(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パラレルクロック信号発生部は、前記有効クロック幅を示す動作クロック信号のクロック数の小数部の値に基づいて、前記動作クロック信号のクロック数の整数部に対応するクロック数のクロック信号と、前記動作クロック信号のクロック数の整数部に所定の整数分のクロック数だけ加算または減算したクロック信号とを組み合わせてパラレルクロック信号を発生し、
前記シリアルクロック信号発生部は、前記パラレルクロック信号発生部によりにより発生されたパラレルクロック信号のHレベルまたはLレベルの区間のパラレルクロック幅の動作クロック信号のクロック数を所定の整数で割ったときの余りに基づいて、前記パラレルクロック信号のHレベルまたはLレベルの区間のパラレルクロック幅の動作クロック信号のクロック数を所定の整数で割ったときの商の整数部となるクロック数のクロック信号と、前記パラレルクロック信号のHレベルまたはLレベルの区間のパラレルクロック幅の動作クロック信号のクロック数を所定の整数で割ったときの商の整数部に所定の整数分のクロック数だけ加算または減算したクロック数のクロック信号とを組み合わせてシリアルクロック信号を発生する
請求項2に記載の信号処理装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
<本技術が適用される受信システム>
【0025】
図1は、本技術が適用される受信システムの構成例を示すブロック図である。
【0026】
図1の受信システムは、例えば、デジタル放送を受信する。
【0027】
すなわち、
図1において、受信システムは、アンテナ10、および、受信装置20を有する。
【0028】
アンテナ10は、例えば、TSを含むデジタル放送の放送波を受信し、その結果得られる受信信号を、受信装置20に供給する。
【0029】
受信装置20は、アンテナ10からの受信信号から、TSを復元して処理する。
【0030】
すなわち、受信装置20は、復調部21、FEC(Forward Error Correction)部22、セレクタ23、スムージング部24、処理モジュール25、および、クロック生成部26,27を有する。
【0031】
復調部21は、アンテナ10からの受信信号を復調し、その結果得られる復調信号を、FEC部22に供給する。
【0032】
FEC部22は、復調部21からの復調信号の誤り訂正を行い、その結果得られるTS等の信号を、セレクタ23に供給する。
【0033】
セレクタ23には、FEC部22が出力する出力信号であるTSシンク信号、TSバリッド信号、データ信号、および、TSクロック信号が供給される。さらに、セレクタ23には、図示せぬ外部チューナが出力する出力信号であるTSシンク信号、TSバリッド信号、データ信号、および、TSクロック信号、並びに、図示せぬその他のチップが出力する出力信号であるTSシンク信号、TSバリッド信号、データ信号、および、TSクロック信号が供給される。
【0034】
セレクタ23は、FEC部22の出力信号、外部チューナの出力信号、および、その他のチップの出力信号のうちのいずれか1つの出力信号を、例えば、ユーザの操作等に応じて選択し、スムージング部24に供給する。
【0035】
スムージング部24は、処理モジュール25と同様に、クロック生成部27が生成する動作クロック信号に従って動作する。
【0036】
スムージング部24には、セレクタ23から、クロック信号の出力信号が供給される。
【0037】
スムージング部24は、セレクタ23からの出力信号に含まれるTSクロック信号をスムージングして周期を平均的に均一にしたクロック信号を、TSクロック信号を整形した整形TSクロック信号として生成する。
【0038】
そして、スムージング部24は、整形TSクロック信号とともに、セレクタ23からの出力信号に含まれるTS(データ信号)、TSシンク信号、および、TSバリッド信号であって、整形TSクロック信号に同期した状態の信号を、処理モジュール25に供給する。
【0039】
処理モジュール25は、TSを処理するTS処理モジュールである。
【0040】
ここで、TS処理モジュールとしては、例えば、TSのデスクランブル等を行う、受信装置20に着脱可能なCAM(Conditional Access Module)がある。処理モジュール25が、CAMである場合、FEC部22が出力するTS等の信号は、DVB-CI+規格で規定されているACスペック等を満たす必要がある。
【0041】
クロック生成部26は、例えば、PLL(Phase Lock Loop)で構成され、受信装置20を構成する復調部21、およびFEC部22を動作させるためのクロック信号である動作クロック信号を生成し、復調部21、およびFEC部22に供給する。復調部21、およびFEC部22は、クロック生成部26から供給される動作クロック信号に従って動作する。
【0042】
クロック生成部27は、例えば、クロック生成部26と同様に、PLLで構成され、スムージング部24、および処理モジュール25を動作させるための動作クロック信号を生成し、スムージング部24、および処理モジュール25に供給する。
【0043】
したがって、復調部21、および、FEC部22は、クロック生成部26が生成する動作クロック信号に従って動作し、スムージング部24、および処理モジュール25は、クロック生成部27が生成する動作クロック信号に従って動作する。
【0044】
なお、復調部21、およびFEC部22と、スムージング部24、および処理モジュール25とは、すべて、同一の動作クロック信号に従って動作させることができる。
【0045】
<FEC部22より出力される信号の例>
図2は、FEC部22が出力する信号の例を示す図である。
【0046】
FEC部22は、TSシンク信号、TSバリッド信号、データ信号、および、TSクロック信号を出力する。
【0047】
TSシンク信号は、TSに含まれるTSパケットの先頭のタイミングを表す。TSシンク信号は、例えば、TSパケットの先頭のタイミングだけ、一時的に、L(Low)レベルからH(High)レベルになる。
【0048】
TSバリッド信号は、TSにおいて、TSパケットが存在する区間(有効区間)を表す。TSバリッド信号は、例えば、有効区間で、Hレベルになり、有効以外の区間で、Lレベルになる。すなわち、TSバリッド信号は、TSパケットの先頭から最後までの区間では、Hレベルになり、他の区間では、Lレベルになる。
【0049】
データ信号は、TSの信号であり、TSパケットが含まれる。TSパケットは、データ長(パケット長)が188バイトのパケットであり、先頭の4バイトがヘッダになっている。
【0050】
TSクロック信号は、TSを構成するデータのタイミングを表す信号である。TSクロック信号は、LレベルとHレベルとを交互に繰り返すパルス状の信号である。
【0051】
例えば、いま、FEC部22が、TSパケット(データ信号)を、パラレルで、8ビット単位(並列)で出力することとすると、1周期のTSクロック信号(TSクロック信号の1つのパルス)は、FEC部22からパラレルで出力されるTSパケットの8ビットのタイミングを表す。
【0052】
なお、TS(データ信号)の他、TSシンク信号、および、TSバリッド信号も、TSクロック信号に同期した信号になっている。
【0053】
すなわち、TSシンク信号、および、TSバリッド信号は、いずれも、例えば、TSクロック信号の立ち下がりエッジのタイミングで、レベルが変化する信号になっている。
