(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定手段は、前記ウォッシャ液の噴射時間、又は単位時間あたりのウォッシャ液の噴射量を前記噴射量として決定する請求項1に記載のワイパ・ウォッシャ制御装置。
前記決定手段は、更に環境湿度を検出する湿度検出手段の検出結果に基づいて、環境温度及び環境湿度に対応して予め定められている前記ウォッシャ液の噴射量を決定する請求項1又は請求項2に記載のワイパ・ウォッシャ制御装置。
前記制御手段は、前記ウォッシャスイッチによって前記ウォッシャ液の噴射が指示された場合に、前記決定手段によって決定された前記噴射量のウォッシャ液の噴射終了直後または噴射終了から予め定めた一定時間経過後に、前記ワイパアームの回動を開始するように前記ワイパモータの駆動を制御する請求項1〜3の何れか1項に記載のワイパ・ウォッシャ制御装置。
前記制御手段は、前記ウォッシャスイッチによって前記ウォッシャ液の噴射が指示された場合に、前記決定手段によって決定された前記噴射量のウォッシャ液の噴射を開始するように前記ウォッシャポンプの駆動を制御し、前記ウォッシャ液の噴射を開始してから予め定めた一定時間経過後に、前記ワイパアームの回動を開始するように前記ワイパモータの駆動を制御する請求項1〜3の何れか1項に記載のワイパ・ウォッシャ制御装置。
【背景技術】
【0002】
ウォッシャスイッチがオン操作されたときに、その操作に連動してワイパを駆動するワイパ・ウォッシャ制御装置が一般的に知られている。
【0003】
この種の装置においては、ウォッシャスイッチのオン操作後に、所定の遅延時間が経過してからワイパを駆動するようになっている。すなわち、ウインドシールドガラスにウォッシャ液を噴射してからワイパによる払拭を行うことにより、ワイパの払拭をスムーズに行うことができる。
【0004】
しかしながら、ウォッシャスイッチのオン操作が行われてからの遅延時間が一定であると、高速走行時においても低速走行時と同じ時間だけウォッシャ液の着水による視界の妨げが生じてしまうといった問題がある。
【0005】
そこで、特許文献1に記載の技術では、車速に応じて遅延時間を変更するようにしている。具体的には、車速が速くなるのに応じて遅延時間を短縮してワイパを駆動しているので、高速走行時には、視界確保を優先的に行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ウォッシャ液は、環境温度が低くなると粘度が増加し、噴射する液量が低下する。また、湿度が低い場合は摩擦が大きく払拭がスムーズでないため、湿度が高い場合よりも多くの液量が必要とされる。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、このような環境温度等については考慮されておらず、改善の余地がある。
【0009】
また、一般的に、ウォッシャ液の液量は、環境温度や環境湿度の最悪条件を想定した液量で設定されるため、条件のよい環境では液量が過剰となり、車両に搭載された限られたウォッシャ液を無駄に消費してしまうため、改善の余地があった。
【0010】
本発明は、上記事実を考慮し、環境に応じた最適な噴射量のウォッシャ液によるワイパの払拭が可能なワイパ・ウォッシャ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、ワイパアームを往復回動させるべく駆動されるワイパモータと、ウォッシャ液の噴射を指示するウォッシャスイッチと、ウォッシャ液を噴射させるべく駆動されるウォッシャポンプと、環境温度を検出する温度検出手段の検出結果に基づいて、環境温度に対応して予め定められている前記ウォッシャ液の噴射量を決定する決定手段と、前記ウォッシャスイッチによって前記ウォッシャ液の噴射が指示された場合に、前記決定手段によって決定された前記噴射量のウォッシャ液を噴射すべく前記ウォッシャポンプの駆動を制御すると共に、前記ワイパアームの往復回動を開始すべく前記ワイパモータの駆動を制御する制御手段と、を備えている。
【0012】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、ワイパモータが駆動されることによってワイパアームが往復回動される。
【0013】
また、ウォッシャスイッチによってウォッシャ液の噴射の指示が行われ、ウォッシャポンプが駆動されることによってウォッシャ液が噴射される。
【0014】
ところで、ウォッシャ液は環境温度、特に低温時には粘度が異なるので、ウォッシャポンプによって噴射されるウォッシャ液の液量も変化する。
【0015】
