【課題を解決するための手段】
【0023】
したがって、第1の態様によると、本発明の主題は下記式(I)の化合物である:
R’−O−A−O−R’’ (I)
(式(I)中、R’及びR’’は同一であるか又は異なり、
水素原子、又は、
式(IIa):
【化1】
(式中、
R1は、7個〜30個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の、線状又は分岐状の脂肪族ラジカルを表し、
R2は水素原子、又は以下のラジカル:メチル、イソプロピル、イソブチル、1−メチルプロピル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、チオメチル、2−メチルチオエチル、4−アミノブチル、3−グアニジノプロピル、3−ウレイドプロピル、(1−アミノカルボニル)メチル、2−(アミノカルボニル)エチル、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、3,4−ジヒドロキシベンジル、[1H−インドール−3−イル]メチル、(1H−イミダゾール−4−イル)メチル、3−アミノプロピルから選ばれるラジカルを表し、R3は水素原子又はメチルラジカルを表す)の一価のラジカル、又は、
式(IIb):
【化2】
(式中、
R1は式(IIa)に規定されるとおりであり、
R4は水素原子又はヒドロキシラジカルを表す)の一価のラジカルを表すが、
ただし、ラジカルR’又はR’’の少なくとも一方が水素原子ではなく、ラジカルR’及びR’’がいずれも水素原子ではない場合にR’及びR’’は同一であり、
式(I)中、Aは式(III):
−CH(X1)−[C(X2)(X3)]p−CH(X4)− (III)
(式中、X1、X2、X3及びX4は同一であるか又は異なり、水素原子又はメチルラジ
カル若しくはエチルラジカルであり、
pは1以上6以下の整数である)の二価のラジカルを表す)。
【0024】
特定の態様によると、式(IIa)のラジカル及び式(IIb)のラジカルの規定において、ラジカルR
1−C(=O)−が以下のラジカル:オクタノイル、デカノイル、ω−ウンデシレノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、エイコサノイル、ドコサノイル、9−オクタデセノイル、エイコセノイル、13−ドコセノイル、9,12−オクタデカジエノイル又は9,12,15−オクタデカトリエノイルから選ばれるラジカルを表す。
【0025】
本発明の別の特定の態様によると、上記の主題は、ラジカルR’及びR’’が同一であるか又は異なり、
水素原子、又は、
式(IIa)(式中、R1及びR3は先に規定されるとおりであり、R2はメチルラジカル、イソプロピルラジカル、イソブチルラジカル、1−メチルプロピルラジカル又はベンジルラジカルから選ばれるラジカルである)の一価のラジカル、又は、
式(IIb)(式中、R1は先に規定されるとおりであり、R4は水素原子である)の一価のラジカルである、先に規定されるような式(I)の化合物である。
【0026】
本発明のこの特定の態様によると、上に規定されるような式(I)の化合物は、より具体的には以下のアミノ酸:アラニン、バリン、プロリン、ロイシン、フェニルアラニン、イソロイシンに由来するエステルから選ばれる。
【0027】
本発明の別の特定の態様によると、上記の主題は、Aが式(IIIa):
−(CH
2)
q− (IIIa)
(式中、qは3、4又は6に等しい)の二価のラジカルを表し、X1、X2、X3及びX4が同一であり、各々が水素原子を表す式(III)に相当し、pが1、2又は4に等しい整数を表す、先に規定されるような式(I)の化合物である。
【0028】
本発明のこの特定の態様によると、上に規定されるような式(I)の化合物は、pが1に等しい整数である場合の1,3−プロパンジオールのエステル、pが2に等しい整数である場合の1,4−ブタンジオールのエステル、pが4に等しい整数である場合の1,6−ヘキサンジオールのエステルから選ばれる。
【0029】
本発明のこの特定の態様によると、上に規定されるような式(I)の化合物では、より具体的にはAが二価のラジカル−(CH
2)
3−を表す。
【0030】
本発明の別の特定の態様によると、上記の主題は、二価のラジカルAの式(III)の定義において、X1、X2及びX3が同一であり、水素原子であり、X4がメチルラジカル、エチルラジカル、プロピルラジカル、ブチルラジカル、ペンチルラジカル、ヘキシルラジカル、ヘプチルラジカル、オクチラジカルル、ノニルラジカル及びデシルラジカルから選択される脂肪族ラジカルであり、pが1に等しい整数である、先に規定されるような式(I)の化合物である。
