(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
つぎに、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施形態では、ガス監視システムを搭載した燃料電池車両Vを例に挙げて説明するが、本発明は燃料電池車両に限らず、据え置き型の設備に備え付けてもよい。
【0014】
図1に示すように、燃料電池車両Vは、駆動輪(前輪)Wを駆動させる電動機1(モータ)と、電動機1に電力を供給する燃料電池システム2と、水素濃度を検出する複数の水素センサ10(10A〜10C)と、車両用ECU3と、水素センサ10と車両用ECU3とをCAN(Controller Area Network)通信可能に接続する車両用ハーネス4(
図2参照)と、を備えている。
なお、車両用ECU3は、特許請求の範囲に記載される「制御手段」に相当する構成であり、車両用ハーネス4は、特許請求の範囲に記載される「通信線」に相当する構成である。
【0015】
燃料電池車両Vは、アクセル(不図示)が踏み込まれると、アクセル開度センサ(不図示)がその踏み込み量を検出してその検出結果を車両用ECU3に送信する。そして、車両用ECU3が検出結果に基づいて電動機1の回転数を制御し、燃料電池車両Vが踏み込み量に応じた速度で走行するようになっている。
さらに、車両用ECU3は、アクセル開度センサの検出結果に基づいて、燃料電池システム2から電動機1に供給される電力が適切となるように、燃料電池システム2の発電量を制御している。
【0016】
燃料電池システム2は、複数の単セルが積層されてなる燃料電池スタック20と、水素タンク21と、コンプレッサ(不図示)と、バッテリ22と、バッテリ22の電力を供給するための第1給電線24及び第2給電線25(
図2参照)と、を備えている。
【0017】
なお、バッテリ22は、特許請求の範囲に記載される「電源装置」に相当する構成であり、第2給電線25は、特許請求の範囲に記載される「給電線」に相当する構成である。つまり、本実施形態に係るガス監視システムは、車両用ハーネス4(通信線)4と、水素センサ(ガスセンサ)10と、車両用ECU(制御手段)3と、バッテリ(電源装置)21と、第2給電線(給電線)25とにより構成されている。
【0018】
燃料電池スタック20の単セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、MEAを挟み2枚の導電性を有するアノードセパレータ及びカソードセパレータと、を備えている。MEAは、1価の陽イオン交換膜(例えばパーフルオロスルホン酸型)からなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノード及びカソードと、を備えている。
【0019】
そして、各アノードに水素が供給されると、式(1)の電極反応が起こり、各カソードに空気が供給されると、式(2)の電極反応が起こり、各単セルで電位差が発生する。次いで、燃料電池スタック20と電動機1等の外部負荷とが電気的に接続されて電流が取り出されると、燃料電池スタック20が発電する。
【0020】
2H
2→4H
++4e
−…(1)
O
2+4H
++4e
−→2H
2O …(2)
【0021】
図1に示すように、燃料電池スタック20は、燃料電池車両Vの前部の機関室5に収容されている。なお、機関室5の上壁を構成するフロントフード5aの下面であって、燃料電池スタック20の上方に対応する箇所には、下方に向って開口する凹部(不図示)が形成されている。このため、燃料電池スタック20から漏出して上方へ移動した水素が、フロントフード5aの凹部に集まり易くなっている。
【0022】
水素タンク21は、燃料電池スタック20に供給する水素を高圧で貯蔵する容器であり、燃料電池車両Vの水素タンク収容室7に収容されている。この水素タンク収容室7とは、燃料電池車両Vの後部であってトランクルームTよりも下方に設けられた空間である。
また、水素タンク収容室7の上壁を構成する上壁部材7aの下面には、下方に向って開口する凹部が形成されており、水素タンク21から漏出した水素が上壁部材7aの凹部に集まり易くなっている。
【0023】
水素タンク21の吐出口には、水素タンク収容室7からフロアパネルの下方を通過して機関室5に延びる配管23が接続されており、配管23を介して水素タンク21の水素が燃料電池スタック20に供給されるようになっている。