【0054】
ここで、FEC部22は、クロック生成部26が生成する動作クロック信号に従って動作するので、TSシンク信号、TSバリッド信号、データ信号、および、TSクロック信号は、いずれも、クロック生成部26が生成する動作クロック信号に同期した信号(動作クロック信号のエッジのタイミングで、レベルが変化し、レベルの変化の最小の粒度が、動作クロック信号の周期である信号)になっている。
【0055】
FEC部22は、以上のようなTSシンク信号、TSバリッド信号、データ信号、および、TSクロック信号を出力するが、FEC部22が出力するTSクロック信号に、ジッタが生じている場合、そのTSクロック信号が、後段の処理モジュール25が要求するACスペックを満たさないことがある。
【0056】
<ACスペック>
図3は、ACスペックを説明する図である。
【0057】
図3において、T
clkpは、TSクロック信号の最小のクロック幅、すなわち、立ち上がりエッジ(立ち下がりエッジ)から、次の立ち上がりエッジ(立ち下がりエッジ)までの時間の最小値である最小クロック幅を表す。
【0058】
また、T
clkhは、(1周期の)TSクロック信号のHレベルの区間(時間)の最小値である最小Hレベル区間を表し、T
clklは、TSクロック信号のLレベルの区間の最小値である最小Lレベル区間を表す。
【0059】
ACスペックでは、TSのビットレートの上限として、96Mbpsと72Mbpsとが規定されており、最小クロック幅T
clkp、最小Hレベル区間T
clkh、および、最小Lレベル区間T
clklは、96Mbps以下(のTS)と、72Mbps以下(のTS)とに分けて規定されている。
【0060】
すなわち、96Mbps以下では、最小クロック幅T
clkpは、83ns(ナノ秒)以上でなければならず、最小Hレベル区間T
clkh、および、最小Lレベル区間T
clklは、いずれも20ns以上でなければならないことが規定されている。
【0061】
また、72Mbps以下では、最小クロック幅T
clkpは、111ns以上でなければならず、最小Hレベル区間T
clkh、および、最小Lレベル区間T
clklは、いずれも40ns以上でなければならないことが規定されている。
【0062】
ここで、
図2で説明にしたように、TSパケットを、パラレルで、8ビット単位(並列)で出力する場合に、TSのデータレートが、96Mbpsであるときには、TSパケットの8ビット単位のタイミングを表すTSクロック信号のクロック幅(周期)は、1/(96Mbps/8ビット)=83.333・・・ns以下でなければならない。
【0063】
また、TSのデータレートが、72Mbpsであるときには、TSクロック信号のクロック幅は、1/(72Mbps/8ビット)=111.111・・・ns以下でなければならない。
【0064】
以上のように、TSクロック信号に物理的に要求されるクロック幅である83.333・・・nsや、111.111・・・nsと、ACスペックによって要求される最小クロック幅T
clkpである83nsや、111nsとは、極めて近い。
【0065】
そのため、セレクタ23からのクロック信号の出力信号に、ジッタが生じている場合、その出力信号に含まれるTSクロック信号のクロック幅が、ACスペックで規定されている最小クロック幅T
clkpである83ns未満や、111ns未満になって、ACスペックを満たすことが困難となる。
【0066】
そこで、スムージング部24は、セレクタ23からの出力信号に含まれるTSクロック信号をスムージングして周期を均一にしたクロック信号を、TSクロック信号を整形した整形TSクロック信号として生成する。
【0067】
そして、スムージング部24は、整形TSクロック信号とともに、セレクタ23からの出力信号に含まれるTS(データ信号)、TSシンク信号、および、TSバリッド信号であって、整形TSクロック信号に同期した状態の信号を、処理モジュール25に供給する。
【0068】
<スムージング部24の構成例>
【0069】
図4は、
図1のスムージング部24の構成例を示すブロック図である。
【0070】
図4において、スムージング部24は、記憶部51、遅延部52、カウント部53および54、クロック幅算出部55、生成部56、並びに、出力制御部57を有する。
【0071】
記憶部51には、セレクタ23からの出力信号に含まれるデータ信号(TS)が供給される。
【0072】
記憶部51は、セレクタ23からのデータ信号(TS)を一時記憶する。
【0073】
遅延部52には、セレクタ23からの出力信号に含まれるTSシンク信号が供給される。
【0074】
遅延部52は、セレクタ23からのTSシンク信号を遅延し、出力制御部57に供給する。
【0075】
すなわち、遅延部52は、例えば、セレクタ23からのTSシンク信号としてのTSパケットの先頭を表すパルスを、次のTSパケットの先頭のタイミングまでの時間だけ遅延して、出力制御部57に供給する。
【0076】
カウント部53には、セレクタ23からの出力信号に含まれるTSバリッド信号が供給されるとともに、クロック生成部26で生成された動作クロック信号が供給される。
【0077】
カウント部53は、セレクタ23からのTSバリッド信号から、データ信号(TS)においてTSパケットが存在する有効区間を認識し、その有効区間において、クロック生成部27で生成された動作クロック信号のクロック数(立ち上がりエッジ、又は、立ち下がりエッジの数)(以下、有効動作クロック数ともいう)Nをカウントする。
【0078】
そして、カウント部53は、有効動作クロック数Nを、クロック幅算出部55に供給する。
【0079】
カウント部54には、セレクタ23からの出力信号に含まれるTSバリッド信号、および、TSクロック信号が供給される。
【0080】
カウント部54は、セレクタ23からのTSバリッド信号から、有効区間を認識し、その有効区間において、セレクタ23からのTSクロック信号のクロック数(以下、有効TSクロック数ともいう)をカウントする。
【0081】
そして、カウント部54は、有効TSクロック数(有効区間の、TSクロック信号のクロック数のカウント値)が、TSパケットのデータ長である188バイト未満である場合、TSパケットのデータ長に異常がある旨のエラーメッセージを出力する。
【0082】
クロック幅算出部55は、カウント部53からの有効動作クロック数Nを用いて、TSの有効区間のデータレートに対応するクロック幅Ddivを算出する。
【0083】
すなわち、クロック幅算出部55は、カウント部53からの有効動作クロック数Nを、TSパケットのデータ長の半周期である(188×2)バイトで除算した値(以下、バイトクロック数ともいう)N/(188×2)を、クロック幅Ddivとして求める。
【0084】
ここで、バイトクロック数N/(188×2)は、TSパケットのデータレートの半周期の逆数であり、TSパケットのデータレートに相当するから、バイトクロック数N/(188×2)で表現されるクロック幅Ddivは、TSパケット(の有効区間)のデータレートに対応する、ということができる。
【0085】
なお、クロック幅を表すDdivの単位は、クロック生成部26で生成される動作クロック信号(以下、単に、動作クロック信号ともいう)のクロック数である。したがって、Ddivに、動作クロック信号の周期としての時間を乗算することにより、時間を単位とするクロック幅を求めることができる。
【0086】
