特許第6232284号(P6232284)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232284
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
   F04B39/00 106A
   F04B39/00 106Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-271281(P2013-271281)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-124741(P2015-124741A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】505252724
【氏名又は名称】パナソニック アプライアンシズ リフリジレーション デヴァイシズ シンガポール
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 貴之
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 広明
(72)【発明者】
【氏名】徳永 成臣
(72)【発明者】
【氏名】田浦 方三
(72)【発明者】
【氏名】角 正貴
(72)【発明者】
【氏名】福田 充浩
【審査官】 北川 大地
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−29074(JP,A)
【文献】 特開2004−293539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
F04C 29/00
H02K 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機駆動制御回路が実装された基板と、前記基板を収納する収納ケースとを備え、前記収納ケースは前記圧縮機の外郭に取り付けられたブラケットに固定保持する圧縮機であって、前記ブラケットは両側部に前記収納ケースを固定保持するための一対の係合片を有するとともに、前記収納ケースは前記係合片に対応して一対の固定片を備え、前記収納ケースはその固定片をブラケットの係合片に嵌め合わせそのいずれか一方の固定片をブラケットの係合片にビス止めして他方の固定片とこれに対応する他方の係合片とを圧接させた圧縮機。
【請求項2】
収納ケースはブラケットの係合片を嵌合させる嵌合溝を備え、この嵌合溝を構成する溝壁を固定片としてその一方をブラケットの係合片にビス止めし、かつ、他方の固定片をブラケットの他方の係合片に圧接させる構成とした請求項1記載の圧縮機。
【請求項3】
収納ケースは両側に設けた固定片の両方をビス止め可能な構成としてそのいずれか一方をブラケットの係合片にビス止めした構成とした請求項1または2に記載の圧縮機。
【請求項4】
ブラケットは両側の固定片にそれぞれ高さの異なる第1の保持部及び第2の保持部を有するとともに両側の固定片間の上部に別途保持部を設けて、これら複数の保持部によって収納ケースをブラケットに保持する構成とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項5】
圧縮機は複数の回転数で駆動することが可能なインバーター圧縮機とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫等の冷却システムに用いる圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫等の冷却システムには、圧縮機が搭載されており、特に複数の回転数で圧縮機を駆動するインバーター圧縮機においては、その駆動装置が別に必要である。そしてこの駆動装置を圧縮機の外郭に直接取り付けたものが見られる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は上記特許文献1に記載された圧縮機を示し、圧縮機101の外郭には、金属板を折り曲げ加工したブラケット102が溶接により取付けられており、インバーター駆動回路であるプリント基板を収納した装置収納ケース103が前記ブラケット102を介して圧縮機101に取り付けられている。具体的には、装置収納ケース103をその底部がブラケット102と向き合う方向でブラケット102に嵌め込んでいき、装置収納ケース103両側の取付け穴104をブラケット102両側のネジ穴105にネジ106で固定することによって、圧縮機101に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−62972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されている圧縮機101は圧縮機自体にインバーター駆動回路を備えた装置収納ケース103が装着されてユニット化されているため、冷蔵庫等の機器への組み込みが容易であるという利点がある。
