特許第6232429号(P6232429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6232429RORγT阻害剤としての3−シクロヘキセニルおよびシクロヘキシル置換インドールおよびインダゾール化合物およびそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232429
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】RORγT阻害剤としての3−シクロヘキセニルおよびシクロヘキシル置換インドールおよびインダゾール化合物およびそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/56 20060101AFI20171106BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 5/00 20060101ALI20171106BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20171106BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20171106BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20171106BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20171106BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20171106BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20171106BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20171106BHJP
   C07D 403/06 20060101ALI20171106BHJP
   C07D 413/06 20060101ALI20171106BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20171106BHJP
   C07K 7/06 20060101ALN20171106BHJP
   C07K 14/47 20060101ALN20171106BHJP
【FI】
   C07D231/56 A
   A61P43/00 121
   A61P37/04
   A61P29/00
   A61P25/00
   A61P1/04
   A61P19/00
   A61P17/06
   A61P19/02
   A61P29/00 101
   A61P11/06
   A61P37/08
   A61P5/00
   A61P33/00
   A61K31/416
   A61K31/437
   A61K31/5377
   A61K31/497
   A61K31/454
   C07D471/04 106Z
   C07D403/06CSP
   C07D413/06
   C07D405/12
   !C07K7/06ZNA
   !C07K14/47
【請求項の数】23
【全頁数】97
(21)【出願番号】特願2015-527569(P2015-527569)
(86)(22)【出願日】2013年8月14日
(65)【公表番号】特表2015-526443(P2015-526443A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】US2013054902
(87)【国際公開番号】WO2014028597
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2016年8月2日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2012/080133
(32)【優先日】2012年8月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】596129215
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Merck Sharp & Dohme Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】バー,ケネス,ジエイ
(72)【発明者】
【氏名】マクリーン,ジヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジヤーン,ホーンジユイン
(72)【発明者】
【氏名】ベレシス,リチヤード,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ジヤーン,ドーンシヤン
(72)【発明者】
【氏名】アンダーセン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー,ネビル
(72)【発明者】
【氏名】ラポインテ,ブレア
(72)【発明者】
【氏名】サイアメツタ,ヌンジオ
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第96/037467(WO,A1)
【文献】 特表2008−523085(JP,A)
【文献】 特開平03−271288(JP,A)
【文献】 特表2012−506998(JP,A)
【文献】 特表2008−509138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 231/00
A61K 31/00
C07D 403/00
C07D 405/00
C07D 413/00
C07D 471/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
aは、結合であ
Xは、C(O)であり;
Yは、CHまたはNであり;
n=0、1または2であり;
は、CRまたはNであり;
は、CRあり;
は、CRあり;
は、CRあり;
は、(C3−12)カルボシクリルであり、該基は1、2、3、4または5個のRで置換されていてもよく:
は、ヒドロキシカルボニルまたはカルバモイルであり;
ハロゲンヒドロキシ、(C1−3)アルキルC(O)O−、(C1−4)アルキルまたは(C1−4)アルコキシであり、ここで(C1−4)アルキルおよび(C1−4)アルコキシは1個以上のハロゲンで置換されていてもよく;
−Rは、独立してH、ハロゲン、(1−4)アルキル、(C0−10)アルキアミノカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニルまたはアミノ(C1−4)アルキルであり、ここで(C1−4)アルキル、(C0−10)アルキアミノカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニルおよびアミノ(C1−4)アルキルは、1個以上のハロゲン、ヒドロキシルもしくは(C1−3)アルコキシで置換されていてもよ;または式:
【化2】
[式中、mは1、2、3もしくは4である]を有する、(C1−10)アルキル、ハロゲン、アミノヒドロキシ、(C1−3)アルコキシの1つ以上で置換されていてもよい基であり;
は、ハロゲン、シアノ(C1−4)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルあり、ここで、(C1−4)アルキルは1、2もしくは3個のハロゲンで置換されていてもよい]
に従う化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
式Ix:
【化3】
[式中、
Xは、C(O)であり;
Yは、であり;
n=0、1または2であり;
は、CRまたはNであり;
は、CRあり;
は、CRあり;
は、CRあり;
は、(C3−12)カルボシクリルであって、該基は、1、2、3、4または5個のRで置換されていてもよく:
は、ヒドロキシカルボニルであり
ハロゲンヒドロキシまたは(C1−4)アルキルであり、ここで(C1−4)アルキルは1個以上のハロゲンで置換されていてもよく;
−Rは、独立してH、ハロゲン(C1−4)アルキル、(C0−10)アルキアミノカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニルまたはアミノ(C1−4)アルキルであり、ここで、(C1−4)アルキル、(C0−10)アルキアミノカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニルおよびアミノ(C1−4)アルキルは、1個以上のヒドロキシルもしくは(C1−3)アルコキシで置換されていてもよ;または式:
【化4】
[式中、mは1、2、3もしくは4である]を有する、(C1−10)アルキル、ハロゲンヒドロキシ、(C1−3)アルコキシの1つ以上で置換されていてもよい基であり;
は、ハロゲン(C1−4)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルあり、ここで、(C1−4)アルキルは、1、2もしくは3個のハロゲンで置換されていてもよい]
を有する、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項3】
式Ia:
【化5】
を有する請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項4】
式Ib:
【化6】
を有する請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項5】
YがNである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
式Ic:
【化7】
を有する請求項4に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項7】
式Id:
【化8】
[式中、xは、1、2、3、4または5である]
を有する請求項3に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項8】
式Ie:
【化9】
を有する請求項7に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項9】
式If:
【化10】
を有する請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項10】
式Ig:
【化11】
を有する請求項9に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項11】
、A、A、Aが、(i)CR、CR、CR、CR;または(ii)N、CR、CR、CRであり;およびYがNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
が、1、2,3、4または5個のRで置換されていてもよい(C6−14)アリールである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
が、1、2または3個のRで置換されていてもよいフェニルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
がC(O)OHである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(ジメチルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−2−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(4−クロロ−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−メチルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−メチルベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(RまたはS)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(SまたはR)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(RまたはS)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(SまたはR)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(RまたはS)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(SまたはR)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸
4−(6−(アゼチジン−1−カルボニル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((S)−2−メチルピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((R)−2−メチルピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((2−ヒドロキシエチル)(メチル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(イソプロピルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(イソプロピル(メチル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((2−メトキシエチル)(メチル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−フルオロアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(ピペリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((S)−3−メトキシピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((R)−3−メトキシピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−ヒドロキシシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6−ヒドロキシシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−ヒドロキシ−6−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸
(RおよびS)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2,2−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(RおよびS)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6,6−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;および
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−5−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(シクロプロピルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(シクロプロピル(メチル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(2−メチルモルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(シクロヘキシル(メチル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(モルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((2R,6S)−2,6−ジメチルモルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((S)−3−メチルモルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(メチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((R)−3−メチルモルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((S)−2−メチルモルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(((1−ヒドロキシ−3−(メチルアミノ)プロパン−2−イル)オキシ)カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸;
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸;
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸;
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸;
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸;
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸;
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸;
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸;
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸;および
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸
から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物
【請求項17】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項18】
少なくとも1つの付加的な治療活性薬剤をさらに含有する、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
請求項16に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項20】
レチノイン酸受容体関連オーファン受容体γt(RORγT)によって媒介される疾患または状態の治療のための薬剤の製造における、請求項1または請求項16に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用。
【請求項21】
請求項1または請求項16に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む、RORγTによって媒介される疾患または状態の治療用の医薬組成物。
【請求項22】
前記疾患または状態が自己免疫疾患または炎症性疾患である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記疾患または状態が、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、強直性脊椎炎、乾癬、関節リウマチ、喘息、骨関節炎、川崎病、橋本甲状腺炎または粘膜リーシュマニア症である、請求項22に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
抗原提示細胞による活性化後、ナイーブTヘルパー細胞はクローン増殖を受け、最終的にTh1およびTh2サブタイプなどのサイトカイン分泌エフェクターT細胞に分化する。3番目の異なるエフェクターサブセットが同定されており、これは粘膜表面で細菌および真菌に対する免疫を与えるのに重要な役割を果たす(Kastelein et al.,Annu.Rev.Immunol.25:221−242,2007)。このエフェクターTヘルパー細胞サブセットは、大量のIL−17/F、IL−21およびIL−22を産生するその能力に基づいて区別することができ、Th17と称される(Miossec et al.,New Eng.J.Med.2361:888−898,2009)。
【0002】
種々のTヘルパーサブセットは、系統特異的マスター転写因子の発現を特徴とする。Th1およびTh2エフェクター細胞は、それぞれTbetおよびGATA3を発現する。レチノイン酸受容体関連オーファン受容体(ROR)の胸腺細胞/T細胞特異的変異体、RORγTは、Th17細胞において高発現される(He et al.,Immunity 9:797−806,1998)。RORγTは核内ホルモン受容体スーパーファミリーに属する(Hirose et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.205:1976−1983,1994)。RORγTは、N末端の最初の21個のアミノ酸を欠くRORγの切断型であり、多くの組織(心臓、脳、腎臓、肺、肝臓および筋肉)で発現されるRORγと異なり、リンパ系統の細胞および胚性リンパ組織インデューサ細胞において独占的に発現される(Sun et al.,Science 288:2369−2372,2000;Eberl et al.,Nat Immunol.5:64−73,2004)。
【0003】
RORγTのオープンリーディングフレームをGFP(緑色蛍光タンパク質)で置き換えたヘテロ接合ノックインマウスを用いた試験は、Th17サイトカインIL−17/FおよびIL−22を共発現している、小腸粘膜固有層(LP)のCD4+T細胞の約10%においてGFPの構成的発現を明らかにした(Ivanov et al.,Cell 126:1121−1133,2006)。RORγT欠損マウスでは、Th17細胞の数がLPにおいて著しく減少しており、Th17極性化条件下でのCD4+T細胞のインビトロ刺激は、IL−17発現の劇的な低減を生じさせた。これらの結果は、ナイーブCD4+T細胞でのRORγTの強制発現によって、IL−17/FおよびIL−22の誘導がもたらされたことで、さらに実証された(Ivanov et al.,Cell 126:1121−1133,2006)。前記試験は、Th17系統の分化と安定化におけるRORγTの重要性を明らかに示す。加えて、RORファミリー成員であるRORαは、Th17の分化と安定化に関与することが示されている(Yang et al.,Immunity 28:29−39,2008)。
【0004】
最近、RORγTは非Th17リンパ系細胞において極めて重要な役割を果たすことが示された。これらの試験では、RORγTは、Thy1、SCA−1およびIL−23Rタンパク質を発現する先天性リンパ系細胞において非常に重要であった。これらの先天性リンパ系細胞に依存するマウス大腸炎モデルでのRORγの遺伝子破壊は、大腸炎の発症を妨げた(Buonocore et al.,Nature 464:1371−1375,2010)。加えて、RORγTは、肥満細胞などの他の非Th17細胞においても極めて重要な役割を果たすことが示された(Hueber et al.,J.Immunol.184:3336−3340,2010)。最後に、RORγTの発現およびTh17型のサイトカインの分泌が、リンパ組織インデューサ細胞、NK T細胞、NK細胞(Eberl et al.,Nat.Immunol.5:64−73,2004)およびγ−δT細胞(Sutton et al.,Nat.Immunol.31:331−341,2009;Louten et al.,J.Allergy Clin.Immunol.123:1004−1011,2009)に関して報告され、これらのサブタイプの細胞におけるRORγTの重要な機能を示唆した。
【0005】
IL−17産生細胞(Th17細胞または非Th17細胞のいずれか)の役割に基づき、RORγTは、いくつかの疾患の病因における重要なメディエータとして同定されている(Louten et al.,J.Allergy Clin.Immunol.123:1004−1011,2009;Annuziato et al.,Nat.Rev.Rheumatol.5:325−331,2009)。これは、自己免疫疾患を代表するいくつかの疾患モデルを用いて確認された。マウスにおけるRORγ遺伝子の遺伝的除去は、実験的自己免疫疾患、例えば実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)および大腸炎の発症を妨げた(Ivanov et al.,Cell 126:1121−1133,2006;Buonocore et al.,Nature 464:1371−1375,2010)。
【0006】
RORγTはTh17−細胞および非Th17細胞における重要なメディエータであることから、RORγTの転写活性の拮抗作用は、関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病および喘息などの、しかしこれらに限定されない自己免疫疾患に有益な作用を及ぼすことが期待される(Annunziato et al.,Nat.Rev.Immunol.5:325−331,2009;Louten et al.,J.Allergy Clin.Immunol.123:1004−1011,2009)。RORγTの拮抗作用はまた、Th17細胞のレベル上昇ならびに/またはIL−17、IL−22およびIL−23などのTh17の代表的サイトカインの高レベルを特徴とする他の疾患においても有益であり得る。このような疾患の例は、川崎病(Jia et al.,Clin.Exp.Immunol.162:131−137,2010)および橋本甲状腺炎(Figueroa−Vega et al.,J.Clin.Endocrinol.Metab.95:953−62,2010)である。別の例には、粘膜リーシュマニア症などの、しかしこれに限定されない感染症が含まれる(Boaventura et al.,Eur.J.Immunol.40:2830−2836,2010)。上記例の各々において、阻害はRORαの同時阻害によって増強され得る。
【0007】
RORγTを調節する化合物が報告されている。アゴニストの例には、T0901317およびSR1078が含まれる(Wang et al.,ACS Chem.Biol.5:1029−1034,2010)。加えて、アンタゴニスト、例えば7−酸素化ステロール(Wang et al.,J.Biol.Chem.285:5013−5025,2009)および欧州特許出願公開第2181710号に記載されている化合物も報告されている。
【0008】
数多くの免疫障害および炎症性障害が世界中で何百万人もの患者を悩まし続けている。これらの障害を治療するうえで大きな進歩が為されてきたが、現在の治療は、例えば有害な副作用または不充分な効果のために、すべての患者に満足のいく結果を提供するわけではない。より良好な治療が必要とされる例示的な免疫(immue)障害の1つは乾癬である。乾癬を治療することを試みて様々な治療法が開発されてきた。しかしながら、乾癬のための従来の療法は、しばしば毒性の有害作用を有する。より良好な治療が必要とされる1つの例示的な炎症性障害は関節リウマチである。この障害を治療するために数多くの治療法が開発されている。しかし、一部の患者は現在の療法に対して抵抗性を発現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2181710号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Kastelein et al.,Annu.Rev.Immunol.25:221−242,2007
【非特許文献2】Miossec et al.,New Eng.J.Med.2361:888−898,2009
【非特許文献3】He et al.,Immunity 9:797−806,1998
【非特許文献4】Hirose et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.205:1976−1983,1994
【非特許文献5】Sun et al.,Science 288:2369−2372,2000
【非特許文献6】Eberl et al.,Nat Immunol.5:64−73,2004
【非特許文献7】Ivanov et al.,Cell 126:1121−1133,2006
【非特許文献8】Yang et al.,Immunity 28:29−39,2008
