(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記工程1が、成分(B)、(C)、(E)及び一部の成分(D)を加熱混合する工程11、成分(A)及び一部の成分(D)を加熱混合する工程12、工程11で得られた溶液に、工程12で得られた溶液を加え加熱混合する工程13、工程13の後に、冷却する工程14を備える請求項6記載の化粧料の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で用いる成分(A)のアラントインは、化学名は5−ウレイドヒダントインであり、含有量は、特定のpH域内において良好な安定性を保持する点から、全組成中に0.01質量%以上であり、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.8質量%以下であり、0.7質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.01〜0.8質量%であり、好ましくは0.05〜0.7質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
【0011】
成分(B)のアニオン界面活性剤は、(b1)炭素数8〜22のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸又はその塩、及び(b2)炭素数8〜22のアシル基を有するN−アシ
ルアスパラギン酸又はその塩から選ばれるものである。
成分(b1)のN−アシルグルタミン酸又はその塩を含有することにより、pHの経時での変動を抑え、アラントインの安定性を確保することができる。成分(b1)における炭素数8〜22のアシル基は、安定性の点から、好ましくは炭素数12〜18であり、より好ましくは炭素数16〜18であり、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸又は混合脂肪酸を由来としたものが好ましい。このような脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸や、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等の混合脂肪酸などが挙げられる。これら脂肪酸のなかでも、保存安定性及び肌に対する優しさの点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸が好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸がより好ましく、さらに、ステアリン酸及びヤシ油脂肪酸が好ましい。(b1)N−アシルグルタミン酸又はその塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0012】
成分(b1)のN−アシルグルタミン酸又はその塩は、酸として配合した場合、pHの経時での変動を抑え、アラントインの安定性を確保する点から、塩基によって所望のpHになるように中和して用いる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アンモニア、リシン、アルギニン、ヒスチジン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、AMP(2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール)、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等の一般的な塩基が用いられ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニンが好ましい。なかでも、安定性、肌に対するやさしさや入手容易性の点から、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩になるように、塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニンを用いて調製することが好ましく、さらに、ナトリウム塩やカリウム塩になるように、塩基として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いて調製することがより好ましい。
一方、予めN−アシルグルタミン酸又はその塩(b1)が有するカルボキシル基の全部又は一部がアルカリによって中和された塩を配合してもよい。かかる中和された塩としては、安定性、肌に対するやさしさや入手容易性の点から、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、エタノールアミン塩、塩基性アミノ酸(リシン・アルギニン・ヒスチジン)塩から選ばれる塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩から選ばれる塩がより好ましく、とりわけナトリウム塩とカリウム塩を用いることが好ましい。なお、化粧料のpHが最終的に所望の範囲になるよう、必要に応じて追加的に、上記記載の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタールアミン、アンモニア、リシン、アルギニン、ヒスチジン等の一般的な各種塩基を用いてもよい。また、いずれの場合においても、化粧料のpHを調整するため、さらに塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、コハク酸等の一般的な各種酸を追加的に用いてもよい。
【0013】
成分(b2)のN−アシルアスパラギン酸又はその塩を含有することにより、pHの経時での変動を抑え、アラントインの安定性を確保することができる。
成分(b2)における炭素数8〜22のアシル基は、安定性の点から、好ましくは炭素数12〜18のアシル基であり、より好ましくは炭素数16〜18のアシル基であり、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸又は混合脂肪酸を由来としたものが好ましく、直鎖飽和脂肪酸を由来としたものがより好ましい。このような脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸や、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸などの混合脂肪酸等が挙げられる。これら脂肪酸のなかでも、保存安定性の点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸が好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸がより好ましく、とりわけラウリン酸、ステアリン酸が好ましい。(b2)N−アシルアスパラギン酸又はその塩(b2)は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0014】