【0031】
本発明のこの特定の態様によると、式(I)の化合物は、Aが二価のラジカル−(CH
2)
2−CH(CH
3)−を表すことを特徴とする。
【0032】
別の特定の態様によると、本発明の主題は、先に規定されるような式(I)の化合物においてR’’が水素原子であるものに相当する、式(Ia):
R’−O−A−O−H (Ia)
の化合物、より具体的には、
式(Ia11):
【化3】
の化合物、
式(Ia12):
【化4】
の化合物、
式(Ia13):
【化5】
の化合物、
式(Ia14):
【化6】
の化合物、
式(Ia15):
【化7】
の化合物、
式(Ia21):
【化8】
の化合物、
式(Ia22):
【化9】
の化合物、
式(Ia23):
【化10】
の化合物、
式(Ia24):
【化11】
の化合物、
式(Ia25):
【化12】
の化合物、
式(Ia31):
【化13】
の化合物、
式(Ia32):
【化14】
の化合物、
式(Ia33):
【化15】
の化合物である。
【0033】
本発明のこの特定の態様によると、式(Ia11)、式(Ia12)、式(Ia13)、式(Ia14)及び式(Ia15)の化合物はそれぞれ、より具体的には以下の化合物から選ばれる:
1,3−プロパンジオールモノN−ヘキサデカノイルバリネート、
1,3−プロパンジオールモノN−オクタノイルバリネート、
1,3−プロパンジオールモノN−(ω−ウンデシレノイル)バリネート、
1,3−プロパンジオールモノN−(ω−ウンデシレノイル)プロリネート、
1,3−プロパンジオールモノN−オクタノイルロイシネート。
【0034】
本発明のこの特定の態様によると、式(Ia21)、式(Ia22)、式(Ia23)、式(Ia24)及び式(Ia25)の化合物はそれぞれ、より具体的には以下の化合物から選ばれる:
1,3−ブタンジオールモノN−ヘキサデカノイルバリネート、
1,3−ブタンジオールモノN−オクタノイルバリネート、
1,3−ブタンジオールモノN−(ω−ウンデシレノイル)バリネート、
1,3−ブタンジオールモノN−(ω−ウンデシレノイル)プロリネート、
1,3−ブタンジオールモノN−オクタノイルロイシネート。
【0035】
本発明のこの特定の態様によると、式(Ia31)、式(Ia32)及び式(Ia33)の化合物はそれぞれ、より具体的には以下の化合物から選ばれる:
1,6−ヘキサンジオールモノN−オクタノイルバリネート、
1,6−ヘキサンジオールモノN−(ω−ウンデシレノイル)バリネート、
1,6−ヘキサンジオールモノN−ヘキサデカノイルプロリネート。
【0036】
別の特定の態様によると、本発明の主題は、先に規定されるような式(I)においてラジカルR’及びR’’が同一であり、ラジカルRによって表されるものに相当する、式(Ib):
R−O−A−O−R (Ib)
の化合物、より具体的には、以下の化合物の1つ:
式(Ib11):
【化16】
の化合物、
式(Ib12):
【化17】
の化合物、
式(Ib13):
【化18】
の化合物、
式(Ib14):
【化19】
の化合物、
式(Ib15):
【化20】
の化合物、
式(Ib21):
【化21】
の化合物、
式(Ib22):
【化22】
の化合物、
式(Ib23):
【化23】
の化合物、
式(Ib24):
【化24】
の化合物、
式(Ib25):
【化25】
の化合物、
式(Ib31):
【化26】
の化合物、
式(Ia32):
【化27】
の化合物、
式(Ib33):
【化28】
の化合物である。
【0037】
本発明のこの特定の態様によると、式(Ib11)、式(Ib12)、式(Ib13)
、式(Ib14)及び式(Ib15)の化合物はそれぞれ、より具体的には以下の化合物から選ばれる:
1,3−プロパンジオールジN−ヘキサデカノイルバリネート、
1,3−プロパンジオールジN−オクタノイルバリネート、
1,3−プロパンジオールジN−(ω−ウンデシレノイル)バリネート、
1,3−プロパンジオールジN−(ω−ウンデシレノイル)プロリネート、
1,3−プロパンジオールジN−オクタノイルロイシネート。
【0038】
本発明のこの特定の態様によると、式(Ib21)、式(Ib22)、式(Ib23)、式(Ib24)及び式(Ib25)の化合物はそれぞれ、より具体的には以下の化合物から選ばれる:
1,3−プロパンジオールジN−ヘキサデカノイルバリネート、
1,3−プロパンジオールジN−オクタノイルバリネート、
1,3−プロパンジオールジN−(ω−ウンデシレノイル)バリネート、
1,3−プロパンジオールジN−(ω−ウンデシレノイル)プロリネート、
