(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管理ステップでは、前記サーバが、前記部品供給装置の固有情報として、前記部品供給装置の使用又は不使用を示す情報を、前記部品供給装置の識別情報に関連付けて管理し、
前記生成ステップでは、前記実装装置が、前記使用又は不使用を示す情報を含めた前記配置データを自動生成することを特徴とする請求項5に記載のデータ生成方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の実装装置では、フィーダ毎に配置位置を格納するメモリを設けなければならず、メモリに対して情報を読み取り及び書き込みを行う装置も必要としていた。また、配置データを生成するための各種情報がフィーダのメモリにのみ記憶されるため、サーバを用いたデータの一元管理ができず、工場等のように複数台の実装装置を備えた環境には適さないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、稼働前の準備作業を簡略化することができると共に、サーバを用いて実装装置に配置された部品供給装置の配置状況を管理できる生産システム及びデータ生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の生産システムは、サーバによって一元管理されて、部品供給装置から供給された電子部品を実装装置の保持部材において基材に実装する生産システムであって、前記部品供給装置は、前記実装装置において複数の配置領域が形成された配置部の所定の配置領域に配置され、前記サーバは、前記部品供給装置が配置された配置領域を前記配置部から検出して、前記部品供給装置と前記配置領域とを対応付けて管理
する他、前記部品供給装置の固有情報を、前記部品供給装置の識別情報に関連付けて管理しており、前記実装装置は、前記サーバから管理情報を取得して、前記部品供給装置と前記配置領域との対応関係
に前記部品供給装置の固有情報を含めた配置データを自動生成
しており、前記サーバは、前記部品供給装置の固有情報として、前記部品供給装置から前記実装装置への受け渡される際の前記電子部品の保持位置に対する補正量を、前記部品供給装置の識別情報に関連付けて管理し、前記実装装置は、前記配置領域に基づいて初期設定される前記電子部品の保持位置を前記補正量で補正して、前記電子部品の保持位置を含めた前記配置データを自動生成することを特徴とする。
【0008】
本発明のデータ生成方法は、サーバによって一元管理されて、部品供給装置から供給された電子部品を実装装置の保持部材において基材に実装する生産システムで使用されるデータ生成方法であって、前記部品供給装置が、前記実装装置において複数の配置領域が形成された配置部の所定の配置領域に配置される配置ステップと、前記サーバが、前記部品供給装置が配置された配置領域を前記配置部から検出して、前記部品供給装置と前記配置領域とを対応付けて管理
する他、前記部品供給装置の固有情報を、前記部品供給装置の識別情報に関連付けて管理する管理ステップと、前記実装装置が、前記サーバから管理情報を取得して、前記部品供給装置と前記配置領域との対応関係
に前記部品供給装置の固有情報を含めた配置データを自動生成する生成ステップとを有
し、前記管理ステップでは、前記サーバが、前記部品供給装置の固有情報として、前記部品供給装置から前記実装装置への受け渡される際の前記電子部品の保持位置に対する補正量を、前記部品供給装置の識別情報に関連付けて管理し、前記生成ステップでは、前記実装装置が、前記配置領域に基づいて初期設定される前記電子部品の保持位置を前記補正量で補正して、前記電子部品の保持位置を含めた前記配置データを自動生成することを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、部品供給装置と配置部における配置領域との対応関係を示す配置データが自動生成されるため、配置データの生成作業が不要になり作業効率が向上する。また、配置データに従って部品供給装置を配置する必要がなく、オペレータによる作業ミスを低減しつつ作業効率を向上できる。また、サーバにおいて部品供給装置の配置状態が管理されるため、部品供給装置に読み書き可能なメモリを設ける必要がない。さらに、サーバにおいて部品供給装置と配置領域とが対応付けられて管理されるので、工場等のように複数台の実装装置を備えた環境にも適用できる。
また、部品供給装置の固有情報に識別情報が関連付けられるため、部品供給装置が配置変更されても変更先の配置領域で部品供給装置の固有情報を引き継ぐことができる。よって、配置変更後に、部品供給装置の固有情報を改めて設定する必要がなく、作業効率を向上できる。
