特許第6232405号(P6232405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232405
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/34 20060101AFI20171106BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20171106BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20171106BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20171106BHJP
   G03B 21/10 20060101ALI20171106BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20171106BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   G09G3/34 J
   G09G3/36
   G09G3/20 680C
   G09G3/34 D
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 642E
   G03B21/00 D
   G03B21/10 Z
   G02F1/13 505
   H04N9/31 Z
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-157088(P2015-157088)
(22)【出願日】2015年8月7日
(62)【分割の表示】特願2013-183133(P2013-183133)の分割
【原出願日】2002年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-12139(P2016-12139A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2015年8月7日
(31)【優先権主張番号】60/271,563
(32)【優先日】2001年2月27日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507236292
【氏名又は名称】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトヘッド、ローネ
(72)【発明者】
【氏名】ウォード、グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】スツェルスリンガー、ウォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】シーツェン、ヘルゲ
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−189893(JP,A)
【文献】 特開平09−116840(JP,A)
【文献】 特開平06−110033(JP,A)
【文献】 特開平10−177165(JP,A)
【文献】 特開平03−071111(JP,A)
【文献】 特開平10−239659(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0057017(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
G02F 1/13
G03B 21/00
G03B 21/10
H04N 9/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示制御装置であって、該表示制御装置は、所望の画像の空間的に変調された近似画像を含む背面光用の第1制御信号を生成するとともに、所望の画像の前記空間的に変調された近似画像が光学系を介して結像される一次変調パネルのための第2制御信号を生成するように構成されており、前記空間的に変調された近似画像を含む背面光は、空間的に変調されたレーザ光であり、前記表示制御装置は、更に、前記一次変調パネルの画素値の色部分、所望の画像の空間的に変調された近似画像を含む背面光用の前記第1制御信号、及び所望の画像に基づいて前記第2制御信号を生成し、前記第2制御信号を用いて、近似画像をさらに変調して、前記一次変調パネルにおいて得られる画像を所望の画像に近づけるように構成されており、