1,3−プロパンジオールジN−オクタノイルロイシネート。
【0039】
本発明のこの特定の態様によると、式(Ib31)、式(Ib32)及び式(Ib33)の化合物はそれぞれ、より具体的には以下の化合物から選ばれる:
1,6−ヘキサンジオールジN−オクタノイルバリネート、
1,6−ヘキサンジオールジN−(ω−ウンデシレノイル)バリネート、
1,6−ヘキサンジオールジN−ヘキサデカノイルプロリネート。
【0040】
本発明の別の主題は、先に規定されるような式(I)の化合物を調製する方法であって、
式(IVa):
【化29】
(式中、R1及びR2は式(IIa)に規定されるとおりである)の化合物、又は、
式(IVb):
【化30】
(式中、R1及びR4は式(IIb)に規定されるとおりである)の化合物を、
式(V):
H−O−A−O−H (V)
(式中、Aは先に規定されるような式(III)の二価のラジカルである)でエステル化する工程であって、それにより式(Ia)の化合物若しくは式(Ib)の化合物、又は式(Ia)の化合物と式(Ib)の化合物との混合物(M)を得る、工程a)と、
必要又は所望に応じて、
工程(a)で得られる混合物(M)から、式(Ia)の化合物及び前記式(Ib)の化合物を分離する工程b)と、
を含む、方法である。
【0041】
式(IVa)及び式(IVb)の化合物は既知であるか、又は当業者に既知の方法を用いた対応するα−アミノ酸のN−アシル化によって合成することができる。
【0042】
上に規定されるような本発明の主題である方法において、工程a)は概して、酸性触媒系の存在下で不活性ガス下、およそ80℃〜180℃、具体的には100℃〜150℃、更により具体的には120℃〜150℃の温度で行われる。酸性触媒系とは、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、次亜リン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の強酸、又は酸性イオン交換樹脂を意味する。
【0043】
上に規定されるような方法において、式(IVa)又は式(IVb)の化合物と式(V)の化合物とのモル比は概して、3/1〜1/5、より具体的には1/1〜1/5、更により具体的には1/1〜1/3である。
【0044】
上に規定される方法において、式(Ia)の化合物と式(Ib)の化合物とを分離する工程b)は、当業者に既知の従来の分離法を用いて行われる。
【0045】
本発明の別の主題は、先に規定されるような式(IVa)の化合物又は先に規定されるような式(IVb)の化合物を、式(VI):
R5−OH (VI)
(式中、R5は1個〜4個の炭素原子を含む線状脂肪族ラジカルである)のアルコールでエステル化する工程であって、それにより、
式(VIIa):
【化31】
(式中、R1、R2及びR5は先に規定されるとおりである)の化合物、又は、
式(VIIb):
【化32】
(式中、R1、R4及びR5は先に規定されるとおりである)の化合物を形成する、工程a1)と、
工程a1)で得られる式(VIIa)の化合物又は式(VIIb)の化合物を、式(V)の化合物との反応によってエステル交換する工程であって、それにより式(Ia)の化合物若しくは式(Ib)の化合物、又は該式(Ia)の化合物と該式(Ib)の化合物との混合物(M)を得る、工程a2)と、
必要又は所望に応じて、
工程b)と、
を含む、上に規定されるような調製方法の変法である。
【0046】
上に規定されるような本発明の主題である方法の変法において、工程a1)は概して、酸性触媒系の存在下で不活性ガス下、およそ60℃〜120℃の温度で行われる。酸性触媒系とは、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、次亜リン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の強酸、又は酸性イオン交換樹脂を意味する。
【0047】
上に規定されるような本発明の主題である方法の変法の工程a1)において、式(IVa)又は式(IVb)の化合物と式(VI)のアルコールとのモル比は概して、1/1〜1/10、より具体的には1/1〜1/8、又は更により具体的には1/2〜1/8である。
【0048】
上に規定されるような本発明の主題である方法の変法において、工程a1)で得られる式(VIIa)及び/又は式(VIIb)のエステルをエステル交換する工程a2)は概して、上に記載の酸性触媒系の存在下で不活性ガス下、およそ80℃〜180℃、より具体的には100℃〜150℃、更により具体的には120℃〜150℃の温度で、in situで形成される式(VI)のアルコールの真空蒸留によって行われる。