【非特許文献9】Buonocore et al.,Nature 464:1371−1375,2010
【非特許文献10】Hueber et al.,J.Immunol.184:3336−3340,2010
【非特許文献11】Sutton et al.,Nat.Immunol.31:331−341,2009
【非特許文献12】Louten et al.,J.Allergy Clin.Immunol.123:1004−1011,2009
【非特許文献13】Annuziato et al.,Nat.Rev.Rheumatol.5:325−331,2009
【非特許文献14】Ivanov et al.,Cell 126:1121−1133,2006
【非特許文献15】Annunziato et al.,Nat.Rev.Immunol.5:325−331,2009
【非特許文献16】Jia et al.,Clin.Exp.Immunol.162:131−137,2010
【非特許文献17】Figueroa−Vega et al.,J.Clin.Endocrinol.Metab.95:953−62,2010
【非特許文献18】Boaventura et al.,Eur.J.Immunol.40:2830−2836,2010
【非特許文献19】Wang et al.,ACS Chem.Biol.5:1029−1034,2010
【非特許文献20】Wang et al.,J.Biol.Chem.285:5013−5025,2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、免疫障害および炎症性障害のための改善された治療の必要性が存在する。本発明はこの必要性に取り組み、他の関連する利点を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、RORγTと共調節タンパク質との相互作用を変化させ、それによりRORγTを介した転写活性に拮抗する化合物、RORγT媒介性疾患または状態、特に自己免疫疾患および炎症性疾患の治療のためのその使用、ならびにこのような化合物および医薬担体を含有する医薬組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、式I:
【化1】
【0014】
[式中、
aは、結合であるかまたは結合が存在せず;
Xは、CH、C(O)、CRであり;
Yは、CH、N、CRであり;
n=0、1、2、3または4であり;
は、CRまたはNであり;
は、CRまたはNであり;
は、CRまたはNであり;
は、CRまたはNであり;
ただし、A−Aのうち2個以下はNであってもよく;
は(C1−4)アルキルであり;
は(C1−4)アルキルであり;
は、
(i)(C3−12)カルボシクリル;または
(ii)4から12員ヘテロシクリル
であって、(i)および(ii)はどちらも1、2、3、4または5個のRで置換されていてもよく:
は、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル(C1−10)アルキル、(C1−10)アルキルスルホキシアミノカルボニルまたはカルバモイルであり;
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C1−3)アルキルC(O)O−、(C1−4)アルキルまたは(C1−4)アルコキシであり、ここで(C1−4)アルキルおよび(C1−4)アルコキシは1個以上のハロゲンで置換されていてもよく;
−Rは、独立してH、ハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、(C1−3)アルコキシ、(C1−4)アルキル、((C0−10)アルキル)アミノカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニルまたはアミノ(C1−4)アルキルであり、ここで(C1−3)アルコキシ、(C1−4)アルキル、(C0−10)アルキル)アミノカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニルおよびアミノ(C1−4)アルキルは、1個以上のハロゲン、ヒドロキシルもしくは(C1−3)アルコキシで置換されていてもよいか;または式:
【化2】
【0015】
[式中、mは1、2、3もしくは4である]を有する、(C1−10)アルキル、ハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、(C1−3)アルコキシの1つ以上で置換されていてもよい基であり;
は、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、HNC(O)−、(C1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニル、(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−5)ヘテロシクロアルキル、(C1−3)アルコキシアミノカルボニル、4から8員ヘテロシクリルカルボニル、(C3−6)シクロアルキルアミノカルボニル、アミノ(C1−4)アルキルオキシカルボニルまたは(C1−3)アルコキシであり、ここで(C1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニル、(C1−4)アルキル、(C1−3)アルコキシアミノカルボニル、4から8員ヘテロシクリルカルボニル、(C3−6)シクロアルキルアミノカルボニル、アミノ(C1−4)アルキルオキシカルボニルおよび(C1−3)アルコキシは、オキソ、(C1−4)アルキル、ヒドロキシ(C1−3)アルキルまたは1、2もしくは3個のハロゲンで置換されていてもよい]
に従う化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0016】
式Iを有する化合物の1番目の実施形態では、式Ix:
【化3】
【0017】
[式中、
Xは、CH、C(O)、CRであり;
Yは、CH、N、CRであり;
n=0、1、2、3または4であり;
は、CRまたはNであり;
は、CRまたはNであり;
は、CRまたはNであり;
は、CRまたはNであり;
ただし、A−Aのうち2個以下はNであってもよく;
は(C1−4)アルキルであり;
は(C1−4)アルキルであり;
は、
(i)(C3−12)カルボシクリル;または
(ii)4から12員ヘテロシクリル
であって、(i)および(ii)はどちらも1、2、3、4または5個のRで置換されていてもよく:
は、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル(C1−10)アルキル、(C1−10)アルキルスルホキシアミノカルボニルまたはカルバモイルであり;
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C1−3)アルキルC(O)O−、(C1−4)アルキルまたは(C1−4)アルコキシであり、ここで(C1−4)アルキルおよび(C1−4)アルコキシは1個以上のハロゲンで置換されていてもよく;
−Rは、独立してH、ハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、(C1−3)アルコキシ、(C1−4)アルキル、((C0−10)アルキル)アミノカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニルまたはアミノ(C1−4)アルキルであり、ここで(C1−3)アルコキシ、(C1−4)アルキル、(C0−10)アルキル)アミノカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニルおよびアミノ(C1−4)アルキルは、1個以上のハロゲン、ヒドロキシルもしくは(C1−3)アルコキシで置換されていてもよいか;または式:
【化4】
【0018】
[式中、mは1、2、3もしくは4である]を有する、(C1−10)アルキル、ハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、(C1−3)アルコキシの1つ以上で置換されていてもよい基であり;
は、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、HNC(O)−、(C1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニル、(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−5)ヘテロシクロアルキル、(C1−3)アルコキシアミノカルボニル、4から8員ヘテロシクリルカルボニル、(C3−6)シクロアルキルアミノカルボニル、アミノ(C1−4)アルキルオキシカルボニルまたは(C1−3)アルコキシであり、ここで(C1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニル、(C1−4)アルキル、(C1−3)アルコキシアミノカルボニル、4から8員ヘテロシクリルカルボニル、(C3−6)シクロアルキルアミノカルボニル、アミノ(C1−4)アルキルオキシカルボニルおよび(C1−3)アルコキシは、オキソ、(C1−4)アルキル、ヒドロキシ(C1−3)アルキルまたは1、2もしくは3個のハロゲンで置換されていてもよい]
を有する化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0019】
式Iを有する化合物の2番目の実施形態では、式Ia:
【化5】
【0020】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0021】
式Iを有する化合物の3番目の実施形態では、式Ib:
【化6】
【0022】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0023】
3番目の実施形態の1番目のサブセットでは、YがNである化合物である。
【0024】
3番目の実施形態の2番目のサブセットでは、式Ic
【化7】
【0025】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0026】
1番目の実施形態の2番目のサブセットでは、式Id:
【化8】
【0027】
[式中、xは1、2、3、4または5である]
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
式Idを有する化合物のサブセットでは、式Ie:
【化9】
【0028】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0029】
式Ieを有する化合物のサブセットでは、式If:
【化10】
【0030】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0031】
式Ifを有する化合物のサブセットでは、式Ig:
【化11】
【0032】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0033】
1番目の実施形態の3番目のサブセットでは、A、A、A、Aが、(i)CR、CR、CR、CR;(ii)N、CR、CR、CR;(iii)CR、N、CR、CR;(iv)CR、CR、N、CR;(v)CR、CR、CR、N;(vi)N、N、CR,CR;(vii)CR、N、N、CR;(viii)CR、CR、N、N;(ix)N、CR、N、CR;(x)CR、N、CR、N;および(xi)N、CR、CR、Nから成る群より選択される化合物である。
【0034】
1番目の実施形態の4番目のサブセットでは、A、A、A、Aが、(i)CR、CR、CR、CR;または(ii)N、CR、CR、CRであり;およびYがNである化合物である。
【0035】
1番目の実施形態の5番目のサブセットでは、Rが、(i)(C3−7)シクロアルキルまたは(C3−5)ヘテロシクロアルキル[どちらも1個以上のRで置換されていてもよく、ここでRは、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、HNC(O)−、(C1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニル、(C1−4)アルキルもしくは(C1−3)アルコキシから選択され、ここで(C1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニル、(C1−4)アルキルおよび(C1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい];(ii)(C2−9)ヘテロアリール[1個以上のRで置換されていてもよく、ここでRは、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、HNC(O)−、(C1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニル、(C1−4)アルキルもしくは(C1−3)アルコキシから選択され、ここで(C1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニル、(C1−4)アルキルおよび(C1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい];または(iii)(C6−14)アリール[1個以上のRで置換されていてもよく、ここでRは、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、HNC(O)−、(C1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニル、(C1−4)アルキルもしくは(C1−3)アルコキシから選択され、ここで(C1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニル、(C1−4)アルキルもしくは(C1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい]である化合物である。
【0036】
1番目の実施形態の6番目のサブセットでは、Rが、(C2−9)ヘテロアリールまたは(ii)(C6−14)アリール[1、2、3、4もしくは5個のRで置換されていてもよい]である化合物である。さらなるサブセットでは、Rは、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C1−3)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキル、(C1−3)アルコキシから選択され、ここで(C1−3)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルおよび(C1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0037】
1番目の実施形態の7番目のサブセットでは、Rは、1、2、3、4または5個のRで置換されていてもよい、(C6−14)アリールである。さらなるサブセットでは、Rは、ハロゲン、シアノ、(C1−3)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルまたは(C1−3)アルコキシから選択され、ここで(C1−3)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルおよび(C1−3)アルコキシは、1、2または3個のハロゲンで置換されていてもよい。
【0038】
1番目の実施形態の8番目のサブセットでは、Rは、各々が1個以上のRで置換されていてもよい、フェニル、ナフチル、ピリジニル、キノリニル、ベンゾオキサジアゾリル、チオフェニル、イソオキサゾリルまたはベンゾチオフェニルである。さらなるサブセットでは、Rは、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C1−3)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルまたは(C1−3)アルコキシから選択され、ここで(C1−3)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルおよび(C1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0039】
1番目の実施形態の9番目のサブセットでは、Rは、1、2または3個のRで置換されていてもよい、フェニルである。さらなるサブセットでは、Rは、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C1−3)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルまたは(C1−3)アルコキシから選択され、ここで(C1−3)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルおよび(C1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0040】
1番目の実施形態の10番目のサブセットでは、RはC(O)OHである。
【0041】
式I、Ix、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IfまたはIgの化合物のさらなる実施形態は、R、R、RおよびRの1つが水素以外である化合物である。
【0042】
本発明はまた、A、A、A、A、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、Y、m、nおよびxについてのすべての特定の定義ならびに上記で定義された本発明の様々な態様におけるすべての置換基が、式Iの化合物の定義内の任意の組合せで存在する化合物に関する。
【0043】
本発明の化合物の非限定的な例には以下が含まれる:
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(ジメチルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸フルオロ安息香酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−2−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(4−クロロ−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−メチルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−メチルベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(RまたはS)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(SまたはR)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(RまたはS)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(SまたはR)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(RまたはS)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(SまたはR)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(シクロプロピルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(シクロプロピル(メチル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(6−(アゼチジン−1−カルボニル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(ピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((S)−2−メチルピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((R)−2−メチルピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(2−メチルモルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(シクロヘキシル(メチル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(モルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((2R,6S)−2,6−ジメチルモルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((S)−3−メチルモルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(メチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((R)−3−メチルモルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((S)−2−メチルモルホリン−4−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((2−ヒドロキシエチル)(メチル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(イソプロピルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(イソプロピル(メチル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((2−メトキシエチル)(メチル)カルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−フルオロアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(ピペリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(((1−ヒドロキシ−3−(メチルアミノ)プロパン−2−イル)オキシ)カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((S)−3−メトキシピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−((R)−3−メトキシピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−ヒドロキシシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6−ヒドロキシシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−ヒドロキシ−6−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルシクロヘサンカルボン酸;
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸;
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸;
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸;
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸;
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸;
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸;
(RおよびS)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2,2−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(RおよびS)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6,6−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸;
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸;
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−5−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸;ならびに
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸。
【0044】
本明細書で用いられる用語はその通常の意味を有し、このような用語の意味は、その各々の存在時に独立している。それにもかかわらず、別途記載されている場合を除き、以下の定義が本明細書および特許請求の範囲を通じて適用される。化学名、一般名および化学構造は、同じ構造を表すために交換可能に使用され得る。ある化合物が化学構造と化学名の両方を用いて言及され、化学構造と化学名との間に不明確さが存在する場合は、構造が優先する。これらの定義は、特に指示されない限り、用語が単独で使用されるか他の用語と組み合わせて使用されるかに関わらず適用される。したがって、「アルキル」の定義は、「アルキル」ならびに「ヒドロキシアルキル」、「フルオロアルキル」、「アルコキシ」等の「アルキル」部分に適用される。
【0045】
本明細書で使用される場合および本開示全体を通して、以下の用語は、特に指示されない限り、以下の意味を有すると理解される:
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、その水素原子のうちの1個が指定数の炭素原子を有する結合で置き換えられている脂肪族炭化水素基を指す。種々の実施形態において、アルキル基は、例えば1から6個の炭素原子(C−Cアルキル)または1から3個の炭素原子(C−Cアルキル)を含む。アルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルおよびネオヘキシルが含まれる。1つの実施形態では、アルキル基は直鎖状である。別の実施形態では、アルキル基は分枝状である。
【0046】
特に指定されない限り、「アルキル」は、指定数の炭素原子を有する、すべての異性体を含む分枝鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含する;例えば「C1−6アルキル」(または「C−Cアルキル」)は、ヘキシルアルキルおよびペンチルアルキル異性体ならびにn−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル、n−プロピルおよびイソプロピル、エチルおよびメチルのすべてを含む。「アルキレン」は、指定数の炭素を有し、2つの末端鎖結合部を有する、すべての異性体を含む分枝鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を指す;例えば、「A−Cアルキレン−B」という用語は、例えばA−CH−CH−CH−CH−B、A−CH−CH−CH(CH)−CH−B、A−CH−CH(CHCH)−B、A−CH−C(CH)(CH)−B等を表す。「アルコキシ」は、酸素架橋によって連結された指示数の炭素原子の直鎖または分枝アルキル基を表す;例えば「C−Cアルコキシ」には、−OCH、−OCHCH、−OCH(CH、−O(CHCH等が含まれる。
【0047】
特に、「置換されていない」とだけまたは「置換されている」との注記がない限り、アルキル基は、置換されていないかまたは各炭素原子上の1から3個の置換基が、ハロ、C−C20アルキル、CF、NH、N(C−Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C−Cアルキル)、C−C10シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−5)ヘテロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、(C−Cアルキル)S(O)0−2−、(C−Cアルキル)S(O)0−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、HN−C(O)(NH)−、−O(C−Cアルキル)CF、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)−、(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)1−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、−NH(C−Cアルキル)NHC(O)NH(C−Cアルキル)、NHC(O)OC−Cアルキル、−NH(C−Cアルキル)NHSO(C−Cアルキル)、−(C−Cアルキル)NHSO(C−Cアルキル)、アリール、アラルキル、複素環、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ複素環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ複素環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキルで置換されている。