また、クロック幅算出部55において、クロック幅Ddivとしては、ACスペックの最小クロック幅T
clkp以上の時間(となるクロック数)が算出される。
【0087】
クロック幅算出部55は、クロック幅Ddivを、生成部56に供給する。
【0088】
生成部56は、クロック幅算出部44で算出されたクロック幅Ddivを周期とするパルス状のクロック信号を生成し、TSパケットのTSクロック信号を整形した整形TSクロック信号として、出力制御部57に出力する。
【0089】
出力制御部57は、生成部56からの整形TSクロック信号に同期して、記憶部51に記憶されたデータ信号(TS)、および、遅延部52で遅延されたTSシンク信号を、処理モジュール25に出力する出力制御を行う。
【0090】
さらに、出力制御部57は、TSシンク信号の立ち上がりエッジから、整形TSクロック信号の188クロック分の区間がHレベルのTSバリッド信号を生成して、処理モジュール25に出力する出力制御を行う。
【0091】
なお、出力制御部57は、カウント部54がTSパケットのデータ長に異常がある旨のエラーメッセージを出力した場合、記憶部51に記憶されたデータ信号に含まれる、データ長に異常があるTSパケットを出力せずに破棄(削除)する。
【0092】
また、生成部56は、整形TSクロック信号のうち、パラレルクロック信号を発生するパラレル部61、カウント部62、クロック幅算出部63、およびシリアルクロック信号を発生するシリアル部64を備えている。
【0093】
パラレル部61は、整数部71、小数部72、およびパラレル調整部73を備えている。整数部71は、クロック幅Ddivの整数部Dintを算出し記憶する。小数部72は、クロック幅Ddivの小数部Dremを算出し記憶する。パラレル調整部73は、クロック幅Ddivの整数部Dintに基づいて、TSクロック信号を基準としたパラレルクロック信号の、基準となるHレベル区間およびLレベル区間の長さを設定すると共に、クロック幅Ddivの小数部Dremに基づいて、整数部Dintにより設定された、基準となるHレベル区間およびLレベル区間の長さをTSクロック信号の最小区間を追加することにより調整して、整形したパラレルクロック信号を発生する。
【0094】
カウント部62は、パラレルクロックがHレベル区間、またはLレベル区間の動作クロック信号のクロック数Mをカウントして、クロック幅算出部63に供給する。
【0095】
クロック幅算出部63は、カウント部62からのクロック数Mを用いて、TSの有効区間のデータレートに対応するパラレルクロック信号のクロック幅Mdivを算出する。
【0096】
シリアル部64は、整数部81、余り部82、およびシリアル調整部83を備えている。整数部81は、クロック幅算出部63により生成されたパラレルクロック信号のクロック幅Mdivに基づいて、クロック幅Mdivを所定の整数で除したときの商を、整数部Mintとして算出する。余り部82は、クロック幅Mdivを所定の整数で除したときの余りMremを算出する。シリアル調整部83は、クロック幅Mdivの整数部Mintに基づいて、TSクロック信号を基準としたシリアルクロック信号の、基準となるHレベル区間およびLレベル区間の長さを設定すると共に、クロック幅Mdivの余りMremに基づいて、整数部Mintにより設定された、基準となるHレベル区間およびLレベル区間の長さをTSクロック信号の最小区間を追加することにより調整して、整形したシリアルクロック信号を発生する。
【0097】
<TSクロック信号スムージング処理>
次に、
図5のフローチャートを参照して、スムージング部24によるTSクロック信号スムージング処理について説明する。
【0098】
ステップS11において、パラレル部61は、パラレルクロック信号スムージング処理を実行することにより、パラレルクロック信号を整形して出力する。
【0099】
ステップS12において、パラレル部62は、シリアルクロック信号スムージング処理を実行することにより、シリアルクロック信号を整形して出力する。
【0100】
以上の処理により、TSクロック信号であるパラレルクロック信号、およびシリアルクロック信号を整形して出力する。尚、パラレルクロック信号スムージング処理、およびシリアルクロック信号スムージング処理については、それぞれ
図6,
図8のフローチャートを参照して、詳細を後述するものとする。
【0101】
<パラレルクロック信号スムージング処理>
次に、
図6のフローチャートを参照して、パラレルクロック信号スムージング処理について説明する。尚、以降においては、動作クロックが192MHzであり、TSパケットのデータ長が188バイトであるものとし、パラレルクロックの平均周波数を12.0MHz,11.6MHz,11.3MHz,11.0MHz,10.7MHz,10.4MHzにスムージングする場合について説明するものとするが、同様の手法により、その他の平均周波数にスムージングすることも可能である。
【0102】
ステップS31において、カウント部53は、有効動作クロック数Nをカウントしてクロック幅算出部55に供給する。すなわち、カウント部53は、
図2を参照して説明したTSバリッド信号がHレベルで示される有効となっている区間の動作クロック数をカウントする。
【0103】
ステップS32において、クロック幅算出部55は、カウント部53から供給される有効動作クロック数Nに基づいて、TSクロックの半周期幅Ddivを計算する。より具体的には、クロック幅算出部55は、TSパケットのデータ長である188バイトで除算した値であるバイトクロック数N/188をTSクロックの周期幅として求め、さらに、そのバイトクロック数N/188の半分をTSクロックの半周期幅N/(188×2)を求める。さらに、クロック幅算出部55は、TSクロックの半周期幅N/(188×2)の小数点第3位以下を切り捨てた値を、クロック幅Ddivとして算出する。
【0104】
ステップS33において、パラレル部61は、クロック幅Ddivを、整数部Dintおよび小数部Dremに分割する。すなわち、パラレル部61は、整数部71にクロック幅Ddivの整数部Dintを算出させて記憶させる。同様に、パラレル部61は、小数部72にクロック幅Ddivの小数部Dremを算出させて記憶させる。結果として、クロック幅Ddivが、整数部Dintと小数部Dremとに分割されて、整数部71、および小数部72に記憶される。
【0105】
ステップS34において、パラレル調整部73は、小数部Dremが0.25よりも小さいか否かを判定する。ステップS34において、例えば、小数部Dremが0.25よりも小さいと判定された場合、処理は、ステップS35に進む。
【0106】
ステップS35において、パラレル調整部73は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Dint,Dint,Dint,Dintの長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、
図7の右部最上段におけるパラレルクロック信号で示されるように、LレベルおよびHレベルの区間が、Dint,Dint,Dint,Dintの長さの間隔で繰り返し出力される。この場合、
図7の左部で示されるようにパラレルクロック信号としては、例えば、12MHzで出力される。すなわち、12MHzである場合、動作クロックが192MHzであるため、動作クロックの8分周、すなわち、動作クロックの8カウント分ずつの間隔でHレベルとLレベルとが交互に変化するクロック信号が出力される。または、
