【実施例】
【0022】
以下、
図1〜38に示す実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
図1〜
図24の図面は、本発明の基本形態の実施例1の遊技設備G1を示すものである。この実施例1の基本形態は、貸機前面に取付枠体を取付け、これに進退ケースを前後方向に移動自在に取付け、同進退ケースの内部にシュートのメダル受部を配置し、メダル受部の中心まわりにシュートが水平に首振りできるようになっている。そして、この取付枠体の上方に遊技者のメダルを貸機に戻して計数するためのメダル投入シュートをシュートとは別に独立して前後方向移動自在に設け、メダル投入シュートのメダルを貸機内にあるメダル計数器へ送り出して、メダル数を計数してその情報を出力できるようにしている例である。
【0024】
この実施例1でのメダル受部の前後の移動量は50mm程としている。
【0025】
次に、
図25〜
図28に示す実施例2の遊技設備G2は、前記基本形態の実施例1のシュートをメダル受座の位置で起伏自在とし、シュートの先端部がメダル受皿の上縁に載っているか否かを確認するリミットスイッチを設けている。あらかじめ、シュートの先端部がメダル受皿に載っているシュートの起伏角度を調べて、その起伏角度になればリミットスイッチの信号で開閉器等の制御手段(図示せず)によって、所定個数のメダルをメダル1個毎送り出すメダル一個送り装置を作動させて、貸機内のメダル吐出口からメダルを送り出せるように制御して、しかもメダル投入シュートも前後に引出し可能とした例であり、他の構造・作用効果は実施例1と共通である。
【0026】
図29〜
図31の実施例3の遊技設備G3は、実施例1のシュートの中間部の湾曲位置のシュート部分を伸縮部として、この伸縮部の伸縮の具合でメダル供給口の位置を前後方向及び左右方向に移動できるとともに、メダル供給口のメダル放出方向もこの伸縮部で可能とする他の形態例であり、他の構造・作用効果は実施例1と共通である。
【0027】
図35〜38に示す実施例4の遊技設備G4は、メダル投入シュートのメダル取入口に蓋を設け、メダル投入シュートが後方位置では蓋は閉じてメダル投入口を閉鎖して、ゴミ・タバコ吸殻等のメダルでない小物品の投入を防ぎ、メダル投入するためメダル投入シュートを前方に引き出すと、蓋を90°立て起してメダル投入口を開口させることができるようにし、更にメダル投入口の遊技側の口縁の上方に延長して縦壁を形成し、メダルがメダル投入口の外側にこぼれないようにした例である。他は実施例1と同じ構造・作用効果を有する。
【0028】
(図面の符号の説明)
図中、G1は
図1〜24に示す実施例1の遊技設備、G2,G3,G4は
図25〜28,
図29〜33,
図35〜38に示す他の形態の実施例2,3,4の遊技設備、Pはスロットル機の遊技機、P
1はそのメダル受皿、P
2はメダル投入口、P
3はストッパーボタン、P
4はスロットル表示部、P
5はスロットルレバーである。Kは貸機、Sは遊技設備全体のメダル供給ライン、Mは設備全体のメダル回収ラインである。mは使用するメダルである。又、10は貸機Kのケーシング、11はメダル吐出路、12はメダル吐出口、13は紙幣投入口、14は貸機K内にあるメダル計数器、16は貸機K内のメダルホッパー17のメダルmを一個毎メダル吐出口12へ送り込むメダル一個送り装置、17はメダルホッパーである。20はシュート、21はシュート20の基端に設けた円形状のメダル受部、22はシュート20の先端のメダル供給口、23はシュート20のガイド縦壁、24はシュート20の湾曲部である。30は進退ケース、31は進退ケース30内部にあるシュート20のメダル受部21を取付ける回転受座、31aはメダル受部21の中心に設けた首振り用回転ねじ軸、32は進退ケースの前面に開口したシュート基端挿入用開口、33はメダル吐出口12からのメダルを外部に飛散しないようにメダル受部21へ移動させる落下メダル受止室、34は進退ケースの後方に設けたメダル吐出路11を導入するメダル吐出路挿入用開口である。35は進退ケース30の後方上部に設けたケース抜け防止用ストッパー片、36はケース天井面、37は落下するメダルを受けて下方へ送る傾斜面底面である。