【0048】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合と共に指定数の炭素原子を有する直鎖または分枝炭素鎖を意味する。アルケニルの例には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,4−ヘキサジエニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合と共に指定数の炭素原子を有する直鎖または分枝炭素鎖を意味する。アルキニルの例には、エチニル、プロパルギル、1−プロピニル、2−ブチニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
本明細書で使用される「炭素環」という用語(および「炭素環式」または「カルボシクリル」などのその変化形)は、特に指示されない限り、(i)CからC単環式飽和もしくは不飽和環または(ii)CからC12二環式飽和もしくは不飽和環系を指す。(ii)における各々の環は、他方の環に、結合によって連結されているかまたは縮合して(スピロ縮合を含む)おり、各環は飽和または不飽和である。炭素環は、安定な化合物をもたらす任意の炭素原子で分子の残りの部分に連結されていてもよい。
【0051】
飽和炭素環は、環系全体(単環式または多環式)が飽和である炭素環のサブセットを構成する。飽和単環式炭素環はシクロアルキル環とも称され、例えばシクロプロピル、シクロブチル等と称される。縮合二環式炭素環は、炭素環のさらなるサブセットであり、CからC10二環式環系において各々の環が飽和または不飽和であり、2個の隣接する炭素原子(またはスピロ縮合の場合は1個の炭素原子)が環系内の環の各々によって共有されている。飽和二環式炭素環は、両方の環が飽和であるものである。不飽和二環式炭素環は、一方の環が不飽和であり、他方が不飽和または飽和であるものである。特に注記のない限り、炭素環は、置換されていないかまたはC1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリール、ハロゲン、NHもしくはOHで置換されている。縮合二環式不飽和炭素環の1つのサブセットは、一方の環がベンゼン環であり、他方の環が飽和または不飽和であって、安定な化合物をもたらす任意の炭素原子によって連結されている二環炭素環である。このサブセットの代表的な例には以下が含まれる:
【化12】
【0052】
芳香族炭素環は、炭素環の別のサブセットを構成する。「アリール」という用語は、多環系内の個々の炭素環が縮合しているかまたは単結合によって互いに連結されている、芳香族単環式および多環式炭素環系を指す。適切なアリール基には、フェニル、ナフチルおよびビフェニルが含まれる。
【0053】
「シクロアルキル」という用語は、指定された総数の環炭素原子を有する環状アルカン、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを意味する。
【0054】
「複素環」という用語(および「複素環式」または「ヘテロシクリル」などのその変化形)は、広く、(i)安定な4から8員飽和もしくは不飽和単環式環、または(ii)安定な7から12員二環式環系を指し、ここで(ii)における各々の環は、他方の環に、結合によって連結されているかまたは縮合して(スピロ縮合を含む)おり、各環は飽和または不飽和であり、単環式環または二環式環系は、N、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子(例えば1から6個のヘテロ原子、または1から4個のヘテロ原子)を含み、残りは炭素原子であり(単環式環は、典型的には少なくとも1個の炭素原子を含み、環系は、典型的には少なくとも2個の炭素原子を含む);およびここで、窒素および硫黄ヘテロ原子の任意の1個以上は酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子の任意の1個以上は四級化されていてもよい。特に指定されない限り、複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子で結合されていてよいが、ただし結合によって安定な構造が生成されることを条件とする。特に指定されない限り、複素環式環が置換基を有する場合、置換基は、ヘテロ原子または炭素原子に関わらず、環内の任意の原子に結合していてよいが、ただし安定な化学構造がもたらされることを条件とすることが理解される。
【0055】
飽和複素環は、複素環の1つのサブセットを構成する;すなわち、「飽和複素環」という用語は、一般に、環系全体(単環式または多環式に関わらず)が飽和である上記で定義された複素環を指す。「飽和複素環式環」という用語は、炭素原子とN、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子から成る4から8員飽和単環式環または安定な7から12員二環式環系を指す。代表的な例には、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、1,4−チオキサニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル(またはテトラヒドロフラニル)、テトラヒドロチエニルおよびテトラヒドロチオピラニルが含まれる。
【0056】
ヘテロ芳香族は複素環の別のサブセットを構成する;すなわち「ヘテロ芳香族」(あるいは「ヘテロアリール」)という用語は、一般に、環系全体(単環式または多環式に関わらず)が芳香族環系である上記で定義された複素環を指す。「ヘテロ芳香環」という用語は、炭素原子とN、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子から成る、5もしくは6員単環式芳香環または7から12員二環式芳香環を指す。少なくとも1個の窒素原子を含む置換ヘテロアリール環(例えばピリジン)の場合、このような置換はN−オキシド形成をもたらすものであってよい。単環式ヘテロ芳香環の代表的な例には、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル(またはチオフェニル)、チアゾリル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルが含まれる。二環式ヘテロ芳香環の例には、ベンゾトリアゾリル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、イソインドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、イミダゾ[2,1−b](1,3)チアゾール(すなわち
【化13】
【0057】
)、6−(1−ピロリル)−3−ピリジル、4−(1−ピロリル)フェニル、4−(ピリド−3−イル)フェニル、4−(ピリド−4−イル)フェニルおよびベンゾチオフェニル(すなわち
【化14】
【0058】
)が含まれる。
【0059】
複素環の別のサブセットは、一方または両方の環が不飽和である不飽和複素環(ただし環系全体は芳香族でない)である。不飽和複素環の代表的な例には、ジヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロイミダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロナフチリジニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,4−ベンゾオキサジニル、1,3−ベンゾオキサゾリニル、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(すなわち
【化15】
【0060】
)、およびベンゾ−1,3−ジオキソリル(すなわち
【化16】
【0061】
)が含まれる。本明細書中特定の状況では、
【化17】
【0062】
は、選択的に、2個の隣接する炭素原子に連結されたメチレンジオキシを置換基として有するフェニルと称される。また、クロモンおよびクマリンなどの基も含まれる。
【0063】
特に、「置換されていない」とだけまたは「置換されている」とだけの注記がない限り、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニルを含む)およびヘテロアリール基は、置換されていないかまたは置換されている(「置換されていてもよい」とも称される)。置換基が具体的に示されていない限り、置換されているまたは置換されていてもよいシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール(フェニルを含み、単独の置換基としてまたはアリールオキシおよびアラルキルなどの置換基の一部として)、ヘテロアリール(単独の置換基としてまたはヘテロアリールオキシおよびヘテロアラルキルなどの置換基の一部として)についての置換基は、ハロゲン(またはハロ)、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC−Cアルキル、NH、N(C−Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、1から5個のフッ素で置換されていてもよい−O(C−Cアルキル)、C−C10シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−5)ヘテロシクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、(C−Cアルキル)S(O)0−2−、アリール−S(O)0−2−、(C−Cアルキル)S(O)0−2(C−Cアルキレン)−、(C−Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)−、(C−Cアルキル)O(C−Cアルキレン)−、(C−Cアルキル)C(O)1−2(C−Cアルキレン)−、(C−Cアルキル)NC(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−ヘテロアリール、ハロ−ヘテロアラルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−ヘテロアリールおよびシアノ−ヘテロアラルキルから独立して選択される1から3個の基である。
【0064】
「ハロゲン」(または「ハロ」)という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素(あるいはフルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)およびヨード(I)と称される)を指す。
【0065】
「ハロアルキル」という用語は、指定数の炭素原子を有し、1個から全部の水素原子がハロゲン原子で置き換えられたアルキルを意味する。
【0066】
「アラルキル」および「ヘテロアラルキル」という用語は、CからCアルキレンによって分子の残りの部分に連結されたアリール/ヘテロアリールを指す。
【0067】
「C」という用語は、「C0−6アルキレン」などの表現において用いられる場合は、直接共有結合を意味し;または「C0−6アルキル」などの表現において用いられる場合は、水素を意味する。同様に、基内の特定数の原子の存在を定義する整数がゼロである場合、これは、隣接する原子が結合によって直接連結されていること;例えば構造
【化18】
【0068】
[式中、sはゼロ、1または2に等しい整数である]において、sがゼロである場合、構造が
【化19】
【0069】
であることを意味するか;または指示されている原子が存在しないことを意味し、例えば−S(O)−は−S−を意味する。
【0070】
反対の明示がない限り、「不飽和」環は、部分不飽和環または完全不飽和環である。例えば、「不飽和単環式C炭素環」は、シクロヘキセン、シクロヘキサジエンおよびベンゼンを指す。
【0071】
反対の明示がない限り、本明細書で引用されるすべての範囲は両端を含む。例えば、「1から4個のヘテロ原子」を含むと表される複素環は、複素環が1、2、3または4個のヘテロ原子を含み得ることを意味する。
【0072】
任意の可変部分が本発明の化合物を表示するおよび説明する任意の構成要素中または任意の式中に2回以上存在する場合、各々の存在時のその定義は他のあらゆる存在時のその定義から独立している。また、置換基および/または可変部分の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。反復される語を有する用語を含む可変部分、例えば(CRiRj)の定義に関して、rが整数2であり、Riが定義された可変部分であり、およびRjが定義された可変部分である場合、Riの値は、これが存在する各々の場合に異なっていてもよく、Rjの値は、これが存在する各々の場合に異なっていてもよい。例えば、RiおよびRjが、メチル、エチル、プロピルおよびブチルから成る群より独立して選択される場合、(CRiRj)は、
【化20】
【0073】
であり得る。
【0074】
上記で使用される(C1−6)アルキルという用語は、1から6個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを意味する。(C1−4)アルキルが好ましい。
【0075】
(C1−5)アルキルという用語は、1から5個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルおよびn−ペンチルを意味する。
【0076】
本明細書で使用される(C1−4)アルキルという用語は、1から4個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基を意味し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルである。
【0077】
(C1−3)アルコキシという用語は、1から3個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味し、アルキル部分は分枝または非分枝状である。
【0078】
(C1−3)アルコキシカルボニルという用語は、アルコキシ部分に1から3個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基を意味し、アルコキシ部分は、先に定義されたのと同じ意味を有する。
【0079】
(ジ)(C1−6)アルキルアミノカルボニルという用語は、アミノ基が独立してアルキル基で一置換または二置換されており、アルキル基が、1から6個の炭素原子を含み、先に定義されたのと同じ意味を有する、アルキルアミノカルボニル基を意味する。好ましいアルキル基は(C1−4)アルキルである。
【0080】
(C1−3)アルコキシアミノカルボニルという用語は、アミノ基がアルコキシ基で置換されており、アルコキシ基が、1から3個の炭素原子を含み、先に定義されたのと同じ意味を有する、アルコキシアミノカルボニル基を意味する。
【0081】
アミノ(C1−4)アルコキシカルボニルという用語は、アルキル基が、1から4個の炭素原子を含む、アミノアルコキシカルボニル基を意味する。
【0082】
(C3−7)シクロアルキルという用語は、3から7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを意味する。5から6個の炭素原子が好ましい。
【0083】
(C3−5)ヘテロシクロアルキルという用語は、3から5個の炭素原子を有し、N、Oおよび/またはSから選択される1から3個のヘテロ原子を含む、実現可能な場合は窒素または炭素原子を介して連結されていてもよいヘテロシクロアルキル基を意味する。好ましいヘテロ原子数は1または2個である。最も好ましい数は1個である。好ましいヘテロ原子はNまたはOである。ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニルおよびピロリジニルが最も好ましい。
【0084】

【化21】
【0085】
を有する基は、ヘテロシクロカルボニル基、例えば
【化22】
【0086】
および
【化23】
【0087】
を意味し、各々は1個以上の(C1−10)アルキル、ハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシおよび(C1−3)アルコキシで置換されていてもよい。
【0088】
(C2−9)ヘテロアリールという用語は、イミダゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニルまたはフリル、ピラゾリル、イソオキサゾリルまたはキノリルのような、2から9個の炭素原子とN、OおよびSから選択される1から3個のヘテロ原子を有する芳香族基を意味する。好ましいヘテロ原子数は1または2個である。好ましいヘテロアリール基は、ピラゾリル、チオフェニル、イソオキサゾリル、ピリジルおよびキノリルである。(C2−5)ヘテロアリール基は、実現可能な場合は炭素原子または窒素を介して連結されていてもよい。
【0089】
(C6−14)アリールという用語は、6から14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、アントラシルを意味する。(C6−10)アリール基がより好ましい。最も好ましい芳香族炭化水素基はフェニルである。
【0090】
本明細書で使用される場合、「X−X」という用語は「Xa−b」という用語と同じ意味を有するものとし、ここでXは任意の原子であり、およびaとbは任意の整数である。例えば、「C−C」は「C1−4」と同じ意味を有するものとする。加えて、一般的に官能基に言及する場合、「A」は「AX」と同じ意味を有し、交換可能であるものとし、ここで「A」は任意の原子であり、および「x」または「X」は任意の整数である。例えば、「R」は「R1」と同じ意味を有し、交換可能であるものとする。
【0091】
多価官能基に関する上記の定義において、結合点は最後の基である。例えば、(C1−3)アルコキシカルボニルという用語は、例えば
【化24】
【0092】
を指し、(C1−4)アルキルカルボニルオキシという用語は、例えば
【化25】
【0093】
を指す。
【0094】
「置換されている」という用語は、指定された1個または複数の原子上の1個以上の水素が指示された基から選択されたもので置き換えられていることを意味するが、ただし、存在している状況下での指定原子の通常の原子価を超えないこと、および置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。置換基および/または可変部分の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」は、反応混合物から有用な度合の純度まで単離に耐えることができ、および有効な治療薬に製剤化できるのに充分なほど堅固である化合物または構造と定義される。したがって、置換基および/または可変部分に言及する場合の「1つ以上」という用語は、指定された1個または複数の原子上の1個以上の水素が指示された基から選択されたもので置き換えられていることを意味するが、ただし、存在している状況下での指定原子の通常の原子価を超えないこと、および置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。
【0095】
「置換されていてもよい」という用語は、指定された基、ラジカルまたは部分による置換が指定された基上で行われていてもよくまたは行われていなくてもよいことを意味する。
【0096】
置換基の定義において、前記置換基の「アルキル基の全部」が置換されていてもよいと指示されている場合、これはアルコキシ基のアルキル部分も包含する。
【0097】
「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」等の用語の使用は、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ化合物またはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグにも等しく適用されることが意図されている。
【0098】
本明細書で使用される「有効量」という用語は、RORγT媒介性疾患または障害に罹患している被験体に投与した場合、所望の治療効果、改善効果、阻害効果または予防効果を生じさせるのに有効な式(I)の化合物および/もしくは付加的な治療薬またはその組成物の量を指す。本発明の併用療法では、有効量として個々の各薬剤または全体としての組合せに言及することができ、ここで、投与されるすべての薬剤の量が一緒になって有効であるが、組合せの成分薬剤が個別に有効量で存在しないことがあり得る。
【0099】
「被験体」は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である。1つの実施形態では、被験体はヒトである。別の実施形態では、被験体はチンパンジーである。
【0100】
本明細書における本文、スキーム、実施例および表中の原子価を満たしていない炭素ならびにヘテロ原子は、原子価を満たすのに充分な数の水素原子を有すると仮定されていることに留意すべきである。
【0101】
本発明の化合物は、化合物のプロドラッグ、水和物または溶媒和物を包含する。
【0102】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iの化合物は、不斉中心またはキラル中心を含んでよく、したがって種々の立体異性体として存在し得る。式(I)の化合物のすべての立体異性体ならびにラセミ混合物を含むその混合物は本発明の一部を構成することが意図されている。加えて、本発明はすべての幾何異性体および位置異性体を包含する。例えば、式(I)の化合物が二重結合または縮合環を組み込んでいる場合、シス型とトランス型の両方ならびに混合物が本発明の範囲内に包含される。
【0103】
本明細書で述べる化合物は不斉中心を含んでもよく、したがってエナンチオマーとして存在し得る。本発明による化合物が2つ以上の不斉中心を有する場合、化合物はさらにジアステレオマーとして存在し得る。本発明は、実質的に純粋な分割されたエナンチオマー、そのラセミ混合物ならびにジアステレオマー混合物などのすべての可能な立体異性体を含む。上記式Iは、特定の位置に明確な立体化学を伴わずに示している。本発明は、式Iのすべての立体異性体およびその医薬的に許容される塩を含む。エナンチオマーのジアステレオマー対は、例えば適切な溶媒からの分別結晶によって分離することができ、このようにして得られたエナンチオマーの対は、従来の手段によって、例えば分割剤としての光学活性な酸もしくは塩基の使用によってまたはキラルHPLCカラムで、個々の立体異性体に分離し得る。さらに、一般式Iの化合物の任意のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、公知の立体配置の光学的に純粋な出発物質または試薬を用いた立体特異的合成によって入手し得る。
【0104】
本明細書で述べる化合物がオレフィン二重結合を含む場合、特に指定されない限り、そのような二重結合はE幾何異性体とZ幾何異性体の両方を含むことが意図されている。
【0105】
本明細書で述べる化合物の一部は水素の結合点が異なって存在し得る。そのような化合物は互変異性体と称される。例えば、カルボニル−CHC(O)−基(ケト型)を含む化合物は、互変異性を受けて、ヒドロキシル−CH=C(OH)−基(エノール型)を形成し得る。ケト型とエノール型の両方が、個別にならびにその混合物として本発明の範囲内に含まれる。
【0106】
ジアステレオマー混合物は、それらの物理化学的相違に基づき当業者に周知の方法によって、例えばクロマトグラフィおよび/または分別結晶によって個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、エナンチオマー混合物を適切な光学活性化合物(例えばキラルアルコールまたはモッシャー酸塩化物などのキラル補助剤)との反応によってジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離して、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換(例えば加水分解)することによって分離できる。また、式(I)の化合物の一部はアトロプ異性体(例えば置換ビアリール)であってもよく、本発明の一部とみなされる。エナンチオマーはまた、キラルHPLCカラムの使用によって分離することもできる。
【0107】
式Iの化合物は種々の互変異性体として存在することも可能であり、すべてのそのような形態は本発明の範囲内に包含される。また、例えば、化合物のすべてのケト−エノール型およびイミン−エナミン型が本発明に含まれる。
【0108】
本発明の化合物のすべての立体異性体(例えば幾何異性体、光学異性体等)(化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグならびにプロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルのものを含む)、例えば様々な置換基上の不斉炭素が原因で存在し得るもの、例えばエナンチオマー形態(これは不斉炭素がない場合でも存在し得る)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオマー形態は、位置異性体と同様に、本発明の範囲内で企図される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、実質的に他の異性体を含まなくてもよく、または、例えばラセミ化合物としてまたはすべての他の立体異性体もしくは他の選択された立体異性体と混合されていてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsによって定義されるSまたはR立体配置を有し得る。
【0109】

「医薬的に許容される塩」という用語は、医薬的に許容される非毒性の塩基または酸から調製される塩を指す。本発明の化合物が酸性である場合、その対応する塩は、無機塩基および有機塩基を含む医薬的に許容される非毒性の塩基から好都合に調製することができる。そのような無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第二および第一)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第二および第一)、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が含まれる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩が好ましい。医薬的に許容される非毒性の有機塩基から調製される塩は、天然の供給源と合成供給源の両方から誘導される第一級、第二級および第三級アミンの塩を含む。塩が形成され得る医薬的に許容される非毒性の有機塩基には、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等が含まれる。
【0110】
本発明の化合物が塩基性である場合、その対応する塩は、医薬的に許容される非毒性の無機酸および有機酸から好都合に調製することができる。そのような酸には、例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸が好ましい。
【0111】
式Iの化合物は、同じく本発明の範囲内である塩を形成することができる。本明細書における式Iの化合物への言及は、特に指示されない限り、その塩への言及も含むことが理解される。
【0112】
医薬的に許容される塩という用語は、医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずにヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、妥当な利益/危険度比に相応する塩を表す。医薬的に許容される塩は当分野において周知である。これらは、本発明の化合物の最終的な単離および精製の間に入手し得るか、または遊離塩基の官能基を適切な鉱酸、例えば塩酸、リン酸もしくは硫酸と、または有機酸、例えばアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸、メタンスルホン酸等と別々に反応させることによって別途に入手し得る。酸の官能基を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アンモニウム(例えばジエチルアミン)または水酸化リチウムのような有機または無機塩基と反応させてもよい。
