特許第6232276号(P6232276)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232276
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】自動アドレス設定システム
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/00 20060101AFI20171106BHJP
   G07F 5/22 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   G07F9/00 P
   G07F5/22 Z
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-258685(P2013-258685)
(22)【出願日】2013年12月13日
(65)【公開番号】特開2015-115009(P2015-115009A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】307003777
【氏名又は名称】株式会社日本コンラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 秀憲
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 秀和
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−043852(JP,A)
【文献】 特開昭62−225102(JP,A)
【文献】 特開2000−322636(JP,A)
【文献】 特開平04−211890(JP,A)
【文献】 特開2006−317238(JP,A)
【文献】 特開2002−110259(JP,A)
【文献】 特開平11−250324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 9/00
G07F 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主制御装置と、前記主制御装置とは電力線および通信線を介して接続され、前記電力線によって群毎にディジーチェーン接続された複数の従制御装置とを含む自動アドレス設定システムであって、
一群の前記従制御装置のそれぞれに対して前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群の前記従制御装置のそれぞれに対して順次電力を供給する電力分配手段と、
前記主制御装置から前記通信線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対し該当するアドレス情報を順次送信するアドレス転送手段と、を備え、
前記従制御装置のそれぞれは、
前記アドレス転送手段により送信された前記アドレス情報を受信し、前記受信したアドレス情報に基づき、自装置のアドレス情報を設定することを特徴とする自動アドレス設定システム。
【請求項2】
前記主制御装置と前記電力線によって前記群毎にディジーチェーン接続された複数の前記従制御装置との間に接続され、前記主制御装置により起動されると、前記一群の従制御装置のそれぞれに対して前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、前記次の一群の従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する前記電力分配手段と、前記主制御装置から前記通信線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する前記アドレス転送手段と、を含む電力線中継器、
を有することを特徴とする請求項1記載の自動アドレス設定システム。
【請求項3】
前記従制御装置の少なくとも一つは、
前記主制御装置により起動されると、自装置を除く前記一群の従制御装置のそれぞれに対して前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、前記次の一群の従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する電力分配手段と、
前記主制御装置から前記通信線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記他の従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信するアドレス転送手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の自動アドレス設定システム。
【請求項4】
主制御装置と、前記主制御装置とは電力線を介して接続され、前記電力線により群毎にディジーチェーン接続された複数の従制御装置とを含む自動アドレス設定システムであって、
一群の前記従制御装置のそれぞれに対し前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと次の一群の前記従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する電力分配手段と、
前記電力線経由で前記主制御装置から前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する電力線通信手段と、を備え、
前記従制御装置のそれぞれは、
前記電力線通信手段により送信された前記アドレス情報を受信し、前記受信したアドレス情報に基づき、自装置のアドレス情報を設定することを特徴とする自動アドレス設定システム。
【請求項5】
前記主制御装置と前記群毎にディジーチェーン接続された複数の従制御装置との間に接続され、
前記主制御装置により起動されると、前記一群の従制御装置のそれぞれに対し前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群の従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する前記電力分配手段と、前記主制御装置から通信線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する前記電力線通信手段と、を含む電力線中継器、
を有することを特徴とする請求項4記載の自動アドレス設定システム。
【請求項6】
前記従制御装置の少なくとも一つは、
