【文献】
福崎雄生,他,“Wi−Fiパケット人流センシングにおける統計的実数解析”,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム論文集,情報処理学会シンポジウムシリーズ[CD−ROM],日本,一般社団法人情報処理学会,2015年7月1日,第2015巻,第1号,p.7−14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、一実施形態のユーザ数推定システムの概略構成を示す図である。同図に示すように、ユーザ数推定システム1000は、施設(レストランなど)に対応付けて設置されるプローブ要求検知端末100と、プローブ要求検知端末100による検知結果などに基づいて施設内のユーザの数を推定する解析装置200と、解析装置200によって推定されたユーザの数(すなわち推定ユーザ数)を表示するための情報処理装置300を含んで構成されている。プローブ要求検知端末100、解析装置200および情報処理装置300の相互間は通信ネットワークNを介して相互に情報通信可能に接続されている。
【0011】
以下の説明では、便宜上、レストランなどの店舗にプローブ要求検知端末100が設置され、店舗内のユーザの数を推定する場合を例に説明するが、これに限る趣旨ではなく、複合アミューズメントシステム、ショッピングモール、デパート、病院、公共施設、各種スタジアムなど、あらゆる業態の施設に適用可能である。なお、本発明において「店舗」とは、商売を行うか否かを問わず広義の施設を意味するものとする。
【0012】
本実施形態のユーザ数推定システム1000は、プローブ要求検知端末100がWifi機能を備えた携帯端末400を検知し、その検知結果を解析装置200において解析することにより、店舗内のユーザ数を推定する。ユーザ数を推定する際、計測対象から外したい人物(レストランの従業員や清掃員など)が所持する携帯端末400の端末アドレス情報(MACアドレス)を、予めホワイトリストに登録し、計測対象から外しておく。これにより、従来に比して精度良く施設内のユーザ数を推定することが可能となる。
【0013】
プローブ要求検知端末100は、店舗内に位置する人物(店舗の顧客など)が所持する携帯端末400を検知するための装置であり、例えば店舗の所定位置に設置される。プローブ要求検知端末100は、例えば小型PC(Personal Computer)、Wifiモジュール、電源、外部記憶装置(SDカードやUSBメモリ)などを含んで構成されている。
【0014】
解析装置200は、プローブ要求検知端末100から送信される情報を解析することによって、店舗内におけるユーザの数を推定するものであり、管理サーバ201、プローブ情報データベース(DB)202、ホワイトリストデータベース(DB)203を含んで構成されている。この解析装置200は、例えば演算処理能力の高いコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムを実行することによって構成される。
【0015】
通信ネットワークNは、プローブ要求検知端末100、解析装置200、情報処理装置300の間で相互に情報通信を行うことが可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース、Wifi、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0016】
情報処理装置300は、各種情報を受信してその内容を表示することや、ユーザにより操作部を用いて入力される情報を外部へ送信することが可能なものである。このような情報処理装置としては、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ、あるいはスマートフォンやタブレット型コンピュータなどの携帯型端末などを用いることができる。ここでは一例として、情報処理装置300は、スマートフォンにおいて所定のアプリケーションソフトウェア(いわゆるアプリ)がインストールされたものであるとする。この情報処理装置300は、解析装置200から送信される推定ユーザ数などを表示パネル(図示略)などに表示する。
【0017】
複数の携帯端末400は、店舗内(または店舗近傍)における、計測対象とすべき人物(すなわち、店舗の顧客など)や、計測対象から外すべき人物(すなわち、店舗の従業員や従業員など)が所持するものであり、図示しないアクセスポイント(AP)等を介して無線通信を行うためのWifi機能を備えている。本実施形態では、携帯端末400としてスマートフォンを想定するが、携帯電話機、PHS、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯情報端末(PDA)、家庭用ゲーム機器など、Wifi機能を備えたあらゆる端末に適用可能である。以下の説明では、便宜上、計測対象とすべき人物を「計測対象ユーザ」と呼び、計測対象外とすべき人物を「計測非対象ユーザ」と呼ぶ。
【0018】
図2は、プローブ要求検知端末の機能構成を示すブロック図である。図示のようにプローブ要求検知端末100は、制御部111、入力部112、表示部113、記憶部114、通信部115およびwifi通信部116を備えている。
【0019】
制御部111は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることによって構成されるものであり、機能ブロックとしてのプローブ要求検知部121、プローブ情報生成部122を有する。
