(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のコマ玩具を図面に示した実施形態に基づいて説明する。
【0014】
《全体構成》
図1(a)は、本発明に係るコマ玩具の一実施形態の斜視図、
図1(b)は、その遊び方を説明した図、
図2は、本実施形態のコマ玩具1の分解斜視図である。本明細書においては、上下、左右及び前後は
図2に示した向きを言うものとする。
図1(a)に示すように、本実施形態のコマ玩具1は、いわゆるコマバトルゲームに使用することが可能なコマ玩具である。具体的に、このコマ玩具1は、互いの衝突による衝撃力で相手方のコマ玩具1を
図1(b)のように分解させて勝利とするようなバトルゲームに使用できる。
このコマ玩具1は、
図2に示すように、下部構造を構成しドライバとなる軸部10と、上部構造を構成するレイヤーとなる性能可変リング30及び胴体40とによって構成されている。
【0015】
《細部構成》
1.軸部10について
図2に示すように、軸部10は、下端部に回転軸11、上下方向中間部に鍔12、上部に円筒部13を備えている。
このうち鍔12と円筒部13とは一体に形成され軸部上部を構成し、この鍔12及び円筒部13は軸部下部に対してビス(図示省略)で固定されている。
軸部下部は、鍔12側から回転軸11の先端側に向けて段階的に窄んだ形状で、全体として略逆円錐状に形成されている。
鍔12及び円筒部13には、上下方向に沿ったコマ玩具1全体の軸線と一致する回転軸11の軸線Ax(以下、単に「軸線Ax」という。)を挟み、前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに、孔14が形成されている。一方、軸部下部には、鍔12の孔14に対応した位置に半径方向外方に張り出す突片11aが形成されている。この突片11aは鍔12の孔14の下方に位置している。この突片11aの上面は後述の座部を構成する。
また、円筒部13には、軸線Axを挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに突出部15が形成されている。この突出部15の外面は鍔12の外周面と面一となっている。さらに、軸部下部には、突出部15に対応した位置に半径方向外方に張り出す突出部11bが形成されている。そして、突出部15,11bの箇所で軸部下部に鍔12及び円筒部13がビス(図示省略)で固定されている。
また、円筒部13の内側には円柱体16が立設されている(
図2では、上面のみ図示)。この円柱体16の基端部は軸部下部に連結されている。この円柱体16の上端は特に限定はされないが円筒部13の上端よりも高い位置に設定されている。この円柱体16の上端部には軸線Axを挟み前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向外側に張り出す爪(第2の爪)17が形成されている。
【0016】
また、軸部10は円筒状の押圧部材18を備えている。押圧部材18は合成樹脂で形成されているが金属製であってもよい。この押圧部材18は、円筒部13の内側に円柱体16の外周を取り囲むようにして設置されている。
図3に示すように、押圧部材18は、円筒部18aと、天井部18bと、脚部18cとを備えている。
円筒部18aの上端に天井部18bが設けられている。この天井部18bには、円柱体16の上端部に対応する形状の孔18dが形成されている。
また、円筒部18aの外周下端部に脚部18cが設けられている。この脚部18cは軸線Axを挟み前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに形成されている。この脚部18cは、円筒部18aから水平に張り出す水平部180c、水平部180cの先端から垂直下方に延びる鉛直部181cとから形成されている。
そして、このように構成された押圧部材18は、
図2に示すように、脚部18cが上記孔14に挿入されるようにして設置される。孔14は上下方向の寸法が脚部18cの長さ寸法よりも大きく設定されている。そして。この押圧部材18はスプリング(図示省略)によって上方に付勢されている。この押圧部材18は、脚部18cが孔14の上縁で上方への移動が規制され、常態では、押圧部材18の上端は円筒部13の上端と同一高さ位置にある。
また、押圧部材18の天井部18bの上面には、軸線Axを挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向に延びる凸条(突起)21が形成されている。
