りの回転は、減速ギヤ32によって減速され、減速ギヤ32は、反時計回りに回転する。この減速ギヤ32の反時計回りの回転により、第1の可動部材34も反時計回りに回転する。
【0203】
第1の可動部材34が反時計回りに一定角度回転したところで、第1の可動部材34の突起342aが第2のリミットスイッチ13に接触して、第2のリミットスイッチ13が動作する(切れる)。この第1のリミットスイッチ13の動作(切れたこと)に応答して、コントローラは、モータ31の回転を停止するように制御する。これにより、第1の可動部材34は反時計回りの回転を停止する。
【0204】
前述したように、第1の可動部材34の円筒部343の内壁にはゼンマイバネ35の太端部が接合されている。したがって、第1の可動部材34の反時計回りの回転(移動)に伴う第1の機械エネルギーは、ゼンマイバネ35において弾性エネルギーに変換されて、ゼンマイバネ35にその弾性エネルギーが一時的に蓄積される。換言すれば、第1の可動部材34の反時計回りの回転により、ゼンマイバネ35には、反時計回りの回転の応力(付勢力)が発生する(蓄えられる)。
【0205】
ゼンマイバネ35の細端部には、第2の可動部材37が接合されている。よって、ゼンマイバネ35は、それに蓄積された弾性エネルギーを第2の機械エネルギーに変換して、第2の可動部材37を、矢印A1で示させるように、反時計回りに回転させる。この第2の可動部材37(駆動軸11)の反時計回りの回転は、アーム110を反時計回りに旋回させるので、開き戸200が開く。
【0206】
このように、開き戸駆動装置100Eでは、駆動機器31の駆動力を遅延させて(非同期に)開き戸200へ伝達して、開き戸200を駆動している。
【0207】
また、第2の可動部材37には緩衝部材(緩衝装置)40が取り付けられている。第2の可動部材37の反時計回りの回転より、筒部44内の粘性のある流体が満たされた第1の部屋45と第2の部屋46との容積を変える力が働く。
【0208】
筒部44内で、第1の部屋45と第2の部屋46とを隔てる羽根47には流体通路47aが明けられている。したがって、流体抵抗により羽根47は、第2の可動部材37の回りを徐々に反時計回りに回転するので、第2の可動部材37(駆動軸11)も、矢印A1で示されるように、徐々に反時計回りに回転する。その結果、第2の可動部材37(駆動軸11)に取り付けられているアーム110も、反時計回りに旋回して、開き戸200を押し、開き戸200が徐々に開く。
【0209】
開き戸200の開く速さは、流体通路47aの形状(直径や長さなど)と筒部44に封入された流体の粘性とによって決まる。これらを調整することにより、開き戸200の開く速さを適度な速さに設定することができる。これは、
図8〜
図11に図示した、第2の実施形態に係る開き戸駆動装置100Aにおいても同じである。
【0210】
図示の例では、流体通路47aを羽根47に設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図15、
図16のように、流体通路を緩衝装置40の筒部44に設けても良い。或いは、
図17のように、羽根47に複数の流体通路と複数の不可逆弁とを設けて、閉め方向と開き方向とで開き戸200の移動速度を変えるようにしても良い。更に、
図18のように、緩衝装置40の筒部44の一部に第2の流体通路を設けて、開き戸200の位置により開き戸200の移動速度が変わるようにしても良いことは言うまでも無い。
【0211】
次に、本発明の第3の実施形態に係る開き戸駆動装置100Eの効果について説明する。すなわち、本発明の第3の実施形態によれば、上述した第2の実施形態の効果1)〜4)と同様の効果を奏する。
【0212】
図22は、モータ1(モータ31)を駆動制御するコントローラ300の一例を示す回路図である。
【0213】
図示のコントローラ300は、開動作スイッチ301と、電磁継電器(リレー)とから成る。電磁継電器(リレー)は、コイル部310と、接点部320とから成る。
【0214】
図22は、開動作スイッチ301が「閉」側にあって、開き戸200が閉じている状態を示している。したがって、閉め方向リミットスイッチである第1のリミットスイッチ12が切れており、開き方向リミットスイッチである第2のリミットスイッチ13が閉じている状態を示している。
