特許第6232292号(P6232292)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232292
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】内燃機関の可変動弁機構
(51)【国際特許分類】
   F01L 13/00 20060101AFI20171106BHJP
   F01L 1/18 20060101ALI20171106BHJP
   F01L 1/08 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   F01L13/00 301J
   F01L1/18 A
   F01L1/18 N
   F01L1/08 A
   F01L13/00 302F
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-179(P2014-179)
(22)【出願日】2014年1月6日
(65)【公開番号】特開2015-129440(P2015-129440A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2016年7月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000185488
【氏名又は名称】株式会社オティックス
(74)【代理人】
【識別番号】100096116
【弁理士】
【氏名又は名称】松原 等
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 憲
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】前迫 貴之
(72)【発明者】
【氏名】平松 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山口 弘毅
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−086823(JP,A)
【文献】 特開2004−084596(JP,A)
【文献】 特開平07−259523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L 1/34− 1/356
F01L 9/00− 9/04
F01L 13/00−13/08
F01L 1/00− 1/32
F01L 1/36− 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファーストカムプロフィール(F)を備えたカム(9)とフォロア(31)との間に、ファーストカムプロフィール(F)に従い所定のリフト方向とその反対の反リフト方向とに揺動する、セカンドカムプロフィール(S)を備えた揺動部材(20)を備え、
セカンドカムプロフィール(S)内には、フォロア(31)を押動しないベース円プロフィール(Sa)と、揺動部材(20)がリフト方向に揺動したときにフォロア(31)を押動してバルブを開放するリフト用プロフィール(Sb)とが設けられ、
揺動部材(20)の揺動範囲の反リフト方向側の端である揺動開始位置(α)を、リフト方向に変更することでバルブ(6)のリフト量(L)を増加させ、反リフト方向に変更することでバルブ(6)のリフト量(L)を減少させる可変装置(40)を備えた内燃機関の可変動弁機構(1,2)において、
セカンドカムプロフィール(S)内の、ベース円プロフィール(Sa)を間に挟むリフト用プロフィール(Sb)の反対側には、逆側リフト用プロフィール(Sc)が設けられ、
可変装置(40)は、所定時以外の通常時には、揺動開始位置(α)を所定の通常範囲(n)内にすることで、逆側リフト用プロフィール(Sc)でフォロア(31)を押動しないようにし、前記所定時には、揺動開始位置(α)を前記通常範囲(n)よりも反リフト方向側にすることで、逆側リフト用プロフィール(Sc)でフォロア(31)を押動してバルブ(6)を開放するようにし、
ボディ(36a)とプランジャ(36b)とを備え、揺動部材(20)とバルブ(6)との間の動力伝達系(30)の所定の箇所にクリアランスが生じると、ボディ(36a)からプランジャ(36b)が繰り出すことでクリアランスを埋め、動力伝達系(30)からプランジャ(36b)に負荷が加わるとボディ(36a)にプランジャ(36b)が退入するラッシュアジャスタ(36)を備え、
前記所定時の揺動行程内には、バルブ(6)が閉じる閉弁区間(A)があることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
【請求項2】
内燃機関の回転に従い、バルブ(6)をリフトする側のリフト方向とその反対の反リフト方向とに揺動する揺動部材(20)と、
