(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のいくつかについて図面を参照しながら説明する。図面において、同一の部分には同一の参照番号を付し、その重複説明は適宜省略する。また、添付の図面は、それぞれ発明の説明とその理解を促すためのものであり、各図における形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所がある点に留意されたい。これらの相違点は、当業者であれば以下の説明と公知の技術を参酌して適宜に設計変更することができる。
【0008】
(A)基板収納容器
図1(a)〜(d)は、実施の一形態による基板収納容器の概略構成を示す図の例である。
図1(a)は本実施形態の基板収納容器の外観を示す斜視図であり、
図1(b)は
図1(a)のA−A切断線による断面図である。また、
図1(c)は本実施形態の基板収納容器の一運用例を示す斜視図であり、
図1(d)は
図1(c)のA−A切断線による断面図である。
【0009】
本実施形態のFOUP1は、基板収納部20と、蓋30と、筐体22,24と、弾性体26とを含む。基板収納部20は半導体ウェーハWを収納する。基板収納部20は、本実施形態において方形の立体形状を有し、方形の4つの側面のうちの一側面が開放されて開口OP20となっている。この開口OP20を介して半導体ウェーハWが基板収納部20内へ搬入され、または基板収納部20から搬出される。
【0010】
筐体22は、本実施形態において例えば第1の筐体に対応し、基板収納部20とほぼ同様の方形立体形状を有し、半導体ウェーハWの搬出方向に垂直な5つの方向から基板収納部20を覆うように設置される。筐体22の開口面の周縁には、弾性体26と筐体24を収納可能なスペースの空洞Vが形成されている。
【0011】
筐体24は、本実施形態において例えば第2の筐体に対応し、弾性体26に連結されて弾性体26と共に伸縮機構を構成する。基板収納部20を覆って筐体22の開口OP24を塞ぐように蓋30が取り付けられることにより筐体24は空洞V内に収納される。蓋30の取り付けにより、基板収納部20が封止され基板収納部20の内部は密閉空間となる。
【0012】
弾性体26の一端は空洞Vの奥側底面BSに取り付けられ、弾性体26の他端は筐体24の奥側の一面に固着されている。このため、蓋30が取り付けられる状態において、筐体24は、弾性体26による付勢を受けて蓋30の内周面に押圧した状態で空洞V内に収納される。
【0013】
本実施形態においては、弾性体26としてバネが用いられる。しかしながら、弾性体26はこれに限ること無く筐体24に付勢を与えられるものであれば、例えばゴムでもよい。
【0014】
本実施形態において、筐体24および弾性体26は例えば外気進入防止手段に対応する。
【0015】
次に、
図1(c)および
図1(d)を参照して本実施形態の基板収納容器1の一運用例について説明する。
【0016】
半導体ウェーハWが収納されたFOUP1は、例えば自動搬送車(図示せず)または人によって、図示しない製造装置に取り付けられている基板収納容器載置台(
図2参照)に搬送される。
【0017】
基板収納容器載置台(
図2参照)に設置されたFOUP1は、処理開始の際に収納容器載置台(
図2参照)上を製造装置の壁面に至るまで製造装置側に移動される(以下、この状態を「Dock状態」という)。
【0018】
FOUP1は、製造装置の壁面まで移動した後、製造装置側に設けられた蓋開閉装置(図示せず)により蓋30が開放される。
【0019】
蓋30が開放されると同時に、FOUP1に設置された筐体24は弾性体26から与えられた付勢により空洞V内で製造装置側へ摺動を開始する。筐体24は、
図1(c)に示す通り、筐体22の開口OP20の周縁を覆う枠状構造である。このため、弾性体26の伸長により、筐体24は任意の距離を移動して製造装置と接触する。筐体24の長さは1mm以上であり、FOUP1と製造装置間の隙間を塞ぐ。これにより、FOUP1内がクリーンルーム内の外気から遮断される。この状態でFOUP1内の半導体ウェーハWは製造装置内へ搬送され、処理が行われる。
【0020】
製造装置により半導体ウェーハWの処理が終了した後、製造装置側の蓋開閉装置(図示せず)によりFOUP1の蓋30が閉められる。その際、筐体24は蓋30を介して空洞V内へ任意距離だけ押し戻されることにより筐体22内に格納される。
【0021】
蓋30を閉められたFOUP1は、処理前に載置された位置まで収納容器載置台(図示せず)上を移動する(以下、この状態を「Undock状態」という)。元の位置に戻ったFOUP1は、次の処理工程の製造装置へ搬送される。