【0215】
この状態において、開動作スイッチ301を「閉」から「開」に切換えると、コイル部310に電流が流れ、その結果、接点部320が切り替わる。これにより、電源からモータ1(モータ31)に電流が供給され、モータ1(モータ31)が駆動される。
【0216】
[実施形態4]
図23及び
図24を参照して、本発明の第4の実施形態に係る開き戸駆動装置100Fについて詳細に説明する。
【0217】
開き戸駆動装置100Fの外観は、
図1〜
図3に図示した開き戸駆動装置100と同様の構成をしている。
【0218】
図示の開き戸駆動装置100Fは、閉扉検出リミットスイッチ51と、再動作リミットスイッチ52とを更に備えている点を除いて、
図4〜
図7に示した開き戸駆動装置100と同様の構成を有し、動作をする。したがって、以下では、開き戸駆動装置100と同様の機能を有するものには同一の参照符号を付し、説明の簡略化のために、それらの説明については割愛する。
【0219】
図23は、開き戸200が閉じる直前の状態における、開き戸駆動装置100Fの内部構成を示す底面断面図である。
図24は、開き戸200が完全に閉じた状態における、開き戸駆動装置100Fの内部構成を示す底面断面図である。
【0220】
閉扉検出リミットスイッチ51は、開き戸200が閉じたことを感知するスイッチである。再動作リミットスイッチ52は、開き戸200の再動作の移動量を制限するスイッチである。
【0221】
図示の例では、閉扉検出リミットスイッチ51は、開き戸200が閉じる直前に、第2の可動部材7の延在部7Eと接触する位置で、ベース8に設けられている。再動作リミットスイッチ52は、第1のリミットスイッチ12よりも更に右側で、ベース8に設けられている。
【0222】
また、開き戸駆動装置100Fでは、回転軸(モータ軸)2の長さが、
図4(A)に示した開き戸駆動装置100の回転軸(モータ軸)2の長さよりも長くなっている。
【0223】
以下、
図4〜
図7に示した第1の実施形態に係る開き戸駆動装置100と、
図23及び
図24に示した第4の実施形態に係る開き戸駆動装置100Fとを比較しつつ説明する。
【0224】
第1の実施形態に係る開き戸駆動装置100においては、
図4に示すような、開き戸200が閉じた状態において、第1および第2の弾性体(コイルバネ)5および6には、圧縮力が加わっていない。換言すれば、第1および第2の弾性体(コイルバネ)5および6には、弾性エネルギーが蓄えられていない。その結果、開き戸200は比較的自由に動くことが可能な状態になっている。
【0225】
しかしながら、一般に、開き戸200は、それが閉じた状態の付近において、駆動力が必要となることが多い。その理由は次の通りである。
【0226】
開き戸200を閉じようとした際、開き戸200の立て付けによっては、開き戸200とドアフレーム210(
図1参照)とが擦れることがある。また、埃や砂などによって、開き戸200とドアフレーム210との間に摩擦が発生し、開き戸200のスムーズな動きに支障が出ることもある。さらに、家の窓が開いていたりすると、風向きによっては、開き戸200が閉まろうとするのを妨げるような力が開き戸200に作用する場合もある。
【0227】
そこで、
図23及び
図24に示した第4の実施形態に係る開き戸駆動装置100Fは、このような問題点を解決しようとしてなされたものである。すなわち、開き戸200が閉じた状態に近くなったことを、閉扉検出リミットスイッチ51で検知し、その検知信号に応答して、再度、モータ1を作動させる。これにより、閉め方向の力を開き戸200に加えることによって、安定して開き戸200の開閉動作を図っている。
【0228】
なお、
図20に示した第3の変形例に係る開き戸駆動装置100Dにおいても、本第4の実施形態に係る開き戸駆動装置100Fと同様の効果が得られる。しかしながら、
図20に示した第3の変形例に係る開き戸駆動装置100Dでは、最初から、開き戸200に対して大きい駆動力を作用させておいて、開き戸200が閉状態でも、閉め駆動力を残しておくようにしている。そのためには、第3の変形例に係る開き戸駆動装置100Dでは、比較的大きい駆動力が必要となるので、モータ1の大型化が避けられない。
【0229】