そこで、決定手段では、環境温度検出手段の検出結果に基づいて、環境温度に対応して予め定められているウォッシャ液の噴射量が決定される。そして、制御手段では、ウォッシャスイッチによってウォッシャ液の噴射が指示された場合に、決定手段によって決定された噴射量のウォッシャ液を噴射するようにウォッシャポンプの駆動が制御されると共に、ワイパアームの往復回動を開始するように、ワイパモータの駆動が制御される。
【0016】
すなわち、環境温度に応じた噴射量のウォッシャ液を噴射してワイパを作動させるので、環境に応じた最適な噴射量のウォッシャ液によるワイパのスムーズな払拭が可能となる。
【0017】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記決定手段は、前記ウォッシャ液の噴射時間、又は単位時間あたりのウォッシャ液の噴射量を前記噴射量として決定する。
【0018】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、ウォッシャ液の噴射時間、又は単位時間あたりのウォッシャ液の噴射量によって噴射量を最適に変更することが可能となる。
【0019】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記決定手段は、更に環境湿度を検出する湿度検出手段の検出結果に基づいて、環境温度及び環境湿度に対応して予め定められているウォッシャ液の噴射量を決定する。
【0020】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、環境温度に加えて環境湿度をも考慮してウォッシャ液の噴射量を最適に変更することが可能となる。
【0021】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記制御手段は、前記ウォッシャスイッチによって前記ウォッシャ液の噴射が指示された場合に、前記決定手段によって決定された前記噴射量のウォッシャ液の噴射終了直後または噴射終了から予め定めた一定時間経過後に、ワイパアームの回動を開始するように前記ワイパモータの駆動を制御する。
【0022】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、環境に応じた最適な噴射量のウォッシャ液を噴射してからワイパによる払拭が可能となる。
【0023】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記制御手段は、前記ウォッシャスイッチによって前記ウォッシャ液の噴射が指示された場合に、前記決定手段によって決定された前記噴射量のウォッシャ液の噴射を開始するように前記ウォッシャポンプの駆動を制御し、前記ウォッシャ液の噴射を開始してから予め定めた一定時間経過後に、前記ワイパアームの回動を開始するように前記ワイパモータの駆動を制御する。
【0024】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、環境に応じた最適な噴射量のウォッシャ液によるワイパの払拭が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置のウォッシャ液の噴射量(噴射時間を変化させる場合)の一例を説明する説明図であり、(A)は低温時のウォッシャ液の噴射量を示し、(B)は常温時のウォッシャ液の噴射量を示し、(C)は高温時のウォッシャ液の噴射量を示し、(D)は、従来のウォッシャ液の噴射量の一例を示す。
【
図3】本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置におけるフローチャートである。
【
図4】本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置のウォッシャ液の噴射量(噴射圧を変化させる場合)の変形例を説明する説明図であり、(A)は低温時のウォッシャ液の噴射量を示し、(B)は常温時のウォッシャ液の噴射量を示し、(C)は高温時のウォッシャ液の噴射量を示す。
【
図5】本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置のウォッシャ液の噴射とワイパの作動開始タイミングを説明する説明図であり、(A)は低温時のウォッシャ液の噴射量(噴射時間を変化させる場合)を噴射し終わる前にワイパを作動させる例及び噴射終了後に一定時間経過してワイパを作動させる例を示し、(B)は常温時のウォッシャ液の噴射量(噴射時間を変化させる場合)を噴射し終わる前にワイパを作動させる例及び噴射終了後に一定時間経過してワイパを作動させる例を示し、(C)は高温時のウォッシャ液の噴射量(噴射時間を変化させる場合)を噴射し終わる前にワイパを作動させる例及び噴射終了後に一定時間経過してワイパを作動させる例を示す。
