特許第6232317号(P6232317)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232317
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】流体供給ノズル
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/24 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
   A01G9/24 X
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-42381(P2014-42381)
(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公開番号】特開2015-167481(P2015-167481A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2015年10月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】三宅 博久
(72)【発明者】
【氏名】坂 幸憲
【審査官】 大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−035545(JP,U)
【文献】 実開昭48−069728(JP,U)
【文献】 特開平01−144908(JP,A)
【文献】 実開昭62−062855(JP,U)
【文献】 特開平11−173467(JP,A)
【文献】 実開昭50−077360(JP,U)
【文献】 実開昭53−123042(JP,U)
【文献】 国際公開第95/010177(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/14−9/26、25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
栽培対象植物に向けて流体としての炭酸ガスのみ又は炭酸ガスと空気との混合ガスを供給するために用いられるとともに前記流体が流通する流通経路を内部に有するノズル本体を備えた流体供給ノズルであって、
前記ノズル本体は、
前記流通経路から前記栽培対象植物に向けての前記流体の前記ノズル本体の長手方向に沿った排出を許容する開口部を有する開口形成部材と、
前記流体に含まれる異物を捕捉する濾材とを有し、熱可塑性樹脂からなる濾材及び樹脂からなる開口形成部材を重ね合わせた状態で円筒状に巻いて、加熱、硬化させたものであり、
前記ノズル本体における長手方向の両端には、前記流体の給排出を許容する取付部材がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする流体供給ノズル。
【請求項2】
前記ノズル本体における前記開口形成部材と前記流通経路との間には介在部材が介在されており、
前記介在部材の一部が前記開口部に臨んでおり、
前記開口形成部材と前記介在部材との間には、前記流通経路と前記開口部とを連通させる迂回路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の流体供給ノズル。
【請求項3】
前記開口部は、前記ノズル本体の長手方向に沿って延びるスリットであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体供給ノズル。
【請求項4】
前記ノズル本体は円筒状であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の流体供給ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内で植物を栽培する際に用いられる流体供給ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
室内で植物を栽培する際に用いられる植物栽培装置として、例えば特許文献1のものがある。特許文献1の植物栽培システムは、栽培対象植物が設置される設置部が上下方向に複数段形成された収納棚と、収納棚に対する給水及び収納棚からの排水を行う給排水ホースと、栽培対象植物の上方に配置される植物栽培装置とを備えている。
【0003】
植物栽培装置は、栽培対象植物が配置された列に沿って延びる本体部を有する。本体部の下方側領域のうち栽培対象植物と対向する領域には、複数の光源が設けられている。各光源からは、栽培対象植物の光合成に必要な所定波長の光が栽培対象植物に向けて照射される。さらに、本体部には、冷却媒体を流通させる冷却経路が設けられている。冷却経路は、本体部において、光源が設けられた領域と隣接する領域を長手方向に沿って貫通するように設けられている。そして、冷却経路を流通する冷却媒体により光源及びその周辺が冷却され、光源による光の照射に伴い、光源及びその周辺の温度が上昇してしまうことが抑制される。
【0004】
