(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
[チャネル選択システムSの構成]
図1は、第1の実施形態に係るチャネル選択システムS及び当該チャネル選択システムSの外部環境を示す図である。チャネル選択システムSは、インターネット等のネットワークNを介して複数の外部サーバ3に接続されている。チャネル選択システムSは、端末1と、チャネル選択装置として機能する所定のアクセスポイント2とを備える。
【0018】
端末1は、所定の住宅の住人等が使用するスマートフォン等の携帯電話機、タブレット、及びゲーム機等の携帯端末である。なお、端末1は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータのように固定端末であってもよい。
【0019】
所定のアクセスポイント2は、所定の住宅に設置されており、端末1と無線により通信を行う。所定のアクセスポイント2は、例えば、ケーブルテレビ放送等の放送信号を受信し、映像及び音声等の信号に変換して出力したり、インターネット上の外部サーバ3が提供するコンテンツを取得して端末1に無線送信したりすることができるセットトップボックスである。なお、所定のアクセスポイント2は、上述した機能を有していない無線LANのアクセスポイントであってもよい。以下、所定のアクセスポイント2を単にアクセスポイント2という。
【0020】
複数の他のアクセスポイント5は、アクセスポイント2が設置されている所定の住宅の近隣の住宅等に設置されており、当該近隣の住宅等のユーザの端末(不図示)と無線により通信を行う。以下、図においてアクセスポイントをAPとも表現する。
【0021】
図2は、第1の実施形態に係るアクセスポイント2が無線により通信可能なエリアを示す通信可能エリアと、複数の他のアクセスポイント5の通信可能エリアとの関係例を示す図である。
【0022】
図2に示すように、ユーザ宅100では、リビングにアクセスポイント2が設置され、無線LAN環境が整備されている。ユーザは、端末1を用いてアクセスポイント2と無線通信を行うことで、ユーザ宅100のリビング、寝室、子供部屋等の任意の位置でインターネット等へのアクセスを行う。一方、ユーザ宅100の近隣の近隣宅101−1,101−2及び101−3には、それぞれ他のアクセスポイント5−1、5−2及び5−3が設置される。
【0023】
図2において破線で示される複数の楕円は、各アクセスポイントのそれぞれが発した電波の電波強度が等しい地点を示しており、当該楕円の内側のエリアは、当該アクセスポイントを介して通信可能なエリアであることを示している。ここで、電波強度とは、各アクセスポイントが発信する電波の受信信号強度(RSSI)をいう。
【0024】
例えば、
図2では、アクセスポイント2を中心として3つの楕円が表示されている。この3つの楕円のうち、最も内側の楕円は、第1の電波強度の地点を示しており、次に内側の楕円は、第1の電波強度よりも弱い第2の電波強度の地点を示しており、最も外側の楕円は、第2の電波強度よりも弱い第3の電波強度の地点を示している。ここで、端末1は、最も外側の楕円よりも内側のエリアでアクセスポイント2と無線通信が可能であるものとする。
【0025】
また、ユーザ宅100には、他のアクセスポイント5−1、5−2及び5−3から発信した電波が到達し、ユーザ宅100の無線LAN環境に干渉する。このとき、ユーザ宅100のリビング、寝室、子供部屋では、干渉の度合いがそれぞれ異なる。すなわち、リビングでは近隣宅101−1の他のアクセスポイント5−1が強く干渉し、寝室では近隣宅101−2の他のアクセスポイント5−2が強く干渉し、子供部屋では近隣宅101−3の他のアクセスポイント5−3が強く干渉する。そのため、例えば、アクセスポイント2のチャネルをリビングでの使用に適したチャネルに設定すると、寝室や子供部屋での使用には必ずしも適さないことがある。
【0026】
この点、チャネル選択システムSでは、アクセスポイント2のチャネルを、ユーザ宅100のどこにいても無線LAN環境を安定して使用可能なチャネルに設定する。以下、チャネル選択システムSを構成する端末1及びアクセスポイント2の機能構成について説明する。
【0027】
[端末1の構成例]
図3は、第1の実施形態に係る端末1の機能構成図である。
端末1は、入力部11と、表示部12と、無線部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0028】
入力部11は、例えば、ボタンや、表示部12に重畳して配置される接触センサ等により構成されており、端末1のユーザから操作入力を受け付ける。なお、端末1がデスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ等である場合には、入力部11は、マウスやキーボードより構成されていてもよい。