さらに、部品供給装置の識別情報に補正量が関連付けられるため、部品供給装置が配置変更されても変更先の配置領域で補正量を引き継ぐことができる。よって、配置変更後に電子部品の保持位置の位置ズレ補正を改めて行う必要がなく、作業効率を向上できる。
【0016】
また本発明の上記生産システムにおいて、前記サーバは、前記部品供給装置の固有情報として、前記部品供給装置の使用又は不使用を示す情報を、前記部品供給装置の識別情報に関連付けて管理しており、前記実装装置は、前記使用又は不使用を示す情報を含めた前記配置データを自動生成する。
【0017】
また本発明の上記データ生成方法において、前記管理ステップでは、前記サーバが、前記部品供給装置の固有情報として、前記部品供給装置の使用又は不使用を示す情報を、前記部品供給装置の識別情報に関連付けて管理し、前記生成ステップでは、前記実装装置が、前記使用又は不使用を示す情報を含めた前記配置データを自動生成する。
【0018】
これらの構成によれば、部品供給装置の識別情報に使用又は不使用を示す情報が関連付けられるため、部品供給装置が配置変更されても変更先の配置領域で使用又は不使用を示す情報を引き継ぐことができる。よって、配置変更後に、部品供給装置の使用又は不使用の設定を改めて行う必要がなく、作業効率を向上できる。
【0019】
また本発明の上記生産システムにおいて、前記サーバは、前記配置部と前記部品供給装置との近接通信によって前記部品供給装置の配置領域を検出する。また本発明の上記データ生成方法において、前記管理ステップでは、前記サーバが、前記配置部と前記部品供給装置との近接通信によって前記部品供給装置の配置領域を検出する。これらの構成によれば、簡易な構成で部品供給装置が配置された領域を検出できる。
【0020】
また本発明の上記生産システム
は、サーバによって一元管理されて、部品供給装置から供給された電子部品を実装装置の保持部材において基材に実装する生産システムであって、前記部品供給装置は、前記実装装置において複数の配置領域が形成された配置部の所定の配置領域に配置され、前記サーバは、前記部品供給装置が配置された配置領域を前記配置部から検出して、前記部品供給装置と前記配置領域とを対応付けて管理し、前記実装装置は、前記サーバから管理情報を取得して、前記部品供給装置と前記配置領域との対応関係を示す配置データを自動生成しており、前記実装装置には、前記部品供給装置から前記基材に前記電子部品を実装させる複数の生産プログラムが記憶されており、前記複数の生産プログラムには、それぞれ当該生産プログラムで使用される前記部品供給装置の配置構成が設定されており、前記実装装置は、前記サーバから管理情報を取得して、当該管理情報に含まれる現状の前記部品供給装置の配置構成と前記複数の生産プログラム内の前記部品供給装置の配置構成との類似度を報知する。
【0021】
また本発明の上記データ生成方法
は、サーバによって一元管理されて、部品供給装置から供給された電子部品を実装装置の保持部材において基材に実装する生産システムで使用されるデータ生成方法であって、前記部品供給装置が、前記実装装置において複数の配置領域が形成された配置部の所定の配置領域に配置される配置ステップと、前記サーバが、前記部品供給装置が配置された配置領域を前記配置部から検出して、前記部品供給装置と前記配置領域とを対応付けて管理する管理ステップと、前記実装装置が、前記サーバから管理情報を取得して、前記部品供給装置と前記配置領域との対応関係を示す配置データを自動生成する生成ステップと、前記実装装置には前記部品供給装置から前記基材に前記電子部品を実装させる複数の生産プログラムが記憶され、前記複数の生産プログラムには、それぞれ当該生産プログラムで使用される前記部品供給装置の配置構成が設定されており、前記実装装置が、前記管理サーバから管理情報を取得して、当該管理情報に含まれる現状の前記部品供給装置の配置構成と前記複数の生産プログラム内の前記部品供給装置の配置構成との類似度を報知する報知ステップ
とを有する。
【0022】
これらの構成によれば、現状の部品供給装置の配置構成と複数の生産プログラムで使用される部品供給装置の配置構成との類似度をオペレータに認識させることができる。よって、オペレータに対して現状の部品供給装置の配置構成に最も類似した生産プログラムを選択させて、部品供給装置の再配置等の稼働前の準備作業を簡略化させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、部品供給装置の配置に従って配置データが自動生成されるため、稼働前の準備作業を簡略化することができ、サーバを用いて実装装置に配置された部品供給装置の配置状況を管理できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る生産システムの模式図である。