これに対して、本第4の実施形態に係る開き戸駆動装置100Fでは、開き戸200が閉じる直前においてのみ作用するので、モータ1の大型化を避けることができる。しかも、開き戸200が閉まる直前では、開き戸200に手が挟まれる危険も少ないので、安全面からもメリットがある。
【0230】
図25は、
図23及び
図24に示した第4の実施形態に係る開き戸駆動装置100Fにおいて使用される、モータ1を駆動制御するコントローラ300Aの一例を示す回路図である。
【0231】
図示のコントローラ300Aは、閉扉検出リミットスイッチ51と再動作リミットスイッチ52とを更に備えている点を除いて、
図22に示したコントローラ300と同様の構成を有する。
【0232】
図25は、モータ1により開き戸200が閉じる方向に駆動されて、開き戸200が閉じる直前の状態を示している。この状態では、閉扉検出リミットスイッチ51は、第2の可動部材7の右端部とは接触しておらず、切れた状態となっている。また、再動作リミットスイッチ52は、スライドシャフト4Aの右端部とは接触しておらず、閉じた状態となっている。
【0233】
次に、
図23乃至
図25を参照して、開き戸駆動装置100Fにより開き戸200を閉じる直前からの完全に閉じるまでの動作について説明する。
【0234】
先ず、
図23に示されるように、スライドシャフト4Aの右端部が閉め方向リミットスイッチである第1のリミットスイッチ12と接触するので、第1のリミットスイッチ12は切れた状態となる。したがって、
図25に示されるように、電源からのモータ1へ電力供給が遮断される。
【0235】
その後、第2の弾性体(コイルバネ)6に蓄えられた弾性エネルギーにより第2の可動部材7が右方向へ駆動される。そして、開き戸200を閉じる直前では、
図23に示されるように、第2の可動部材7の右端部が閉扉検出リミットスイッチ51と接触する。
【0236】
これより、閉扉検出リミットスイッチ51は、閉じた状態に切り替わる。この結果、コントローラ300Aは、モータ1のモータ軸2を
図23の矢印B3に示す方向にように、時計回りに回転するように、モータ1を駆動制御する。このモータ1の駆動により、第1の可動部材4は、右方向へ平行移動する。この第1の可動部材4の右方向への移動により、
図24に示されるように、第2の弾性体6が収縮するので、第2の弾性体6に弾性エネルギーが蓄積される。すなわち、第2の弾性体6は、第1の可動部材4の右方向への移動に伴う第1の機械エネルギーを弾性エネルギーに変換して、この弾性エネルギーを一時的に蓄積する。
【0237】
第1の可動部材4が右方向へ平行移動することにより、第1の可動部材4に結合されたスライドシャフト4Aも右方向へ移動し、その右先端部が、
図24に示されるように、再動作リミットスイッチ52に接触する。これにより、再動作リミットスイッチ52が切れる。この再動作リミットスイッチ52が切れるのに応答して、コントローラ300Aは、モータ1の駆動を停止する。
図24は、このモータ1の駆動が停止したときの状態を図示している。
【0238】
この状態では、上述したように、第2の弾性体6が収縮することにより、第2の弾性体6に弾性エネルギーが蓄えられている。したがって、第2の弾性体6は、その蓄積された弾性エネルギーを第2の機械エネルギーに変換して、第2の可動部材7を右方向へ平行移動させるように付勢する。換言すれば、第2の弾性体6は、第2の可動部材7へ閉じ付勢力を作用させている。
【0239】
この閉じ付勢力により、第2の可動部材7は右方向へ平行移動しようとする。しかしながら、この時点では、開き戸200が完全に閉まった状態となっているので、開き戸200はさらに動くことはない。換言すれば、開き戸200には、「しっかり閉める」力が加わった状態となっている。
【0240】
このようにして、本第4の実施形態によれば、安定して開き戸200を開閉することが可能となる。
【0241】
上述したように、コントローラ300Aは、検知信号に応答して、第1の可動部材4の移動により開き戸200が閉まる方向へさらに移動するように、駆動機器1の駆動を制御する制御部として働く。
【0242】
次に、本発明の第4の実施形態に係る開き戸駆動装置100Fの効果について説明する。すなわち、本発明の第4の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果1)〜3)に加えて、更に次のような効果をも奏する。
