(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232500
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】腕時計を設定するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
G04C 3/00 20060101AFI20171106BHJP
G04C 9/00 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
G04C3/00 C
G04C9/00 C
【請求項の数】23
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-541243(P2016-541243)
(86)(22)【出願日】2014年12月12日
(65)【公表番号】特表2017-501410(P2017-501410A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】EP2014077517
(87)【国際公開番号】WO2015091248
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2016年6月17日
(31)【優先権主張番号】13199118.4
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ラゴルゲット,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】バルマー,ラファエル
【審査官】
藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0185304(US,A1)
【文献】
特開2004−333128(JP,A)
【文献】
実開昭53−059859(JP,U)
【文献】
実公昭46−007894(JP,Y1)
【文献】
特開昭54−058472(JP,A)
【文献】
特開2010−203782(JP,A)
【文献】
特開2010−203831(JP,A)
【文献】
特表平02−502220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 3/00,9/00
G04B 19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
いくつかの表示手段(106)を有する腕時計(100)の風防上に一時的に押されるように構成している腕時計を設定するための設定デバイス(10)であって、
当該設定デバイスは、前記腕時計の設定時にユーザーが前記腕時計の表示手段(106)を見ることができるように構成しており、
当該設定デバイスは、少なくとも1つの指標付けマーク(17)を有し、これによって、前記腕時計の基準に対する当該設定デバイスの角度的な指標付けが行われ、
当該設定デバイスは、前記腕時計の少なくとも1つの特定の表示のために、前記腕時計の前記特定の表示に対する少なくとも1つの補助的な情報片(11)を有し、これによって、前記特定の表示の設定を促進し、
互いに重ね合わされた複数のプラスチックフィルム(12)を有し、そのそれぞれは、前記腕時計の少なくとも1つの特定の表示に対応している
ことを特徴とする設定デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの補助的な情報片(11)は、前記特定の表示の性質(111、112、113、11b、11d、11g、11f)についての表示情報を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの補助的な情報片は、当該表示手段の可能性のある設定範囲全体の表示シーケンス(11a、11c、11f)を含んでいる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の設定デバイス。
【請求項4】
少なくとも1つの光透過性プラスティックフィルム(12)を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の設定デバイス。
【請求項5】
互いに重ね合わされた前記複数のプラスチックフィルム(12)は、少なくとも1つの接合点(12b)にて、互いに接合されており、
その各フィルムは、さらに、つかむためのタブ(12a)を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の設定デバイス。
【請求項6】
少なくとも1つの半径方向に延在する棒体(16)を有する環状部分(14)を有し、これによって、補助的な情報片(11)のための少なくとも1つの領域の限界を定める
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の設定デバイス。
【請求項7】
前記環状部分(14)及び前記少なくとも1つの棒体(16)は、複数の厚みレベルを有し、そのそれぞれは、前記腕時計の一又は複数の表示に対応している
ことを特徴とする請求項6に記載の設定デバイス。
【請求項8】
前記環状部分(14)は、前記腕時計との接触面上に接着性材料の層(18)を有する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の設定デバイス。
【請求項9】