【0022】
上記実施形態では、筐体22内に空洞Vを設けて該空洞V内に伸縮機構を設置する態様について説明したが、遮蔽機構としてはこのような態様に限定されるものでは決して無い。筐体24が基板収納部20の外側に設置されてその摺動が半導体ウェーハWへ影響を及ぼさないように構成されるものであれば、例えば空間を隔てて基板収納部20を筐体22で覆い、この空間内に筐体22に伸縮機構を設けてもよい。
【0023】
以上述べた少なくとも一つの実施形態の基板収納容器によれば、蓋30の開放により生ずる外部の製造装置との空隙を遮蔽する弾性体26および筐体24を持つことにより、汚染された外気がFOUP内に入り込むことを防止することができる。
【0024】
(B)基板収納容器載置台
(1)実施形態1
図2は、実施形態1による基板収納容器載置台を示す図の例である。
図2(a)は本実施形態の基板収納容器載置台10の斜視図の一例であり、
図2(b)は
図2(a)のB−B切断線による断面図の一例である。
【0025】
図2(a)および(b)に示すように、本実施形態の基板収納容器載置台10は、基台60と、FOUPステージ駆動部56と、FOUPステージSと、ロードポート40と、遮蔽板50と、遮蔽板ステージ54と、モータMと、判定部70と、センサ72と、緩衝材76と、制御部52とを含む。
【0026】
FOUPステージSは、FOUPステージ駆動部56上に設けられ、その上面にてFOUP200を載置する。FOUPステージ駆動部56は、制御部52に接続され、制御部52から与えられる制御信号S2に従い、例えば半導体ウェーハWの搬出・搬入方向(X方向)にFOUPステージSを駆動する。
【0027】
ロードポート40は、外部の製造装置とのインタフェースをなし、本実施形態において、図示しない係合部材または嵌合部により取り外し可能な状態でステージ駆動装置56およびFOUP載置台60に固定される。ロードポート40の表面領域中、FOUP200の開口OP360に対応する位置には、蓋30の開閉に応じて作動する扉(図示せず)が取り付けられている。
【0028】
遮蔽板50は、FOUP200の外周面を覆うことができるサイズの中空枠体で構成され、FOUP200の開口OP360に垂直な方向(X方向)に移動可能な状態でロードポート40に取り付けられる。遮蔽板50の一部の領域、本実施形態において底面領域には、遮蔽板ステージ54が取り付けられ、モータMの回転により遮蔽板50がX方向に移動する。
【0029】
モータMは、本実施形態において、ボールねじBを介して遮蔽板50に連結されると共に、制御部52に接続され、制御部52からの制御信号S1に従って動作し、ボールねじBを回転させる。
【0030】
図3(a)は、モータMの回転により遮蔽板50がFOUP200の開口OP360側へ移動した際の様子を示す斜視図の一例であり、
図3(b)は、
図3(a)のB−B切断線による断面図の一例である。
【0031】
図4(a)および(b)は、遮蔽板ステージ54を駆動するための機構の一例を説明する図である。遮蔽板50の例えば底面に取り付けられた遮蔽板ステージ54にねじ穴(図示せず)が設けられ、このねじ穴にボールねじBが挿着されている。ボールねじBはモータMの回転軸に図示しないギアを介して連結されている。
【0032】
例えば
図4(a)の例では、モータMの回転によりボールねじBが時計回りに回転すると、遮蔽板50が矢印AR1の方向へ移動する。また、例えば
図4(b)の例では、モータMの回転によりボールねじBが反時計回りに回転すると、遮蔽板50が矢印AR1とは反対の矢印AR2の方向へ移動する。
【0033】
本実施形態において、遮蔽板50、遮蔽板ステージ54、ボールねじB、モータMおよび制御部52は、例えば遮蔽機構に対応する。
【0034】
センサ72は、ロードポート40の表面のうちFOUP200の蓋30に対向する領域に埋設される。センサ72は、距離センサまたは感圧センサで構成される。センサ72が距離センサである場合は、蓋30とロードポート40との距離L(
図3(b)参照)を測定し、測定結果を判定部70へ送る。センサ72が感圧センサである場合、外部の部材との間の圧力、本実施形態では蓋30との間の圧力を計測して計測結果を判定部70へ送る。
【0035】