【
図6】ワイパ・ウォッシャ制御装置の制御対象となるワイパ装置の変形例の概略構成を示す平面図である。
【
図7】
図6に示す変形例における説明図であり、(A)は変形例のウォッシャ液の噴射とワイパアームの回動開始を示す説明図であり、(B)はウォッシャ液を噴射してからワイパアームの回動を開始するまでの温度毎の遅延時間を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置の構成を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、ワイパ・ウォッシャ制御装置10は、ワイパアームを往復回動させるワイパモータ12、車両のエンジンフード等に設けられたノズルからウォッシャ液を噴射させためにウォッシャ液を圧送するウォッシャポンプ14、及びコントローラ16を備えている。
【0028】
ワイパモータ12及びウォッシャポンプ14は、それぞれコントローラ16に接続されており、コントローラ16によって各々の駆動が制御される。
【0029】
また、コントローラ16には、車両側に設けられたウォッシャスイッチ18、温度センサ20、及び湿度センサ22が更に接続されている。
【0030】
ウォッシャスイッチ18は、ウォッシャ液を噴射させるための指示を行うスイッチであり、乗員によってウォッシャスイッチ18が操作された場合に操作結果がコントローラ16に入力される。
【0031】
温度センサ20は、環境温度としての外気温、より詳細には洗浄対象である車両のフロントガラスの近傍の外気温を検出して、検出結果がコントローラ16に入力可能とされている。また、湿度センサ22は、環境湿度、より詳細には洗浄対象である車両のフロントガラスの近傍の雰囲気湿度を検出して、検出結果がコントローラ16に入力可能とされている。なお、温度センサ20や湿度センサ22は、車両用空調装置で使用するものや、エンジン制御等で使用するものを適用することもできる。また、本実施の形態では、湿度センサ22の検出結果もコントローラ16に入力可能な構成とするが、湿度センサ22は省略するようにしてもよい。
【0032】
本実施の形態では、ウォッシャスイッチ18が乗員によって操作されてウォッシャ液の噴射が指示された場合、ウォッシャスイッチ18の操作結果がコントローラ16に入力される。ウォッシャスイッチ18の操作結果がコントローラ16に入力されると、コントローラ16では、ウォッシャスイッチ18の操作結果に基づいて、ウォッシャポンプ14を直ちに駆動してウォッシャ液を所定量噴射させ、ワイパモータ12の駆動を開始する。
【0033】
このとき、本実施の形態では、環境温度によってウォッシャ液の粘度が変化することから、環境温度に応じたウォッシャ液の噴射量を予め定めて、環境に応じた液量を噴射するようにコントローラ16がウォッシャポンプ14の駆動を制御するようになっている。
【0034】
具体的には、環境温度が低いほどウォッシャ液の粘度が高くなり、環境温度が高くなるとウォッシャ液の粘度が下がる。そのため、環境温度によってウォッシャポンプ14を同じ時間作動させても噴射量は異なってしまう。そこで、本実施の形態では、予め定めた低温、常温、及び高温(高湿)のそれぞれにおいて、ウォッシャ液の噴射量を予め定めてコントローラ16に記憶させておく。そして、温度センサ20が検出した環境温度に基づいて、コントローラ16がウォッシャ液の噴射量を決定して、決定した噴射量のウォッシャ液を噴射すべくウォッシャポンプ14の駆動を制御する。これにより、環境温度に応じた噴射量のウォッシャ液を噴射することができる。
【0035】
噴射量の制御は、例えば、
図2(A)〜(C)に示すように、一定の噴射圧で、温度毎に噴射時間を変えることにより、温度毎の噴射量のウォッシャ液を噴射することができる。
【0036】
従来では、
図2(D)に示すように、低温時のウォッシャ液の粘度が高いため低温時を最悪条件として定めた一定の噴射圧及び噴射時間でウォッシャ液を噴射するのが一般的であったが、環境温度毎に噴射量を変更することにより、環境に応じた最適な液量を噴射してからワイパによる払拭を行うことでスムーズな払拭が可能となると共に、ウォッシャ液の粘度が低い常温または高温環境下ではウォッシャ液を節約することが可能となる。なお、本実施の形態では、低温時が最悪条件となるため、低温時の噴射量(
図2(A)のハッチング部の面積)と
図2(D)の噴射量(