なお、配管23から漏出して車室6の上方に滞留する水素を集まり易くするため、ルーフ6aの中央部には、下方に向って開口する凹部(不図示)が形成されている。
【0024】
図示しないエアポンプは、酸素を含む空気を燃料電池スタック20に供給するための装置である。本実施形態のエアポンプは、機関室5内に収容され、グリル(不図示)を通過して機関室5内に入り込んだ空気を燃料電池スタック20に供給している。
【0025】
バッテリ22は、リアシート下に配置された二次電池であり、燃料電池スタック20により発電された電力を蓄電する。
図2に示すように、バッテリ22には、車両用ECU3に電力を供給するための第1給電線24と、3つの第1センサ10A〜第3センサ10Cに電力を供給するための第2給電線25と、が接続している。
【0026】
第1給電線24及び第2給電線25は、電源線とGND線(
図3の第2給電線25の電源線25aとGND線25bとを参照)とが絶縁膜により被覆されて1本にまとめられたものである。
【0027】
第2給電線25は、分岐点30有しており、その分岐点30から分岐して第1センサ10A〜第3センサ10Cに接続している。言い換えると、第2給電線25は、バッテリ22から分岐点30まで延びる1本の給電線25Dと、分岐点30から分岐して第1センサ10A〜第3センサ10Cのそれぞれに接続する給電線25A、25B、25Cとで構成されている。
【0028】
第1給電線24には、コイル26aが励磁すると接点が閉じる第1リレー26が設けられている。この第1リレー26のコイル26aには、車両用ECU3の信号が出力される出力線26bが接続し、車両用ECU3が第1リレー26の開閉を制御している。また、第1リレー26は、車両用ECU3から信号が出力されない場合、図示しないバネ部材により接点が開くようになっている。
なお、後述する第2リレー27(
図3参照)も、第1リレー26と同じ構成となっている。
【0029】
第2給電線25には、コイル27aが励磁すると接点が閉じる第2リレー27が設けられている。この第2リレー27のコイル27aには、車両用ECU3の信号が出力される出力線27bが接続し、車両用ECU3が第2リレー27の開閉を制御している。
また、第2リレー27は、第2給電線25の給電線25D上に設けられており、車両用ECU3から信号が出力されると第2リレー27が閉じ、3つの水素センサ10にバッテリ22の電力が供給される。
【0030】
図3に示すように、水素センサ10は、水素濃度を検出するための検出用回路11と、センサ用ECU13と、を備えている。
【0031】
検出用回路11は、4つの抵抗素子14を有し、第1接続点11a、第2接続点11bに電源線25、GND線25bが接続されたブリッジ回路であり、中間点11c、11dの電位差がセンサ用ECU13に入力されるように構成されている。
また、4つの抵抗素子14とは、1つの水素検出用コイル14aと、3つのブリッジ用抵抗素子14bである。
【0032】
水素検出用コイル14aは、温度抵抗係数が大きい金属をコイル状に形成したものである。水素検出用コイル14aの表面には、水素を酸化させる酸化触媒を担持したアルミナ(担体)が被覆されている。そして、水素が酸化触媒に接触すると水素が燃焼して水素検出用コイル14aの温度が上昇し、水素検出用コイル14aの抵抗値が大きくなる。この結果、中間点11c、11d間に電位差が生じ、その電位差がセンサ用ECU13に入力される。
【0033】
本実施形態では、水素センサ10が3つ設けられている。この3つの水素センサ10は、燃料電池車両V内において異なる検出箇所に配置されている。
図1に示すように、第1センサ10Aは、フロントフード5aの凹部内に取り付けられ、燃料電池スタック20からの水素漏れを監視している。
第2センサ10Bは、水素タンク収容室7の上壁部材7aの凹部内に取り付けられ、水素タンク21からの水素漏れを監視している。
第3センサ10Cは、ルーフ6aの凹部内に取り付けられ、配管23からの水素漏れを監視している。
【0034】
センサ用ECU13は、車両用ECU3の指令(制御信号)に対応して水素センサ10の構成を制御する制御装置であり、車両用ハーネス4を介してセンサ用ECU13とCAN通信可能に構成されている。なお、センサ用ECU13は、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成され、その内部に記憶されたプログラムに従って各機能を実行している。