【0049】
この変法の工程a2)において、式(VIIa)及び/又は式(VIIb)の化合物と式(V)の化合物とのモル比は、3/1〜1/5、より具体的には1/1〜1/5、更により具体的には1/1〜1/3である。
【0050】
本発明の別の主題は、組成物(C1)であって、その質量を100%として、
99質量%〜20質量%の先に規定されるような式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、
1質量%〜80質量%の先に規定されるような式(Ib)の少なくとも1つの化合物と、
を含む、組成物(C1)である。
【0051】
特定の態様によると、本発明の主題である組成物(C1)において、化合物(Ia)は先に規定されるような式(Ia11)、式(Ia12)、式(Ia13)、式(Ia14)、式(Ia15)、式(Ia21)、式(Ia22)、式(Ia23)、式(Ia24)又は式(Ia25)の化合物から選択され、化合物(Ib)は先に規定されるような式(Ib11)、式(Ib12)、式(Ib13)、式(Ib14)、式(Ib15)、式(Ib21)、式(Ib22)、式(Ib23)、式(Ib24)又は式(Ib25)の化合物から選択される。
【0052】
本発明の主題である組成物(C1)は、様々な方法によって調製することができる。
【0053】
本発明の主題である組成物(C1)を調製する第1の方法は、上に規定されるような式(Ia)の化合物又は式(Ia)の化合物の混合物と、上に規定されるような式(Ib)の化合物又は式(Ib)の化合物の混合物とを、所要の質量比で混合することからなる。
【0054】
本発明の主題である組成物(C1)を調製する第2の方法は、式(V)の化合物と式(IVa)若しくは式(IVb)の化合物、又は式(IVa)の化合物と式(IVb)の化合物との混合物とを所要の比率で反応させることによって、先に記載の式(I)の化合物を調製する方法を行うことからなる。
【0055】
本発明の主題である組成物(C1)を調製する第3の方法は、式(V)の化合物と式(VIIa)若しくは式(VIIb)の化合物、又は式(VIIa)の化合物と式(VIIb)の化合物との混合物とを所要の比率で反応させることによって、先に記載の式(I)の化合物を調製する方法の変法を行うことからなる。
【0056】
本発明の別の主題は、ヒトの身体の内皮細胞の低酸素状態、より具体的には眼周囲のくま若しくはたるみ及び/又は脚のだるさによって生じる非審美的影響を防止及び/又は制限する、化粧品活性物質としての先に規定されるような式(I)の化合物又は組成物(C1)の使用である。
【0057】
本発明の主題である式(I)の化合物及び組成物(C1)は経口投与、局所投与又は非経口投与することができる。
【0058】
本発明の別の主題は、少なくとも1つの化粧品に許容可能な賦形剤と、有効量の先に規定されるような式(I)の化合物又は組成物(C1)とを含むことを特徴とする、局所使用化粧品配合物である。
【0059】
上に記載の化粧品配合物の定義において使用される「局所使用」という表現は、該配合物が、化粧品配合物の場合の直接的な適用、又は例えば繊維製品若しくはペーパーワイプ、若しくは皮膚と接触することが意図される生理用品の形態のボディケア用品の場合の間接的な適用に関わらず皮膚への適用によって使用されることを意味する。
【0060】
1976年7月27日付の欧州経済共同体理事会指令第76/768/CEE号(1993年6月14日付の指令第93/35/CEE号によって改正)によると、上に記載されるような化粧品配合物の定義において使用される「化粧品に許容可能な」という表現は、該配合物がヒトの身体の様々な部位(表皮、毛髪又は毛包系(pilous system)、爪、唇及び性器)又は歯及び口腔粘膜と、専ら主にそれらを清潔にすること、それらに芳香を付けること、外見を改善すること及び/又は体臭を改善すること、及び/又はそれらを保護すること若しくはそれらを良好な状態に保つことを目的として接触することを意図する任意の物質又は調製物を含むことを意味する。
【0061】
本発明の別の主題は、眼周囲のくま及び/又はたるみ及び/又は脚のだるさの現象の出現を防止すること及び/又はそれらの現象を低減することを意図した、ヒトの皮膚を処置する非治療的方法であって、有効量の上に規定されるような局所使用化粧品配合物を上記ヒトの皮膚に適用する少なくとも1つの工程を含む、非治療的方法である。
【0062】