【0006】
しかしながら、上記従来の構成では、装置収納ケース103の両側部をそれぞれネジ106止めする必要があり、冷蔵庫等の圧縮機が設置される部分は狭い部分が多いため、部品交換等のサービスやメンテナンス時の着脱性が悪いという課題があった。また、圧縮機101は起動時や回転可変時等に振動を発生するが、その際圧縮機に取り付けている装置収納ケース103が確実に固定されていないと圧縮機101の振動によってガタ付きが発生し、騒音を発したり、場合によっては装置収納ケース103内に収納してある基板の箔切れや部品故障を起こしたりしてしまう等のことがある。そのため装置収納ケース103の取り付けをよりガタ付きの少ないものとして、圧縮機の騒音に起因して発生する振動や騒音、故障発生の恐れ等を低減し信頼性を向上させる必要があるという課題を有していた。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、圧縮機駆動装置用収納ケースの着脱性を向上させるとともにガタツ付きを防止して振動や騒音、故障発生の恐れ等を低減した信頼性の高い圧縮機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するために、圧縮機駆動制御回路が実装された基板と、前記基板を収納する収納ケースとを備え、前記収納ケースは前記圧縮機の外郭に取り付けられたブラケットに固定保持する圧縮機であって、前記ブラケットは両側部に前記収納ケースを固定保持するための一対の係合片を有するとともに、前記収納ケースは前記係合片
に対応して一対の固定片を備え、前記収納ケースはその固定片をブラケットの係合片に嵌め合わせそのいずれか一方の固定片をブラケットの係合片にビス止めして他方の固定片とこれに対応する他方の係合片とを圧接させた構造としてある。
【0009】
これにより、収納ケースはその固定片を圧縮機側のブラケットの係合片に嵌め込んだのち、左右いずれか一方の固定片をビス止めすれば圧縮機に取り付け固定することができ、その着脱性が向上するとともに、このビス止めによって他方の固定片はブラケットの係合片に圧接するのでビス止めしていなくても強固に固定された状態となり、圧縮機の振動等があってもガタ付くことなく確実に固定されることになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記構成により収納ケースの着脱が容易にできるとともに、ガタ付きも確実に防止して振動や騒音、故障発生の恐れ等を低減でき、着脱性及び信頼性の高い圧縮機とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1における圧縮機の斜視図
図2】同実施の形態1における圧縮機に取り付けた圧縮機駆動装置の断面図
図3】同実施の形態1における圧縮機駆動装置の分解斜視図
図4】同実施の形態1における圧縮機をブラケット装着側から見た斜視図
図5】同実施の形態1における圧縮機駆動装置の収納ケースをブラケット取付け面側から見た正面図
図6】同実施の形態1における収納ケースの装着用開口部を示す拡大正面図
図7】同実施の形態1における収納ケースを示す図5のA−A断面図
図8】同実施の形態1における収納ケースを示す図5のB方向から見た下面図
図9】同実施の形態1における収納ケースとブラケットの装着状態を示す拡大断面図
図10】従来の圧縮機用駆動装置を備えた圧縮機の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、圧縮機駆動制御回路が実装された基板と、前記基板を収納する収納ケースとを備え、前記収納ケースは前記圧縮機の外郭に取り付けられたブラケットに固定保持する圧縮機であって、前記ブラケットは両側部に前記収納ケースを固定保持するための一対の係合片を有するとともに、前記収納ケースは前記係合片に対応して一対の固定片を備え、前記収納ケースはその固定片をブラケットの係合片に嵌め合わせそのいずれか一方の固定片をブラケットの係合片にビス止めして他方の固定片とこれに対応する他方の係合片とを圧接させた構造としてある。
【0013】
これにより、収納ケースはその固定片を圧縮機側のブラケットの係合片に嵌め込んだのち、左右いずれか一方の固定片をビス止めすれば圧縮機に取り付け固定することができ、その着脱性が向上するとともに、このビス止めによって他方の固定片はブラケットの係合片に圧接するのでビス止めしていなくても強固に固定された状態となり、圧縮機の振動等があってもガタ付くことなく確実に固定されることになる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、収納ケースはブラケットの係合片を嵌合させる嵌合溝を備え、この嵌合溝を構成する溝壁を固定片としてその一方をブラケットの係合片にビス止めし、かつ、他方の固定片をブラケットの他方の係合片に圧接させる構成としてある。