【0035】
センサ用ECU13は、バッテリ22から電力供給された状態(第2リレー27が閉じた状態)で、
車両用ECU3からの指令を受けてスリープモード又は測定モードを実行するように構成されている。
【0036】
具体的に、スリープモードでは、センサ用ECU13は、例えばCPUへの給電停止など、センサ用ECU13の構成要素への給電を停止し、センサ用ECU13の消費電力が抑えられている。
【0037】
一方で、測定モードにおいて、センサ用ECU13は、検出用回路11の中間点11c、11dから入力された信号(電位差)から水素濃度C
10A〜C
10Cを推定し、その測定結果(水素濃度C
10A〜C
10C)を車両用ECU3に伝送する。
【0038】
水素濃度の推定に関し、センサ用ECU13は、検出用回路11からの出力値(電位差)と水素濃度との相関関係を示す図示しないマップ図を有し、このマップ図に基づいて水素濃度を推定している。なお、検出用ブリッジ回路からの出力値(電位差)と水素濃度との相関関係は、電位差が大きくなるにつれて水素濃度が高くなる関係となっている。
【0039】
そのほか、第1センサ10A〜第3センサ10Cの各センサ用ECU13は、固有の識別情報(ID)を記憶している。このため、車両用ECU3へ測定結果(水素濃度C
10A〜C
10C)を伝送する際に識別情報も併せて伝送している。
【0040】
車両用ハーネス4は、燃料電池車両Vの各部位に配置されたECU同士の通信可能するための伝送路であり、機関室5を始点として燃料電池車両Vの各部位を巡っている。
具体的に、機関室5内において、車両用ハーネス4に車両用ECU3が接続している。そして、車両用ハーネス4の途中から延びる枝線8A〜8Cにより、各水素センサ10が接続し、各水素センサ10のセンサ用ECU13と車両用ECU3とがバス型接続している。
【0041】
車両用ハーネス4は、CAN−H線、CAN−L線の2つの信号線を備え、CAN通信可能な通信線である。また、枝線8A〜8Cも、CAN−H線8a、CAN−L線8bを備えている。なお、車両用ハーネス4の終端には終端抵抗4aが設けられており、信号(CANデータ信号)が車両用ハーネス4の終端で反射しないようになっている。
【0042】
車両用ECU3は、水素センサ10など燃料電池車両Vに搭載される構成を電子制御する制御装置であり、車両用ハーネス4を介してセンサ用ECU13とCAN通信可能に構成されている。
また、車両用ECU3は、水素センサ10の識別情報とその識別情報に対応する位置情報との関係を示すテーブルを備えており、受信したデータ(測定結果)の検出位置について把握することができる。
【0043】
車両用ECU3は、各水素センサ10の制御に関し、通常時監視モードと、停止時監視モードとを備えている。
【0044】
通常時監視モードでは、IGのON時中において、各水素センサ10に対して測定指令を出し、水素漏れがあるか否かを常時監視するモードである。
具体的に、車両用ECU3は、IGのON信号を検出した場合、第2リレー27を閉じ、各水素センサ10に電力を供給する。
次いで、CAN通信により各水素センサ10に対して測定指令を送信する。
なお、車両用ハーネス4を介してCAN通信していることから、車両用ECU3は、各水素センサ10から送信されるデータ(測定結果)同士が衝突しないようにするため、時間的にずらして各水素センサ10に測定指令を出している。
【0045】
そして、各水素センサ10から伝送されてきた測定結果(水素濃度C
10A〜C
10C)が所定値A1〜C1未満であるか否かを判定する。所定値未満でないと判定した場合、水素の漏出があると推定し、図示しない警告ランプを点灯させ、運転者に水素の漏出があることを知らせる。
【0046】
なお、水素濃度C
10A〜C
10Cと比較される所定値A1〜C1に関し、水素センサ10ごとに監視する対象ごとに異なるため、水素濃度C
10A〜C
10Cと比較される所定値に関しても異なる。
たとえば、水素タンク21を監視する第2センサ10Bが測定した水素濃度C
10Bと比較される所定値B1は、20,000ppmに設定されている。
また、燃料電池スタック20を監視する第1センサ10Aが測定した水素濃度C
10Aと比較される所定値A1は、15,000ppmに設定されている。
また、配管23を監視する第3センサ10Cが測定した水素濃度C
10Cと比較される所定値C1は、10,000ppmに設定されている。
【0047】