前記一次変調パネルは、LCDパネルであり、前記近似画像は、個別に制御された複数の画素からの光を含み、各画素からの光は、半値全幅が0.3×d〜3×dの範囲にある分布関数を有し、dは画素間の中心間距離であり、
前記個別に制御された複数の画素と前記一次変調パネルとの間には、前記光学系を介して前記一次変調パネル上に結像される所望の画像の近似画像を、前記一次変調パネルにおいて滑らかに変化させるように構成された拡散器が配置されている、表示制御装置。
【請求項2】
前記一次変調パネルは、デジタル・ビデオ・プロジェクタに配置されている、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記一次変調パネルは、パネル型変調器を含み、前記パネル型変調器は、前記一次変調パネルの前記画素値の色部分に対応する複数のサブ画素を含むLCDパネルを含み、前記背面光は、前記一次変調パネルとは異なるタイプの変調器により生成される、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記個別に制御された複数の画素は、前記一次変調パネルに向かって主に反射される光を含む、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記一次変調パネル及び前記背面光は、デジタル・ビデオ・プロジェクタを含むディスプレイに配置されており、前記個別に制御された複数の画素からの光は、前記近似画像を前記一次変調パネルにおいて円滑に変化させるように混合されており、前記表示制御装置は、前記一次変調パネルの変調よりも粗い強度ステップで前記背面光を調整するように構成された第1制御信号を生成するように構成されており、前記背面光の前記複数の画素の輝度レベルは、前記第1制御信号に従って、前記複数の画素を素早くオン及びオフさせることによって得られる、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記背面光は、前記一次変調パネルの変調よりも粗い強度ステップ及び低い分解能で調整され、前記背面光の隣接する画素間の光の混合は、前記近似画像を一つの画素からその隣の画素へ円滑に変化させ、前記一次変調パネルは、パネル型変調器を含み、前記背面光は、前記一次変調パネルとは異なるタイプの変調器により生成される、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記背面光は、前記一次変調パネルに向かって反射される光を含み、前記光は、前記一次変調パネルを通過して、前記一次変調パネルの後側で反射器によってさらに反射される、請求項に記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル画像を表示するための表示装置およびその制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、米国特許出願第60/271563号(2001年2月27日出願、発明の名称:高ダイナミック・レンジ・カラー表示装置及び投影技術(HIGH DYNAMIC RANGE COLOUR DISPLAY AND PROJECTION TECHNOLOGY))に基づき、優先権を主張している。
【0003】
ダイナミック・レンジとは、一場面における最高輝度の部分と最低輝度の部分との強度の比である。例えば、ビデオ投影系によって投影された画像は、300:1の最大ダイナミック・レンジを持ち得る。
【0004】
人の視覚体系は、非常に高いダイナミック・レンジを持つ場面で、特徴を認識することができる。たとえ、近くの太陽に照らされた領域の輝度が、景色の暗がり部分の輝度より何千倍も大きくても、人は、例えば、明るく太陽が輝く日に、明かりのついていない車庫の中を覗き込み、暗がりにある物の細部を見ることができる。このような場面を現実的に表現するためには、1000:1を超えるダイナミック・レンジを持つ表示装置が必要である。“高ダイナミック・レンジ”とは、800:1またはそれ以上のダイナミック・レンジを意味する。
【0005】
現代のデジタル画像システムは、場面のダイナミック・レンジが保存された状態で、デジタル表示画像を取り込み、記録することができる。コンピュータ画像システムは高ダイナミック・レンジを持つ画像を合成することができる。しかしながら、現在の表示技術は、高ダイナミック・レンジが正確に再現されるように画像を表示できない。
【0006】
ブラッカム(Blackham)他に付与された米国特許第5978142号にはスクリーン上に映像を投影するためのシステムが開示されている。そのシステムは、光源からの光を変調する第1及び第2の光変調器を備えている。それぞれの光変調装置は、光源からの光を画素レベルで変調する。両光変調器によって変調された光はスクリーン上に投射される。