【0015】
これにより、収納ケースはその嵌合溝をブラケットの係合片に嵌合させれば収納ケース
の固定片とブラケットの係合片との嵌め合わせを行うことができ、この嵌め合わせ時に収納ケースが左右方向に位置ずれするのを嵌合溝が防止するようになるので、収納ケースの固定片とブラケットの係合片との嵌め合わせ作業が容易に行え、収納ケース取付の作業性を一段と向上させることができる。
【0016】
第3の発明は、第1または第2の発明において、収納ケースは両側に設けた固定片の両方をビス止め可能な構成としてそのいずれか一方をブラケットの係合片にビス止めした構成としてある。
【0017】
これにより、冷蔵庫等の機器への設置において当該設置スペースに応じて作業のしやすい方からブラケットへの収納ケースのビス止め作業を行うことができるなど、使い勝手の良いものとすることができる。
【0018】
第4の発明は、上記第1〜第3の発明において、ブラケットは両側の固定片にそれぞれ高さの異なる第1の保持部及び第2の保持部を有するとともに両側の固定片間の上部に別途保持部を設けて、これら複数の保持部によって収納ケースをブラケットに保持する構成としてある。
【0019】
これにより、収納ケースはビス止め箇所に加え複数の保持部によってもブラケットに保持されるから、ブラケットを介して伝わる圧縮機の左右前後方向の動きに対してより確実に固定でき、圧縮機の信頼性を一段と高いものとすることができる。
【0020】
第5の発明は、第1〜第4の発明において、圧縮機は複数の回転数で駆動することが可能なインバーター圧縮機としたものである。
【0021】
これにより、振動発生の機会が多い圧縮機であっても収納ケースのガタ付きがない圧縮機とすることができ、インバーター駆動制御型圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における圧縮機の斜視図、図2は同実施の形態1における圧縮機に取り付けた圧縮機駆動装置の断面図、図3は同実施の形態1における圧縮機駆動装置の分解斜視図、図4は同実施の形態1における圧縮機をブラケット装着側から見た斜視図、図5は同実施の形態1における圧縮機駆動装置の収納ケースをブラケット取付け面側から見た正面図、図6は同実施の形態1における収納ケースの装着用開口部を示す拡大正面図、図7は同実施の形態1における収納ケースを示す図5のA−A断面図、図8は同実施の形態1における収納ケースを示す図5のB方向から見た下面図、図9は同実施の形態1における収納ケースとブラケットの装着状態を示す拡大断面図である。
【0024】
図1において、圧縮機1はその外周面に圧縮機駆動装置2が着脱自在に装着してある。
【0025】
まず、上記圧縮機駆動装置2の構成について簡単に説明しておくと、圧縮機駆動装置2は、図2図3に示すように収納ケース3にプリント基板4を内装して構成してある。
【0026】
収納ケース3は変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂により射出成形され、プリント基板4の大きさに対して若干大きい開口部5を有していて、この開口部5からプリント基板4が挿入されている。プリント基板4はその下部コーナ部の孔6を収納ケース下部コ
ーナ部のピン7にゴムブッシュ8を介して挿入し、上部のコーナ部はビス9にて固定してある。
【0027】
プリント基板4は、ガラス布・ガラス不織布エポキシ樹脂からなり、圧縮機1を可変速制御するインバーター回路等の制御回路が設けられており、収納ケース3の開口部5側にIPM(インテリジェントパワーモジュール)等の半導体素子10を臨ませて収納ケース3内に配置してある。そして、上記収納ケース3の開口部5を熱伝導性の良い例えばアルミ板等からなる蓋11で閉口して圧縮機駆動装置2を構成している。
【0028】
この時、この圧縮機駆動装置2はその蓋11の一部に凸部12をプレス成形して前記半導体素子10に絶縁シート13を介して密接させ半導体素子10が発する熱を蓋11に伝導して外部に放熱するように構成してある。
【0029】
次に上記圧縮機駆動装置2の圧縮機1への取り付け構成について図4図9を用いて説明する。
【0030】
図4は圧縮機駆動装置取付前の圧縮機を示し、圧縮機1にはその外郭に圧縮機駆動装置取付け用のブラケット14が溶接等によって固着してある。
【0031】
