特許第6232444号(P6232444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232444
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】リンクチェーン用のチェーンジョイント
(51)【国際特許分類】
   F16G 15/06 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
   F16G15/06 A
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-548223(P2015-548223)
(86)(22)【出願日】2012年12月19日
(65)【公表番号】特表2016-502050(P2016-502050A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】EP2012076235
(87)【国際公開番号】WO2014094848
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2015年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】515154609
【氏名又は名称】ペヴァック・オーストリア・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】PEWAG AUSTRIA GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】ペン、アギィド
(72)【発明者】
【氏名】フックス、フランツ
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−308718(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/119613(WO,A1)
【文献】 特表平08−511077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンクチェーン用のチェーンジョイント(1)であって、湾曲したリンク部分(5,6)を介して端部でそれぞれ相互連結された2つの互いに平行な長手方向リム(3,4)を有する長円形鎖環の形態の本体(2)を備え、一方の長手方向リム(4)が、長円形鎖環を前記本体(2)の内側開口部(8)の中に掛けるための受入開放部(7)を形成する間断部を有し、前記受入開放部は、前記受入開放部(7)の両端でそれぞれ、長手方向リムセクション(4A,4B)によって境界が定められ、この長手方向リム(4)には、前記長手方向リム(4)の長手方向に延在するネジ穴(9)が設けられ、前記ネジ穴(9)は、両方の前記長手方向リムセクション(4A,4B)の中に延在し、前記ネジ穴(9)の中には、前記受入開放部(7)を閉じるように、閉鎖ネジ(10)がねじ込まれることができ、前記閉鎖ネジ(10)は、ねじ込まれた状態では、両方の前記長手方向リムセクション(4A,4B)の前記ネジ穴(9)内に係合し、前記本体(2)の外周(A)及びリンク幅(B)のサイズが、予め定められている、チェーンジョイントにおいて、
記本体(2)には、前記本体(2)の前記長手方向リム(3,4)の領域での異形断面(Q1)が、前記本体(2)の前記湾曲リンク部分(5,6)の中央領域での異形断面(Q2)よりも大きく与えられることを特徴とするチェーンジョイント。
【請求項2】
前記本体(2)は、精密鋳造によって、又は焼結によって、製造されることを特徴とする請求項1に記載のチェーンジョイント。
【請求項3】
前記本体(2)は、鍛造品として形成されることを特徴とする請求項1に記載のチェーンジョイント。
【請求項4】
前記長手方向リム(3,4)各々には、それぞれの直線的な延在部に沿って一定の異形断面(Q1)が与えられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のチェーンジョイント。
【請求項5】
前記長手方向リム(3,4)それぞれの異形断面(Q1)は、掛けられる鎖環を受け入れるための前記本体(2)の前記内側開口部(8)に面する側で、平坦な境界面(11)を形成し、各境界面(11)は互いに平行であることを特徴とする請求項4に記載のチェーンジョイント。
【請求項6】
前記湾曲リンク部分(5,6)の中央領域における前記本体(2)の異形断面(Q2)は、前記本体(2)の前記内側開口部(8)に向かって湾曲するかたちで延在する異形形状(12)を有することを特徴とする請求項4または5に記載のチェーンジョイント。
【請求項7】
前記閉鎖ネジ(10)が前記ネジ穴(9)に挿入される前記長手方向リムセクション(4B)では、前記ネジ穴(9)は、前記受入開放部(7)から前記湾曲リンク部分(6)の領域に至るまで連続するように設けられる一方、他方の前記長手方向リムセクション(4A)では、前記受入開放部(7)から始まる前記ネジ穴(9)は単に、所定の長手方向領域にわたる止まり穴として設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のチェーンジョイント。