図2は、本実施の形態に係る実装装置の斜視図である。なお、以下においては、モジューラ型の実装装置を例示して説明するが、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、本発明をロータリー型の実装装置にも適用可能である。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態に係る生産システムは、複数台の実装装置1と1台のサーバ2とを有しており、LANケーブル等の有線接続によって各実装装置1をサーバ2に接続して構成されている。サーバ2は、各実装装置1から各種情報を取得することで、複数台の実装装置1を一元管理している。また、各実装装置1のフィーダバンク19(配置部)には、複数のフィーダ3(部品供給装置)が配置されている。フィーダ3がフィーダバンク19に配置されると、フィーダ3が配置された位置がリアルタイムでサーバ2に送信され、サーバ2においてフィーダ配置が管理される。
【0027】
図1及び
図2に示すように、実装装置1は、フィーダ3から供給された電子部品4(
図4参照)を、実装ヘッド14によって基台11上の基板5(基材)に実装するように構成されている。基台11上には、実装ヘッド14をX軸方向及びY軸方向に移動させる実装ヘッド移動機構12が設けられている。実装ヘッド移動機構12は、基台11の四隅に立設された支柱部13により支持されており、基台11上面から所定の高さで実装ヘッド14をX軸方向及びY軸方向に移動させる。
【0028】
実装ヘッド移動機構12は、支柱部13上に支持されたY軸方向に平行なY軸テーブル21及びスライドガイド22と、Y軸テーブル21及びスライドガイド22上に支持されたX軸方向に平行なX軸テーブル23とを有している。X軸テーブル23には、実装ヘッド14がX軸方向に移動可能に支持されている。また、Y軸テーブル21上及びX軸テーブル23上には、それぞれ電源ケーブル等の各種ケーブルが収容されるケーブルベア(登録商標)24、25が設けられている。
【0029】
実装ヘッド移動機構12は、不図示のモータによってX軸テーブル23に沿って実装ヘッド14をX軸方向に移動させる。また、実装ヘッド移動機構12は、不図示のモータによってX軸テーブル23と共に実装ヘッド14をY軸テーブル21及びスライドガイド22に沿ってY軸方向に移動させる。このような構成により、実装ヘッド14は、基板5の上方を水平移動され、フィーダ3から供給された電子部品4を基板5の所望の位置に搬送することが可能となっている。
【0030】
実装ヘッド14は、電子部品4を吸着可能な複数の吸着ノズル27(保持部材)を有している。各吸着ノズル27は、不図示のθモータによってZ軸回りに回転され、不図示のZ軸モータによってZ軸方向に上下動される。実装ヘッド14は、各吸着ノズル27を個別に駆動させることにより、フィーダ3から複数の電子部品4を吸着できるように構成されている。なお、実装ヘッド14のノズル(保持部材)は、フィーダ3から電子部品4を取り出し可能であればよく、例えば、グリッパーノズルで構成されていてもよい。
【0031】
また、吸着ノズル27の近傍には、ティーチング用の撮像部15及び不図示のハイトセンサが設けられている。撮像部15は、フィーダ3の受け渡し位置に送り出された電子部品4や基板5のマークを撮像する。撮像部15の撮像画像に基づいて、X軸方向及びY軸方向における電子部品4の吸着位置(保持位置)や基板5の実装位置が調整される。ハイトセンサは、電子部品4や基板5に向けて光を照射し、反射光を受光することで高さ測定する。ハイトセンサの測定結果により、Z軸方向における電子部品4の吸着位置や基板5の実装位置が調整される。
【0032】
基台11上には、高精度の部品認識を行う撮像部16が設けられている。この撮像部16は、吸着ノズル27に吸着された電子部品4を下側から撮像する。撮像部16の撮像画像に基づいて、吸着中心と部品中心との位置ズレ量や電子部品4の傾きが求められる。また、基台11上には、実装ヘッド14の下方に基板5を位置付ける基板搬送部17が設けられている。基板搬送部17は、X軸方向に延在する搬送ベルト等により、一端側から部品実装前の基板5を取り込み、他端側から部品実装後の基板5を搬出する。
【0033】