ブラケット14は同図の拡大図で示すように左右両側に圧縮機駆動装置2の収納ケース3を取り付け保持する一対の係合片15a,15bが折り曲げ形成してあり、その各係合片15a,15bの下部付近にネジ孔16が形成してある。また、上記係合片15a,15bには鍵状のそれぞれ高さ及び奥行きの異なる第1の保持部17と第2の保持部18が形成してある。また、このブラケット14の前記左右両側係合片15a,15bの間の上部には斜め上向きに折り曲げ形成した第3の保持部19が形成してある。
【0032】
一方、前記ブラケット14に装着する圧縮機駆動装置2の収納ケース3はその裏面に図5図6に示すように前記ブラケット14に嵌め込む装着用開口部20が一体形成してある。
【0033】
装着用開口部20はブラケット14が嵌り込む大きさに形成してあって、図5図9、特に図9に示すようにその左右両側部に前記ブラケット14の係合片15a,15bに固定する一対の固定片21a,21bが形成してある。この実施の形態では前記装着用開口部20の左右両側部にブラケット14の係合片15a,15bを嵌合させる嵌合溝22を形成して、当該嵌合溝22の溝壁を固定片21a,21bとしている。上記固定片21a,21bのうち嵌合溝22の外側の溝壁となる固定片の下部付近、すなわち前記ブラケット14の係合片15a,15bのネジ孔16と対向する部分にケース固定用ビス挿通部23が形成してあり、いずれか一方のケース固定用ビス挿通部23に挿通したケース固定用ビス24を前記ブラケット14のネジ孔16にねじ込んで収納ケース3をブラケット14に固定してある。
【0034】
また、上記嵌合溝22には図6に示すように前記ブラケット14の係合片15a,15bに設けた第1の保持部17及び第2の保持部18と対応する部分にこれらに嵌め込む第1の係止部25及び第2の係止部26が形成してあり、さらに装着用開口部20の上開口縁27はブラケット14の第3の保持部19に嵌り込むように形成してある。そして、収納ケース3のブラケット14への取り付け時には、嵌合溝22の上部側に位置する第1の係止部25はブラケット14側の第1の保持部17と係合し、下部側に位置する第2の係止部26はブラケット14側の第2の保持部18と係合し、装着用開口部20の上開口縁27はブラケット14の第3の保持部19に嵌り込み係合する。
【0035】
以上のように構成された圧縮機において、以下動作について説明する。
【0036】
圧縮機1への圧縮機駆動装置2の取り付けは、まず収納ケース3の装着用開口部20をブラケット14に合わせ、そのままブラケット14に嵌め込んでいく。この時、収納ケース3の装着用開口部20に設けた嵌合溝22をブラケット14の係合片15a,15bに嵌合させてそのまま下方へスライドさせる。これにより、収納ケース3の嵌合溝22の上部側に位置する第1の係止部25がブラケット14側の第1の保持部17と係合し、下部側に位置する第2の係止部26がブラケット14側の第2の保持部18と係合し、装着用開口部20の上開口縁27がブラケット14の第3の保持部19に嵌り込み係合する。
【0037】
この状態で、収納ケース3の嵌合溝22の溝壁で形成した固定片21a,21bの一方21aのケース固定用ビス挿通部23にケース固定用ビス24を相通して前記ブラケット14のネジ孔16にねじ込む。この時、ブラケット14の係合片15aが嵌合している嵌合溝22は図9に示すようにその溝幅Tが係合片15aの板厚tより大きく形成されているので、上記ケース固定用ビス24のねじ込みに応じてブラケット14が収納ケース3に対して図9中の矢印X方向に引き寄せられ、同図に示すように他方の固定片21bがブラケット14の他方の係合片15bに圧接する。これによりこの収納ケース3は前記ケース固定用ビス24をねじ込んだ一方の固定片21a部分と他方の係合片15bに圧接するもう一つの固定片21b部分とで強固にブラケット14に固定されることになる。
【0038】
したがって、この圧縮機は、収納ケース3の嵌合溝22の溝壁によって形成した左右いずれか一方、この実施の形態では右側の固定片21aをブラケット14の一方の係合片15aにビス止めするだけで圧縮機1に取り付け固定することができ、その着脱性が向上する。
【0039】
しかも上記ビス止めしない他方の固定片21bはブラケット14の他方の係合片15bに圧接するのでビス止めしていなくても強固に固定された状態となり、圧縮機1の振動等があってもガタ付くことなく確実に固定されることになる。
【0040】
したがって、インバーター制御によって複数の回転数にて駆動、例えば、20HZ,35HZ,40HZ,60HZ,80HZというように幅広い範囲の予め決められた複数の回転数によって運転され、複数のパターンの振動が発生する圧縮機であっても、本実施の形態ではケース固定用ビス24をねじ込んだ一方の固定片21a部分とこれによってブラケット14の他方の係合片15bに圧接するもう一つの固定片21b部分とで収納ケース3を強固にブラケット14に固定しているので、圧縮機の振動に伴う収納ケース3の振動を抑えることができる。
【0041】