【0113】
溶媒和物
本発明は、式Iの化合物の溶媒和物をその範囲内に含む。本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語は、溶質(すなわち式Iの化合物)またはその医薬的に許容される塩と、溶質の生物学的活性を妨げない溶媒によって形成される可変的な化学量論の複合体を指す。溶媒の例には、水、エタノールおよび酢酸が含まれるが、これらに限定されない。溶媒が水である場合、その溶媒和物は水和物として公知である;水和物には、半水和物、一水和物、セスキ水和物、二水和物および三水和物が含まれるが、これらに限定されない。
【0114】
本発明の化合物は水和物または溶媒和物を形成していてもよい。荷電した化合物は、水を用いて凍結乾燥した場合に水和種を形成するか、または適切な有機溶媒との溶液中で濃縮した場合に溶媒和種を形成することが当業者に公知である。本発明の1つ以上の化合物は、溶媒和されていない形態で存在してもよく、ならびに水、エタノール等のような医薬的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在してもよく、本発明は、溶媒和形態と溶媒和されていない形態の両方を包含することが意図されている。「溶媒和物」はまた、本発明の化合物と1個以上の溶媒分子との物理的会合も意味し得る。この物理的会合は、様々な度合のイオン結合および水素結合を含む共有結合を伴う。特定の場合には、溶媒和物は、例えば1個以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子中に組み込まれている場合、単離が可能である。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例には、エタノラート、メタノラート等が含まれる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0115】
プロドラッグ
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグの使用をその範囲内に含む。一般に、そのようなプロドラッグは、インビボで必要な化合物に容易に変換可能な本発明の化合物の機能性誘導体である。したがって、本発明の治療の方法において、「投与する」という用語は、記述される様々な状態を、式Iの化合物で、または式Iの化合物でなくてもよいが患者への投与後にインビボで式Iの化合物に変換される化合物で治療することを包含する。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための従来の手順は、例えば「Design of Prodrugs」,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
【0116】
「プロドラッグ」という用語は、インビボで変換されて式Iの化合物または式Iの化合物の医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を生じる化合物(例えば薬物前駆体)を意味する。変換は、様々な機構によって(例えば代謝または化学的工程によって)、例えば血液中での加水分解を介して起こり得る。プロドラッグおよびプロドラッグの使用についての考察は、T.Higuchi and W.Stella,「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」,Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series,1987;およびin Bioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987によって提供される。
【0117】
同位体
一般式Iの化合物において、原子はそれらの天然の同位体存在率を示してもよく、または原子の1個以上は、同じ原子番号を有するが、自然界で主として見出される原子質量もしくは質量数とは異なる原子質量もしくは質量数を有する特定の同位体が人工的に富化されていてもよい。本発明は、一般式Iの化合物のすべての適切な同位体変形物を包含することが意図されている。例えば、水素(H)の種々の同位体には、プロチウム(H)およびジュウテリウム(H)が含まれる。プロチウムは自然界で見出される主たる水素同位体である。ジュウテリウムの富化は、特定の治療上の利点、例えばインビボ半減期の延長もしくは投薬必要量の減少をもたらし得るか、または生物学的試料の特性付けのための標準物質として有用な化合物を提供し得る。一般式Iの範囲内の同位体富化化合物は、当業者に周知の従来技術によってまたは適切な同位体富化試薬および/もしくは中間体を使用して本明細書中のスキームおよび実施例で述べる工程と同様の工程によって、過度の実験を伴わずに調製することができる。
【0118】
有用性
本発明の化合物は、レチノイン酸受容体関連オーファン受容体γt(RORγT)と共調節タンパク質との相互作用を変化させ、それによりRORγTを介した転写活性に拮抗し、それ自体、RORγTの阻害が望ましい疾患および状態、例えば自己免疫疾患および障害ならびに炎症性疾患および障害の治療において有用である。
【0119】
したがって、本発明の別の実施形態は、被験体においてRORγTによって媒介される疾患または状態を治療するための方法であって、被験体においてRORγTによって媒介される疾患または状態を治療するのに有効な量の、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IfもしくはIgを有する化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を被験体に投与することを含む方法を提供する。
【0120】
本発明による化合物は治療法において使用することができる。
【0121】
本発明のさらなる態様は、RORγT媒介性疾患またはRORγT媒介性状態の治療のための本発明による化合物またはその医薬的に許容される塩の使用にある。
【0122】
本発明の別の態様は、自己免疫疾患、特にTh17細胞およびTh17の代表的サイトカインを発現する非Th17細胞が著明な役割を果たす疾患の治療のための、一般式Iを有する化合物またはその医薬的に許容される塩の使用にある。これらには、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、クローン病、強直性脊椎炎および多発性硬化症の治療が含まれるが、これらに限定されない。
【0123】
別の態様では、一般式Iを有する化合物またはその医薬的に許容される塩は、Th17細胞および/またはTh17の代表的サイトカインを発現する非Th17細胞が著明な役割を果たす炎症性疾患、例えば、限定されないが、呼吸器系疾患、骨関節炎および喘息の治療のために使用することができる。また、一般式Iを有する化合物またはその医薬的に許容される塩は、Th17細胞および/またはTh17の代表的サイトカインを発現する非Th17細胞が著明な役割を果たす感染症、例えば、限定されないが、粘膜リーシュマニア症の治療のために使用することができる。
【0124】
一般式Iを有する化合物またはその医薬的に許容される塩は、Th17細胞および/またはTh17の代表的サイトカインを発現する非Th17細胞が著明な役割を果たす他の疾患、例えば、限定されないが、川崎病および橋本甲状腺炎の治療のためにも使用することができる。
【0125】
1つの態様では、疾患または状態は自己免疫疾患または炎症性疾患である。疾患または状態には、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、強直性脊椎炎、乾癬、関節リウマチ、喘息、骨関節炎、川崎病、橋本甲状腺炎または粘膜リーシュマニア症が含まれるが、これらに限定されない。
【0126】
別の態様では、本発明による化合物は、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、関節リウマチ、喘息、骨関節炎、川崎病、橋本甲状腺炎および粘膜リーシュマニア症を治療するまたは予防するための療法において使用することができる。
【0127】
別の態様では、本発明による化合物は乾癬を治療するまたは予防するために使用することができる。
【0128】
さらに別の態様では、本発明による化合物は炎症性腸疾患を治療するために使用することができる。
【0129】
本発明のこの態様は、RORγTによって媒介される疾患または状態の治療のための薬剤の製造における式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IfもしくはIgの化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用をさらに含む。
【0130】
投与経路/用量
本発明の化合物は、有効成分化合物と温血動物の体内の作用部位との接触を生じさせる任意の手段によって、本発明による病状、疾患および疾病の治療または予防のために投与することができる。例えば、投与は、経口、経皮を含む局所、経眼、口腔内、鼻内、吸入、膣内、経直腸、槽内および非経口投与であり得る。本明細書で使用される「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内注射または注入、胸骨内および腹腔内を含む投与形式を指す。本開示のために、温血動物は、ホメオスタシス機構を有する動物界の成員であり、哺乳動物および鳥類が含まれる。
【0131】
化合物は、個別の治療薬としてまたは治療薬と組み合わせて、医薬品と共に使用するために利用可能な任意の従来の手段によって投与することができる。これらは単独で投与することができるが、一般に、選ばれた投与経路および標準的な医薬慣例に基づいて選択される医薬担体と共に投与される。
【0132】
投与される用量は、受容者の年齢、健康状態および体重、疾患の程度、もしあれば併用治療の種類、治療の頻度ならびに所望される効果の性質に依存する。通常、有効成分化合物の1日用量は約1.0から2000ミリグラム/日である。通常、1回以上の適用で10から500ミリグラム/日が所望の結果を得るために有効である。これらの用量は、上述した病状、疾患および疾病、例えば自己免疫疾患および障害ならびに炎症性疾患および障害の治療および予防のための有効量である。
【0133】
組成物は、例えば、すべて投与のための単位剤形で、経口、舌下、皮下、静脈内、筋肉内、経鼻、局所または経直腸投与等に適するものを含む。
【0134】
経口投与に関しては、有効成分は個別単位、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤等として提供され得る。非経口投与については、本発明の医薬組成物は、単位用量容器または反復用量容器中で、例えば所定量の注射用液剤が、例えば密封バイアルおよびアンプル中で提供されてもよく、また使用前に滅菌液体担体、例えば水を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保存されてもよい。
【0135】
このような医薬的に許容される補助剤と混合して、例えば標準的な参考文献、Gennaro,A.R.et al.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20th Edition.,Lippincott Williams & Wilkins,2000、特にPart 5:Pharmaceutical Manufacturing参照)に記載されているように、活性薬剤を丸剤、錠剤などの固体剤形に圧縮してもよく、またはカプセル剤もしくは坐剤に加工してもよい。医薬的に許容される液体により、活性薬剤を液剤、懸濁剤、乳剤の形態でまたはスプレー、例えば鼻スプレーとして、流体組成物、例えば注射用調製物として適用することができる。
【0136】
固体剤形を作製するために、従来の添加剤、例えば充填剤、着色剤、高分子結合剤等の使用が企図される。一般に、活性化合物の機能を妨げない任意の医薬的に許容される添加剤が使用できる。本発明の活性薬剤と共に固体組成物として投与することができる適切な担体には、適切な量で使用される、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体等またはそれらの混合物が含まれる。非経口投与については、医薬的に許容される分散剤および/または湿潤剤、例えばプロピレングリコールまたはブチレングリコールを含有する、水性懸濁液、等張生理食塩水および滅菌注射用溶液を使用し得る。
【0137】
医薬組成物
本発明の別の態様は、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物を提供する。「賦形剤」および「担体」という用語は交換可能に使用され得る。医薬組成物におけるような、「組成物」という用語は、有効成分(1つまたは複数)および担体を形成する不活性成分(1つまたは複数)(医薬的に許容される賦形剤)を含有する生成物、ならびに成分の任意の2つ以上の組合せ、錯化もしくは凝集から、または成分の1つ以上の解離から、または成分の1つ以上の他の種類の反応もしくは相互作用から、直接または間接的に生じる任意の生成物を包含することが意図されている。したがって、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物、付加的な有効成分(1つまたは複数)および医薬的に許容される賦形剤を混合することによって作製される任意の組成物を包含する。
【0138】
本発明の医薬組成物は、有効成分として式Iによって表される化合物(またはその薬学的に許容される塩)、医薬的に許容される担体を含有し、他の治療用成分または佐剤を含んでいてもよい。組成物には、経口、経直腸、局所ならびに非経口(例えば皮下、筋肉内および静脈内)投与に適する組成物が含まれるが、所与の症例における最も適切な経路は、特定の宿主ならびに有効成分が投与される対象状態の性質および重症度に依存する。医薬組成物は、単位剤形で好都合に提供され得、製薬技術分野で周知の方法のいずれかによって調製され得る。
【0139】
有効成分は、固体剤形、例えばカプセル剤、錠剤、トローチ剤、糖衣錠、顆粒剤および散剤として、または液体剤形、例えばエリキシル剤、シロップ剤、乳剤、分散剤および懸濁剤として経口投与することができる。有効成分はまた、滅菌液体剤形、例えば分散剤、懸濁剤または液剤として非経口投与することもできる。他の剤形も、局所投与には軟膏、クリーム、液滴剤、経皮パッチもしくは粉末として、眼投与には眼科用溶液もしくは懸濁液形成、すなわち点眼薬として、吸入もしくは鼻内投与にはエアロゾルスプレーもしくは粉末組成物として、または経直腸もしくは経膣投与にはクリーム、軟膏、スプレーもしくは坐剤として、有効成分を投与するために使用することができる。
【0140】
ゼラチンカプセルは、有効成分および粉末担体、例えば、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等を含有する。同様の希釈剤を、圧縮錠剤を作製するために使用できる。錠剤およびカプセルはどちらも、数時間にわたって薬剤の持続的な放出を提供する持続放出製品として製造することができる。圧縮錠剤は、不快な味を隠し、錠剤を大気から保護するために糖被覆もしくはフィルム被覆することができ、または胃腸管内での選択的崩壊のために腸溶被覆することができる。
【0141】
経口投与用の液体剤形は、患者の受容性を高めるための着色剤および着香剤を含有し得る。
【0142】
一般に、水、適切な油、生理食塩水、水性デキストロース(グルコース)および関連糖溶液ならびにグリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールは、非経口液剤のための適切な担体である。非経口投与用の液剤は、好ましくは有効成分の水溶性の塩、適切な安定剤、および必要な場合は緩衝物質を含有する。抗酸化剤、例えば重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸は、単独でまたは組み合わせて、適切な安定剤である。また、クエン酸およびその塩ならびにEDTAナトリウムも使用される。加えて、非経口液剤は、防腐剤、例えば塩化ベンザルコニウム、メチルパラベンまたはプロピルパラベンおよびクロロブタノールを含有し得る。
【0143】
適切な医薬担体は、この分野における標準的な参照テキストである、Remington’s Pharmaceutical Sciences,A.Osolに記載されている。
【0144】
吸入による投与のために、本発明の化合物は、加圧パックまたはネブライザからのエアロゾルスプレーの形態で好都合に送達され得る。化合物はまた、製剤化され得る粉末として送達されてもよく、粉末組成物は吹送粉末吸入装置を用いて吸入され得る。吸入のための好ましい送達システムは定量吸入(MDI)エアロゾルであり、これは、フルオロカーボンまたは炭化水素などの適切な噴射剤中の式Iの化合物の懸濁剤または液剤として製剤化され得る。
【0145】
眼投与に関しては、眼科用調製物は、適切な眼科用ビヒクル中の式Iの化合物の適切な重量パーセントの溶液または懸濁液を用いて、化合物が角膜および眼の内部領域に浸透することを可能にするのに充分な時間、化合物が眼表面と接触して維持されるように製剤化され得る。
【0146】
本発明の化合物の投与のための有用な医薬剤形には、硬および軟ゼラチンカプセル剤、錠剤、非経口注射剤ならびに経口懸濁剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0147】
多数の単位カプセル剤は、標準的なツーピース硬ゼラチンカプセルに、各々粉末有効成分100ミリグラム、ラクトース150ミリグラム、セルロース50ミリグラムおよびステアリン酸マグネシウム6ミリグラムを充填することによって調製される。
【0148】
ダイズ油、綿実油またはオリーブ油などの可消化油中の有効成分の混合物を調製し、容積移送式真空ポンプによってゼラチンに注入して、有効成分100ミリグラムを含有する軟ゼラチンカプセル剤を形成する。このカプセル剤を洗浄し、乾燥する。
【0149】
多数の錠剤は、投薬単位が有効成分100ミリグラム、コロイド状二酸化ケイ素0.2ミリグラム、ステアリン酸マグネシウム5ミリグラム、微結晶セルロース275ミリグラム、デンプン11ミリグラムおよびラクトース98.8ミリグラムとなるように、従来の手順によって調製される。口当たりのよさを高めるまたは吸収を遅延させるために適切な被覆を施してもよい。
【0150】
注射による投与に適する非経口組成物は、10容量%のプロピレングリコール中で1.5重量%の有効成分を撹拌することによって調製される。液剤は、注射用蒸留水で定量にし、滅菌する。
【0151】
水性懸濁剤は、各々5ミリリットルが微粉化有効成分100ミリグラム、カルボキシメチルセルロースナトリウム100ミリグラム、安息香酸ナトリウム5ミリグラム、ソルビトール溶液U.S.P.、1.0グラムおよびバニリン0.025ミリリットルを含有するように、経口投与用に調製される。
【0152】
本発明の化合物を段階的にまたは別の治療薬と併用して投与する場合、一般に同じ剤形を使用することができる。薬物を物理的に組み合わせて投与する場合、剤形および投与経路は、組み合わせる薬物の適合性に応じて選択すべきである。したがって、同時投与という用語は、2つの薬剤の同時または連続的な投与、あるいは2つの活性成分の固定用量の組合せとしての投与を包含すると理解される。
【0153】
本発明はまた、一般式Iを有する化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される補助剤と混合して含有し、他の治療薬を含んでもよい医薬組成物に関する。補助剤は、組成物のその他の成分と適合性であり、その受容者に対して有害でないという意味で「許容され」なければならない。
【0154】
本発明は、前述したような医薬組成物に適する包装材料と組み合わせた医薬組成物をさらに含み、前記包装材料は、上述した使用のための組成物の使用に関する指示書を含む。
【0155】
有効成分またはその医薬組成物の正確な用量および投与レジメンは、特定の化合物、投与経路ならびに薬剤を投与される個々の被験体の年齢および状態によって異なり得る。
【0156】
一般に、非経口投与は、より吸収に依存する他の投与方法よりも低い用量しか必要としない。しかしながら、ヒトについての用量は、好ましくは0.0001から100mg/kg体重を含む。所望用量は、1回用量としてまたは1日を通して適切な間隔で投与される多回分割用量として提供され得る。用量ならびに投与レジメンは、雌性受容者と雄性受容者の間で異なり得る。
【0157】
併用療法
本発明の化合物ならびにその塩および溶媒和物、ならびにその生理学的に機能性の誘導体は、不適切なIL−17経路の活性に関連する疾患および状態の治療のために、単独でまたは他の治療薬と組み合わせて使用し得る。本発明による併用療法は、したがって、少なくとも1つの式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはその生理学的に機能性の誘導体の投与、および少なくとも1つの他の医薬活性薬剤の使用を含む。式(I)の化合物(1つまたは複数)およびその他の医薬活性薬剤(1つまたは複数)は、一緒にまたは別々に投与してよく、別々に投与する場合、これは同時にまたは任意の順序で連続的に行い得る。式(I)の化合物(1つまたは複数)および他の医薬活性薬剤(1つまたは複数)の量ならびに相対的な投与のタイミングは、所望の併用治療効果が達成されるように選択される。炎症性疾患および自己免疫疾患、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、SLE、ブドウ膜炎、アトピー性皮膚炎、COPD、喘息およびアレルギー性鼻炎の治療のために、式(I)の化合物を1つ以上の他の活性薬剤、例えば:(1)TNF−α阻害薬;(2)非選択的COX−I/COX−2阻害薬;(3)COX−2阻害薬;(4)炎症性疾患および自己免疫疾患の治療のための他の薬剤、例えばグルココルチコイド、メトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジン、アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムス、ペニシラミン、ブシラミン、アクタリット、ミゾリビン、ロベンザリット、シクレソニド、ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、アウロチオマレート、オーラノフィンまたは非経口もしくは経口金剤、シクロホスファミド、リンホスタット−B、BAFF/APRIL阻害薬およびCTLA−4−Igまたはそのミメティック;(5)ロイコトリエン生合成阻害薬、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害薬または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)拮抗薬;(6)LTD4受容体拮抗薬;(7)PDE4阻害薬;(8)抗ヒスタミンHI受容体拮抗薬;(9)α1−およびα2−アドレナリン受容体作動薬;(10)抗コリン作動薬;(11)β−アドレナリン受容体作動薬;(12)インスリン様増殖因子I型(IGF−1)ミメティック;(13)糖質コルチコステロイド;(14)キナーゼ阻害薬、例えばヤヌスキナーゼ阻害薬(JAK1および/またはJAK2および/またはJAK3および/またはTYK2)、p38 MAPKおよびIKK2;(15)B細胞標的化生物学的製剤、例えばリツキシマブ;(16)選択的共刺激調節剤、例えばアバタセプト;(17)インターロイキン阻害薬、例えばIL−1阻害薬アナキンラ、IL−6阻害薬トシリズマブ、およびIL12/IL−23阻害薬ウステキヌマブと併用してもよい。また、炎症性疾患および自己免疫疾患の治療のために抗IL17抗体と併用して、相加的/相乗的応答を得ることもできる。
【0158】
適切な場合は、他の治療成分(1つまたは複数)を、治療成分の活性および/または安定性および/または物理的特性、例えば溶解度を最適化するために塩の形態で、例えばアルカリ金属もしくはアミン塩として、または酸付加塩もしくはプロドラッグとして、またはエステル、例えば低級アルキルエステルとして、または溶媒和物、例えば水和物として使用してもよいことは当業者に明白である。また、適切な場合は、治療成分を光学的に純粋な形態で使用してもよいことも明らかである。
【0159】
上記で言及された組合せは、医薬組成物の形態での使用のために好都合に提供され得、したがって、上記で定義された組合せを医薬的に許容される希釈剤または担体と一緒に含む医薬組成物は、本発明のさらなる態様である。これらの組合せは、呼吸器系疾患において特に興味深く、吸入送達または鼻内送達用に好都合に適合される。
【0160】
このような組合せの個々の化合物は、別々の医薬組成物または複合医薬組成物中で連続的にまたは同時に投与され得る。好ましくは、個々の化合物は複合医薬組成物中で同時に投与される。公知の治療薬の適切な用量は当業者に容易に認識される。
【0161】
したがって、本発明の医薬組成物は、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IfもしくはIgの化合物に加えて少なくとも1つの付加的な治療活性薬剤も含有するものを包含する。
【0162】
本発明は、1つ以上の他の薬物と組み合わせた式Iの化合物をさらに含む。
【0163】
合成の方法
本発明の化合物を調製するための方法を以下のスキームおよび実施例において例示する。他の合成プロトコルは、本開示を考慮して当業者には容易に明らかである。実施例は式Iの化合物の調製を例示するものであり、それ自体、本明細書に添付される特許請求の範囲に明記される本発明を限定するとみなされるべきではない。特に指示されない限り、すべての可変部分は先に定義されたとおりである。
【0164】
式Iのすべての最終生成物をNMRおよび/またはLCMSによって分析した。中間体は、NMRおよび/またはTLCおよび/またはLCMSによって分析した。大部分の化合物は、逆相HPLC、シリカゲルでのMPLC、再結晶化および/またはスイッシュ(溶媒中に懸濁し、次いで固体をろ過する)によって精製した。反応の経過を薄層クロマトグラフィ(TLC)および/またはLCMSおよび/またはNMRによって追跡し、反応時間は例示のためにのみ示している。
【0165】
本明細書で用いる略語は以下のとおりである:EtOAc:酢酸エチル;PE:石油エーテル;EA:酢酸エチル;DCM:ジクロロメタン;Dppf:1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;AcOH:酢酸;DMAC:N,N−ジメチルアセトアミド;Pd(PPh:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0);Pd(dppf)Cl:[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II);AcO:無水酢酸;LiHMDS:リチウムビス(トリメチルシリル)アミド;PhNTf:N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド); S−Phos:2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル;X−Phos:2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル;CPME:シクロペンチルメチルエーテル;DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;TEA:トリエチルアミン;THF:テトラヒドロフラン;PYAOP:(7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート。
【0166】
スキーム1は、式Iの化合物の調製のための一般的方法を例示する。ハロゲン化物Aから出発し、塩基の存在下にカルボン酸または酸塩化物でN−アシル化して、化合物Bを形成した。その後鈴木カップリング、次いでエステル加水分解によって最終化合物を得た。一部の場合は、鈴木カップリング条件下でエステル加水分解が起こり、ワンポットで最終生成物の形成に至った。
【化26】
【0167】
スキーム2は、A位置にアミド部分を含む式Iの化合物の調製のための一般的方法を例示する。ハロゲン化物Aから出発し、アシル化、次いでエステル加水分解により、中間体Bを得た。標準的なアミドカップリングによって中間体Cを得た。その後鈴木カップリング、次いでエステル加水分解により、最終生成物Iの形成に至った。
【化27】
【0168】
スキーム3は、A位置にアミド部分を含む式Iの化合物の調製のための選択的な方法を例示する。ハロゲン化物Aから出発し、N−アシル化、次いで鈴木カップリングにより、中間体Cを得た。選択的なエステル加水分解およびその後のアミドカップリングによって化合物Dを形成した。最後にt−Buを酸性条件下で除去し、所望生成物Iを得た。
【化28】
【0169】
スキーム4は、シクロヘキセニルモチーフの代わりにシクロヘキシルを含む式Iの化合物の調製のための一般的方法を例示する。先に述べた方法に従って得ることができる、ハロゲン化物Aから出発し、水素化によって飽和シクロヘキシル中間体Bを形成した。エステル加水分解により所望生成物Iを得た。