N−アシルアスパラギン酸又はその塩(b2)は、酸として配合した場合、pHの経時での変動を抑え、アラントインの安定性を確保する点から、塩基によって所望のpHになるように中和して用いる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アンモニア、リシン、アルギニン、ヒスチジン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、AMP(2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール)、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール等の一般的な塩基が用いられる。なかでも安定性、肌に対するやさしさや入手容易性の点から、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩になるように、塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニンを用いて調製することが好ましく、さらにナトリウム塩やカリウム塩になるように、塩基として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いて調製することが好ましい。一方、予めN−アシルアスパラギン酸又はその塩(b2)が有するカルボキシル基の全部又は一部がアルカリによって中和された塩を配合してもよい。かかる中和された塩としては、安定性、肌に対するやさしさや入手容易性の点から、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、エタノールアミン塩、塩基性アミノ酸(リシン・アルギニン・ヒスチジン)塩から選ばれる塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩がより好ましく、とりわけナトリウム塩を用いることが好ましい。なお、化粧料のpHが最終的に所望の範囲になるよう、必要に応じて追加的に、上記記載の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニア、リシン、アルギニン、ヒスチジン等の一般的な各種塩基を用いてもよい。また、いずれの場合においても、化粧料のpHを調整するため、さらに塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、コハク酸等の一般的な各種酸を追加的に用いてもよい。
【0015】
成分(B)としては、安定性及び塗布時と塗布後の使用感の点から、(b1)が好ましく、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムがより好ましく、経時での安定性の点から、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムがさらに好ましい。
【0016】
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、経時でのpH変化を抑え、安定性に優れ、塗布時及び塗布後の肌のべたつきがない点から、酸として、全組成中に0.01質量%以上であり、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、3質量%以下であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.01〜3質量%であり、好ましくは0.05〜2質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%である。
【0017】
本発明で用いる成分(C)は、前記一般式(1)で表わされる化合物である。
一般式(1)中、R
1は、ヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子である。
Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示す。
【0018】
X
1、X
2及びX
3は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示す。X
1、X
2及びX
3のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子であるのが好ましい。Zがメチン基のとき、X
1とX
2のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X
4は水素原子かグリセリル基であるのが好ましい。
R
2及びR
3は、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、好ましいR
2は水素原子又はヒドロキシメチル基であり、好ましいR
3は水素原子である。
【0019】
R
4は、ヒドロキシル基、カルボキシ基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。好ましくは、ヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜35の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換してもよい炭素数8〜22の直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合又はアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はリノール酸が好ましい。
【0020】
R
5は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基である。R
1が水素原子、Zが酸素原子のときR
5は総炭素数10〜30の炭化水素基である。また、R
1が炭化水素基であるときR
5は総炭素数1〜8の炭化水素基である。このうち水素原子あるいは、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよい総炭素数1〜8の炭化水素基が好ましい。ここで、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0021】
一般式(1)で表わされるセラミド類は、次の一般式(2)又は(3)で表わされるセラミド類であることが好ましい。
(I)一般式(2)で表わされる天然又は天然型セラミド類、及びその誘導体(以下、天然型セラミドと記載する。)。
【0023】
(式中、R
6はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Z
1はメチレン基又はメチン基を示し;X
5、X
6、及びX
7は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;X