【請求項8】
前記閉鎖ネジ(10)は、六角穴付きボルトとして形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のチェーンジョイント。
【請求項9】
前記閉鎖ネジ(10)は、ネジ付きボルトとして形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のチェーンジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンクチェーン用のチェーンジョイントに関するものであり、このチェーンジョイントは、2つの長手方向リムを有する長円形の鎖環の形態の本体を備え、2つの長手方向リムが、互いに平行であり且つ湾曲したリンク部分を介してそれらの端部でそれぞれ相互連結され、一方の長手方向リムは、長円形鎖環を本体の内側開口部の中に掛けるための受入開放部を形成する間断部を有し、受入開放部は、その両側でそれぞれ、長手方向リムセクションによって境界が定められ、この長手方向リムには、その長手方向に延在するネジ穴が設けられ、ネジ穴は、両方の長手方向リムセクションの中に延在し、ネジ穴の中には、受入開放部を閉じるために、閉鎖ネジがねじ込まれることができ、閉鎖ネジは、ねじ込まれた状態では、両方の長手方向リムセクションにおいてネジ穴内に係合し、本体の外周及びリンク幅のサイズは、予め定められる。
【背景技術】
【0002】
上述のタイプのチェーンジョイントは、これまでかなりの間、市場で供給されてきた。この既知のチェーンジョイントの本体は、長円形の鎖環の形態で設計されており、その一方の長手方向リムは、受入開放部を形成する間断部を有し、受入開放部を介して長円形鎖環が本体の内側開口部の中に掛けられることができる。受入開放部を閉じるために、長手方向リムの長手方向に延在するネジ穴が、受入開放部の両側に位置する本体の2つの長手方向リムセクションの中に導入されており、ネジ穴は、2つの長手方向リムセクションのそれぞれに存在し、ネジ穴の中には閉鎖ネジがねじ込まれることができる。閉鎖ネジは、2つの長手方向リムセクションのうちの一方においてネジ穴の中に挿入され、受入開放部を跨ぐようにねじ込むことによって案内され、その後、閉鎖ネジは、他方の長手方向リムセクションの中にねじ込まれ、このとき、閉鎖ネジにおける内側にネジがある端部領域がネジ穴の一部の中にある。
【0003】
この既知のチェーンジョイントにおいて、本体は、一定の断面を有する丸鋼で周方向にわたって設計され、丸鋼の鎖環から比較的高いコストで製造される。その場合、チェーンジョイントの上記本体のための半加工品としての役割を果たす鎖環は、エンドレスチェーンから切り出されるが、切断された鎖環は無駄となり原料の使用量を増加させる。
【発明の概要】
【0004】
このことから、本発明の目的は、この既知のチェーンジョイントを改善することであり、その結果、チェーンジョイントが、その予め定められた最大外寸法(すなわち、本体の外周及びリンクの幅)を維持しつつ、向上した曲げ抵抗係数と増大した引張強度とを有し、そして、チェーンジョイントが、その変更されない最大外寸法のおかげで、既知のチェーンジョイントと同じポケット型チェーンホイール上で依然として十分に走ることができるようにすることである。
【0005】
本発明によると、このことは、冒頭で記載したタイプのチェーンジョイントにおいて、次の点で達成される。つまり、本体の外周及びリンク幅について予め定められたサイズを維持しつつ、本体には、長手方向リムの領域での異形断面が、湾曲したリンク部分の領域での異形断面よりも大きく与えられるという点である。
【0006】
長手方向リムで拡大された断面積を伴った本発明で達成される異形断面がある結果、向上した曲げ抵抗係数が既に達成され、このとき、拡大された異形断面はまた、既知のチェーンジョイントの場合よりも大きい径を有する連結ネジを使用することも可能にする。これによって、チェーンジョイントの引張強度もまた、外寸法を変更することなく、著しく向上し、このとき、異形断面が拡大されているにもかかわらず、その最大外寸法が変更されないため、チェーンジョイントは、既知のチェーンジョイントと同じポケット型チェーンホイールの上で問題なく案内されることができる。
【0007】
本発明によるチェーンジョイントでは、本体は、精密鋳造品若しくは焼結部品として製造されるのが特に好ましく、又は、鍛造品として製造されるのも特に好ましい。このことは、変化がある断面が本体と共に製造されることができ且つ曲げ成形によって製造できない異形断面の形成も可能であるという利点を、有している。
【0008】