40は取付枠体、40aは取付枠体40の進退ケース30の挿入用開口、40bは取付枠体40のメダル吐出路挿入用背面開口、40cは取付ねじ、40dは枠体、40eは傾斜面、40fは取付枠体40に設けた縦壁41eの通過のためのスリット、40gはメダル投入シュート支持台、40hはメダル投入シュート支持台に設けた傾斜面、41は取付枠体40の上方に設けたメダル投入シュート、41aはそのメダル投入口、41bはメダル案内傾斜板、41eはメダル投入口41aの遊技機P側の口縁を上方に延ばした縦壁、42はメダル投入シュート41の抜け防止用ストッパー片、43は投入されたメダルのメダル誘導路、44は蓋、44aは蓋44の蓋回転軸、44bは軸受孔、44cは軸受溝、44dは摘み片、50は遊技機P,貸機Kを設置する設置テーブル、51は遊技者の為の椅子、70はシュート起伏機構、71は回転受座板、72は回転ねじ軸、73は水平軸、74は軸支部、76はリミットスイッチ、80は伸縮部、81は細身シュート部、82は先端筒ケース、83はボール、84はスプリング、85はボール受溝、86はスプリング筒、87は固定ねじである。
【0029】
(実施例1)
図1〜24に示す実施例1の遊技設備G1は、本発明の基本的な形態の実施例である。実施例1のシュート20の基端部は進退ケース30に首振り自在に取付けられ、しかも貸機Kの前面に固設した取付枠体40に対し、前後方向に50mm程移動可能に取付けられ、しかも遊技者保有のメダルmを貸機Kへ戻して計算させるためのメダル投入シュート41を取付枠体40に前後方向に進退ケース30とは独立して進退可能にしている。しかも、シュート20の回転中心は、メダル受部21の中心と回転受座31とを連結した回転ねじ軸31aまわりである。
【0030】
先端部分が湾曲したシュート20は、その基端のメダル受部21は箱型の進退ケース30内の前方にある回転受座31上に回転ねじ軸31aで回転自在に取付けられ、シュートの首振りを可能にしている。進退ケース30は貸機Kの前面に固設した取付枠体40前面の挿入用開口40aから挿入され、後方に設けたストッパー片35が取付枠体40の内部部材に当って、これ以上の前方への移動を制止している(
図6参照)。
【0031】
(メダルの流れ)
貸機K内のメダルホッパー17のメダルは、メダル一個送り装置16によって、
図11に示すメダル吐出路11へメダルを一列で必要個数送り出す。メダル吐出路11は取付枠体40の背面開口40bから取付枠体40内に張り出していて、更に進退ケース30の後方に開口しているメダル吐出路挿入用開口34を介して、落下メダル受止室33まで延びて、そのメダル吐出口12からのメダルmを落下メダル受止室33に取付けたシュート20のメダル受部21へ落下し、シュート20へ排出される(
図5,6,7,9,10,11の図面参照)。尚、貸機Kのメダルホッパー17はメダル供給ラインSからメダルが補給されている。
【0032】
ここで、進退ケース30を手前へ移動させても、
図6に示すようにメダル吐出口12からのメダルmは進退ケース30の内部の傾斜面37からメダル受部21の上へ移動して、シュート20内へ送られ、その先端のメダル供給口22から遊技機Pのメダル受皿P
1へ移動する(
図1,2,3,4,5,6参照)。
【0033】
(シュートの首振り)
遊技機Pを使用中は、シュート20は
図1の如くシュート20の先端部はメダル受皿P
1の上縁に載った状態で接触して、メダルmをそのメダル吐出口12から送り出している。シュート20は使用状態では
図9,10,11の如く、前方へまっすぐ突出した状態である。
【0034】
次に、遊技機Pを別の装置に交換する場合は、シュート20をそのメダル受部21を取付けているその中心にある回転ねじ軸31aまわりに
図12の如く回転させれば、シュート20は首振って遊技機Pの交換作業に支障のないその外側の位置にできる。
次に、シュート20の首振りは遊技機P又は貸機Kの奥行き寸法の違いの為、シュート20の長さが長過ぎて遊技機P前面より出過ぎの場合は、シュート20を首振りさせてシュート20のメダル吐出口12を後方に移動させてメダル受皿P
1上に置くようにできる。このように、シュート20の首振りは位置の微調整にも有効となる。
【0035】
(メダル投入シュートについて)