【0017】
2.性能可変リング30について
本実施形態では、性能可変リング30としてフライホイールが用いられている。この性能可変リング30は略円環板状を成している。この性能可変リング30の底面には軸部10の鍔12が下方から収容可能な環状段部(図示省略)が内周側に形成されている。また、この性能可変リング30の上面には軸線Axを挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに上方に向けて張り出す突出部32が形成されている。各突出部32の下側部分には、軸部10の突出部15を下方から収容可能な凹部33が形成されている。また、性能可変リング30の上面には、各突出部32の直ぐ外側に上方に延びる舌片34が形成されている。舌片34は突出部32よりも上方に突出している。なお、この性能可変リング30としては、フライホイールに代えて或いはフライホイールと一体的で、外周面に突出部があって相手方のコマ玩具1を攻撃し易くしたものや、外周面に凹部があって相手方のコマ玩具1からの攻撃を受け難いものを使用してもよい。
【0018】
3.胴体40について
図4(a)は、後述する胴体40の下層部材50の平面図(上面図)であり、
図4(b)は、後述する胴体40の上層部材60の下面図である。
胴体40は円盤状を成している。この胴体40は、下層部材50と、上層部材60と、透明カバー体70とを備えており、これらが下側からこの順に積層されて構成されている。より詳しくは、胴体40は、下層部材50と透明カバー体70とが、上層部材60を軸線Ax回りに回動可能なように上下に挟持しつつ、互いに固定されて構成されている。
【0019】
このうち下層部材50は、
図2及び
図4(a)に示すように、軸線Axを中心軸とする略円板状に形成されている。
下層部材50の外周面には、3つの下側刃部51が周上等配に突設されている。各下側刃部51は、平面視で、反時計回りに向かって外周側へ緩やかに膨出しつつ先端が鋭角に尖った刃状に形成されている。
下層部材50の中央には、軸線Axを中心軸とする円孔52が形成されている。この円孔52の内周面下端には、軸線Axを挟んで対峙する部位2箇所それぞれに、半径方向内側に向けて張り出す爪(第1の爪)53が突設されている。また、下層部材50の下端面のうち、円孔52に連なる中央部には、軸線Axを挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに、凹凸が連続して形成され、軸部10の上記凸条21に噛み合う起伏部59(
図7にその範囲のみ図示)が形成されている。
また、下層部材50には、性能可変リング30の舌片34を下方から挿入可能な弧状スリット54が、円孔52を挟んで対峙する部位2箇所それぞれに形成されている。各弧状スリット54の周方向長さは舌片34が十分に移動し得る長さとなっている。下層部材50のうち、この弧状スリット54を避けた周方向位置であって円孔52を挟んで対峙する部位2箇所それぞれには、上下に貫通する孔部55が形成されている。
また、下層部材50の上面のうち弧状スリット54よりも半径方向外側には、後述する上層部材60の弧状ガイド63が上方から嵌合される環状段部56が形成されている。この環状段部56の内面には、下層部材50に対する上層部材60の回動範囲を規制するための複数の規制璧56aが立設されている。また、下層部材50の上面のうち、平面視で後方やや反時計回り側の周方向位置には、後述する付勢ばね41の一端を支持する壁部57が立設されている。
さらに、下層部材50の上面のうち、環状段部56の直ぐ半径方向外側に位置する外周縁部には、上層部材60の回動を規制するための12個の下側突起58が周上等配に形成されている。
【0020】
上層部材60は、
図2及び
図4(b)に示すように、軸線Axを中心軸とする略円環状に形成されている。
この上層部材60は、平面視での外形形状及び大きさが下層部材50と略同一に形成されており、その外周面には、下層部材50の下側刃部51と略同一の平面視形状に形成された3つの上側刃部61が周上等配に突設されている。
上層部材60の上面には、透明カバー体70が上方から嵌合可能な環状段部62が形成されている。
一方、上層部材60の下面には、4つの弧状ガイド63が当該下面の内周縁に周上不等配で突設されている。これらの弧状ガイド63は、下層部材50上面の環状段部56に対し周方向へ摺動可能な状態で上方から嵌合可能となっており、当該弧状ガイド63が環状段部56に案内されることにより、上層部材60が下層部材50に対して軸線Ax回りに相対回動可能となっている。