【0029】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。表示部12は、制御部15の制御に応じて文字や図形等を表示する。
【0030】
無線部13は、制御部15から出力された信号を変調してRF(Radio Frequency)信号を生成し、アンテナ(不図示)を介して当該RF信号をアクセスポイント2に無線送信する。無線部13は、アンテナを介してアクセスポイント2から受信したRF信号を復調し、復調により得られた信号を制御部15に出力する。ここで、無線部13は、例えば、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g及びIEEE 802.11nで使用する2.4GHz帯において規定されている13チャネルのうちのいずれかのチャネルによりアクセスポイント2と通信を行うものとする。なお、無線部13は、IEEE 802.11a及びIEEE 802.11nで使用する5GHz帯の周波数で通信を行ってもよい。
【0031】
記憶部14は、例えば、ROM及びRAM等により構成される。記憶部14は、端末1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部14は、端末1の制御部15を、後述する測定部151、送信部152、コンテンツ取得部153として機能させるためのコンテンツ取得用プログラムを記憶する。記憶部14は、外部メモリ等の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って記憶してもよく、ネットワークNを介して外部機器からダウンロードされたプログラムを記憶してもよい。
【0032】
制御部15は、例えば、CPUにより構成される。制御部15は、記憶部14に記憶されている各種プログラムを実行することにより、端末1に係る機能を統括的に制御する。制御部15は、測定部151と、送信部152と、コンテンツ取得部153とを備える。
【0033】
測定部151は、アクセスポイント2の通信可能エリアにおいて、アクセスポイント2の電波強度と、アクセスポイント2とは異なる他のアクセスポイント5の電波強度と、他のアクセスポイント5が使用するチャネルとを測定する。測定部151は、測定時に、他のアクセスポイント5のMACアドレス、ESSIDを取得する。測定部151は、例えば、コンテンツ取得用プログラムが実行されたことに応じて測定を開始する。
【0034】
なお、測定部151は、コンテンツ取得用プログラムが実行されている場合に、定期的(例えば、1週間に1回)に測定を行うようにしてもよい。また、測定部151は、コンテンツ取得部153が外部サーバ3からコンテンツを取得している場合、すなわち、端末1のユーザが当該コンテンツを閲覧している場合にバックグラウンドで測定を行うようにしてもよい。
【0035】
送信部152は、アクセスポイント2の電波強度を示す情報と、他のアクセスポイント5の電波強度を示す情報と、他のアクセスポイント5が使用するチャネルを示す情報と、他のアクセスポイント5のMACアドレス及びESSIDと、測定した日付及び時刻とを含む電波強度情報をアクセスポイント2に送信する。
【0036】
コンテンツ取得部153は、入力部11によりコンテンツの取得操作が行われたことに応じて、アクセスポイント2を介して外部サーバ3からコンテンツを取得する。コンテンツ取得部153は、取得したコンテンツがテキスト情報、画像情報、又は映像情報である場合、表示部12に表示させる。コンテンツ取得部153は、取得したコンテンツに音声情報が含まれている場合、当該音声情報に基づいた音声を端末1が備えているスピーカー(不図示)から出力させてもよい。
【0037】
[アクセスポイント2の構成例]
続いて、アクセスポイント2の機能構成について説明する。
図4は、第1の実施形態に係るアクセスポイント2の機能構成図である。アクセスポイント2は、無線部21と、通信部22と、記憶部23と、制御部24とを備える。
【0038】
無線部21は、制御部24から出力された信号を変調してRF信号を生成し、アンテナ(不図示)を介して当該RF信号を端末1に無線送信する。無線部21は、アンテナを介して端末1から受信したRF信号を復調し、復調により得られた信号を制御部24に出力する。ここで、無線部21は、2.4GHz帯において規定されている13チャネルのうちのいずれかのチャネルにより端末1と通信を行うものとする。なお、無線部21は、5GHz帯の周波数で通信を行ってもよい。
通信部22は、有線により外部機器と通信を行う。具体的には、通信部22は、ネットワークNを介して外部サーバ3と通信を行う。
【0039】