一方で、停止時監視モードは、IGのOFF時中、所定時間ごと(例えば2時間ごと)に各水素センサ10に個別に測定指令を出し、複数の水素センサ10が個別に起動して水素濃度を測定するモードである。以下、
図4を用いて具体的に説明する。
【0048】
車両用ECU3は、IGのOFF信号を受けた場合(Start)、計時を開始する。
【0049】
ステップS101において、車両用ECU3は、計時時間が所定時間を経過しているか否かを判定する。
計時時間が所定時間を経過していないと判定した場合、(S101・No)、車両用ECU3は、ステップS101の処理を繰り返す。
一方、計時時間が所定時間を経過したと判定した場合(S101・Yes)、車両用ECU3は、ステップS102の処理に進む。
【0050】
ステップS102において、車両用ECU3は、第2リレー27に信号を出力する。これにより、第2リレー27が閉じて水素センサ10(10A〜10C)に電力が供給される。
【0051】
ステップS103において、車両用ECU3は、第1センサ10Aに起動指令を出し、第2センサ10B及び第3センサ10Cにスリープ指令を出す。
これにより、第1センサ10Aのセンサ用ECU13は、測定モードを実行し、検出用回路11から入力された信号(電位差)と図示しないマップに基づいて水素濃度C
10Aを推定し、その水素濃度C
10Aと識別情報を車両用ECU3に伝送する。
一方で、第2センサ10Bと第3センサ10Cとのセンサ用ECU13は、スリープモードを実行し、センサ用ECU13の構成要素への給電を停止する。
そして、車両用ECU3は、水素濃度C
10Aと識別情報との受信後にステップS104に進む。
【0052】
ステップS104において、車両用ECU3は、第2センサ10Bに起動指令を出し、第1センサ10Aにスリープ指令を出す。
これにより、第2センサ10Bのセンサ用ECU13は起動して測定モードを実行し、車両用ECU3に水素濃度C
10Bと識別情報とが伝送される。
一方で、第1センサ10Aのセンサ用ECU13はスリープモードを実行し、センサ用ECU13の構成要素への給電が停止する。
なお、ステップS104において、第3センサ10Cは、車両用ECU3から特に指令を受けていないため、前のステップS103において受けたスリープ指令の実行を継続している。
そして、車両用ECU3は、水素濃度C
10Bと識別情報との受信後にステップS105に進む。
【0053】
ステップS105において、車両用ECU3は、第3センサ10Cに起動指令を出し、第2センサ10Bにスリープ指令を出す。
これにより、第3センサ10Cのセンサ用ECU13は起動して測定モードを実行し、車両用ECU3に水素濃度C
10Cと識別情報とが伝送される。
また、第2センサ10Bのセンサ用ECU13は、スリープモードを実行し、センサ用ECU13の構成要素への給電が停止する。
なお、ステップS105において、第1センサ10Aは、車両用ECU3から特に指令を受けていないため、前のステップS104において受けたスリープ指令の実行を継続している。
そして、車両用ECU3は、水素濃度C
10Cと識別情報との受信後にステップS106に進む。
【0054】
ステップS106において、車両用ECU3は、第2リレー27に信号の出力を停止する。これにより、第2リレー27が開き、各水素センサ10への電力供給が停止される。
【0055】
ステップS107において、車両用ECU3は、水素濃度C
10Aが所定値A1未満であり、かつ、水素濃度C
10Bが所定値B1未満であり、かつ、水素濃度C
10Cが所定値C1未満であるか否かを判定する。
水素濃度C
10Aが所定値A1未満であり、かつ、水素濃度C
10Bが所定値B1未満であり、かつ、水素濃度C
10Cが所定値C1未満である、と判定した場合には、(S107・Yes)、車両用ECU3は、水素の漏出がないと推定される。よって、車両用ECU3は、Startに戻り(Return)、計時時間tの計時を開始する。
一方で、水素濃度C
10Aが所定値A1未満でない、水素濃度C
10Bが所定値B1未満でない、又は水素濃度C
10Cが所定値C1未満でない、と判定した場合には、(S107・No)、車両用ECU3は、Endの処理に進む。
【0056】
Endにおいて、水素が漏出していると推定されるため、車両用ECU3は、運転者に水素の漏出があることを知らせるため、図示しない警告ランプを点灯させて、停止時モードを終了する。
【0057】
つぎに、