【化29】
【0170】
スキーム5は、先に述べた一般的方法からのものに比べてしばしば到達することがより難しい式Iの化合物の調製のための一般的方法を例示する。N−アシル化、次いでカルボニル化により、中間体Cを得た。エステル加水分解、次いでワインレブアミドの形成およびビニルグリニャール試薬の添加によって鍵となる中間Eを形成した。β−ケトンエステルと縮合して、2つの領域異性体FおよびGを得た。最後にエステル加水分解によって最終生成物Iを得た。対応する飽和シクロヘキシル類似体も、水素化およびエステル加水分解によって中間体FまたはGのいずれかから得ることができた。
【化30】
【0171】
市販されている/以前に記述されている材料
以下の表は、本発明の中間体の合成において用いられる化学材料および本発明の実施例の合成において使用できる化学材料についての商業的供給源および以前に開示された合成経路を列挙する。このリストは、いかなる意味でも網羅的、排他的または限定的であることを意図されない。
【表1】
【0172】
中間体
[実施例i−1]
エチル1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(i−1)の調製
【化31】
【0173】
段階1.1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸エチルエステル(i−1b)の調製
トルエン(50mL)中のエチル4−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(i−1a)(5.0g、29.41mmol)、エタン−1,2−ジオール(7.30g、117.65mmol)および4−メチルベンゼンスルホン酸(0.51g、2.94mmol)の混合物を100℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をHO(50mL)で希釈した。水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO溶液(50mL)、次にブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、濃縮し、所望生成物を淡黄色の油として得た。LCMS(ESI)C1118[M+H]の計算値:215、実測値:215。
【0174】
段階2.エチル8−メチル−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボキシレート(i−1c)の調製
無水THF(40mL)中の1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸エチルエステル(i−1b)(4.0g、18.69mmol)の混合物をドライアイス−アセトン浴中で−78℃に冷却し、LiHMDS(28mL、28.0mmol)を滴下した。混合物を−78℃で1時間撹拌した。次にCHI(5.3g、37.38mmol)を滴下した。生じた溶液を室温に温め、一晩撹拌を続けた。飽和NHCl溶液(50mL)を添加して反応をクエンチングし、水層をEA(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、濃縮し、所望生成物を淡黄色の油として得た。LCMS(ESI)C1220[M+H]の計算値:229、実測値:229。
【0175】
段階3.エチル1−メチル−4−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(i−1d)の調製
アセトン(20mL)および1N HSO(20mL)中のエチル8−メチル−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボキシレート(i−1c)(2.0g、8.77mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をHO(50mL)で希釈した。水層をDCM(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、濃縮し、所望生成物を淡黄色の油として得た。LCMS(ESI)C1016[M+H]の計算値:185、実測値:185。
【0176】
段階4.エチル1−メチル−4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(i−1e)の調製
無水THF(20mL)中のエチル1−メチル−4−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(i−1d)(3.0g、16.3mmol)の混合物をドライアイス−アセトン浴中で−78℃に冷却し、LiHMDS(18mL、17.9mmol)を滴下した。混合物を−78℃で30分間撹拌した。次に無水THF(20mL)中のトリフルオロ−N−フェニル−N−(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド5(5.37g、14.7mmol)の溶液を滴下した。生じた溶液を室温に温め、3時間撹拌を続けた。飽和NHCl溶液(50mL)を添加して反応をクエンチングし、水層をEA(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、濃縮した。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EA 100:1)にかけ、所望生成物を無色の油として得た。LCMS(ESI)C1115S[M+H]の計算値:317、実測値:317。
【0177】
段階5.エチル1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(i−1)の調製
1,4−ジオキサン(50mL)中のエチル1−メチル−4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(i−1e)(2.7g、8.54mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(2.39g、9.40mmol)、KOAc(2.51g、25.62mmol)、dppf(0.31g、0.56mmol)およびPd(dppf)Cl(0.31g、0.43mmol)の混合物を80℃に加熱し、この温度で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水100mLで希釈した。水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(PE:EA 100:1)によって精製し、所望生成物を無色の油として得た。LCMS(ESI)C1627BO[M+H]の計算値:295、実測値:295。
【0178】
[実施例i−2]
3−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジンの調製
【化32】
【0179】
段階1.(3−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(i−2)の調製
フラスコに3−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン(i−2a)(3.2g、16.2mmol)、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド2(3.9g、16.2mmol)、DMAP(1.97g、16.2mmol)およびDCM(60mL)を添加し、次いでTEA(3.26g、32.4mmol)を緩やかに添加した。反応混合物を40℃で3時間撹拌した。混合物をHOで希釈し、有機層を分離した。水層をCHClで抽出した。合わせた有機物をHO、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥して、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(石油/EtOAc、5/1)によって精製し、表題化合物3.0g(46%)を得た。LCMS(ESI)C14BrClFO[M+H]の計算値:406、実測値:406。
【0180】
[実施例i−3]
(3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノンの調製
【化33】
【0181】
段階1.3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾール(i−3b)の調製。室温の2M水酸化ナトリウム溶液(100ml)中の4−フルオロ−1H−インダゾール(i−3a)(5g、36.8mmol)の懸濁液に2M水酸化ナトリウム溶液(60ml)中の臭素(5.8g、36.8mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に重亜硫酸ナトリウム水溶液(10%、100mL)を添加した。溶液を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層をHO(3×100mL)およびブライン(2×150mL)で洗浄した。溶液を無水NaSOで乾燥し、蒸発させた。生成物5.47gを得た。収率69%。LCMS(ESI)CBrFN[M+H]の計算値:215、実測値:215。
【0182】
段階2.(3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(i−3)の調製。フラスコに3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾール(i−3b)(3.2g、14.9mmol)、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(5.43g、22.35mmol)、DMAP(1.82g、14.9mmol)およびTEA(3.02g、29.8mmol)を添加した。混合物を40℃で3時間撹拌した。混合物をHOで希釈し、有機層を分離した。水層をCHClで抽出した。合わせた有機物をHO、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥して、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(石油/EtOAc、5/1)によって精製し、表題化合物2.8g(45%)を得た。LCMS(ESI)C15BrClFO[M+H]の計算値:421、実測値:421。
【0183】
[実施例i−4]
(4−クロロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン
【化34】
【0184】
フラスコに4−クロロ−3−ヨード−1H−インダゾール(i−4a)(1g、3.59mmol)、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(1.05g、4.31mmol)、DMAP(0.44g、3.6mmol)、DCM(7.2ml)およびEtN(0.75ml、5.4mmol)を緩やかに添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン0−50%)によって精製し、所望生成物を無色の固体(1.5g、86%)として得た。LCMS(ESI)C15ClINO[M+H]の計算値:484.8、実測値:484.8。
【0185】
[実施例i−5]
2−クロロ−6−シクロプロピル安息香酸の調製
【化35】
【0186】
段階1.メチル2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾエート(i−5b)の調製
メチル2−ブロモ−6−クロロベンゾエート(i−5a)(1.0g、4.0mmol)、シクロプロピルボロン酸(516mg、6.0mmol)、Pd(OAc)(90mg、0.4mmol)、CyP(224mg、0.8mmol)およびKPO(2.5g、12.0mmol)をN(g)雰囲気下にトルエン(20ml)およびHO(2.5ml)中で混合した。混合物をN雰囲気下に100℃で一晩撹拌した。混合物を冷却し、水(50ml)に注ぎ入れた。混合物はEA(50ml)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(石油/EtOAc 15/1)によって精製し、表題化合物0.6g(71%)を得た。LCMS(ESI)C1111ClO[M+H]の計算値:211、実測値:211。
【0187】
段階2.2−クロロ−6−シクロプロピル安息香酸(i−5c)の調製
NaOH(380mg、9.5mmol)をEtOH(15ml)およびHO(6ml)中のメチル2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾエート(i−5b)(200mg、0.95mmol)の溶液に添加した。生じた溶液を80℃で一晩撹拌した。混合物を冷却し、希釈HClでpH=2−3に酸性化した。混合物はEA(50ml)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、表題化合物160mg(86%)を得た。LCMS(ESI)C10ClO[M+H]の計算値:197、実測値:197。
【0188】
段階3.2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイルクロリド(i−5)の調製
DCM 50mL中の2−クロロ−6−シクロプロピル安息香酸(i−5c)(1g、7.19mmol)の溶液に二塩化オキサリル(13mL)を0℃で滴下し、混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させた。残留物を減圧下で蒸留し、表題化合物12g(86%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI)C10ClO[M+H]の計算値:215、実測値:215。
【0189】
[実施例i−6]
(2−クロロ−6−シクロプロピルフェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノンの調製
【化36】
【0190】
THF 20mL中の4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール(1.14g、4.65mmol)の懸濁液にNaH(279mg、6.9mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した。無水THF(20mL)中の2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイルクロリド(i−6a)(1g、4.65mmol)の溶液を混合物に滴下した。混合物を25℃でさらに30分間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl溶液でクエンチングし、水(100mL)で希釈して、EtOAc(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥して、蒸発乾固させた。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=5:1)によって精製し、表題化合物1.7g(86.3%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)C1711ClFINO[M+H]の計算値:441、実測値:441。
【0191】
[実施例i−7]
1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボン酸の調製
【化37】
【0192】
段階1:1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−7b)の調製
フラスコにメチル3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−7a)(1.5g、4.97mmol)、TEA(1.730mL、12.41mmol)、DMAP(0.061g、0.497mmol)およびDCM(9.93ml)を添加した。この溶液にDCM(9.93ml)中の2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイルクロリド(1.282g、5.96mmol)の溶液を添加した。生じた溶液を室温で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、ろ過して、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−75%)によって精製し、表題生成物を無色の固体((2.06g、87%)として得た。LCMS(ESI)C1914ClIN[M+H]の計算値:480.9、実測値:480.9。
【0193】
段階2:1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボン酸(i−7)の調製
バイアルにメチル1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−7b)(1.1g、2.288mmol)、水酸化リチウム(1.096g、45.8mmol)、THF(3.81ml)および水(3.81ml)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。反応物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン0−100%)によって精製して、所望生成物を無色の固体(889mg、83%)として得た。LCMS(ESI)C1812ClIN[M+H]の計算値:466.9、実測値:466.9。
【0194】
[実施例i−8]
3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)シクロヘキス−1−エン−1−イル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸の調製
【化38】
【0195】
段階1:メチル3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)シクロヘキス−1−エン−1−イル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−8b)
マイクロ波反応バイアルにメチル1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(1g、1.97mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(0.91g、2.95mmol)、THF(9.8ml)および2M NaCO(2.95ml、5.90mmol)を添加した。混合物を、Nを5分間通気することによって脱気した。1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(0.16g、0.20mmol)を添加し、混合物を50℃で2時間加熱した。混合物を冷却し、HOで希釈して、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥して、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(0−50%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、表題化合物(0.8g、72%)を得た。LCMS(ESI):C28H27ClF3N2O5[M+H]の計算値:563、実測値:563。
【0196】
段階2:3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)シクロヘキス−1−エン−1−イル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(i−8)の調製
THF(10.66ml)/MeOH(3.55ml)中のメチル3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)シクロヘキス−1−エン−1−イル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−8b)(0.8g、1.421mmol)の溶液にLiOHの溶液(1M、2.8ml)を添加した。混合物を室温で14時間撹拌した。混合物を2N HClでpH3−4に酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥して、濃縮した。残留物を精製することなく使用した。LCMS(ESI):C2725ClF[M+H]の計算値:549、実測値:549。
【0197】
[実施例i−9]
1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−N−メトキシ−N−メチル−1H−インダゾール−3−カルボキサミドの調製
【化39】
【0198】
段階1.エチル1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−カルボキシレート(i−9b)の調製
EtOH(80mL)中の(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(i−9a)(2.2g、4.72mmol)、EtN(1.43g、14.2mmol)およびPd(dppf)Cl(200mg)の混合物を50PsiのCOで脱気し、80℃で20時間撹拌した。次に混合物をろ過し、濃縮した。残留物をEAで抽出し、NaSOで乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1)によって精製し、表題化合物を白色固体(1.3g、収率:66%)として得た。LCMS(ESI)C1811ClF[M+H]の計算値:415、実測値:415。
【0199】
段階2.1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−カルボン酸(i−9c)の調製
THF/HO(5mL/1mL)中のエチル1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−カルボキシレート(i−9b)(500mg、1.21mmol)およびLiOHO(152mg、3.62mmol)の溶液を25℃で10時間撹拌した。混合物をHCl(水溶液)でpH=1に酸性化し、次にEtOAc(100mL×5)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。表題化合物(420mg、収率:90%)をさらに精製することなく次の段階で使用した。LCMS(ESI)C16ClF[M+H]の計算値:387、実測値:387。
【0200】
段階3.1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−N−メトキシ−N−メチル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド(i−9)の調製
THF(90mL)中の1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−カルボン酸(i−9c)(5g、12.95mmol)、HATU(7.38g、19.43mmol)およびN,O−ジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド(1.89g、19.43mmol)の溶液にN下でEtN(2.62g、25.9mmol)を添加した。混合物を25℃で10時間撹拌した。混合物をHOでクエンチングし、EtOAc(500mL×5)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。生成物をカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1)によって精製し、表題化合物を白色固体(5g、収率:95%)として得た。LCMS(ESI)C1812ClF[M+H]の計算値:430、実測値:430。
【0201】
[実施例i−10]
(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(3−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−1−イル)メタノン
【化40】
【0202】
無水THF 10mL中のNaH(16mg、3.8mmol、鉱油中60%)の懸濁液に3−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン(i−10a)(400mg、1.6mmol)を0℃で少しずつ添加した。30分間撹拌した後、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(480mg、1.9mmol)を滴下し、混合物を15℃で1時間撹拌した。生じた混合物を水(10mL)でクエンチングし、水層をDCM(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮し、表題化合物(600mg、85%)を得た。LCMS(ESI)C14ClFINO[M+H]の計算値:452、実測値:452。
【0203】
[実施例i−11]
エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレートの調製
【化41】
【0204】
段階1.エチル4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(i−11b)
ピリジン(5.2mL、6.5mmol)/トルエン(150mL)の溶液にトリフルオロメタンスルホン酸無水物(11mL、6.5mmol)を窒素下に15℃で30分間かけて添加した。トルエン(5mL)中のエチル4−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(i−11a)(10g、5.88mmol)の溶液を添加し、混合物を40℃に加熱した。さらなるバッチのトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.05mmol)を10時間後および12時間後にそれぞれ添加し、反応を完了させた。生じた混合物を氷水(200mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=30:1)によって精製し、表題化合物(8g、47%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI)C1013S[M+H]の計算値:303、実測値:303。
【0205】
段階2.エチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(i−11c)の調製
1,4−ジオキサン(500mL)中のエチル4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(i−11b)(20g、66.2mmol)の溶液にビス(ピナコラート)ジボロン(34g、132.4mmol)および酢酸カリウム(19g、198mmol)を添加した。混合物を窒素で20分間パージし、Pd(dppf)Cl(4.9g、6.6mmol)を添加して、反応物を100℃で2時間撹拌した。生じた混合物をセライトでろ過し、ろ液を水(500mL)で希釈して、酢酸エチル(500mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=20:1)によって精製し、表題化合物(12g、67%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI)C1525BO[M+H]の計算値:281、実測値:281。
【0206】
段階3.エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(i−11)の調製
THF/HO(40mL/10mL)中の(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(i−9a)(1g、2.1mol)の混合物にエチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(i−11c)(897mg、3.2mmol)およびNaCO(667mg、6.3mmol)を添加した。混合物を窒素で20分間パージし、次にPd(dppf)Cl(726mg、0.63mmol)を添加した。反応物を80℃で10時間撹拌した。生じた混合物をセライトでろ過し、ろ液を水(50mL)で希釈して、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=10:1)によって精製し、表題化合物(300mg、29%)を褐色の油として得た。LCMS(ESI)C2419ClF[M+H]の計算値:495、実測値:495。