【0243】
5)完全に開き戸200を閉めることができる。その理由は、開き戸200が閉まりきる直前を検知して、その検知信号より更に開き戸200を閉める方向へ駆動しているからである。
【0244】
尚、上記第4の実施形態では、開き戸200の閉扉検出用の検知部として、第2の可動部材7の移動により動作するリミットスイッチ51を使用しているが、検知部はこれに限定されない。例えば、検知部としては、開き戸200にリミットスイッチや近接スイッチを取り付けて、閉扉近くを検出するようにしても良い。開き戸200の開扉状態の検出方法は、本発明の要旨に直接関わることではないので、様々な手段を用いることが出来る。
【0245】
また、第1の可動部材4の移動量を検出する手段も、リミットスイッチ12、13、52に限定されない。例えば、第1の可動部材4の移動量を検出する手段として、フォトインタラプタなどの非接触デバイスを用いても、同様の効果を得ることができる。
【0246】
以上、実施形態(実施例)および変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態(実施例)および変形例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。例えば、上記実施形態(実施例)では、開き戸を駆動する場合を例に挙げて説明したが、本発明は開き戸に限定されず、他の被駆動物を駆動する駆動装置にも適用可能であるのは勿論である。すなわち、本発明の要旨は、開き戸のような被駆動物を駆動機器の駆動力を使用して駆動する方法であって、駆動力による第1の機械エネルギーを弾性エネルギーに変換し、その変換した弾性エネルギーを第2の機械エネルギーに変換して被駆動物を駆動する方法である。
【0247】
上記の実施形態(実施例)の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、本発明は以下には限られない。
【0248】
(付記1)
駆動機器(1;31)の駆動力を使用して開き戸(200)を
自動的に開閉駆動する、開き戸駆動装置(100〜100F)であって、
前記駆動機器(1;31)の駆動力により移動される第1の可動部材(4;34)と、
該第1の
可動部材(4;34)の移動に伴う第1の機械エネルギーを弾性エネルギーに変換して、該弾性エネルギーを(一時的に)蓄積する蓄積手段(5,6;35)と、
該蓄積手段(5,6;35)に蓄積された前記弾性エネルギーを第2の機械エネルギーに変換して移動される第2の可動部材(7;37)と、
該第2の可動部材(7;37)の移動に応答して前記開き戸(200)を駆動する駆動部材(9,10,11,110)と、
を含み、
前記駆動機器(1;31)の駆動力を遅延させて(非同期に)前記開き戸(200)へ伝達して、前記開き戸(200)を駆動するようにしたことを特徴とする、開き戸駆動装置。
【0249】
(付記2)
前記駆動機器は、モータ(1;31)から成る、付記1に記載の開き戸駆動装置。
【0250】
(付記3)
前記駆動機器は、油圧、空圧シリンダと、油圧、空圧ピストンとの組み合わせから成る、付記1に記載の開き戸駆動装置。
【0251】
(付記4)
前記駆動機器は、電磁ソレノイドから成る、付記1に記載の開き戸駆動装置。
【0252】
(付記5)
前記第1の可動部材は、前記駆動装置(1)の駆動力により平行移動する板部材(4)から成る、付記2に記載の開き戸駆動装置(100〜100D、100F)。
【0253】
(付記6)
前記蓄積手段は、前記第1の可動部材(4)の平行移動により伸縮する弾性体(5,6)から成る、付記5に記載の開き戸駆動装置(100〜100D、100F)。
【0254】
(付記7)
前記弾性体は、金属製のコイルバネ(5,6)、空気を内蔵したゴム、樹脂製のバネ、およびシリンダ内に収容された空気のグループから選択された1つから成る、付記6に記載の開き戸駆動装置(100〜100D、100F)。
【0255】
(付記8)
前記第2の可動部材(7)は、前記弾性体(5,6)を介して前記第1の可動部材(4)に接続され、前記弾性エネルギーを前記第2の機械エネルギーに変換して平行移動される部材から成る、付記5乃至7のいずれか1つに記載の開き戸駆動装置(100〜100D、100F)。