前記主制御装置により起動されると、自装置を除く前記一群の従制御装置のそれぞれに対して前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、前記次の一群の従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する電力分配手段と、前記主制御装置から前記電力線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記他の従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する電力線通信手段と、
を有することを特徴とする請求項4記載の自動アドレス設定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主制御装置に接続される従制御装置が電力線によってディジーチェーン接続された、例えば、自動販売機に適用して好適な自動アドレス設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機は、制御中枢となる主制御部(主制御装置)に、硬貨処理装置、商品選択ボタン、価格表示器等、複数のユニット(従制御装置)が接続されることによって構成される。これら各ユニットにはそれぞれにCPUが内蔵され、主制御部との間を通信線で接続することにより、主制御部の指令のもとに各ユニットが所定の動作をするように設計されている。また、各ユニットは、自動販売機から電力供給を受けて電力線を介してそれぞれが接続され、主制御部と各ユニットとは通信線を介して通信が可能な状態になっている。この電力線と通信線はハーネスにより成され、主制御部と各ユニットはこのハーネスにより接続されている。
【0003】
図12図13に、自動販売機100の主制御部101に接続される各ユニット102〜108の接続構成の一例が示されている。図12図13に示すように、価格表示ユニット102a,102b(価格表示機のセット),商品選択ボタンユニット103a,103b(商品選択ボタンのセット)、紙幣処理装置(BV104),硬貨処理装置(CM105),電子決済装置(Eマネー106),そして保守目的で使用されるリモコン107とプリンタ108等の各ユニットは、主制御部101に対し、通信線120により並列あるいはスター結線で接続されている。
【0004】
なお、商品選択ボタンは、4〜6個のボタンとその制御回路とを組にしたセットで商品選択ボタンユニット103a,103bとして実装される。商品選択ボタンのそれぞれに対応して設けられる価格表示機も同様であり、価格表示ユニット102a,102bとして実装される。価格表示ユニット102a,102bのそれぞれには、後述するように取り付け位置を示すアドレス情報を設定する端子がコネクタ設けられている。
【0005】
図14に、各価格表示機の接続配線の一例が示されている。図14に示すように、主制御部101と各価格表示機(ユニット#1,#2,#3・・・)とは、P1/8V,P1/5V,P1/GNDの3本の電力線110と、+Bus,−Busの2本の通信線120を介して接続される。各ユニット#1,#2,#3は、いずれも、処理中枢となるCPUと、通信線120経由でデータ通信を行うバス通信回路(Bus通信)と、電力線110経由で電力供給を行う電源部とにより構成される。この構成において、位置情報を知らせる端子コネクタ140から手動によりアドレス設定入力がなされると位置情報が生成され、CPUによりユニークなアドレス情報が設定され、以降、設定されたアドレスにより、CPUと主制御部101との間でデータ交換がなされる仕組みになっている。
【0006】
自動販売機100に上記した各ユニット#1,#2,#3・・・を搭載した際に、各ユニット#1,#2,#3・・・と自動販売機とを接続する作業、および各ユニット#1,#2,#3・・・に対してアドレスを設定する必要がある。自動販売機100は、各ユニット#1,#2,#3・・・からの信号に基づいて接続されたユニット#1,#2,#3・・・の種類を認識することができ、認識したユニット#1,#2,#3・・・に対してアドレスを付与することができる。一方、図12図13に示すように、商品選択ボタンのセットと価格表示器のセットように、同じユニットが複数接続された場合、主制御部101は、それらを区別することができないため、自動販売機特有のアドレス割り付け作業が発生する。
【0007】
自動販売機100に搭載されるユニットへのアドレス割り付け方式には、価格表示機の様に、CPUに内蔵されたプログラムに規格で定められた固定のアドレスを割付する固定方式と、商品販売ボタンを押下することにより、主制御部101からアドレスを割付ける半自動式とがある。固定方式には更に2種類あり、一つは、紙幣処理装置(BV104)や硬貨処理装置(CM105)のように、それぞれに予め固定されたアドレスが割りつけられており、接続するだけで通信を可能にする方式である。他一つは、価格表示機のように、取付け位置を示す位置情報をユニットから主制御部101へ送信することにより、規格で定められたアドレス情報から順次割り付ける方式である。
【0008】
主制御部101は、更に、位置情報に基づいて各コラムとの間の紐付けを行う。半自動方式は、商品選択ボタンユニットのアドレス割り付けに必要であり、主制御部101がアドレス設定モードにある場合、商品販売ボタンを押下することにより商品選択ボタンユニット103a,103bが持つ個別情報を主制御部101に通知する。主制御部101は、通知を受けた商品選択ボタンユニット103a(103b)に対してアドレスの割付けを行うとともに、コラム情報に紐付を行う。なお、固定方式によりアドレス設定がなされる商品選択ボタンユニットもあり、この場合、価格表示ユニット102a,102bと同様に位置情報を出力する機能を備えている。
【0009】
しかしながら、上記した固定方式によれば、取り付け位置を示す情報に不備が発生した場合、アドレスが重複する等の不具合が発生する。特に、位置情報を知らせる端子コネクタに接触不良が発生した場合、アドレスの誤認識に直結する。また、設定するアドレスを予め登録された固定の範囲から選択する方法をとるため、割り振られるアドレスの範囲が決まっている。このため、自動販売機のメーカにより使用可能な範囲(接続できるユニットの数)が異なる。したがって、接続するユニットの数を増やしたい場合、プログラムを変更する必要がある。このため、柔軟性、拡張性に乏しいという問題がある。一方、半自動方式によれは、アドレス設定モード中に取り付けられている全ての商品販売ボタンを手動で押下する必要が有るため、作業員の押し間違えによる登録情報の不一致が発生する虞がある。
【0010】