【0207】
[実施例i−12]
3−(4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1−メチルシクロヘキシル)−4−フルオロ−1H−インダゾールの調製
【化42】
【0208】
段階1.4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(i−12b)の調製
80%メタノール水溶液(150mL)中のジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(i−12a)(8g、40mmol)および水酸化バリウム(6.3g、20mmol)の混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物を水(200mL)で希釈し、ヘキサン(100mL×2)で洗浄して、残存する出発物質を除去した。次に水層を2M HClでpH=3に酸性化し、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機層を水(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、ろ過し、減圧下で濃縮した。混合物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=50:1から3:1)によって精製し、表題化合物(3.2g、43%)を白色固体として得た。LCMS(ESI):C14[M+H]の計算値:187、実測値:187。
【0209】
段階2.メチル4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート(i−12c)の調製
THF 15mL中の4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(i−12b)(1.5g、8.1mmol)の溶液に、氷浴中で15℃に冷却しながらジメチルスルファン中のボラン(10M、1.6mL、16.0mmol)を滴下した、反応物を15℃で3時間撹拌した。反応混合物をメタノール(500mL)(氷浴中で冷却した)に緩やかに注ぎ入れ、15℃で30分間撹拌して、減圧下で濃縮した。残留物を水(300mL)とEtOAc(300mL)で分配した。水層をEtOAc(300mL×2)で抽出し、合わせた有機層をブライン(100mL×2)で洗浄して、無水NaSOで乾燥し、ろ過して、減圧下で濃縮し、表題化合物(1.3g、90%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI):C16[M+H]の計算値:173、実測値:173。
【0210】
段階3.メチル4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)シクロヘキサンカルボキシレート(i−12d)の調製
DCM 30mL中のメチル4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート(i−12c)(1.3g、7.5mmol)の溶液にトリエチルアミン(2.3g、22.6mmol)およびDMAP(46mg、0.37mmol)を添加した。反応物を15℃で30分間撹拌した。tert−ブチルクロロジメチルシラン(1.4g、9.1mmol)を、氷浴中で冷却しながら滴下した。混合物を15℃で12時間撹拌し、次にDCM(100mL)で希釈して、水(100mL×2)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥し、ろ過して、減圧下で濃縮した。混合物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=50:1)によって精製し、表題化合物(2g、92%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI):C1530Si[M+H]の計算値:287、実測値:287。
【0211】
段階4.メチル4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート(i−12e)の調製
0℃の無水THF 200mL中の1,2−ジイソプロピルヒドラジン(14.1g、140mmol)の溶液にn−BuLi(47.5mL、118mmol)を滴下した。混合物を0℃で20分間撹拌した。THF 100mL中のメチル4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)シクロヘキサンカルボキシレート(i−12d)(20g、70mmol)の溶液を滴下した。次に混合物を0℃で1時間撹拌した。その後これを−78℃に冷却し、ヨードメタン(19.8g、140mmol)を滴下した。添加が完了した後、混合物を−78℃でさらに1時間撹拌し、次に15℃で12時間撹拌した。生じた混合物を飽和NHCl水溶液(200mL)に注ぎ入れ、EtOAc(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(20g、95%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI):C1632Si[M+H]の計算値:301、実測値:301。
【0212】
段階5.(4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1−メチルシクロヘキシル)(2,6−ジフルオロフェニル)メタノン(i−12f)の調製
THF 50mL中の1,3−ジフルオロベンゼン(4.6g、40mmol)およびTMEDA(3.8g、33.3mmol)の溶液にs−BuLi(28.1mL、36.6mmol)を−78℃で添加した。混合物を−78℃で2時間撹拌した。THF 50mL中のメチル4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート(i−12e)(10g、33.3mmol)の溶液を添加した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、その後12時間撹拌しながら15℃に温めた。生じた混合物を飽和NHCl水溶液(200mL)でクエンチングし、EtOAc(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(11g、86%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI):C2132Si[M+H]の計算値:383、実測値:383。
【0213】
段階6.3−(4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1−メチルシクロヘキシル)−4−フルオロ−1H−インダゾール(i−12)の調製
N−NH.HO(85%)15mL中の(4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1−メチルシクロヘキシル)(2,6−ジフルオロフェニル)メタノン(i−12f)(1g、2.6mmol)の混合物を110℃で30時間撹拌した。生じた混合物を水100mLに注ぎ入れ、EtOAc(300mL×3)で抽出した。有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、ろ過し、減圧下で濃縮した。混合物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PEからPE:EtOAc=20:1)によって精製し、表題化合物(300mg、31%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI):C2133FNOSi[M+H]の計算値:377、実測値:377。
【0214】
化合物の調製のための方法
[実施例1A]
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(ジメチルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(1A)の調製
【化43】
【0215】
段階1: メチル1H−インダゾール−6−カルボキシレート(A−2)の調製。
【0216】
メチル3−アミノ−4−メチルベンゾエート(A−1)(5.0g、30.2mmol)をAcOH(140mL)に溶解した。この溶液に水(3.5mL)中の亜硝酸ナトリウム(2.1g、30.2mmol)を0℃で撹拌しながら滴下した。氷浴を取り除き、混合物を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、混合物を水(80mL)で希釈して、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機物を水とブライン(2×200mL)で洗浄し、乾燥して、蒸発させ、2(4.4g)を収率83%で得た。LCMS(ESI):C[M+H]の計算値:177、実測値:177。
【0217】
段階2:メチル3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(A−3)の調製
メチル1H−インダゾール−6−カルボキシレート(A−2)(5.0g、28.3mmol)を無水DMAC(50mL)に溶解した。ヨウ素(14.4g、56.7mmol)および水酸化カリウム(6.3g、113.5mmol)を0℃で撹拌しながら少しずつ添加した。氷浴を取り除き、混合物を室温で1時間撹拌した。反応をTLC(クロロホルム中25%MeOH)によって観測し、次にNa(飽和水溶液、100mL)で緩やかにクエンチングして、水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機相を蒸発させ、n−ヘキサンで粉砕した。沈殿した物質をろ過し、乾燥して、褐色固体3(5.3g)を収率62%で得た。LCMS(ESI):CIN[M+H]の計算値:303、実測値:303。
【0218】
段階3:メチル1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(A−4)の調製
250mLの丸底フラスコにメチル3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート3(11.7g、38.7mmol)、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(A−3)(9.1g、38.7mmol)、DMAP(4.72g、38.7mmol)およびCHCl(30mL)を添加した。室温で3分間撹拌した後、TEA(11.2mL、77mmol)を緩やかに添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。LCMSは出発物質が消費されたことを示した。混合物を水30mLに注ぎ入れた。水層をCHCl 20mLで2回抽出した。合わせた有機層を水20mL×2、次いでブライン10mLで洗浄した。生じた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して、減圧下で濃縮し、黄色固体を得た。残留物を、50/1から10/1の石油エーテル/EtOAcで溶出するシリカゲル60gでのカラムクロマトグラフィによって精製し、淡黄褐色固体(16.5g)を収率84%で得た。LCMS(ESI):C17ClFIN[M+H]の計算値:509、実測値:509。
【0219】
段階4:1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボン酸(A−5)の調製
THF 10ml/HO 50ml中のメチル1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(A−4)(16.5g、32.48mmol)およびLiOH(3.40g、162.40mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を水に溶解した。HCl(5%水溶液)を添加してpH=4−5にした。沈殿した固体をろ過し、水とn−ヘキサンで洗浄して、乾燥し、オフホワイト色固体6(16.0g)を収率83%で得た。LCMS(ESI):C16ClFIN、[M+H]の計算値:495、実測値:495。
【0220】
段階5:1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−3−ヨード−N,N−ジメチル−1H−インダゾール−6−カルボキサミド(A−6)の調製
1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボン酸(A−5)(178mg、0.36mmol)をCHCl(15mL)に溶解した。ジメチルアミン(19mg、0.42mmol)およびPYAOP(374mg、0.72mmol)を添加し、混合物を室温で2分間撹拌した。TEA(0.16mL、1.08mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(20ml)で希釈し、ブライン(2×20ml)で洗浄して、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、白色固体7(191mg)を収率97%で得た。LCMS(ESI):C1812ClFIN[M+H]の計算値:522、実測値:522。
【0221】
段階6:メチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(ジメチルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(A−7)の調製
ジオキサン10ml/HO 2ml中の1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−3−ヨード−N,N−ジメチル−1H−インダゾール−6−カルボキサミド(A−6)(318mg、0.61mmol)、4−(メトキシカルボニル)シクロヘキス−1−エニルボロン酸(169mg、0.92mmol)、Pd(dppf)Cl(50mg、0.061mmol)およびKOAc(181mg、1.83mmol)の混合物をマイクロ波照射下で95℃に2時間加熱した。粗生成物をEtOAc(50ml)で希釈し、ブライン(2×50ml)で洗浄して、無水NaSOで乾燥し、濃縮した。混合物をシリカゲルカラム(石油エーテル/EtOAc=20/1)によって精製し、白色固体8、192mg(59%)を得た。LCMS(ESI):C2623ClF[M+H]の計算値:534、実測値:534。
【0222】
段階7:4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(ジメチルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(1A)の調製
THF 10ml/HO 10ml中のメチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(ジメチルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(A−7)(37mg、0.07mmol)およびLiOHO(16mg、0.37mmmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を水に溶解した。HCl(5%水溶液)を、pH=4−5になるまで添加した。沈殿した固体をろ過し、水(10mL)、n−ヘキサン(10mL)で洗浄して、乾燥し、オフホワイト色固体1Aを得た。LCMS(ESI):C2521ClF[M+H]の計算値:520、実測値:520;HNMR(400MHz,MEOD)δ 8.60(1H,s),8.19−8.21(1H,d,J=8.4Hz),7.83−7.87(2H,m),7.73−7.77(1H,m),7.57−7.59(1H,m),6.85(1H,s),3.21(3H,s),3.09(3H,s),2.48−2.67(4H,m),2.35−2.38(1H,m),2.09−2.12(1H,m),1.77−1.80(1H,m)。
【0223】
[実施例1B]
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(1B)の調製
【化44】
【0224】
段階1:4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール(B−2)の調製。DMF(80mL)中の4−フルオロインダゾール(B−1)(5.00g、36.73mmol)の溶液にI(18.64g、73.46mmol)およびKOH(7.73g、137.7mmol)を撹拌しながら室温で添加した。2時間後、TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をNaHSO水溶液(10%、200mL)に注ぎ入れ、EA(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をHO(100mL)およびブライン(2×200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、ろ過し、濃縮した。粗生成物(固体)をPEで洗浄し、黄色固体B−2(8.33g)を収率86.5%で得た。B−2に関する物理的特徴づけデータは以下のとおりであった:LCMS(ESI):CFINの計算値:261.9;実測値:M+H=262.9。
【0225】
段階2:(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(B−3)の調製。250mLの丸底フラスコに化合物B−2(5.24g、20mmol)、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(4.86g、20mmol)、DMAP(2.44g、20mmol)およびDCM(30mL)を添加した。反応物を室温で3分間撹拌した。次にTEA(5.8mL、40mmol)を緩やかに添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。LCMSは、出発物質がほとんど残っていないことを示した。混合物を水(30mL)に注ぎ入れた。水相をDCM(20mL)で2回抽出した。合わせた有機相を水(2×20mL)、次いでブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して、減圧下で濃縮し、黄色固体を得た。残留物を50/1から10/1のPE/EAで溶出するシリカゲル30gでのカラムクロマトグラフィによって精製し、淡黄褐色固体B−3(7.8g)を収率83%で得た。LCMS(ESI):C15ClFINO[M+H]の計算値:469、実測値:469。
【0226】
段階3:メチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(B−4)の調製。ジオキサン(10ml)/HO(2mL)中のB−3(300mg、0.64mmol)、4−(エトキシカルボニル)−4−メチルシクロヘキス−1−エニルボロン酸(203mg、0.96mmol)、Pd(dppf)Cl(52.2mg、0.064mmol)およびKOAc(190mg、1.92mmol)の混合物をマイクロ波照射下で90℃に2時間加熱した。混合物をCHCl(50ml)で希釈し、ブライン(2×50mL)で洗浄して、無水NaSOで乾燥し、濃縮した。混合物をシリカゲルカラム(PE/EA=20/1)によって精製し、黄色固体B−4、172mgを得た。LCMS(ESI):C2521ClF[M+H]の計算値:509、実測値:509。
【0227】
段階4:4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フ
ルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(B−5)
の調製。THF 5ml/HO 5ml中のB−4(182mg、0.36mmol)
およびLiOH(350mg、1.44mmol)の混合物を室温で1週間撹拌した。H
Cl(2mol/L)を緩やかに添加してpH<7を維持した。混合物を減圧下で濃縮し
、ろ過して、白色固体を得た。この白色固体をHOで洗浄し、乾燥して、白色固体1B
、100mgを得た。LCMS(ESI):C2317ClF[M+H]
の計算値:481、実測値:481。HNMR(400MHz,MeOD)δ 8.3
9(1H,d,J=8.0Hz),7.86−7.83(2H,m),7.77−7.7
0(2H,m),7.27−7.22(1H,m),6.66(1H,s),2.84−
2.78(1H,m),2.39−2.38(2H,m),2.20−2.14(1H,
m),2.07−1.95(1H,m),1.71−1.64(1H,m),1.27(
3H,d,J=0.8Hz)
表1に示す以下の実施例は、スキームA中の実施例1AおよびスキームB中の実施例1
Bについて記載したのと同様の手順に従って調製し、前記手順は本開示を考慮して有機合
成の当業者によって達成され得る。
【表2】
【0228】
[実施例2Aおよび2B]
(RまたはS)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(2A)および(SまたはR)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(2B)の調製
【化45】
【0229】
段階1:(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−イル)(3−メトキシアゼチジン−1−イル)メタノン(C−1)の調製
バイアルに1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボン酸(889mg、1.905mmol)、3−メトキシアゼチジンヒドロクロリド(330mg、2.67mmol)、HATU(1449mg、3.81mmol)、DIPEA(1331μl、7.62mmol)およびDMF(3810μl)を添加した。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−95%)によって精製し、所望生成物を黄色固体(1.02g、100%)として得た。LCMS(ESI)C2219ClIN[M+H]の計算値:536、実測値:536。
【0230】
段階2:tert−ブチル4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(C−2)の調製
バイアルに(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−イル)(3−メトキシアゼチジン−1−イル)メタノン(C−1)(300mg、0.560mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(259mg、0.840mmol)、(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(ii)クロリド(83mg、0.112mmol)およびTHF(2800μl)を添加した。反応物をアルゴンで5分間脱気した。この溶液に三塩基性リン酸カリウム(700μl、1.400mmol)を添加し、生じた溶液を80℃に一晩加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈して、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を分取HPLC(アセトニトリル/水+0.10%TFA 50−100%)によって精製し、所望生成物を無色の固体として得た。キラル分離によって2つの別々のエナンチオマーを得た:(ピーク1−C−2a、126.9mg、38%)(ピーク2−C−2b、136mg、41%)。LCMS(ESI)C3336ClN[M+H]の計算値:590、実測値:590。
【0231】
段階3:(RまたはS)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(2A)の調製
バイアルにtert−ブチル4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(ピーク1、C−2a、126mg、0.214mmol)、DCM(1601μl)、TFA(534μl)を添加し、この溶液を2時間撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を分取HPLC(アセトニトリル/水+0.10%TFA 35−100%)によって精製して、表題化合物を無色の固体(48mg、42%)として得た。LCMS(ESI)C2928ClN[M+H]の計算値:534、実測値:534。H NMR(600MHz,DMSO)δ 8.71(s,1H),8.16(d,J=8.3Hz,1H),7.71(d,J=8.3Hz,1H),7.41(t,J=7.8Hz,1H),7.37(d,J=7.9Hz,1H),7.05(d,J=7.7Hz,1H),6.78(s,1H),4.46(s,1H),4.32−4.20(m,2H),4.13(d,J=7.9Hz,1H),3.88(d,J=8.4Hz,1H),3.2(s,3H),2.59−2.48(m,2H),2.41−2.18(m,3H),1.96(d,J=12.1Hz,1H),1.72−1.51(m,2H),0.86−0.48(m,4H)。
【0232】
段階4:(SまたはR)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(2B)の調製。調製は他方のエナンチオマーエステル(ピーク2、C−2b)に関するものと同様であり、これは本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【0233】
表2に示す以下の実施例は、実施例2Aおよび2Bについて記載したのと同じ手順を用いて作製し、前記手順は本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【表3】
【0234】
[実施例3Aおよび3B]
(RまたはS)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(3A)および(SまたはR)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(3B)の調製
【化46】
【0235】
段階1:tert−ブチル4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(D−1)の調製
バイアルに(2−クロロ−6−シクロプロピルフェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(220mg、0.499mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(231mg、0.749mmol)、PdCl(dppf)−CHCl付加物(82mg、0.100mmol)、炭酸ナトリウム(159mg、1.498mmol)およびTHF(2496μl)を添加した。反応物をアルゴンで5分間脱気した。次に反応物を80℃に一晩加熱した。翌朝、混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈して、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機物をNaSOで乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を分取HPLC(アセトニトリル/水+0.10%TFA 65−100%)によって精製し、所望生成物を褐色固体として得た。キラル分離によって2つの別々のエナンチオマーを得た。(ピーク1−D−1a、26mg、10%)(ピーク2−D−1b、25mg、10%)LCMS(ESI)C2828ClFN[M+H]の計算値:495、実測値:495。
【0236】
段階2:(RまたはS)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(3A)の調製。バイアルにtert−ブチル4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(ピーク1、D−1a、26mg、0.053mmol)、DCM(2mL)およびTFA(0.202mL、2.63mmol)を添加した。この溶液を2日間撹拌した。反応物を濃縮し、残留物をメタノール中に取って、分取HPLC精製(アセトニトリル/水+0.10%TFA)に供し、生成物を無色の固体(7.6mg、33%)として得た。LCMS(ESI)C2420ClFN[M+H]の計算値:439、実測値:439。H NMR(600MHz,DMSO)δ 12.21(s,1H),8.35(s,1H),7.73(s,1H),7.47−7.25(m,3H),7.04(s,1H),6.51(s,1H),2.42−2.19(m,5H),1.94(s,1H),1.62(s,2H),0.83−0.48(m,4H).