本発明によるチェーンジョイントのさらに好ましい改善点は、各長手方向リムが、その直線的な延在部に沿って、一定の異形断面を有することにもあり、この一定の異形断面には、掛けられるべき鎖環を受け入れるための本体の内側開口部に面する側で、平坦な境界面が与えられるのが特に好ましく、この平坦な境界面は、内側開口部に対する本体のクランプ面に対して直角をなして延在する。本体の長手方向リムにおける異形断面形状のこのような設計は、断面積をできる限り大きくするために特に有効である。
【0009】
湾曲リンク部分の中央領域における本体の異形断面が、本体の内側開口部に向かって湾曲するかたちで延在する異形形状を有していると、さらに有益であり、これによって、丸鋼鎖環が中に掛けられる場合に好ましい装着比率がもたらされる。
【0010】
本発明によるチェーンジョイントの同様に好ましい設計はまた、長手方向リムセクションのネジ穴にもあり、この長手方向リムセクションでは、閉鎖ネジが、受入開放部から湾曲リンク部分の領域に至るまで連続するように設計されるネジ穴に挿入され、その一方で、他方の長手方向リムセクションでは、受入開放部から始まるネジ穴は単に、所定の長手方向領域にわたる止まり穴として設けられる。これによって、閉鎖ネジがねじ込まれる場合、閉鎖ネジが受入開放部を覆ってしまったときに、閉鎖ネジは単に、両方の長手方向リムセクション内で確実に受け入れられるのに十分な長さにわたってねじ込まれ得るが、過度に深いねじ込みが防止されるということが、保証される。
【0011】
本発明によるチェーンジョイントにおいて、使用される閉鎖ネジは、任意の好適なかたちで設計されることができる。しかしながら、閉鎖ネジは、六角穴付きボルトとして形成されることが特に好ましく、又は、ネジ付きボルトとして形成されることも特に好ましい。
【0012】
本発明を通じて、課題起点を形成した既知のチェーンジョイントと比較して大きい曲げ抵抗係数を有するチェーンジョイントが、生み出され、このとき、既知のチェーンジョイントの場合よりも大きな直径を有する閉鎖ネジを使用することも可能である。さらに、本発明によるチェーンジョイントの引張強度は、最大外寸法を変更することなく、著しく向上しており、このとき、チェーンジョイントは、既知のチェーンジョイントと同じポケット型チェーンホイールの上で十分に走行可能に用いられることができる。最後に、本発明によるチェーンジョイントの製造において、その本体のための半加工品が、エンドレスチェーンから切り出された部分として形成されず、その結果、切り出される部分をはずすためにチェーンリンクが切断されるかたちでの無駄が生じることがなく、これによって、原料の使用量が減少する。
【0013】
以下において、本発明は、例として図面を参照して、より詳細に原理上で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明によるチェーンジョイントの側面図である。
図2図1における切断線II−IIに沿った、図1のチェーンジョイントの断面図である。
図3図1における切断線III−IIIに沿った、図1のチェーンジョイントの断面図である。
図4図1の本発明によるチェーンジョイントの本体の対角方向の斜視図である。
図5図1の本発明によるチェーンジョイントで使用するための閉鎖ネジの対角方向の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、実質的に長円形の鎖環の形態で設計された本体2を備えたチェーンジョイント1の側面図を示している。この本体2は、互いに平行な2つの長手方向リム3,4を有しており、2つの長手方向リム3,4は、これらの端部においてそれぞれ、湾曲したリンク部分5,6を介して互いに連結されている。図示の実施形態の例では、湾曲リンク部分は、側面視で半円形に形成されている。
【0016】
2つの長手方向リムのうちの一方、すなわち図1で上側に示す長手方向リム4には、その中央に、受入開放部7が形成されており、受入開放部7は、閉じられていないときに、長円形鎖環を、チェーンジョイント1又はその本体2で囲まれた内側開口部8の中に掛けることを可能にする。
【0017】
図1から見られ、図1のチェーンジョイント1の本体2の対角方向の斜視図を示す図4から特に見られるように、受入開放部7は、長手方向リム4の中央に付与され、且つ、その両端のそれぞれにおいて、長手方向リムセクション4A及び4Bのそれぞれによって長手方向で境界が定められる。
【0018】
受入開放部7によって間断される本体2のこの長手方向リム4の長手方向において、つまり、この長手方向リム4の断面プロファイルQ1の中心には、図1に点線で示されるネジ穴9が設けられている。
【0019】
図5の対角方向の斜視図に実施形態の例で詳細に示されるような閉鎖ネジ10が、2つの長手方向リムセクション4A,4Bのうちの一方の側から、示されている図1の実施形態の例では長手方向リムセクション4Bの側から、ネジ穴9にねじ込まれることができるようなかたちで、ネジ穴9は与えられている。
【0020】
