(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232421
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】ミニショベル
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
E02F9/00 J
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-515843(P2015-515843)
(86)(22)【出願日】2014年4月25日
(86)【国際出願番号】JP2014061705
(87)【国際公開番号】WO2014181708
(87)【国際公開日】20141113
【審査請求日】2016年9月13日
(31)【優先権主張番号】特願2013-99381(P2013-99381)
(32)【優先日】2013年5月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398071668
【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩元 陽平
(72)【発明者】
【氏名】川本 純也
(72)【発明者】
【氏名】國領 おさむ
(72)【発明者】
【氏名】多辺田 浩
(72)【発明者】
【氏名】宮原 康弘
【審査官】
須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−344301(JP,A)
【文献】
実開平02−109851(JP,U)
【文献】
特開2004−176312(JP,A)
【文献】
特開2012−017601(JP,A)
【文献】
特開2011−169044(JP,A)
【文献】
特開2005−344429(JP,A)
【文献】
特開2009−215701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
上記車体を構成する走行体及び旋回体と、
上記旋回体の旋回フレーム上に設けられる運転席と、
上記運転席の前側位置に配置され、構造物を形成する手摺りと、
上記旋回体の旋回フレームの前側位置に取り付けられ、上記車体に対して左右方向に揺動可能なスイングポストと、
このスイングポストに連結されるブーム及びこのブームを駆動する油圧シリンダを含む作業装置と、
上記車体の後部に配置され、上記作業装置との重量バランスを確保するカウンタウェイトと、
上記スイングポストの対向する一対の側板間を通って上方向に向かって延設され、上記作業装置の上記油圧シリンダを駆動する圧油を導く油圧ホースと、
を備えたミニショベルにおいて、
上記スイングポストに設けられ、上記作業装置の駆動に伴って上記油圧ホースが上記車体の前面位置に配置された上記構造物に向かう方向に膨張しようとする際に、上記油圧ホースの上記構造物に近づく方向の動きを規制しながら、上記油圧ホースを下方向へ案内する第1ガイド部を備え、
上記第1ガイド部は上記ブームが上記スイングポストに連結される部分と上記車体の前面位置との間に位置しており、上記油圧ホースは上記ブームが上記スイングポストに連結される部分と上記構造物との間に配置されることを特徴とするミニショベル。
【請求項2】
請求項1に記載のミニショベルにおいて、
上記第1ガイド部は、上記スイングポストに取り付けられる平板部と、この平板部から立設され、上記油圧ホースの膨張部分に対向するように配置される面部を有しており、上方に向かうに従って上記構造物に近づくように形成された傾斜板部とを有するガイドプレートから成ることを特徴とするミニショベル。
【請求項3】
請求項1に記載のミニショベルにおいて、
上記作業装置の上記油圧シリンダは、上記スイングポストに一端が連結される特定油圧シリンダを含み、
上記スイングポストに設けられ、上記作業装置の駆動に伴って上記油圧ホースが上記特定油圧シリンダに向かう方向に膨張しようとする際に、上記油圧ホースの上記特定油圧シリンダに近づく方向の動きを規制しながら、上記油圧ホースを下方向へ案内する第2ガイド部を備えたことを特徴とするミニショベル。
【請求項4】
請求項2に記載のミニショベルにおいて、
上記作業装置の上記油圧シリンダは、上記スイングポストに一端が連結される特定油圧シリンダを含み、