更に、実施例1では取付枠体40の上部にメダル投入シュート41を前後方向に移動可能に取付けている(
図5,6参照)。
遊技者が精算する場合又はメダルが多くなり過ぎた場合、メダル受皿P
1又はメダル容器内のメダルを貸機Kに戻してメダル数を計算させたい場合、貸機Kのメダル投入シュート41にこれらメダルを投入する。
メダルmはメダル投入口41aからメダル案内傾斜板41bで下方へ案内して、取付枠体40,進退ケース30の壁面で形成されるメダル誘導路43を経て、貸機K内のメダル計数器14に送られて、投入されたメダル数を計測して表示され、メダル計算情報として使用される。貸機Kのメダル計測情報処理・表示器は周知であるので省略している。
【0036】
そして、メダル投入シュート41が前後に移動しても、投入されたメダルmはメダル案内傾斜板41b,傾斜面40eを経てメダル誘導路43を経て、メダル計数器14へ送られる。メダル投入シュート41を前方に引出すのは、投入するメダル数が多くなった場合、メダルの投入洩れで床・設置テーブル等へ落下しないように開口を拡大し且つ開口を手前にすることにある。
【0037】
このように、実施例1ではシュート20は前後に移動でき、しかも首振りもできることで、奥行きLpが長い遊技機Pに交換されても
図39の如く(b)の状態にならず、
図39(a)状態と同じ
図18(a),(b)の状態で
図1の正規のシュート位置にすることができる。
しかも、メダル投入シュート41も前後に出入れできるので、メダル投入口41aは前方に拡がってくるので、メダルの投入洩れ、投入時のメダルの床・設置テーブル50等への落下がないようにできる。
【0038】
(シュートの起伏の実施例2)
実施例1において、シュート20を起伏自在にできる形態の実施例2である遊技設備G2のシュート起伏機構70を
図25〜28に示している。
実施例1の進退ケース30と一体的な回転受座31に代えて、進退ケース30とは別部材でシュート20のメダル受部21を回転自在に支持する回転受座板71を設け、同回転受座板71の中心にある回転ねじ軸72でメダル受部21を回転自在とし、しかも同回転受座板71の裏面に水平軸73の軸支部74を設け、同水平軸73を進退ケース30の底面に固設した左右一対の軸支片(図示せず)で水平軸73を支えて、シュート20を水平軸73まわりに回転させて前後方向に起伏自在としている。
更に、シュート20の先端部が正しい位置でメダル受皿P1の上縁に載っているか否かをシュート20の基端部での起伏角度で感知して作動するリミットスイッチ76を設けている。そして、同リミットスイッチ76のON信号でメダル一個送り装置16を作動可能にさせるようになっている。
【0039】
この実施形態の実施例2では、シュート20の先端部がメダル受皿P
1の上縁に載って、そのメダル供給口12からメダルmが正しくメダル受皿P1内へ排出できるシュート20の起伏角度範囲にあれば、
図27に示すようにリミットスイッチ76がONとなって、メダル一個送り装置16が作動でき、メダルをメダル吐出路11へ送り出すことができる。
そして、シュート20の先端部が正しくメダル受皿P
1に載っていなくシュート20が下方に垂れていれば、
図28に示すようにリミットスイッチ76は作動せず、メダル一個送り装置16も作動せず、シュート20からメダルが送られず、メダルが床・設置テーブル50上に落下することがない。他の構造・作用効果は実施例1と同様である。
【0040】
(シュートの伸縮の実施例3)
図29〜33は、実施例1におけるシュートが伸縮部80を有して、シュート20の長さが可変の形態の実施例3の遊技設備G3の例である。
図29に示すように、実施例1のシュート20に中間において、シュート20の左右のガイド縦壁23の厚みを薄くした細身シュート部81を形成し、同細身シュート部81に先端筒ケース82を嵌装する。同先端筒ケース82を細身シュート部81に嵌装し、その嵌装して重なった部分が全部分か細身シュート部81の先端部のみかによって、シュート20の全体の長さが調整できる。
【0041】