実装装置1の各部は、制御部18によって統括制御されている。制御部18は、実装装置1の各種処理を実行するプロセッサや、メモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。実装装置1の制御部18は、LANケーブル等によりサーバ2に接続されている。制御部18は、ティーチングによって求められた吸着位置の補正量をサーバ2に送信する。なお、上記した実装ヘッド14は、割基板等に付されるバッドマーク等を検出する検出部を有していてもよい。
【0034】
実装装置1には、基板搬送部17に沿って配置された複数のフィーダ3から電子部品4が供給される。複数のフィーダ3は、上面及び後面を開放した箱型のフィーダバンク19に横並びに配置される。各フィーダ3にはテープリール31が着脱自在に装着され、テープリール31には多数の電子部品4を保持したテープが巻回されている。各フィーダ3は、テープリール31の回転によって、実装ヘッド14にピックアップされる受け渡し位置に向けて順番に電子部品4を繰り出している。
【0035】
各フィーダ3には、不図示のRFIDタグ(近接通信)が装着されており、RFIDタグにはフィーダIDが格納されている。フィーダバンク19は、フィーダ3が配置される配置領域28を有しており(
図3参照)、各配置領域28には、フィーダ3のRFIDタグと通信可能な複数の不図示のRFIDアンテナが設置されている。フィーダバンク19は、実装装置1の制御部18とは別配線でサーバ2に接続されている。フィーダバンク19の配置領域28にフィーダ3が配置されると、RFIDタグとRFIDアンテナとが接近し、RFIDタグに格納されたフィーダIDが、フィーダバンク19からサーバ2にリアルタイムで送信される。
【0036】
サーバ2は、フィーダバンク19から受信したフィーダIDにフィーダバンク19の配置領域28を対応付けて管理する。また、サーバ2は、実装装置1の制御部18から受信した吸着位置の補正量やフィーダ3の使用/不使用等のフィーダ3の固有情報を、フィーダIDに関連付けて管理する。このため、フィーダ3が配置変更されても変更先の配置領域28で、フィーダ3の固有情報を引き継ぐことが可能となっている。これらの管理情報は、実装装置1の制御部18に送信され、フィーダ3と配置領域28との対応関係を示す配置データ(吸着データ)の自動生成処理に使用される。
【0037】
なお、本実施の形態においては、RFIDタグにフィーダIDが格納される構成としたが、この構成に限定されない。RFIDタグには、フィーダ3を識別可能な識別情報が格納されていればよい。また、本実施の形態では、RFIDタグによってフィーダ3からフィーダIDを読み出して、サーバ2に送信される構成としたが、この構成に限定されない。例えば、各フィーダ3及びフィーダバンク19の配置領域28毎に付されたバーコード(近接通信)を読み出して、サーバ2に送信する構成としてもよい。
【0038】
図3を参照して、フィーダの配置変更について説明する。
図3は、本実施の形態に係るフィーダの配置変更の一例を示す図である。
図3Aは、配置変更前を示し、
図3Bは、配置変更後を示す。
図4は、本実施の形態に係るティーチング処理の一例を示す図である。
【0039】
図3に示すように、フィーダバンク19の各配置領域28には、領域番号1−10が設定されている。
図3Aに示す配置変更前においては、領域番号1−3の配置領域28にフィーダ3a−3cが配置される。フィーダ3a−3cがフィーダバンク19に配置されると、フィーダバンク19からサーバ2にフィーダID(000A、000B、000C)が送信される。サーバ2では、フィーダバンク19の領域番号1−3に対応付けてフィーダIDが管理される。このとき、領域番号1−3に配置された各フィーダ3a−3cから実装装置1に受け渡す際の電子部品4の吸着位置(X、Y座標)には、初期設定として(10.0、10.0)、(20.0、10.0)、(30.0、10.0)が設定されている。
【0040】
ところで、各フィーダ3a−3cでは、電子部品4が僅かな遊びを設けて受け渡し位置に送り出されており、電子部品4の吸着位置に位置ズレが生じている。この位置ズレ量はフィーダ固有であるため、フィーダ3a−3c毎にティーチング処理が行われる。
図4に示すように、ティーチング処理は、フィーダ3の受け渡し位置付近を撮像することで行われる。フィーダ3では、電子部品4をパッケージングしたキャリアテープ32から表面のカバーテープを剥離して、キャリアテープ32のポケット33内の電子部品4を受け渡し位置に向けて送り出している。ティーチング処理では、撮像画像におけるポケット33の外枠を基準としてポケット33の中心位置P1と予め設定された吸着位置P2との差分から補正量が算出される。