【0256】
(付記9)
前記駆動部材は
前記第2の可動部材(7)の一部に取り付けられたラックギヤ(9)と、
該ラックギヤ(9)と噛み合うピニオンギヤ(10)と、
該ピニオンギヤ(10)に嵌合された駆動軸(11)と、
該駆動軸(11)の回転より旋回するアーム(110)と、
から成る、付記8に記載の開き戸駆動装置(100〜100D、100F)。
【0257】
(付記10)
前記開き戸(200)の急激な動きを抑える緩衝装置(20〜20E)を更に備える、付記8又は9に記載の開き戸駆動装置(100A)。
【0258】
(付記11)
前記緩衝装置(20〜20E)は、流体抵抗を利用した緩衝装置から成る、付記10に記載の開き戸駆動装置(100A)。
【0259】
(付記12)
前記緩衝装置(20〜20E)は、
前記第2の可動部材(7)に結合されて、前記第2の可動部材(7)と共に平行移動するシリンダであって、内部に粘性のある流体が封入されたシリンダ(14)と、
該シリンダ(14)に内接して固定され、前記シリンダ(14)内の空間を第1の部屋(15)と第2の部屋(16)とに隔てるピストン(17)と、
前記第1の部屋(15)と前記第2の部屋(16)とを連通する流体通路と、
から成る、付記11に記載の開き戸駆動装置(100A)。
【0260】
(付記13)
前記流体通路は、前記ピストン(17)に設けられた1つの流体通路(17a)から成る、付記12に記載の開き戸駆動装置(100A)。
【0261】
(付記14)
前記流体通路は、前記シリンダ(14)の内壁面に切り欠きを設けて形成された流体通路(14a)から成る、付記12に記載の開き戸駆動装置(100A)。
【0262】
(付記15)
前記流体通路は、前記シリンダ(14)の外部に設けられたパイプ状の流体通路(14b)から成る、付記12に記載の開き戸駆動装置(100A)。
【0263】
(付記16)
前記流体通路は、前記ピストン(17)に開けられた、開方向流体通路(17a1)および閉方向流体通路(17a2)から成り、
前記開方向流体通路を開閉する開方向リード弁(17b1)と、
前記閉方向流体通路を開閉する閉方向リード弁(17b2)と、
を更に有し、
前記開方向流体通路(17a1)と前記閉方向流体通路(17a2)の径が異なる、付記12に記載の開き戸駆動装置(100A)。
【0264】
(付記17)
前記流体通路(17c)と異なり、前記シリンダ(14)の一部に設けられた別の流体通路(14c)を更に有する、付記12乃至16のいずれか1つに記載の開き戸駆動装置(100A)。
【0265】
(付記18)
前記緩衝装置(20〜20D)は、前記ピストン(17)に接続されて、前記シリンダ(14)の両端板を貫通するロッド(17A)を更に有する、付記12乃至16のいずれか1つに記載の開き戸駆動装置(100A)。
【0266】
(付記19)
前記緩衝装置(20E)は、
前記ピストン(17)の一端に接続されて、前記シリンダ(14)の一端板を貫通するロッド(17B)と、
前記シリンダ(17)の一部に設けられた流体溜め(18)と、
を更に有する、付記12乃至16のいずれか1つに記載の開き戸駆動装置(100A)。
【0267】
(付記20)
前記第1の可動部材(4)の平行移動する距離を制限する、第1および第2のリミットスイッチ(12,13)を更に有する、付記8乃至19のいずれか1つに記載の開き戸駆動装置(100〜100D、100F)。
【0268】
(付記21)
前記モータ(1)は、雄ねじが切られたモータ軸(2)を有し、
前記第1の可動部材(4)は、前記雄ねじと嵌合する雌ねじを持ち、
前記第1の可動部材(4)の移動方向に延在するように、前記第1の可動部材に結合されたスライドシャフト(4A)を更に備え、
前記第1および第2のリミットスイッチ(12,13)は、前記スライドシャフト(4A)の端部が接触する位置に配置されている、
付記20に記載の開き戸駆動装置(100、100A、100B、100D、100F)。
【0269】
(付記22)
前記蓄積手段(6)は、前記開き戸(200)が閉まりきったときでも、前記蓄積された弾性エネルギーを利用して前記開き戸(200)を閉め方向へ付勢する閉め付勢力を保っている、付記8乃至21のいずれか1つに記載の開き戸駆動装置(100D)。