そして、先端筒ケース82にはボール83を細身シュート部81の薄いガイド縦壁23に押し付けるスプリング84が小さなスプリング筒86で封止され、ボール83を細身シュート部81へ加圧することで、先端筒ケース82の摺動の抵抗を与え、脱落を少なくしている。そして、細身シュート部81の摺動面(嵌合面)には、浅い溝のボール受溝85を複数設けて、ボール83がこのボール受溝85に係合することで、先端筒ケース82の嵌合位置をロックできるようにしている。最適のシュート長さが決まれば、固定ねじ87で強く固定できる。
【0042】
このように、シュート20の長さが可変にできることで、シュート20の前後の長さを調整できるとともに、シュート20のメダル吐出口12を
図33の如く、シュート20の先端部(先端筒ケース82)をメダル受皿P
1の上縁に載せることができるとともに、先端筒ケース82の先端のメダル供給口22と遊技機Pの前壁面との間隔を好ましい長さにできる。この間隔が短いと、
図34に示すようにメダル供給口22から排出するメダルが遊技機Pの前面壁とすぐ当って、メダル供給口22の付近でメダルが滞留してメダルの供給ができなくなったり、メダルがこの滞留メダルによってメダル受皿P
1外の床・設置テーブル50へ落下することが少なくできる(
図34参照)。他の構造・作用効果は、実施例1と同様である。
【0043】
尚、実施例1にシュート起伏機構70又はシュート20の伸縮部の組み合せの構造とすることもできる。
【0044】
(メダル投入口の蓋と縦壁の実施例4)
図35〜38に示す実施例4の遊技設備G4は、実施例1のメダル投入シュートのメダル投入口41aに開閉自在な蓋44を取付け、しかもメダル投入シュート41が後方位置であれば蓋44は開放されず、メダル投入口41aを閉鎖し、メダル投入シュート41が前方位置に引き出されると蓋44を開放できる制動機構を有し、しかもメダル投入口41aの遊技機側の口縁の辺に上方に長く立上った縦壁41eを設け、投入するメダルがメダル投入口41a上からメダル投入口内に落下せず外周に零れて床やテーブルの上に落下散逸するのを抑える例であり、又メダル投入口41aは常時閉鎖して、ゴミ・タバコ吸殻等の投入を少なくしている。
他の構成・作用効果及び符号は実施例1と同様である。
【0045】
図中、44はメダル投入口41aを閉鎖できる開閉自在な蓋、44aは蓋44の後端左右に設けた蓋回転軸、44bはメダル投入シュート41に設けた回転軸44aの軸受孔、44cは回転軸44aの他方をメダル投入シュート41の側面に軸支できるようにするための挿入案内兼用の軸受溝、44dは蓋44の前方に設けた摘み片である。41eはメダル投入シュート41の遊技機P側の口縁辺を上方に延ばして形成した縦壁、40fは取付枠体に設けた前記縦壁41eが前後に移動できるようにするスリットである。
【0046】
この蓋44は蓋回転軸44aまわりに開閉できる。同蓋を水平にすると、蓋44はメダル投入口41aの口縁上に載って、メダル投入口41aは蓋44によってその開口は閉鎖される。
このままメダル投入シュート41を後方へ移動されると、蓋44の立ち上りは取付枠体40の上方開口縁又は貸機ケーシング10の上方開口縁に当って制限され蓋44は閉鎖状態となり、メダル投入口41aから物品を投入できないようになる。これによって、遊技者によるゴミ・タバコ吸殻・紙片等の投入を抑えることができる。
そして、メダル投入シュート41を前方に引き出す。蓋回転軸44aが前記の開口口縁の前方となることで、摘み片44dを摘んで上方に蓋44を起せば、蓋44は蓋回転軸44aまわりに90°回転して、貸機Kの前面にたてかけることで、メダル投入口41aは全面的に開放される。これによって、メダルの投入を可能にしている。
【0047】
しかも、メダル投入シュート41を前方に引き出せば、メダル投入口41aは開くことができるとともに、縦壁41eがあるので手に持ったメダルをメダル投入口41aに向けて落下させる際、メダル投入口41aを超えて遊技機P側へメダルが放出しても縦壁41eに当ってメダルは内側のメダル投入口41aに確実に落下し、床・テーブルに落下するメダルを少なく抑えることができる。
図38に実施例4と従来のもの又は実施例1のものとのメダル落下の状態を比較している。
【0048】
他の実施例4の構造・動作・作用効果は実施例1と同様である。尚、実施例1及び実施例2〜4の他の形態の構造と組み合せることができる。
又、本発明は前記実施例1,2,3,4の構成を組み合せることも本発明に含まれるものである。