8は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Z
1がメチン基のとき、X
5とX
6のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X
8がオキソ基を形成するとき、X
7は存在しない。);R
7はヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R
8は水素原子を示すか、炭素数1〜4のアルキル基を示し;R
9はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数5〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該アルキル基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し(但し、R
1が水素原子、Zが酸素原子のときR
5は総炭素数10〜30の炭化水素基であり、R
1が炭化水素基のときR
5は総炭素数1〜8の炭化水素基である);破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
【0024】
好ましくは、R
6が炭素数7〜19、さらに好ましくは炭素数13〜15の直鎖アルキル基;R
9がヒドロキシル基が置換しても良い炭素数9〜27の直鎖アルキル基又はリノール酸がエステル結合した炭素数9〜27の直鎖アルキル基である化合物が挙げられる。
また、X
8は水素原子を示すか、酸素原子とともにオキソ基を形成するのが好ましい。R
9としては、トリコシル、1−ヒドロキシペンタデシル、1−ヒドロキシトリコシル、ヘプタデシル、1−ヒドロキシウンデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したノナコシル基が好ましい。
【0025】
天然型セラミドの具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7(例えば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の
図2、及びJ. Lipid. Res.,35:2069(1994)の
図4記載のブタ及びヒトのセラミド類)が挙げられる。さらにこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)も含まれる。
【0026】
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、さらに天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。特にCERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
【0028】
天然型セラミドは、天然からの抽出物及び化学合成により得られた物のいずれでもよく、また市販のものを用いることができる。
天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC-001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)が挙げられる。
【0030】
(II)一般式(3)で表わされる擬似型セラミド。
【0032】
(式中、R
10は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;X
9は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;R
11はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R
12は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す)
【0033】
R
11としては、特にノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。
【0034】
R
12は、R
10が水素原子の場合は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10〜30の、好ましくは総炭素数12〜20のアルキル基であり、R
10がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である場合には、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜8のアルキル基を示すものが好ましい。R
12のヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0035】
一般式(3)としては、R
10がヘキサデシル基、X
9が水素原子、R
11がペンタデシル基、R
12がヒドロキシエチル基のもの;R
10がヘキサデシル基、X
9が水素原子、R
11がノニル基、R
12がヒドロキシエチル基の擬似型セラミド類が好ましく、一般式(3)のR
10がヘキサデシル基、X
9が水素原子、R
11がペンタデシル基、R
12がヒドロキシエチル基のものがより好ましい。
【0036】
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、安定性、しっとり感、保湿性の点から、全組成中に0.02質量%以上であり、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、安定性、塗布後のべたつきを抑える点から、5質量%以下であり、好ましくは3.5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下である。また、成分(C)の含有量は、全組成中に0.02〜5質量%であり、好ましくは0.1〜3.5質量%であり、より好ましくは0.2〜2質量%である。
【0037】
本発明において、成分(A)と、成分(B)及び(C)の合計量との質量割合(A)/((B)+(C))は、成分(B)と(C)が相互作用することによって、pHの経時での変動を抑え、成分(A)の安定性を確保し、成分(A)の加水分解、成分(B)、(C)の分離、析出などを抑える点から、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、0.6以下が好ましく、0.45以下がより好ましく、0.2以下がさらに好ましい。また、成分(A)と、成分(B)及び(C)の合計量との質量割合(A)/((B)+(C))は、0.01〜0.6が好ましく、0.03〜0.45がより好ましく、0.1〜0.2がさらに好ましい。
【0038】