複数の光透過性領域(15)を有し、これによって、前記腕時計の表示手段(106)をその表示手段(106)が設定されているときにユーザーが見ることができる
ことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の設定デバイス。
【請求項10】
開口がある領域(15)を複数有し、これによって、前記腕時計の表示手段(106)をその表示手段(106)が設定されているときにユーザーが見ることができる
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の設定デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの特定の表示は、万年暦に対応する日付パラメーターの表示である
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の設定デバイス。
【請求項12】
機械的及び/又は電子的な計時器用ムーブメントと、及び請求項1〜11のいずれかに記載の設定デバイス(10)とを有する計時器用モジュールであって、
前記計時器用ムーブメントは、設定モードで動作することができ、
前記表示手段(106)と、及び特定の表示の少なくとも1つの補助的な情報片(11)とが互いに連係して、前記少なくとも1つの特定の表示の設定を促進させる
ことを特徴とする計時器用モジュール。
【請求項13】
前記表示手段(106)は、複数の補助的な情報片と連続的に連係して、これによって、その各補助的な情報片に関連づけられた特定の表示を設定する
ことを特徴とする請求項12に記載の計時器用モジュール。
【請求項14】
前記表示手段(106)は、中央軸の時針(107a)と、中央軸の分針(107b)と、及び現在時刻の表示のための6時方向のカウンター上にて小さな秒針(107c)を有し、クロノグラフ機能の表示のために、中央軸の秒針(107d)及びカウンター針(107e、107f)を有し、
前記表示手段(106)は、さらに、開口(107g)の下に配置された日付表示用ディスクを有する
ことを特徴とする請求項12に記載の計時器用モジュール。
【請求項15】
前記表示手段(106)及び前記設定デバイスの補助的な情報を用いて設定される前記腕時計の前記特定の表示は、万年暦である
ことを特徴とする請求項14に記載の計時器用モジュール。
【請求項16】
前記表示手段(106)及び前記設定デバイスの補助的な情報を用いて設定される腕時計の特定の表示は、前記腕時計が通常モードであるときに前記表示手段によって表示される情報とは異なる
ことを特徴とする請求項1に記載の計時器用モジュール。
【請求項17】
計時器用ムーブメントと設定デバイスを有する計時器アセンブリーを設定する方法であって、
前記計時器用ムーブメントは、主制御メンバー(105a)及び副次的制御メンバー(105b)を有する制御手段(105)と、及び情報を表示する表示手段(106)とを有し、
前記設定デバイスは、互いに重ね合わされた複数のプラスチックフィルム(12)を有し、そのそれぞれは、前記腕時計の少なくとも1つの特定の表示に対応し、腕時計の風防に押されるように構成しており、これによって、前記表示手段が設定されているときにユーザーが腕時計の前記表示手段を見ることができ、
前記設定デバイスは、少なくとも1つの指標付けマークを有し、これによって、腕時計の基準に対する前記設定デバイスの角度的な指標付けが行われ、さらに、腕時計の少なくとも1つの特定の表示のために、前記特定の表示に関連する少なくとも1つの補助的な情報片を有しており、
当該方法は、
(a)前記腕時計の風防上に前記設定デバイスを押すステップと、
(b)設定用動作モードに前記計時器用モジュールをするように前記主制御メンバーを動作させるステップであって、この設定用動作モードでは、パラメーターを設定する段階が繰り返しの形態で行われ、この各段階では、
前記表示手段の運動によって当該段階にて設定されているパラメーターを表示するステップと、
前記副次的制御メンバーによって前記パラメーターの値を選択するステップと、及び
前記主制御メンバーに作用することによって前記パラメーターの値を確定するステップと
の3つのステップが行われるような、前記主制御メンバーを動作させるステップと、並びに
(c)直前の段階のパラメーター値が確定されたときに前記設定用動作モードを出て、通常の動作モードに入るステップと
を有することを特徴とする設定方法。
【請求項18】
前記主制御メンバーに作用することによる前記パラメーター値の確定は、次の段階への移行を自動的にもたらし、最後のパラメーターを設定する段階の後に当該設定を自動的に終了する
ことを特徴とする請求項17に記載の設定方法。
【請求項19】
前記パラメーターを表示するステップは、当該パラメーターに対する選択可能な値の範囲の少なくとも一部を走査し、設定されているパラメーターに対する第1の可能性のある値を表す位置にするように前記表示手段(106)を動かすことを伴う
ことを特徴とする請求項17又は18に記載の設定方法。
【請求項20】
前記設定されている第1のパラメーターを表示するステップは、設定されるパラメーターの性質を示すように第1の表示メンバー(107)を使用し、当該パラメーターに対する選択可能な値の範囲の少なくとも一部を走査するように第2の表示メンバー(107)を動かし、設定されるパラメーターに対する前記第1の可能性のある値を表す位置にすることを伴う
ことを特徴とする請求項17又は18に記載の設定方法。
【請求項21】