【0007】
ギボン(Gibbon)他の国際特許出願PCT/US01/21367には前置変調器を含む投影システムが開示されている。前置変調器は可変ミラー表示装置に投射される光量を調節する。別体の前置変調器は選択された領域(例えば、4分円)を暗くするために用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
表示画像中に広レンジの光強度を再現できる費用効率の良い表示装置およびその制御装置が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様による表示制御装置は、所望の画像の空間的に変調された近似画像を含む背面光によって照明されるための一次変調パネルの制御信号を生成するように構成されており、制御信号は、色及び一次変調パネルの画素値に対応する輝度を含んでおり、制御信号は、近似画像をさらに変調して、得られる画像を所望の画像に近づけるべく使用される。
【0010】
本開示は、画像を表示するための表示装置と、画像を表示するための方法とを提供する。本開示の一態様では、光源と、光源からの光を変調するように設けられた第1の空間光変調器と、第2の空間光変調器を備える表示スクリーンと、第1の空間光変調器によって変調された光を表示スクリーンの第1の面上に投射するように構成された光学系とを備える表示装置が提供される。
【0011】
本開示の別の態様では、光源と、光源からの光を変調するように設けられた第1の空間光変調器であって、制御可能な画素のアレイを備えた第1の空間光変調器と、第1の空間光変調器により変調された光を変調するように設けられた第2の空間光変調器であって、制御可能な画素のアレイを備えた第2の光空間変調器とを備え、第1及び第2の空間光変調器の一方の各画素は、第1及び第2の空間光変調器の他方の複数の画素に対応する表示装置が提供される。
【0012】
本開示の別の態様では、第1の空間分解能で空間的に変調された光を供給するための第1の空間変調手段と、第1の分解能とは異なる第2の分解能で、光を更に空間的に変調するための第2の空間変調手段と、第1及び第2の空間変調手段を制御して画像データによって形成される画像を表示する手段とを備える表示装置が提供される。
【0013】
本開示のまた更なる態様では、高ダイナミック・レンジを持つ画像を表示するための方法が提供される。その方法は、光を生成し、第1の光変調段階において、画像データに基づく光を空間的に変調し、空間的に変調された光を、光変調器を備えるスクリーン上に結像する。
【0014】
本開示の更なる態様と本開示の一実施形態の特徴とを以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略図。
図1A図1の表示装置の具体的な実施例の概略図。
図2】4つの空間光変調器を備える、本発明の一変形例に基づく表示装置の概略図。
図3】本発明の更なる実施形態に係る透過投影スクリーンの概略図。
図4】本発明の更なる実施形態に係る反射投影型表示装置の概略図。
図5】本発明に係る表示装置における、高分解能空間光変調器の画素と、低分解能空間光変調器の画素との間の可能な関係を説明する図。
図5A】他の光変調器よりも低い分解能を持つ光変調器を備えることの影響を説明するための図。
図6】別のプロジェクタ構造を持つ反射投影型カラー表示装置の概略図。
図6A図6のカラー表示装置の反射投影スクリーンの部分拡大断面図。
図6B図6のカラー表示装置の反射投影スクリーンの部分拡大断面図。
図7】低分解能光変調器の画素から高分解能光変調器上に結像された光が、どのように重なり合って、滑らかな光強度の変化を与えるかを説明するグラフ。
図7A】光変調器の画素の画像に対する位置により光強度の変化が、どのように方形プロフィールと分布関数との畳み込みとして表現され得るかを説明するグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明を通して、本発明のより理解すべく、その詳細について述べる。しかし、これらの詳細なしで本発明を実施してもよい。また、発明が不必要にあいまいになることを避けるため、公知の部材は、示さないか、または、詳細な説明をしない。したがって、明細書と図面とは限定的というよりは、実施例としての意味を持つ。
【0017】
本発明は、高ダイナミック・レンジで画像を表示することができる表示装置を提供する。本発明に係る表示装置は、2つの光変調段を有している。光が連続的にそれらの段を通過することで、高められたダイナミック・レンジを持つ画像が供給される。
