(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対象が家具のアイテムから出た時を検出する装置であって、前記家具のアイテムは、対象を支持する上側、及び、該上側とは反対の下側を有し、さらに、前記下側から、前記家具のアイテムが置かれている表面に向かって延びる突出要素を含み、前記突出要素は、近位端、及び、該近位端とは反対の遠位端を含み、該遠位端は、該近位端よりも前記下側から遠く、当該装置は、
家具のアイテムの下で使用するための光源であり、前記家具のアイテムの突出要素の遠位端に関連する端の特徴を、前記端の特徴の影が前記表面の領域の上に生じるように、照射するように構成された光源と、
前記表面の領域の連続的な画像をキャプチャするように構成された少なくとも1つのカメラと、
処理ユニットであり、
前記カメラから前記画像を受信する、
受信された前記画像のそれぞれにおいて前記影の端を検出する、
前記影の端に隣接している特徴の出現を、前記受信された画像において検出する、
検出された特徴が時間の経過に伴いどのように変化するかをモニターする、
時間の経過に伴う検出された前記特徴に対する変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定する、さらに
前記決定に基づき信号を出力する、
ように構成された処理ユニットと、
を含む、装置。
前記処理ユニットは、時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化を、前記時間の経過に伴う検出された特徴の動きの方向を決定することによって、モニターするように構成され、さらに、前記対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準は、検出された特徴の動きの方向に関する状態を含む、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の装置。
前記対象が出る事象に対する既定の基準は、前記時間の間の前記影の端に向かう方向における検出された特徴の動きが、該既定の基準を満たしていると前記処理ユニットによって決定され、さらに、前記影の端から離れる方向における検出された特徴の動きが、該既定の基準を満たしていないと前記処理ユニットによって決定されるように定められる、請求項6に記載の装置。
当該装置は、さらに、対象が家具のアイテムに入った時を検出するためにあり、前記処理ユニットは、前記時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化が、対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定するようにさらに構成され、さらに、前記対象が入る事象に対する既定の基準は、前記影の端に向かう方向における前記時間の経過に伴う検出された特徴の動きが、該既定の基準を満たしていないと前記処理ユニットによって決定されるように定められる、請求項6又は請求項7に記載の装置。
前記家具のアイテムの下で使用するためのさらなる光源をさらに含み、前記家具のアイテムは、前記家具のアイテムが置かれている表面に向かって前記下側から延びるさらなる突出要素を含み、該さらなる突出要素は、近位端、及び、該近位端とは反対の遠位端を含み、該遠位端は、該近位端よりも前記下側から遠く、
前記光源及び前記さらなる光源は、どちらも同じ家具のアイテムの下で使用するためにあり、
前記光源は、前記家具のアイテムの突出要素の遠位端に関連する第1の端の特徴を、第1の影が前記表面の第1の領域の上に生じるように、照射するように構成され、さらに、前記さらなる光源は、前記家具のアイテムのさらなる突出要素の遠位端に関連する第2の端の特徴を、第2の影が前記表面の第2の領域の上に生じるように、照射するように構成され、前記第1の領域は、前記家具のアイテムの第1の側に隣接し、さらに、前記第2の領域は、前記家具のアイテムの第2の異なる側に隣接し、
前記少なくとも1つのカメラは、連続的な画像をキャプチャするように構成され、前記画像のそれぞれが、前記第1の領域及び前記第2の領域を含み、さらに、
前記処理ユニットは、
受信された前記画像のそれぞれにおいて前記第1の影の端及び前記第2の影の端を検出することによって、前記受信された画像のそれぞれにおいて前記影の端を検出する、さらに、
前記影の端に隣接している特徴の出現を、前記第1の影の端に隣接している前記特徴の出現を検出する、及び、前記第2の影の端に隣接している前記特徴の出現を検出することによって、前記受信された画像において検出する、
ように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
前記光源は近赤外光を放つように構成され、さらに、前記少なくとも1つのカメラは近赤外光を検出するように構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
前記光源は、前記光源によって放たれる光のうち実質的に全てが、既定の範囲の波長を有するように構成され、さらに、前記少なくとも1つのカメラは、該既定の範囲の波長を有する光の通過を可能にし、さらに、該既定の範囲外の波長を有する光の通過を阻止するように構成された光学フィルタを含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置。
前記端の部材は直線的な隆起を含み、前記家具のアイテムに取り付けられた場合に、前記家具のアイテムの下側から、前記家具のアイテムが置かれている表面に向かって延びる、請求項13に記載のシステム。
対象が家具のアイテムから出た時を検出する方法であって、前記家具のアイテムは、対象を支持する上側、及び、該上側とは反対の下側を有し、さらに、前記下側から、当該家具のアイテムが置かれている表面に向かって延びる突出要素を含み、前記突出要素は、近位端、及び、該近位端とは反対の遠位端を含み、該遠位端は、該近位端よりも前記下側から遠く、当該方法は、
前記表面の領域の連続的な画像を受信するステップであり、前記画像のそれぞれが、前記家具のアイテムの突出要素の遠位端に関連する端の特徴によって投じられた影を含む、ステップと、
受信された前記画像のそれぞれにおいて前記影の端を検出するステップと、
前記影の端に隣接している特徴の出現を、前記受信された画像において検出するステップと、
検出された特徴が時間の経過に伴いどのように変化するかをモニターするステップと、
時間の経過に伴う検出された前記特徴に対する変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定するステップと、
前記決定に基づき信号を出力するステップと、
を含む、方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、信頼でき、目立たなく且つ計算的に効率的で、さらに、病院用ベッド及び/又は他の家具のアイテムを占有している対象をモニターして、対象がベッド又は他の家具のアイテムを離れるよう試みている時を検出することができるオートメーション化されたモニタリングシステムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によると、対象が家具のアイテムから出た時を検出する装置が提供される。家具のアイテムは、対象を支持する上側、及び、上側とは反対の下側を有し、さらに、下側から、家具のアイテムが置かれている表面に向かって延びる突出要素を含む。突出要素は、近位端、及び、近位端とは反対の遠位端を含み、遠位端は、近位端よりも下側から遠い。当該装置は、家具のアイテムの下で使用するための光源を含み、光源は、家具のアイテムの突出要素の遠位端に関連する端の特徴を、端の特徴の影が表面の領域の上に生じるように、照射するように構成される。当該装置は、表面の領域の連続的な画像をキャプチャするように構成された少なくとも1つのカメラ;及び処理ユニット;をさらに含む。処理ユニットは:カメラから画像を受信する;受信された画像のそれぞれにおいて影の端を検出する;影の端に隣接している特徴の出現を、受信された画像において検出する;検出された特徴が時間の経過に伴いどのように変化するかをモニターする;時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定する;さらに、上記の決定に基づき信号を出力する;ように構成される。