前記第1の表示メンバー(107)は、設定されるパラメーターの性質を示すためのカウンター針(107e、107f)の1つであり、前記第2の表示メンバー(107)は、中央軸の針(107a、107b、107d)である
ことを特徴とする請求項20に記載の設定方法。
【請求項22】
前記パラメーターを表示するステップは、設定されるパラメーターに対する前記第1の可能性のある値を表す位置にするように前記表示手段を動かすことを伴う
ことを特徴とする請求項17又は18に記載の設定方法。
【請求項23】
前記主制御メンバーを動作させるステップ(b)において、前記補助的な情報片はそれぞれ、別個の表示手段と連係している
ことを特徴とする請求項17〜21のいずれかに記載の設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いくつかの表示手段を有する腕時計の風防上に押されるように構成する腕時計設定デバイスの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
計時器用モジュールが日付を表示することができる従来技術の腕時計又は計時器が知られている。日付は、すなわち、月における日と、月のことである。
【0003】
最も一般的な腕時計では、日付表示は最適になってはいない。なぜなら、年における月のそれぞれにおいて日の数が異なることを考慮していないからである。結果的に、30日ある月では、2ノッチ日付を進めるように日付を調整しなければならない。一方、2月には、正確な日付を得るためには少なくとも4ノッチ日付を進めなければならない。閏年の場合には5ノッチになる。
【0004】
この課題を解決するために、万年暦モジュールが作られている。この計時器用モジュールは、その年が通常の年か閏年かどうかに応じて年における月のそれぞれにおける日の数が異なることを考慮して、日付を表示しているものである。結果的に、この計時器用モジュールは、ある月から別の月に、ユーザーの介在なしで移行することができる。
【0005】
しかし、この万年暦モジュールの課題の1つは、事前の設定操作を必要とすることである。事前の設定操作は、製造時、初回の使用時、電池交換ごとなどに行われる。設定操作は、設定モードを入力し、次に、各種パラメーターを設定することを伴う。これらのパラメーターは、日付、月、年、すなわち、4年周期における現在のレベルである。この調整は、まったくわかりやすくない。なぜなら、ユーザー又は腕時計業者にとって、4年周期における現在の段階、すなわち、今年が閏年なのか、閏年の1年前か、閏年の1年後かということ、を判断することは簡単ではないからである。このことは、予想されるよりも複雑であり、これに加えて、設定の各ステップは明確ではなく、ユーザーが万年暦を設定することは、すぐにつまらない作業になってしまう。
【0006】
また、この課題は、万年暦が設定されるときにユーザーが設定していることについての表示がない場合には、より大きな問題となる。実際に、ユーザーが日、月又は年のいずれを設定しているかどうかがわからない場合、ユーザーがあきらめてしまいがちである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、迅速で、明確で、使用が低コストであるような設定デバイスを提供することによって前記課題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明は、いくつかの表示手段を有する腕時計の風防上に一時的に押されるように構成している腕時計を設定するための設定デバイスに関し、当該設定デバイスは、前記腕時計の設定時にユーザーが前記腕時計の表示手段を見ることができるように構成しており、当該設定デバイスは、少なくとも1つの指標付けマークを有し、これによって、前記腕時計の基準に対する当該設定デバイスの角度的な指標付けが行われ、当該設定デバイスは、前記腕時計の少なくとも1つの特定の表示のために、前記腕時計の前記特定の表示に対する少なくとも1つの補助的な情報片を有し、これによって、前記特定の表示の設定を促進する。
【0009】
第1の好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの補助的な情報片は、前記特定の表示の性質についての表示情報を含んでいる。
【0010】
第2の好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの補助的な情報片は、当該表示手段の可能性のある設定範囲全体を表示するシーケンスを含んでいる。
【0011】
第3の好ましい実施形態において、少なくとも1つの光透過性プラスティックフィルムを有する。
【0012】
第4の好ましい実施形態において、互いに重ね合わされた複数のプラスチックフィルムを有し、そのそれぞれは、前記腕時計の少なくとも1つの特定の表示に対応している。
【0013】
第5の好ましい実施形態において、互いに重ね合わされた前記複数のプラスチックフィルムは、少なくとも1つの接合点にて、互いに接合されており、その各フィルムは、さらに、つかむためのタブを有する。
【0014】
第6の好ましい実施形態において、少なくとも1つの半径方向に延在する棒体を有する環状部分を有し、これによって、補助的な情報片のための少なくとも1つの領域の限界を定める。
【0015】
第7の好ましい実施形態において、前記環状部分及び前記少なくとも1つの棒体は、複数の厚みレベルを有し、そのそれぞれは、前記腕時計の一又は複数の表示に対応している。
【0016】