判定部70は、センサ72から送られた測定結果からFOUP200の蓋30が隙間無くロードポート40の壁面に当接したかどうかを判定し、判定結果を制御部52へ送る。制御部52は、FOUP200を製造装置側へ移動させる際、判定部70からの判定結果に応じてFOUPステージSの動作を制御する。より具体的には後に詳述するが、制御部52は、蓋30が隙間無くロードポート40の壁面に当接したとの判定結果を受け取るまではFOUPステージSの駆動を継続させ、当接したとの判定結果を受け取った直後に駆動を停止する信号S4を生成してステージ駆動装置56に送り、これによりFOUPステージSの移動を停止させる。
【0036】
次に、
図5を参照して本実施形態の基板収納容器載置台10の一運用例について説明する。
【0037】
本実施形態の基板収納容器載置台10は、運用時においては外部の製造装置に取り付けられて使用される。
【0038】
例えば自動搬送車(図示せず)または人によって、半導体ウェーハWが収納されたFOUP200が基板収納容器載置台10に搬送され、FOUPステージSに載置されて処理開始を待つ(
図5(a))。
【0039】
製造装置から、またはオペレータにより、製造装置の処理準備が整ったことを知らせる信号S11(
図2(b)参照)が制御部52に送られると、制御部52は、制御信号S1を生成してモータMおよびステージ駆動装置56に送る。モータMは制御信号S1を送られてボールねじBを回転させる(
図2(b))。その結果、遮蔽板ステージ54により遮蔽板50が矢印AR3に示す方向に所定距離移動する(
図5(b))。移動が完了するとモータMは移動完了を知らせる信号S3を制御部52に送る。これにより、蓋30は遮蔽板50に覆われる。
【0040】
信号S3を受けて制御部52は、制御信号S2を生成してステージ駆動装置56に送る。制御信号S2を送られたステージ駆動装置56は、
図5(c)の矢印AR4に示すようにFOUP200を製造装置の側へ移動させる。ステージ駆動装置56は、FOUP200がロードポート40の壁面に当接した段階で制御部52から停止信号S4を送られて移動を止める(Dock状態)。
【0041】
FOUP200がロードポート40の壁面に当接したかどうかは、センサ72からの測定結果に基づいて判定部70が判定する。
図6は、センサ72が距離センサである場合の制御フローを示し、
図7は、センサ72が感圧センサである場合の制御フローを示す。
【0042】
センサ72が距離センサである場合、センサ72は蓋30とロードポート40との間の距離L(
図3(b)参照)を測定する。この距離測定は、例えばステージ駆動装置56に移動開始を指示する制御信号S2が制御部52から判定部70を介してセンサ72に送られて始まる(
図6、ステップS1)。測定欠陥は判定部70に送られ、判定部70は蓋30とロードポート40との間の距離Lが0であるかどうかを判定する(ステップS2)。
【0043】
距離Lが0になるまでは(ステップS2、No)判定部70から制御部52へ新たな信号が送られない。このため、ステージ駆動装置56によるFOUPステージSの移動が継続する(ステップS3)。
【0044】
距離Lが0になると(ステップS2、Yes)、その旨を知らせるための信号S21が判定部70から制御部52へ送られる。信号21を与えられた制御部52は、FOUPステージSの移動を停止するための信号S4を生成してステージ駆動装置56へ送る(ステップS3)。ステージ駆動装置56は信号S4を送られてFOUPステージSの移動を停止させる(ステップS4)。
【0045】
センサ72が感圧センサである場合、センサ72は蓋30とロードポート40との接触による圧力を測定する。この圧力測定も、例えばステージ駆動装置56に移動開始を指示する制御信号S2が制御部52から判定部70を介してセンサ72に送られて始まる(
図7、ステップS11)。測定欠陥は判定部70に送られ、判定部70は蓋30とロードポート40との間の圧力が0であるかどうかを判定する(ステップS12)。
【0046】
蓋30とロードポート40とが接触することにより圧力が0を超えるまでは(ステップS12、No)判定部70から制御部52へは新たな信号が送られない。このため、ステージ駆動装置56によるFOUPステージSの移動が継続する(ステップS13)。
【0047】
圧力が0を超えると(ステップS12、Yes)、蓋30とロードポート40とが接触したことを知らせるための信号S21(
図2(b)参照)が判定部70から制御部52へ送られる。信号21を与えられた制御部52は、FOUPステージSの移動を停止するための信号S4(
図2(b)参照)を生成してステージ駆動装置56へ送る。ステージ駆動装置56は信号S4を送られてFOUPステージSの駆動を停止させる(ステップS14)。
【0048】