【0009】
一部の実施形態において、処理ユニットは:第1の時間にて取得された第1の画像を、第2の、後の時間にて取得された第2の画像に比較すること;さらに、影の端に隣接している特徴が第2の画像において存在しているが、第1の画像においては存在していない場合に、特徴が影の端に隣接して出現したということを決定すること;によって、影の端に隣接している特徴の出現を検出するように構成される。
【0010】
一部の実施形態において、処理ユニットは、時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化を:第1の時間にて取得された第1の画像における特徴の特性に対する第1の値を決定すること;第2の、後の時間にて取得された第2の画像における特徴の特性に対する第2の値を決定すること;さらに、第2の値を第1の値に比較すること;によってモニターするように構成される。一部のそのような実施形態において、特徴の特性は:特徴のサイズ、特徴の形状、特徴の位置、影の端に垂直な特徴の延びのうちいずれか1つである。
【0011】
一部の実施形態において、処理ユニットは、時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化を、第1の値、第2の値、第1の画像の取得時間及び第2の画像の取得時間に基づき、時間の経過に伴う検出された特徴の変化の速度を決定することによってモニターするように構成される。
【0012】
一部の実施形態において、処理ユニットは、時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化を、時間の経過に伴う検出された特徴の動きの方向を決定することによってモニターするように構成され;さらに、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準は、検出された特徴の動きの方向に関する状態を含む。一部のそのような実施形態において、対象が出る事象に対する既定の基準は、時間の間の影の端に向かう方向における検出された特徴の動きが、既定の基準を満たしていると処理ユニットによって決定され、さらに、影の端から離れる方向における検出された特徴の動きが、既定の基準を満たしていないと処理ユニットによって決定されるように定められる。
【0013】
一部の実施形態において、当該装置は、さらに、対象が家具のアイテムに入った時を検出するためにあり、処理ユニットは、時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化が、対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定するようにさらに構成され;さらに、対象が入る事象に対する既定の基準は、影の端に向かう方向における時間の経過に伴う検出された特徴の動きが、既定の基準を満たしていないと処理ユニットによって決定されるように定められる。
【0014】
一部の実施形態において、当該装置は、家具のアイテムの下で使用するためのさらなる光源をさらに含み、家具のアイテムは、家具のアイテムが置かれている表面に向かって下側から延びるさらなる突出要素を含み、さらなる突出要素は、近位端、及び、近位端とは反対の遠位端を含み、遠位端は、近位端よりも下側から遠い。一部の実施形態において、光源及びさらなる光源は、どちらも同じ家具のアイテムの下で使用するためにある。一部のそのような実施形態において、光源は、家具のアイテムの突出要素の遠位端に関連する第1の端の特徴を、第1の影が表面の第1の領域の上に生じるように、照射するように構成され、さらに、さらなる光源は、家具のアイテムのさらなる突出要素の遠位端に関連する第2の端の特徴を、第2の影が表面の第2の領域の上に生じるように、照射するように構成され;第1の領域は、家具のアイテムの第1の側に隣接し、さらに、第2の領域は、家具のアイテムの第2の異なる側に隣接している。一部の実施形態において、少なくとも1つのカメラが、連続的な画像をキャプチャするように構成され、そのそれぞれが、第1の領域及び第2の領域を含む。一部の実施形態において、処理ユニットは:受信された画像のそれぞれにおいて第1の影の端及び第2の影の端を検出することによって、受信された画像のそれぞれにおいて影の端を検出する、さらに、影の端に隣接している特徴の出現を、第1の影の端に隣接している特徴の出現を検出する、及び、第2の影の端に隣接している特徴の出現を検出することによって、受信された画像において検出するように構成される。
【0015】
一部の実施形態において、光源は近赤外光を放つように構成され、さらに、少なくとも1つのカメラは近赤外光を検出するように構成される。
【0016】
一部の実施形態において、光源は、光源によって放たれる光のうち実質的に全てが、既定の範囲の波長を有するように構成される。一部の実施形態において、少なくとも1つのカメラは、既定の範囲の波長を有する光の通過を可能にし、さらに、既定の範囲外の波長を有する光の通過を阻止するように構成された光学フィルタを含む。
【0017】
本発明の第2の態様によると、対象が家具のアイテムから出た時を検出するシステムも提供される。当該システムは家具のアイテムを含み、家具のアイテムは、対象を支持する上側、及び、上側とは反対の下側を有し、さらに、下側から、家具のアイテムが置かれている表面に向かって延びる突出要素を含み、突出要素は、近位端、及び、近位端とは反対の遠位端を含み、遠位端は、近位端よりも下側から遠く、家具のアイテムは、突出要素の遠位端に関連する端の特徴をさらに有する。当該システムは、家具のアイテムの突出要素の遠位端に関連する端の特徴を、端の特徴の影が表面の領域の上に生じるように、照射するように構成された光源をさらに含む。当該システムは、表面の領域の連続的な画像をキャプチャするように構成されたカメラ;及び処理ユニット;をさらに含む。処理ユニットは:カメラから画像を受信する;受信された画像のそれぞれにおいて端の特徴の影の端を検出する;影の端に隣接している特徴の出現を、受信された画像において検出する;検出された特徴が時間の経過に伴いどのように変化するかをモニターする;時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定する;さらに、上記の決定に基づき信号を出力する;ように構成される。
【0018】
一部の実施形態において、突出要素は、家具のアイテムに取外し可能に取り付けられる端の部材において含まれる。一部のそのような実施形態において、端の部材は直線的な隆起を含み、家具のアイテムに取り付けられた場合に、家具のアイテムの下側から、家具のアイテムが置かれている表面に向かって延びる。
【0019】
本発明の第3の態様によると、対象が家具のアイテムから出た時を検出する方法も提供され、家具のアイテムは、対象を支持する上側、及び、上側とは反対の下側を有し、さらに、下側から、家具のアイテムが置かれている表面に向かって延びる突出要素を含み、突出要素は、近位端、及び、近位端とは反対の遠位端を含み、遠位端は、近位端よりも下側から遠い。当該方法は:
表面の領域の連続的な画像を受信するステップであり、画像のそれぞれが、家具のアイテムの突出要素の遠位端に関連する端の特徴によって投じられた影を含む、ステップ;
受信された画像のそれぞれにおいて影の端を検出するステップ;
影の端に隣接している特徴の出現を、受信された画像において検出するステップ;
検出された特徴が時間の経過に伴いどのように変化するかをモニターするステップ;
時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定するステップ;及び、
上記の決定に基づき信号を出力するステップ;
を含む。
【0020】
このように、本発明の実施形態は、従来のカメラベースのモニタリングシステムよりもかなり少ない計算資源を使用しながら、家具のアイテムを占有している対象の移動を確実に且つ目立たずにモニターすることができるシステムを有利に提供する。この様式で、ベッド(又は他の家具)を出る事象を自動的に検出することができ、これは、医療スタッフにかかるモニタリングの重荷をかなり減らすことができる。
【0021】
本発明をより理解するため、及び、どのようにして施行することができるかをより明確に示すために、付随の図面が単なる例として次に参照される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、概略の実施形態による、対象が家具のアイテムから出た時を検出する装置10を示している。当該装置は、光14を放つように構成された光源11、カメラ12及び処理ユニット13を含む。
【0024】
「処理ユニット」という句は、本明細書において、例えば信号若しくはデータに応答して処理するもの、及び/又は、自動的に処理もの等、処理するための実在物又はシステムを意味するとして使用される。処理ユニットは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラム可能デジタル信号プロセッサ、集積回路、コンピュータソフトウェア、コンピュータハードウェア、電気回路、特定用途向け集積回路、プログラム可能論理回路、プログラム可能ゲートアレイ、プログラム可能アレイロジック、パーソナルコンピュータ、チップ、及び、別々のアナログ、デジタル若しくはプログラム可能構成要素のいかなる他の組み合わせ、又は、処理機能を提供する能力を持つ他の装置を包含するとして理解されるべきである。
【0025】
光源11は、家具のアイテムの下で使用するように構成され、家具のアイテムは、対象を支持する上側、及び、上側とは反対の下側を有し、さらに、下側から、家具のアイテムが置かれている表面に向かって延びる突出要素を含み、突出要素は、近位端、及び、近位端とは反対の遠位端を含み、遠位端は、近位端よりも下側から遠い。光源11は、家具のアイテムの突出要素の遠位端に関連する端の特徴を、端の特徴の影が表面の領域の上に生じるように、照射するように構成される。一部の実施形態において、光源11は、指向性光源である。一部の実施形態において、装置10は、多数の光源を含む。一部のそのような実施形態において、多数の光源のそれぞれを、家具のアイテムが置かれている表面の異なる領域、又は、家具のアイテムの近くの異なる表面の上に影をもたらすように構成することができる。
【0026】
一部の実施形態において、光源11は、光源によって放たれる光のうち実質的に全てが、既定の範囲の波長を有するように構成される。好ましくは、光源11は、ある波長にて光を放つように構成され、その波長では、当該装置が使用されることになる位置における他の光源は、かなりの量の光を放たないか、又は、光源11によって放たれた波長の光の強度と比較して高い強度で光を放たない。有利に、他の光源が多くの光を放たないか、又は、低い強度で放つだけである波長を使用することによって、影が、その波長の光を優先的に検出するように構成されたカメラによって取得された画像においてハイコントラストの物体として現れることになるということが確実にされる。
【0027】
一部のそのような実施形態において、光源は、既定の範囲の波長を有する光の通過を可能にするように構成された光学フィルタを含む。一部の実施形態において、光源11は、近赤外(IR)光を放つように構成される。有利に、近IR光を使用する光源は、対象又は病院スタッフに対する視覚障害を防ぐことができる。好ましくは、光源は、装置10が採光の良い環境において作動している場合でさえも、明確な影をもたらすのに十分高い強度にて光を放つように構成される。一部の実施形態において、光源は、光源によって放たれる光の強度が、例えば処理ユニット(例えば処理ユニット13等)から、又は、光源11のユーザインターフェイスからの制御信号に応答して、可変であるように構成される。
【0028】
一部の実施形態において、光源11は、光源11と、光源11が取り付けられる表面との角度が調整可能であるように構成される。一部のそのような実施形態において、光源11は、光源11が、可能な取り付け角度の範囲のうちいずれの角度でも表面に取り付けられるのを可能にするように構成された取り付け要素を含む。有利に、そのような実施形態は、照射されることになる端の特徴に対する光源の最適の位置決定を促進する。好ましくは、光源11は、照射されることになる端の特徴、及び/又は、影が生じることになる表面の領域に関して、強固に固定されるように構成される。
【0029】
一部の実施形態において、光源11は、ユーザからの入力を受信するユーザインターフェイスを含む。一部のそのような実施形態において、ユーザインターフェイスは、オン/オフスイッチを含む。一部の実施形態において、ユーザインターフェイスは、ユーザが、光源11によって放たれる光のパラメータ(例えば強度、波長等)を設定するのを可能にする機能を含む。一部の実施形態において、光源11は、例えば有線又は無線の通信リンクによって、離れた処理ユニットと通信している。一部のそのような実施形態において、光源11は、離れた処理ユニットから制御信号を受信するように構成される。一部の実施形態において、離れた処理ユニットは、装置10の処理ユニット13である。
【0030】
カメラ12は、表面の領域の連続的な画像をキャプチャするように構成される。カメラ12は、光源11によって放たれる光と同じタイプの光を検出するように構成される。例えば、光源11が近IR光を放つように構成される実施形態において、カメラ12は、近IR光を検出する、及び、検出された近IR光に基づき画像を生成するように構成される。光源11が、光源によって放たれる光のうち実質的に全てが、(例えば光学フィルタを含む光源によって)既定の範囲の波長を有するように構成される実施形態において、少なくとも1つのカメラは、既定の範囲の波長を有する光を検出するように構成される。一部のそのような実施形態において、カメラ12は、既定の範囲の波長を有する光の通過を可能にし、さらに、既定の範囲外の波長を有する光の通過を阻止するように構成された光学フィルタを含む。
【0031】
一部の実施形態において、カメラ12は2Dカメラである。一部の実施形態において、カメラ12は広角カメラである。一部の実施形態において、装置10は複数のカメラを含み、その場合、それぞれのカメラからの画像は、分析されて影を検出する等の前に、1つの大きな画像を生成するために、処理ユニット13によって共に縫い合わされてもよい。同時に家具のアイテムの2つ以上の側をモニターすることが所望される状況において、多数のカメラを提供することは、家具のアイテムの対象を支持する表面がキャプチャされる画像のいずれにおいてもあることを必要とすることなく、家具のアイテムのそれぞれの側での表面が、キャプチャされる画像内にあることを可能にし得る。従って、家具のアイテムを占有している対象のプライバシーを維持することができる。カメラ12は、