上記スイングポストに設けられ、上記作業装置の駆動に伴って上記油圧ホースが上記特定油圧シリンダに向かう方向に膨張しようとする際に、上記油圧ホースの上記特定油圧シリンダに近づく方向の動きを規制しながら、上記油圧ホースを下方向へ案内する第2ガイド部を備え、
上記第2ガイド部は、上記特定油圧シリンダが上記スイングポストに連結される部分よりも上記構造物側に設置され、
上記油圧ホースは、上記スイングポストが取り付けられる上記車体の前側の端部と上記第2ガイド部との間に配置されることを特徴とするミニショベル。
【請求項5】
請求項3に記載のミニショベルにおいて、
上記第2ガイド部は、上記油圧ホースの延設方向に直交する左右方向に延設されたロッド、もしくは上記油圧ホースの膨張部分に対向するように面部が配置された板部材から成ることを特徴とするミニショベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業装置が取り付けられ左右方向に揺動するスイングポストと、スイングポストの一対の側板間を通して上方に向って延設される油圧ホースとを備えた
ミニショベ
ルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。この従来技術は油圧ショベル、例えばミニショベルであり、このミニショベルは、車体を構成する走行体及び旋回体と、旋回体の旋回フレームの前側位置に配置され、左右方向に揺動可能なブームスイングブラケット、すなわちスイングポストと、このブームスイングブラケットに取り付けられ、油圧シリンダを含む作業装置と、旋回体の旋回フレームの後部に配置され、作業装置との重量バランスを確保するカウンタウェイトとを備えている。旋回体の旋回フレーム上には運転席が配置され、旋回体の前面位置には、すなわち運転席の前側位置には構造物を構成する手摺りが配置されている。また、ブームスイングブラケットと車体を形成する旋回体の旋回フレームとを連結し、隙間を介して上下に配置され、鉛直方向に延設される一対の支軸、すなわち上部支軸及び下部支軸とを備えている。ブームスイングブラケットには、作業装置を形成するブーム、及びブームシリンダが取り付けられている。
【0003】
また、この従来技術は、一対の支軸間に形成される上述の隙間を通り、ブームスイングブラケットの対向する一対の側板間を通るようにして上方に向って延設され、作業装置に含まれるブームシリンダ、アームシリンダ等の油圧シリンダを駆動する圧油を導く複数の油圧ホースを備えている。この油圧ホースは、ブームスイングブラケット内において、一対の側板が固定される壁板に取り付けられたホースクランプに装着されて保持されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−254395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術において、ブームスイングブラケットが旋回体の前面位置に配置される構造物、例えば手摺りに接近していると、作業装置のブームを上昇させた際の油圧ホースの膨張部分が手摺りに干渉してしまう虞がある。したがって従来技術にあっては、ブームを上昇させた際に油圧ホースが手摺りに干渉しないように、ブームスイングブラケットを手摺りから離れた前側位置において旋回フレームに連結する傾向にあった。
【0006】
また、このようにブームスイングブラケットを配置すると、作業装置に含まれるブーム、アーム、バケットを例えば水平方向に延伸させた際の旋回体の旋回中心から作業装置の先端までの距離、すなわちリーチが長くなることから、作業時のモーメントが大きくなり、このような大きなモーメントに対応する大きな重量のカウンタウェイトを設けることが必要になる。
【0007】
このように従来技術では、ブームスイングブラケットすなわちスイングポストが旋回体、すなわち車体の前面位置に配置される構造物から離れた位置に設けられる点で、また、重量の大きなカウンタウェイトを設ける必要がある点で、当該建設機械の小型化及び軽量化に制約を受けやすかった。なお、ミニショベルにあっては、カウンタウェイトの軽量化による小型化が特に要望されていた。
【0008】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、油圧ホースの膨張部分と車体の前面位置に配置される構造物との干渉を生じさせることなく、スイングポストを車体の前面位置に配置される構造物に近づけるように配置することができる建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明は、車
体と、