揺動部材(20)の揺動範囲の反リフト方向側の端である揺動開始位置(α)を、リフト方向に変更することでバルブ(6)のリフト量(L)を増加させ、反リフト方向に変更することでバルブ(6)のリフト量(L)を減少させる可変装置(40)とを備えた内燃機関の可変動弁機構(1〜3)において、
揺動部材(20)は、所定の逆側リフト開始位置(x)よりも反リフト方向側に揺動したときにバルブ(6)をリフトして開放する逆側リフト部(23)を備え、
可変装置(40)は、所定時以外の通常時には、揺動開始位置(α)を逆側リフト開始位置(x)よりもリフト方向側にすることで、逆側リフト部(23)でバルブ(6)を開放しないようにし、前記所定時には、揺動開始位置(α)を逆側リフト開始位置(x)よりも反リフト方向側にすることで、逆側リフト部(23)でバルブ(6)を開放するようにし、
ボディ(36a)とプランジャ(36b)とを備え、揺動部材(20)とバルブ(6)との間の動力伝達系(30)の所定の箇所にクリアランスが生じると、ボディ(36a)からプランジャ(36b)が繰り出すことでクリアランスを埋め、動力伝達系(30)からプランジャ(36b)に負荷が加わるとボディ(36a)にプランジャ(36b)が退入するラッシュアジャスタ(36)を備え、
前記所定時の揺動行程内には、バルブ(6)が閉じる閉弁区間(A)があることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
【請求項3】
内燃機関は、吸気行程(i)と圧縮行程(ii)と膨張行程(iii)と排気行程(iv)との4行程(i〜iv)でサイクルする4サイクルエンジンであって、
前記所定時には、吸気行程(i)又は排気行程(iv)の一方以外の3行程では、揺動部材(20)が反リフト方向側に揺動してバルブ(6)を開放し、前記一方の行程では、揺動部材(20)がリフト方向側に揺動してバルブ(6)を開放することで、前記4行程(i〜iv)全てでバルブ(6)を開放する請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁機構。
【請求項4】
前記所定時は、内燃機関の始動時を含む請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
【請求項5】
前記所定時は、内燃機関の減速時を含む請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
内燃機関のバルブを駆動するとともに、内燃機関の運転状況に応じてバルブの駆動状態を変更する可変動弁機構に関する。
【背景技術】
【0002】
可変動弁機構の中には、特許文献1〜3に示す可変動弁機構のように、内燃機関の回転に従い、バルブをリフトする側のリフト方向とその反対の反リフト方向とに揺動する揺動部材と、揺動部材の揺動開始位置を、リフト方向に変更することでバルブのリフト量を増加させ、反リフト方向に変更することでバルブのリフト量を減少させる可変装置とを備えたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−371816号公報
【特許文献2】特開2002−371819号公報
【特許文献3】特開2003−106123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の可変動弁機構によれば、内燃機関の運転状況に応じてバルブの駆動状態を変更することができるが、次に示す課題を解決することはできない。
【0005】
すなわち、吸気用及び排気用の両方のバルブが閉じた状態でエンジン(内燃機関)停止した気筒では、気筒内が密閉されるので、次にエンジンをモータで回転させる始動時に、気筒内での圧縮抵抗や膨張抵抗が大きくなる。例えば、4気筒のエンジンでは、2気筒が下死点で停止し、他の2気筒が上死点で停止することで、4気筒全てで両方のバルブが閉じた状態でエンジンが停止することもある。この場合、次にエンジンをモータで回転させる始動時には、下死点で停止していた2気筒では、バルブから排気されることなく気筒内の空間が縮小することで圧縮抵抗が大きくなり、上死点で停止していた他の2気筒では、バルブから吸気されることなく気筒内の空間が拡大することで膨張抵抗が大きくなる。そのため、エンジンの始動時にモータで加えるべき負荷が大きくなってしまう。また、それ以外にも、複数気筒のエンジンにおいて、いくつかの気筒で、両方のバルブが閉じた状態(圧縮行程や膨張行程や上死点や下死点等)でエンジン停止することで、エンジンの始動時にモータで加えるべき負荷が大きくなってしまう。特に、ハイブリッドエンジンやアイドルストップ等を行うエンジンでは、エンジンを始動する頻度が多いため、その都度、モータで多くの電流(電力)を消費してしまう。そのため、燃費悪化につながる。
【0006】