先に規定される局所使用化粧品配合物中に存在する、先に規定されるような式(I)の化合物又は先に規定されるような組成物(C1)の有効量は、ヒトの身体の内皮細胞の低酸素状態、より具体的には眼周囲のくま若しくはたるみ及び/又は脚のだるさによって引き起こされる非審美的影響を防止及び/又は制限することを意図するものであり、該局所使用化粧品配合物の質量を100%として、0.1質量%〜5質量%、より具体的には0.1質量%〜3質量%、更により具体的には0.5質量%〜2質量%の式(I)の化合物又は組成物(C1)という量を意味する。
【0063】
上に記載の非治療的処置方法では、局所使用化粧品配合物を処置対象の皮膚の表面上に塗布した後、皮膚をしばらくの間マッサージする。
【0064】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物は概して、希釈水溶液若しくは含水アルコール溶液の形態、単相エマルション若しくは油中水型(W/O)エマルション、水中油型(
O/W)エマルション若しくは水中油中水型(W/O/W)エマルション等の多相エマルション(油は植物油又は鉱油であり得る)の形態、又は粉末の形態である。局所使用化粧品配合物を、繊維製品、又はワイプ、ペーパータオル若しくは布地を問わず不織布材料に分散又は含浸させてもよい。
【0065】
概して、式(I)の化合物又は組成物(C1)は、本発明の主題である上に規定されるような化粧品配合物において、脂肪、有機溶媒、増粘剤、ゲル化剤、軟化剤、起泡性界面活性剤及び/又は洗浄剤、過脂肪剤、増粘界面活性剤及び/又はゲル化界面活性剤、酸化防止剤、乳白剤、安定剤、発泡剤、香料、乳化界面活性剤(e mulsifying surfactants; de tensioactifs emulsionnants)、ヒドロトロープ剤、可塑剤(plasticers; d'agents plastifiants)、過脂肪剤、テクスチャー剤(texture agents; d'agents de texture)、顔料、金属イオン封鎖剤(sequestring agents; de sequestrants)、キレート剤、防腐剤、精油、着色剤、親水性活性剤若しくは親油性活性剤、保湿剤、香料、無機日焼け止め剤若しくは有機日焼け止め剤、無機充填剤、又は化粧品に通常使用される任意の他の成分のような多くのタイプの添加剤又は有効成分と組み合わされる。
【0066】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる油の例としては、鉱油、例えばパラフィン油、ワセリン油、イソパラフィン又は白色鉱油、動物由来の油、例えばスクアレン又はスクアラン、植物油、例えば甘扁桃油、コプラ油、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、菜種油、ラッカセイ油、ヒマワリ油、麦芽油、トウモロコシ胚芽油、ダイズ油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、月見草油、アワ油(millet oil; l'huile de millet)、オオムギ油、ライムギ油、サフラワー油、ヤマモモ油、トケイソウ油、ヘーゼルナッツ油、ヤシ油、シアバター、杏仁油、ヤラボ油(calophyllum oil; l'huile de calophyllum)、シシンブリウム油(sysymbrium oil; l'huile de sysymbrium)、アボカド油、キンセンカ油;エトキシ化植物油;合成油、例えばミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸ドデシル、ラウリン酸ヘキシル、プロピレングリコールジカプリレート等の脂肪酸エステル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソセチル等のラノリン脂肪酸(lanolic acid; d'acide lanolique)のエステル誘導体、グリセロールトリヘプタノエート等の脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、アルキルベンゾエート、ポリアルファオレフィン、ポリイソブテン等のポリオレフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン等の合成イソアルカン、過フッ素化油並びにシリコーン油が挙げられる。これには、より具体的にはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミンで変成したシリコーン、脂肪酸で変成したシリコーン、アルコールで変成したシリコーン、アルコール及び脂肪酸で変成したシリコーン、ポリエーテル基で変成したシリコーン、変成エポキシシリコーン、フッ化物基で変成したシリコーン、環状シリコーン並びにアルキル基で変成したシリコーンが挙げられる。