【0018】
図1は本発明の簡単な実施形態に係る表示装置10を概略的に示している。図1における部材の大きさやそれらの間の距離は、実寸ではない。表示装置10は光源12を備えている。光源12は、例えば、白熱灯、アーク灯等の投射ランプや、レーザや、その他適当な光源であってもよい。光源12は、表示装置10の他の部分に光を伝達するように協同する、1つ以上のミラー、レンズ、その他の光学素子からなる光学系を備えていてもよい。
【0019】
本実施形態においては、光源12からの光は、第1の光変調器16へと指向される。光源12は好ましくは、第1の光変調器16に実質的に均一な照明を供給する。光変調器16は個々にアドレス可能な素子のアレイを備えている。光変調器16は、例えば、透過型光変調器の一種であるLCD(液晶表示装置)、または、反射型光変調器の一種であるDMD(可変ミラー装置)を備えていてもよい。表示駆動回路(図1には示さず)は、表示される画像を規定するデータにしたがって、光変調器16の素子を制御する。
【0020】
第1の光変調器16によって変調された光は、適当な光学系17によって透過投影(rear−projection)スクリーン23上に投射される。第1の光変調器16の小さな領域からの光は、光学系17によって、透過投影スクリーン23上の対応する領域へと指向される。本実施形態においては、光学系17は、焦点距離fを持つレンズを備えている。通常、第1の光変調器16によって変調された光を、透過投影スクリーン23上に結像する光学系17は、1つ以上のミラーやレンズ、その他の光学素子を備えている。このような光学系は第1の光変調器によって変調された光を第2の光変調器上に結像する機能を持っている。
【0021】
本実施形態においては、透過投影スクリーン23は、第2の光変調器20とコリメータ18とを備えている。コリメータ18の主な機能は、透過投影スクリーン23を通過する光を、優先的に視聴領域へと指向させることである。コリメータ18は、フレネル・レンズやホログラフィック・レンズ、また、1つ以上のレンズ及び/又は他の光学素子の他の装置を備えており、それらが光を視聴領域の方向へ導くこととなる。
【0022】
本実施形態において、コリメータ18は光を第2の光変調器20の素子を通して、通常はスクリーン23の法線方向へと伝える。コリメータ18からの入射光が第2の光変調器20を通過するのに伴って、その光は更に変調される。そして、光は拡散器22を通過してある範囲の方向へ出力光を拡散して、第1の光変調器16からみて拡散器22とは反対側に位置する視聴者は、スクリーン23の全域に由来する光を見ることができる。一般に、拡散器22は、水平面と垂直面とで光の拡散角度範囲が異なる。拡散器22は、第2の光変調器20によって変調された光が、ある範囲の角度に散乱され、その最大拡散角が、好ましい視聴位置から見られたときにスクリーン23によって決定される範囲の角度に少なくとも等しくなるように選択される。
【0023】
透過投影スクリーン23は第1の光変調器16と異なる面積であってもよい。例えば、透過投影スクリーン23が、第1の光変調器16よりも大きな面積であってもよい。この場合、光学系17は、第1の光変調器16によって変調された光束を拡大して、透過投影スクリーン23のより大きな面積に一致するように照射する。
【0024】
第2の光変調器20は第1の光変調器と同じタイプのものでも、また、異なるタイプのものでもよい。第1及び第2の光変調器16,20が両方とも光を偏光させるタイプである場合、実用的には、第2の光変調器20は、その偏光面が、第1の光変調器16から入射する光の偏光面と一致するように向きを合わせるべきである。
【0025】
表示装置10はカラー表示装置であってもよい。この場合、以下のような様々な方法がある。
・第1の光変調器16と第2の光変調器20とを1つのカラー光変調器にすること。
【0026】
・異なる色を同時に操作する複数の異なる第1の光変調器16を備えること。
・第2の光変調器20の前方の光路に異なる色のフィルタを迅速に導入するための機構を備えること。
前記の第1のやり方の例として、第2の光変調器20は、各々が多数のカラー・サブ画素からなる、複数の画素を備えたLCDパネルから構成されていてもよい。例えば、各画素は1つが赤色のフィルタと関連し、1つが緑色のフィルタと関連し、1つが青色のフィルタと関連する3つのサブ画素から構成されていてもよい。フィルタはLCDパネルと一体であってもよい。
【0027】