図2(b)に示すように、ロードポート40のFOUP200側の壁面には緩衝材76が取り付けられている。このため、判定部70からの信号S21の送出からステージ駆動装置56の動作停止までの間でわずかでもタイムラグが生じた場合でも、蓋30とロードポート40との衝突による衝撃が緩和される。本実施形態において、センサ72、判定部70および制御部52は例えば距離調整機構に対応する。
【0049】
図5に戻り、FOUP200が製造装置の壁面まで移動した後、製造装置側に設けられた蓋開閉装置(図示せず)によりFOUP200の蓋30が開放される(
図5(d))。
【0050】
このように、FOUP200の蓋30が開放される前に遮蔽板50がFOUP200側にせり出すことにより、製造装置とFOUP200との隙間が塞がれた状態となる。
【0051】
FOUP200内の半導体ウェーハWは製造装置内へ搬送され、製造装置にて処理が行われる。半導体ウェーハWの処理が終了して半導体ウェーハWがFOUP200内に再び収納されると、蓋30が開閉器(図示せず)により閉められる(
図5(e))。
【0052】
製造装置は蓋開閉器(図示せず)の蓋閉め動作完了を通知する信号S13(
図3(b))を生成して制御部52に送る。これにより制御部52は制御信号S3を生成してモータMを回転させ、遮蔽板ステージ54により遮蔽板50を矢印AR5に示すように製造装置側へ移動させ、元の位置に収納させる(
図5(f))。元の位置への移動が完了するとモータMは移動完了を知らせる信号S5(
図3(b))を制御部52に送る。
【0053】
信号S5が送られた制御部52は制御信号S4を生成してステージ駆動装置56に送り、ステージ駆動装置56は矢印AR6に示す方向にFOUPステージSを移動させ、これにより、FOUP200が元の位置に戻る(Undock状態(
図5(g))。元の位置に戻ったFOUP200は次の処理工程の装置へ搬送される。
【0054】
本実施形態によれば、センサ72の計測結果に基づいてステージ駆動装置56の駆動を制御するので、蓋30とロードポート40との間の距離ギャップを解消することができ、遮蔽板50による遮蔽に加えて、汚染されたクリーンルーム雰囲気の侵入をより一層防止することができる。また、緩衝材76がロードポート40に設けられているので、ロードポート40に接触するFOUP200本体面に成型誤差や面粗さがある場合でも、これらを吸収することができる。
【0055】
(2)実施形態2
図8は、実施形態2による基板収納容器載置台を示す図の例である。
図8(a)は本実施形態の基板収納容器載置台12の斜視図の一例であり、
図8(b)は
図8(a)のC−C切断線による断面図の一例である。
【0056】
本実施形態の基板収納容器載置台12は、基台60と、FOUPステージ駆動部56と、FOUPステージSと、ロードポート40と、空気噴出口90と、パイプPと、清浄空気ボンベ80と、バルブVと、バルブ弁82と、制御部62とを含む。
【0057】
FOUPステージSは、FOUPステージ駆動部56上に設けられ、その上面にてFOUP200を載置する。FOUPステージ駆動部56は、制御部62に接続され、制御部62から与えられる制御信号S2に従い、例えば半導体ウェーハWの搬出・搬入方向(X方向)にFOUPステージSを駆動する。
【0058】
ロードポート40は、外部の製造装置とのインタフェースをなし、本実施形態において、図示しない係合部材または嵌合部により取り外し可能な状態でステージ駆動装置56およびFOUP載置台60に固定される。ロードポート40の表面領域中、FOUP200の開口OP360に対応する位置には、蓋30の開閉に応じて作動する扉(図示せず)が取り付けられている。
【0059】
また、ロードポート40には複数の空気噴出口90が設けられている。空気噴出口90は、
図2(a)に示すように、FOUP200の外周面に沿ってFOUP200の開口OP360を取り囲むように配設される。
【0060】
空気噴出口90は、パイプラインPおよびバルブVを介して清浄空気ボンベ80に結合されている。バルブVには、バルブ弁82が取り付けられ、手動または児童により開閉および開度調整が行われる。制御部62は清浄空気ボンベ80にも接続され、制御信号S31を生成して清浄空気ボンベ80の開閉を制御する。
【0061】
制御部62からの制御信号S31を与えられて清浄空気ボンベ80が開き、バルブVおよびパイプラインPを介して空気噴出口90から清浄空気が噴出する様子を
