特許第6232348号(P6232348)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232348
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】設備案内装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/08 20090101AFI20171106BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20171106BHJP
   H04W 52/04 20090101ALI20171106BHJP
【FI】
   H04W88/08
   H04W84/12
   H04W52/04
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-153265(P2014-153265)
(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公開番号】特開2016-32177(P2016-32177A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2016年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 元一
【審査官】 羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−163793(JP,A)
【文献】 特開2009−124461(JP,A)
【文献】 米国特許第07840221(US,B1)
【文献】 特開2012−249336(JP,A)
【文献】 特開2002−021149(JP,A)
【文献】 特開2005−085187(JP,A)
【文献】 特開2014−072565(JP,A)
【文献】 特開2002−045402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LANの電波を利用した設備案内装置において、
案内対象の設備の状態によって前記無線LANのビーコン電波の送信電力を変化させるものから成り、
前記案内対象の前記設備が使用できるまでの時間が予測できる場合は前記無線LANのビーコン電波の送信電力を所定の電力から前記設備が使用できるまでの時間まで上昇し続け、前記設備が使用できる時間には前記無線LANのビーコン電波の送信電力を最大の電力とすること
を特徴とする設備案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載の設備案内装置において、
前記案内対象の前記設備が使用できない場合は前記無線LANのビーコン電波の送信を停止すること
を特徴とする設備案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線LANの電波を利用した設備案内装置に関し、特に案内する設備の利用可否状況をも案内することが可能な設備案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線LAN(Wi−Fi)等の電波を発信する装置においては、その装置が定期的に発射するビーコン信号にSSID(サービスセット識別子Service Set Identifier)が含まれている。無線LANを使用するユーザーは、無線LAN機能を持つ端末装置が前記ビーコン信号を受信し、ビーコン電波の強度によってSSIDを並べ変えて表示された結果を確認する事で、無線LAN装置の有無やその無線LAN装置と接続が可能であるかを判別していた。
【0003】
一方、無線LANの電波の到達方法を検知する技術が特許文献1に開示されており、これらの技術を組み合わせて設備に無線LAN装置を設け、設備の存在の報知とその設備の方向への案内を行なう事を可能としていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−123983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の案内を行なう技術においては、設備の存在の報知とその設備への方向の案内が可能であっても、その設備が現在使用可能か(使用可能、一時的に使用不可、故障や保守などにより使用不能)または現在使用可能では無いが今後使用可能となるかという情報は提供されていない。また、例えば上記設備の状況をSSIDの内容を変更することにより提供したとしても、一般に無線LAN機能を持つ端末装置においては、受信したSSIDを電波の強度が強い順に上位から表示する機能が一般的であり、SSIDの内容で並び替えを行なえるものではないため、多数の設備からの設備の情報を効率的に検索することは困難であった。
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、無線LANの電波を利用した設備案内装置において、簡易な方法でその設備の状況を伝達することを可能とする設備案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、無線LANの電波を利用した設備案内装置において、案内対象の設備の状態によって前記無線LANのビーコン電波の送信電力を変化させるものから成り、前記案内対象の前記設備が使用できるまでの時間が予測できる場合は前記無線LANのビーコン電波の送信電力を所定の電力から前記設備が使用できるまでの時間まで上昇し続け、前記設備が使用できる時間には前記無線LANのビーコン電波の送信電力を最大の電力とすることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記案内対象の設備が使用できない場合は前記無線LANの電波の送信を停止することを特徴とす
【0009】
記のように無線LAN装置から送信する電波の強度を設備の状態に関連付けて設備の案内を行なうことにより、使用可能な設備は、無線LAN機能を持つ端末装置のSSID一覧表示において現在位置から近い順により上位に表示され、存在するが現在利用できない設備はSSID一覧表示においてより下位に表示されることとなる。また、当面利用できない設備はSSID一覧には現れなくなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の設備案内装置をトイレやエレベーター等の状況によって使用できない、または使用可能となるまでに時間が掛かる可能性がある設備に設置して案内することにより、より近くでかつ待ち時間が少なく利用可能な設備を無線LAN機能を有する端末装置を所持したユーザーに案内することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の設備案内装置における設備の状態に応じた電波の強弱の変化を示すグラフである。
図2】本発明の実施例1の設備及び設備案内装置の構成を示す図である。
図3図2の状態における端末装置4のSSID表示画面を示す図である。