また、本体部には、二酸化炭素を含む栽培媒体(流体)を排出して栽培対象植物へと栽培媒体を供給する供給経路が設けられている。供給経路は、本体部の下方領域のうち光源を挟んだ一方又は両方の領域を長手方向に沿って延びるように設けられた管状の部材である。供給経路は、長手方向に沿って形成された排出口を少なくとも一つ有する。そして、供給経路の内部空間に栽培媒体を流通させることにより、排出口から栽培媒体が排出される。これにより、栽培対象植物それぞれに対して個別に栽培媒体が供給されるため、大規模且つ高価な空調装置が必要無く、栽培対象植物に適した環境(二酸化炭素濃度等)への調整が容易なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−106600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような植物栽培装置においては、例えば、長手方向に沿って延びるように設けられた管状の部材である供給経路に、長手方向に沿って複数の排出口を設けるとともに、各排出口から栽培媒体を排出させると、供給経路における栽培媒体の供給口側と、供給経路における供給口から離れた側とで、供給経路の圧力分布が不均一となる。よって、全ての排出口で均一な流量の栽培媒体を供給することが困難なものとなる。さらに、孔状の排出口であると、栽培媒体が放射状に排出されるために、栽培空間の場所により栽培媒体の濃度が異なってしまう。また、栽培媒体に塵等の異物が含まれていると、栽培対象植物に異物が付着してしまう。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、流体と共に異物が排出されてしまうことを抑制しつつも、流体が長手方向で不均一に排出されることを抑制することができる流体供給ノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する流体供給ノズルは、栽培対象植物に向けて流体としての炭酸ガスのみ又は炭酸ガスと空気との混合ガスを供給するために用いられるとともに前記流体が流通する流通経路を内部に有するノズル本体を備えた流体供給ノズルであって、前記ノズル本体は、前記流通経路から前記栽培対象植物に向けての前記流体の前記ノズル本体の長手方向に沿った排出を許容する開口部を有する開口形成部材と、前記流体に含まれる異物を捕捉する濾材とを有し、熱可塑性樹脂からなる濾材及び樹脂からなる開口形成部材を重ね合わせた状態で円筒状に巻いて、加熱、硬化させたものであり、前記ノズル本体における長手方向の両端には、前記流体の給排出を許容する取付部材がそれぞれ取り付けられている。
【0009】
上記流体供給ノズルにおいて、前記ノズル本体における前記開口形成部材と前記流通経路との間には介在部材が介在されており、前記介在部材の一部が前記開口部に臨んでおり、前記開口形成部材と前記介在部材との間には、前記流通経路と前記開口部とを連通させる迂回路が形成されていることが好ましい。
【0010】
上記流体供給ノズルにおいて、前記開口部は、前記ノズル本体の長手方向に沿って延びるスリットであることが好ましい。
上記流体供給ノズルにおいて、前記ノズル本体は円筒状であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、流体と共に異物が排出されてしまうことを抑制しつつも、流体が長手方向で不均一に排出されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態における植物栽培システムの全体を示す模式図。
図2】流体供給ノズルの縦断面図。
図3】流体供給ノズル及び取付部材の平面図。
図4】(a)は取付部材の正面図、(b)は図4(a)の4−4線断面図。
図5】第2の実施形態における流体供給ノズルの縦断面図。
図6】第3の実施形態における流体供給ノズルの縦断面図。
図7】(a)は別の実施形態における開口形成部材を示す縦断面図、(b)は構成部材を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、室内で植物を栽培する際に用いられる流体供給ノズルを具体化した第1の実施形態を図1図4にしたがって説明する。
【0014】
図1に示すように、植物栽培システム10は、複数の栽培対象植物11が設置される培地12と、栽培対象植物11の上方に配置される複数の光源14及び複数の流体供給ノズル15とを備えている。培地12には、複数の栽培対象植物11が第1方向(図1に示す矢印Yの方向)に沿って並ぶように配置されている。そして、第1方向に沿って並んだ複数の栽培対象植物11から構成される群が、第1方向に対して直交する第2方向(図1に示す矢印Xの方向)に複数配列されている。
【0015】
各光源14は、栽培対象植物11の上方に配置されるとともに、その長手方向が第1方向に沿って延びている。本実施形態では、各光源14は、例えば発光ダイオード(LED)からなる。各光源14からは、栽培対象植物11の光合成に必要な所定波長の光が栽培対象植物11に向けて照射される。
【0016】