一方で、作業工数の削減を目的に、各ユニットへのアドレス設定を外部接続される管理サーバからの指示で行ないたいというニーズがある。また、管理サーバから、価格表示や商品選択ボタンのアドレス設定を任意にできるようにするとともに、商品選択ボタンと商品の紐づけや価格設定を管理サーバから制御したいといったニーズがある。また、近年、自動販売機で販売される商品数の増加や商品の多様化に伴い、自動販売機に搭載されるユニット数が増加し、自動販売機装置内部の配線が増えるため、配線作業に手間(接続、アドレス設定)を要し、また、配線スペースが必要になるため、配線部材コスト、あるいはユニット接続に係る作業コストも増大するといった諸々の課題がある。
【0011】
上記した課題を解決するために、従来、例えば、図15に示すように、主制御部201と各ユニット(端末制御部202,203,204・・・)との間を通信線A,Bで接続するとともに、主制御部201と、直近に隣接するユニット(端末制御部202)との間、および各ユニット(端末制御部203,204,・・・)間をアドレス設定通知ラインCで接続し、各構成ユニットのアドレス設定を行なう自動販売機が提案されている。この自動販売機およびアドレス設定方法は、例えば、特許文献1に詳細に開示されている。
【0012】
図15によれば、さらに、各ユニット(端末制御部202,203,204,・・・)では、アドレス設定通知ラインCにゲート回路を設け、次段のユニットへのアドレス書込信号の送信をオンオフ制御できる構成になっている。そして、各ユニットにアドレスを設定する際に、主制御部201は、まず、通信線Bを通して、各ユニットにアドレス設定コマンドを送信する。各ユニットは、それを受けて、アドレス設定通知ラインCに設けたゲート回路をオフにする。次に、主制御部201は、アドレス設定通知ラインCを介してアドレス書込信号を送りながら、通信線Bを通して、アドレスを順次出力していく。このとき、各ユニットのゲート回路はオフになっているため、アドレス書込信号を受信できるのは、主制御部201にアドレス設定通知ラインCが直接接続されているユニット(端末制御部202)のみであるため、主制御部201最初に送られてきたアドレスは、ユニット(端末制御部202)に書き込まれる。
【0013】
続いて、ユニット(端末制御部202)は、自装置が内蔵するアドレス記憶部にアドレスを書き込み、アドレス設定通知ラインのゲート回路をオンにする。その結果、主制御部201から次に送られてくるアドレス書込信号は、ユニット(端末制御部202,203)が受信することができる。そして、ユニット(端末制御部202)は既にアドレスが設定されているため、アドレスの書込は行わず、したがって、次に送られてきたアドレスは、ユニット(端末制御部203)に書き込まれる。以下同様にして、ユニット(端末制御部204以降)に順次アドレスが書き込まれていく。すなわち、アドレス設定通知ラインCを介して転送されるアドレス情報が、主制御部201からユニット(端末制御部202)→,(端末制御部203)→,(端末制御部204)→・・・といった態様で芋蔓式に転送される、所謂、ディジーチェーンとして知られる接続方法である。
【0014】
各ユニット(端末制御部202,203,204)は、入力側端子がアクティブ、出力側端子がノンアクティブのときに自装置に対するアドレスが通信線Aまたは通信線Bを介して送られているものと認識し、これを受信して記憶するとともに、出力端子をアクティブにセットする。このような動作が各ユニットにおいて順次行われ、各ユニットに自装置のアドレスが記憶される。
【0015】
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、自動販売機に各ユニットを搭載して組み立てた後、電源投入時にアドレスの設定がなされ、アドレス設定が容易になるが、アドレス設定通知ラインCを余分に張り巡らさなければならない。すなわち、ユニット間の通信のためのラインが増えるという問題が生じる。また、ディジーチェーン接続の問題として、接続されるユニットの数が増えるとその分だけ伝搬遅延が発生し、応答が遅くなるという問題がある。
【0016】
これを解決するために、例えば、特許文献2には、各ユニット(従制御装置)に接続された各電源ラインに遅延スイッチが設けられ、それぞれの遅延スイッチにセットされた互いに異なる時間が経過したときに導通し、接続されたユニットに電源ラインからそれぞれ電力を供給するように構成し、時間差t1を置いてユニットが順次起動した時にアドレスを自動設定するアドレス設定方法が開示されている。この構成により、特別な線を張り巡らすことなく、ユニットのアドレスを自動設定することができる。しかしながら、この構成によれば、接続線の本数は増えることはないが、遅延スイッチにセットされた時間分だけアドレス設定に遅延が発生するといった新たな問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平4−211890号公報
【特許文献2】特開平11−250324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、配線数を増やすことなく、かつ高速に自動アドレス設定が可能な、自動アドレス設定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記した課題を解決するために本発明は、主制御装置と、前記主制御装置とは電力線および通信線を介して接続され、前記電力線によって群毎にディジーチェーン接続された複数の従制御装置とを含む自動アドレス設定システムであって、一群の前記従制御装置のそれぞれに対して前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群の前記従制御装置のそれぞれに対して順次電力を供給する電力分配手段と、前記主制御装置から前記通信線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対し該当するアドレス情報を順次送信するアドレス転送手段と、を備え、前記従制御装置のそれぞれは、前記アドレス転送手段により送信された前記アドレス情報を受信し、前記受信したアドレス情報に基づき、自装置のアドレス情報を設定することを特徴とする。
【0020】
本発明において、前記主制御装置と前記電力線によって前記群毎にディジーチェーン接続された複数の従制御装置との間に接続され、前記主制御装置により起動されると、前記一群の従制御装置のそれぞれに対して前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、前記次の一群の従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する前記電力線分配手段と、前記主制御装置から前記通信線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する前記アドレス情報転送手段と、を含む電力線中継器、を有することを特徴とする。