また、エンジンの始動時以外でも、例えば、エンジンの回転数を落とす減速時には、内燃機関の4行程のうちの圧縮行程及び膨張行程の2行程で両方のバルブが閉じることで、圧縮抵抗や膨張抵抗が大きくなるおそれがある。そのため、エンジンブレーキが大きくなり、燃費悪化につながるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明者は、内燃機関の始動時や減速時等の所定時には、揺動部材の揺動開始位置を通常範囲よりもリフト方向側にすることで、バルブを常時開放するようにして、前記所定時に、気筒内での圧縮抵抗や膨張抵抗を低減することを考えた。しかし、そうした場合、揺動開始位置を通常範囲よりもリフト方向側にするので、リフト量が通常時よりも増加してリフト負荷が増加してしまう。そのリフト負荷の増加により、圧縮抵抗や膨張抵抗の低減による負荷の低減が若干相殺され妨げられてしまう。
【0008】
そこで、エンジンの始動時や減速時等の所定時に、リフト負荷を増加させることなく気筒内での圧縮抵抗や膨張抵抗を低減することで、前記所定時に負荷を効率的に低減することを目的とする。また、動力伝達系にクリアランスが生じても、そのクリアランスを自動で埋めることができるようにすること、及び、前記所定時が続いても、動力伝達系がプランジャを負荷し続けることがなく、プランジャが元の位置に復帰するようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[可変動弁機構の全体構成]
上記課題を達成するため、本発明の可変動弁機構は、次の[1][2]の少なくともいずれか一方の態様を採用している。
【0010】
[1]ファーストカムプロフィールを備えたカムとフォロアとの間に、ファーストカムプロフィールに従い所定のリフト方向とその反対の反リフト方向とに揺動する、セカンドカムプロフィールを備えた揺動部材を備え、セカンドカムプロフィール内には、フォロアを押動しないベース円プロフィールと、揺動部材がリフト方向に揺動したときにフォロアを押動してバルブを開放するリフト用プロフィールとが設けられ、揺動部材の揺動範囲の反リフト方向側の端である揺動開始位置を、リフト方向に変更することでバルブのリフト量を増加させ、反リフト方向に変更することでバルブのリフト量を減少させる可変装置を備えた内燃機関の可変動弁機構において、セカンドカムプロフィール内の、ベース円プロフィールを間に挟むリフト用プロフィールの反対側には、逆側リフト用プロフィールが設けられ、可変装置は、所定時以外の通常時には、揺動開始位置を所定の通常範囲内にすることで、逆側リフト用プロフィールでフォロアを押動しないようにし、前記所定時には、揺動開始位置を前記通常範囲よりも反リフト方向側にすることで、逆側リフト用プロフィールでフォロアを押動してバルブを開放するようにし、ボディとプランジャとを備え、揺動部材とバルブとの間の動力伝達系の所定の箇所にクリアランスが生じると、ボディからプランジャが繰り出すことでクリアランスを埋め、動力伝達系からプランジャに負荷が加わるとボディにプランジャが退入するラッシュアジャスタを備え、前記所定時の揺動行程内には、バルブが閉じる閉弁区間があることを特徴とする態様。
【0011】
[2]内燃機関の回転に従い、バルブをリフトする側のリフト方向とその反対の反リフト方向とに揺動する揺動部材と、揺動部材の揺動範囲の反リフト方向側の端である揺動開始位置を、リフト方向に変更することでバルブのリフト量を増加させ、反リフト方向に変更することでバルブのリフト量を減少させる可変装置とを備えた内燃機関の可変動弁機構において、揺動部材は、所定の逆側リフト開始位置よりも反リフト方向側に揺動したときにバルブをリフトして開放する逆側リフト部を備え、可変装置は、所定時以外の通常時には、揺動開始位置を逆側リフト開始位置よりもリフト方向側にすることで、逆側リフト部でバルブを開放しないようにし、前記所定時には、揺動開始位置を逆側リフト開始位置よりも反リフト方向側にすることで、逆側リフト部でバルブを開放するようにし、ボディとプランジャとを備え、揺動部材とバルブとの間の動力伝達系の所定の箇所にクリアランスが生じると、ボディからプランジャが繰り出すことでクリアランスを埋め、動力伝達系からプランジャに負荷が加わるとボディにプランジャが退入するラッシュアジャスタを備え、前記所定時の揺動行程内には、バルブが閉じる閉弁区間があることを特徴とする態様。
【0012】
この可変動弁機構は、排気用のバルブに対して設置すること(すなわち、前記バルブは、排気用のバルブであること)が好ましいが、吸気用のバルブに対して設置しても(すなわち、前記バルブは、吸気用のバルブであっても)よい。また、この可変動弁機構は、吸気用又は排気用の一方のバルブに対して設置すれば効果が得られるが、より効果を高める目的で、両方のバルブに対して1つずつ設置してもよい。
【0013】
[揺動部材]
揺動部材は、前記所定時には、反リフト方向に揺動したときだけ、逆側リフト用プロフィールや逆側リフト部でバルブを開放してもよいが、リフト方向に揺動したときもバルブを開放することが好ましい。より具体的には、内燃機関は、吸気行程と圧縮行程と膨張行程と排気行程との4行程でサイクルする4サイクルエンジンであって、前記所定時には、吸気行程又は排気行程の一方以外の3行程では、揺動部材が反リフト方向側に揺動してバルブを開放し、前記一方の行程では、揺動部材がリフト方向側に揺動してバルブを開放することで、前記4行程全てでバルブを開放することが好ましい。4行程すべてで、膨張抵抗や圧縮抵抗を低減することができるからである。