記憶部23は、例えば、ROM及びRAM等により構成される。記憶部23は、アクセスポイント2を機能させるための各種プログラムを記憶する。記憶部23は、ネットワークNを介して外部機器からダウンロードされたプログラムを記憶してもよい。
【0040】
制御部24は、例えば、CPUにより構成される。制御部24は、記憶部23に記憶されている各種プログラムを実行することにより、アクセスポイント2に係る機能を統括的に制御する。制御部24は、取得部241と、電波強度選択部242と、電波強度推定部243と、算出部244と、チャネル選択部245と、チャネル設定部246と、コンテンツ送信部247とを備える。
【0041】
取得部241は、アクセスポイント2の通信可能エリアにおいて端末1が測定した、アクセスポイント2の電波強度と、他のアクセスポイント5の電波強度と、他のアクセスポイント5が使用するチャネルと、他のアクセスポイント5のMACアドレス及びESSIDと、測定した日付及び時刻とを含む電波強度情報を端末1から取得する。
【0042】
取得部241は、電波強度情報を取得すると、電波強度情報に、取得した日時及び場所を識別するNo、及びアクセスポイント2の電波強度から他のアクセスポイント5の電波強度を減算したときの値を付加して記憶部23に記憶させる。
図5は、記憶部23に記憶される電波強度情報の一例を示す図である。
図5に示すように、電波強度情報には、No、日付、時刻、アクセスポイント2の電波強度(RSSI_0)、他のアクセスポイント5のMACアドレス、他のアクセスポイント5のESSID、他のアクセスポイント5が使用しているチャネル、他のアクセスポイント5の電波強度(他APのRSSI)、及び、アクセスポイント2の電波強度から他のアクセスポイント5の電波強度を減算したときの値(RSSI_0−他APのRSSI)が含まれている。
【0043】
電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、取得部241が取得した他のアクセスポイント5の電波強度のうち、アクセスポイント2に対する影響が相対的に強い電波強度を選択する。
【0044】
アクセスポイント2に対する影響が相対的に強い電波強度を選択する手法は様々考えられるが、本実施形態では、電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、取得部241が取得した他のアクセスポイント5の電波強度のうち、最も高い電波強度を選択する。
【0045】
例えば、電波強度選択部242は、
図5に示す電波強度情報を参照し、ESSIDが「OtherAP1」の他のアクセスポイント5について、最も高い電波強度として「−40」[dBm]を選択する。電波強度選択部242は、同様に、「OtherAP2」について電波強度を「−62」、「OtherAP3」について電波強度を「−55」、「OtherAP4」について電波強度を「−40」、「OtherAP5」について電波強度を「−60」、「OtherAP6」について電波強度を「−65」を選択する。
【0046】
ここで、電波強度選択部242は、現時点から所定期間(例えば、1週間)以内に取得された他のアクセスポイント5の電波強度から、アクセスポイント2に対する影響が相対的に強い電波強度を選択してもよい。このようにすることで、近隣宅における他のアクセスポイント5の配置状況に変化があっても、その変化に対応して他のアクセスポイント5の電波強度を選択することができる。
【0047】
また、電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5の電波強度を選択する際に、パーセンタイル(例えば、97パーセンタイル)等を用いて上限の電波強度を除去した電波強度のうち、アクセスポイント2に対する影響が相対的に強い電波強度を選択してもよい。このようにすることで、測定時に偶然高く測定された電波強度を除去して電波強度を選択することができる。
【0048】
電波強度推定部243は、記憶部23に予め記憶されている、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度に基づいて、複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5それぞれの電波強度を推定する。
図6は、チャネルの周波数間隔(Δchi)による電波干渉の影響度ω(Δchi)を示す図である。ここで、Δchiの「i」は、離れている間隔を示す値である。
【0049】
図6では、2.4GHz帯におけるチャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度と、5GHz帯におけるチャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度とを示している。