【0021】
本発明において、前記従制御装置の少なくとも一つは、前記主制御装置により起動されると、自装置を除く前記一群の従制御装置のそれぞれに対して前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、前記次の一群の従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する電力線分配手段と、前記主制御装置から前記通信線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記他の従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信するアドレス情報転送手段と、を有することを特徴とする。
【0022】
本発明は、主制御装置と、前記主制御装置とは電力線を介して接続され、前記電力線により群毎にディジーチェーン接続された複数の従制御装置とを含む自動アドレス設定システムであって、一群の従制御装置のそれぞれに対し前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと次の一群の従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する電力線分配手段と、前記電力線経由で前記主制御装置から前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する電力線通信手段と、を備え、前記従制御装置のそれぞれは、前記電力線通信手段により送信された前記アドレス情報を受信し、前記受信したアドレス情報に基づき、自装置のアドレス情報を設定することを特徴とする。
【0023】
本発明において、前記主制御装置と前記群毎にディジーチェーン接続された前記複数の従制御装置との間に接続され、前記主制御装置により起動されると、前記一群の従制御装置のそれぞれに対し前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群の従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する前記電力線分配手段と、前記主制御装置から前記通信線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する前記電力線通信手段と、を含む電力線中継器、を有することを特徴とする。
【0024】
本発明において、前記従制御装置の少なくとも一つは、前記主制御装置により起動されると、自装置を除く前記一群の従制御装置のそれぞれに対して前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、前記次の一群の従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する電力線分配手段と、前記主制御装置から前記電力線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記他の従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する電力線通信手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、配線数を増やすことなく、かつ高速に自動的アドレス設定が可能な、自動アドレス設定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態1に係る自動アドレス設定システムの接続構成を示す図である。
図2図1の電力線中継器の内部構成を示す図である。
図3図1における従制御装置の接続配線例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態1のアドレス割り付けシーケンスを示す図である。
図5図4の続きを示すアドレス割り付けシーケンスを示す図である。
図6】本発明の実施の形態2に係る自動アドレス設定システムの接続構成を示す図である。
図7図6における従制御装置の接続配線例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態2のアドレス割り付けシーケンスを示す図である。
図9図8の続きを示すアドレス割り付けシーケンスを示す図である。
図10】本発明の実施の形態3に係る自動アドレス設定システムの接続構成を示す図である。
図11図10における従制御装置の接続配線例を示す図である。
図12】自動販売機に接続される各ユニットの接続構成を示すブロック図である。
図13】主制御部と各ユニットとの接続配線の一例を示す図である。
図14図12の各価格表示機の接続配線の一例を示す図である。
図15】ディジーチェーン接続されたユニットの接続構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0028】
(実施形態1の構成)
図1は、実施形態1に係る自動アドレス設定システム1Aの接続構成を示す図である。図1に示すように、実施形態1に係る自動アドレス設定システム1Aは、主制御部20を含む自動販売機本体60と、電力線110により群(電力ポートP1,P2,P3,P4)毎にディジーチェーン接続された複数のユニット(群A,B,C,D)とは、電力線中継器10を経由して接続されている。なお、図1では、電力線110によりA,B,C,Dの群毎にディジーチェーン接続されるユニットとして、商品選択ボタンのセット(商品選択ボタンユニット)や価格表示器のセット(価格表示ユニット)ように、同じユニットが複数接続される場合を例示している。
【0029】
電力線中継器10は、一群のユニットAを構成するそれぞれのユニットにおいてディジーチェーン接続された電力ポートP1−1経由で順次電力を供給し(横方向の開閉制御電力線ディジーチェーン)、その群を構成する終端ユニットで問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群のユニットBを構成するそれぞれのユニットにおいてディジーチェーン接続された電力ポートP2−1経由で順次電力を供給する(縦方向の開閉制御電力線ディジーチェーン)。続いて、一群のユニットCを構成するそれぞれのユニットにおいてディジーチェーン接続された電力ポートP3−1,P3−2,P3−3経由で順次電力を供給し(横方向の開閉制御電力線ディジーチェーン)、群を構成する終端ユニットで問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、更に次の一群のユニットDを構成するそれぞれのユニットにおいてディジーチェーン接続された電力ポートP4−1,P4−2,P4−3,P4−4,P4−5経由で順次電力を供給する(縦方向の開閉制御電力線ディジーチェーン)。