図1Aに示すように、光源12と、第1の光変調器16と、光学系17とが、透過投影スクリーン23の後側の制御装置39からの信号38Aによって形成される画像を投影するように設けられたデジタル・ビデオ・プロジェクタ37の部品であってもよい。第2の光変調器20の素子は、制御装置39からの信号38Bによって制御され、高ダイナミック・レンジを持つ視聴者に画像を提供する。
【0028】
図2に示すように、本発明に係る表示装置10Aは、1つ以上の付加的な光変調段24を備えていてもよい。各付加的な光変調段24は、コリメータ25と、光変調器26と、光学系27とからなっており、光学系27は、光変調器26からの光の焦点を次の付加的な光変調段24、または、コリメータ18上に合わせる。図2の表示装置10Aでは、2つの付加的な光変調段24がある。本発明のこの実施形態に係る装置は、1つ以上の付加的な光変調段24を有していてもよい。
【0029】
拡散器22の出力の任意の点の輝度は、光変調器16,20,26の対応する素子を通過する光の量を制御することにより調節することができる。この制御は、光制御装置16,20,26のそれぞれを駆動するために接続された適当な制御システム(図2には示さず)によって行われてもよい。
【0030】
前述のように、光変調器16,20,26は、全て同じ種類でもよいし、2つまたはそれ以上が異なる種類でもよい。図3は、本発明の変形例に係る表示装置10Bを示しており、その表示装置10Bは可変ミラー装置からなる第1の光変調器16Aを備えている。可変ミラー装置は、各画素を“オン”または“オフ”にするという意味においては2値の装置である。異なる見掛けの輝度レベルは、画素を素早くオン及びオフさせることによって生み出すことができる。このような装置は、例えば、米国特許第4441791号や米国特許第4954789号に記載されており、そして、デジタル・ビデオ・プロジェクタに一般的に使われている。光源12と第1の光変調器16(または16A)は、例えば、市販のデジタル・ビデオ・プロジェクタの光源と変調器であってもよい。
【0031】
図4は、本発明に基づく反射投影型(front−projection−type)表示装置10Cを示している。表示装置10Cはスクリーン34を備えている。プロジェクタ37は画像38をスクリーン34上に投影する。プロジェクタ37は、適当な光源12と、第1の光変調器16と、第1の光変調器によって形成された画像をスクリーン34上に投影するのに好適な光学系17とを備えている。プロジェクタ37は、市販の表示プロジェクタであってもよい。スクリーン34は第2の光変調器36を内蔵している。第2の光変調器36は、多数のアドレス可能な素子を備えており、それらは、スクリーン34の対応する領域の輝度に作用するように、個々に制御することができる。
【0032】
光変調器36はどのような構造をもっていてもよい。例えば、光変調器36は、反射器の前方に設けられた、個々の透過率を制御することができるLCD素子のアレイを備えていてもよい。プロジェクタ37によって投射された光は、各LCD素子を通過し、反射器によってLDC素子の後側で反射される。スクリーン34上のあらゆる点の輝度は、プロジェクタ37のその点で受け取られる光の強度と、光変調器36(例えば、その点のLCD素子)がそれを介して伝達される光を吸収する程度とによって決められる。
【0033】
光変調記36は、可変逆反射特性をもつ素子のアレイを備えてなることもできる。素子は、プリズム状であってもよい。このような素子は、例えば、ホワイトヘッド(Whitehead)に付与された米国特許第5959777号(発明の名称:受動型高性能可変反射率画像表示装置(Passive High Efficiency Variable Reflectivity Image Dysplay Device))や、ホワイトヘッド(Whitehead)他に付与された米国特許第6215920号(発明の名称:高性能可変反射率画像表示装置における全反射の、電気泳動の高インデックスと相転移制御(Electrophoretic High Index and Phase Transition Control of Total Internal
Reflection in High Efficiency Variable Reflectivity Image Displays))に記述されている。
【0034】