図6のように、電波干渉の影響度は、無線通信の周波数帯によって異なる。例えば、2.4GHz帯では、チャネルが1離れると、電波干渉の影響度ω(Δch1)は、−2dBmとなり、チャネルが2離れると、電波干渉の影響度ω(Δch2)は、−5dBmとなる。また、5GHz帯では、チャネルが1離れると、電波干渉の影響度ω(Δch1)は、−100dBmとなる。
【0050】
具体的には、電波強度推定部243は、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度、及び他のアクセスポイント5のそれぞれについて選択された電波強度に基づいて、複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5それぞれの電波強度を推定する。以下に、電波強度推定部243が電波強度を推定する処理について、ESSIDが「OtherAP1」の他のアクセスポイント5の電波強度を推定する例を用いて説明する。
【0051】
まず、電波強度選択部242が「OtherAP1」について、最も高い電波強度として「−40」を選択しており、「OtherAP1」に対応するチャネルは「6」であることから、電波強度推定部243は、チャネル「6」に対応する電波強度を「−40」とする。
【0052】
続いて、電波強度推定部243は、チャネル「6」から周波数間隔が1離れているチャネル「5」及び「7」の電波強度を、チャネル「6」に対応する電波強度「−40」に影響度「−2」を加算した「−42」と推定する。また、電波強度推定部243は、チャネル「6」から周波数間隔が2離れているチャネル「4」及び「8」に対応する電波強度を、チャネル「6」に対応する電波強度「−40」に影響度「−5」を加算した「−45」と推定する。同様に、電波強度推定部243は、チャネル「3」及び「9」に対応する電波強度を「−50」と推定し、チャネル「2」及び「10」に対応する電波強度を「−68」と推定し、チャネル「1」及び「11」に対応する電波強度を「−140」と推定する。
【0053】
また、チャネル「12」及び「13」は、チャネル「6」から周波数間隔が5以上離れていることから、電波強度推定部243は、チャネル「12」及び「13」に対応する電波強度を、チャネル「6」に対応する電波強度「−40」に影響度「−100」を加算した「−140」と推定する。
【0054】
算出部244は、複数のチャネルのそれぞれについて、推定した他のアクセスポイント5それぞれの電波強度に基づいてアクセスポイント2が発する電波に対する干渉度を算出する。具体的には、算出部244は、キャリア対干渉波の電力比(CIR)からアクセスポイント2の電波強度(RSSI_0)を減算した値(CIR−RSSI_0)を干渉度として算出する。この干渉度は、以下の式で求められる。ここで、Nは、他のアクセスポイント5の台数である。
【数1】
【0055】
ここで、(1)式により算出された値(CIR−RSSI_0)が大きい場合、アクセスポイント2に対する他のアクセスポイント5の干渉度合いが小さく、(1)式により算出された値が小さい場合、アクセスポイント2に対する他のアクセスポイント5の干渉度合いが大きい。
【0056】
図7は、第1の実施形態に係る電波強度推定部243により推定された複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5の電波強度、及び算出部244により算出された干渉度を示す図である。
図7では、チャネル「1」のCIR−RSSI_0が最も大きいことから、アクセスポイント2に対する他のアクセスポイント5の干渉度合いが最も小さいチャネルが、チャネル「1」であることが確認できる。
【0057】
チャネル選択部245は、算出された複数のチャネルそれぞれの干渉度に基づいて、アクセスポイント2のチャネルを選択する。具体的には、チャネル選択部245は、アクセスポイント2に対する他のアクセスポイント5の干渉度合いが最も小さいチャネル、すなわち、複数のチャネルのうち干渉度を示す値(CIR−RSSI_0)が最も高いチャネルを選択する。
図7ではチャネル「1」のCIR−RSSI_0が最も大きいことから、チャネル選択部245はチャネル「1」を選択する。
【0058】
チャネル設定部246は、チャネル選択部245がチャネルを選択したことに応じて、無線部21が使用するチャネルを、チャネル選択部245が選択したチャネルに設定する。チャネル設定部246は、コンテンツ送信部247がコンテンツを送信していない場合にチャネルを設定するようにしてもよい。
【0059】
コンテンツ送信部247は、端末1の入力部11によりコンテンツの取得操作が行われたことに応じて、通信部22を介して外部サーバ3からコンテンツを取得する。コンテンツ送信部247は、外部サーバ3から取得したコンテンツを、無線部21を介して端末1に送信する。
【0060】