図7の左部で示されるようにパラレルクロック信号としては、例えば、10.7MHzで出力される。すなわち、10.7MHzである場合、動作クロックが192MHzであるため、動作クロックの9分周、すなわち、動作クロックの9カウント分ずつの間隔でHレベルとLレベルとが交互に変化するクロック信号が出力される。
【0107】
尚、
図7の左部においては、左列に平均周波数(MHz)が表記されており、上段にシリアルクロック信号の周波数が表記され、下段にパラレルクロック信号の周波数が表記されており、それぞれが相互に対応する周波数である。また、
図7の左部中央列において、パラレルと表記された欄には、本技術を適用した場合と、従来の技術を適用した場合におけるパラレルクロック信号として表現できる周波数について丸印が表記されている。また、
図7の左部右列において、同様に、シリアルと表記された欄には、本技術を適用した場合と、従来の技術を適用した場合におけるシリアルクロック信号として表現できる周波数について丸印が表記されている。
【0108】
一方、ステップS34において、例えば、小数部Dremが0.25よりも小さくないと判定された場合、処理は、ステップS36に進む。
【0109】
ステップS36において、パラレル調整部73は、小数部Dremが0.25よりも大きく、かつ、0.5よりも小さいか否かを判定する。ステップS36において、例えば、小数部Dremが0.25よりも大きく、かつ、0.5よりも小さいと判定された場合、処理は、ステップS37に進む。
【0110】
ステップS37において、パラレル調整部73は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Dint,Dint,Dint,Dint+1の長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、
図7の右部上から2段目におけるパラレルクロック信号で示されるように、LレベルおよびHレベルの区間が、Dint,Dint,Dint,Dint+1の長さの間隔で繰り返し出力される。この場合、
図7の左部で示されるように、例えば、11.6MHzのパラレルクロック信号が出力される。すなわち、11.6MHzである場合、動作クロックが192MHzであるため、動作クロックの8分周、すなわち、動作クロックの8カウント分ずつの間隔と、動作クロックの9分周、すなわち、動作クロックの9カウント分ずつの間隔とが3:1の比率となるようにHレベルとLレベルとが交互に変化するクロック信号が出力される。尚、
図7においては、LレベルおよびHレベルの区間が、Dint,Dint,Dint,Dint+1の順序で動作クロックの間隔が変化する例が示されているが、クロック信号の平均周波数が設定できればよいものであるので、比率が同様であれば、異なるクロックカウントの間隔の順序は異なるものであってもよい。従って、異なるクロックカウントの間隔は、例えば、Dint+1,Dint,Dint,Dintの順序、Dint,Dint+1,Dint,Dintの順序、または、Dint,Dint,Dint+1,Dintの順序でもよい。
【0111】
または、
図7の左部で示されるように、例えば、10.4MHzのパラレルクロック信号が出力される。すなわち、10.4MHzである場合、動作クロックが192MHzであるため、動作クロックの9分周、すなわち、動作クロックの9カウント分ずつの間隔と、動作クロックの10分周、すなわち、動作クロックの10カウント分ずつの間隔とが3:1の比率となるようにHレベルとLレベルとが交互に変化するクロック信号が出力される。この場合についても、同様に比率が同様であれば、異なる分周のクロックの間隔は、異なる順序であってもよい。
【0112】
また、ステップS36において、例えば、小数部Dremが0.25よりも大きくない、または、0.5よりも小さくないと判定された場合、処理は、ステップS38に進む。
【0113】
ステップS38において、パラレル調整部73は、小数部Dremが0.5よりも大きく、かつ、0.75よりも小さいか否かを判定する。ステップS38において、例えば、小数部Dremが0. 5よりも大きく、かつ、0.75よりも小さいと判定された場合、処理は、ステップS39に進む。
【0114】
ステップS39において、パラレル調整部73は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Dint,Dint+1,Dint,Dint+1の長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、
図7の右部上から3段目におけるパラレルクロック信号で示されるように、LレベルおよびHレベルの区間が、Dint,Dint+1,Dint,Dint+1の長さの間隔で繰り返し出力される。この場合、
図7の左部で示されるように、例えば、11.3MHzのパラレルクロック信号が出力される。すなわち、11.3MHzである場合、動作クロックが192MHzであるため、動作クロックの8分周、すなわち、動作クロックの8カウント分ずつの間隔と、動作クロックの9分周、すなわち、動作クロックの9カウント分ずつの間隔とが1:1の比率となるようにHレベルとLレベルとが交互に変化するクロック信号が出力される。尚、
図7においては、LレベルおよびHレベルの区間が、Dint,Dint+1,Dint,Dint+1の順序で動作クロックの間隔が変化する例が示されているが、クロック信号の平均周波数が設定できればよいものであるので、比率が同様であれば、異なるクロックカウントの間隔の順序は異なるものであってもよい。従って、異なるクロックカウントの間隔は、例えば、Dint+1,Dint,Dint,Dint+1の順序、Dint,Dint,Dint+1,Dint+1の順序、Dint+1,Dint,Dint+1,Dintの順序、Dint+1,Dint+1,Dint,Dintの順序、または、Dint,Dint+1,Dint+1,Dintの順序でもよい。
【0115】
また、ステップS38において、例えば、小数部Dremが0.5よりも大きくない、または、0.75よりも小さくないと判定された場合、すなわち、小数部Dremが0.75よりも大きいとみなされた場合、処理は、ステップS40に進む。
【0116】
ステップS40において、パラレル調整部73は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Dint,Dint+1,Dint+1,Dint+1の長さの間隔で繰り返すように変化させて出力する。すなわち、
図7の右部上から4段目におけるパラレルクロック信号で示されるように、LレベルおよびHレベルの区間が、Dint,Dint+1,Dint+1,Dint+1の長さの間隔で繰り返し出力される。この場合、
図7の左部で示されるように、例えば、11.0MHzのパラレルクロック信号が出力される。すなわち、11.0MHzである場合、動作クロックが192MHzであるため、動作クロックの8分周、すなわち、動作クロックの8カウント分ずつの間隔と、動作クロックの9分周、すなわち、動作クロックの9カウント分ずつの間隔とが1:3の比率となるようにHレベルとLレベルとが交互に変化するクロック信号が出力される。尚、