各流体供給ノズル15は、栽培対象植物11の上方に配置されるとともに、その長手方向が第1方向に沿って延びている。流体供給ノズル15及び光源14は、第2方向において交互に配列されている。本実施形態では、各流体供給ノズル15からは、炭酸ガス(二酸化炭素)と空気(冷却媒体)とが混合されたガス(流体)である栽培媒体が排出される。
【0017】
図2に示すように、流体供給ノズル15は、栽培媒体が流通する流通経路16を内部に有する円筒状のノズル本体17を備える。流通経路16は、ノズル本体17の中心軸線Lが延びる方向(ノズル本体17の軸方向)に沿って延びている。ノズル本体17は、流通経路16から栽培対象植物11に向けて栽培媒体の排出を許容する開口部としてのスリット18aを有する開口形成部材18と、栽培媒体に含まれる塵等の異物を捕捉する円筒状の濾材19とから構成されている。
【0018】
濾材19は、材料として、例えば、熱可塑性樹脂であるポリオレフィンからなる帯状の不織布を用いて形成されている。濾材19の目の大きさは、栽培媒体に含まれる塵等の異物が通過できない大きさであるとともに、栽培媒体が通過できる大きさになっている。開口形成部材18は濾材19の内側に設けられている。開口形成部材18は、材料として、例えば、樹脂からなる帯状のシートを用いて形成されている。ノズル本体17は、濾材19となる不織布及び開口形成部材18となるシートを重ね合わせた状態で円筒状に巻いて加熱し、硬化させることで形成されている。よって、開口形成部材18と濾材19とは互いに密着している。なお、開口形成部材18は、ノズル本体17の周方向においてスリット18aが形成されるようにシートが巻かれて形成される。
【0019】
図3に示すように、開口形成部材18及び濾材19におけるノズル本体17の長手方向の長さは同じになっている。よって、スリット18aは、ノズル本体17の長手方向に沿ってノズル本体17の長手方向全体に亘って延びており、ノズル本体17の長手方向に沿った栽培媒体の排出を許容する。ノズル本体17における長手方向の両端には、ブロック状の取付部材20がそれぞれ取り付けられている。各取付部材20には、取付孔20aが貫通形成されている。取付孔20aは、室内に設けられた図示しない取付部に各取付部材20を取り付けるために用いられる。
【0020】
図4(a)及び(b)に示すように、各取付部材20の一端面には、ノズル本体17における長手方向の両端部がそれぞれ嵌め込まれる嵌合凹部20bが形成されている。嵌合凹部20bは正面視円状である。そして、ノズル本体17における長手方向の両端部が各嵌合凹部20bに嵌め込まれることで、ノズル本体17における長手方向の両端部に取付部材20がそれぞれ取り付けられている。ノズル本体17は、ノズル本体17における長手方向の両端部が嵌合凹部20bにそれぞれ嵌合された状態で、ノズル本体17の中心軸線Lを回転中心として回転可能になっている。各取付部材20の他端面には、嵌合凹部20bの内部に連通する円孔状の給気口20cが形成されている。各給気口20cには、栽培媒体の供給源(図示せず)が接続されている。そして、栽培媒体は、供給源から各給気口20cを介して流通経路16内に供給される。
【0021】
次に、第1の実施形態の作用について説明する。
図2に示すように、流通経路16内の栽培媒体は、開口形成部材18の内面によってスリット18aに向けて案内される。そして、濾材19を通過する際に、栽培媒体に含まれる塵等の異物が濾材19により捕捉される。さらに、栽培媒体が濾材19を通過する際に、濾材19が栽培媒体の流れの抵抗になるため、栽培媒体の流れの勢いが抑えられ、流通経路16内の圧力分布が長手方向で均一化され易い。よって、例えば、スリット18aから排出される栽培媒体が濾材19を通過しない場合に比べると、スリット18aから栽培媒体が長手方向で不均一に排出されることが抑制されている。そして、濾材19を通過した栽培媒体は、栽培対象植物11に向かって一定の方向に緩やかに排出されるとともに栽培対象植物11に対して供給され、栽培対象植物11に適した環境(二酸化炭素濃度等)に調整される。
【0022】
また、栽培媒体は、冷却媒体である空気を含んでいるため、各光源14及びその周辺は栽培媒体によって冷却される。よって、各光源14による光の照射に伴い、各光源14及びその周辺の温度が上昇してしまうことが抑制されている。
【0023】
第1の実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)流体供給ノズル15は、流通経路16を内部に有するノズル本体17を備える。ノズル本体17は、スリット18aを有する開口形成部材18と、濾材19とから構成されている。これによれば、流通経路16内の栽培媒体は、開口形成部材18の内面によってスリット18aに向けて案内されるとともに、濾材19を通過する際に、栽培媒体に含まれる塵等の異物が濾材19により捕捉される。さらに、栽培媒体が濾材19を通過する際に、濾材19が栽培媒体の流れの抵抗になるため、栽培媒体の流れの勢いが抑えられ、流通経路16内の圧力分布が長手方向で均一化され易い。よって、例えば、スリット18aから排出される栽培媒体が濾材19を通過しない場合に比べると、スリット18aから栽培媒体が長手方向で不均一に排出されることを抑制することができる。したがって、栽培媒体と共に異物が排出されてしまうことを抑制しつつも、栽培媒体が長手方向で不均一に排出されることを抑制することができる。