【0041】
各フィーダ3a−3cの吸着位置の補正量は、実装装置1の制御部18に記憶されると共にサーバ2に送信される。本実施の形態では、各フィーダ3a−3cの補正量として、(+0.1、+0.1)、(+0.2、+0.2)、(+0.3、+0.3)が算出される。サーバ2では、各フィーダ3a−3cのフィーダIDに関連付けて、各フィーダ3a−3cの補正量が管理される。また、各フィーダ3には、使用又は不使用を示す使用状態を設定でき、例えば、フィーダ3bが不使用に設定されている。サーバ2では、各フィーダ3a−3cのフィーダIDに関連付けて、使用/不使用を示す情報も管理される。
【0042】
このサーバ2の管理情報は、実装装置1の制御部18に送信される。制御部18では、フィーダバンク19の領域番号、電子部品4の吸着位置、フィーダ3の使用状態、フィーダIDを対応付けて配置データが自動生成される。このとき、フィーダ3a−3cの電子部品4の吸着位置として、初期設定の吸着位置を管理情報に含まれるティーチングの補正量で補正した(10.1、10.1)、(20.2、10.2)、(30.3、10.3)が設定される。このように、実装装置1は、サーバ2から管理情報を取り込んで、自動的に配置データを生成する。
【0043】
図3Bに示す配置変更後においては、領域番号5にフィーダ3c、領域番号6にフィーダ3a、領域番号10に不使用のフィーダ3bが配置される。フィーダバンク19でフィーダ3a−3cが配置替えされると、フィーダバンク19からサーバ2にフィーダIDが送信される。サーバ2では、フィーダバンク19の領域番号5、6、10に対応付けてフィーダIDが管理される。このとき、領域番号5、6、10の電子部品4の吸着位置(X、Y座標)には、初期位置として(50.0、10.0)、(60.0、10.0)、(100.0、10.0)が設定される。
【0044】
このとき、サーバ2では、フィーダIDに関連付けて電子部品4の補正量及び使用状態が管理されている。このため、フィーダバンク19においてフィーダ3a−3cが配置変更されても、電子部品4の補正量及び使用状態が引き継がれている。このサーバ2の管理情報は、実装装置1の制御部18に送信される。制御部18では、フィーダバンク19の領域番号、電子部品4の吸着位置、フィーダ3の使用状態、フィーダIDを対応付けて配置データが更新される。このとき、フィーダ3a−3cの電子部品4の吸着位置として、初期設定の吸着位置を管理情報に含まれるティーチングの補正量で補正した(50.3、10.3)、(60.1、10.1)、(100.2、10.2)が設定される。
【0045】
図5を参照して、実装装置1による配置データの自動生成処理について説明する。
図5は、本実施の形態に示す配置データの自動生成処理の一例を示すフローチャートである。
図5においては、フィーダバンク19にフィーダ3が配置され、サーバ2においてフィーダIDとフィーダバンクの領域番号とが対応付けて管理されているものとする。
【0046】
図5に示すように、実装装置1の制御部18は、サーバ2からフィーダ配置を示す管理情報を取得する(ステップS01)。次に、制御部18は、管理情報の取得に失敗した場合には(ステップS02でNo)、配置データの自動生成処理を終了する。一方、制御部18は、管理情報の取得に成功した場合には(ステップS02でYes)、メモリに記憶された以前の配置データをクリアする(ステップS03)。次に、制御部18は、管理情報に含まれるフィーダバンク19の領域番号とフィーダIDとに基づいて配置データを自動生成する(ステップS04)。
【0047】
配置データは、フィーダバンク19の領域番号、電子部品4の吸着位置、フィーダ3の使用状態、フィーダIDを対応付けて生成される。この時点では、電子部品4の吸着位置には、フィーダバンク19の配置領域28に応じた初期設定の吸着位置が設定される。フィーダ3の使用状態には、初期設定として使用/不使用のいずれも設定されない。なお、フィーダ3の使用状態には、初期設定として使用又は不使用が設定されてもよい。
【0048】
次に、制御部18は、サーバ2から管理情報に含まれる各フィーダ3のティーチングによる補正量を取得して、電子部品4の吸着位置を補正する(ステップS05)。各フィーダ3の補正量は、フィーダIDに関連付けられており、各フィーダIDに対応した電子部品4の吸着位置の補正に用いられる。次に、制御部18は、サーバ2から管理情報に含まれる各フィーダ3の使用状態を取得して、フィーダ3に対して使用又は不使用を設定する(ステップS06)。フィーダ3の使用状態は、フィーダIDに関連付けられており、各フィーダIDに対応して使用又は不使用が設定される。