【0030】
そして、主制御部20から図示省略した通信線経由で群毎にディジーチェーン接続された一群のユニットA,B,C,Dのそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた一群のユニットA,B,C,Dのそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する。そして、各ユニットは、受信したアドレス情報に基づき、自装置のアドレス情報を設定する。
【0031】
具体的に、電力線中継器10は、電力ポートP1をONし、電力ポートP2〜P4をOFF制御すれば、最初に起動されるユニットは#1であり、ユニット#1がユニット#2の電力ポートをONしない限りこの時点ではユニット#1のみが起動状態となる。ここで電力線中継器10はユニット#1の個別情報(商品選択ボタン)を取得し、その管理アドレス(Sadr)として”600”を割付ける。続いて、ユニット#1は、自装置のアドレスを”600”に書替え、隣接するユニット#2の電源ポートをONすることにより管理アドレスの割付け対象がユニット#2に移行する(横方向の開閉制御電力線ディジーチェーン)。次に、管理アドレスの割り付け対象がユニット#3へ移行するが、ユニット#3は実装されておらず、ユニット#2がディジーチェーン接続された終端ユニットに該当するため、電力線中継器10からの問い合わせに対し応答無しでタイムアウト状態になる。この時点で電力線中継器10は、電力ポートP2をONすることにより管理アドレスの割り付け対象をユニット#9に移行させる(縦方向の開閉制御電力線ディジーチェーン)。
【0032】
このように制御することで管理アドレスの自動設定が可能となる。なお、商品選択ボタンや価格表示機のように、同じユニットを複数接続する場合、例えば、最初に認識した価格表示ユット、次に認識した価格表示ユニットのように認識順にアドレスを付与することで自動販売機への実装位置と合致するようにしている。
【0033】
このため、電力線中継器10は、例えば、図2に示すように、制御部11と、出力ポート12(P1〜P4)と、開閉回路13a,13b,13c13dと、入力ポート14と、通信ポート15とにより構成される。制御部11は、CPU11aを制御中枢とする、PLC(Power Line Communications)モジュール11bとバス通信モジュール11cとを備える。電力線中継器10は、主制御部20により起動されると、一群のユニットA,B,C,Dのそれぞれのユニットに対して電力線110(8V,5V,GND)経由で順次電力を供給する。
【0034】
例えば、一群のユニットAを構成する終端ユニットで問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群のユニットBに対し電力線110経由で順次電力を供給する。このため、出力ポート12を構成する電力ポートP1〜P4毎に、CPU11aにより生成されるチップセレクト信号CS1〜CS4によって開閉制御される開閉回路13a,13b,13c,13dが接続される。なお、開閉回路13a,13b,13c,13dはスイッチに限らず、ボリュームやリセット回路等、CPU11aにより電圧制御されるハードウエアで代替してもよい。
【0035】
また、制御部11は、主制御部20から通信線120経由で、出力ポート12にそれぞれ接続される群毎にディジーチェーン接続されたユニットのそれぞれに対して割り当てられるアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けたユニットのそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する。このため、電力線中継器10は、通信ポート15と、アドレス情報を取り込み出力ポート12経由でディジーチェーン接続されたユニットのそれぞれとアドレス情報の交換を行うバス通信モジュール11cを有する。
【0036】
図3に、電力線中継器10を経由して主制御部20に接続される従制御装置(ユニット#1(30),#2(40),#9(50))の接続配線例が示されている。図3に示されるように、ユニット#1(30)は、制御部31と、出力ポート32,33と、開閉回路34a,34b(SW)と、入力ポート35と、を含み構成される。制御部31は、CPU31aと、バス通信モジュール(Bus通信31b)と、電源部31cとを備え、電力線中継器10により入力ポート35経由で電力が供給されると、CPU31aによる制御の下で開閉回路34a,34bを制御し、出力ポート32に接続されているユニット#2(40)に対して電力線110(8V,5V,GND)経由で電力を供給する。この例では、ユニット#2(40)が群Aを構成する各ユニットの終端ユニットになっている。なお、ユニット#2(40),ユニット#9(50)も同様の構成であるため、重複を回避する意味で説明を省略する。
【0037】
(実施形態1の動作)
以下、図4図5に示すアドレス割り付けシーケンスを参照しながら、図1図3に示す実施形態1に係る自動アドレス設定システム1Aの動作について詳細に説明する。
【0038】
主制御部20の電源がONされると(ステップS101)、まず、電力線中継器10に電力が供給される(ステップS102)。主制御部20からアドレス登録モードの指令が発行されると(ステップS103)、電力線中継器10は、アドレス登録モードになり、主制御部20から規格に定められた各ユニットのアドレス情報(アドレステーブル)を取得する(ステップS104)。続いて、電力線中継器10は、電力ポートP1をONし(ステップS105)、ユニット#1(30)に電力を供給する(ステップS106)。ここで、電力線中継器10はマスタユニットとして動作し、スレーブとして動作するユニット#1(30)に対しアドレス書き換え指令を発行する(ステップS107)。
【0039】
ユニット#1(30)は、電力線中継器10からアドレス書き換え指令を受信すると、個別情報を取得して電力線中継器10へ返信する。電力線中継器10は、受信した個別情報から該当するアドレスをユニット#1(30)へ送信する。ユニット#1(20)は受信したアドレスから自装置のアドレスを”600”に更新して電力線中継器10へ応答を返す(ステップS108)。そして、電力ポートP1−1をONし(ステップS109)、接続されているユニット#2(40)に電力を供給する(ステップS110)。
【0040】