上記車体を構成する走行体及び旋回体と、上記旋回体の旋回フレーム上に設けられる運転席と、上記運転席の前側位置に配置され、構造物を形成する手摺りと、上記旋回体の旋回フレームの前側位置に取り付けられ、
上記車
体に対して左右方向に揺動可能なスイングポストと、このスイングポス
トに連結されるブーム及びこのブームを駆動する油圧シリンダを含む作業装
置と、上記車体の後部に配置され、上記作業装
置との重量バランスを確保するカウンタウェイトと、上記スイングポストの対向する一対の側板間を通って上方向に向かって延設され、上記作業装置の上記油圧シリンダを駆動する圧油を導く油圧ホースと
、を備えた
ミニショベルにおいて、上記スイングポストに設けられ、上記作業装置の駆動に伴って上記油圧ホースが上記車体の前面位置に配置された構造物に向かう方向に膨張しようとする際に、上記油圧ホースの上記構造物に近づく方向の動きを規制しながら、上記油圧ホースを下方向へ案内する第1ガイド部を備え
、上記第1ガイド部は上記ブームが上記スイングポストに連結される部分と上記車体の前面位置との間に位置しており、上記油圧ホースは上記ブームが上記スイングポストに連結される部分と上記構造物との間に配置されることを特徴としている。
【0010】
このように構成した本発明は、油圧ホースが車体の前面位置に配置された構造物に向かう方向に膨張したときには、第1ガイド部によって構造物に近づく方向の油圧ホースの動きが規制される。また、このとき第1ガイド部によって油圧ホースが下方向に案内され、油圧ホースの膨張部分の形状が小さくなるように保たれる。これにより本発明は、確実に油圧ホースと構造物との干渉を防ぐことができる。したがって本発明は、スイングポストを車体の前面位置に配置された構造物に近づけるように配置することができる。これに伴って本発明は、車体の中心から作業装置の先端までの距離を短くすることができて、作業時のモーメントを小さくすることができ、これに応じてカウンタウェイトの重量を軽減させることができる。
【0011】
また本発明は、上記発明において、上記第1ガイド部は、上記スイングポストに取り付けられる平板部と、この平板部から立設され、上記油圧ホースの膨張部分に対向するように配置される面部を有し、上方に向かうに従って上記構造物に近づくように形成された傾斜板部とを有するガイドプレートから成ることを特徴としている。
【0012】
このように構成した本発明は、膨張した油圧ホースがガイドプレートの傾斜板部の面部に接触した際に、ガイドプレートの傾斜板部によって油圧ホースが車体の前面位置に配置された構造物に近づかないようにその動きが規制されるとともに、傾斜板部の傾斜角度に応じて膨張した油圧ホースを下方向に円滑に案内することができる。また、膨張した際の油圧ホースは高い剛性を有し、大きな押し付け力を傾斜板部に与えるが、この際に油圧ホースが接触する傾斜板部の接触部分の面積を大きく確保することができるので、油圧ホースの傾斜板部に対する接触面圧を低く抑えることができる。これにより、ガイドプレートに接触する油圧ホースの損耗を防ぐことができる。
【0013】
また本発明は、上記発明において、上記作業装置の上記油圧シリンダは、上記スイングポストに一端が連結される特定油圧シリンダを含み、上記スイングポストに設けられ、上記作業装置の駆動に伴って上記油圧ホースが上記特定油圧シリンダに向かう方向に膨張しようとする際に、上記油圧ホースの上記特定油圧シリンダに近づく方向の動きを規制しながら、上記油圧ホースを下方向へ案内する第2ガイド部を備え
、上記第2ガイド部は、上記特定油圧シリンダが上記スイングポストに連結される部分よりも上記構造物側に設置され、上記油圧ホースは、上記スイングポストが取り付けられる上記車体の前側の端部と上記第2ガイド部との間に配置されることを特徴としている。
【0014】
このように構成した本発明は、作業装置を駆動しての作業中に、油圧ホースが特定油圧シリンダに向かう方向に膨張したときには、第2ガイド部によって特定油圧シリンダに近づく方向の油圧ホースの動きが規制される。また、このとき第2ガイド部によって油圧ホースが下方向に案内され、油圧ホースの膨張部分の形状が小さくなるように保たれる。したがって、確実に油圧ホースと特定油圧シリンダとの干渉を防ぐことができる。
【0015】
また本発明は、上記発明において、上記第2ガイド部は、上記油圧ホースの延設方向に直交する左右方向に延設されたロッド、または上記油圧ホースの膨張部分に対向するように面部が配置された板部材から成ることを特徴としている。