【0014】
[動力伝達系]
揺動部材とバルブとの間の動力伝達系に対してラッシュアジャスタを備えているのは、該動力伝達系にクリアランスが生じても、そのクリアランスを自動で埋めることができるからである
【0015】
また、前記所定時の揺動行程内には、バルブが閉じる閉弁区間があるのは、たとえ、前記所定時が続いても、閉弁区間があれば、動力伝達系がプランジャを負荷し続けることがなく、閉弁区間がくる度にボディからプランジャが繰り出すことで、プランジャが元の位置に復帰するからである。よって、プランジャが沈み続ける心配がない。そのため、前記所定時から前記通常時に戻ったときに、プランジャの沈み込みが原因で前記所定箇所にクリアランスが生じて動力伝達系が不安定になる、といった心配もない。
【0016】
[可変装置]
前記所定時は、特に限定されないが、次の(a)(b)の態様を例示する。
(a)前記所定時は、内燃機関の始動時を含む態様。
(b)前記所定時は、内燃機関の減速時を含む態様。
【0017】
可変装置の構成は、特に限定されないが、次の態様を例示する。すなわち、可変装置は、制御シャフトと、制御シャフトを変位させる変位装置と、制御シャフトの変位力を伝達機構に伝える制御機構とを含み構成された態様である。
【0018】
その制御シャフトを変位させる方向は、特に限定されないが、次の(a)(b)の態様を例示する。
(a)変位装置は、制御シャフトをその周方向に回動させる態様。
(b)変位装置は、制御シャフトをその長さ方向に変位させる態様。
【発明の効果】
【0019】
本発明の[1][2]の可変動弁機構によれば、所定時には、逆側リフト用プロフィール又は逆側リフト部でバルブを開放するので、気筒内での圧縮抵抗や膨張抵抗が低減される。また、更に、前記所定時には、揺動開始位置を反リフト方向側にするので、揺動部材がリフト方向に揺動したときのバルブのリフト量が減少して、そのリフト負荷が低減される。
【0020】
よって、前記所定時には、リフト負荷を増加させることなく逆に減少させつつ、気筒内での圧縮抵抗や膨張抵抗を低減することできる。そのため、前記所定時に負荷を効率的に低減することができる。
また、上記のとおり、ラッシュアジャスタがあるため、動力伝達系にクリアランスが生じても、そのクリアランスを自動で埋めることができる。
また、上記のとおり、閉弁区間があるため、前記所定時が続いても、動力伝達系がプランジャを負荷し続けることがなく、プランジャが元の位置に復帰する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施例1の可変動弁機構を示す斜視図である。
図2】実施例1の可変動弁機構の通常時において、(a)は揺動部材が揺動開始位置のときを示す側面図、(b)はリフト位置のときを示す側面図である。
図3】実施例1の可変動弁機構の揺動部材が揺動開始位置のときにおいて、(a)は高リフト駆動時(通常時)を示す側面図、(b)は低リフト駆動時(通常時)を示す側面図、(c)は所定時を示す側面図である。
図4】実施例1の可変動弁機構の所定時において、(a)は揺動部材が揺動開始位置のときを示す側面図、(b)は閉弁位置のときを示す側面図、(c)はリフト位置のときを示す側面図である。
図5】実施例1の可変動弁機構において、内燃機関の回転角度とバルブのリフト量との関係を示すグラフである。
図6】(a)は実施例1の可変動弁機構の上部を示す側面図、(b)は制御シャフトの回転角度と、セカンドカムプロフィールに対するセカンドフォロアの当接点との関係を示すグラフである。
図7】実施例2の可変動弁機構を示す斜視図である。
図8】実施例2の可変動弁機構の通常時において、(a)は揺動部材が揺動開始位置のときを示す側面図、(b)はリフト位置のときを示す側面図である。
図9】実施例2の可変動弁機構の揺動部材が揺動開始位置のときにおいて、(a)は高リフト駆動時(通常時)を示す側面図、(b)は低リフト駆動時(通常時)を示す側面図、(c)は所定時を示す側面図である。
図10】実施例3の可変動弁機構を示す斜視図である。
図11】実施例3の可変動弁機構の通常時において、(a)は揺動部材が揺動開始位置のときを示す側面図、(b)はリフト位置のときを示す側面図である。
図12】実施例3の可変動弁機構の揺動部材が揺動開始位置のときにおいて、(a)は高リフト駆動時(通常時)を示す側面図、(b)は低リフト駆動時(通常時)を示す側面図、(c)は所定時を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の可変動弁機構を図面を参照に説明する。
【実施例1】
【0023】
[可変動弁機構1の全体構成]