光変調器36は、例えば、アルバート(Albert)他に付与された米国特許第6172798号(発明の名称:閉状態マイクロカプセル電気泳動表示装置(Shutter Mode Micricapsulated Electrophoretic Display))や、コミスキー(Comiskey)他に付与された米国特許第6120839号(発明の名称:電気浸透表示装置及びその製造のための材料(Electro−osmotic Displays and Materials for Making the Same))、ヤコブソン(Jacobson)に付与された米国特許第6120588号(発明の名称:電気的にアドレス可能なマイクロカプセル・インク及び表示装置(Electronically Addressable Microencapsulated Ink and Display))、ヤコブソン(Jacobson)他に付与された米国特許第6323989号(発明の名称:ナノ粒子を用いた電気泳動表示装置(Electrophoretic Displays Using Nanoparticles))、アルバート(Albert)に付与された米国特許第6300932号(発明の名称:発光粒子を備える電気泳動表示装置及びその製造のための材料(Electrophoretic Displays with Luminescent Particles and Materials for Making the Same))、コミスキー(Comiskey)他に付与された米国特許第6327072号(発明の名称:微小体電気泳動表示装置(Microcell Electrophoretic Displays))に述べられたような、電気泳動表示素子のアレイからなっていてもよい。
【0035】
図6A及び図6Bに示すように、スクリーン34は好ましくは、光を視聴者の目へと優先的に指向させるように機能するレンズ素子40を備えている。本実施形態においては、レンズ素子40は、プロジェクタ37に由来する光錐の頂点と実質的に一致する焦点を持つフレネル・レンズによって構成されている。レンズ素子40は、ホログラフィック・レンズのような他の種類のレンズによって構成されていてもよい。レンズ素子40は、スクリーン34から反射された光を、所望の程度に拡散する複数の拡散中心(scattering centers)45を内蔵している。本実施形態においては、第2の光変調器36は、反射層43により指示され、かつ基材47上に搭載された、多数の画素42を有する反射型LCDパネルから構成されている。
【0036】
光変調器36は可変逆反射特性を持つ素子のアレイを備えており、素子自体が逆反射光をスクリーン34の前面の視聴域の方向へ優先的に指向させるように設計することができる。反射層43は、拡散中心45の効果を増大させるためや、拡散中心45の代わりをするために光を拡散するようにパターン形成されていてもよい。
【0037】
図4に示すように、制御装置39は、画像38を形成するデータを第1の光変調器16及び第2の光変調器36のそれぞれに供給する。制御装置39は、例えば、適当な表示補助装置を備えるコンピュータから構成することもできる。制御装置39は、画像処理段階を迅速化するための画像処理ハードウェアを備えていてもよい。スクリーン34上のあらゆる点の輝度は、その点に対応する、第1の光変調器16の画素及び第2の光変調器の画素の影響の組み合わせによって決まる。第1と第2の光変調器の対応する画素を、それらの”最も暗い”状態に設定すると、最小輝度の点が存在する。第1と第2の光変調器の対応する画素を、それらの”最も明るい”状態に設定すると、最大輝度の点が存在する。他の点は、中間の輝度値を持つ。最大輝度値は、例えば、10cd/mのオーダーである。最小輝度値は、例えば、10−2cd/mのオーダーである。
【0038】
光変調器及び関連する制御回路の費用は、光変調器のアドレス可能な素子の数とともに増加する。本発明の一実施形態において、光変調器の1つが、他の1つ以上の光変調器よりも非常に高い空間分解能を持っている。そして、1つ以上の光変調器が低分解能の装置である場合、本発明のそのような実施形態に基づく表示装置の費用は低減され得る。2つ以上の光変調器を備えるカラー表示装置においては、どれか1つがカラー光変調器で(例えば、図6に示すように、複数のモノクローム光変調器を組み合わせたものが色彩光変調器を構成していてもよい)、どれか1つが高分解能光変調器であって、高分解能光変調器はカラー光変調器でもあるべきである。ある実施形態において、高分解能光変調器は、低分解能光変調器上に光を投射する。他の実施形態においては、低分解能光変調器は、高分解能光変調器上に光を投射する。
【0039】