本発明において、成分(B)及び(C)の質量割合(B)/(C)は、pHの経時での変動を抑え、べたつきを抑え、成分(A)の安定性を確保し、成分(A)、(B)、(C)の分離、析出などを抑える点から、0.15以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.25以上がさらに好ましく、0.4以上がよりさらに好ましく、0.85以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.75以下がさらに好ましく、0.6以下がよりさらに好ましい。また、成分(B)及び(C)の質量割合(B)/(C)は、0.15〜0.85が好ましく、0.2〜0.8がより好ましく、0.25〜0.75がさらに好ましく、0.4〜0.6がよりさらに好ましい。
【0039】
成分(D)の水の含有量は、みずみずしい使用感を得る点から、全組成中に60質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
【0040】
本発明の化粧料は、更に、成分(E)ポリオールを含有することができ、安定性、保湿効果及び使用感をより高めることができる。
かかるポリオールとしては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、グリセリン、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、分子量10000以下のポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらのうち、安定性と使用後のべたつき感のなさを両立する点から、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリエチレングリコール1540が好ましく、グリセリンがより好ましい。
【0041】
成分(E)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、安定性、保湿感とべたつきのなさの点から、全組成中に、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に5〜30質量%が好ましく、8〜25質量%がより好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。
【0042】
本発明の化粧料は、更に、成分(F)カルボマー及びアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体から選ばれる1種又は2種以上のポリマーを含有することができ、安定性をより高め、塗布時に使いやすく、伸ばしやすくすることができる。
これらのうち、安定性、塗布時の伸ばしやすさとマッサージしたときの厚み感から、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体が好ましい。また、必要な場合は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アルギニンなどで中和して使用することが好ましい。ここで、厚み感とは、化粧料を肌に塗布してマッサージした際に、指先が化粧料に対して弾力感を感じることを示す。
カルボマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体としては、例えば、カーボポール980、カーボポール981、カーボポールETD2020、ペムレンTR-1、ペムレンTR-2(以上、Lubrizol Advanced Materials,Inc.社製)等の市販品を使用することができる。
【0043】
成分(F)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、安定性と使用感の点から、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、1質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。また、成分(F)の含有量は、全組成中に0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.8質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%がさらに好ましい。
【0044】
本発明の化粧料は、更に、成分(G)25℃で液状の油剤を含有することができ、保湿感及び使用感を向上させることができる。液状とは、流動性のあるものである。
25℃で液状の油剤としては、炭化水素油、エステル、エーテル油、シリコーン油が好ましく、具体的には、流動パラフィン、流動イソパラフィン、水添ポリイソブテン、スクワラン、n−オクタン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素油;リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリカプロイン等のエステル油;ジオクチルエーテル、セチル−1,3−ジメチルブチルエーテル等のエーテル油;粘度50cs以下のメチルポリシロキサン及びメチルシクロポリシロキサン等のシリコーン油が挙げられる。
なかでも、安定性、使用時のきしみ感、べたつきのなさ及び保湿感の点から、流動イソパラフィン、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、粘度20cs以下のメチルポリシロキサンが好ましい。これらの油剤としては、流動イソパラフィン(パールリームEX、日油社製)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(エステモールN−01、日清オイリオグループ社製)、シリコーン KF−96A−6CS、シリコーン KF−96A−10CS(メチルポリシロキサン、信越化学工業社製)等の市販品を用いることができる。
【0045】
成分(G)の油剤は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、安定性と使用感の点から、全組成中に、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。また、成分(G)の含有量は、全組成中に0.1〜8質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましい。
【0046】
本発明の化粧料は、塗布時にマッサージしたときに厚み感を得る点から、エタノールの含有量は、全組成中に5質量%以下であるのが好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、含有しないのがよりさらに好ましい。
【0047】
本発明の化粧料は、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、前記成分(C)及び(G)以外の油性成分、前記成分(B)以外のアニオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、前記成分(F)以外の増粘剤、粉体、美白剤、前記以外の保湿剤、清涼剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、殺菌剤、色素、紫外線吸収剤、発熱剤、冷却剤などを含有することができる。