【0049】
このように、配置データの自動生成処理では、以前のデータがクリアされて、新たなデータがサーバ2からの管理情報に基づいて自動的に生成される。このとき、フィーダIDには、各フィーダ3の補正量及び使用状態等のフィーダ3の固有情報が関連付けられている。このため、各フィーダ3の配置変更に関わらず、変更先でもフィーダ3の固有情報が引き継がれた状態で配置データが生成される。
【0050】
以上のように、本実施の形態に係る生産システムによれば、フィーダ3とフィーダバンク19の配置領域28との対応関係を示す配置データが自動生成されるため、配置データの生成作業が不要になり作業効率が向上する。また、配置データに従ってフィーダ3を配置する必要がなく、オペレータによる作業ミスを低減しつつ作業効率を向上できる。また、サーバ2においてフィーダ3の配置状態が管理されるため、フィーダ3に読み書き可能なメモリを設ける必要がない。さらに、サーバ2において各種情報が管理されるので、工場等のように複数台の実装装置1を備えた環境にも適用できる。
【0051】
ところで、実装装置1の制御部18には、フィーダ3から基板5に電子部品4を実装させるための複数の生産プログラムが記憶されている。この生産プログラムは、フィーダバンク19に対するフィーダ配置を示す配置構成と、基板5上の電子部品4の搭載位置を示す搭載データとにより、フィーダ3と基板5上の搭載位置との間で実装ヘッド14を移動させるように設定されている。一般に実装装置1の稼働前には、オペレータに生産プログラムに含まれるフィーダ3の配置構成に従ってフィーダ3をフィーダバンク19に配置する事前作業(段取作業)が発生し、オペレータの作業負荷が高くなると共に稼働が遅れる可能性がある。
【0052】
そこで、本実施の形態では、現状のフィーダ配置に近い生産プログラムをオペレータに選択させることで、稼働前の準備作業の簡略化を図っている。以下、
図6から
図8を参照して生産プログラムの選択方法について説明する。
図6は、本実施の形態に係る現状のフィーダ配置を示す図である。
図7は、本実施の形態に係る生産プログラムの表示の一例を示す図である。
図8は、本実施の形態に係る生産プログラムの表示処理の一例を示す図である。
【0053】
図6に示す現状のフィーダ配置では、フィーダバンク19の領域番号10、20、30の3つの配置領域のうち、領域番号10にフィーダ3aが配置され、領域番号20にフィーダ3bが配置されている。また、領域番号30にはフィーダ3が配置されていない。このため、サーバ2では、領域番号10、20とフィーダ3a、3bとが関連付けて管理されている。ここでは、フィーダ3a、3bで供給される電子部品4の種類A、Bについても、それぞれ領域番号10、20に関連付けて管理されている。
【0054】
一方、実装装置1では、サーバ2からの管理情報を取得して、管理情報に基づいて現状のフィーダ配置を認識する。実装装置1では管理情報から、フィーダバンク19の領域番号10にフィーダ3aが対応づけられ、フィーダバンク19の領域番号20にフィーダ3bが対応付けられていることが認識される。さらに、実装装置1では、フィーダ3a、3bで供給される電子部品4の種類A、Bについても、それぞれフィーダバンク19の領域番号10、20に対応付けられていることが認識される。
【0055】
また、実装装置1には、
図7に示すように複数の生産プログラムが記憶されており、複数の生産プログラムがディスプレイに表示される。この場合、生産プログラムとして、この生産プログラムに使用されるフィーダ3の配置構成が表示される。例えば、生産プログラム001として、フィーダバンク19の領域番号10、20にそれぞれ電子部品4の種類A、Bを対応付けた配置構成が表示される。また、生産プログラム002として、フィーダバンク19の領域番号10、20、30にそれぞれ電子部品4の種類A―Cを対応付けた配置構成が表示される。
【0056】
また、各生産プログラムのフィーダ3の配置構成の隣には、管理情報で示されるフィーダ3の配置構成と各生産プログラムで示されるフィーダ3の配置構成との類似度が表示される。これにより、現状のフィーダ配置と生産プログラムで使用されるフィーダ配置とが比較される。例えば、生産プログラム001のフィーダ3の配置構成では、フィーダバンク19の領域番号10、20にそれぞれ電子部品4の種類A、Bが対応付けられており、現状のフィーダ配置と同じである。このため、生産プログラム001のフィーダ3の配置構成の隣には、現状のフィーダ配置に対する類似度として100%が表示される。