電力線中継器10は応答を受信後、ユニット#2(40)にアドレス書き換え指令を発行する(ステップS111)。ユニット#2(40)は、電力線中継器10からアドレス書き換え指令を受信すると個別情報を取得して電力線中継器10へ返信する。電力線中継器10は、受信した個別情報から該当するアドレスをユニット#2(40)へ送信する。ユニット#2(40)は受信したアドレスから自装置のアドレスを”700”に更新して電力線中継器10へ応答を返し(ステップS112)、電力ポートP1−2をONする(ステップS113)。
【0041】
電力線中継器10は更にアドレス書き換え指令を発行して応答を待つが(ステップS114)、規定時間内に応答が無いため、電力ポートP1に接続されたユニットの実装は無いと判断し、電力ポートP1に接続されるユニット群の構成記憶を行なう(ステップS115)。そして、主制御部20へその構成情報を転送し、主制御部20はこれを受けてユニット#1〜#8の構成情報を登録する(ステップS116)。続いて、電力線中継器10は、管理アドレスの割り付け対象を電力ポートP2に接続されるユニット#9(50)に移行させるため、電力ポートP2をONして最初に接続されるユニット#9(50)に対して電力を供給する(ステップS117)。以降、ユニット#10、#17、#18、#25、#26に対して上記した一連のステップS107〜S116の動作を繰り返し実行する(ステップS118〜S152)。
【0042】
電力線中継器10は、最終出力ポートPxの終端ユニットへのアドレス登録が終了した時点で、主制御部20に対してアドレス登録完了通知を行う(ステップS153)。これを受けて主制御部20は、ユニット#25〜#31構成情報を登録後(ステップS154)、アドレス登録モードを解除する(ステップS155)。電力線中継器10は、最終出力ポートPxのアドレス登録完了の通知をしてから所定時間待機後(ステップS156)、接続された全てのユニット#1(30),#2(40),#9(50)・・・に対して登録モードの完了を通知する(ステップS157)。このことにより、自ユニットのアドレス更新が済み、他のユニットのアドレス登録の終了を待っている(待機:ステップS158〜S165)ユニット#1(30),#2(40),#9(50)を含む各ユニット#10、#17、#18、#25、#26は、上記した一連のアドレス割り付けシーケンスを終了する。
【0043】
(実施形態1の効果)
以上説明のように実施形態1に係る自動アドレス設定システム1Aによれば、電力線中継器10を介して各ユニット(ユニット#1,#2,#9、#10、#17、#18、#25、#26)を電力線110によりディジーチェーン接続することにより、伝搬遅延が発生して応答が遅くなるという従来の問題を解決することが出来る。また、ユニットの種別毎に接続順にしたがいアドレスを付与するようにすれば、ユニットの実装位置の設定が不要になり、各ユニットにアドレスを自動的に付与できるようになる。また、配線が増えないため、配線収容スペース確保が容易となり、コストダウンがはかれる。
【0044】
なお、上記した実施形態1に係る自動アドレス設定システム1Aによれば、電力線110、および電力線中継器10が有する制御部11(CPU31a)と、出力ポート12(電力ポートP1〜P4)と、開閉回路13a〜13dとが、「一群の前記従制御装置のそれぞれに対して前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群の前記従制御装置のそれぞれに対して順次電力を供給する」電力分配手段として機能し、通信線120,および電力線中継器10が有する制御部11(Bus通信31b)と通信ポート15とが、「前記主制御装置から前記通信線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対し該当するアドレス情報を順次送信する」アドレス転送手段として機能する。
【0045】
(実施形態2の構成)
図6は、実施形態2に係る自動アドレス設定システム1Bの接続形態を示す図である。図6において、図1に示す実施形態1との差異は、各ユニット(従制御装置)を電力線中継器10経由で接続することなく、接続される各ユニット#1,#2,#3・・・のうちの一つをマスタユニットとして位置づけ、電力線中継器10としての機能を持たせることにある。ここでは、ユニット#1(30)をマスタユニットとして位置付けることとする。
【0046】
具体的には、図7に示すように、ユニット#1(30)は、主制御部20により起動され、電力線110(ここでは電力ポートP1)経由で電力が供給されると、自装置を除く一群のユニットのそれぞれに対して電力ポートP1−1経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群のユニットに対し電力線P2経由で順次電力を供給する。そして、主制御部20から通信線120経由で各ユニットのそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた自装置を含むユニット#2(40),#9(50)・・・に対して該当するアドレス情報を順次送信する。
【0047】
このため、ユニット#1(30)は、CPUを制御中枢とする制御部31と、出力ポート32,33と、開閉回路34a,34b(SW)と、入力ポート35と、を含み構成される。制御部31は、主制御部20により起動され、電力線110経由で電力が供給されると、一群のユニット#2(40)等に対して出力ポート32経由で電力を供給する。ユニット#2(40)が終端ユニットであり、問い合わせに対する応答が所定時間内に無ければ、次の一群のユニット#9(50)等に対して出力ポート33経由で順次電力を供給する。このため、出力ポート32,33毎に、CPU31により生成される信号によって開閉制御される開閉回路34a,34bが接続される。
【0048】
また、制御部31は、主制御部20から通信線120経由で、出力ポート32,33に接続される群毎にディジーチェーン接続されたユニットのそれぞれに対して割り当てられるアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けたユニットのそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する。このため、制御部31は、出力ポート32,33経由でディジーチェーン接続されたユニット#2(40)、#9(50)のそれぞれとアドレス情報の交換を行うバス通信モジュール(Bus通信31b)を含む。なお、ユニット#2(40)、#9(50)ともに、ユニット#1(30)と基本的には同じ構成を持つが、ユニット#1(30)が、主制御部20により起動され、マスタユニットとして動作するのに対し、ユニット#2(40),#9(50)・・・がスレーブユニットとして動作する点で異なる。