段階4:(SまたはR)−4−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(3B)の調製。調製は他方のエナンチオマーエステル(ピーク2、D−1b)に関するものと同様であり、これは本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【0237】
[実施例4A]
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸の調製
【化47】
【0238】
段階1:tert−ブチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(E−1)の調製
DMA(1.0mL)に溶解した3,3−ジフルオロアゼチジン塩化水素塩(11.5mg、0.089mmol)を含むバイアルに、3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)シクロヘキス−1−エン−1−イル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(30mg、0.055mmol)、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.050ml、0.055mmol)およびHATU(25mg、0.066mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。翌朝、溶媒を減圧下で蒸発させ、この物質を精製することなく段階2に進めた。LCMS(ESI)C3028ClF[M+H]+の計算値:624、実測値:624。
【0239】
段階2:4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(4A)の調製
Tert−ブチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(E−1)をDCM:TFAの1:1溶液(0.5mL)に溶解し、室温で1時間半撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。DMSO(1.2mL)を添加して粗試料を溶解し、この物質をマストリガー分取HPLC(CHCN/HO)によって精製して、表題化合物17.9mg(57%)を得た。LCMS(ESI)C2620ClF[M+H]の計算値:568、実測値:568。
【0240】
表3に示す以下の実施例は、スキームE中の実施例4Aについて記載したのと同様の手順に従って調製し、前記手順は本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【表4】
【0241】
[実施例5A]
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸
【化48】
【0242】
段階1:4−フルオロ−1−トシル−1H−インドール(F−1)の調製
フラスコに4−フルオロ−1H−インドール(1000mg、7.40mmol)、水素化ナトリウム(326mg、8.14mmol)およびDMF(14.8mL)を添加した。この溶液を室温で30分間撹拌した。次に4−メチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(2116mg、11.10mmol)をフラスコに添加し、生じた溶液を3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン0−75%)によって精製し、所望生成物を無色の固体(1.76g、82%)として得た。LCMS(ESI)C1512FNOS[M+H]の計算値:290、実測値:290。
【0243】
段階2:3−ブロモ−4−フルオロ−1−トシル−1H−インドール(F−2)の調製
フラスコに4−フルオロ−1−トシル−1H−インドール(F−1)(784mg、2.71mmol)およびDCM(8mL)を添加し、反応物を0℃に冷却した。DCM(8mL)中の臭素(0.154mL、2.98mmol)の溶液を滴下し、生じた溶液を1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機物をNaSOで乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン0−75%)によって精製し、所望生成物を無色の固体(358mg、35%)として得た。LCMS(ESI)C1511BrFNOS[M+H]の計算値:367.9、実測値:367.9。
【0244】
段階3:tert−ブチル4−(4−フルオロ−1−トシル−1H−インドール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(F−3)の調製
フラスコに3−ブロモ−4−フルオロ−1−トシル−1H−インドール(F−2)(471mg、1.279mmol)、(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)クロリド(94mg、0.128mmol)、THF(6396μl)を添加し、バイアルをアルゴンで十分に脱気した。三塩基性リン酸カリウム(2558μl、2.56mmol)を添加し、反応物を80℃に加熱して、一晩撹拌した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈して、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機物をNaSOで乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−75%)によって精製し、所望生成物を無色の固体として得た。LCMS(ESI)C2628FNOS[M−tBu]の計算値:414、実測値:414。
【0245】
段階4:tert−ブチル4−(4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(F−4)の調製
フラスコにtert−ブチル4−(4−フルオロ−1−トシル−1H−インドール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(F−3)(550mg、1.171mmol)、THF(3904μl)、エタノール(7809μl)およびKOH(657mg、11.71mmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をメタノールで希釈し、ろ過した。生じた溶液を濃縮し、残留物を酢酸エチルで希釈して、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機物をNaSOで乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−75%)によって精製し、所望生成物を無色の固体(217mg、2段階で53%)として得た。LCMS(ESI)C1922FNO[M−tBu]の計算値:260、実測値:260。
【0246】
段階5:tert−ブチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(F−5)の調製
バイアルにtert−ブチル4−(4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(F−4)(58mg、0.184mmol)およびDMF(1839μl)、次いで水素化ナトリウム(8.83mg、0.221mmol)を少しずつ添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(53.6mg、0.221mmol)を溶液に滴下し、生じた混合物をさらに1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機物をNaSOで乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−75%)によって精製し、所望生成物(93mg、98%)を得た。LCMS(ESI)C2724ClFNO[M−tBu]の計算値:466、実測値:466。
【0247】
段階6:4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボン酸(5A)の調製
バイアルにtert−ブチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(F−5)(90mg、0.172mmol)、DCM(1724μl)およびTFA(332μl、4.31mmol)を添加した;この溶液を室温で2時間撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を分取HPLC(アセトニトリル/水+0.10%TFA 60−95%)によって精製して、所望生成物を無色の固体(41mg、51%)として得た。LCMS(ESI)C2316ClFNO[M+H]の計算値:466、実測値:466。H NMR(600MHz,DMSO)δ 8.31(d,J=8.2,1H),8.00(d,J=8.2,1H),7.96(d,J=8.1,1H),7.84(t,J=8.1,1H),7.49−7.41(m,1H),7.23−7.16(m,1H),7.04(d,J=3.6,1H),5.90(s,1H),2.36−2.13(m,5H),2.00−1.91(m,1H),1.65−1.52(m,1H)。
【0248】
[実施例6Aおよび6B]
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−ヒドロキシシクロヘキス−3−エンカルボン酸(6A)および4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6−ヒドロキシシクロヘキス−3−エンカルボン酸(6B)の調製
【化49】
【0249】
段階1.1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)プロプ−2−エン−1−オン(G−1)の調製
THF(32mL)中の1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−N−メトキシ−N−メチル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド(3.2g、7.44mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(26mL、26mmol)をN下に10−20℃で添加した。15−20分後、混合物を氷とHCl水溶液の混合物に注ぎ入れた。DCM(500mL×5)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄して、NaSOで乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(PE:DCM=3:1)によって精製し、表題化合物(2.5g、収率:74%)を白色固体として得た。LCMS(ESI):C18ClF[M+H]の計算値:397、実測値:397。
【0250】
段階2.エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−オキソシクロヘキス−3−エンカルボキシレート(G−2a)およびエチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6−オキソシクロヘキス−3−エンカルボキシレート(G−2b)の調製
EtOH(306mL)中の1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)プロプ−2−エン−1−オン(G−1)(2.35g、6.43mmol)の溶液に、エチル3−オキソブタノエート(837mg、6.43mmol)およびEtONa(437mg、6.43mmol)をN下で撹拌しながら添加した。反応物を80℃に10時間加熱し、次に濃縮してEtOHを除去した。残留物をHOで希釈し、EtOAc(500mL×5)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(PE:EA=50:1、30:1から10:1)によって精製し、表題化合物(G−2a)(600mg、収率:18%)を無色の油として、および(G−2b)(300mg、収率:9%)を白色固体として得た。LCMS(ESI):C2417ClF[M+H]の計算値:509、実測値:509。
【0251】
段階3.エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−ヒドロキシシクロヘキス−3−エンカルボキシレート(G−3)の調製
MeOH(5mL)中のエチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−オキソシクロヘキス−3−エンカルボキシレート(G−2)(285mg、0.56mmol)の溶液に、CeCl.7HO(1.0g、2.80mmol)およびNaBH(66mg、1.75mmol)をN下に0℃で添加した。混合物を30分間撹拌し、次にHOでクエンチングして、EtOAc(50mL×5)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。粗生成物を分取TLC(PE:EA=3:1)によって精製し、表題化合物(260mg、収率:90%)を無色の油として得た。LCMS(ESI):C2419ClF[M+H]の計算値:511、実測値:493。
【0252】
段階4.4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−ヒドロキシシクロヘキス−3−エンカルボン酸(6A)の調製
THF/HO(3mL/1mL)中のエチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−ヒドロキシシクロヘキス−3−エンカルボキシレート(G−3)(60mg、0.12mmol)の溶液にN下でLiOHO(25mg、0.59mmol)を添加した。反応物を20℃で10時間撹拌し、次にHOでクエンチングして、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。生成物を分取TLC(PE:EA=1:1)で精製し、表題化合物を白色固体(40mg、収率:71%)として得た。LCMS(ESI):C2215ClF[M+H]の計算値:483、実測値:465;H−NMR(400MHz,メタノール−d)δ 8.38(1H,d,J=8.0Hz),7.72〜7.85(4H,m),7.23〜7.28(1H,m),6.70(0.6H,s),6.60(0.4H,s),4.59〜4.62(1H,m),1.81〜2.66(5H,m)。
【0253】
段階5.4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6−ヒドロキシシクロヘキス−3−エンカルボン酸(6B)の調製。他方の位置異性体G−2bからの調製は6Aの調製と同様であり、これは本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【0254】
表4に示す以下の実施例は、スキームG中の実施例6Aおよび6Bについて記載したのと同様の手順に従って調製し、前記手順は本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【表5】
【0255】
[実施例7A、7Bおよび7C]
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸(7A)の調製
【化50】
【0256】
段階1.(3−(4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1−メチルシクロヘキシル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(H−1)の調製
THF 10mL中の化合物3−(4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1−メチルシクロヘキシル)−4−フルオロ−1H−インダゾール(300mg、0.8mmol)の溶液にNaH(39mg、1.0mmol、鉱油中60%)を0℃で添加した。混合物を15℃で30分間撹拌した。THF 5mL中の2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(212mg、0.9mmol)を0℃で滴下した。混合物を15℃で2時間撹拌し、水(150mL)に注ぎ入れて、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=100:1からPE:EtOAc=20:1)によって精製し、表題化合物(400mg、86.4%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI):C29H35ClF4N2O2Si[M+H]の計算値:583、実測値:583。
【0257】
段階2.(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−(4−(ヒドロキシルメチル)−1−メチルシクロヘキシル)−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(H−2)の調製
THF 10mL中の化合物(3−(4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1−メチルシクロヘキシル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(H−1)(360mg、0.6mmol)の溶液にTBAF(323mg、1.2mmol)を、反応物を0℃に冷却しながら滴下した。混合物を15℃で24時間撹拌した。生じた混合物を水100mLに注ぎ入れ、EtOAc(200mL×3)で抽出した。合わせた有機物をブライン(100mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=100:1からPE:EtOAc=1:1)によって精製し、表題化合物(250mg、86%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI):C2321ClF[M+H]の計算値:469、実測値:469。
【0258】
段階3.4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸(7A)の調製
アセトン(10mL)中の(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−(4−(ヒドロキシメチル)−1−メチルシクロヘキシル)−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(H−2)(100mg、0.2mmol)の溶液に、0℃に冷却しながらジョーンズ試薬0.2mLを滴下した。混合物を15℃で20分間撹拌した。生じた混合物をプロパン−2−オール10mLでクエンチングし、水100mLで希釈して、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=100:1からPE:EtOAc=5:1)によって精製し、表題化合物(76mg、75%)を白色固体として得た。LCMS(ESI):C2319ClF[M+H]の計算値:483、実測値:483;H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.27−1.47(7H,d),1.65(2H,dd,J=19.32,15.31Hz),2.21−2.37(2H,m),2.42(1H,d,J=13.56Hz),7.11(1H,dd,J=10.80,8.28Hz),7.51−7.68(4H,m),8.42(1H,d,J=8.04Hz)。
【0259】
SFCによってさらに分離して2つの異性体を得た:
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸 (7B)および(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸(7C)。
【0260】
[実施例8Aおよび8B]
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(8A)および(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(8B)の調製
【化51】
【0261】
段階1.(ラセミ体の)エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボキシレート(I−1)の調製
酢酸エチル(20mL)中の(ラセミ体の)エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(100mg、0.2mmol)の溶液に、窒素下で撹拌しながら10%Pd/C(20mg)を添加した。懸濁液を脱気し、Hで数回パージして、次にH(バルーン)下に40℃で4時間撹拌した。生じた混合物をセライトでろ過し、酢酸エチル(50mL)で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮乾固し、粗生成物を得て、これをシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=10:1)によってさらに精製し、表題化合物(60mg、60%)を無色の油として得た。LCMS(ESI)C2421ClF[M+H]の計算値:497、実測値:497。
【0262】
段階2.(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(8A)および(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(8B)の調製
EtOH(5mL)中の(ラセミ体の)エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボキシレート(I−1)(150mg、0.30mmol)の混合物にLiOH(22mg、0.91mmol)を添加した。反応物を20℃で4時間撹拌した。生じた混合物を減圧下で濃縮し、水(15mL)を添加した。水溶液を酢酸エチル(15mL)で洗浄し、2M HClでpH=2に酸性化した。沈殿物をろ過によって収集し、粗生成物(70mg、シス:トランス=3:1)を白色固体として得て、これを分取HPLC(水中アセトニトリル+0.75%トリフルオロ酢酸)によってさらに分離し、2つの異性体を得た:
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(8A)(2mg)。LCMS(ESI)C2217ClF[M+H]の計算値:469、実測値:469。H NMR(400MHzCDCl)δ 8.35(1H,d,J=8.53Hz),7.67−7.70(2H,m),7.55−7.60(2H,m),7.06−7.11(1H,m),3.04−3.09(1H,m),2.35−2.40(1H,t,J=11.2Hz),2.10(4H,br s.),1.51−1.64(4H,m)。
【0263】
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(8B)(6mg)。LCMS(ESI)C2217ClF[M+H]の計算値:469、実測値:469。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.35(1H,d,J=8.28Hz),7.37−7.74(4H,m),6.92−7.13(1H,m),3.37(1H,br.s.),2.52(1H,br.s.),1.76−2.00(6H,m),1.66(2H,d,J=4.52Hz)。
【0264】
[実施例9Aおよび9B]
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸(9A)および(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸(9B)の調製
【化52】
【0265】
段階1:エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート(J−1)の調製
EtOAc(30mL)中のエチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキス−3−エンカルボキシレート(300mg、0.606mmol)のシス/トランス混合物に、窒素下で撹拌しながらPd/C(6.5mg、0.061mmol)を添加した。懸濁液を減圧下で脱気し、Hで数回パージして、次にH(バルーン)下に40℃で4時間撹拌した。生じた混合物をセライトパッドでろ過し、酢酸エチル(50mL)で洗浄した。合わせたろ液を減圧下で濃縮乾固した。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:石油エーテル=1/10)によって精製し、表題化合物(150mg、収率:47.3%)を無色の油として得た。LCMS(ESI)C2523ClF[M+H]の計算値:511、実測値:511。
【0266】
段階2:(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸(9A)および(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸(9B)の調製
EtOH(10mL)中のエチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート(J−1)(100mg、0.196mmol)の混合物にNaOH(24mg、0.59mmol)を添加し、反応物を40℃で12時間撹拌した。生じた混合物を減圧下で濃縮し、水(10mL)で希釈して、酢酸エチル(10mL×2)で洗浄した。水層を2M HClでpH=2に酸性化した。沈殿物をろ過によって収集し、分取HPLC(水中アセトニトリル+0.75%トリフルオロ酢酸)によって精製して、2つの別々の異性体を得た:
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸(9A):5mg、LCMS(ESI)C2319ClF[M+H]の計算値:483、実測値:483;H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.35(1H,d,J=8.03Hz,),7.69(2H,,t,J=7.78Hz),7.53−7.63(2H,m),6.91−7.16(1H,m),3.21(1H,br.s.),1.72−1.96(6H,m),1.61(2H,br.s.),1.18(3H,s)。