図1図6に示す本実施例1の可変動弁機構1は、内燃機関の排気用のバルブ6を駆動する。その内燃機関は、4サイクルエンジンであって、気筒内の空間が拡大する間の吸気行程iと、その後の前記空間が縮小する間の圧縮行程iiと、その後の前記空間が拡大する間の膨張行程iiiと、その後の前記空間が縮小する間の排気行程ivとの4行程i〜ivでサイクルする。そして、バルブ6に対しては、バルブ6を閉じる方向に付勢するバルブスプリング(図示略)が設けられている。この可変動弁機構1は、次に示す揺動部材20と可変装置40とを備えている。
【0024】
すなわち、揺動部材20は、ファーストカムプロフィールFを備えたカム9と、セカンドフォロア31との間に設けられており、図2(a)(b)に示すように、ファーストカムプロフィールFに従い所定のリフト方向とその反対の反リフト方向とに揺動する。この揺動部材20は、セカンドカムプロフィールSを備え、そのセカンドカムプロフィールS内には、セカンドフォロア31を押動しないベース円プロフィールSaと、揺動部材20がリフト方向に揺動したときにセカンドフォロア31を押動してバルブ6を開放するリフト用プロフィールSbとが設けられている。
【0025】
また、可変装置40は、図3(a)に示すように、揺動部材20の揺動範囲の反リフト方向側の端である揺動開始位置αをリフト方向に変更することで、揺動範囲のリフト方向側の端であるリフト位置βもリフト方向に変更して、バルブ6のリフト量Lを増加させる。また、この可変装置40は、図3(b)に示すように、揺動開始位置αを反リフト方向に変更することで、リフト位置βも反リフト方向に変更して、バルブ6のリフト量Lを減少させる。
【0026】
そして、セカンドカムプロフィールS内の、ベース円プロフィールSaを間に挟むリフト用プロフィールSbの反対側には、逆側リフト用プロフィールScが設けられている。そして、可変装置40は、所定時以外の通常時には、図3(a)(b)に示すように、揺動開始位置αを所定の通常範囲n内にすることで、逆側リフト用プロフィールScでフォロア31を押動しないようにし、前記所定時には、図3(c)に示すように、揺動開始位置αを前記通常範囲nよりも反リフト方向側にすることで、逆側リフト用プロフィールScでフォロア31を押動してバルブ6を開放するようにする。
【0027】
言い換えると、揺動部材20には、所定の逆側リフト開始位置xよりも反リフト方向側に揺動したときにバルブ6をリフトして開放する逆側リフト部23を備えている。そして、可変装置40は、所定時以外の通常時には、図3(a)(b)に示すように、揺動開始位置αを逆側リフト開始位置xよりもリフト方向側にすることで、逆側リフト部23でバルブ6を開放しないようにし、前記所定時には、図3(c)に示すように、揺動開始位置αを逆側リフト開始位置xよりも反リフト方向側にすることで、逆側リフト部23でバルブ6を開放するようにする。
【0028】
[カム9]
カム9は、前記4行程i〜ivで一回転するカムシャフト8に設けられており、そのカムシャフト8と共に回転する。このカム9は、ベース円9aと、ベース円9aから突出したノーズ9bとを備えている。そして、そのベース円9aとノーズ9bとの外周面が、ファーストカムプロフィールFを構成している。
【0029】
[入力機構10]
カム9と揺動部材20との間には、カム9の駆動力を揺動部材20に伝える入力機構10が介装されている。その入力機構10は、ファーストフォロア11と伝達部材12とを含み構成されている。そのファーストフォロア11は、その外周面がファーストカムプロフィールFに当接したローラであって、可変装置40の第二制御リンク42bに回動可能に支持されている。また、伝達部材12は、ファーストカムフォロア11と同じく、第二制御リンク42bに回動可能に支持されており、揺動部材20に当接している。
【0030】
[揺動部材20]
揺動部材20は、断面形状が円形のベース円21と、ベース円21から突出したノーズ22及び逆側リフト部23とを含み構成されている。そして、ベース円21とノーズ22と逆側リフト部23との外周面が、セカンドカムプロフィールSを構成している。詳しくは、ベース円21の外周面には、ベース円プロフィールSaが設けられ、ノーズ22の外周面には、リフト用プロフィールSbが設けられ、逆側リフト部23の外周面には、逆側リフト用プロフィールScが設けられている。
【0031】
この揺動部材20は、可変装置40の制御シャフト41に相対揺動可能に支持されている。そして、この揺動部材20に対しては、図示しないロストモーションスプリングが設けられており、そのロストモーションスプリングで、揺動部材20及び伝達部材12を介して、ファーストフォロア11をファーストカムプロフィールFに付勢している。
【0032】