図2(D)のハッチング部の面積)が同じ噴射量となっている。
【0037】
そして、本実施の形態では、環境温度に応じた噴射量のウォッシャ液を噴射してからコントローラ16がワイパモータの駆動を制御して、ワイパアームの往復回動を開始するようになっている。これにより、適量のウォッシャ液によるウインドシールドガラスのスムーズな払拭が可能となる。
【0038】
次に、上述のように構成された本発明の実施の形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置10で行われる具体的な処理の流れについて説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置10において、ウォッシャスイッチ18を操作することによってウォッシャ液を噴射する際に行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図3の処理は、図示しないイグニッションスイッチがオンされた場合にスタートするものとして説明する。
【0039】
図示しないイグニッションスイッチ(IG)がオンされるとステップ100では、各センサの検出結果がコントローラ16によって取得されてステップ102へ移行する。すなわち、コントローラ16は、温度センサ20及び湿度センサ22から各々の検出結果を取得する。
【0040】
ステップ102では、センサ検出結果に対応するウォッシャ液の噴射量がコントローラ16によって設定されてステップ104へ移行する。具体的には、温度センサ20の検出結果に対応する予め定められた噴射量をコントローラ16が設定し、ウォッシャスイッチ18が操作されたときに設定された噴射量のウォッシャ液を噴射可能とする。
【0041】
ステップ104では、ウォッシャスイッチ18がオンされたか否かコントローラ16によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、判定が肯定された場合にはステップ106へ移行する。
【0042】
ステップ106では、ステップ102で設定された噴射量のウォッシャ液がコントローラ16の制御によって噴射されてステップ108へ移行する。すなわち、コントローラ16が、設定された噴射量に対応する噴射時間だけウォッシャポンプ14を駆動するように制御する。
【0043】
ステップ108では、コントローラ16によってワイパが作動されてステップ110へ移行する。すなわち、コントローラ16がワイパモータ12を駆動することによってワイパアームを回動させる。例えば、コントローラ16は、ワイパアームが所定回数、往復回動するようにワイパモータを駆動する。
【0044】
ステップ110では、イグニッションスイッチ(IG)がオフされたか否か判定され、該判定が否定された場合にはステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、判定が否定された場合には一連の処理を終了する。
【0045】
なお、本実施の形態では、ウォッシャ液の噴射圧を一定として噴射時間を環境温度に応じて変更することにより、ウォッシャ液の噴射量を環境温度に応じて変更するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、
図4(A)〜(C)に示すように、ウォッシャ液の噴射時間を一定として噴射圧を環境温度に応じて変更することにより、ウォッシャ液の噴射量を環境温度に応じて変更するようにしてもよい。ここで、噴射圧の変更は、単位時間あたりの噴射量を変更することで変更可能であり、例えば、ウォッシャポンプ14のモータの回転速度を変更することで単位時間あたりの噴射量を変更することができる。
【0046】
また、本実施の形態では、環境温度に応じた噴射量のウォッシャ液を噴射してからワイパモータ14の駆動を開始するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、ウォッシャ液の噴射を停止する前にワイパの作動を開始するようにしてもよい。一例としては、
図5(A)〜(C)の点線で示すように、環境温度に応じた噴射量のウォッシャ液の噴射を開始してから予め定められた一定時間Taが経過した後に、環境温度に応じた噴射量のウォッシャ液の噴射が終了する前にワイパの作動を開始するようにしてもよい。或いは、
図5(A)〜(C)の一点鎖線で示すように、環境温度に応じた噴射量のウォッシャ液の噴射が終了してから予め定められた一定時間Tbが経過した後に、ワイパの作動を開始するようにしてもよい。
【0047】
