特許第6232173号(P6232173)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6232173-スパゲティー用フォーク 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6232173
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】スパゲティー用フォーク
(51)【国際特許分類】
   A47G 21/02 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
   A47G21/02 Z
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-57893(P2017-57893)
(22)【出願日】2017年3月23日
【審査請求日】2017年3月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595155565
【氏名又は名称】株式会社三義漆器店
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(74)【代理人】
【識別番号】100194124
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 まゆみ
(72)【発明者】
【氏名】曽根 佳弘
【審査官】 梶本 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−115081(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3177408(JP,U)
【文献】 特開2002−142950(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0110861(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に複数の爪部が設けられたヘッド部を柄部の一方の端部に備えたスパゲティー用フォークであって、
前記各爪部の互いに対向する内側面は、厚み方向の中央部が長さ方向に沿って窪んだ凹面状であり、
前記内側面と、前記各爪部の厚み方向において対向する対向面とのなす角は鋭角であり、
前記爪部の厚みは、前記爪部の長さ方向における中央部よりも基端部側において、3mm以上8mm以下であり、
前記爪部の外側面は、厚み方向の中央部が突出した湾曲凸面状である
ことを特徴とするスパゲティー用フォーク。
【請求項2】
前記内側面の窪みの最大深さは、前記爪部の長さ方向における中央部よりも基端部側において、0.5mm以上2.5mm以下であることを特徴とする請求項1記載のスパゲティー用フォーク。
【請求項3】
前記各爪部の間隔は、基端部に比べて、先端部の方が広いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスパゲティー用フォーク。
【請求項4】
前記爪部は、2本であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1に記載のスパゲティー用フォーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパゲティー等の麺状の食品(以下、麺という)を食するのに適した麺用フォークに関する。
【背景技術】
【0002】
スパゲティー等の麺を食する際には、一般に、箸やフォークが用いられている。このうち、フォークは、先端に複数の爪部が設けられたヘッド部が柄部の一方の端部に設けられた構造を有しており、箸に比べて、だれもが簡単に使うことができるという特徴を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−54579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のフォークでは、爪部に麺を巻き付けようとしても、滑ってしまい、うまく巻けないことがあった。また、爪部に一口で食べるには多すぎる量の麺が巻き付いてしまい、食べにくいこともあった。
【0005】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、容易に麺を巻き取ることができる麺用フォークを提供することを目的とする。
【0006】
なお、特許文献1には、食べ物を食べるため先端部に食べ物を刺す複数の櫛歯と手で持つ握り柄とからなる飲食用フォークの櫛歯の先端に、複数の突設されたカギ止めを形成したフォークが記載されている。このフォークは、櫛歯の先端に形成したカギ止め部に食物を止めて落下を防止するものであり、本願発明本とは、目的及び構成が全く異なっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の麺用フォークは、先端に複数の爪部が設けられたヘッド部を柄部の一方の端部に備えたものであって、各爪部の互いに対向する内側面は、厚み方向の中央部が長さ方向に沿って窪んだ凹面状であり、内側面と、各爪部の厚み方向において対向する対向面とのなす角は鋭角であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、各爪部の互いに対向する内側面を凹面状とするようにしたので、各爪部の間に麺の収納空間を確保することができる。また、各爪部の内側面と、各爪部の厚み方向において対向する対向面とのなす角を鋭角とするようにしたので、内側面における麺の接触面積を小さくすることができ、各爪部の間に麺が入る際の抵抗が小さくなり、麺に差し込みやすくすることができる。更に、麺を巻くときには、適度な摩擦力が生み出されるので、容易に巻き取ることができる。
【0009】
また、各爪部の間隔を基端部に比べて先端部の方を広くするようにすれば、巻き取った麺が抜けやすくなり、口の中で麺を取れやすくすることができる。
【0010】
更に、爪部の厚みを爪部の長さ方向における中央部よりも基端部側において3mm以上8mm以下とするようにすれば、麺を容易に巻き取ることができ、かつ、口の中に入れやすくすることができる。
【0011】
加えて、爪部を2本とするようにすれば、巻き取られる麺の量が制限され、麺が多く巻き付いてしまうことを抑制することができ、一口で食べるのに適度な量とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る麺用フォークの構成を表わす図である。