【0048】
前記成分(C)及び(G)以外の油性成分としては、25℃でペースト又はワックス状の油脂などが挙げられ、保湿感及び塗布時の伸びをより向上させることができる。25℃でペースト又はワックス状の油脂としては、炭素数12〜22の脂肪酸、ベヘン酸グリセリル等のモノ脂肪酸グリセリン、イソステアリン酸コレステリル等のコレステロール類などが挙げられる。
25℃でペースト又はワックス状の油脂は、1種又は2種以上を組み合わせ用いることができ、含有量は、安定性と使用感の点から、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、1質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
【0049】
前記成分(B)以外のアニオン界面活性剤としては、N−アシル−N−アルキルタウリン又はその塩等が挙げられ、安定性と使用感を向上させることができる。N−アシル−N−アルキルタウリン又はその塩としては、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウムが好ましい。
成分(B)以外のアニオン界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、安定性、伸び、べたつきのなさの点から、全組成中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、安定性、伸び、べたつきのなさの点から、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましい。
【0050】
非イオン性界面活性剤界面活性剤としては、安定性及び使用感の点から、HLB10以上のものが好ましく、HLB12以上のものがさらに好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが好ましく、安定性、使用感の点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましく、PEG−40水添ヒマシ油、PEG−60水添ヒマシ油がさらに好ましい。市販品としては、レオドールTW−L120(ポリソルベート20、HLB16.7)、レオドールTW−S120V(ポリソルベート60、HLB14.9)、エマノーンCH−40(PEG−40水添ヒマシ油、HLB12.5)、エマノーンCH−60(K)(PEG−60水添ヒマシ油、HLB14.0)等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、安定性、伸び、べたつきのなさの点から、全組成中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、安定性、伸び、べたつきのなさの点から、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましい。
【0051】
前記成分(F)以外の増粘剤としては、キサンタンガム、カラギーナン、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられ、粘度を高め、塗布時及び塗布後の使用感の点から、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。
前記成分(F)以外の増粘剤は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、全組成中に、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、0.8質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
【0052】
本発明の化粧料は、アラントインの安定性及び肌に対するやさしさの点から、製造直後、25℃のpHが4.0〜6.0であり、4.0〜5.5が好ましく、pH4.5〜5.0がより好ましい。
本発明において、pHは、得られた化粧料の原液を、pHメーター(HORIBA、pH METER F−52、電極;スタンダードToupH電極 9615−10D)を用いて25℃で測定する。
【0053】
また、本発明の化粧料は、安定性、伸ばしやすさ、保湿感及びさっぱり感の点から、25℃における粘度が1000mPa・s以下であるのが好ましく、800mPa・s以下がより好ましく、500mPa・s以下がさらに好ましい。
なお、粘度は、B型粘度計(TVB−10M:東機産業業)において、ロータM2、12rpm、25℃、1分間の条件で測定した値である。
【0054】
本発明の化粧料の製造方法は、例えば、成分(A)、(B)、(C)及び成分(D)を含有する溶液を加熱混合する工程1と、pHを4.0〜6.0に調整する工程2を備えることができる。
前記工程1は、成分(E)を含有することが好ましい。
さらに、前記工程1において、成分(B)、(C)、(E)及び一部の成分(D)を加熱混合する工程11、成分(A)及び一部の成分(D)を加熱混合する工程12、工程11で得られた溶液に、工程12で得られた溶液を加え加熱混合する工程13、工程13の後に、冷却する工程14を備えることが好ましい。
また、前記工程2は、pHを4.0〜5.5に調整することが好ましく、4.5〜5.5に調整することが好ましい。
さらに、前記工程2は、工程1で得られた溶液に酸を添加して混合する工程21が好ましく、酸を一部の(D)に溶解してから混合する工程22がより好ましい。
さらに、前記工程1が前記工程11〜14を備え、前記工程2が前記工程21であることが好ましい。
【0055】
本発明の化粧料は、例えば、化粧水、美容液、乳液、ジェル、パック剤、ファンデーション、洗顔料、クレンジング剤等とすることができる。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
【0056】
<1>次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)アラントイン又はその塩 0.01〜0.8質量%、
(B)(b1)及び(b2)から選ばれる1種又は2種以上のアニオン界面活性剤 0.01〜3質量%、
(b1)炭素数8〜22のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸又はその塩、
(b2)炭素数8〜22のアシル基を有するN−アシ
ルアスパラギン酸又はその塩、
(C)一般式(1):
【0058】
(式中、R
1はヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示し;Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;X
1、X
2及びX
3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X