図5は、図1に示される表示装置10の画素のとり得る構成を示している。第2の光変調器20の9個の画素42は第1の光変調器16の各画素44に対応している。第1の光変調器16の各画素44に対応する、第2の光変調器20の画素42の数は、設計的選択事項として変更してもよい。第1及び第2の光変調器16,20(または36)のうち高分解能であるものの画素44は、所望の全般的な分解能を備えるほどに十分に小さくあるべきである。一般的に、分解能が増加するほど、費用が高くなる。標準的な表示装置において、高分解能光変調器は、各方向に少なくとも2、300画素、より標準的には1000画素以上の画素のアレイを備えている。
【0040】
第1及び第2の光変調器のうち低分解能であるものの画素42サイズによって、最大輝度から最小輝度までを確実に得ることができる大きさが決定される。例えば、図5Aに描かれた状況について考えてみる。ここでは、最小輝度の大きな背景に、最大輝度の小さな点の画像を表示することを意図している。点47で最大輝度を得るため、点47に対応する第1及び第2の光変調器のそれぞれの画素は、それらの最大輝度に設定されるべきである。ここで、ある光変調器の画素は、他の光変調器の画素よりも分解能が低いため、低分解能光変調器のいくつかの画素は、点47の境界に跨ることとなる。これは、例えば、図5Aの場合である。
【0041】
点47の外側には2つの領域がある。領域48においては輝度を最小値に設定することができない。なぜならば、この領域では、低分解能光変調器は最大輝度値に設定されているからである。領域49においては、両光変調器をその最低輝度に設定することができる。もし仮に、第1及び第2の光変調器のそれぞれが、1〜100単位の範囲の輝度を持っているとすると、領域47は100×100=10000単位の輝度を、領域48は100×1=100単位の輝度を、そして、領域49は1×1=1単位の輝度を持つこととなるであろう。
【0042】
他の光変調器よりも低い分解能の光変調器を有するため、低分解能光変調器の各画素は、高分解能光変調器における1以上の画素に対応してしまう。低分解能光変調器の任意の画素と高分解能光変調器の異なる画素とが対応する点を、装置のダイナミック・レンジの極端な輝度値にすることはできない。このような点の間における輝度の最大の差は、高分解能光変調器が備えるダイナミック・レンジによって決定される。
【0043】
表示装置の全ダイナミック・レンジ分の輝度が異なる近接点を作り出すことができなくても、一般的には問題がない。人の目には、どのような事象においても非常に近い距離にある輝度の大きな違いを正確に認識できないような、固有の散乱がある。
【0044】
低分解能光変調器及び高分解能光変調器の両方を備えた、本発明に係る表示装置において、制御装置39は、低分解能空間光変調器の各画素の輝度を決定し、そして、高分解能空間光変調器を制御する信号を調節して、低分解能空間光変調器の各画素が高分解能空間光変調器の複数の画素に共通するという事実から生じる影響を低減するようにしてもよい。このことは、いろいろな方法によって行うことができる。
【0045】
例えば、低分解能空間光変調器の各画素が高分解能空間光変調器の複数の画素に対応する場合を考えてみる。所望の画像を特定する画像データは制御装置に供給される。画像データは、高分解能空間光変調器の各画素に対応する画像領域に対する所望の輝度を示す。制御装置は、所望の画像に近いものを与えるために低分解能光変調器の画素を設定する。このことは、例えば、低分解能光変調器の各画素に対応する画像領域の所望の輝度の平均値、または、重み付けされた平均値を決めることによって達成することができる。
【0046】
制御装置は、高分解能光変調器の画素を設定して、映し出される画像を所望の画像に近づける。このことは、例えば、所望の輝度を、低分解能光変調器から高分解能光変調器の対応する画素へ入射する光の既知の輝度で割ることによって行うことができる。光変調器を駆動させるための信号を生成するための処理は、制御装置39により即座に行ってもよいし、制御装置39またはその他の装置により先立って行い、そして、その画像データに統合してもよいし、または、ある処理を先立って行ってもよいし、そして、制御装置39が制御信号を生成するための最後の処理を行ってもよい。
【0047】
低分解能の画素が大きすぎると、視聴者から画像の中の明るい素子の周囲に円光が見えてしまうことがある。低分解能の画素は好ましくは、暗い背景の中の明るいパッチや、明るい背景の中の暗いスポットの見た目が、容認できないほど低下しないように、十分に小さい。低分解能光変調器の各画素に対して、高分解能光変調器上には約8〜144個の、より好ましくは、約9〜36個の画素を備えていることが、今のところ実用的であると考えられる。
【0048】