図2図1に示したII−II線に沿った拡大端面図である。
図3】本発明の変形例を表す拡大端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(一実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態に係る麺用フォーク10の構成を表すものであり、(A)は上からみた図、(B)は横からみた図である。図2は、図1に示したII−II線に沿った端面構成を拡大して表すものである。この麺用フォーク10は、スパゲティー等の麺を食するのに適したものであり、先端に複数の爪部11が設けられたヘッド部12を柄部13の一方の端部に備えている。この麺用フォーク10は、例えば、プラスチックや金属により構成される。
【0015】
爪部11は、例えば、2本設けられている。2本とすることにより、巻き取れる麺の量が制限され、一口で食べるのに適度な量とすることができるからである。爪部11の間隔、すなわち間の距離は、基端部に比べて、先端部の方が広くなるように形成されていることが好ましい。巻き取った麺が抜けやすくなり、口の中で麺を取れやすくすることができるからである。
【0016】
爪部11の間隔は、爪部11の長さ方向における中央部よりも基端部側において、例えば、4mmから7mm程度とすることが好ましい。これよりも狭いと巻き付けることができる麺の量が少なくなり、これによりも広いと麺が巻きつきにくくなってしまうからである。爪部11の先端部における間隔は、例えば、15mmから25mm程度とすることが好ましい。この範囲において食べやすくすることができるからである。
【0017】
爪部11の互いに対向する内側面11Aは、厚み方向の中央部が長さ方向に沿って窪んだ凹面状とされていることが好ましい。例えば、内側面11Aは、厚み方向において端部から中央部に向かい弓なりに湾曲して窪んでおり、この窪みが長さ方向に連続して形成されていることが好ましい。爪部11の間に麺の収納空間を確保することができるからである。
【0018】
また、爪部11の内側面11Aと、爪部11の厚み方向において対向する対向面11Bとのなす角は鋭角に形成されていることが好ましい。これにより、内側面11Aにおける麺の接触面積が小さくなり、各爪部11Aの間に麺が入る際の抵抗を小さくすることができると共に、麺を巻くときに適度な摩擦力が生じ、麺を容易に巻き取ることができるからである。
【0019】
内側面11Aの窪みの最大深さは、爪部の長さ方向における中央部よりも基端部側において、0.5mm以上2.5mm以下であることが好ましい。これよりも浅いと十分な効果を得ることが難しく、これよりも深いと内側面11Aと対向面11Bとのなす角が小さくなり、麺が切れてしまう可能性があり、また、口当たりが悪くなるからである。内側面11Aの先端側における窪みの深さは、基端部側と同一としてもよいが、先端において徐々に浅くするようにしてもよい。
【0020】
なお、爪部11の基端部における各爪部11の間は、内側面11Aから連続する凹面状となっていてもよいが、平面状とされていてもよい。
【0021】
爪部11の厚みは、爪部の長さ方向における中央部よりも基端部側において、3mm以上8mm以下とすることが好ましい。これよりも薄いと麺を巻きにくくなり、これよりも厚いと麺を巻いた時の大きさが大きくなり口に入れにくくなるからである。爪部11の先端側における厚みは、基端部側と同一としてもよいが、先端において徐々に薄くすることが好ましい。口当たりがよく食べやすいからである。
【0022】
この麺用フォーク10では、例えば、爪部11を麺に差して、2〜3回程度、回すことにより、爪部11に麺を巻き付けて持ち上げることができる。その際、爪部11に巻きつく麺の量は、標準的な太さのスパゲティーであれば3〜4本であり、一口で食べるのに丁度良い量となる。また、口の中に入れた時には、簡単に麺がほどけ、爪部11から外れる。
【0023】
このように、本実施の形態によれば、爪部11の内側面11Aを凹面状とするようにしたので、爪部11の間に麺の収納空間を確保することができる。また、爪部11の内側面11Aと、爪部の対向面11Bとのなす角を鋭角とするようにしたので、内側面11Aにおける麺の接触面積を小さくすることができ、爪部11の間に麺が入る際の抵抗が小さくなり、麺に差し込みやすくすることができる。更に、麺を巻くときには、適度な摩擦力が生み出されるので、容易に巻き取ることができる。
【0024】
また、爪部11の間隔を基端部に比べて先端部の方を広くするようにすれば、巻き取った麺が抜けやすくなり、口の中で麺を取れやすくすることができる。
【0025】
更に、爪部11の厚みを爪部11の長さ方向における中央部よりも基端部側において3mm以上8mm以下とするようにすれば、麺を容易に巻き取ることができ、かつ、口の中に入れやすくすることができる。
【0026】
加えて、爪部11を2本とするようにすれば、巻き取られる麺の量が制限され、麺が多く巻き付いてしまうことを抑制することができ、一口で食べるのに適度な量とすることができる。
【0027】
(変形例)
上記実施の形態では、爪部11が2本の場合について説明したが、図3に示したように、3本以上設けるようにしてもよい。3本以上設けるようにすれば、麺の巻き取り量が多くなるので、例えば、鍋や大皿から麺を取る時に好ましく用いることができる。その他の構成は、上記実施の形態と同一である。
【0028】
以上、実施の形態及び変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態及び変形例では、各構成要素について具体的に説明したが、全ての構成要素を備えていなくてもよく、また、他の構成要素を備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
麺を食する際に用いることができる。
【符号の説明】
【0030】
10…麺用フォーク、11…爪部、11A…内側面、11B…対向面、12…ヘッド部、13…柄部
【要約】
【課題】容易に麺を巻き取ることができる麺用フォークを提供する。
【解決手段】麺用フォーク10は、先端に複数の爪部11が設けられたヘッド部12を柄部13の一方の端部に備えている。爪部11の互いに対向する内側面は、厚み方向の中央部が長さ方向に沿って窪んだ凹面状とされている。爪部11の内側面と、爪部11の厚み方向において対向する対向面とのなす角は鋭角に形成されている。また、爪部11の間隔は、基端部に比べて、先端部の方が広くなるように形成されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3