そして、この揺動部材20は、前記所定時には、次のようにして、前記4行程i〜iv全てでバルブ6を開放する。すなわち、前記所定時には、排気行程iv以外の3行程i〜iiiでは、反リフト方向側に揺動することで、逆側リフト部23の逆側リフト用プロフィールScでバルブ6をリフトして開放する。その一方、排気行程ivでは、リフト方向側に揺動することで、ノーズ22のリフト用プロフィールSbでバルブ6をリフトして開放する。
【0033】
[出力機構30]
出力機構30は、セカンドフォロア31とロッカアーム35とを含み構成されている。そのセカンドフォロア31は、外周面がセカンドカムプロフィールSに当接したローラであって、ロッカアーム35に回動可能に支持されている。そのロッカアーム35は、ラッシュアジャスタ36に揺動可能に支持されて、バルブ6に当接している。
【0034】
そのラッシュアジャスタ36は、有底筒状のボディ36aと、下部がボディ36aに挿入されて上端部でロッカアーム35を支持したプランジャ36bとを備えている。そして、セカンドフォロア31の外周面とセカンドカムプロフィールSとの間にクリアランスが発生すると、ボディ36aからプランジャ36bが繰り出すことでクリアランスを埋める。また、ロッカアーム35からプランジャ36bに下方に負荷が加わるとボディ36aにプランジャ36bが退入する。
【0035】
詳しくは、プランジャ36bの退入時には、ボディ36aの内部にある高圧油室内の油がプランジャ36bの内部にある低圧油室にリーク路からリークすることで流動抵抗が生じる。そのため、ボディ36aにプランジャ36bが徐々にゆっくりと退入する。また、プランジャ36bの繰出し時には、ボディ36aの内部にあるバネの復元力でボディ36aからプランジャ36bが繰り出される。このとき、低圧油室の油は高圧油室にリーク路よりも広くて逆止弁のついた流路から流れ込む。そのため、プランジャ36bの退入時ほどの流動抵抗は生じず、ボディ36aからプランジャ36bが速やかに繰り出す。
【0036】
[可変装置40]
前記所定時は、内燃機関の始動時と減速時とを含んでいる。そして、可変装置40は、カムシャフト8と平行に延びる制御シャフト41と、制御シャフト41をその周方向に回動させる変位装置(図示略)と、制御シャフト41の力(制御力)を揺動部材20に伝える制御機構42とを含み構成されている。
【0037】
その制御機構42は、第一制御リンク42aと、第二制御リンク42bとを含み構成されている。その第一制御リンク42aは、制御シャフト41からその径方向に延びており、制御シャフト41と共に回動する。また、第二制御リンク42bは、第一制御リンク42aに関節部jを介して相対回動可能に連結されおり、前述の通り、ファーストフォロア11と伝達部材12とを回動可能に支持している。
【0038】
そして、可変装置40は、変位装置(図示略)で制御シャフト41を回動させることで、その力(制御力)を、制御シャフト41 → 第一制御リンク42a → 第二制御リンク42b → 伝達部材12 → 揺動部材20の順に伝えて、揺動部材20の揺動開始位置αを、制御シャフト41の軸線周りに変更する。
【0039】
[可変装置40の具体的機能]
具体的には、図3(a)に示すように、変位装置(図示略)で制御シャフト41をその軸線回りに一方(揺動部材20の反リフト方向)に回動させることで、揺動部材20の揺動開始位置αを、同じ軸線回りに逆に他方(リフト方向)にシフトさせる。これにより、図5の「高リフト駆動時(通常時)」に示すように、排気行程ivでのバルブ6のリフト量L及び作用角が増大する。そして、このとき、図6(b)の「高リフト駆動時(通常時)」に示すように、セカンドカムプロフィールSに対するセカンドフォロア31の当接点tの軌跡を示す矢印は、ベース円プロフィールSa側(同図の左側)からリフト用プロフィールSb側(右側)にシフトする。
【0040】
また、図3(b)に示すように、変位装置(図示略)で制御シャフト41をその軸線回りに他方(揺動部材20のリフト方向)に回動させることで、揺動部材20の揺動開始位置αを、同じ軸線回りに逆に一方(反リフト方向)にシフトさせる。これにより、図5の「低リフト駆動時(通常時)」に示すように、排気行程ivでのバルブ6のリフト量L及び作用角が減少する。そして、このとき、図6(b)の「低リフト駆動時(通常時)」に示すように、セカンドカムプロフィールSに対するセカンドフォロア31の当接点tの軌跡を示す矢印は、リフト用プロフィールSb側(同図の右側)からベース円プロフィールSa側(左側)にシフトする。
【0041】
そして、その状態(低リフト駆動時の状態)から、図3(c)に示すように、変位装置(図示略)で制御シャフト41をその軸線回りに他方(揺動部材のリフト方向)に更に回動させることで、揺動部材20の揺動開始位置αを、同じ軸線回りに逆に一方(反リフト方向)に更にシフトさせる。これにより、図5の「所定時」に示すように、排気行程ivでのバルブ6のリフト量L及び作用角が更に減少するとともに、排気行程iv以外の3行程i〜iiiでは、逆側リフト用プロフィールScでバルブ6を所定の逆側リフト量Loだけ開放するようになる。そして、このとき、図6(b)の「所定時」に示すように、セカンドカムプロフィールSに対するセカンドフォロア31の当接点tの軌跡を示す矢印は、リフト用プロフィールSb側(同図の右側)からベース円プロフィールSa側(左側)に更にシフトする。そして、その当接点tの軌跡を示す矢印のベース円プロフィールSa側の端(左端)が、ベース円プロフィールSaを越えて、逆側リフト用プロフィールSc内に入る。