図1において点線によって表されている視野(FOV)を有し、それは、好ましくは、1つ又は複数の光源11及びカメラ12が使用のために位置決定される場合に端の特徴の照射によって生じる少なくとも1つの影を包含するのに十分広い。一部の実施形態において、カメラ12はビデオカメラであり、複数の連続したビデオフレームを含むビデオストリームをキャプチャするように構成される。一部の実施形態において、カメラは、例えば記録期間中に一連のスチール画像をキャプチャするように構成されたスチールカメラである。
【0032】
処理ユニット13は、例えば通信リンク15を介して、カメラ12から画像を受信するように構成される。通信リンク15は、有線又は無線であってもよい。処理ユニット13は、受信された画像のそれぞれにおいて影の端を検出するようにさらに構成される。影の形は、照射される端の特徴の形状次第である。例えば、照射される端の特徴が一直線の端を含む場合、端の特徴の影は、それぞれの受信された画像において濃い領域を含むことになり、濃い領域は、照射される端の特徴の一直線の端に対応する一直線の端によって1つの側の上で境界が示される。照射される端の特徴が一直線の端を含む一実施形態は、
図2a及び2bにおいて例示されている。
【0033】
図2aは、装置10の光源11が取り付けられたベッド20の一部を通る断面を示している。
図2bは、ベッド20及び周囲の床22の平面図を示している。ベッド20は、ベッド20の下側から、ベッド20が置かれている床22に向かって延びる突出要素25を有する。突出要素25は、上端、及び、上端とは反対の下端を含む。下端は、
図2aにおいて見ることができるように下側に接続された上端よりもベッド20の下側から遠い。このように、上端は近位端であり、さらに、下端は遠位端である。要素25の下端(すなわち遠位端)は、ベッド20の下側に関連する端の特徴を含む。光源11は、ベッド20の下側に取り付けられ、さらに、光源11によって放たれる光の一部が、ベッド20に隣接する領域内の床22に入射し、さらに、光源11によって放たれる光の一部が突出要素25に入射する(すなわち、突出要素25は光源11によって放たれる光の一部を遮断する)ように向けられている。
【0034】
突出要素25による放たれた光の一部を遮断することの結果として、影23が、ベッドの一つの側からの距離xにて、床22の上に生じる。突出要素25の下端に対応する影23の端24は、突出要素の下端が一直線であるため、(
図2bにおいて見ることができるように)一直線である。突出要素の下端が、(例えば、曲がっている、段のある、凹凸状である、のこぎり状である場合等)一直線ではなかった場合に、影の端24は、対応して一直線ではない(すなわち、突出要素の曲がった端は曲がった影の端をもたらすであろう)ということが正しく理解されることになる。本願明細書の残りにわたり、「影の端」という用語は、上記の様式で、影を投じる照射される端の特徴(すなわち、物理的な端)に対応する影の端を意味するとして使用されることになる。従って、端の特徴の、その端の特徴の照射によって表面上に生じた影は、影の端である。
【0035】
処理ユニット13は、当技術分野においては既知のいかなる適した1つ又は複数の端検出アルゴリズムを使用して、受信された画像において影の端を検出するように構成されてもよい。例えば、装置10が、(例えば、家具のアイテムの多数の側を表示するように構成された)少なくとも1つのカメラ12、及び、(例えば、家具のアイテムの下側に関連する異なる端の特徴を照射するように構成された)多数の光源11を含む実施形態等、一部の実施形態において、処理ユニット13は、受信された画像のそれぞれにおいて多数の影の端を検出するように構成される。有利に、そのような実施形態において、装置10は、同時に家具のアイテムのいくつかの側をモニターすることができる。好ましい実施形態において、光源11によって放たれる光の強度は、同じ波長を有する背景光の強度と比較して高い。これは、有利に、光源によって放たれる光と同じ波長を有する光を優先的に検出するように構成されたカメラによって生成される画像においてハイコントラストの物体として影が現れるということ、及び、影の端24が明確であるということも確実にする。画像における明確なハイコントラストの物体は、シンプルな画像処理技術を使用して検出するのが簡単であり、その結果、影の端を検出するのに要求される計算資源は、例えば、ベッドの上の対象を検出するのに要求されるであろうものと比較して少ない。
【0036】
処理ユニット13は、受信された画像において、検出された影の端に隣接している特徴の出現を検出するようにさらに構成される。特徴は、例えば、影の端の局所的な変形、影の端に接触しているか又は重なっているさらなる影、影の端に接触しているか又は重なっている物体等を含んでもよい。一部の実施形態において、処理ユニットは、影の端のベッド(すなわち照らされる)側にて現れる特徴を検出するように構成され、さらに、反対側(すなわち影の中)にて現れる特徴を検出するようには構成されない。処理ユニット13が、(例えば、家具のアイテムの多数の側が1つの装置10によってモニターされている場合に)多数の影の端を検出するように構成される実施形態において、処理ユニット13は、受信された画像において検出されたそれぞれの影の端に関して、検出された影の端に隣接している特徴の出現を別々に且つ同時に検出するように構成される。
【0037】
一部の実施形態において、処理ユニット13は、第1の時間にて取得された(一部の実施形態においてビデオフレームを含んでもよい)第1の画像を、第2の、後の時間にて取得された(一部の実施形態においてビデオフレームを含んでもよい)第2の画像に比較することによって、検出された影の端に隣接している特徴の出現を検出するように構成される。第2の時間は、第1の時間の後(どのくらい頻繁にカメラ12が画像/ビデオフレームを取得するように構成されているかに関して可能な限り)すぐであってもよく、又或いは、第1の時間の後、所定の長さの時間であってもよい。一部のそのような実施形態において、影の端に隣接している特徴が第2の画像において存在しているが、第1の画像において存在していない場合、処理ユニットは、特徴が、影の端に隣接して現れたということを決定するように構成される。一部の実施形態において、処理ユニット13は、それぞれの(時間的に)連続した受信された画像の対に関してそのような比較を行うように構成される。
【0038】
処理ユニット13は、検出された特徴(すなわち、影の端に隣接して出現した特徴)が時間の経過に伴いどのように変化するかをモニターするようにさらに構成される。一部の実施形態において、処理ユニットは、第1の時間にて取得された第1の画像における特徴の特性に対する第1の値を決定すること;第2の、後の時間にて取得された第2の画像における特徴の特性に対する第2の値を決定すること;さらに、第2の値を第1の値に比較することによって、時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化をモニターするように構成される。特徴の特性は、例えば、特徴のサイズ、特徴の面積、特徴の形状、特徴の位置;影の端に垂直な特徴の延び等であり得る。一部の実施形態において、処理ユニット13は、第1の値、第2の値、第1の画像の取得時間及び第2の画像の取得時間に基づき、時間の経過に伴う検出された特徴の変化の速度を決定するように構成される。一部の実施形態において、処理ユニットは、時間の経過に伴う検出された特徴の動きの方向を決定することによって、時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化をモニターするように構成される。
【0039】