【0067】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる他の脂肪の例としては、脂肪アルコール及び脂肪酸が挙げられる。
【0068】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできるロウの例としては、例えば蜜ロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、オーリクリーロウ(ouricoury wax)、木ロウ、コルク繊維ロウ又はサトウキビロウ、パラフィンロウ、亜炭ロウ、微結晶ロウ、ラノリンロウ、オゾケライト、ポリエチレンワックス;水素化油、シリコーンワックス、植物ロウ、脂肪アルコール及び常温で固体の脂肪酸、常温で固体のグリセリドが挙げられる。
【0069】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる増粘重合体及び/又は乳化重合体の例としては、例えばアクリル酸の単独重合体若しくは共重合体、又はアクリル酸の誘導体、アクリルアミドの単独重合体若しくは共重合体、アクリルアミド誘導体の単独重合体若しくは共重合体、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の単独重合体若しくは共重合体、ビニル単量体、トリメチルアミノエチルアクリレートクロリド、植物性の又は生合成による親水コロイド、例えばキサンタンガム、カラヤゴム、カラギネート(carraghenates)、アルギネート;シリケート;セルロース及びその誘導体、デンプン及びその親水性誘導体;ポリウレタンが挙げられる。
【0070】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C
1)と組み合わせることのできる高分子電解質型の重合体としては、例えばアクリル酸と2−メチル−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]1−プロパンスルホン酸(MPSA)との共重合体、アクリルアミドと2−メチル−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]1−プロパンスルホン酸との共重合体、2−メチル−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]1−プロパンスルホン酸と(2−ヒドロキシエチル)アクリレートとの共重合体、2−メチル−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]1−プロパンスルホン酸の単独重合体、アクリル酸の単独重合体、アクリロイルエチルトリメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとの共重合体、MPSAとビニルピロリドンとの共重合体、炭素鎖が10個〜30個の炭素原子を含む、アクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体、炭素鎖が10個〜30個の炭素原子を含む、MPSAとアクリル酸アルキルとの共重合体が挙げられる。かかる重合体は、本出願人によってSIMULGEL(商標)EG、SEPIGEL(商標)305、SIMULGEL(商標)NS、SIMULGEL(商標)800及びSIMULGEL(商標)Aという名でそれぞれ市販されている。
【0071】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる乳化剤の例としては、例えば脂肪酸、エトキシ化脂肪酸、脂肪酸とソルビトールとのエステル、エトキシ化脂肪酸のエステル、ポリソルベート、ポリグリセロールのエステル、エトキシ化脂肪アルコール、スクロースエステル、アルキルポリグリコシド、硫酸化脂肪アルコール及びリン酸化脂肪アルコール、又は仏国特許出願公開第2668080号、同第2734496号、同第2756195号、同第2762317号、同第2784680号、同第2784904号、同第2791565号、同第2790977号、同第2807435号及び同第2804432号に開示されるアルキルポリグリコシドと脂肪アルコールとの混合物が挙げられる。