【0042】
そして、その所定時の状態では、図4(a)に示すように、セカンドカムプロフィールSに対するセカンドフォロア31の当接点tが、逆側リフト用プロフィールSc内にある間は、逆側リフト用プロフィールScでフォロア31を押動してバルブ6を開放する。また、図4(b)に示すように、当接点tがベース円プロフィールSa内にある間は、バルブ6が閉じる。また、図4(c)に示すように、当接点tがリフト用プロフィールSb内にある間は、リフト用プロフィールSbでセカンドフォロア31を押動してバルブ6を開放する。
【0043】
よって、前記所定時の揺動行程内には、図5に示すように、逆側リフト用プロフィールScでバルブ6をリフトして開放する逆側リフト区間Cと、ベース円プロフィールSaがセカンドフォロア31に当接することでバルブ6が閉じる閉弁区間Aと、リフト用プロフィールSbでバルブ6をリフトして開放するリフト区間Bとの3つの区間A,B,Cがある。
【0044】
[実施例1の効果]
本実施例1によれば、次の[A][B]の効果を得ることができる。
【0045】
[A]内燃機関の始動時や減速時等の所定時には、排気行程iv以外の3行程i〜iiiでは、逆側リフト用プロフィールScでバルブ6を開放することで、気筒内での圧縮抵抗や膨張抵抗が低減される。また、更に、同所定時には、排気行程ivでのリフト用プロフィールSbによるバルブ6のリフト量Lが減少することで、リフト負荷が低減される。よって、前記所定時には、前記4行程i〜ivの全てで負荷が低減される。そのため、前記所定時に負荷を効率的に低減することができ、そのため、燃費も効率的に向上させることができる。
【0046】
具体的には、内燃機関の始動時には、前記4行程i〜ivで負荷が低減されることで、該始動時にモータで加えるべき負荷が低減され、消費電力が抑えられる。そして、このような効果は、前記内燃機関がハイブリッドエンジンやアイドルストップを行うエンジンである場合等、エンジンを始動する頻度が多い場合に特に顕著に現れる。また、内燃機関の減速時には、前記4行程i〜ivで負荷が低減されることで、エンジンブレーキが抑えられ、燃料の消費が節約される。
【0047】
[B]前記所定時の揺動行程内には、閉弁区間Aがあるため、たとえ、前記所定時が続いても、プランジャ36bが負荷され続けることがなく、閉弁区間Aがくる度に、ボディ36aからプランジャ36bが繰り出してプランジャ36bが元の位置に復帰する。よって、プランジャ36bが沈み続ける心配がない。そのため、前記所定時から前記通常時に戻ったときに、プランジャ36bの沈み込みが原因でセカンドフォロア31の外周面とセカンドカムプロフィールSとの間にクリアランスが生じて、ロッカアーム35及びセカンドフォロア31が不安定になる、といった心配もない。
【実施例2】
【0048】
図7〜9に示す本実施例2の可変動弁機構2は、実施例1と比較して、次の点で相違し、その他の点である。
【0049】
[入力機構10]
すなわち、ファーストフォロア11は、伝達リンク19に、相対回動可能に支持されており、実施例1でいう「第二制御リンク42b」には支持されていない。その伝達リンク19は、関節部jを介して揺動部材20に相対回動可能に連結されている。そして、実施例1でいう「伝達部材12」はない。
【0050】
[揺動部材20]
また、揺動部材20は、制御シャフト41とは別の支持シャフト26に揺動可能に支持されており、制御シャフト41には支持されていない。
【0051】
[可変装置40]
また、制御機構42は、制御シャフト41からその径方向に突出してファーストフォロア11に当接した制御カム42cを備えており、実施例1でいう「第一制御リンク42a」及び「第二制御リンク42b」はない。その制御カム42cは、制御シャフト41と共に回動する。
【0052】
そして、可変装置40は、変位装置(図示略)で制御シャフト41を回動させることで、その力(制御力)を、制御シャフト41 → 制御カム42c → ファーストフォロア11 → 伝達リンク19 → 揺動部材20の順に伝えて、揺動部材20の揺動開始角度αを、支持シャフト26の軸線回りに変更する。
【0053】
[可変装置40の具体的機能]
その具体的な説明は、実施例1の[可変装置40の具体的機能]での説明と、「図3」を「図9」に読み替え、「同じ軸線回り」を「支持シャフト26の軸線回り」に読み替えるとともに、図4図6に関する記載(「図4(a)に示すように」等)を省いて同様である。
【0054】
[実施例2の効果]