画像中の点の輝度を調節することができる画素42,44の段階の大きさは必ずしも等しくはない。低分解能光変調器の画素は、高分解能光変調器よりも粗い段階で光の強度を調節してもよい。例えば、低分解能光変調器は1〜512単位の強度範囲を持つ各画素の光強度を8段階で調節可能にしてもよく、一方、高分解能光変調器は同様の範囲を持つ各画素の光強度を512段階で調節可能にしてもよい。図5において、画素42,44は両方とも四角形として図示されているが、必ずしもこのようでなくてもよい。画素42及び/又は44は、他の形、例えば、長方形、三角形、六角形、円形、楕円形等であってもよい。
【0049】
低分解能光変調器の画素は、望ましくは、多少拡散した光を放ち、光が低分解能光変調器の画素を横切るのに伴い、光の強度が確実にかつなだらかに変化する。図7に示すように、これは、低分解能光変調器の各画素からの光が隣接した画素に広がる場合である。図7Aに示すように、低分解能光変調器の画素の強度プロフィールは、しばしば、画素の有効幅に等しい幅dを持つ方形プロフィール(rectangular profile
)が畳み込まれたガウス分布関数によって近似することができる。分布関数は、好ましくは、0.3×d〜3×dの範囲の半値全幅を持ち、ここで、dは画素間の中心から中
心までの距離であり、所望の円滑に変化する光強度を得る。典型的に、dはdにほぼ等しい。
【0050】
図5の実施形態において、各画素42は3つのサブ画素43R,43G,43Bからなっている(明瞭にするため,図5は、いくつかの画素42のサブ画素を省略している)。サブ画素43R,43G,43Bは、独立にアドレス指定ができる。それらは、第2の光変調器20に組み込まれている赤、緑、青のカラーフィルタとそれぞれ関連している。多数のカラー・サブ画素を有し、本発明に用いるのに適当なLCDパネルの様々な構成は技術的に公知である。
【0051】
反射投影型表示装置(例えば、図4の表示装置10C)において、第1の光変調器16をカラー情報を提供する高分解能光変調器とすることや、光変調器36をモノクローム光変調器とすることは、一般的に最も実用的である。光変調器36は、その素子の境目が視覚的に気になるパターンを形成しないような、かなり小さなアドレス可能な素子を持つ。例えば、光変調器36はプロジェクタ37と同じ数のアドレス可能な素子を備えていてもよい(しかし、このような素子は、プロジェクタ37の光変調器16の対応する素子よりも、一般的にかなり大きな寸法を持つであろう)。
【0052】
プロジェクタ37は、どのような適宜の構成を持っていてもよい。必要なことは、プロジェクタ37が、スクリーン34上に画像を結像するために、空間的に変調された光を投射することができることだけである。図6は、発明の更なる別の実施形態に係る表示システム10Dを図示している。システム10Dは、図4を参照して、先に述べられたような集積光変調器36を有するスクリーン34を備えている。システム10Dは、3色のそれぞれに分かれた光変調器16R,16G,16Rを有するプロジェクタ37を備えている。各光変調器16R,16G,16Rにより変調された光は、3つのカラーフィルタ47R,47G,47Bうちの対応する1つのフィルタによりフィルタにかけられる。変調された光は光学系17によりスクリーン34上に投射される。1つの光源12で、3つの光変調器16R,16G,16Bの全てに光を供給してもよいし、別々の光源(図示せず)で供給してもよい。
【0053】
前記開示を考慮に入れて当業者には明らかなように、多くの変更例や改良が、その精神や範囲から逸脱することなく、本発明の実施において可能である。例えば、
・拡散器22とコリメータ18とを一体化してもよい。
【0054】
・拡散器22とコリメータ18との順序を逆にしてもよい。
・光の拡散及び/又は平行化を行うために、多数の協同素子を設けてもよい。
・スクリーン23の、第2の光変調器20、コリメータ18、拡散器22の順序を変更してもよい。
【0055】
・第1の光変調器16を駆動する信号38Aは、第2の光変調器20を駆動するデータと同じデータから構成されていてもよいし、異なるデータから構成されていてもよい。
従って、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される要旨に従って解釈されるものである。
【符号の説明】
【0056】
10…表示装置、12…光源、16,20,26,36…光変調器、39…制御装置。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図5A
図6
図6A
図6B
図7
図7A