また、上層部材60の下面のうち、4つの弧状ガイド63よりも半径方向外側の外周縁には、周方向にやや長尺な3つの上側突起64が周上等配に形成されている。これら上側突起64は、下層部材50の下側突起58と周方向に接触することにより、下層部材50と上層部材60との軸線Ax回りの相対回動を規制するようになっている。また、これら上側突起64と下側突起58とは、接触を繰り返すに連れて少なくとも一方が摩耗または変形し、遂には互いに重なって回動規制機能が失われるように、その接触高さが予め低めに形成されている。
上層部材60の内周面の後方位置には、付勢ばね(コイルばね)41を支持するための支持突起65が突設されている。支持突起65の平面視反時計回り側の側面には棒状部65aが立設されており、この棒状部65aが付勢ばね41に挿通されている。この付勢ばね41は、平面視反時計回り側の端部が下層部材50の壁部57に当接された状態で略周方向に沿って配設されており、下層部材50に対して平面視時計回り方向に上層部材60を付勢している(
図5(a)参照)。
【0021】
ここで、下層部材50と上層部材60との相対回動の範囲について説明する。
図5は、この相対回動の範囲を説明するための平面図である。
下層部材50と上層部材60とは、常態で、上層部材60の上側刃部61を下層部材50の下側刃部51よりも平面視で時計回り側に位置させつつ、これら互いの刃部を上下に重ねた状態(範囲)で相対回動する。
【0022】
具体的には、
図5(a)に示すように、下層部材50及び上層部材60に殆ど外力が作用していない状態(以下、「初期状態」という。)では、付勢ばね41の付勢力により上層部材60が下層部材50に対して平面視時計回りに付勢されている。そして、上層部材60の各上側突起64の平面視時計回り側の端面が下層部材50の下側突起58に接触し、及び/又は、上層部材60の各弧状ガイド63の平面視時計回り側の端面が下層部材50の規制璧56aに接触することにより、この回動が規制される。上層部材60の弧状ガイド63と下層部材50の規制璧56aとの接触は、上層部材60と下層部材50の相対回動をより確実に規制するためのものであり、上側突起64と下側突起58とに比べより強く接触している。
この初期状態では、上層部材60の上側刃部61の先端と下層部材50の下側刃部51の先端とのなす角度(軸線Axを中心とする中心角)α=α1となっており、上側刃部61の先端が下側刃部51の周方向長さの略中央に位置している。
【0023】
一方、コマ玩具1が回転中に相手方のコマ玩具1と接触するなどして、上層部材60に平面視反時計回り方向の外力が作用したときには、
図5(b)に示すように、上層部材60の各上側突起64の平面視反時計回り側の端面が下層部材50の下側突起58に接触するまで、上層部材60が付勢ばね41の付勢力に抗して平面視反時計回り方向に相対回動した状態(以下、「第1回動状態」という。)となる。
この第1回動状態では、上層部材60の上側刃部61の先端と下層部材50の下側刃部51の先端とのなす角度α=α2(<α1)となる。つまり、上層部材60は、基本的には、下層部材50に対してα1−α2の角度範囲(本実施形態では約10°)で相対回動するようになっている。
【0024】
但し、本実施形態のコマ玩具1においては、後述するように、上層部材60の上側突起64の平面視時計回り側の端面が下層部材50の下側突起58に繰り返し接触することにより、いずれは上側突起64が下側突起58を乗り越えるようになっている。このときには、上層部材60が第1回動状態からさらに相対回動し、上層部材60の各弧状ガイド63の平面視反時計回り側の端面が下層部材50の規制璧56aに接触するまで上層部材60が平面視反時計回り方向に相対回動した状態(以下、「第2回動状態」という。
図9(b)参照)に移行可能となる。
この第2回動状態では、上層部材60の上側刃部61の先端と下層部材50の下側刃部51の先端とのなす角度αがほぼゼロとなり、上側刃部61と下側刃部51とが互いの先端の周方向位置を略一致させる。
【0025】
透明カバー体70は、
図2に示すように、軸線Axを中心軸とする略円板状に形成されている。
この透明カバー体70は、上層部材60の環状段部62と略同一の外径に形成されており、環状の上層部材60の内周側を覆うようにして当該環状段部62に上方から嵌合されている。