【0024】
(2)開口形成部材18は、ノズル本体17の長手方向に沿って延びるスリット18aを有する。これによれば、スリット18aからノズル本体17の長手方向に沿って延びるように栽培媒体を排出することができるため、ノズル本体17の長手方向において、栽培媒体を均等に栽培対象植物11に対して供給することができる。
【0025】
(3)ノズル本体17が円筒状である構成は、例えば、ノズル本体17が四角筒状である構成と比べると、ノズル本体17を、その中心軸線Lを回転中心として回転させ易い。よって、ノズル本体17を回転させることで、スリット18aからの栽培媒体の排出方向を変更させることを容易に行うことができる。
【0026】
(4)本実施形態の流体供給ノズル15を用いることで、流体供給ノズル15に対応した複数の栽培対象植物11から構成される群それぞれに栽培媒体を供給し易くすることができるため、大規模且つ高価な空調装置が必要無く、さらには、栽培対象植物11に供給されずに室内に拡散される無駄な栽培媒体の量を減らすことができる。
【0027】
(5)本実施形態によれば、例えば、開口形成部材18に、開口部として円孔状の排出孔を形成し、排出孔から栽培媒体を排出する場合に比べると、幅広い空間であるスリット18aから栽培媒体が排出されるため、栽培媒体が大気に排出される際に生じる断熱膨張が起こり難い。よって、断熱膨張による温度変化により、周囲の空気が冷やされて結露が発生してしまうことを抑制することができる。
【0028】
(第2の実施形態)
以下、室内で植物を栽培する際に用いられる流体供給ノズルを具体化した第2の実施形態を図5にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0029】
図5に示すように、開口形成部材18は濾材19の外側に設けられている。ノズル本体17Aにおける開口形成部材18と流通経路16との間には、ノズル本体17Aの長手方向全体に亘って延びる介在部材21が介在されている。介在部材21は濾材19の内側に設けられるとともに、濾材19の内面に沿って弧状に湾曲している。介在部材21は、材料として、例えば、樹脂からなる帯状のシートを用いて形成されている。ノズル本体17Aは、濾材19となる不織布と、開口形成部材18及び介在部材21となるシートとを重ね合わせた状態で円筒状に巻いて加熱し、硬化させることで形成されている。よって、開口形成部材18及び介在部材21と濾材19とは互いに密着している。
【0030】
介在部材21の一部は、濾材19を介してスリット18aに臨んでいる。また、介在部材21におけるノズル本体17Aの周方向両端部の外面は、開口形成部材18におけるスリット18a周りの内面と重なり合っている。そして、開口形成部材18におけるスリット18a周りの内面と、介在部材21におけるノズル本体17Aの周方向両端部の外面との間には、迂回路22がそれぞれ形成されている。各迂回路22は、スリット18aからノズル本体17Aの周方向両側にそれぞれ延びるとともに流通経路16とスリット18aとを連通させる。各迂回路22内には、濾材19の一部が配置されている。
【0031】
次に、第2の実施形態の作用について説明する。
栽培媒体が流通経路16内から各迂回路22に向かって流れて、各迂回路22を通過する際に流れが妨げられるため、栽培媒体の流れが長手方向に対して整流される。さらに、栽培媒体が濾材19を通過する際に、濾材19が栽培媒体の流れの抵抗になるため、栽培媒体の流れの勢いが抑えられる。よって、スリット18aから栽培媒体が長手方向で不均一に排出されることが抑制されている。そして、濾材19を通過した栽培媒体は、栽培対象植物11に向かって一定の方向に緩やかに排出されるとともに栽培対象植物11に対して供給される。
【0032】
したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)と同様の効果に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(6)ノズル本体17Aにおける開口形成部材18と流通経路16との間に介在部材21を介在し、開口形成部材18と介在部材21との間に、流通経路16とスリット18aとを連通させる迂回路22を形成した。これによれば、栽培媒体が迂回路22を通過する際に流れが妨げられるため、栽培媒体の流れが長手方向に対して整流される。よって、スリット18aから栽培媒体が長手方向で不均一に排出されることをさらに抑制し易くすることができる。
【0033】
(第3の実施形態)
以下、室内で植物を栽培する際に用いられる流体供給ノズルを具体化した第3の実施形態を図6にしたがって説明する。
【0034】