[チャネルの選択に係るフローチャート]
続いて、アクセスポイント2によってチャネルを選択するまでの処理の流れについて説明する。
図8は、第1実施形態に係るアクセスポイント2において、チャネルを選択するまでの処理の流れを示すフローチャートである。ここで、記憶部23には、取得部241によって電波強度情報が記憶されているものとする。
【0061】
まず、電波強度選択部242は、複数の他のアクセスポイント5のそれぞれの電波強度を電波強度情報から取得する(S1)。
続いて、電波強度選択部242は、複数の他のアクセスポイント5のそれぞれについて、電波強度情報から取得した電波強度のうち、最も高い電波強度を選択する(S2)。
【0062】
続いて、電波強度推定部243は、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度に基づいて、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、各チャネルの電波強度を推定する(S3)。
【0063】
続いて、算出部244は、各チャネルのそれぞれについて、(1)式に基づいて干渉度を算出する(S4)。
続いて、チャネル選択部245は、算出された複数のチャネルそれぞれの干渉度に基づいて、アクセスポイント2のチャネルを選択する(S5)。
【0064】
[第1の実施形態における効果]
以上のとおり、第1の実施形態に係るチャネル選択システムSのアクセスポイント2は、取得部241により、アクセスポイント2の通信可能エリアにおいて端末1が測定した、他のアクセスポイント5の電波強度と、他のアクセスポイント5が使用するチャネルとを含む電波強度情報を端末1から取得し、電波強度推定部243により、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度に基づいて、複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5それぞれの電波強度を推定し、算出部244により、複数のチャネルのそれぞれについて、推定した他のアクセスポイント5それぞれの電波強度に基づいてアクセスポイント2が発する電波に対する干渉度を算出し、チャネル選択部245により、算出された複数のチャネルそれぞれの干渉度に基づいて、アクセスポイント2のチャネルを選択する。
【0065】
このようにすることで、アクセスポイント2は、複数の他のアクセスポイント5の電波強度に基づいて算出された干渉度に基づいて電波の干渉を受けにくいチャネルを選択することができる。ここで、複数の他のアクセスポイント5は、それぞれ異なる位置に設置されていることから、算出された干渉度は、複数の位置における測定結果が考慮されたものとなる。よって、アクセスポイント2は、一のアクセスポイントに対応する通信可能エリアの複数の地点において安定した通信が可能なチャネルを選択することができる。
【0066】
また、電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、取得部241が取得した他のアクセスポイント5の電波強度のうち、アクセスポイント2に対する影響が相対的に強い電波強度を選択し、電波強度推定部243は、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度、及び他のアクセスポイント5のそれぞれについて選択された電波強度に基づいて、複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5それぞれの電波強度を推定する。また、電波強度選択部は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、取得部241が取得した他のアクセスポイント5の電波強度のうち、最も高い電波強度を選択する。
【0067】
このようにすることで、アクセスポイント2は、複数の他のアクセスポイント5のそれぞれの電波強度が相対的に強い地点の他のアクセスポイント5の電波強度を基準として各チャネルにおける干渉度を算出し、当該干渉度に基づいてチャネルを選択する。よって、アクセスポイント2は、相対的に干渉を受けやすい地点において安定して通信をすることができるチャネルを選択することができる。
【0068】
<第2の実施形態>
[アクセスポイント2の電波強度から減算したときの値が最も小さい電波強度を選択する]
続いて、第2の実施形態について説明する。第1実施形態では、他のアクセスポイント5の電波強度にのみ着目し、アクセスポイント2に対する影響が相対的に強い電波強度を選択した。すなわち、電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、他のアクセスポイント5の電波強度のうち、最も高い電波強度を選択する。