【0267】
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸(9B):6mg、LCMS(ESI)C2319ClF[M+H]の計算値:483、実測値:483;H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.35(1H,,d,J=8.53Hz),7.60−7.69(2H,m),7.47−7.60(2H,m),6.95−7.10(1H,m,),3.50(1H,s),2.82−3.15(1H,m),2.28(2H,J=13.05Hz,d),.1.92(2H,,d,J=12.55Hz),1.67(1H,,t,J=10.29Hz),1.28−1.38(2H,m),1.27(3H,s)。
【0268】
[実施例10Aおよび10B]
(RおよびS)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2,2−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸(10A)ならびに(RおよびS)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6,6−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸(10B)の調製
【化53】
【0269】
段階1:メチル2,2−ジメチル−4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキス−3−エンカルボキシレートおよびメチル6,6−ジメチル−4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキス−3−エンカルボキシレートの混合物(K−1)の調製
THF(15mL)中のメチル2,2−ジメチル−4−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(1.5g、8.14mmol)の溶液にLDA(10mL、10mmol)を−78℃で15分間滴下した。THF(10mL)中のTfNPh(3.78g、10.6mmol)を滴下した。混合物を−78℃で2時間撹拌し、20℃でさらに10時間撹拌した。生じた混合物を飽和NHCl水溶液30mLでクエンチングし、酢酸エチル(15mL×2)で抽出した。合わせた有機画分をブライン(飽和、10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥して、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1/20)によって精製し、表題化合物(比率=1:6、1g、収率:34.9%)を黄色の油として得た。
【0270】
段階2:メチル2,2−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレートおよびメチル 6,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレートの混合物(K−2)の調製
1,4−ジオキサン(50mL)中のメチル2,2−ジメチル−4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキス−3−エンカルボキシレートおよびメチル6,6−ジメチル−4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキス−3−エンカルボキシレートの混合物(K−1、比率=1:6、900mg、2.85mmol)にビス(ピナコラート)ジボロン(723mg、2.85mmol)および酢酸カリウム(838mg、8.54mmol)を添加した。混合物を窒素で20分間パージし、PdCl(dppf)−CHCl(697mg、0.854mmol)およびdppf(4732mg、8.54mmol)を添加した。混合物を100℃で2時間撹拌した。生じた混合物をセライトパッドでろ過し、ろ液を水(50mL)で希釈して、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥して、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油=1/20)によって精製し、表題化合物(比率=1:6、400mg、収率:43%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI)C1627BO[M+H]の計算値:295、実測値:295。
【0271】
段階3:メチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2,2−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボキシレートおよびメチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6,6−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボキシレートの混合物(K−3)の調製
THF/HO(40mL/10mL)中の(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(510mg、1.088mmol)の溶液に、メチル2,2−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレートおよびメチル6,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレートの混合物(K−2、比率=1:6、400mg、1.36mmol)ならびにNaCO(432mg、4.08mmol)を添加した。混合物を窒素で20分間パージし、Pd(dppf)Cl(298mg、0.408mmol)を添加して、混合物を80℃で10時間撹拌した。生じた混合物をセライトパッドでろ過し、ろ液を水(40mL)で希釈して、酢酸エチル(60mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥して、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1/10)によって精製し、表題化合物(比率=1:6、191mg、収率:26.4%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI)C2521ClF[M+H]の計算値:509、実測値:509。
【0272】
段階4:(RおよびS)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2,2−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸(10A)ならびに(RおよびS)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6,6−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸(10B)の調製
メチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2,2−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボキシレート、メチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6,6−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボキシレートの混合物(K−3、比率=1:6、200mg、0.39mmol)、NaOH(47.2mg、1.18mmol)およびメタノール(10mL)を40℃で10時間撹拌した。生じた混合物を減圧下で濃縮し、水(10mL)で希釈して、酢酸エチル(10mL×2)で洗浄した。水層を2M HClでpH=2に酸性化した。沈殿物をろ過によって収集し、減圧下で乾燥した。所望生成物を分取HPLC(水中アセトニトリル+0.75%トリフルオロ酢酸)によって精製し、2つの別々の異性体を得た:
(RおよびS)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2,2−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸(10A):5mg、LCMS(ESI)C2419ClF[M+H]の計算値:495、実測値:495;H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.43(1H,d,J=8.53Hz),7.65−7.75(2H,m),7.51−7.64(2H,m),7.11(1H,dd,J=11.04,8.03Hz),6.57(1H,br.s.),2.48−2.55(2H,m),2.23(2H,d,J=8.03Hz),1.08(3H,s),2.18(1H,s),1.02(3H,d,J=3.01Hz)。
【0273】
(RおよびS)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−6,6−ジメチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸(10B):20mg、LCMS(ESI)C2419ClF[M+H]の計算値:495、実測値:495;H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.43(1H,d,J=8.53Hz),7.65−7.74(2H,m),7.52−7.63(2H,m),7.11(1H,dd,J=10.54,8.03Hz),6.37(1H,br.s.),2.44−2.60(2H,m),2.14−2.28(3H,m),1.08(3H,s),1.02(3H,d,J=3.01Hz)。
【0274】
[実施例11Aおよび11B]
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(11A)および(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(11B)の調製
【化54】
【0275】
段階1:エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(L−1)の調製
トルエン/EtOH(1:1)40mL中の(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(3−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−1−イル)メタノン(1g、2.2mmol)およびエチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(0.8g、2.8mmol)の混合物に、飽和NaCO溶液1.6mLおよびPd(dppf)Cl−CHCl(182mg、0.22mmol)をN下で撹拌しながら添加した。反応混合物を120℃に6時間加熱した。完了後、混合物をろ過し、有機層を減圧下で濃縮した。生成物を、PE:EA=100:1からPE:EA=10:1で溶出するシリカゲルクロマトグラフィによって精製し、表題化合物(500mg、47%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)C2319ClF[M+H]の計算値:478、実測値:478。
【0276】
段階2:エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボキシレート(L−2)の調製
EtOAc(30mL)中のエチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(L−1)(500mg、1.05mmol)の溶液にPd/C(50mg)を添加した。生じた反応混合物をH(1気圧)下に40℃で24時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を蒸発させて、表題化合物(500mg、収率:99%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI)C2321ClF[M+H]の計算値:480、実測値:480。
【0277】
段階3:(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(11A)および(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(11B)の調製
THF/HO(4:1)10mL中のエチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボキシレート(L−2)(500mg、1.04mmol)の溶液に水酸化リチウム一水和物(175mg、4.16mmol)を添加した。反応混合物を30℃で24時間撹拌した。完了後、反応物を水10mLで希釈し、PE(200mL×2)で抽出した。水層を2M HClでpH=3に酸性化し、次にEtOAc(300mL×3)で抽出した。合わせた有機物をブライン(200mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥して、濃縮し、生成物(300mg、64%)を黄色固体として得て、これをSFCによってさらに分離し、2つの別々の異性体を得た(カラム:Chiralcel OJ−H、内径250×4.6mm、5μm;移動相:5%から40%のCO中エタノール(0.05%DEA))。LCMS(ESI)C2117ClF[M+H]の計算値:452、実測値:452:
(トランス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(11A):H NMR(400MHzCDCl)δ 8.91(1H,J=8.54Hz,d),8.83(1H,d,J=4.02Hz),7.62−7.72(3H,m),7.48−7.59(1H,m),3.51(1H,br.s.),2.55(1H,br.s.),1.86−2.01(6H,m),1.66−1.76(2H,m)。
【0278】
(シス)−4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸(11B):H NMR(400MHzCDCl)δ 8.75−8.83(2H,m),7.67−7.72(2H,m),7.60(1H,d,J=8.04Hz),7.54(1H,dd,J=8.54,4.52Hz,),3.13−3.23(1H,m),2.38−2.49(1H,m),2.10−2.19(4H,m),1.59−1.74(4H,m)。
【0279】
[実施例12A]
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−5−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸の調製
【化55】
【0280】
段階1:エチル3−メチル−4−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(M−1)の調製
THF(100mL)中のエチル4−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(10g、58mmol)の溶液に、LiHMDS(65mL、65mmol)をN下に−78℃で撹拌しながら少しずつ添加した。1時間撹拌した後、ヨードメタン(8.34g、58mmol)を滴下した。混合物を周囲温度で2時間撹拌した。混合物を水(150mL)で希釈し、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥して、蒸発させた。残留物をPE:EA=30:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製し、表題化合物(4g、収率:37%)を得た。LCMS(ESI)C1016[M+H]の計算値:185、実測値:185。
【0281】
段階2:エチル5−メチル−4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(M−2)の調製
THF(60mL)中のエチル3−メチル−4−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(M−1)(5g、27mmol)の溶液に、LDA(13.5mL、THF中2.5M、27mmol)をN下に0℃で撹拌しながら少しずつ添加した。1時間撹拌した後、PhNTf(9.64g、27mmol)を滴下した。混合物を周囲温度で12時間撹拌した。混合物を水(150mL)でクエンチングし、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥して、蒸発させた。残留物をPE:EA=100:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製し、表題化合物(5g、収率:63%)を得た。LCMS(ESI)C1115S[M+H]の計算値:317、実測値:317。
【0282】
段階3:エチル5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(M−3)の調製
エチル5−メチル−4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(M−2)(3.0g、9.5mmol)、(Bpin)(2.65g、10.4mmol)、KOAc(2.8g、28.5mmol)およびジオキサン(50mL)の混合物に、窒素でパージしながらPd(dppf)ClCHCl(700mg)を添加した。混合物を100℃で3時間加熱した。溶液を冷却し、セライトでろ過した。溶液を蒸発させ、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EA=200:1)によって精製して、表題化合物(1g、収率:36%)を得た。LCMS(ESI)C1627BO[M+H]の計算値:295、実測値:295。
【0283】
段階4:エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−5−メチルシクロヘキス−3−エンカルボキシレート(M−4)の調製
下のTHF(30mL)中の(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(2.2g、4.6mmol)、エチル5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(M−3)(1.5g、5.1mmol)、Pd(dppf)ClCHCl(340mg)およびCsCO(4.5g、13.8mmol)の溶液を100℃で4時間撹拌した。4時間後、反応物をろ過し、ろ液を濃縮して、カラムクロマトグラフィ(PE:EA=50:1)によって精製し、表題化合物(1.4g、収率:61%)を得た。LCMS(ESI)C2521ClF[M+H]の計算値:509、実測値:509。
【0284】
段階5:4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−5−メチルシクロヘキス−3−エンカルボン酸(12A)の調製
THF/HO(3/1mL)中のエチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−5−メチルシクロヘキス−3−エンカルボキシレート(M−4)(100mg、0.2mmol)およびLiOH.HO(34mg、0.8mmol)の溶液を室温で一晩撹拌した。翌朝、反応物を濃縮し、残留物を水15mLで希釈して、1M HClでpH=3−4に酸性化し、次にEAで抽出した。合わせた有機物をブライン(200mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥して、濃縮した。残留物を分取TLCによって精製し、表題化合物をラセミ化合物(50mg、収率:52%)として得た。LCMS(ESI)C2317ClF[M+H]の計算値:481、実測値:481;H−NMR(400MHzCDCl)δ 8.39−8.43(1H,m),7.56−7.68(4H,m),7.06−7.11(1H,m),6.21−6.51(1H,m),2.17−2.95(5H,m),1.38−1.58(1H,m),0.84−0.97(3H,m)。
【0285】
[実施例13A]
4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸の調製
【化56】
【0286】
段階1:(トランスまたはシス)−エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキシレート(N−1a)および(シスまたはトランス)−エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキシレート(N−1b)の調製。THF(10mL)中のエチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)シクロヘキス−3−エンカルボキシレート(500mg、1mmol)の溶液にBH.MeS(228mg、3mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次にNaOH水溶液(1mL、3M)およびH(0.5mL、30%)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出した。有機層をHO、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥して、濃縮した。粗生成物を分取HPLC(水中アセトニトリル+0.75%トリフルオロ酢酸)によって精製し、表題化合物(ピーク1−N−1a、70mg、27%)(ピーク2−N−1b、70mg、27%)を得た。LCMS(ESI)C2421ClF[M+H]の計算値:513、実測値:513。
【0287】
段階2:4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(13A)の調製。THF/HO(3/1mL)中の(シスまたはトランス)−エチル4−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキシレート(ピーク2−N−1b、70mg、0.2mmol)およびLiOH.HO(35mg、0.83mmol)の溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を水5mLで希釈して、1M HClでpH=3−4に酸性化し、次にEAで抽出した。合わせた有機物をブライン(200mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥して、濃縮した。残留物を分取TLCによって精製し、表題化合物(10mg、収率:15%)を得た。LCMS(ESI):C2217ClF[M+H]の計算値:485、実測値:485;H−NMR(400MHzCDCl)δ 8.42(1H,d,J=8.4Hz),7.55−7.67(4H,m),7.11−7.16(1H,m),2.50−2.54(1H,m),2.33−2.38(2H,m),1.89−1.92(2H,m),1.68−1.76(4H,m)。
【0288】
生物学的アッセイ
本発明の化合物はRORγT活性を阻害する。RORγT活性の活性化は、例えば生化学的TR−FRETアッセイを用いて測定することができる。そのようなアッセイでは、補因子由来ペプチドとヒトRORγT−リガンド結合ドメイン(LBD)との相互作用を測定することができる。TR−FRET技術は、補因子由来ペプチドの存在下で、リガンドとLBDとの相互作用に関する情報を与える高感度生化学的近接アッセイである(Zhou et al.,Methods 25:54−61,2001)。
【0289】
RORγTの新規アンタゴニストを同定するため、RORγTとそのコアクチベータペプチドSRC1_2との相互作用を用いるアッセイを開発した。このペプチドは、LXXLL(配列番号:1)(例えばNRボックス)モチーフとのその相互作用を通してRORγTへのコアクチベータの動員を模倣する(Xie et al.,J.Immunol.175:3800−09,2005;Kurebayashi et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.315:919−27,2004;Jin et al.,Mol.Endocrinology 24:923−29,2010)。RORγ−リガンド結合ドメインTR−FRETアッセイを以下のプロトコルに従って実施した。
【0290】
HIS標識RORγ−LBDタンパク質を、バキュロウイルス発現系を使用してSF9細胞において発現させた。RORγ−LBDタンパク質をグルタチオンセファロースクロマトグラフィによって精製した。別途に、いかなる組換えタンパク質も発現しないSF9細胞を溶解し、溶解物を精製したRORγ−LBDに溶解物0.25μl(10,000 SF9細胞から)/nM精製タンパク質で添加した。次に混合物をアッセイ緩衝液(50mMトリス pH7.0、50mM KCl、1mM EDTA、0.1mM DTT)に希釈し、384ウェルのアッセイプレートにおいて3nMのRORγ−LBD最終濃度を得た。
【0291】
試験する化合物を、Echo 550液体ハンドラー(Labcyte,CA)により、Acoustic Droplet Ejection技術を用いてアッセイプレートに注入した。
【0292】
コアクチベータSRC1(ビオチン−CPSSHSSLTERHKILHRLLQEGSPS)(配列番号:2)由来のビオチニル化LXXLLペプチドの原液をアッセイ緩衝液中で調製し、各々のウェルに添加した(最終濃度100nM)。ユウロピウム標識抗HIS抗体(最終濃度1.25nM)およびAPC結合ストレプトアビジン(最終濃度8nM)の溶液も各ウェルに添加した。
【0293】
最終的なアッセイ混合物を4℃で一晩インキュベートし、蛍光シグナルをEnvisionプレートリーダーで測定した:(励起フィルター=340nm;APC発光=665nm;ユウロピウム発光=615nm;ダイクロイックミラー=D400/D630;遅延時間=100μs、積分時間=200μs)。試験化合物についてのIC50値を、665nmでの蛍光シグナルを615nmでの蛍光シグナルで除した商から算出した。
【0294】
生物学的データ
以下の表は、本発明に関して開示された生物学的データを一覧で示す。
【表6】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]