【0016】
このように構成した本発明は、第2ガイド部をロッドによって構成した場合には、第2ガイド部を簡単な構造とすることができ、実用性に富むとともに、製作費の低減に貢献する。また、第2ガイド部を板部材によって構成した場合には、第2ガイド部に接触する油圧ホースの接触面圧を低く抑えることができ、油圧ホースの損耗を防ぐことができる。
【0017】
また本発明は、上記発明において、上記建設機械は、車体を構成する走行体及び旋回体と、上記旋回体の旋回フレーム上に設けられる運転席と、上記運転席の前側位置に配置され、上記構造物を形成する手摺りとを含むミニショベルから成り、上記スイングポストは、上記旋回体の上記旋回フレームの前側位置に取り付けてあり、上記作業装置は、上記スイングポストに連結されるブームを含み、上記特定油圧シリンダは、上記ブームを駆動するブームシリンダから成ることを特徴としている。
【0018】
このように構成した本発明は、油圧ホースの膨張部分と運転席の前側位置に配置された手摺りとの干渉を生じさせることなく、スイングポストを手摺りに近づけるように配置することができる。これにより、カウンタウェイトの重量を軽減でき、当該ミニショベルの小型化を実現させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、スイングポストに設けられ、作業装置の駆動に伴って油圧ホースが車体の前面位置に配置された構造物に向かう方向に膨張しようとする際に、油圧ホースの構造物に近づく方向の動きを規制しながら、油圧ホースを下方向へ案内する第1ガイド部を備えた構成にしてあることから、油圧ホースの膨張部分と車体の前面位置に配置される構造物との干渉を生じさせることなく、スイングポストを車体の前面位置に配置される構造物に近づけるように配置することができる。これにより本発明は、作業装置を水平方向に延伸させた際の車体の中心から作業装置の先端までの距離、すなわちリーチを従来よりも短くすることができ、作業時のモーメントを小さく抑えることができる。これに伴って、カウンタウェイトの重量を従来よりも軽減させることができる。したがって本発明は、従来では難しかった当該建設機械の小型化及び軽量化を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る建設機械の第1実施形態を構成するミニショベルを示す側面図である。
【
図2】第1実施形態に備えられるスイングポスト部分を拡大して示した側面図である。
【
図4】第1実施形態に備えられる第1ガイド部を構成するガイドプレート部分を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示すガイドプレートを分解して示した斜視図である。
【
図6】第1実施形態の動作を示す図で、ブームを上昇させ始めた状態を示す要部側面図である。
【
図7】第1実施形態の動作を示す図で、ブームを
図6に示す状態からさらに上昇させた状態を示す要部側面図である。
【
図8】第1実施形態の動作を示す図で、ブームを最上位置まで上昇させた状態を示す要部側面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る建設機械の要部構成を示す斜視図である。
【
図10】
図9に示す状態から第2ガイド部を構成するガイドプレートを除いた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0022】
本発明の建設機械の第1実施形態は、例えば小型機械を構成するミニショベルであり、このミニショベルは、
図1に示すように、車体を構成する走行体1、及び走行体1上に配置される旋回体2を備えている。また、このミニショベルは、旋回体2の旋回フレーム2aの前側位置に取り付けられ、左右方向に揺動可能なスイングポスト3と、このスイングポスト3に上下方向の回動可能に取り付けられ、土砂の掘削作業等を行う作業装置4を備えている。
【0023】
作業装置4は、スイングポスト3に取り付けられるブーム5と、このブーム5の先端に取り付けられるアーム6と、このアーム6の先端に取り付けられるバケット7とを含んでいる。また作業装置4は、複数の油圧シリンダ、すなわちブーム
5を駆動するブームシリンダ5aと、アーム6を駆動するアームシリンダ6aと、バケット7を駆動するバケットシリンダ7aとを含んでいる。上述したブームシリンダ5aは、スイングポスト3に一端が連結される特定油圧シリンダを構成している。
【0024】