【0049】
(実施形態2の動作)
以下、図8図9のアドレス割り付けシーケンス図を参照しながら、図6図7に示す実施形態2に係る自動アドレス設定システム1Bの動作について詳細に説明する。
【0050】
主制御部20の電源がONされると(ステップS201)、ユニット#1(30)に電力が供給される(ステップS202)。電力が供給されると、ユニット#1(30)は、まず、電力線中継器10の検索を行う(ステップS203)。ここで、電力線中継器10は接続されないため無応答になり、ユニット#1(30)は、電力線中継器代行モードに遷移する。電力線中継器代行モードに遷移すると、ユニット#1(30)は、主制御部20から規格に定められた各ユニットのアドレス情報(アドレステーブル)を取得する(ステップS204)。そして、取得したアドレスから自局アドレス(個別情報)を”600”に更新して(ステップS205)、電力ポートP1をONして(ステップS206)接続されているユニット#2(40)に電力を供給する(ステップS207)。
【0051】
ユニット#1(30)は応答を受信後、接続されているユニット#2(40)にアドレス書き換え指令を発行する(ステップS208)。ユニット#2(40)は、ユニット#1(30)からアドレス書き換え指令を受信すると個別情報を取得してユニット#1(30)へ返信する。そしてユニット#1(30)は、受信した個別情報から該当するアドレスをユニット#2(40)へ送信する。ユニット#2(40)は受信したアドレスから自局アドレスを”700”に書き換えてユニット#2(40)へ応答を返し(ステップS209)、電力ポートP1−1をONする(ステップS210)。
【0052】
ユニット#1(30)は更にアドレス書き換え指令を発行して応答を待つが(ステップS211)、規定時間内に応答が無いため、電力ポートP1−1に接続されたユニットの実装は無いと判断し、電力ポートP1−1に接続されるユニットの構成記憶を行なう(ステップS212)。そして、主制御部20へその構成情報を転送し、これを受けた主制御部20は、ユニット#1〜#8の構成情報の登録を行う(ステップS213)。続いて、ユニット#1(30)は、管理アドレスの割り付け対象を電力ポートP2に接続されるユニット群に移行させるため、電力ポートP2をONして最初に接続されるユニット#9(50)に対して電力を供給する(ステップS214)。以降、上記したステップS206〜S213の動作を繰り返し実行し(ステップS215〜S248)、ユニット#1(30)は、最終電力ポートP4−xの終端ユニットへのアドレス登録が終了した時点で、主制御部20に対してアドレス登録完了通知を行う(ステップS249)。
【0053】
これを受けて主制御部20は、ユニット#25〜#31構成情報を登録後(ステップS250)、アドレス登録モードを解除する(ステップS251)。電力線中継器10は、最終出力ポートPxのアドレス登録完了の通知をしてから所定時間待機後(ステップS252)、接続された全てのユニット#1(30),#2(40),#9(50)・・・に対して登録モードの完了を通知する(ステップS253)。このことにより、自ユニットのアドレス更新が済み、他のユニットのアドレス登録の終了を待っている(待機:ステップS254〜S260)ユニット#1(30),#2(40),#9(50)を含む各ユニット#10、#17、#18、#25、#26は、上記した一連のアドレス割り付けシーケンスを終了する。
【0054】
(実施形態2の効果)
以上説明のように実施形態2に係る自動アドレス設定システム1Bによれば、マスタユニットとなるユニット#1(30)を介し、ユニット#2(40),#9(50)、更には、ユニット#9、#10、#17、#18、#25、#26を電力線110によりディジーチェーン接続することにより、伝搬遅延が発生して応答が遅くなるという従来の問題を解決することが出来る。また、ユニットの種別毎に接続順にしたがいアドレスを付与するようにすれば、ユニットの位置の設定が不要になり、各ユニットにアドレスを自動的に付与できるようになる。また、電力線中継器10を要しないためコストダウンが図れ、更に、配線が増えないため、配線収容スペース確保が容易になる。
【0055】
なお、上記した実施形態2に係る自動アドレス設定システム1Bによれば、電力線110、およびディジーチェーン接続された各ユニット#1(30),#2(40),#9(50)のうち、マスタユニットとして動作するユニット#1(30)が有する制御部31(CPU31a)、出力ポート32,33、開閉回路34a,34bが、「一群の前記従制御装置のそれぞれに対して前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群の前記従制御装置のそれぞれに対して順次電力を供給する」電力分配手段として機能する。また、通信線120,およびディジーチェーン接続された各ユニット#1(30),#2(40),#9(50)のうち、マスタユニットとして動作するユニット#1(30)が有する制御部31(Bus通信31b),出力ポート32,33が、「前記主制御装置から前記通信線経由で前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対し該当するアドレス情報を順次送信する」アドレス転送手段として機能する。
【0056】
(実施形態の3の構成)
図10は、実施形態3に係る自動アドレス設定システム1Cの接続構成を示す図である。実施形態1,2との構成上の差異は、電力線通信(PLCモジュール)を使用することにより電力線の他に通信線も共通化したことにある。図10は、電力線中継器10を介して各ユニットが接続される例を示し、図11は、電力線中継器10を使用することなく一個のユニット#1(30)をマスタユニットとして各ユニットが接続される例を示す。
【0057】
図10に示す構成によれば、電力線中継器10は、PLCモデムが実装された主制御部20と、群毎にディジーチェーン接続された複数の従制御装置である各ユニット#1(30),#2(40),#3(50)との間に接続される。電力線中継器10は、主制御部20により起動されると、一群のユニット#1(30),#2(40)のそれぞれに対し、唯一の電力線130経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群のユニットであるユニット#9(50)に対して電力線130経由で順次電力を供給する。そして、電力線中継器10は、主制御部20から電力線130経由でユニット#1(30),#2(40),#3(50)のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けたユニット#1(30),#2(40),#3(50)のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する。