図6に示すように、介在部材21Aは、スリット23を有する円筒状に形成されている。介在部材21Aは、ノズル本体17Bの長手方向全体に亘って延びている。介在部材21Aは濾材19の内側に設けられている。介在部材21Aは、材料として、例えば、樹脂からなる帯状のシートを用いて形成されている。介在部材21Aのスリット23は、ノズル本体17Bの長手方向全体に亘って延びるとともに、開口形成部材18のスリット18aに対して、ノズル本体17Bの周方向においてずれた位置に配置されている。ノズル本体17Bは、濾材19となる不織布と、開口形成部材18及び介在部材21Aとなるシートとを重ね合わせた状態で円筒状に巻いて加熱し、硬化させることで形成されている。よって、開口形成部材18及び介在部材21Aと濾材19とは互いに密着している。
【0035】
介在部材21Aの一部は、濾材19を介してスリット18aに臨んでいる。また、介在部材21Aにおける濾材19を介してスリット18aに臨んでいる部位を除く外面は、開口形成部材18の内面と重なり合っている。そして、介在部材21Aの外面及び開口形成部材18の内面における互いに重なり合っている部位同士の間には、スリット18aからノズル本体17Bの周方向両側にそれぞれ延びるとともに流通経路16とスリット18aとを連通させる迂回路22Aがそれぞれ形成されている。各迂回路22A内には、濾材19の一部が配置されている。
【0036】
したがって、第3の実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)及び第2の実施形態の効果(6)と同様の効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
【0037】
図7(a)に示すような筒状の開口形成部材18と、図7(b)に示すような円筒状の濾材19の内側に介在部材21が一体化された構成部材30とを組み合わせることで、ノズル本体17Aを形成してもよい。開口形成部材18は、構成部材30の外側に設けられる。これによれば、例えば、開口形成部材18を構成部材30に対して回転させることで、迂回路22の形状や流路長さ等を変更させることができる。
【0038】
・ 上記各実施形態において、開口形成部材18に、開口部として、スリット18aの代わりに、円孔状の排出孔を開口形成部材18の長手方向に沿って並ぶように複数形成してもよい。
【0039】
・ 上記各実施形態において、ノズル本体17,17A,17Bが、例えば、四角筒状や三角筒状であってもよい。
・ 上記各実施形態において、スリット18aが、ノズル本体17,17A,17Bの長手方向全体に亘って延びていなくてもよく、例えば、ノズル本体17,17A,17Bの長手方向の両端部の手前まで延びるように形成されていてもよい。
【0040】
・ 上記各実施形態において、各流体供給ノズル15は、その長手方向が第2方向に沿って延びるように配置されていてもよい。
・ 上記各実施形態において、各流体供給ノズル15からは、例えば、流体としての炭酸ガス(二酸化炭素)のみが排出される構成であってもよい。この場合、各光源14による光の照射に伴い、各光源14及びその周辺の温度が上昇してしまうことを抑制するために、空気を排出可能な空調装置を別途設けるのが好ましい。
【0041】
・ 上記各実施形態において、各流体供給ノズル15からは、例えば、殺菌作用を持つ流体等の植物栽培上有益となる流体が排出される構成であってもよい。
・ 上記各実施形態において、開口形成部材18の材料として、例えば、金属からなる帯状のシートを用いてもよい。
【0042】
・ 第2及び第3の実施形態において、介在部材21,21Aの材料として、例えば、金属からなる帯状のシートを用いてもよい。
・ 第2及び第3の実施形態において、介在部材21,21Aが、濾材19に埋設されていてもよい。
【0043】
・ 上記各実施形態において、開口形成部材18が、濾材19に埋設されていてもよい。
・ 第1の実施形態において、開口形成部材18が、濾材19の外側に設けられていてもよい。
【0044】
・ 上記各実施形態において、濾材19の材料として、ポリオレフィン以外の樹脂を用いてもよい。
・ 上記各実施形態において、濾材19は円筒状でなくてもよい。例えば、流通経路16とスリット18aとの間のみに濾材が配設されていてもよい。
【0045】
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記開口形成部材及び前記濾材は樹脂により形成されている。
(ロ)前記ノズル本体は、帯状の前記濾材及び前記開口形成部材を重ねて筒状に巻くことで形成されている。
【0046】
(ハ)前記ノズル本体は、筒状の前記開口形成部材と、筒状の前記濾材の内側に前記介在部材が一体化された構成部材とを組み合わせることで形成されている。
【符号の説明】
【0047】
11…栽培対象植物、15…流体供給ノズル、16…流通経路、17,17A,17B…ノズル本体、18…開口形成部材、18a…開口部としてのスリット、19…濾材、21,21A…介在部材、22,22A…迂回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7