図7においては、LレベルおよびHレベルの区間が、Dint,Dint+1,Dint+1,Dint+1の順序で動作クロックの間隔が変化する例が示されているが、クロック信号の平均周波数が設定できればよいものであるので、比率が同様であれば、異なるクロックカウントの間隔の順序は異なるものであってもよい。従って、異なるクロックカウントの間隔は、例えば、Dint+1,Dint,Dint+1,Dint+1の順序、Dint+1,Dint+1,Dint,Dint+1の順序、または、Dint+1,Dint+1,Dint+1,Dintの順序でもよい。
【0117】
以上の処理により、動作クロックに対して異なる分周率のクロックを組み合わせるようにすることで、TSデータレートに応じた様々な周波数のパラレルクロック信号を発生することが可能となる。尚、以上におけるパラレルクロック信号の発生周波数の例は、一例に過ぎず、様々な分周率のクロック信号を組み合わせることで、上述した以外の周波数のパラレルクロック信号を発生することが可能となる。
【0118】
<シリアルクロック信号スムージング処理>
次に、
図8のフローチャートを参照して、シリアルクロック信号スムージング処理について説明する。尚、以降においては、動作クロックが192MHzであり、TSパケットのデータ長が188バイトであるものとし、シリアルクロックの平均周波数を96.0MHz,93.1MHz,90.4MHz,87.8MHz,85.3MHz,83.0MHzにスムージングする場合について説明するものとするが、同様の手法により、その他の平均周波数にスムージングすることも可能である。また、シリアルクロック信号スムージング処理は、その前のパラレルクロック信号スムージング処理により求められたパラレルクロック信号を利用して実行される処理であるので、シリアルクロック信号スムージング処理より以前にパラレルクロック信号スムージング処理が実行されていることが前提となる。
【0119】
すなわち、ステップS61において、カウント部62は、パラレルクロックのHレベル、およびLレベルの区間のクロック数Mをカウントしてクロック幅算出部55に供給する。すなわち、カウント部62は、
図7を参照して説明したパラレルクロック信号がHレベルまたはLレベルで示される区間の動作クロック数Mをカウントする。
【0120】
ステップS62において、クロック幅算出部63は、カウント部62から供給されるパラレルクロック数Mを8で除算して、その結果であるクロック幅Mintと、その余り部Mremを算出する。
【0121】
ステップS63において、シリアル部64は、クロック幅Mintを、整数部81に記憶させる。同様に、シリアル部64は、余り部82に余り部Mremを記憶させる。
【0122】
ステップS64において、シリアル調整部83は、余り部Mremが0であるか否かを判定する。ステップS64において、例えば、余り部Mremが0であると判定された場合、処理は、ステップS65に進む。
【0123】
ステップS65において、シリアル調整部83は、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mintの長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、
図7の右部最上段におけるシリアルクロック信号で示されるように、LレベルおよびHレベルの区間が、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mintの長さの間隔で繰り返し出力される。この場合、
図7の左部で示されるようにシリアルクロック信号としては、例えば、96MHz(パラレルクロック信号の12MHzに対応する)で出力される。すなわち、96MHzである場合、動作クロックが192MHzであるため、動作クロックの1分周、すなわち、動作クロックの1カウント分ずつの間隔でHレベルとLレベルとが交互に変化するクロック信号が出力される。
【0124】
一方、ステップS64において、例えば、余り部Mremが0ではないと判定された場合、処理は、ステップS66に進む。
【0125】
ステップS66において、シリアル調整部83は、余り部Mremが1であるか否かを判定する。ステップS66において、例えば、余り部Mremが1であると判定された場合、処理は、ステップS67に進む。
【0126】
ステップS67において、シリアル調整部83は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1の長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、
図7の右部上から2段目における分周率が9のパラレルクロック信号における、LレベルおよびHレベルの区間が、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1の長さの間隔で繰り返し出力される。この場合、
図7の左部で示されるように、例えば、パラレルクロック信号のDint,Dint,Dint,Dint+1におけるDint+1で示される区間において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間が、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1の長さの間隔で繰り返し設定されることにより、93.1MHzの(パラレルクロック信号の11.6MHzに対応する)シリアルクロック信号が出力される。
【0127】
すなわち、93.1MHzである場合、パラレルクロック信号における、動作クロックの8分周、すなわち、動作クロックの8カウント分ずつの間隔と、動作クロックの9分周、すなわち、動作クロックの9カウント分ずつの間隔とが7:1の比率となるようにHレベルとLレベルとが交互に変化され、さらに、動作クロックの9分周、すなわち、動作クロックの9カウント分ずつの間隔において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間が、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1の長さの間隔で繰り返し設定されることにより、93.1MHzの(パラレルクロック信号の11.6MHzに対応する)シリアルクロック信号が出力されている例が示されている。すなわち、動作クロックの9カウント分ずつの間隔において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間における1分周、すなわち動作クロックの1カウント分の間隔と、2分周、すなわち動作クロックの2カウント分の間隔とが7:1の比率となるように、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルが変化されている。
【0128】
尚、シリアルクロック信号の平均周波数が設定できればよいものであるので、7:1の比率が同様であれば、異なるクロックカウントの間隔の順序は異なるものであってもよい。従って、異なるクロックカウントの間隔が、例えば、Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mintの順序、Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint,Mintの順序、Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mintの順序、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mintの順序、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mintの順序、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mintの順序、または、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1の順序でもよい。