透明カバー体70の下面のうち、下層部材50の2つの孔部55に対応する位置には、2つのボス71が立設されている。これら2つのボス71には下方に開口する図示しないねじ穴がそれぞれ形成されており、下層部材50の各孔部55に下方から挿通させたビス42をボス71のねじ穴に螺合させることにより、下層部材50と透明カバー体70とが固定されている。
透明カバー体70の中央には、軸線Axを中心軸とし、下層部材50の円孔52と略同一内径の円孔72が形成されている。この円孔72の内周面には、軸線Axを挟んで対峙する部位2箇所それぞれに、半径方向内側に向けて張り出す突起73が突設されている。
また、透明カバー体70には、円孔72を挟んで対峙する部位2箇所それぞれに弧状スリット74が形成されている。各弧状スリット74は、下層部材50の弧状スリット54と対応する周方向位置及び周方向長さに形成されている。
さらに、透明カバー体70には、後述する第2識別用部品44を取り付けるための係止孔75が形成されている。この係止孔75は、弧状スリット74と同程度の半径方向位置であって、後方やや平面視反時計回り側の周方向位置に形成されている。そして、この係止孔75は、下層部材50及び上層部材60が初期状態や第1回動状態にあるときには、上層部材60の支持突起65や付勢ばね41によって下側が閉塞されており、第2回動状態に移行して上層部材60が相対回動することで下側が開放され、第2識別用部品44を係止可能となる(
図9参照)。
【0026】
透明カバー体70の円孔72には、初期状態においては、第1識別用部品43が取り付けられている。この第1識別用部品43はコマ玩具1の識別やプレイヤの識別のために使用される。
この識別のため、本実施形態では、互いに異なる模様及び/又は色等を有する複数の識別用部品が用意され、その中からプレイヤが選択した1つの識別用部品が円孔72に取り付けられる。本実施形態のコマ玩具1においては、第1識別用部品43を取り付け可能であるほか、上記第2回動状態となったときに、第1識別用部品43とは形状等が異なる第2識別用部品44を取り付け可能となっている。
【0027】
第1識別用部品43は全体としてほぼ短円柱形を有している。この第1識別用部品43の上面中央部はすり鉢状に窪んでおり、この窪みを取り囲む縁部には、軸線Axを挟んで対峙する部位2箇所それぞれに形成された操作用凹部431が形成されている。操作用凹部431には上記軸部10の鍔12が挿入可能で、操作用凹部431に挿入した軸部10を動かして第1識別用部品43を操作できるようにされている。
この第1識別用部品43の外周には、その軸線を挟んで対峙する部位2箇所それぞれに、透明カバー体70の円孔72に挿入した際に上記突起73が入り込む溝432が形成されている。この溝432は、上下方向に延在し第1識別用部品43の下側に開口した部分と、この部分の上端から略周方向に沿って延在する部分とを有している。そして、この溝432に沿って円孔72の突起73を移動させるようにして、第1識別用部品43を上方から透明カバー体70の円孔72に挿入した後に回転させることにより、第1識別用部品43が透明カバー体70の円孔72に取り付けられるようになっている。
【0028】
図6は、第2識別用部品44を説明するための図であり、(a)が斜め下方から見た斜視図、(b)がコマ玩具1に取り付けた状態を示す平面図である。
第2識別用部品44は、コマ玩具1(胴体40)が上記第2回動状態となったときに第1識別用部品43に代えてコマ玩具1に取り付け可能なものであり、専ら識別用であった第1識別用部品43に対し、相手方のコマ玩具に対する武器(攻撃)用途やコマ玩具1の装飾用途などにも用いられる。
具体的には、
図6(a),(b)に示すように、第2識別用部品44は、略平板状の基板部441と、円孔72に挿入されて当該第2識別用部品44を固定するための固定部442とを有している。
このうち基板部441は、平面視でコマ玩具1の中央部から周縁部に亘るやや長尺な平板状に形成されている。この基板部441の下面には、透明カバー体70の係止孔75に上方から挿入可能な係止突起441aが立設されている。この係止突起441aは、基板部441の下面のうち、コマ玩具1取付け状態における半径方向外側の端部近傍であって平面視時計回り側の端部に形成されており、平面視時計回り側の方が高くなるように下端が2段の階段状に形成されている。
固定部442は、第1識別用部品43と同様に形成されて操作用凹部431や溝432を有しており、基板部441のうち係止突起441aとは反対側の端部に回転可能に設けられている。