図5は、左から右に読まれた場合に、例として示される、ベッドから出る事象(又は、右から左に読まれる場合には、ベッドに入る事象)を表している画像のセットを示している。第1の(すなわち最も左の)画像において、影の端の2つの変形が出現し、これらは対象の足に対応している。変形は、影の端からベッドの方向に延びる隆起の形状を有している。続く画像において、それぞれの隆起はより小さくなっている(すなわち、影の端に垂直なそれぞれの隆起の延びは減り、それぞれの隆起の面積も同様である)。例として示される装置10の実施形態において、処理ユニットは、影の端に隣接して出現した特徴として隆起を検出するように、及び、それぞれの続く画像におけるそれぞれの隆起の延びを決定する、及び、連続した画像の対の間で延びの値を比較することによって、検出された特徴に対する変化をモニターするように構成される。
【0040】
一部の実施形態において、処理ユニットが検出された特徴に対する変化をモニターするように構成される期間は、特徴が受信された画像において存在している期間を含む。例えば、
図5において示されているシナリオにおいて、期間は、隆起が存在する最も早くに取得された画像である最も左の画像から始まり、さらに、隆起が存在する最後の画像である最も右側から2番目の画像で終わっている。そのような実施形態において、処理ユニット13は、隆起が存在する最も早くに取得された画像の取得時間を、隆起が存在する最後に取得された画像の取得時間に比較することによって、期間を決定することができる。一部の実施形態において、処理ユニットが検出された特徴に対する変化をモニターするように構成される期間は、検出された特徴が存在する最も早くに取得された画像から始まる、固定された長さを有する期間を含む。
【0041】
一部の実施形態において、処理ユニットは、例えば特徴の特性の値、差の値等、時系列値に基づき変化信号を生成するように構成される。処理ユニット13は、受信された画像における特徴の検出及びモニタリングにおいて、いかなる適した既知の信号分析及び特徴抽出技術も使用するように構成することができる。
【0042】
処理ユニット13は、検出された特徴に対する変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定するようにさらに構成される。一部の実施形態において、既定の基準は、1つ又は複数の状態のセットを含む。一部の実施形態において、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準は、時間の経過に伴う検出された特徴の所与の特性に対する変化に対する閾値(例えば最小の閾値)を含む。一部の実施形態において、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準は、時間の経過に伴う検出された特徴の変化の方向(例えば増加、減少)を特定する状態を含む。一部の実施形態において、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準は、検出された特徴の動きの方向に関する状態を含む。一部の実施形態において、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準は、変化信号の形状に関する状態を含む。変化信号の形状に関する状態は:変化信号の可変性の指標、変化信号の可変性が既定の閾値を超える時間の量、変化信号におけるピークの相対的位置関係、変化信号におけるピークの相対的高さ関係、変化信号下の面積、変化信号が既定の閾値を超える期間の頻度等のうちいずれか又は全てを含み得る。
【0043】
一部の実施形態において、対象が出る事象に対する既定の基準は、期間中の影の端に向かう方向における検出された特徴の動き(すなわち、特徴が隣接して出現した検出された影の端)が、既定の基準を満たしていると処理ユニットによって決定され、さらに、影の端から離れる方向における検出された特徴の動きが、既定の基準を満たしていないと処理ユニットによって決定されるように定められる。一部のそのような実施形態において、処理ユニット13は、特徴の所与の部分と検出された影との距離が、特徴が第1に影に隣接して検出された後で(例えば1分等の)既定の期間にわたって平均して増える場合に、検出された特徴の動きの方向は、検出された影から離れているということを決定するように構成される。
【0044】
一部の実施形態において、処理ユニット13は、種々の異なるタイプのベッドから出る事象(例えば、ベッドから落ちる、体を起こし次にベッドから出る、うつ伏せの位置から床の上に脚を下す等)に対応する既定の変化のシグネチャ(signature)のセットを格納するメモリを含むか、又は、そのようなメモリと通信している。変化のシグネチャは、例えば、1つ又は複数の変化信号、及び/又は、上記のタイプのうちいずれかの、特徴の1つ又は複数の特性における変化に関する状態のセット等を含んでもよい。一部のそのような実施形態において、少なくとも1つの基準は変化のシグネチャを含み、さらに、検出された特徴に対する変化が、少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定することは、検出された特徴に対して生成された変化信号が変化シグネチャに一致しているかどうか決定することを含む。一部の実施形態において、処理ユニット13は、検出された特徴に対する変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかのそれぞれの決定に関して信頼情報を計算するようにさらに構成される。
【0045】
一部の実施形態において、対象が出る事象に対する既定の基準は、対象以外の人間又はアイテムを表している特徴に対する変化が、既定の対象の入る基準を満たさないように定められる。例えば、最小の変化の速度を要求する状態は、無生物の物体によって生じた影を除外する既定の基準に含まれ得る。一部の実施形態において、処理ユニットには、対象以外の人間(例えば、介護者、清掃員、家族のメンバー等)によって共通して示される種々の異なる移動パターンに対応する既定の「他の人間」の変化のシグネチャのセットが提供される。一部のそのような実施形態において、対象が出る事象に対する既定の基準は、「他の人間」の変化のシグネチャのうちの1つに一致する検出された特徴に対して生成される変化信号が、既定の基準を満たしていないと決定されるように定められる。
【0046】
処理ユニット13は、上記の決定に基づき信号を出力するようにさらに構成される。一部の実施形態において、信号は、例えば、処理ユニット13と有線又は無線の通信リンクを有する装置に対する制御信号を含む。そのような装置は、例えば、通信装置、表示装置、警報装置等であり得る。そのような実施形態において、制御信号は、例えば:
− 警報装置(例えば視覚又は聴覚的警報生成装置等)に警報を生成させること;
− 通信装置に、介護者へのメッセージを生成させること;
− 通信装置に、対象へのメッセージを生成させること;
− 通信装置に、離れた装置(例えば、医療専門家のポケットベル、PDA又は携帯電話)まで信号を遅らせること;
− 表示装置(例えばモニター又はスクリーン等)に、情報を表示させること;
のうち1つ又は複数を行うように構成されてもよい。
【0047】
一部の実施形態において、信号は、例えばベッドから出る事象が検出されたということを示した、介護者に対するメッセージを含む。一部の実施形態において、信号は、例えば、援助が到達するまでベッドに残るよう指示する、対象に対するメッセージを含む。一部の実施形態において、処理ユニットは、例えば通信信号等の複数の信号を、医療専門家の携帯電話等の通信装置に対して、及び、警報装置に警報を生成させる制御信号を、警報装置に対して出力するように構成される。
【0048】