4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X
1とX
2のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X
4がオキソ基を形成するとき、X
3は存在しない。);R
2及びR
3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R
4はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;R
5は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し(但し、R
1が水素原子、Zが酸素原子のときR
5は総炭素数10〜30の炭化水素基であり、R
1が炭化水素基のときR
5は総炭素数1〜8の炭化水素基である);破線部は不飽和結合であってもよいことを示す)で表される化合物 0.02〜5質量%、
(D)水
を含有し、製造直後、25℃のpHが4.0〜6.0である化粧料。
【0059】
<2>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.05質量%以上であり、0.1質量%以上がより好ましく、0.7質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい前記<1>記載の化粧料。
<3>成分(B)において、(b1)炭素数8〜22のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸又はその塩が、好ましくは、炭素数12〜18であり、炭素数16〜18がより好ましい前記<1>又は<2>記載の化粧料。
<4>成分(B)において、(b2)炭素数8〜22のアシル基を有するN−アシルアスパラギン酸又はその塩が、好ましくは、炭素数12〜18のアシル基であり、炭素数16〜18のアシル基がより好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の化粧料。
<5>成分(B)が、好ましくは、(b1)炭素数8〜22のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸又はその塩であり、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムがより好ましく、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムがさらに好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の化粧料。
【0060】
<6>成分(B)の含有量が、好ましくは、酸として、全組成中に0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である前記<1>〜<5>のいずれか1記載の化粧料。
<7>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、好ましくは3.5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下である前記<1>〜<6>のいずれか1記載の化粧料。
<8>成分(A)と、成分(B)及び(C)の合計量との質量割合(A)/((B)+(C))が、好ましくは、0.01以上であり、0.03以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、0.6以下が好ましく、0.45以下がより好ましく、0.2以下がさらに好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の化粧料。
<9>成分(B)及び(C)の質量割合(B)/(C)が、好ましくは、0.15以上であり、0.2以上がより好ましく、0.25以上がさらに好ましく、0.4以上がよりさらに好ましく、0.85以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.75以下がさらに好ましく、0.6以下がよりさらに好ましい前記<1>〜<8>のいずれか1記載の化粧料。
【0061】
<10>成分(D)の水の含有量が、好ましくは、全組成中に60質量%以上であり、65質量%以上がより好ましく、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の化粧料。
<11>更に、成分(E)ポリオールを含有することができ、好ましくは、グリセリン、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、分子量10000以下のポリエチレングリコールであり、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリエチレングリコール1540がより好ましく、グリセリンがさらにより好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の化粧料。
<12>成分(E)の含有量が、好ましくは、全組成中に5質量%以上であり、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい前記<11>記載の化粧料。
【0062】
<13>更に、成分(F)カルボマー及びアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体から選ばれる1種又は2種以上のポリマーを含有することができ、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体が好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の化粧料。
<14>成分(F)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.01質量%以上であり、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、1質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい前記<13>記載の化粧料。
<15>更に、成分(G)25℃で液状の油剤を含有することができ、好ましくは、炭化水素油、エステル、エーテル油、シリコーン油であり、流動イソパラフィン、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、粘度20cs以下のメチルポリシロキサンがより好ましい前記<1>〜<14>のいずれか1記載の化粧料。
<16>成分(G)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であり、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい前記<15>記載の化粧料。
【0063】