この第2識別用部品44は、係止突起441aを係止孔75に挿入しつつ固定部442を円孔72に挿入するようにして上方から透明カバー体70に被せた後に固定部442を回転させることにより、透明カバー体70に取り付けられる。但し、後述するように、コマ玩具1(胴体40)が上記第2回動状態となっていない場合には、係止突起441aを係止孔75の下方にまで挿し込むことができず、当該第2識別用部品44を透明カバー体70に取り付けられないようになっている(
図9参照)。
【0029】
《組立方法》
次に、コマ玩具1の組立方法の一例を説明する。
図7は、軸部10,性能可変リング30及び胴体40の係合状態を説明するための図である。
なお、ここでは、軸部10と胴体40それぞれの組立は既に終了しているものとする。また、胴体40の透明カバー体70には第1識別用部品43が取り付けられている。
まず、軸部10の突出部15を下方から性能可変リング30の凹部33に合致させるようにして、軸部10と性能可変リング30を嵌合状態に組み付ける。次に、この組付け体を胴体40に下方から近付ける。この際、上記組付け体の性能可変リング30の舌片34を胴体40の弧状スリット54,74の所定の端に合致させる(
図7(a))。この状態は、軸部10の爪17と胴体40の爪53とが上下方向で重なっていない状態である。この状態が結合解除状態である。その後、上記組付け体の軸部10を胴体40側に押圧する。すると、まず、性能可変リング30が胴体40の下面に押し当てられる。さらに、軸部10内の図示しないスプリングが縮み、軸部10の爪17が胴体40の爪53よりも上方に相対的に押し上げられる。そして、軸部10を性能可変リング30と一体的に胴体40に対して舌片34が上記所定の端とは反対側の端まで移動するまで回転させる(
図7(b))。この場合の回転は、胴体40と性能可変リング30及び軸部10との相対的な回転であって、
図7(b)では、性能可変リング30及び軸部10に対して胴体40側を
図8(a)の状態から回転させた状態が示されている。すると、軸部10の爪17と胴体40の爪53とが上下で重なった状態となる。そして、軸部10から手を離すと、軸部10内の図示しないスプリングの付勢力によって、軸部10の爪17の下面と胴体40の爪53の上面とが当接される。
軸部10の爪17の下面と胴体40の爪53の上面とが当接された状態が結合状態である。これにより、軸部10と、性能可変リング30及び胴体40とが結合され、コマ玩具1が組み立てられる。
【0030】
《遊び方》
続いて、このコマ玩具1を使用しての遊び方の一例を説明する。
図8は、コマ玩具1を回転駆動させるランチャーの一例を示した斜視図であり、
図9は、下層部材50と上層部材60との相対回動範囲を説明するためのコマ玩具1の平面図である。なお、
図9では、第1識別用部品43の図示を省略している。
この遊び方の一例では、コマ玩具1を回転させて、相手方のコマ玩具1と戦いを行う。
この場合、コマ玩具1の回転力のチャージは、
図8に示すようなランチャー80によって行われる。このランチャー80は、内部に図示しない円板を備え、その円板を図示しないゼンマイばねで一の回転方向に付勢するとともに、円板の周囲に卷回させた図示しない紐をハンドル81で引くと、円板が回転され、コマホルダー83が回転されるように構成されている。このコマホルダー83の回転は、下方に突設されたフォーク84によってコマ玩具1に伝達され、コマ玩具1を回転させる。この場合、フォーク84は胴体40の弧状スリット54,74に差し込まれる。そして、ランチャー80のハンドル81を引き切ると、円板ひいてはコマホルダー83の回転が停止する一方で、コマ玩具1は慣性力によって尚も回転するので、フォーク84の傾斜面84aに倣ってコマ玩具1がコマホルダー83から外れる。なお、
図8において符号82はコマホルダー83に対して出没可能なロッドである。このロッド82はコマホルダー83にコマ玩具1を装着した際にコマ玩具1の上面に押されてコマホルダー83内に没する。このロッド82は例えばコマ玩具1の着脱の検出に使用される。
【0031】
このようにして発射されたコマ玩具1は所定のフィールドで平面視時計回りに回転させられ、相手方のコマ玩具1に衝突すると、衝突による衝撃力や擦れ等によって、胴体40には、軸部10及び性能可変リング30の回転方向とは反対の方向の力が作用し、それによって、胴体40が軸部10及び性能可変リング30の回転方向に対して反対の方向に相対的に回転する。