【0270】
(付記23)
前記蓄積手段(5)は、前記開き戸(200)が開ききったときでも、前記蓄積された弾性エネルギーを利用して前記開き戸(200)を開き方向へ付勢する開き付勢力を保っている、付記8乃至22のいずれか1つに記載の開き戸駆動装置(100D)。
【0271】
(付記24)
前記モータ(1)は、前記第1の可動部材(4)の移動方向へ延在し、雄ねじが切られたスライドシャフト(4A)を有し、
前記第1の可動部材(4)は、前記雄ねじと嵌合する雌ねじを持ち、
前記第1および第2のリミットスイッチ(12,13)は、前記第1の可動部材(4)と接触する位置に配置されている、
付記20に記載の開き戸駆動装置(100C)。
【0272】
(付記25)
前記開き戸(200)が閉まりきる直前を検知して、検知信号を出力する検知部(51)と、
前記検知信号に応答して、前記第1の可動部材(4)の移動により前記開き戸(200)が閉まる方向へさらに移動するように 前記駆動機器(1)の駆動を制御する制御部(300A)と、
を更に備える、付記8乃至21のいずれか1つに記載の開き戸駆動装置(100F)。
【0273】
(付記26)
前記検知部は、前記第2の可動部材(7)の端部が接触する位置に配置された閉扉検出リミットスイッチ(51)から成る、付記25に記載の開き戸駆動装置(100F)。
【0274】
(付記27)
前記第1の可動部材は、前記モータ(31)と噛み合う減速ギヤ(32)に嵌合された可動部材(34)から成る、付記2に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0275】
(付記28)
前記第1の可動部材(34)は、
前記減速ギヤ(32)に嵌合する中空の軸部(341)と、
該中空の軸部(341)の一端に接続されて、半径方向外側へ延在する第1の円板(342)と、
該第1の円板(342)の外周端から前記中空の軸部と同軸に延在する円筒部(343)と、
を有する、付記27に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0276】
(付記29)
前記第1の可動部材(34)は、前記第1の円板(342)と対向するように、前記円筒部(343)の端部に接続されて、半径方向内側へ延在する第2の円板(344)を更に有し、
該第2の円板(344)は、その中央部に開口(344a)を持つ、付記28に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0277】
(付記30)
前記第2の可動部材は、前記中空の軸部(341)に摺動自在に嵌めこまれて、前記中空の軸部(341)の軸方向と同軸に延在する円柱状の回転部材(37)からなり、
前記蓄積
手段は、前記円筒部(343)の内壁に太端部が接合され、前記回転部材(37)に細端部が接合されたゼンマイバネ(35)から成る、
付記28又は29に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0278】
(付記31)
前記駆動部材は、
前記第2の可動部材(37)と兼ねる駆動軸(11)と、
該駆動軸(11)の回転より旋回するアーム(110)と、
から成る、付記30に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0279】
(付記32)
前記開き戸(200)の急激な動きを抑える緩衝装置(40)を更に備える、付記30又は31に記載の開き戸駆動装置。
【0280】
(付記33)
前記緩衝装置(40)は、流体抵抗を利用した緩衝装置から成る、付記32に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0281】
(付記34)
前記緩衝装置(40)は、第2の可動部材(37)に取り付けられている、付記33に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0282】
(付記35)
前記緩衝装置(40)は、
前記第2の可動部材(37)が貫通し、密閉空間が粘性のある流体で満たされて、ベースに固定された筒部(44)と、