<17>エタノールの含有量が、好ましくは、全組成中に5質量%以下であり、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、含有しないのがよりさらに好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の化粧料。
<18>製造直後、25℃のpHが、好ましくは、4.0〜5.5であり、pH4.5〜5.0がより好ましい前記<1>〜<17>のいずれか1記載の化粧料。
【0064】
<19>成分(A)、(B)、(C)及び成分(D)を含有する溶液を加熱混合する工程1と、pHを4.0〜6.0に調整する工程2を備える前記<1>〜<18>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<20>前記工程1に、成分(E)を含有する前記<19>記載の化粧料の製造方法。
<21>前記工程1が、成分(B)、(C)、(E)及び一部の成分(D)を加熱混合する工程11、成分(A)及び一部の成分(D)を加熱混合する工程12、工程11で得られた溶液に、工程12で得られた溶液を加え加熱混合する工程13、工程13の後に、冷却する工程14を備える前記<20>記載の化粧料の製造方法。
<22>前記工程2は、pHを4.0〜5.5に調整することが好ましく、4.5〜5.5に調整することがより好ましい前記<19>〜<21>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<23>前記工程2が、工程1で得られた溶液に酸を添加して混合する工程21を備える前記<19>〜<22>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<24>前記工程1が工程11〜14を備え、前記工程2が工程21である前記<21>又は<23>記載の化粧料の製造方法。
【実施例】
【0065】
実施例1〜2及び比較例1〜2
表1に示す組成の化粧料を製造し、25℃のpHを測定するとともに、安定性、塗布後のべたつきのなさ、アラントインの含量変化率を評価した。結果を表1に併せて示す。
【0066】
(製造方法)
成分(B)、(C)、86%グリセリン及び一部の(D)を混合し、80〜90℃で加熱溶解した溶液に、80℃以上に加熱した成分(A)を含む一部の成分(D)を、プロペラ撹拌下添加し、ホモミキサーで7000rpm2分間の撹拌後、室温まで冷却する。冷却後、コハク酸を残りの成分(D)に溶解させた水溶液を添加し、化粧料を得た。
【0067】
(評価方法)
(1)pH:
製造直後(25℃、1日保存後)及び50℃で2週間保存した後の化粧料について、pHを測定した。すなわち、化粧料の原液を、pHメーター(HORIBA、pH METER F−52、電極;スタンダードToupH電極 9615−10D)を用い、25℃で測定した。なお、50℃での保存品は、25℃にしてから測定した。
また、製造直後(25℃、1日保存後)と50℃で2週間保存した後のpH変化(ΔpH)を求めた。
【0068】
(2)安定性:
各化粧料をガラス製のスクリュー管(マルエム製、No.4)に約10mL入れ、製造直後及び50℃で2週間保存した後の外観を、目視と顕微鏡によって確認した。
5:目視で結晶の析出なし。顕微鏡による観察でも結晶は見られない。
4:目視で結晶の析出なし。顕微鏡による観察でわずかに結晶は見られない。
3:目視で結晶の析出なし。顕微鏡による観察で明らかに結晶は見られる。
2:目視でわずかに結晶の析出がある。
1:目視で明らかに結晶の析出がある。
【0069】
(3)塗布後のべたつきのなさ:
専門パネラー3名により、洗浄後の前腕屈側部に各化粧料0.05〜0.1gを適用し、人差し指の指先で1秒間に1回転、直径約4cmの円を描くように20秒間マッサージし、その直後の肌のべたつきのなさについて、以下の基準で評価した。結果は、3名の合計の点数で示した。なお、べたつきは、化粧料を塗布した肌を指で触り、塗布した肌から垂直に指を離したときに、指と肌がくっつく感じがあることを示す。
5:べたつきがない。
4:ほとんどべたつきがない
3:わずかにべたつきがある。
2:少しべたつく。
1:べたつきがある。
【0070】
(4)アラントインの含量変化率:
各化粧料を、製造直後と50℃で2週間保存した後、化粧料中のアラントイン含量を定量した。
すなわち、保存後の化粧料約0.4gを量りとり、水を加えて50mLとし、充分に撹拌する。この溶液をろ過し、ろ液を試料溶液とする。別に、アラントイン標準品0.1gを量りとり、水を加えて溶かし、50mLとする。この溶液5mLをとり、水を加えて50mLとする。更に、この溶液4mLをとり、水を加えて50mLとする。この溶液をアラントイン標準溶液とする。試料溶液及びアラントイン標準溶液各々10μLをとり、以下の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い、それぞれの液のアラントインのピーク面積を求め、下記式により化粧料中のアラントイン含量を算出する。
【0071】
(液体クロマトグラフィーの測定条件)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)。
カラム:内径4.6mm、長さ259mmのステンレス管に平均粒径5μmの液体クロマトグラフィー用アニオン交換樹脂(TSKgel SAX、東ソー社製)を充填する。
カラム温度:40℃。
移動相:0.002mol/Lリン酸二水素カリウム溶液。
流量:毎分0.8mL。
カラムの選定:アラントイン標準溶液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、以下の値のものを用いる。
【0072】
化粧料中のアラントインの含量(%)=(B×C×4)/(A×D×5)
A:試験により得られた、アラントイン標準溶液のアラントインのピーク面積。
B:試験により得られた、試料溶液のアラントインのピーク面積。
C:アラントイン標準品の採取量(g)。
D:化粧料の採取量(g)。
【0073】
そして、製造直後(25℃、1日保存後)のアラントインの含量(%)と50℃、2週間保存後のアラントインの含量(%)から、アラントインの含量変化率を求めた。
アラントインの含量変化率(%)=((F−E)/E)×100
E:製造直後のアラントインの含量(%)。
F:50℃、2週間保存後のアラントインの含量(%)。
【0074】
【表1】
【0075】
実施例2〜9及び比較例3〜5
実施例1〜2と同様にして、表2に示す組成の化粧料を製造し、25℃で、pHを測定するとともに、安定性及び塗布後のべたつきのなさを評価した。結果を表2に併せて示す。
【0076】
【表2】
【0077】
実施例10〜13
実施例1〜2と同様にして、表3〜表6に示す組成の化粧料を製造した。
得られた化粧料はいずれも、経時でもpHの変化が少なく、安定性に優れ、塗布後のべてつきがなく、使用感も良好であった。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】