【0069】
この点、アクセスポイント2に対する影響は、他のアクセスポイント5の電波強度だけでなく、アクセスポイント2自体の電波強度を考慮した方が適切に算出できる場合がある。すなわち、アクセスポイント2の電波強度が十分に高い場所であれば、他のアクセスポイント5の電波強度に関わらずアクセスポイント2に対する影響が小さい場合があり、また、アクセスポイント2の電波強度が低い場所であれば、他のアクセスポイント5の電波強度が低くてもアクセスポイント2に対する影響が大きい場合がある。
【0070】
そこで、第2の実施形態では、電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、アクセスポイント2の電波強度から他のアクセスポイント5の電波強度を減算した値が最小となる電波強度を選択する。以下、第2の実施形態について図面を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0071】
第2の実施形態の電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、取得部241が取得した他のアクセスポイント5の電波強度のうち、端末1で同時に測定されたアクセスポイント2の電波強度から当該他のアクセスポイント5の電波強度を減算したときの値が最小となる電波強度を選択する。
【0072】
具体的には、電波強度選択部242は、
図5に示す電波強度情報を参照し、複数の他のアクセスポイント5のそれぞれについて、アクセスポイント2のRSSIから他のアクセスポイント5のRSSIを減算して得られる値が最小となる電波強度を選択する。例えば、電波強度選択部242は、ESSIDが「OtherAP4」の他のアクセスポイント5について、減算結果が最も小さい値「−30」に対応する電波強度「−40」を選択する。
【0073】
電波強度選択部242は、同様に、「OtherAP1」の電波強度を「−40」、「OtherAP2」の電波強度を「−62」、「OtherAP3」の電波強度を「−65」、「OtherAP5」の電波強度「−65」、「OtherAP6」の電波強度を「−65」と選択する。
【0074】
電波強度推定部243は、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度、及び他のアクセスポイント5のそれぞれについて選択された電波強度に基づいて、複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5それぞれの電波強度を推定する。
【0075】
算出部244は、複数のチャネルのそれぞれについて、推定した他のアクセスポイント5それぞれの電波強度に基づいてアクセスポイント2が発する電波に対する干渉度を算出する。例えば、算出部244は、(1)式に基づいて干渉度を算出する。
チャネル選択部245は、複数のチャネルそれぞれの干渉度を示す値(CIR−RSSI_0)が最も高いチャネルを選択する。
【0076】
図9は、第2の実施形態に係る電波強度推定部243により推定された複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5の電波強度、及び算出部244により算出された干渉度を示す図である。
図9では、チャネル「1」のCIR−RSSI_0が最も大きいことから、チャネル「1」においてアクセスポイント2に対する他のアクセスポイント5の干渉度合いが最も小さいことが確認できる。よって、チャネル選択部245は、チャネル「1」を選択する。
【0077】
[チャネルの選択に係るフローチャート]
続いて、アクセスポイント2によってチャネルを選択するまでの処理の流れについて説明する。
図10は、第2実施形態に係るアクセスポイント2において、チャネルを選択するまでの処理の流れを示すフローチャートである。ここで、記憶部23には、取得部241によって電波強度情報が記憶されているものとする。
【0078】
まず、電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5の電波強度を電波強度情報から取得する(S11)。
続いて、電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、所定のアクセスポイント2の電波強度から当該他のアクセスポイント5の電波強度を減算したときの値が最小となる電波強度を選択する(S12)。
S13からS15までの処理は、第1実施形態のS3からS5までの処理と同様であるので説明を省略する。
【0079】
[第2の実施形態における効果]