【0072】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる起泡性界面活性剤及び/又は洗浄剤の例としては、この活動分野で通常使用される局所に許容可能な陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤又は非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0073】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる陰イオン界面活性剤としては、とりわけ以下の化合物のアルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩:アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、α−オレフィンスルフェート、パラフィンスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルカルボキシレート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート、アルキルス
ルホアセテート、アルキルサルコシネート、アシル化チオネート、N−アシルタウレート、アシルラクテートが挙げられる。
【0074】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる陰イオン界面活性剤には、アシル鎖が8個〜16個の炭素原子を含むアミノ酸、ペプチド、タンパク質のN−アシル化誘導体;コプラ油酸塩、場合によって水素化されたコプラ油酸塩も含まれる。
【0075】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる両性界面活性剤としては、とりわけアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、イミダゾリン誘導体、ホスホベタイン、両性ポリアセテート(amphopolyacetates)及び両性プロピオネート(amphopropionates)が挙げられる。
【0076】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる陽イオン界面活性剤としては、とりわけ第四級アンモニウムの誘導体が挙げられる。
【0077】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる非イオン界面活性剤としては、とりわけアルキル鎖が8個〜16個の炭素原子を含むアルキルポリグリコシド、ヒマシ油の誘導体、ポリソルベート、コプラアミド(coprah amides)、N−アルキルアミン、アミンオキシドが挙げられる。
【0078】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできるテクスチャー剤の例としては、例えばN−アシル化アミノ酸の誘導体、例えば味の素株式会社によってAMINOHOPE(商標)LLという名で市販されているラウロイルリジン、NATIONAL STARCH社によってDRYFLO(商標)という名で市販されているオクテニルコハク酸デンプン(octenyl starch succinate)、S EPPICによってMONTANOV 14という名で市販されているミリスチルポリグルコシド、セルロース繊維、綿繊維、キトサン繊維、タルク、セリサイト、又はマイカが挙げられる。
【0079】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる乳白剤及び/又は真珠光沢剤の例としては、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、及び脂肪アルコールが挙げられる。
【0080】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる増粘界面活性剤及び/又はゲル化界面活性剤の例としては、以下のものが挙げられる:
場合によってアルコキシル化されたアルキルポリグリコシド、とりわけエトキシ化メチルポリグルコシドの脂肪エステル、例えばそれぞれGLUCAMATE(商標)LT及びGLUMATE(商標)DOE120という名で市販されている、PEG 120トリオレイン酸メチルグルコース及びPEG 120ジオレイン酸メチルグルコース;
アルコキシル化脂肪酸エステル、例えばCROTHIX(商標)DS53という名で市販されているPEG 150テトラステアリン酸ペンタエリスリチル(pentaerythrityl)