装置10が多数の光源を含む一部の実施形態において、多数の光源のそれぞれは、同じ家具のアイテムの下で使用するためにある。しかし、多数の光源のそれぞれは、例えば、家具のアイテムの第1の側に関連する第1の端の特徴、及び、家具のアイテムの第2の異なる側に関連する第2の端の特徴等、異なる端の特徴を照射するように構成される。結果として生じる影は、従って、家具のアイテムの異なる側に隣接して生じる。一部の実施形態において、結果として生じる影は、家具のアイテムの反対の側に隣接して生じる。一部の実施形態において、結果として生じる影は、家具のアイテムのそれぞれの側に隣接して生じ、そのそれぞれの側から、対象は家具のアイテムを出るのが可能である。有利に、家具のアイテムの異なる側の上にパターンを投射するために多数の投射器を利用する実施形態は、対象が家具のアイテムを出ることができる家具のアイテムの全ての側がモニターされるのを可能にし、出る事象が装置10によって見落とされないということを確実にしている。そのような実施形態は、従って、高い検出感度を有する。
【0049】
例えば、1つのそのような実施形態において、第1の指向性光源が、ベッドの第1の側に向かって光を放つようにベッドの土台に固定され、さらに、第2の指向性光源が、類似の位置でベッドの土台に固定されるが、第1の光源とは反対の方向に光を放つように置かれる。第1の光源は、ベッドの第1の長い側に沿ってベッドが置かれている床に向かって延びるベッドフレームの第1の突出部を照射する。第2の光源は、第1の長い側とは反対のベッドの第2の長い側に沿って床に向かって延びるベッドフレームの第2の突出部を照射する。その結果、第1の影が、ベッドの第1の長い側に隣接した表面(例えば床又は壁)の上に生じ、さらに、第2の影が、第2の長い側に隣接した表面(例えば床又は壁)の上に生じる。そのような実施形態において、カメラは、どちらの影もそのFOV内にあるように置かれ、処理ユニット13は、受信された画像のそれぞれにおいて2つの影を検出するように構成される。一部のそのような実施形態において、処理ユニット13は、第1の影の端に隣接した特徴の出現を検出するよう、及び、第2の影の端に隣接した特徴の出現を検出するように構成される。検出された特徴の動きは、次に、どの影の端に隣接して特徴が出現したかにかかわらず、同じ様式で、処理ユニット13によって分析される。
【0050】
装置10が多数の光源を含む一部の実施形態において、多数の光源のそれぞれは、同じ家具のアイテムの下で使用するためにあり、さらに、同じ家具のアイテムの突出要素の遠位端に関連する端の特徴を照射するように構成される。結果として生じる影は、従って、家具のアイテムの同じ側に隣接して生じる。多数の光源のそれぞれが、照射される端の特徴から同じ距離にて、及び、照射される端の特徴及び表面に関して同じ角度にて配置される場合、多数の影のそれぞれは、家具のアイテムから同じ距離にて表面の上に生じることになる。光源は、影が重なって、それぞれの光源11によって個々に投じられるであろう影よりも大きい全体の影を生じるように配置することができる。有利に、そのような実施形態は、家具のアイテムの側全体に沿って延びる全体の影が生じるのを可能にし;どのくらい家具のアイテムは大きいのかにかかわらず、対象は、影を渡ることなくその側から家具のアイテムを出ることができないということを確実にしている。そのような実施形態は、従って、病院用ベッド等の大きな家具のアイテムを用いた使用に特に適している。そのような実施形態において、カメラ12は、好ましくは、全体の影のうち全て又は大部分がそのFOV内にあるように位置決定するためにあり、さらに、処理ユニットは、好ましくは、受信された画像における全体の影を、個々の影であるかのように検出するように構成される。
【0051】
一部の実施形態において、装置10は、さらに、対象が家具のアイテムに入った時を検出するためにある。そのような実施形態において、処理ユニット13は、時間の経過に伴う検出された特徴に対する変化が、対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定するようにさらに構成される。対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準は、対象が出る事象に対する少なくとも1つの基準に関する上記の特徴のうちいずれかを有してもよい。しかし、対象が入る事象は、典型的には、対象が出る事象とは反対の方向における(例えば特徴の特性の)変化を含むということが正しく理解されることになる。例えば、特徴の面積の特性は、(
図5によって示されているように)対象が出る事象の間に減少すると予想され、さらに、対象が入る事象の間に増加すると予想される。
【0052】
一部の実施形態において、対象が入る事象に対する既定の基準は、影の端に向かう方向における時間の経過に伴う検出された特徴の動きが、既定の基準を満たしていないとして処理ユニットによって決定されるように定められる。一部の実施形態において、対象が入る事象に対する既定の基準は、対象以外の人間又はアイテムを表している特徴に対する変化が、既定の対象が入る基準を満たさないように定められる(これは、例えば、対象が出る事象に対する既定の基準に関する上記のものと類似の様式で達成することができる)。一部の実施形態において、処理ユニット13は、検出された特徴に対する変化が、対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかのそれぞれの決定に関して信頼情報を計算するようにさらに構成される。対象が入る事象を検出するための実施形態において、処理ユニット13は、検出された特徴に対する変化が、対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかの決定に基づき信号を出力するようにさらに構成される。
【0053】
図3は、家具のアイテムと共に使用中の
図1の装置を示している。例示された例において、家具のアイテムは、それぞれの長い側に沿って、ベッドの下側から、ベッドが置かれている床32に向かって延びる突出要素35a、35bを有する病院用ベッド30を含む。しかし、他の例において、家具のアイテムは、別のタイプのベッド、椅子、車椅子、又は、対象によって占有され得るいかなる家具のアイテムも含み得る。対象が出る事象をモニターすることが所望であり得る特定の家具のアイテムは、家具のアイテムの下に配置された光源によって照射された場合に表面の上に影を生じるのに適した端の特徴を有する要素を含まなくてもよいということが正しく理解されることになる。装置10は、(例えばいかなる適した既知の取り付け機構によっても)家具のアイテムへの取り付けに対する端の部材を提供することによって、そのような家具のアイテムと共に使用することができる。一部のそのような実施形態において、端の部材は、家具のアイテムに取外し可能に取り付けることができる。一部の実施形態において、端の部材は、直線的な隆起を含み、家具のアイテムに取り付けられた場合に、家具のアイテムの下側から、家具のアイテムが置かれている表面に向かって延びる。一部の実施形態において、
図3の突出要素35a、35bは、病院用ベッド30に取外し可能に取り付けられた端の部材を含む。
【0054】
2つの光源(
図3においては見えない)が、反対の方向付けで病院用ベッドの下に配置されて、突出要素35a及び突出要素35bをそれぞれ照射する。光源は、好ましくは、影33a、33bがベッド30の長い側から適した距離にて生じるように配置されるため、ベッドから出る対象は、影の端24のうちの1つを渡らなくてはならない。
図3の例において、光源は、例えば取付金具によって、ベッド30の土台に取り付けられる。他の実施形態において、1つ又は複数の光源は、家具のアイテムに取り付けられない。代わりに、1つ又は複数の光源は、(例えば台又は三脚によって)家具のアイテムの下において床の上で支持され得る。