以上、第2の実施形態の電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、取得部241が取得した他のアクセスポイント5の電波強度のうち、端末1で同時に測定されたアクセスポイント2の電波強度に対して当該他のアクセスポイント5の電波強度を減算したときの値が最小となる電波強度を選択し、選択した電波強度に基づいて算出した干渉度を用いてチャネルを選択する。このようにすることで、アクセスポイント2は、アクセスポイント2の電波強度に対して複数の他のアクセスポイント5の電波強度が最も強いそれぞれの地点において安定して通信をすることができるチャネルを選択することができる。
【0080】
<第3の実施形態>
[複数のチャネルのそれぞれについて、チャネルに対する影響が相対的に高い他のアクセスポイントの電波強度を選択する]
続いて、第3の実施形態について説明する。アクセスポイント2に設定するチャネルの選択は、(1)式により算出した「CIR−RSSI_0」をチャネル毎に比較することで行う。ここで、電波干渉の影響度は、チャネルの周波数間隔により大きく異なるため、他のアクセスポイント5に設定されたチャネルによって、アクセスポイント2に対する影響が大きく異なる。
【0081】
そこで、第3の実施形態では、影響が高い他のアクセスポイント5を、チャネル毎に特定し、アクセスポイント2に好適なチャネルを選択する。すなわち、第3の実施形態では、複数のチャネルのそれぞれについて、チャネルに対する影響が相対的に高い他のアクセスポイント(ドミナントアクセスポイント)の電波強度を選択し、当該選択された電波強度と同時に測定された他のアクセスポイント5の電波強度に基づいて複数のチャネルのそれぞれにおける他のアクセスポイント5の電波強度を推定する点で第1の実施形態と異なり、その他の点では同じである。第3の実施形態では、複数のチャネルのそれぞれに対して強く影響を与えている他のアクセスポイント5を基準として干渉度を算出し、当該干渉度に基づいて最適なチャネルを選択することができる。
【0082】
第3の実施形態の電波強度選択部242は、複数のチャネルのそれぞれについて、チャネルに対する影響が相対的に高い他のアクセスポイント5の電波強度を選択する。具体的には、電波強度選択部242は、複数のチャネルのそれぞれについて、チャネルに対する電波強度が最も高い他のアクセスポイント5の電波強度を選択する。例えば、電波強度選択部242は、
図5に示す電波強度情報を参照し、チャネル「1」に対する影響が相対的に高い他のアクセスポイント5の電波強度を選択する。チャネル「1」に対して最も影響力が高い他のアクセスポイント5は、ESSIDが「OtherAP6」のアクセスポイントであり、電波強度は「−65」である。
【0083】
なお、電波強度選択部242は、複数のチャネルのそれぞれについて、チャネルに対する電波強度が最も高い他のアクセスポイント5の電波強度を選択する代わりに、端末1で同時に測定されたアクセスポイント2の電波強度に対して当該他のアクセスポイント5の電波強度を減算したときの値が最小となる他のアクセスポイント5の電波強度を選択してもよい。
【0084】
続いて、電波強度推定部243は、複数のチャネルのそれぞれについて、選択された電波強度と同時に測定されたアクセスポイント2の電波強度に対応する他のアクセスポイント5の電波強度、及びチャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度に基づいて、チャネルにおける他のアクセスポイント5それぞれの電波強度を推定する。
【0085】
例えば、電波強度選択部242は、
図5に示す電波強度情報を参照し、チャネル「1」に対する影響が相対的に高いESSIDが「OtherAP6」のアクセスポイントと同時に測定された他のアクセスポイント5の電波強度を特定する。ここで、ESSIDが「OtherAP6」のアクセスポイントの電波強度「−65」と同時に測定された他のアクセスポイント5は、ESSIDが「OtherAP4」のアクセスポイント、及びESSIDが「OtherAP5」のアクセスポイントである。
【0086】
ESSIDが「OtherAP4」のアクセスポイントの電波強度は「−50」であり、チャネルが「13」であることから、チャネル「1」における「OtherAP4」のアクセスポイントの電波強度は、影響度「−100」を加算して「−150」と推定される。また、ESSIDが「OtherAP5」のアクセスポイントの電波強度は「−60」であり、チャネルが「4」であることから、チャネル「1」における「OtherAP5」のアクセスポイントの電波強度は、影響度「−10」を加算して「−70」と推定される。
【0087】
また、ESSIDが「OtherAP1」、「OtherAP2」、「OtherAP3」は、同時に測定されていないため、電波強度はそれぞれ「−100」と推定される。さらに、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度を加算し、チャネル「1」における「OtherAP1」のアクセスポイントの電波強度は「−200」、「OtherAP2」のアクセスポイントの電波強度は「−105」、「OtherAP3」のアクセスポイントの電波強度は「−200」と推定される。