図9に示す。FOUP200の外周面に沿ってFOUP200の周辺領域に清浄空気が噴出することにより、矢印AR7に示すようにエアカーテンが形成され、これにより製造装置とFOUP200との隙間が塞がれた状態となる。この結果、上述した第1の実施の形態における遮蔽機構が無くともFOUP200内への外気の進入を防止することができる。
【0062】
次に、
図10を参照して本実施形態の基板収納容器載置台12の一運用例について説明する。
【0063】
本実施形態の基板収納容器載置台12は、運用時においては外部の製造装置に取り付けられて使用される。
【0064】
例えば自動搬送車(図示せず)または人によって、半導体ウェーハWが収納されたFOUP200が基板収納容器載置台12に搬送され、FOUPステージSに載置されて処理開始を待つ(
図10(a))。
【0065】
製造装置から、またはオペレータにより、製造装置の処理準備が整ったことを知らせる信号S11(
図8(b)参照)が制御部52に送られると、制御部52は、制御信号S31を生成して清浄空気ボンベ80へ送る。制御信号S31を与えられた清浄空気ボンベ80は、ボンベを開放して清浄空気をパイプラインPへ排出する。バルブ弁82が自動またはオペレータにより開放されると、清浄空気ボンベ80からの清浄空気が矢印AR7に示すように空気噴出口90から噴出し、これにより、FOUP200の外周面から周辺に至る領域でエアカーテンが形成される(
図10(b))。
【0066】
清浄空気の噴出が開始すると、制御部62は、制御信号S2(
図8(b)参照)を生成してステージ駆動装置56に送る。制御信号S2を送られたステージ駆動装置56は、
図10(c)の矢印AR4に示すようにFOUP200を製造装置の側へ移動させる。ステージ駆動装置56は、FOUP200がロードポート40の壁面に当接した段階で制御部62から停止信号S4(
図8(b)参照)を送られて移動を止める(Dock状態)。
【0067】
FOUP200が製造装置の壁面まで移動した後、製造装置側に設けられた蓋開閉装置(図示せず)によりFOUP200の蓋30が開放される。このとき、空気噴出口90から噴出する清浄空気が構成するエアカーテンにより、製造装置とFOUP200との隙間が塞がれた状態となる(
図10(d))。
【0068】
この状態でFOUP200内の半導体ウェーハWが製造装置内へ搬送され、製造装置にて処理が行われる。半導体ウェーハWの処理が終了して半導体ウェーハWがFOUP200内に再び収納されると、蓋30が開閉器(図示せず)により閉められる(
図10(e))。
【0069】
製造装置は蓋開閉器(図示せず)の蓋閉め動作完了を通知する信号S13(
図8(b))を生成して制御部62に送る。これにより制御部62は、制御信号S33を生成して清浄空気ボンベ80へ送る。制御信号S33を与えられた清浄空気ボンベ80は閉じられ、これにより清浄空気の噴出が停止する(
図10(f))。
【0070】
制御部62は制御信号S33と同時に制御信号S6を生成してステージ駆動装置56に送り、ステージ駆動装置56は矢印AR6に示す方向にFOUPステージSを移動させる。これにより、FOUP200が元の位置に戻る(Undock状態(
図10(g))。元の位置に戻ったFOUP200は次の処理工程の装置へ搬送される。
【0071】
このように、本実施形態の基板収納容器載置台12によれば、実施形態1のような物理的な遮蔽板10代えて、Dock/Undockのタイミングで噴出口90からの清浄空気の噴出を制御しつつエアカーテンを作るので、ダストの巻込みを防ぐことができる。
【0072】
以上述べた少なくとも一つの実施形態の基板収納容器載置台によれば、FOUP200のDock/Undock動作と同期して外気が基板収納部20内に入り込むことを防止する遮蔽機構または空気噴出制御機構を持つので、製品歩留りの低下を防止することが可能となる。さらに、上述した実施形態によるFOUP1と併用すれば、外気のダスト巻込みを極限まで防ぐことが可能となる。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0074】
例えば、上述した実施形態では、センサ72の計測結果に基づくステージ駆動装置56の駆動制御を実施形態1についてのみ説明したが、これに限ることなく、このような駆動制御を実施形態2に付加することも勿論可能である。また、実施形態1および2について述べたような遮蔽機構または空気噴出制御機構との併用に限ることなく,センサ72の計測結果に基づくステージ駆動装置56の駆動制御のみを用いても汚染外気のFOUP内への進入を防止することは可能である。
【0075】
以上の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。