図3の例において、対象がベッドのいずれかの長い側からベッド30を出得るため、2つの反対の位置に向けられた光源が使用される。しかし、ベッド30が、対象がその側のベッドから出ることができないように長い側のうちの1つが壁に対して配置される場合にのみ、ベッドの他の長い側(すまわち、壁に対していない長い側)に向けられた1つ又は複数の光源を提供することが必要であるということが正しく理解されることになる。
【0055】
特定の家具のアイテムと共に装置10を設定する場合に、光源を家具のアイテムに取り付けるかどうか、照射されることになる端の特徴に関する光源を置くための角度、光源を置くための高さ等の決定が、特定の家具のアイテムの正確な形状に基づき(例えば装置10をエンジニアインストールすることによって)行われることになる。例えば、多くの現代の病院用ベッドは、(例えば、対象支持面を上げ下げする及び/又は対象支持面の角度を変えるために)複雑な機構の上で支持され、さらに、そのような病院用ベッドをモニターするために装置10をインストールする場合に、光源11によって放たれる光が、ベッドの支持機構のいかなる部分によっても覆い隠されないということを確実にすることが必要となる。好ましくは、光源(又は多数の光源)は、1つ又は複数の影の端が、対象がそこから家具のアイテムを出るかもしれない家具のアイテムの1つの側の大部分又は全てに沿って延びるように置かれる。
【0056】
例えばベッドから出る移動の一部として、対象33がその体の一部を、ベッド30の長い端のうちの1つを越えてベッドに隣接する床32の上に動かす場合、その体の一部は、
図4によって例示されているように、そのベッドの端に向けられた光源によって放たれる光の一部を遮断することになる。
図4aにおける点線Aは、影の端34aの位置を示している。従って、対象の足は、この影の端を横断しているということがわかる。その結果、対象が
図4aにおいて示された位置にいる場合に、カメラ12によって取得される画像における影の端は、対象の足のそれぞれに対応する2つの局所的な変形を含むことになる。
図4bは、
図4aにおいて示されている状況のカメラ12によって取得された例として示される画像の一部を示している。対象がベッドから出る移動を完了し、さらに、ベッドから離れるよう動くに従い、体のどの部分も光源によって放たれる光を遮断していないように、完全に影の中へと動く。
【0057】
この移動は、影の端34aに向かって縮み且つ最終的には消える局所的な変形として、受信された画像において表される。このプロセスは、
図5によって例示されており、
図5は、左から右に読まれた場合に、例として示される、ベッドから出る事象を表している画像のセットを示している。ベッドに入る事象は、受信された画像において、ベッドから出る事象の逆のように現れるであろう(すなわち、影の端の1つ又は複数の小さい局所的な変形が現れ、後に、影の端から離れるに従い大きくなるであろう)ということが正しく理解されることになる。
【0058】
一部の実施形態において、光源は、例えば、それぞれの光源のオンスイッチを作動させる人間によって手動で作動させられ、さらに、例えばオフスイッチを作動させる人間によって手動で使用を止めるまで絶えず光を放つ。一部の実施形態において、光源は、例えば処理ユニットからの制御信号によって自動で作動させられる。一部の実施形態において、光源は、処理ユニット13との通信リンクを有し、さらに、それぞれの光源は、処理ユニット13からの制御信号によって作動させられ(後に使用が止められ)る。好ましくは、光源は、家具のアイテムが使用中である時間の間だけ作動させられる。本発明の目的に対して、家具のアイテムは、家具のアイテムを使用する対象の、例えば手洗いを訪れるため又は治療を受けるための一時的な不在の間は「使用中」のままであるとして考慮される。対照的に、家具のアイテムは、その家具のアイテムを以前に占有していた対象の退院から、新たな対象によるその家具のアイテムの第1の占有までの期間中には使用中ではないと考慮される。
【0059】
図3の例において、カメラ12及び処理ユニット13は、モニタリング装置36内に統合されている。モニタリング装置36は、影33a及び33bのどちらもカメラ12の(
図3において点線によって表されている)FOV内にあるように、ベッド30の上の中央に置かれている。
【0060】
装置10の使用中、光源は、突出要素35a、35bの端を絶えず照射するように、上記の様式のうち1つの様式で作動させられ、その結果、床32の上に影33a、33bをそれぞれ生じる。カメラ12は、記録期間中に、影33a、33b及び影の端34a、34bを含む床32の画像をキャプチャする。一部の実施形態において、カメラは、記録時間が、装置10が使用中である期間を含むように、装置10が使用中である全時間の間に、画像を絶えずキャプチャする。一部の実施形態において、カメラは、事象に応答して作動させられる。一部のそのような実施形態において、事象は、(例えば、家具のアイテムに取り付けられた加速度計、又は、別のカメラベースの動き検出システム等の)別の動き検出器による対象の動きの検出を含む。一部の実施形態において、カメラは、既定の時間量の間、画像をキャプチャするように構成される(すなわち、記録期間は既定されている)。一部の実施形態において、キャプチャされた画像はビデオフレームを含む。一部の実施形態において、カメラは、一連のスチール画像をキャプチャする。
【0061】
カメラによってキャプチャされた画像は、処理ユニット13に送られる。処理ユニット13は、キャプチャされた画像に基づき、例えば
図6において示されている方法を行うことによって、対象が出る事象が発生しているかどうか(又は発生したかどうか)を絶えず評価する。一部の実施形態において、処理ユニット13は、さらに、キャプチャされた画像に基づき、例えば
図6において示されている方法を行うことによって、対象が入る事象が発生しているかどうか(又は発生したかどうか)を絶えず評価する。
【0062】
図6は、対象が家具のアイテムから出た時を検出する方法を例示している。第1のステップ601において、(例えば床32等)表面の領域の連続的な画像が、(例えば処理ユニット13によって)受信される。画像のそれぞれは、(例えばベッド30等の)家具のアイテムの突出要素の遠位端に関連する端の特徴によって投じられた影を含む。家具のアイテムは、対象を支持する上側、及び、上側とは反対の下側を有する。一部の実施形態において、画像は、例えば有線又は無線の通信リンクを介して、画像をキャプチャしたカメラから受信される。一部の実施形態において、画像は、例えば有線又は無線の通信リンクを介して、(例えば中央病院用サーバー等の)離れたサーバーから受信される。一部の実施形態において、画像は、機械読取り可能な非一時的記録媒体上で受信される。一部の実施形態において、画像は、リアルタイム又はほぼリアルタイムで(すなわち、カメラによってキャプチャされるに従い)受信される。一部の実施形態において、画像は、例えば、第1の家具のアイテムをモニターするように構成された第1のカメラ、及び、第2の家具のアイテムをモニターするように構成された第2のカメラ等、多数の供給源から受信される。
【0063】
ステップ602において、影の端が、例えば処理ユニット13によって、受信された画像において検出される。一部の実施形態において、影の端は、処理ユニット13の作動に関する上記の様式で検出される。一部の実施形態において、ステップ602を行うことは、受信されたビデオストリームのそれぞれのフレームにおいて影の端を検出することを含む。一部の実施形態において、ステップ602を行うことは、受信された一連のスチール画像のそれぞれの画像において影の端を検出することを含む。
【0064】