該筒部(44)内で第2の可動部材(37)に取り付けられ、前記筒部(44)の内壁に沿って摺動しつつ回転して、前記筒部(44)内の密閉空間を第1の部屋(45)と第2の部屋(46)とに隔てる羽根(47)と、
前記第1の部屋(45)と前記第2の部屋(46)とを連通する流体通路と、
から成る、
付記34に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0283】
(付記36)
前記流体通路は、前記羽根(47)に設けられた1つの流体通路(47a)から成る、付記35に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0284】
(付記37)
前記流体通路は、前記筒部(44)の内壁面に切り欠きを設けて形成された流体通路から成る、付記35に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0285】
(付記38)
前記流体通路は、前記筒部(44)の外部に設けられたパイプ状の流体通路から成る、付記35に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0286】
(付記39)
前記流体通路は、前記羽根(47)に開けられた、開方向流体通路および閉方向流体通路から成り、
前記開方向流体通路を開閉する開方向リード弁と、
前記閉方向流体通路を開閉する閉方向リード弁と、
を更に有し、
前記開方向流体通路と前記閉方向流体通路の径が異なる、付記35に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0287】
(付記40)
前記流体通路と異なり、前記筒部(44)の一部に設けられた別の流体通路を更に有する、付記35乃至39のいずれか1つに記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0288】
(付記41)
前記第1の可動部材(34)の回転移動する範囲を制限する、第1および第2のリミットスイッチ(12,13)を更に有する、付記28乃至40のいずれか1つに記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0289】
(付記42)
前記第1の円板(342)は、半径方向外側へ突出する突起(342a)を持ち、
前記第1および第2のリミットスイッチ(12,13)は、前記突起(342a)が接触する位置に配置されている、付記41に記載の開き戸駆動装置(100E)。
【0290】
(付記43)
駆動機器(1;31)の駆動力を使用して開き戸(200)を駆動する駆動方法であって、
前記駆動機器(1;31)の駆動力により第1の可動部材(4;34)を移動し、
該第1の可動動部材(4;34)の移動に伴う第1の機械エネルギーを弾性エネルギーに変換して、該弾性エネルギーを(一時的に)蓄積手段(5,6;35)に蓄積し、
該蓄積手段(5,6;35)に蓄積された前記弾性エネルギーを第2の機械エネルギーに変換して、第2の可動部材(7;37)を移動し、
該第2の可動部材(7;37)の移動に応答して、駆動部材(9,10,11,110)により前記開き戸(200)を駆動する、
開き戸の駆動方法。
【0291】
(付記44)
緩衝装置(20〜20E;40)により前記開き戸(200)の急激な動きを抑える、付記43に記載の開き戸の駆動方法。
【0292】
(付記45)
前記蓄積手段(6)は、前記開き戸(200)が閉まりきったときでも、前記蓄積された弾性エネルギーを利用して前記開き戸(200)を閉め方向へ付勢する閉め付勢力を保っている、付記43又は44に記載の開き戸の駆動方法。
【0293】
(付記46)
前記蓄積手段(5)は、前記開き戸(200)が開ききったときでも、前記蓄積された弾性エネルギーを利用して前記開き戸(200)を開き方向へ付勢する開き付勢力を保っている、付記43乃至45のいずれか1つに記載の開き戸の駆動方法。
【0294】
(付記47)
前記開き戸(200)が閉まりきる直前を検知して、検知信号を出力し、
前記検知信号に応答して、前記第1の可動部材(4;34)の移動により前記開き戸(200)が閉まる方向へさらに移動するように 前記駆動機器(1;31)の駆動を制御する、
付記43又は44に記載の開き戸の駆動方法。