【0129】
また、ステップS66において、例えば、余り部Mremが1でないと判定された場合、処理は、ステップS68に進む。
【0130】
ステップS68において、シリアル調整部83は、余り部Mremが2であるか否かを判定する。ステップS68において、例えば、余り部Mremが2であると判定された場合、処理は、ステップS69に進む。
【0131】
ステップS69において、シリアル調整部83は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint+1の長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、
図7の右部上から3段目における分周率が10のパラレルクロック信号における、LレベルおよびHレベルの区間が、Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint+1の長さの間隔で繰り返し出力される。この場合、
図7の左部で示されるように、例えば、パラレルクロック信号のDint,Dint,Dint,Dint+1におけるDint+1で示される区間において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間が、Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1の長さの間隔で繰り返し設定されることにより、83.0MHzの(パラレルクロック信号の20.8MHzに対応する)シリアルクロック信号が出力される。
【0132】
すなわち、20.8MHzである場合、パラレルクロック信号における、動作クロックの9分周、すなわち、動作クロックの9カウント分ずつの間隔と、動作クロックの10分周、すなわち、動作クロックの10カウント分ずつの間隔とが6:2の比率となるようにHレベルとLレベルとが交互に変化され、さらに、動作クロックの10分周、すなわち、動作クロックの10カウント分ずつの間隔において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間が、Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint+1の長さの間隔で繰り返し設定されることにより、83.0MHzの(パラレルクロック信号の20.8MHzに対応する)シリアルクロック信号が出力されている例が示されている。すなわち、動作クロックの10カウント分ずつの間隔において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間における1分周、すなわち動作クロックの1カウント分の間隔と、2分周、すなわち動作クロックの2カウント分の間隔とが6:2の比率となるように、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルが変化されている。
【0133】
尚、シリアルクロック信号の平均周波数が設定できればよいものであるので、6:2の比率が同様であれば、異なるクロックカウントの間隔の順序は異なるものであってもよい。従って、異なるクロックカウントの間隔が、例えば、Mint+1,Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mintの順序、Mint+1,Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint,Mintの順序、Mint+1,Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mintの順序、Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mintの順序、Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mintの順序、Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mintの順序、または、Mint+1,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint,Mint+1の順序などでもよい。
【0134】
さらに、ステップS68において、例えば、余り部Mremが2でないと判定された場合、処理は、ステップS70に進む。
【0135】
ステップS70において、シリアル調整部83は、余り部Mremが3であるか否かを判定する。ステップS70において、例えば、余り部Mremが3であると判定された場合、処理は、ステップS71に進む。
【0136】
ステップS71において、シリアル調整部83は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Mint,Mint,Mint,Mint+1,Mint,Mint,Mint+1,Mint+1の長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、パラレルクロック信号における動作クロックの11カウント分ずつの間隔において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間における1分周、すなわち動作クロックの1カウント分の間隔と、2分周、すなわち動作クロックの2カウント分の間隔とが5:3の比率となるように、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルが変化されている。
【0137】
尚、シリアルクロック信号の平均周波数が設定できればよいものであるので、動作クロックの1カウント分の間隔と、2カウント分の間隔との比率が5:3と同様であれば、異なるクロックカウントの間隔の順序は異なるものであってもよい。
【0138】
また、ステップS70において、例えば、余り部Mremが3でないと判定された場合、処理は、ステップS72に進む。
【0139】
ステップS72において、シリアル調整部83は、余り部Mremが4であるか否かを判定する。ステップS72において、例えば、余り部Mremが4であると判定された場合、処理は、ステップS73に進む。
【0140】
ステップS73において、シリアル調整部83は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Mint,Mint,Mint+1,Mint+1,Mint,Mint,Mint+1,Mint+1の長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、パラレルクロック信号における動作クロックの12カウント分ずつの間隔において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間における1分周、すなわち動作クロックの1カウント分の間隔と、2分周、すなわち動作クロックの2カウント分の間隔とが4:4の比率となるように、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルが変化されている。