旋回体2の旋回フレーム2a上には、運転席8を配置してあり、運転席8の上方を覆うようにキャノピ9を設けてある。運転席8の後部には、作業装置4との重量バランスを確保するカウンタウェイト10を配置してある。旋回フレーム2a上の運転席8の前方位置には、車体すなわち旋回体2の前面位置に配置された構造物を構成する手摺り11を配置してある。
【0025】
図2に示すように、本実施形態は、スイングポスト3と旋回フレーム2
aとを連結し、隙間13を介して上下に配置され、鉛直方向に延設される上部支軸12aと、下部支軸12bとを備えている。また、
図2,3に示すように、本実施形態は、上部支軸12aと下部支軸12bとの隙間13を通り、スイングポスト3の互いに対向する側板3a,3b間を通って上方に向かうように延設され、上述したブームシリンダ5a、アームシリンダ6a等を駆動する圧油を導く複数本の油圧ホース14を備えている。
【0026】
また本実施形態は、スイングポスト3に設けられ、作業装置4の駆動に伴って油圧ホース14が旋回体2の前面位置に配置された構造物、例えば手摺り11に向かう方向に膨張しようとする際に、油圧ホース14が手摺り11に近づく方向の動きを規制しながら、油圧ホース14を下方向へ案内する第1ガイド部を備えている。
【0027】
この第1ガイド部は、ガイドプレート20から成っている。このガイドプレート20は、
図2,4,5に示すように、スイングポスト3に形成したねじ穴3c,3dにそれぞれ適合する穴20b1,20b2を有し、これらの穴20b1,20b2に挿入されてねじ穴3c,3dに螺合するボルト21a,21bによって、スイングポスト3に取り付けられる平板部20bを備えている。また、ガイドプレート20は、平板部20bから立設され、作業装置4の駆動に伴って膨張した油圧ホース14の膨張部分に対向するように配置される面部を有し、上方に向かうに従って手摺り11に近づくように形成される傾斜板部20aを備えている。
【0028】
また本実施形態は、
図2,3に示すように、スイングポスト3に設けられ、作業装置4の駆動に伴って油圧ホース14が上述した特定油圧シリンダ、すなわちブームシリンダ5aに向かう方向に膨張とようとする際に、油圧ホース14のブームシリンダ5aに近づく方向の動きを規制しながら、油圧ホース14を下方へ案内する第2ガイド部、例えばロッド22を備えている。このロッド22は、一端がスイングポスト3の側板3aを挿通し、他端が側板3bを挿通するようにして、油圧ホース14の延設方向と直交する左右方向に延設され、側板3a,3bに固定されている。
【0029】
このように構成した本実施形態に係るミニショベルは、作業に際し、例えば作業装置4のブーム5を上昇させると、はじめに
図6に示すように、油圧ホース14が手摺り11に向かう方向に膨張する。この膨張により、油圧ホース14の膨張部分がガイドプレート20の傾斜板部20aに当接する。したがって、油圧ホース14が手摺り11にそれ以上接近しないように、ガイドプレート20の傾斜板部20aによって規制される。
【0030】
さらにブーム5を上昇させると、油圧ホース14は、手摺り11に近づく方向の動きがガイドプレート20の傾斜板部20aによって規制されながら、ガイドプレート20の傾斜板部20aによって下方向へ案内される。
【0031】
さらにブーム5を上昇させると、
図7に示すように、油圧ホース14がブームシリンダ5aに向かう方向に膨張し、この油圧ホース14の膨張部分がロッド22に当接する。したがって、油圧ホース14がブームシリンダ5aにそれ以上接近しないようにロッド22によって規制される。
【0032】
さらにブーム5を上昇させると、油圧ホース14は、ロッド22に近づく方向の動きを規制されながら、ロッド22によって下方向へ案内される。ブームシリンダ5aが最も上昇したときには、油圧ホース14は例えば
図8に示す形態に保たれる。
【0033】
以上のように、本実施形態は、油圧ホース14が手摺り11に向かう方向に膨張したときには、ガイドプレート20によって手摺り11に近づく方向の油圧ホース14の動きが規制される。また、このときガイドプレート20によって油圧ホース14が下方向に案内され、油圧ホース14の膨張部分の形状が小さくなるように保たれる。これにより本実施形態は、油圧ホース14と手摺り11との干渉を防ぐことができる。したがって、本実施形態は、スイングポスト3を旋回フレーム2aの前面位置に配置された手摺り11に近づくように配置することができる。これに伴って本実施形態は、作業装置4のブーム5、アーム6、及びバケット7を水平方向に延伸させた形態にした際に、車体の中心、すなわち旋回体2の旋回中心から、作業装置4のバケット7の先端までの距離、すなわちリーチを短くすることができて、作業時のモーメントを小さく抑えることができる。これに応じて本実施形態は、カウンタウェイト10の重量を軽減させることができる。したがって本実施形態は、当該ミニショベルの小型化及び軽量化を実現させることができる。