ステップ603において、影の端に隣接している特徴の出現が、例えば処理ユニット13によって、受信された画像において検出される。一部の実施形態において、ステップ603を行うことは、処理ユニット13の作動に関する上記の様式で、影の端に隣接している特徴の出現を検出することを含む。ステップ603の結果は、肯定的な検出であっても(すなわち、特徴が影の端に隣接して出現したということが検出されても)よく、又は、否定的な検出であっても(すなわち、特徴は影の端に隣接して出現しなかったということが検出されても)よい。
【0065】
ステップ604において、影の端に隣接して出現した特徴が時間の経過に伴いどのように変化するのかが、例えば処理ユニット13によってモニターされる。一部の実施形態において、ステップ604を行うことは、影の端に隣接して出現した特徴が時間の経過に伴いどのように変化するのかを、処理ユニット13の作動に関する上記の様式でモニターすることを含む。一部の実施形態において、ステップ604は、ステップ603の結果が肯定的な検出であることに応答して行われる。一部の実施形態において、検出された特徴は時間の経過に伴いどのように変化するのかのモニタリングは、新たな画像が受信される毎に更新される。
【0066】
ステップ605において、影の端に隣接して出現した特徴に対する変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの基準を満たしているかどうかが(例えば処理ユニット13によって)決定される。一部の実施形態において、ステップ605を行うことは、影の端に隣接して出現した特徴に対する変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを、処理ユニット13の作動に関する上記の様式で決定することを含む。一部の実施形態において、ステップ605は、例えば変化のモニタリングが更新される毎に、絶えず行われる。一部の実施形態において、期間は、例えば、影の端に隣接した特徴の出現の検出から始まり且つ既定の長さを有する期間等、既定の期間を含む。ステップ605によって行われる決定は、それぞれの新たに受信された画像(又は、それぞれの後のビデオストリームのフレーム)に関して再計算されてもよい。
【0067】
ステップ606において、信号が、決定に基づき(すなわち、ステップ605の結果に基づき)、(例えば処理ユニット13によって)出力される。一部の実施形態において、ステップ606を行うことは、処理ユニット13の作動に関する上記の様式で信号を出力することを含む。信号は、(例えばモニタリング装置36等の)モニタリング装置の通信機能性を使用して出力されてもよい。一部の実施形態において、信号は、リアルタイム又はほぼリアルタイムで絶えず出力される。そのような実施形態において、好ましくは、画像の受信と信号の出力との間の遅延は数秒未満であるため、医療スタッフは、検出された対象が出る事象に対して迅速に反応することができる。一部の実施形態において、信号は、検出された変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかの決定の結果(例えば、基準が満たされている場合に、対象が出る事象が発生しそうである/発生したという徴候、又は、基準が満たされていない場合に、対象が出る事象は発生しそうにない/発生していないという徴候等)を含有している。一部の実施形態において、信号は、ステップ605において行われた決定の結果に関する信頼情報を含有している。一部の実施形態において、ステップ606は、ステップ605の結果が、少なくとも1つの基準が満たされているということである場合にのみ行われる。一部の実施形態において、信号は、例えば、1つ又は複数の検出された変化が発生した期間等、決定の結果に関連する時間情報を含有しており、決定はそれらの検出された変化に基づいている。一部の実施形態において、信号は、移動のタイプについての情報を含有している。例えば、1つのカメラが、多数の家具のアイテムをモニターするために使用される実施形態等、一部の実施形態において、信号は、特定の決定結果が関連する家具のアイテムを同定する情報を含有している。一部の実施形態において、ステップ606を行うことは、多数の信号を放つことを含み、それぞれの信号は、異なるモニターされた家具のアイテムに関する。
【0068】
好ましい実施形態において、
図6の方法は、例えば、装置10が作動中である期間等、期間中に絶えず行われる。一部の実施形態において、当該方法は、検出された特徴に対する変化が、対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定するさらなるステップ(図示せず)を含む。一部の実施形態において、このさらなるステップを行うことは、影から空間的に離れて出現した特徴に対する変化が、対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを、処理ユニット13の作動に関する上記の様式で決定することを含む。一部の実施形態において、このさらなるステップは、例えば変化のモニタリングが更新される毎に、絶えず行われる。さらなるステップによって行われる決定は、それぞれの新たに受信された画像(又は、それぞれ後のビデオストリームのフレーム)に関して再計算されてもよい。
【0069】
当該方法が、検出された特徴に対する変化が、対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかを決定するさらなるステップを含む一部の実施形態において、ステップ606を行うことは、特徴に対する変化が、対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかの決定に基づき信号を出力することを含む。一部のそのような実施形態において、ステップ606を行うことは、特徴に対する変化が、対象が入る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているという決定に基づき、及び、特徴に対する変化が、対象が出る事象に対する少なくとも1つの既定の基準を満たしているかどうかの決定に基づき信号を出力することを含む。
【0070】
従って、本発明の実施形態は、有利に、信頼でき且つ計算的に効率的な様式で、家具のアイテムから対象が出ることが自動的に検出されるのを可能にする。
【0071】
本発明は、図面及び上記の説明において詳細に例示及び記述されてきたけれども、そのような例示及び記述は、例示的又は例証的であり、拘束性はないと考慮されることになる。本発明は、開示された実施形態に限定されない。
【0072】
開示された実施形態に対する変化は、請求された発明を実行する際に、図面、明細書、及び付随の特許請求の範囲の調査から当業者により理解する及びもたらすことができる。特許請求の範囲において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞はその複数形を除外しない。1つのプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲において列挙されたいくつかの項目の機能を満たすことができる。特定の指標が互いに異なる従属項において記載されているという単なる事実は、これらの指標の組合せを役立つよう使用することができないと示しているわけではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に若しくはその一部として供給される、光記憶媒体又は固体記憶媒体等、適したメディア上に記憶/分散させてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線の通信システムを介して等、他の形状で分散させてもよい。特許請求の範囲におけるいかなる参照番号も、その範囲を限定するとして解釈されるべきではない。