、ANTIL(商標)141という名で市販されているPEG 55オレイン酸プロピレングリコール;
脂肪鎖を有するカルバミン酸ポリアルキレングリコール、例えばELFACOS(商標)T211という名で市販されているPPG 14ジカルバミン酸ラウレスイソホリル、ELFACOS(商標)GT2125という名で市販されているPPG 14ジカルバミン酸パルメス60ヘキシル。
【0081】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる日焼け止め剤の例としては、改正化粧品指令第76/768/EEC号の付属書VIIで言及されるもの全てが挙げられる。
【0082】
本発明の主題である局所使用化粧品配合物において式(I)の化合物又は組成物(C1)と組み合わせることのできる有効成分の例としては、美白作用又は脱色素作用を有する化合物、例えばアルブチン、コウジ酸、ハイドロキノン、エラグ酸、ビタミンC、リン酸アスコルビルマグネシウム、多価フェノール抽出物、グリコシル化ポリフェノールの誘導体、例えばロスマリニルグルコシド(Rosmarinyl glucoside)、ブドウ抽出物、マツ抽出物、ワイン抽出物、オリーブ抽出物、搾りかす抽出物(pond extracts)、N−アシル化タンパク質、N−アシル化ペプチド、N−アシル化アミノ酸、N−アシル化タンパク質、アミノ酸、ペプチドの部分加水分解物、全タンパク質加水分解物、部分タンパク質加水分解物、ポリオール(例えばグリセリン又はブチレングリコール)、尿素、ピロリドンカルボン酸若しくはこの酸の誘導体、グリチルレチン酸、α−ビサボロール、糖若しくは糖誘導体、多糖若しくはその誘導体、ヒドロキシ酸、例えば乳酸、ビタミン、レチノール等のビタミン誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ミネラル、酵素、コエンザイムQ10等の補酵素、ホルモン若しくは「ホルモン様」物質、ダイズ抽出物、例えばRaffermine(商標)、コムギ抽出物、例えばTensine(商標)若しくはGliadine(商標)、タンニン(tannin; en tanins)高含有抽出物、イソフラボン高含有抽出物若しくはテルペン高含有抽出物、淡水藻若しくは海藻の抽出物、エッセンシャルワックス(essential waxes)、細菌抽出物、ミネラル、脂質全般、セラミド(ceramides)若しくはリン脂質等の脂質、痩身作用を有する作用物質、例えばカフェイン若しくはその誘導体、ADIPOLESS(商標)という名で市販されているキノア抽出物、SERENIKS(商標)207という名で市販されているカナダツガ抽出物、ADIPOSLIM(商標)という名で市販されているラウロイルプロリンを含む組成物、抗菌活性若しくは脂性肌の清浄作用を有する作用物質、例えばLIPACIDE(商標)PVB、活性化(energising)特性若しくは刺激特性を有する成分、例えばSEPITONIC(商標)M3若しくはPhysiogenyl(商標)、パンテノール及びその誘導体、例えばSEPICAP(商標)MP、アンチエイジング作用物質、例えばSEPILIFT(商標)DPHP、LIPACIDE(商標)PVB、SEPIVINOL(商標)、SEPIVITAL(商標)、保湿作用物質、例えばSEPICALM(商標)S、SEPICALM(商標)VG及びSEPILIFT(商標)DPHP、「アンチフォトエイジング(anti-photo aging)」アンチエイジング作用物質、真皮表皮接合部の完全性を保護する作用物質、細胞外マトリックス成分の合成を増加させる作用物質、痩身効果を有する作用物質、例えばカフェイン、テオフィリン、AMPc、緑茶、セージ、イチョウ、セイヨウキヅタ、セイヨウトチノキ、タケ、ルスカス(r uscus)、ナギイカダ(butcher's broom)、ツボクサ、ヒース、シモツケソウ、ヒバマタ、ローズマリー、ヤナギ、皮膚微小循環活性剤(例えばニコチネート)等の皮膚に「温かい」感覚を生じさせる作用物質、又は皮膚に「清涼」感を生じさせる生成物(例えばメントール及びその誘導体)が挙げられる。
【0083】
本発明の別の主題は、ヒト又は動物の身体の治療処置方法の実施用の先に規定されるような式(I)の化合物又は組成物(C1)、より具体的にはヒト又は動物の身体の内皮細胞の低酸素状態を治療処置する方法、より具体的には眼周囲のくま若しくはたるみ及び/
又は脚のだるさを治療処置する方法に使用される先に規定されるような式(I)の化合物又は組成物(C1)である。
【0084】
以下の実験研究は本発明を説明するが、限定するものではない。