【0020】
入力部112は、例えば制御部111と接続されたキーボードなどの入力手段であり、各種情報を入力するために用いられる。表示部113は、例えば制御部111と接続された液晶表示パネルなどの表示手段であり、各種の画像表示を表示する。記憶部114は、制御部111と接続されたハードディスク装置などの記憶手段であり、制御部111で実行される動作プログラムや各種のデータを記憶する。
【0021】
通信部115は、制御部111と接続されており、解析装置200との情報通信に関わる処理を行う。wifi通信部116は、各携帯端末400との情報通信に関わる処理を行う。
【0022】
プローブ要求検知部(受信手段)121は、各携帯端末400がアクセスポイントを探すために定期的にブロードキャスト(一斉送信)するプローブ要求を検知(受信)する。このプローブ要求はwifi通信部116を介して受信される。
【0023】
プローブ情報生成部(プローブ情報生成手段)122は、プローブ要求を検知した携帯端末400を特定する情報である端末アドレス情報などを含んだプローブ情報を生成する。生成されたプローブ情報は、通信部115を介して解析装置200へ送信される。
【0024】
図3は、プローブ情報の内容の一例を示す図である。
図3に示すように、プローブ情報には、プローブ要求検知端末100が検知した各携帯端末400を識別する情報である「端末アドレス情報(MACアドレス)」、各携帯端末400から発せられた電波の強度を示す情報である「電波強度情報」、各携帯端末400からのプローブ要求を検知した時刻をあらわす情報である「時刻情報」などが含まれている。
【0025】
図4は、解析装置を構成する管理サーバの構成を示すブロック図である。管理サーバ201は、プローブ要求検知端末100から送信されるプローブ情報や、ホワイトリストに登録されている計測非対象ユーザが所持する携帯端末400の端末アドレス情報(MACアドレス)を管理するとともに、店舗内のユーザの数を推定するものであり、制御部211、通信部212および図示しない入力部、表示部などを含んで構成されている。
【0026】
制御部211は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることによって構成されるものであり、機能ブロックとしてのプローブ情報格納部213、ホワイトリスト管理部214、ユーザ数推定部215を有する。通信部212は、制御部211と接続されており、プローブ要求検知端末100との情報通信に関わる処理を行う。
【0027】
プローブ情報格納部213は、プローブ要求検知端末100から送信され、通信部212を介して受信されるプローブ情報をプローブ情報DB202(第1データベース)に格納する処理を行う。
【0028】
ホワイトリスト管理部214は、ホワイトリストDB203(第2データベース)に登録されるホワイトリストの更新などを行う。
図5は、ホワイトリストDBに格納されるホワイトリストの一例を示す図である。ホワイトリストDB203には、計測非対象ユーザが所持する携帯端末400の各端末アドレス情報(例えば、「12:34:56:78:9a」)と、インデックス情報(図示の例では1,2,3・・・)などが対応づけられたホワイトリストが登録されている。本実施形態では、本システムを利用する店舗の管理者などが、情報処理装置300を適宜操作して手動でホワイトリストを作成し、ホワイトリストDB203に登録・更新する場合を想定するが、これに限る趣旨ではなく、自動でホワイトリストを作成するようにしても良い(後述)。
【0029】
ユーザ数推定部(計測手段、推定手段)215は、プローブ情報DB202に登録されている端末アドレス情報(MACアドレス)と、ホワイトリストDB203に登録されている計測非対象ユーザの端末アドレス情報(MACアドレス)とを比較等することで、店舗内のユーザの数を推定する。詳述すると、ユーザ数推定部215は、プローブ情報DB202に登録されている端末アドレス情報のうち、ホワイトリストDB203に登録されている端末アドレスと一致する端末アドレス情報をノイズとみなして除去する。その上で、ユーザ数推定部215は、残った端末アドレス情報の数(すなわち、計測対象ユーザの数)をカウントすることで、店舗内のユーザの数を推定し、推定ユーザ数情報として情報処理装置300に送信する。
【0030】
図6は、プローブ要求検知端末の動作手順を示すフローチャートである。
【0031】
プローブ要求検知端末100のプローブ要求検知部121は、近隣に存在する携帯端末400からのプローブ要求がwifi通信部116によって受信されたか否かを判定する(ステップS11)。プローブ要求が受信されるまでの間は(ステップS11;NO)、ステップS11の処理が繰り返される。なお、各携帯端末400は、接続可能なアクセスポイントを探すために定期的にプローブ要求をブロードキャストしているものとする。
【0032】
プローブ要求が受信されると(ステップS11;YES)、プローブ要求検知部121は、プローブ要求に含まれる端末アドレス情報を取得するとともに(ステップS12)、このプローブ要求を送信した携帯端末400の発した電波の強度を示す電波強度情報をwifi通信部116から取得する(ステップS13)。
【0033】
次に、プローブ情報生成部122は、検知された携帯端末400の「端末アドレス情報」、「電波強度情報」、携帯端末400からのプローブ要求が検知された時刻を示す「時刻情報」を含んだプローブ情報を生成する(ステップS14)。このプローブ情報は通信部115を介して解析装置200へ送信される(ステップS15)。