【0141】
尚、シリアルクロック信号の平均周波数が設定できればよいものであるので、動作クロックの1カウント分の間隔と、2カウント分の間隔との比率が4:4と同様であれば、異なるクロックカウントの間隔の順序は異なるものであってもよい。
【0142】
さらに、ステップS72において、例えば、余り部Mremが4でないと判定された場合、処理は、ステップS74に進む。
【0143】
ステップS74において、シリアル調整部83は、余り部Mremが5であるか否かを判定する。ステップS74において、例えば、余り部Mremが5であると判定された場合、処理は、ステップS75に進む。
【0144】
ステップS75において、シリアル調整部83は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Mint,Mint,Mint+1,Mint+1,Mint,Mint+1,Mint+1,Mint+1の長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、パラレルクロック信号における動作クロックの13カウント分ずつの間隔において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間における1分周、すなわち動作クロックの1カウント分の間隔と、2分周、すなわち動作クロックの2カウント分の間隔とが3:5の比率となるように、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルが変化されている。
【0145】
尚、シリアルクロック信号の平均周波数が設定できればよいものであるので、動作クロックの1カウント分の間隔と、2カウント分の間隔との比率が3:5と同様であれば、異なるクロックカウントの間隔の順序は異なるものであってもよい。
【0146】
また、ステップS74において、例えば、余り部Mremが5でないと判定された場合、処理は、ステップS76に進む。
【0147】
ステップS76において、シリアル調整部83は、余り部Mremが6であるか否かを判定する。ステップS76において、例えば、余り部Mremが6であると判定された場合、処理は、ステップS77に進む。
【0148】
ステップS77において、シリアル調整部83は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Mint,Mint+1,Mint+1,Mint+1,Mint,Mint+1,Mint+1,Mint+1の長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、パラレルクロック信号における動作クロックの14カウント分ずつの間隔において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間における1分周、すなわち動作クロックの1カウント分の間隔と、2分周、すなわち動作クロックの2カウント分の間隔とが2:6の比率となるように、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルが変化されている。
【0149】
尚、シリアルクロック信号の平均周波数が設定できればよいものであるので、動作クロックの1カウント分の間隔と、2カウント分の間隔との比率が2:6と同様であれば、異なるクロックカウントの間隔の順序は異なるものであってもよい。
【0150】
また、ステップS76において、例えば、余り部Mremが6でないと判定された場合、余り部Mremは7であるとみなされるので、処理は、ステップS78に進む。
【0151】
ステップS78において、シリアル調整部83は、パラレルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間を、Mint+1,Mint+1,Mint+1,Mint+1,Mint,Mint+1,Mint+1,Mint+1の長さの間隔で繰り返すように変化させて出力し、処理は終了する。すなわち、パラレルクロック信号における動作クロックの15カウント分ずつの間隔において、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルの区間における1分周、すなわち動作クロックの1カウント分の間隔と、2分周、すなわち動作クロックの2カウント分の間隔とが1:7の比率となるように、シリアルクロック信号のLレベルおよびHレベルが変化されている。
【0152】
尚、シリアルクロック信号の平均周波数が設定できればよいものであるので、動作クロックの1カウント分の間隔と、2カウント分の間隔との比率が1:7と同様であれば、異なるクロックカウントの間隔の順序は異なるものであってもよい。
【0153】
以上の処理により、動作クロックに対して異なる分周率のクロックを組み合わせるようにすることで、TSデータレートに応じた様々な周波数のシリアルクロック信号を発生することが可能となる。尚、以上におけるシリアルクロック信号の発生周波数の例は、一例に過ぎず、様々な分周率のクロック信号を組み合わせることで、上述した以外の周波数のパラレルクロック信号を発生することが可能となる。
【0154】
すなわち、従来においては、
図9の左部上段で示されるように、パラレルクロック信号のHレベルとLレベルの比率は動作クロックのカウント数において50%に設定することしかできなかった。
【0155】
しかしながら、上述した本技術により、
図9の左部下段で示されるように、パラレルクロック信号のHレベルとLレベルの比率は動作クロックのカウント数において、従来同様にパラレルクロック信号のパタンAで示されるように、x:xに設定することは当然ながら、パラレルクロック信号のパタンBで示されるように、x:x+1に設定することで、異なるカウント数のクロック信号を組み合わせることで、様々な平均周波数のクロック信号を設定することが可能となる。また、
図9の左部下段で示されるパラレルクロック信号のパタンAとパラレルクロック信号のパタンBとを組み合わせることで、さらに、異なるパラレルクロック信号を設定することも可能となる。
【0156】
また、シリアルクロック信号については、
図9の左部上段で示されるように、HレベルとLレベルのパタンは固定されたものしか利用することができなかった。
【0157】
しかしながら、上述した本技術により、
図9の左部下段で示されるように、シリアルクロック信号のHレベルとLレベルのパタンを様々に設定することが可能となる。
【0158】
結果として、これまでは、シリアルクロック信号においては、96MHz等を設定するのみであったが、本技術を適用することにより、
図9の右部で示されるように、96MHz,93.1MHz,90.4MHz,87.8MHz,85.3MHz,83MHz,80.8MHz,78.8MHz,76.8MHz,74.9MHz,73.1MHz,71.4MHz,69.8MHz等の周波数を設定することが可能となる。また、同様に、パラレルクロックにおいても、これまでは、12.0MHz,10.7MHz,9.6MHz,8.7MHz等を設定することができるのみであったが、