また、本実施の形態では収納ケース3はブラケット14用の装着用開口部20に嵌合溝22を形成し、この嵌合溝22を構成する溝壁を固定片21a,21bとしてその一方をブラケット14の係合片15aにビス止めし、かつ、他方の固定片21bをブラケット14の他方の係合片15bに圧接させる構成としてあるから、収納ケース3をブラケット14に嵌め込む際の作業性が向上する。すなわち、固定片21a,21bを左右一対単に立設形成しただけであれば収納ケース3の装着用開口部20をブラケット14に嵌め込む際、収納ケース3が左右方向に位置ずれして手間取る可能性があるが、この実施の形態では固定片21a,21bを嵌合溝22で形成しているから、この嵌合溝22をブラケット14の係合片15a,15bに嵌合させるだけで収納ケース3のブラケット14への嵌め込み時に生じる左右方向への位置ずれを防止でき、収納ケース3の固定片21a,21bとブラケット14の係合片15a,15bとを嵌めあい作業が容易に行え、収納ケース取付の作業性を一段と向上させることができるのである。
【0042】
また、この実施の形態では、収納ケース3の固定片21a,21b及びブラケット14の係合片15a,15bに設けたケース固定用ビス挿通部23及びネジ孔16は、左右両方の固定片21a,21b及び係合片15a,15bに設けてあるから、圧縮機が設置される冷蔵庫等の機器の設置スペースの状況に応じてビス止めしやすい方のケース固定用ビス挿通部23とネジ孔16を利用してビス止め固定することができる。したがって、ブラケット14への収納ケース3のビス止め作業を容易に行うことができ、使い勝手の良いものとすることができる。
【0043】
さらに、この実施の形態では前記収納ケース3は、前記した嵌合溝22の上部側に位置する第1の係止部25がブラケット14側の第1の保持部17と係合し、下部側に位置する第2の係止部26がブラケット14側の第2の保持部18と係合し、装着用開口部20の上開口縁27がブラケット14の第3の保持部19に嵌り込み係合していることから、これら複数個所でもブラケット14に固定されることになる。これにより、収納ケース3はビス止め箇所に加え複数の保持部によってもブラケット14に保持されるから、ブラケット14を介して伝わる圧縮機の左右前後方向の振動に対してより効果的にガタ付き抑制することができ、圧縮機の信頼性を一段と高いものとすることができる。特に前記第1の係止部25と第1の保持部17及び第2の係止部26と第2の保持部18との係合は、上下及び前後方向の異なる位置で係合した形となっているから、圧縮機1の内部に備えられているモータ等の回転によって生じる左右前後方向の振動に対して収納ケース3がガタ付くのを効果的に抑制することができる。また、上記第1の係止部25と第1の保持部17、第2の係止部26と第2の保持部18、装着用開口部20の上開口縁27とブラケット14の第3の保持部19の係合は、収納ケース3のケース固定用ビス挿通部23とブラケットのネジ孔16との位置決めを行うようにもなり、ビス止め作業がさらに容易に行えるようになる利点がある。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記実施の形態は本発明を実施するうえでの一例として示したものであり、本発明の目的を達成する範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0045】
例えば、この実施の形態では嵌合溝22を設けてその溝壁を固定片21a,21bとしたものを例示したが、このような嵌合溝22を設けて固定片21a,21bを形成するのではなくただ単に凸条リブを左右一対設けてこれを固定片としたものであってもよいものである。
【0046】
また、収納ケース3のケース固定用ビス挿通部23とブラケット14のネジ孔16は左右両側それぞれに設けたものを例示したが、いずれか一方のみに設けたものであってもよいものである。
【0047】
以上のように、本発明は、圧縮機駆動装置用収納ケースの着脱が容易にできるとともに、ガタ付きも確実に防止して振動や騒音、故障発生の恐れ等を低減でき、着脱性及び信頼性の高い圧縮機とすることができるので、冷蔵庫、空調調和機等の圧縮機用駆動装置に幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 圧縮機
2 圧縮機駆動装置
3 収納ケース
4 プリント基板
10 半導体素子
11 蓋
14 ブラケット
15a、15b 係合片
16 ネジ孔
17 第1の保持部
18 第2の保持部
19 第3の保持部
20 装着用開口部
21a、21b 固定片
22 嵌合溝
23 ケース固定用ビス挿通部
24 ケース固定用ビス
25 第1の係止部
26 第2の係止部
27 上開口縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10