【0034】
また本実施形態は、油圧ホース14の手摺り11に近づく方向の動きを規制しながら、油圧ホース14を下方向へ案内する第1ガイド部が、傾斜板部20aを有するガイドプレート20から成ることから、膨張した油圧ホース14がガイドプレート20の傾斜板部20aの面部に接触した際に、傾斜板部20aによって油圧ホース14が手摺り11に近づかないようにその動きが規制されるとともに、傾斜板部20aの傾斜角度に応じて膨張した油圧ホース14を下方向に円滑に案内することができる。また、膨張した際の油圧ホース14は高い剛性を有し、大きな押し付け力を傾斜板部20aに与えるが、この際に油圧ホース14が接触する傾斜板部20aの接触部分の面積を大きく確保することができるので、油圧ホース14の傾斜板部20aに対する接触面圧を低く抑えることができる。これにより、ガイドプレート20に接触する油圧ホース14の損耗を防ぐことができる。
【0035】
また本実施形態は、油圧ホース14のブームシリンダ5aに近づく方向の動きを規制しながら、油圧ホース14を下方向へ案内するロッド22から成る第2ガイド部を備えたことから、作業装置4を駆動しての作業中に、油圧ホース14がブームシリンダ5aに向かう方向に膨張したときには、上述のようにロッド22によってブームシリンダ5aに近づく方向の油圧ホース14の動きが規制される。また、このときロッド22によって油圧ホース14が下方向へ案内され、油圧ホース14の膨張部分の形状が小さくなるように保たれる。したがって、確実に油圧ホース14とブームシリンダ5aとの干渉を防ぐことができ、信頼性の高いミニショベルを実現させることができる。また、第2ガイド部を簡単な構造とすることができ、実用性に富むとともに、製作費の低減に貢献する。
【0036】
図9は本発明の第2実施形態に係る建設機械の要部構成を示す斜視図、
図10は
図9に示す状態から第2ガイド部を構成するガイドプレートを除いた状態を示す斜視図である。
【0037】
これらの
図9,10に示す本発明の第2実施形態は、油圧ホース14のブームシリンダ5aに近づく方向の動きを規制しながら、油圧ホース14を下方向へ案内する第2ガイド部の構成が第1実施形態とは異なっている。この第2実施形態も例えば
図1に示したと同様のミニショベルあり、基本的な構成、すなわち第1ガイド部等の構成は第1実施形態と同等である。
【0038】
第2実施形態は、
図9に示すように、第2ガイド部が、油圧ホース14の膨張部分に対向するように面部が配置された板部材30から成っている。
図10に示すように、スイングポスト3にはねじ穴33a,33bをそれぞれ有するブラケット32a,32bを固定してあり、これらのブラケット32a,32bのねじ穴
33a,33bのそれぞれに螺合するボルト31a,31bによって、板部材30をブラケット32a,32bに締結してある。
【0039】
このように構成した第2実施形態も、基本的には上述した第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。また、この第2実施形態は、第2ガイド部が板部材30から成ることから、油圧ホース14の膨張部分に接触する板部材30の接触部分の面積を大きく確保することができるので、油圧ホース14の板部材30に対する接触面圧を低く抑えることができる。これにより、板部材30に接触する油圧ホース14の損耗を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0040】
1 走行体(車体)
2 旋回体(車体)
2a 旋回フレーム
3 スイングポスト
3a 側板
3b 側板
4 作業装置
5 ブーム
5a ブームシリンダ(特定油圧シリンダ)
6 アーム
6a アームシリンダ(油圧シリンダ)
7 バケット
7a バケットシリンダ(油圧シリンダ)
8 運転席
10 カウンタウェイト
11 手摺り(構造物)
14 油圧ホース
20 ガイドプレート(第1ガイド部)
20a 傾斜板部
20b 平板部
22 ロッド(第2ガイド部)
30 板部材(第2ガイド部)