また、本実施の形態では、車両のエンジンフード等に設けたノズルからウォッシャ液を噴射するウォッシャ装置と連動可能な一般的なワイパ装置をワイパ・ウォッシャ制御装置10の制御対象として説明したが、これに限るものではなく、ウォッシャ液を噴射するノズルをワイパアームに設けたワイパ装置を制御対象としてもよい。
【0048】
ここで、ウォッシャ液を噴射するノズルをワイパアームに設けたワイパ装置を制御対象した場合を変形例として説明する。
図6は、変形例のワイパ・ウォッシャ制御装置の制御対象となるワイパ装置の概略構成を示す平面図である。
【0049】
図6に示すように、ワイパアーム30の先端部付近に、第1メインノズル24及び第2メインノズル26と、が設けられており、各ノズルからウォッシャ液の噴射が可能とされている。
【0050】
このようなワイパ装置を適用した場合に、2つのノズルから選択的にウォッシャ液を噴射するには、ウォッシャポンプ14を2つのノズルの各々に対応して設けることにより、2つのノズルから選択的にウォッシャ液を噴射することができる。或いは、単一のウォッシャポンプを用いてモータの回転方向を切替えることにより噴射されるノズルを択一的に切替える構成のウォッシャポンプに設けるようにしてもよい。
【0051】
上記変形例では、ウォッシャスイッチ18が操作されたときに、
図7(A)に示すように、ウォッシャ液を第1メインノズル24から噴射を開始して遅延時間t経過後に、ワイパアーム30を回動開始するようにコントローラ16がウォッシャポンプ14及びワイパモータ12の駆動を制御する。このとき、ワイパアーム30が上反転方向(
図6(A)の矢印A方向)へ回動を開始する際に、遅延時間tを環境温度に応じて変更してワイパアーム30の回動を開始するようにコントローラ16がウォッシャポンプ14の駆動を制御する。例えば、
図7(B)に示すように、低温の場合に遅延時間を0.8秒、常温の場合に遅延時間を0.5秒、高温(高湿)の場合に遅延時間を0.2秒に設定する。これにより、環境温度に応じて設定された噴射量のウォッシャ液を第1メインノズル24から噴射してからワイパを作動させることができる。
【0052】
また、ワイパアーム30が上反転位置で反転して下反転位置方向(
図6(B)の矢印B方向)へ回動する際には、第2メインノズル26からウォッシャ液を噴射するようにコントローラ16がウォッシャポンプ14の駆動を制御する。なお、第2メインノズル26からウォッシャ液を噴射する噴射量も環境温度に応じて変更するようにしてもよい。
【0053】
このようにしても環境温度に応じた最適な液量のウォッシャ液を噴射してからワイパによるスムーズな払拭が可能となる。
【0054】
なお、変形例では、
図7(A)に示すように、環境温度に応じた噴射量のウォッシャ液が噴射された後も一定時間経過或いは所定量のウォッシャ液が噴射されるまでウォッシャ液の噴射が継続される例を示すが、上記の実施の形態と同様に、環境温度に応じた噴射量のウォッシャ液を噴射したところでウォッシャ液の噴射を停止するようにしてもよい。すなわち、
図2に示すように、温度に応じた噴射時間のウォッシャ液の噴射が終了してからワイパアーム30の回動を開始するようにしてもよいし、
図4に示すように、環境温度に応じた噴射圧で所定時間のウォッシャ液の噴射が終了してからワイパアーム30の回動を開始するようにしてもよい。これにより上記の実施の形態と同様に、ウォッシャ液を節約することが可能となる。
【0055】
また、逆に上記の実施の形態は、
図7に示した変形例のように、ウォッシャ液の噴射量自体は一定として、ウォッシャ液の噴射開始からワイパアーム30の回動開始までの噴射量を環境温度に応じて変更するようにしてもよい。このようにすることで、ウォッシャ液の節約はできないが、環境温度に応じた最適な液量のウォッシャ液を噴射してからワイパによるスムーズな払拭は可能となる。
【0056】
また、上記の実施の形態及び変形例では、環境温度に応じてウォッシャ液の噴射量を決定するようにしたが、これに限るものではなく、環境湿度を更に考慮するようにしてもよい。例えば、更に環境湿度に応じたウォッシャ液の噴射量を予め定めて、環境温度及び環境湿度に応じた噴射量のウォッシャ液、すなわち、環境温度と環境湿度の両方が考慮された最適なウォッシャ液の噴射量を噴射するようにしてもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態では、環境温度として外気温を温度センサ20によって検出するようにしたが、ウインドシールドガラスの温度を環境温度として検出するようにしてもよい。
【0058】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。