図9の右部で示されるように、12.0MHz,11.6MHz,11.3MHz,11.0MHz,10.7MHz,10.4MHz,10.1MHz,9.9MHz,9.6MHz,9.4MHz,9.1MHz,8.9MHz,8.7MHz等のこれまでに設定することができなかった周波数を設定することが可能となる。
【0159】
尚、
図9においては、左部上段においては、従来技術におけるTSクロック信号の例が示されており、上からCKで示される動作クロック信号、パラレルで示されるパラレルクロック信号、およびシリアルで示されるシリアルクロック信号が表記されている。また、
図9の左部下段においては、本技術を適用した場合のTSクロック信号の例が示されており、上からCKで示される動作クロック信号、パラレルAで示されるパラレルクロック信号のAパタン、およびシリアルAで示されるシリアルクロック信号のAパタンが表記されている。さらにその下には、パラレルBで示されるパラレルクロック信号のBパタン、およびシリアルBで示されるシリアルクロック信号のBパタンが表記されている。
【0160】
また、以上においては、パラレルクロック信号のスムージングにあたり、クロック幅Ddivを整数部および小数部に分けて、小数部の大きさに応じて、整数部に対して動作クロック信号のカウント数を加算して調整する例について説明してきたが、シリアルクロック信号における処理と同様に、クロック幅Ddivを商と、その余りとして求め、余りに応じて商となる整数部に動作クロックのカウント数を加算して調整するようにしてもよい。また、同様に、シリアルクロック信号のスムージングにあたり、クロック幅Mdivを整数部および小数部に分けて、小数部の大きさに応じて、整数部に対して動作クロック信号のカウント数を調整するようにしてもよい。さらに、以上においては、シリアルクロック信号、およびパラレルクロック信号のいずれにおいても、整数部の動作クロック数のカウント数を加算することにより調整する例について説明してきたが、減算することにより調整するようにしてもよい。
【0161】
以上の如く、本技術によれば、TSビットレートに対して、より解像度が高い、TSビットレートに近い平均周波数に対応したシリアルクロック、およびパラレルクロックを出力することが可能となる。
【0162】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0163】
図10は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタ-フェイス1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
【0164】
入出力インタ-フェイス1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
【0165】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011ら読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0166】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005およびバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0167】
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0168】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0169】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0170】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、および、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0171】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0172】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0173】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0174】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0175】
尚、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
(1) TS(Transport Stream)パケットが存在する有効区間のビットレートに対応する有効クロック幅を算出する有効クロック幅算出部と、
前記有効クロック幅算出部により算出された有効クロック幅に基づいて、異なる分周率のクロックを組み合わせてTSクロック信号を発生するTSクロック信号発生部と
を含む信号処理装置。
(2) TSクロック信号発生部は、
前記有効クロック幅に基づいて、前記異なる分周率のクロックを組み合わせてパラレルクロック信号を発生するパラレルクロック信号発生部と、
前記パラレルクロック信号発生部により発生されたパラレルクロック信号のHレベルまたはLレベルの区間のパラレルクロック幅に基づいて、前記異なる分周率のクロックを組み合わせてシリアルクロック信号を発生するシリアルクロック信号発生部と
を含む
(1)に記載の信号処理装置。
(3) 前記パラレルクロック信号発生部は、前記有効クロック幅を示す動作クロック信号のクロック数の小数部の値に基づいて、前記動作クロック信号のクロック数の整数部に対応するクロック数のクロック信号と、前記動作クロック信号のクロック数の整数部に所定の整数分のクロック数だけ加算または減算したクロック信号とを組み合わせてパラレルクロック信号を発生し、
前記シリアルクロック信号発生部は、前記パラレルクロック信号発生部によりにより発生されたパラレルクロック信号のHレベルまたはLレベルの区間のパラレルクロック幅の動作クロック信号のクロック数を所定の整数で割ったときの余りに基づいて、前記パラレルクロック信号のHレベルまたはLレベルの区間のパラレルクロック幅の動作クロック信号のクロック数を所定の整数で割ったときの商の整数部となるクロック数のクロック信号と、前記パラレルクロック信号のHレベルまたはLレベルの区間のパラレルクロック幅の動作クロック信号のクロック数を所定の整数で割ったときの商の整数部に所定の整数分のクロック数だけ加算または減算したクロック数のクロック信号とを組み合わせてシリアルクロック信号を発生する
(1)または(2)に記載の信号処理装置。
(4) TS(Transport Stream)パケットが存在する有効区間のビットレートに対応する有効クロック幅を算出する有効クロック幅算出処理と、
前記有効クロック幅算出処理により算出された有効クロック幅に基づいて、異なる分周率のクロックを組み合わせてTSクロック信号を発生するTSクロック信号発生処理と
からなるステップを含む信号処理方法。
(5) TS(Transport Stream)パケットが存在する有効区間のビットレートに対応する有効クロック幅を算出する有効クロック幅算出ステップと、
前記有効クロック幅算出ステップの処理により算出された有効クロック幅に基づいて、異なる分周率のクロックを組み合わせてTSクロック信号を発生するTSクロック信号発生ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。