図4】本発明の実施例1の設備及び設備案内装置の構成を示す別の図である。
図5図4の状態における端末装置4のSSID表示画面を示す図である。
図6】本発明の実施例2の設備及び設備案内装置の構成を示す図である。
図7図6の状態における端末装置14のSSID表示画面を示す図である。
図8】本発明の実施例2の設備及び設備案内装置の構成を示す別の図である。
図9図8の状態における端末装置14のSSID表示画面を示す図である。
図10】昇降機Bが使用できない状態となった場合の端末装置14のSSID表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施例1]
本発明の実施例1における設備案内装置の動作について、図1を使用して説明する。
【0013】
図1は本発明の設備案内装置における設備の状態に応じた電波の強弱の変化を示すグラフである。通常案内を行なう対象の設備が利用可能である場合は、設備案内装置は最も強い送信電力で無線LANのビーコン電波を送信している(時刻TO〜T1)。ここで、当該の設備に利用者が入り一時的に使用できない状態となった場合は、設備案内装置は所定の弱さの送信電力で無線LANのビーコン電波を送信し、予め過去の利用状況で算出されている当該設備の平均利用時間(時刻T1〜T2)の間、徐々に送信電力を強めていく。当該設備が一時的に使用できない状態となった時間から平均利用時間が経過した後、または当該設備が再度利用可能になった時点で、設備案内装置は最も強い送信電力で無線LANのビーコン電波を送信する(時速T2〜)。
【0014】
一方、当該設備がメンテナンスや清掃で利用できない状況が継続する状況となったときは、設備案内装置はビーコン電波の発射を停止する(時刻T3〜T4)。メンテナンスや清掃が完了し、当該設備が再度利用可能になった時点で、設備案内装置は最も強い電力で無線LANのビーコン電波を発射する(時速T2〜)。
【0015】
図2は上記の設備案内装置をトイレ等の設備Aと設備Bとに導入した際の構成と電波の状況を表す図である。図2において、設備Aには設備案内装置5が設置されており、設備案内装置5からは無線LANのビーコン電波5aが定期的に発射されている。また、同様に設備Bには設備案内装置6が設置されており、設備案内装置6からは無線LANのビーコン電波6aが定期的に発射されている。
【0016】
ここで、設備Aよりは設備Bに近い場所に位置する利用者3が、無線LAN機能を有する端末装置4を使用して付近の無線LAN機器の状況を表示した場合、利用者3はより設備Bに近く、設備Bの設備案内装置6からのビーコン電波6aが設備Aの設備案内装置5からのビーコン電波5aよりも強いため、図3の端末装置4の画面4aに示すように設備BのSSID1を含む案内が上位に表示される。このことにより利用者3は、設備Bはすぐ利用可能と判断し、設備Bに入り待ち時間無く利用することが可能となる。
【0017】
一方、図4に示すように、設備Bが他人に使用されている場合、設備案内装置6からの無線LANのビーコン電波6aは図1に示すように一時弱くなる。この状態においては、設備Bの設備案内装置6からのビーコン電波6aが弱くなっているため、図5の端末装置4の画面4bに示すように、設備AのSSID2を含む案内が設備BのSSID1を含む案内より上位に表示される。このことにより利用者3は、設備Aがすぐ利用可能と判断し、設備Aを待ち時間無く利用することが可能となる。
【0018】
また、設備Bが他人に使用されている状況においても、設備Bの平均利用時間が経過する頃には設備Bの設備案内装置6からのビーコン電波6aが設備Aの設備案内装置6からのビーコン電波6aよりも再度強くなるため、利用者3は設備Bがもうすぐ利用可能と判断し、設備Bの前で待ち、より短い待ち時間で設備Bを利用することが可能となる。
【0019】
このように、各設備の利用状況によって各設備案内装置からの無線LANのビーコン電波の送信電力を変化させることにより、より効率的に各設備への案内を行なうことが可能となる。
【0020】
[実施例2]
図6は上記の設備案内装置を昇降機Aと昇降機Bとに導入した際の構成と電波の状況を表す図である。図6において、昇降機Aには設備案内装置15が設置されており、設備案内装置15からは無線LANのビーコン電波15aが定期的に発射されている。また、同様に昇降機Bには設備案内装置16が設置されており、設備案内装置16からは無線LANのビーコン電波16aが定期的に発射されている。
【0021】
ここで、昇降機Aよりは昇降機Bに近い場所に位置する車椅子利用者13が、無線LAN機能と技術文献1に示すような電波到達方向検知機能とを持つ端末装置14を使用して付近の無線LAN機器の状況を表示した場合、利用者3はより昇降機Bに近く、昇降機Bの設備案内装置16からのビーコン電波16aが昇降機Bの設備案内装置15からのビーコン電波15aよりも強いため、図7の端末装置14の画面14aに示すように、昇降機BのSSID1を含む案内が上位に表示される。また、電波到達方向検知機能によりビーコン電波16aの到達方向を検知し、図7の端末装置14の画面14aに示すように昇降機Bへの移動方向を表示することが可能となる。このことにより車椅子利用者13は、昇降機Bはすぐ利用可能と判断し、昇降機Bの方向に向かい待ち時間無く利用することが可能となる。
【0022】
一方、図8に示すように、昇降機Bが他人に使用されている場合や別の階床に停止している場合、設備案内装置16からの無線LANのビーコン電波16aは一時弱くなる。この状態においては、昇降機Bの設備案内装置16からのビーコン電波16aが弱くなっているため、図9の端末装置14の画面14bに示すように、昇降機AのSSID2を含む案内が設備BのSSID1を含む案内より上位に表示される。
【0023】
このことにより車椅子利用者13は、昇降機Aの方がすぐ利用可能と判断し、昇降機Aの方に向かい待ち時間無く利用することが可能となる。
【0024】
また、昇降機Bが点検中や保守作業中で当面使用できない状況においては、昇降機Bの設備案内装置16からのビーコン電波16aは停止するため、図10の画面14cに示すように昇降機AのSSID2を含む案内のみが表示される。
【0025】
このことにより車椅子利用者13は、昇降機Aのみが利用可能と判断し、昇降機Aの方向に向かい待ち時間無く利用することが可能となる。
【0026】
このように、各設備の利用状況によって各設備案内装置からの無線LANのビーコン電波の送信電力を変化させることにより、より効率的に各設備への案内を行なうことが可能となる。
【符号の説明】
【0027】
1 設備A
2 設備B
3 利用者
4 端末装置
4a、4b 示画面
備案内装置
5a ーコン電波
備案内装置
6a ーコン電波
11 昇降機A
12 昇降機B
13 車椅子利用者
14 末装置
14a、14b、14c 示画面
15 備案内装置
15a ーコン電波
16 備案内装置
16a ーコン電波
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10