閉鎖ネジ10は、閉鎖ネジ10がねじ込まれた場合に閉鎖ネジ10を用いて受入開放部7を閉じることを可能にするという目的を果たすものである。なお、このとき、閉鎖ネジ10の端部は、受入開放部7を掛け渡した後にねじ込み方向で前方に向かって位置し、そして、他方の長手方向リムセクション4Aの中に形成され且つ長さCにわたって延在するネジ穴9の一部の中に位置する。このネジ穴9は、止まり穴として形成されている。このようにして、閉鎖ネジ10が長手方向リムセクション4Aに存在するネジ穴9の一部の中にねじ込まれたとき、閉鎖ネジ10は単に、長さCにわたってねじ込まれることができるだけであり、このことによって、もはや、過度に深いねじ込みはできなくなる。
【0021】
図5に見られるように、閉鎖ネジ10は、その全長にわたって雄ネジが設けられるネジ付きボルトとして設計されており、そして、ネジ付きボルトには、ねじ込み側の端部から離れる方向に向いた端部上で、六角穴が設けられている。
【0022】
閉鎖ネジ10が、長手方向リム4からねじ回転させて外される(又は、受入開放部7が開いて閉鎖ネジ10で覆われなくなるまで、少なくともねじ回転させて戻される)と、チェーンリンクが、受入開放部7を介して、チェーンジョイント1の内側にある内側開口部8の中に、湾曲した端部によって掛けられることができる。このようにされると、その後、閉鎖ネジ10は、受入開放部7を完全に覆うまで、再びねじ込み方向に回され、そして、他方の長手方向リムセクション4Aに付与されたネジ穴9の一部の中に、好ましくは、その軸方向の延長C全体にわたって、ねじ込まれる。
【0023】
図2及び図3は、図1のチェーンジョイント1の断面図を示しており、すなわち、図2は、図1の切断面II−IIに相当し、図3は、図1の切断面III−IIIによるものである。
【0024】
図2及び図3から見られるように、チェーンジョイント1の本体2は、その延長全体にわたって、等しい大きさのリンク幅Bを有している。
【0025】
図2に見られる長手方向リム3,4の異形断面Q1は、その湾曲した異形部分5,6の中央領域における本体2の異形断面を表す断面Q2よりも、大きく、実際には遥かに大きく、形成されている。
【0026】
長手方向リム3,4の異形断面Q1は、チェーンジョイント1の内側開口部8に面するその内側に、本体2のクランプ面に対して直角をなして延在する平坦な境界面11を有している。その一方で、湾曲した異形部分5,6の領域において、その異形断面Q2は、本体2の内側開口部8に向かって湾曲するかたちで延在する異形形状12を有し、この異形形状12は、図示の実施形態の例では、半円形の断面で形成されている。
【0027】
チェーンジョイント1の内側に向かって湾曲して形成された異形断面Q2は、その形状の観点では、曲げ加工により長円形又は湾曲形状に製造される通常の丸鋼鎖環に一致している。
【0028】
これに対し、長手方向リム3,4の異形による断面形状Q1は、通常の丸鋼鎖環の長手方向リムの断面形状から顕著に逸脱しており、長手方向リム3,4における異形断面Q1の断面積は、湾曲リンク部分5,6の中央における異形断面Q2と比較して遥かに大きく、これによって、チェーンジョイント1の長手方向リム3,4も図3に示すような異形断面Q2を周方向にわたって用いて形成される場合よりも、大きなネジ径を有する閉鎖ネジ10を使用することが可能となる。
【0029】
長手方向リム3,4の領域において拡大された異形断面Q1を用いることを通じて、図3に示すものにほぼ相当し且つ周方向に同一である小さな異形断面Q2を用いる場合と比較して、チェーンジョイント1の曲げ抵抗係数が遥かに大きくなるという利点が得られる。それと同時に、連続して一定である小さな異形断面Q2を用いる場合と比較して、本体2の外周A、長さL、リンク高さH及びリンク幅Bを変更することなく、チェーンジョイント1の引張強度も増加する。
【0030】
長手方向リム3,4の異形断面Q1と湾曲リンク部分5,6の異形断面Q2とが異なるサイズであるにもかかわらず、チェーンジョイント1の最大外寸法が、(通常の丸鋼の断面の形態で一定の異形断面Q2を周方向に有する場合と比較して)変わっていないということの結果として、図示されるチェーンジョイント1は、上記の他の既知のプロファイルのものと同じポケット型チェーンホイール上で支障なく案内されることが可能であり、そして、上記ポケット型チェーンホイール上で全く正常に走る。
【0031】
図示のチェーンジョイント1において、2つの長手方向リム3,4には、それぞれの直線的な延在領域の内側で、一定の形状及びサイズの異形断面Q1が与えられている。しかしながら、上記直線的な延在領域でサイズを変えた異形断面Q1も、当然用いられることもできる。しかしながら、好適に最大にされ得る一定の異形断面Q1を用いることは、当然有益である。
【0032】
図示されるチェーンジョイント1の本体2の製造は、サイズが異なる異形断面Q1及びQ2が用いられるため、もはや曲げ加工部品の形態として行われることはできない。それ故、本体2は、鍛造品として製造されるのが特に極めて好ましく、又は、精密鋳造部品若しくは焼結部品として製造されるのも特に極めて好ましい。
図1
図2
図3
図4
図5