すると、胴体40(下層部材50)下面の起伏部59に凸条21が噛合する(
図7参照)。この場合、凸条21には軸部10内のスプリングの付勢力が作用するので、衝突による衝撃力が作用する毎に、胴体40に対して軸部10が相対回転して噛み合い位置を変更することにより、係止解除位置に達すると、胴体40の爪53が軸部10の爪17から外れるため、軸部10内の図示しないスプリングの付勢力によって胴体40が軸部10から離反する。そして、
図1(a)に示すように、コマ玩具1は分解される。
【0032】
また、回転中のコマ玩具1が相手方のコマ玩具1と衝突したときには、初期状態にある胴体40では、下層部材50の下側刃部51よりも回転方向上流側(平面視時計回り側)に位置する上層部材60の上側刃部61が、相手方のコマ玩具1と接触する(
図5(a)参照)。この接触による衝撃力は、上層部材60を付勢ばね41の付勢力に抗して下層部材50に対し反時計回りに相対回動させ、
図9(a)に示すように、上層部材60の各上側突起64の平面視反時計回り側の端面が下層部材50の下側突起58に接触した第1回動状態となる。そして、衝撃力が消失するに伴って、下層部材50と上層部材60とは付勢ばね41の付勢力により初期状態に復帰する。
このような相手方のコマ玩具1との衝突が繰り返されて、下層部材50と上層部材60とが初期状態と第1回動状態とを交互に移行することにより、上層部材60の各上側突起64の平面視時計回り側の端面側と下層部材50の下側突起58との接触が繰り返されて、これらの少なくとも一方が次第に摩耗または変形する。そのため、これら上側突起64と下側突起58との接触程度が次第に軽くなり、遂には第1回動状態での相対回動を規制できる程には強く接触しなくなる結果、下層部材50と上層部材60との回動範囲が広がる。
【0033】
これにより、
図9(b)に示すように、下層部材50と上層部材60とは、上層部材60が第1回動状態からさらに平面視反時計回りに相対回動可能となり、上層部材60の各弧状ガイド63の平面視反時計回り側の端面と下層部材50の規制璧56aとが接触する第2回動状態まで移行可能となる。
この第2回動状態では、上層部材60の支持突起65や付勢ばね41によって閉塞されていた透明カバー体70の係止孔75が開放される。そのため、この係止孔75に第2識別用部品44の係止突起441aを挿入可能となり、第1識別用部品43に代えて第2識別用部品44をコマ玩具1(透明カバー体70)に取り付け可能となる(
図6参照)。そして、第2回動状態において、透明カバー体70に第2識別用部品44を取り付けて係止孔75に係止突起441aを挿入させると、この係止突起441aが上層部材60の支持突起65と当接することにより、付勢ばね41の付勢力による上層部材60の回動が規制され、当該第2回動状態が保持されるようになっている。
【0034】
《本発明の変形例》
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、透明カバー体70に対し第1識別用部品43に代えて第2識別用部品44を取り付ける場合について説明したが、このような第2識別用部品44としては、上記実施形態のものに限定されず、例えば、重量や形状に変化を持たせ回転特性や攻撃特性を変化させる性能可変部品や、装飾効果だけを目的とした装飾部品なども適用可能である。
【0035】
また、透明カバー体70に対する第1識別用部品43及び第2識別用部品44の固定構造は、上記実施形態のものに限定されず、例えばネジ締結などであってもよい。
【0036】
また、相対回動する回動部品が2層(下層部材50と上層部材60)の場合について説明したが、本発明に係るコマ玩具は、少なくとも2つの回動部品がその相対回動に伴って回動範囲が広がるように構成されていれば、3つ以上の複数の回動部品を備えていてもよい。
【解決手段】コマ玩具(1)は胴体(40)と軸部(10)とを備える。胴体(40)は、互いに相対回動可能に取り付けられた複数の回動部品を有する。これら複数の回動部品のうち少なくとも2つの回動部品(50、60)は、互いに接触して当該2つの回動部品(50、60)の回動範囲を規制する接触部(58、64)をそれぞれ有するとともに、互いの接触部(58、64)が、当該2つの回動部品(50、60)の相対回動に伴う接触を繰り返すことで次第に接触程度が軽くなり、遂には回動を規制できる程には接触しなくなる結果、回動範囲が広がるように構成されている。