本実施例2でも、実施例1に記載の[A][B]の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0055】
図10〜12に示す本実施例3の可変動弁機構3は、実施例2と比較して、次の点で相違し、その他の点で同様である。
【0056】
[入力機構10]
すなわち、ファーストフォロア11は、揺動部材20に相対回動可能に支持されており、実施例2でいう「伝達リンク19」はない。
【0057】
[揺動部材20]
また、揺動部材20は、カムシャフト8に相対回転を許容しつつ係合した支持部材27に相対揺動可能に支持されており、実施例2でいう「支持シャフト26」はない。また、セカンドカムプロフィールSの逆側リフト用プロフィールSc以外の部分は、一連のメインプロフィールSabとなっており、セカンドフォロア31を押動しないベース円プロフィールSaと、押動するリフト用プロフィールSbとには分かれていない。すなわち、この揺動部材20は、通常時の揺動開始位置αでは、メインプロフィールSabの一端側の所定の開始箇所(可変)でセカンドフォロア31に当接する。そして、この揺動部材20は、揺動開始位置αからリフト方向に揺動し始めたら、前記開始箇所よりも他端側の部分でセカンドフォロア31を押動する。なお、この揺動部材20も、所定時の揺動開始位置αでは、実施例1,2と同様、逆側リフト用カムプロフィールScでセカンドフォロア31に当接する
【0058】
[出力機構30]
また、セカンドフォロア31は、第二揺動部材32に回動可能に支持されており、ロッカアーム35には支持されていない。その第二揺動部材32は、カムシャフト8と平行に延びる支持シャフト33に揺動可能に支持されている。そして、ロストモーションスプリング(図示略)は、揺動部材20に対してではなく、第二揺動部材32に対して設けられており、そのロストモーションスプリングで、第二揺動部材32、セカンドフォロア31及び揺動部材20を介して、ファーストフォロア11をファーストカムプロフィールFに付勢している。そして、ロッカアーム35は、セカンドフォロア31の代わりに、外周面が第二揺動部材32に当接したローラ状のサードフォロア34を回動可能に支持している。
【0059】
[可変装置40]
また、制御機構42は、制御シャフト41からその径方向に延びて揺動部材20に対して自身の長さ方向に相対変位可能に係合した制御リンク42dを備えており、実施例2でいう「制御カム42c」はない。その制御リンク42dは、制御シャフト41と共に回動する。
【0060】
そして、可変装置40は、変位装置(図示略)で制御シャフト41を回動させることで、その力(制御力)を、制御シャフト41 → 制御リンク42d → 揺動部材20の順に伝えて、揺動部材20の揺動開始角度αを、カムシャフト8の軸線回りに変更する。
【0061】
[可変装置40の具体的機能]
その具体的な説明は、実施例1の[可変装置40の具体的機能]での説明と、「図3」を「図12」に読み替え、「同じ軸線回り」を「カムシャフト8の軸線回り」に読み替え、「ベース円プロフィールSa側」を「メインプロフィールSabの一端側」に読み替え、「リフト用プロフィールSb側」を「メインプロフィールSabの他端側」に読み替え、「ベース円プロフィールSa内」を「メインプロフィールSabの所定の境界箇所(可変)よりも一端側」に読み替え、「リフト用プロフィールSb内」を「メインプロフィールSabの前記境界箇所よりも他端側」に読み替え、「リフト用プロフィールSbで」を「メインプロフィールSabの前記境界箇所よりも他端側で」に読み替え、「ベース円プロフィールSaが」を「メインプロフィールSabの前記境界箇所よりも一端側が」に読み替えるとともに、図4図6に関する記載(「図4(a)に示すように」等)を省いて同様である。
【0062】
[実施例3の効果]
本実施例3でも、実施例1に記載の[A][B]の効果を得ることができる。
【0063】
なお、本発明は前記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもでき、例えば、可変動弁機構1〜3を吸気用のバルブに対して設置してもよい。
【0064】
1 可変動弁機構(実施例1)
2 可変動弁機構(実施例2)
3 可変動弁機構(実施例3)
6 バルブ
9 カム
20 揺動部材
21 ベース円
22 ノーズ
23 逆側リフト部
30 出力機構(動力伝達系)
31 セカンドフォロア(フォロア)
36 ラッシュアジャスタ
36a ボディ
36b プランジャ
40 可変装置
F ファーストカムプロフィール
S セカンドカムプロフィール
Sa ベース円プロフィール
Sb リフト用プロフィール
Sc 逆側リフト用プロフィール
A 閉弁区間
B リフト区間
C 逆側リフト区間
L リフト量
α 揺動開始位置
n 通常範囲
x 逆側リフト開始位置
i 吸気行程
ii 圧縮行程
iii 膨張行程
iv 排気行程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12