【0088】
なお、電波強度選択部242は、選択された電波強度と同時に測定されたアクセスポイント2の電波強度に対応する他のアクセスポイント5の電波強度を特定することに限らず、選択された電波強度と同時に測定されたアクセスポイント2の電波強度から所定範囲以内(例えば、3dBm以内)の電波強度に対応する他のアクセスポイント5の電波強度を特定してもよい。
【0089】
算出部244は、一のチャネルにおいて、全ての他のアクセスポイント5の電波強度が推定されたことに応じて干渉度を算出する。例えば、算出部244は、(1)式に基づいて干渉度を算出する。
【0090】
なお、算出部244は、全てのチャネルに対応する他のアクセスポイント5のそれぞれの電波強度が推定されたことに応じて、複数のチャネルのそれぞれの干渉度を算出してもよい。
チャネル選択部245は、複数のチャネルそれぞれの干渉度を示す値(CIR−RSSI_0)が最も高いチャネルを選択する。
【0091】
図11は、第3の実施形態に係る電波強度推定部243により推定された複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5の電波強度、及び算出部244により算出された干渉度を示す図である。
図11では、チャネル「1」のCIR−RSSI_0が最も大きいことから、アクセスポイント2に対する他のアクセスポイント5の干渉度合いがチャネル「1」において最も小さいことが確認できる。よって、チャネル選択部245は、チャネル「1」を選択する。
【0092】
[チャネルの選択に係るフローチャート]
続いて、アクセスポイント2によってチャネルを選択するまでの処理の流れについて説明する。
図12は、第3実施形態に係るアクセスポイント2において、チャネルを選択するまでの処理の流れを示すフローチャートである。ここで、記憶部23には、取得部241によって電波強度情報が記憶されているものとする。
【0093】
まず、電波強度選択部242は、他のアクセスポイント5の電波強度を電波強度情報から取得する(S21)。
続いて、電波強度選択部242は、チャネルを1つ選択し(S22)、選択したチャネルに対する電波強度が最も高い他のアクセスポイント5の電波強度を選択する(S23)。続いて、電波強度推定部243は、残りの他のアクセスポイント5の電波強度を推定する(S24)。
算出部244は、推定した電波強度に基づいて選択したチャネルの干渉度を算出する(S25)。
【0094】
続いて、電波強度選択部242は、算出部244が全てのチャネルで干渉度を算出したか否かを判定する(S26)。電波強度選択部242は、全てのチャネルで干渉度を算出したと判定すると、S27に処理を移し、全てのチャネルで干渉度を算出していないと判定すると、S22に処理を移す。
チャネル選択部245は、複数のチャネルそれぞれの干渉度を示す値(CIR−RSSI_0)が最も高いチャネルを選択する(S27)。
【0095】
[第3の実施形態における効果]
以上、第3の実施形態の電波強度選択部242は、複数のチャネルのそれぞれについて、チャネルに対する電波強度が最も高い他のアクセスポイント5の電波強度を選択し、選択された電波強度と同時に測定されたアクセスポイント2の電波強度に対応する他のアクセスポイント5の電波強度、及びチャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度に基づいて、チャネルにおける他のアクセスポイント5それぞれの電波強度を推定する。このようにすることで、アクセスポイント2は、複数のチャネルのそれぞれについて、最も干渉が起こりやすい地点の干渉度を算出し、当該干渉度に基づいて最適なチャネルを選択することができる。
【0096】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部または一部について、種々の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、本実施形態に記載されたアクセスポイント2の制御部24が備える機能を、無線LANのアクセスポイントとは異なる他の装置に実装させるようにしてもよい。ここで、他の装置は、例えば、自身をアクセスポイントとして機能させるテザリング機能を有するスマートフォンやタブレット等の携帯端末であってもよい。また、携帯端末と、アクセスポイントとが存在している場合、携帯端末が、電波強度の測定結果を保持し、当該電波強度に基づいてチャネルを選択し、チャネルの変更を指示する指示情報を当該アクセスポイントに送信するようにしてもよい。