【0058】
電力線中継器10は、PLCモジュールを内蔵し、主制御部20により起動されると、一群のユニットのそれぞれに対してPLCモジュール経由で順次電力を供給し、群を構成する終端ユニットで問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、次の一群のユニットに対しPLCモジュール経由で順次電力を供給する。このため、実施形態1と同様、図示省略した出力ポート毎にCPUで生成される信号により開閉制御される開閉回路が接続される。また、主制御部20から電力線130経由で、出力ポートを介してそれぞれ接続される群毎にディジーチェーン接続されたユニットのそれぞれに対して割り当てられるアドレス情報を受信すると、PLCモジュールにより、順次電力供給を受けたユニットのそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する。
【0059】
図11は、電力線中継器10を使用することなく一個のユニット#1(30)をマスタユニットとして各ユニット#2(40),#3(50)が接続される例を示す。各ユニット#1(30),#2(40),#3(50)は、いずれも制御部31と、出力ポート32,33と、開閉回路34a,34bと、入力ポート35とを含む。制御部31は、CPU31aを制御中枢とする、電源部31cとPLCモジュール31dとを備える。このうち、CPU31aとPLCモジュール31dとは、シリアル転送路によりシリアル通信によりデータ交換がなされる。PLCモジュール31dは、CPU31aにより起動されると、出力ポート32を介して接続されるユニット#2(40)を含む一群のユニットのそれぞれに対して順次電力を供給し、群を構成する終端ユニットで問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと、出力ポート33を介して接続されるユニット#9(50)を含む次の一群のユニットに対して順次電力を供給する。このため、出力ポート32,33毎に、CPU31aにより生成される信号により開閉制御される開閉回路34a,34bが接続される。
【0060】
上記構成において、ユニット#1(30)は、PLCモデムを有する主制御部20により起動されると、出力ポート32を介して接続されるユニット#2に対して唯一の電力線130経由で電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと一群のユニットにおける終端ユニットであると判断し、出力ポート33を介して接続されるユニット#9(50)を含む次の一群のユニットに対して順次電力を供給する。そして、ユニット#1(30)が、主制御部20から電力線130経由でユニット#1(30),#2(40),#3(50)のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けたユニット#1(30),#2(40),#3(50)のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する。
【0061】
(実施形態3の効果)
以上説明のように実施形態3に係る自動アドレス設定システム1Cによれば、電力線と通信線を共通化(唯一の電力線130)することにより、通信のためのハーネスが削減され配線スペースの確保が容易になり、また、そのためのコネクタや接続ボックスも小型化が可能になる。また、電力線130により、ディジーチェーン接続された一群のユニットにおける立上げの優先順位を制御し(横方向の開閉制御電力線ディジーチェーン)、また、各ユニットに対する電力供給を電力線中継器10あるいはユニット内で分配制御することにより群間における各ユニットへの給電を制御し(縦方向の開閉制御電力線ディジーチェーン)、主制御部20と1対1のアドレス情報の転送を行うことで、各ユニット#1(30),#2(40),#3(50)のアドレス割付を自動で行うことができる。
【0062】
なお、上記した実施形態3に係る自動アドレス設定システム1Cによれば、PLCモジュールにより唯一の電力線130経由で接続される電力線中継器10、あるいは、ディジーチェーン接続された各ユニット#1(30),#2(40),#9(50)のうち、マスタユニットとして動作するユニット#1(30)が有する制御部31(PLCモジュール31d)と,出力ポート32,33と、開閉回路34a,34bとが、「一群の前記従制御装置のそれぞれに対し前記電力線経由で順次電力を供給し、問い合わせに対する応答が所定時間内に無いと次の一群の前記従制御装置に対し前記電力線経由で順次電力を供給する」電力分配手段として機能する。また、PLCモジュールにより唯一の電力線130経由で接続される電力線中継器10、あるいは、マスタユニットとして動作するユニット#1(30)が有する制御部31(PLCモジュール31d)と,出力ポート32,33と、開閉回路34a,34bとが、「前記電力線経由で前記主制御装置から前記従制御装置のそれぞれに対して割り当てられたアドレス情報を受信すると、順次電力供給を受けた前記従制御装置のそれぞれに対して該当するアドレス情報を順次送信する」電力線通信手段として機能する。
【0063】
(変形例)
なお、上記した実施形態1〜3に係る自動アドレス設定システムによれば、開閉回路13a,13b,13c,13d(あるいは34a,34b)を制御することによりディジーチェーン接続された各ユニット#1(30)、#2(40)、#3(50)に対して給電分配する例についてのみ説明したが、開閉回路に限らず、ボリュームやリセット回路等により電圧制御しても同じ機能を実現することができる。また、適用分野は自動販売機に制限されることなく、ディジーチェーン接続された複数のモジュール間で通信を行う通信装置にも同様に適用が可能である。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0065】
1A,1B,1C…自動アドレス設定システム、10…電力線中継器、20…主制御部(主制御装置)、30,40,50…従制御装置(ユニット#1,#2,#9)、11…制御部、12…出力ポート(電力P1〜P4)、13a,13b,13c,13d、34a,34b…開閉回路、14,35…入力ポート、15…通信ポート、31…制御部、31a…CPU、31b…バス通信モジュール、31c…電源回路、31d…電力線通信モジュール(PLC)、32,33…出力ポート、110,130…電力線、120…通信線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15