【0057】
また、生産プログラム002のフィーダ3の配置構成では、フィーダバンク19の領域番号10、20、30にそれぞれ電子部品4の種類A−Cが対応付けられており、領域番号30においてのみ現状のフィーダ配置と異なる。このため、生産プログラム002のフィーダ3の配置構成の隣には、現状のフィーダ配置に対する類似度として66%が表示される。このように、実装装置1のディスプレイには類似度が高い順番に生産プログラムが表示されて、オペレータに類似度の高い生産プログラムを認識させている。これにより、オペレータに現状のフィーダ配置に最も近い生産プログラムを選択させて、フィーダ3の再配置等の稼働前の準備作業を効率化させることが可能になっている。
【0058】
なお、本実施の形態においては、現状のフィーダ配置と生産プログラムとにおいて、フィーダバンク19の領域番号と電子部品4の種類とが共に一致しているか否かによって類似度が算出される構成としたが、類似度の算出方法は特に限定されない。例えば、領域番号は異なるが、電子部品の種類だけが一致している場合に、現状のフィーダ配置に対する生産プログラムの類似度が高く算出されるようにしてもよい。
【0059】
図8を参照して、本実施の形態に係る生産プログラムの表示処理について説明する。
図8に示すように、実装装置1の制御部18は、サーバ2から現状のフィーダ配置を示す管理情報を取得する(ステップS11)。次に、制御部18は、管理情報の取得に失敗した場合には(ステップS12でNo)、生産プログラムの表示処理を終了する。一方、制御部18は、管理情報の取得に成功した場合には(ステップS12でYes)、管理情報に示される現状のフィーダの配置構成と各生産プログラムに含まれるフィーダ3の配置構成とを比較する(ステップS13)。
【0060】
次に、制御部18は、現状のフィーダ配置に対する各生産プログラムの類似度を算出して、類似度の高い順番に生産プログラムをディスプレイに表示する(ステップS14)。例えば、現状のフィーダ配置に対して、フィーダバンク19の領域番号と電子部品4の種類が一致しているか否かによって類似度が算出される。この生産プログラムの類似度は、オペレータによる稼働前の準備作業の軽減率を示している。そして、オペレータにより現状のフィーダ配置に最も類似した生産プログラムが選択されて(ステップS15)、生産プログラムの表示処理を終了する。
【0061】
このように、本実施の形態においては、現状のフィーダ配置と各生産プログラムで使用されるフィーダ3の配置構成との類似度をオペレータに認識させることができる。よって、オペレータに対して現状のフィーダ配置に最も類似した生産プログラムを選択させて、フィーダ3の再配置等の稼働前の準備作業を簡略化させることができる。
【0062】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0063】
例えば、上記した実施の形態において、フィーダ3の固有情報として、電子部品4の吸着位置の補正量、フィーダ3の使用状態を例示して説明したが、この構成に限定されない。フィーダ3の固有情報は、配置変更後に引き継ぐフィーダ独自の情報であればよく、例えば電子部品4の種類を含んでもよい。また、フィーダ3の固有情報に、テープリール31の識別情報等の固有情報を含めてもよい。
【0064】
また、上記した実施の形態において、実装装置1とサーバ2とが有線接続される構成としたが、無線接続されてもよい。同様に、実装装置1とフィーダバンク19とが無線接続されてもよい。また、フィーダバンク19が実装装置1を介してサーバ2と接続されてもよいし、実装装置1がフィーダバンク19を介してサーバ2と接続されてもよい。
【0065】
また、上記した実施の形態において、フィーダバンク19に対して複数のフィーダ3が横並びに配置される構成としたが、この構成に限定されない。フィーダバンク19は、複数のフィーダ3を配置できれば、どのように構成されてもよい。
【0066】
また、上記した実施の形態において、電子部品4が基板5に実装される構成としたが、この構成に限定されるものではない。電子部品4は、基板5以外の基材に実装される構成としてもよい。
【0067】
また、上記した実施の形態において、現状のフィーダ配置に対する各生産プログラムの類似度をディスプレイに表示する構成としたが、この構成に限定されない。現状のフィーダ配置に対する各生産プログラムの類似度をオペレータに報知可能な構成であればよい。例えば、音声報知等によって類似度を報知する構成としてもよい。