図5を参照しながら、上記した停止時監視モード時の第1水素センサ10A〜第3水素センサ10Cの消費電力について説明する。また、比較例として、従来の制御方法により作動した第1水素センサ10A〜第3水素センサ10Cの消費電力と、について説明する。まず、比較例から説明する。
【0058】
従来の制御方法によれば、水素濃度を測定する場合、各水素センサ10(第1センサ10A〜第3センサ10C)が一括して制御されていた。
つまり、水素濃度の測定を開始すると、水素センサ10の全てが起動して水素濃度を測定し始めるとともに、水素センサ10の全てが水素濃度を測定し終えるまで、水素センサ10の全てが水素濃度の測定を継続していた。
このため、
図5の時刻t1(測定開始時)〜時刻t6(測定終了時)の間の消費電力Wは、各水素センサ10(第1センサ10A〜第3センサ10C)の消費電力を加算したW3(W)であった。
【0059】
一方で、本実施形態の制御方法によれば、各水素センサ10が個別に測定するようになっている(ステップS103〜ステップS105参照)。
具体的には、
図5の時刻t1〜t2に示すように、第1センサ10Aの水素濃度測定時、第2センサ10Bと第3センサ10Cとがスリープモードを実行し、第2センサ10Bと第3センサ10Cとの消費電力が抑えられている。このため、水素センサ10全体の消費電力WがW2(W2<W3)となり、従来の消費電力W3よりも少ない。
また、
図5の時刻t3〜t4に示すように、第2センサ10Bの水素濃度測定時、第1センサ10Aと第3センサ10Cとがスリープモードを実行し、第1センサ10Aと第3センサ10Cとの消費電力が抑えられている。このため、水素センサ10全体の消費電力WがW2となり、従来の消費電力W3よりも少ない。
さらに、
図5の時刻t5〜t6に示すように、第3センサ10Cの水素濃度測定時、第1センサ10Aと第2センサ10Bとがスリープモードを実行し、第1センサ10Aと第2センサ10Bとの消費電力が抑えられている。このため、水素センサ10全体の消費電力WがW2となり、従来の消費電力W3よりも少ない。
以上から、本実施形態の制御方法によれば、水素濃度を測定する期間中(時刻t1〜t6)の消費電力量が低減することがわかる。
【0060】
以上、実施形態によれば、第2給電線25がバッテリ22と第1センサ10A〜第3センサ10Cのそれぞれとが直接接続しているため、複数の給電線でバッテリ22と第1センサ10A〜第3センサ10のそれぞれとを個別に接続した場合よりも部品点数が削減している。
また、第2給電線25によってバッテリ22の電力が第1センサ10A〜第3センサ10Cのそれぞれに直接供給されるため、第1給電線24及び車両用ECU3を経由することによる電力の消費(例えば、電力損失)が回避される。
【0061】
また、実施形態によれば、車両用ハーネス4により各水素センサ10のセンサ用ECU13と車両用ECU3とが接続され、CAN通信可能になっている。このため、従来技術で説明した構成(複数の信号線でガスセンサのそれぞれと制御手段とが接続された構成)よりも部品点数が削減している。
【0062】
また、実施形態によれば、第2リレー27が第2給電線25の給電線25D上(分岐点30よりもバッテリ22側)に設けられているため、給電線25A、25B、25Cのそれぞれにリレーを配置した場合よりもリレーの個数(部品点数)が削減している。
【0063】
また、実施形態に係る水素センサ10の制御方法によれば、個別に起動する水素センサ10がガス濃度を測定するため、従来のような複数の水素センサが一括して制御される場合よりも消費電力量が低減する。
さらに、ガス濃度を測定するために個別に起動する水素センサ10は、測定結果の伝送も個別となり、車両用ハーネス4上で他の水素センサ10が伝送した測定結果(データ)と衝突するという問題が生じない。
【0064】
以上から、実施形態に係るガス監視システムによれば、部品点数の増加を抑えつつ、電量電池車両の停止中の消費電力量を低減させることができる。
【0065】
実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。
たとえば、本実施形態では、車両用ECU3とセンサ用ECU13と車両用ハーネス4とがCAN通信用に構成されているが、本発明は一つの通信線でシリアル通信可能な構成であればよく、LIN(Local Interconnect Network)やFlexRayによる通信が可能なように構成してもよい。