【0034】
図7は、プローブ情報管理サーバの動作手順を示すフローチャートである。
【0035】
管理サーバ201のプローブ情報格納部213は、通信部212を介して、プローブ要求検知端末100から送信されるプローブ情報を受信する(ステップS21)。
【0036】
次に、プローブ情報格納部213は、受信したプローブ情報をプローブ情報DB202へ格納する(ステップS22)。プローブ情報は、例えば時系列でプローブ情報DB202へ格納される。
【0037】
図8は、管理サーバにおけるホワイトリストを登録・更新する際の動作手順を示すフローチャートである。
【0038】
管理サーバ201のホワイトリスト管理部214は、情報処理装置300から登録または更新すべきホワイトリストを受信すると(ステップS31)、受信したホワイトリストをホワイトリストDB203に登録または更新する(ステップS32)。なお、ホワイトリストは、例えば店舗の管理者などが指定する、計測非対象ユーザ(従業員や清掃員など)の携帯端末400の端末アドレス情報(MACアドレス)が含まれる。
【0039】
図9は、管理サーバにおけるユーザ数を推定する際の動作手順を示すフローチャートである。なお、管理サーバ201は、以下に示すフローを間欠的に実行する。
【0040】
管理サーバ201のユーザ数推定部215は、まず、ホワイトリストDB203にアクセスし、ホワイトリストを読み出す(ステップS41)。ユーザ数推定部215は、ホワイトリストに登録されている計測非対象ユーザの携帯端末400の端末アドレス情報を読み出し(ステップS42)、プローブ情報DB202に登録されている端末アドレス情報と照合する(ステップS43)。そして、ユーザ数推定部215は、プローブ情報DB202に登録されている端末アドレス情報のうち、ホワイトリストDB203に登録されている端末アドレスと一致する端末アドレス情報をノイズとみなして除去する(ステップS44)。その上で、ユーザ数推定部215は、残った端末アドレス情報の数をカウントすることで、店舗内のユーザの数を推定し(ステップS45)、これを推定ユーザ数情報として情報処理装置300に送信する(ステップS46)。情報処理装置300は、受信した推定ユーザ数情報(すなわち推定ユーザ数)を逐次表示パネル(表示手段)に表示する。店舗の管理者などは、情報処理装置300に表示される推定ユーザ数を視認することで、より正確に店舗内のユーザ数を推定することが可能となる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、予め計測非対象ユーザの端末アドレス情報をホワイトリストに登録しておき、このホワイトリストに登録された端末アドレス情報が、検知端末によって検知された場合には、ノイズとみなしてユーザ数の計測対象から外す。このように、計測対象外とすべき人物(すなわち、計測非対象ユーザ)を除外してユーザ数の推定が行われるため、店舗内のユーザ数をより正確に把握することが可能となる。
【0042】
B.その他
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0043】
上記実施形態では、手動でホワイトリストを作成する方法を例示したが、これに加えて(あるいは代えて)自動でホワイトリストを生成するようにしても良い。
図10は、管理サーバにおけるホワイトリストを自動生成する際の動作手順を示すフローチャートである。
【0044】
管理サーバ201のホワイトリスト管理部214は、一定期間内に格納されたプローブ情報を読み出し(ステップS51)、各プローブ情報に含まれる電波強度情報や時刻情報を参照する。ホワイトリスト管理部(特定手段)214は、これら電波強度情報や時刻情報を参照することにより、各プローブ情報に対応する端末アドレス情報をホワイトリストに登録すべきか(すなわち、計測非対象ユーザとすべきか)を判断(特定)する(ステップS52)。ホワイトリスト管理部(更新手段)214は、ホワイトリストへ登録する必要なしと判断した場合には(ステップS52;NO)、処理を終了する一方、ホワイトリストへ登録する必要ありと判断すると(ステップS52;YES)、対応する端末アドレス情報をホワイトリストに登録(更新)し、ホワイトリストDB203に格納する(ステップS3)。ここで、端末アドレス情報をホワイトリストに登録すべきか否かの条件としては、例えば、検知頻度が1週間にN日以上(例えばN=3)である、検知時刻(例えば週5日以上、16時〜20時の時間帯)が常に一定である等の条件が考えられるが、他の条件を採用しても良いのはもちろんである。
【0045】
その他にも、例えばホワイトリストを生成するために、計測非対象ユーザしか反応しない場所(例えば、従業員のみが入れるスタッフルームなど)にプローブ要求検知端末100を所定期間設置し、この期間内にプローブ要求検知端末100によって検知された携帯端末400の端末アドレス情報を、管理サーバ201を利用してホワイトリストに登録するようにしても良い。
【0046】
なお、上記実施形態では、計測非対象ユーザとして従業員や清掃員などを例示したが、いかなる人物を計測非対象ユーザとするかは適宜設定・変更可能である。例えば、観光地でユーザ数を推定する場合には、地元民を計測非対象ユーザとしても良い。また、本発明を防犯用システムに適用する場合には、居住者や訪問者を計測非対象ユーザとしても良い。