【実施例1】
【0016】
本発明に係るベランダの排水管用飛散防止装置1は、
図1(A),(B)に示すように、ベランダ8の排水管10に被嵌させる排水用の飛散防止装置であって、前記排水管10の下部10aに被嵌されるとともに、前記排水管10に対して上下方向に移動自在な筒体2がある。
【0017】
前記排水管10の任意の位置に着脱自在に固定される留め具3がある。また、前記筒体2の上端部に一端側の端部が固着され他端側の端部が前記留め具3に固着され、前記筒体2と前記留め具3とを連結して一体にする所要長さの連結部材4,4がある。
【0018】
前記排水管10の任意の位置に着脱自在に固定されるものであって、前記筒体2および前記留め具3の、前記排水管10に対する移動を阻止するストッパー5があり、これらから当該排水管用飛散防止装置1が構成される。
【0019】
前記排水管用飛散防止装置1の各構成部品について、詳細に説明する。前記筒体は、
図1に示すように、排水管10の外側に、若干の隙間を有して、被せられるステンレス製であって前記排水管10と同形状の筒体である。ここでステンレス製としたのは、錆び防止のためである。
【0020】
更に、前記筒体2の長さは、ベランダ8の床面と排水管10の下端との間の離隔寸法に対応した長さである。例えば、基の排水管10の下端から上に300mm程度切断しているので、少なくとも、その切断寸法分をまかなうだけの長さにした筒体2であれば良い。
【0021】
前記留め具3は、ステンレス製で二つ割りのリング状の分割体であって、
図2(A)に示すように、そのうちの一つの分割体に前記連結部材4,4の他端側の端部が、溶接などの固着手段で固着されている。
【0022】
この留め具3の内径の大きさは、排水管10の外径に対応して、若干大きい内径にしておくものである。留め具3に径方向に突出したフランジ部があって、そのフランジ部にボルト6a・ナット6b用の貫通孔が設けられている。
【0023】
また、対向するフランジ同士の間に若干の隙間があって、前記ボルト6a・ナット6bで締め付けられて、排水管10に留め具3が固定されるようになっている。尚、この実施例に限定されることなく、バネ性のある一体金物など、他の公知の留め具であっても良い。
【0024】
前記二分割体の留め具3は、ボルト6aとナット6bとで締結され、前記ナット6bは手で締め付けられるように蝶ナット6bである。手で蝶ナット6bを弛緩できて、留め具3の着脱や、少し緩めて上下移動させる際に、取り扱いやすくなるものである。
【0025】
前記連結部材4、4は、
図1及び
図3に示すように、前記筒体2と留め具3とを連結して、一体にするものである。実施例では筒体2および留め具3の周方向に対向配置にした、2本の連結部材4によって連結しているが、更に、3本以上でも良い。
【0026】
この連結部材4は、ステンレス製であって、所望幅で、その長さは、例えば、300mm程度で、排水管10を切断した長さ+α程度である。特にその長さを特定するものではない。
【0027】
前記ストッパー5は、
図1および
図3に示すように、前記留め具3とほぼ同じ構成であって、前記排水管10に取り付け固定する、ステンレス製で二つ割りのリング状の分割体である。
【0028】
このストッパー5は、
図1に示すように、排水管10に取り付けた筒体2と留め具3の間で、該排水管10に取り付け固定した状態で、前記連結部材4の内側に配設されるものである。
【0029】
図3に示すように、前記ストッパー5の分割体を、ボルト7a、ナット7bで固定するために、分割体の両端部に径方向に突出したフランジ部5a,5bがあり、そのフランジ部5a,5bにボルト挿通用の貫通孔が設けられている。なお、前記ット7bを、前記留め具3の場合と同様に、蝶ナットにして、手で容易に弛緩できるようにしても良い。
【0030】
そして、このフランジ部5a,5bがあることで、排水管10を上下移動する前記留め具3の一部が前記フランジ部5a,5bに衝突して、当該留め具3の下方向への移動が阻止され、同様に、筒体2の上方向への移動が阻止される。
【0031】
前記ストッパー5は、例えば、
図1(A)に示すように、夏季の場合、排水管用飛散防止装置1の留め具3の直ぐ下位置に近接させて、排水管10に取り付けて固定する。そして、夏季から冬季を通してその取り付け位置のままにして、当該ストッパー5は排水管10に固定されるものである。
【0032】
前記排水管用飛散防止装置1の、筒体2、留め具3、連結部材4およびストッパー5は、ステンレス製であり、防錆対策としている。また、そのようにすることで、外観上の見栄えも良い。これに限らず、排水管用飛散防止装置1全体を、他の金属製としたり、硬質の合成樹脂製としたりすることもできる。
【0033】
以上の様に構成されるベランダの排水管用飛散防止装置1を使用するには、
図1(a),(b)に示すように、留め具3の一つの分割体と、該分割体に固着されている連結部材4と、筒体2とを、前記筒体2の上部開口を排水管10の下部10aに下方から差し込んで、前記留め具3の一つの分割体を排水管10外周面に当接させる(留め具3を最初からリング状に形成すると、筒体2が排水枡9に衝突して、取り付けできないことがある)。
【0034】
更に、ストッパー5を排水管10と前記連結部材4との間に差し込んで、ボルト7a,ナット7bでリング状にして仮止めする。そして、
図1(A)に示す夏季状態の位置で、前記ボルト7a,ナット7bを締め込んで排水管10にストッパー5を位置固定する。
【0035】
前記留め具3の一つの分割体に他の分割体をボルト6a、蝶ナット6bで締め込んでリング状に形成して、排水管10に位置固定する。このようにして、排水管10に排水管用飛散防止装置1を取り付ける。
【0036】
尚、上記取り付け手順に限定せず、ストッパー5を、
図1(A)に示す位置を設定して、そこに予めボルト7a,ナット7bで取り付けて固定しておいて、その後に、留め具3の一つの分割体と、連結部材4及び筒体2を取り付けるようにしても良い。
【0037】
その後、使用に当たっては、
図4に示すように、夏季において、留め具3の位置をストッパー5に当たるまで下げて、その位置で蝶ナット6bを手で回してボルト6aに締め込んで、当該留め具3を排水管10に止める。
【0038】
図1(A),
図4に示すように、筒体2は下がった位置で配設されて、排水管10の下部10aから排水枡9へと水を中継して案内する。前記下部10aから下に垂設される筒体2によって、前記筒体2の下端の位置と、排水枡9との距離が近いので、風が吹いても、階下にまで水が飛散することが無い。
【0039】
また、冬季には、
図5に示すように、排水管用飛散防止装置1の前記筒体2を上方へと上げる。これにより、ベランダ8の排水枡9と排水管10の下部10aとの間に、約300mm程の距離が空いており、配管10からの氷が前記排水枡9へと繋がることも無い。こうして、冬季においても、排水管10からの排水機能が確保される。