別の好ましい実施形態において、前記環状部分は、前記腕時計との接触面上に接着性材料の層を有する。
【0017】
別の好ましい実施形態において、複数の光透過性領域を有し、これによって、前記腕時計の表示手段をその表示手段が設定されているときにユーザーが見ることができる。
【0018】
別の好ましい実施形態において、開口がある領域を複数有し、これによって、前記腕時計の表示手段をその表示手段が設定されているときにユーザーが見ることができる。
【0019】
別の好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの特定の表示は、万年暦に対応するパラメーターの表示である。
【0020】
本発明は、さらに、機械的及び/又は電子的な計時器用ムーブメントと、及び上記のいずれかに記載の設定デバイスとを有する計時器用モジュールに関し、前記計時器用ムーブメントは、設定モードで動作することができ、前記表示手段と、及び特定の表示の少なくとも1つの補助的な情報片とが互いに連係して、前記少なくとも1つの特定の表示の設定を促進させる。
【0021】
この計時器アセンブリーの変種において、前記表示手段は、中央軸の時針と、中央軸の分針と、及び現在時刻の表示のための6時方向のカウンター上にて小さな秒針を有し、クロノグラフ機能の表示のために、中央軸の秒針及びカウンター針を有し、前記表示手段は、さらに、開口の下に配置された日付表示用ディスクを有する。
【0022】
この計時器アセンブリーの変種において、前記表示手段及び前記設定デバイスの補助的な情報を用いて設定される前記腕時計の前記特定の表示は、万年暦である。
【0023】
この計時器アセンブリーの変種において、前記表示手段及び前記設定デバイスの補助的な情報を用いて設定される腕時計の特定の表示は、前記腕時計が通常モードであるときに前記表示手段によって表示される情報とは異なる。
【0024】
この計時器アセンブリーの変種において、前記表示手段は、複数の補助的な情報片と連続的に連係して、これによって、その各補助的な情報片に関連づけられた特定の表示を設定する。
【0025】
本発明は、さらに、 計時器用ムーブメントと設定デバイスを有する計時器アセンブリーを設定する方法に関し、前記計時器用ムーブメントは、主制御メンバー及び副次的制御メンバーを有する制御手段と、及び情報を表示する表示手段とを有し、前記設定デバイスは、腕時計の風防に押されるように構成しており、これによって、前記表示手段が設定されているときにユーザーが腕時計の前記表示手段を見ることができ、前記設定デバイスは、少なくとも1つの指標付けマークを有し、これによって、腕時計の基準に対する前記設定デバイスの角度的な指標付けが行われ、さらに、腕時計の少なくとも1つの特定の表示のために、前記特定の表示に関連する少なくとも1つの補助的な情報片を有しており、当該方法は、
(a)前記腕時計の風防上に前記設定デバイスを押すステップと、
(b)設定用動作モードに前記計時器用モジュールをするように前記主制御メンバーを動作させるステップであって、この設定用動作モードでは、パラメーターを設定する段階が繰り返しの形態で行われ、この各段階では、
前記表示手段の運動によって当該段階にて設定されているパラメーターを表示するステップと、前記副次的制御メンバーによって前記パラメーターの値を選択するステップと、及び前記主制御メンバーに作用することによって前記パラメーターの値を確定するステップとの3つのステップが行われるような、前記主制御メンバーを動作させるステップと、並びに
(c)直前の段階のパラメーター値が確定されたときに前記設定用動作モードを出て、通常の動作モードに入るステップとを有する。
【0026】
この方法の第1の変種において、前記主制御メンバーに作用することによる前記パラメーター値の確定は、次の段階への移行を自動的にもたらし、最後のパラメーターを設定する段階の後に当該設定を自動的に終了する。
【0027】
この方法の第2の変種において、前記パラメーターを表示するステップは、当該パラメーターに対する選択可能な値の範囲の少なくとも一部を走査し、設定されているパラメーターに対する第1の可能性のある値を表す位置にするように前記表示手段を動かすことを伴う。
【0028】
この方法の別の変種において、前記設定されている第1のパラメーターを表示するステップは、設定されるパラメーターの性質を示すように第1の表示メンバーを使用し、当該パラメーターに対する選択可能な値の範囲の少なくとも一部を走査するように第2の表示メンバーを動かし、設定されるパラメーターに対する前記第1の可能性のある値を表す位置にすることを伴う。
【0029】
この方法の別の変種において、前記第1の表示メンバーは、設定されるパラメーターの性質を示すためのカウンター針の1つであり、前記第2の表示メンバーは、中央軸の針である。
【0030】
この方法の別の変種において、前記パラメーターを表示するステップは、設定されるパラメーターに対する前記第1の可能性のある値を表す位置にするように前記表示手段を動かすことを伴う。
【0031】
この方法の第4の変種において、前記主制御メンバーを動作させるステップ(b)において、前記補助的な情報片はそれぞれ、別個の表示手段と連係している。
【0032】
添付図面に示されている本発明の少なくとも1つの実施形態(もっぱら例として与えられ、これに制限されない)についての下記の詳細な説明によって、本発明に係るデバイスの目的、利点及び特徴をより明確に理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る設定デバイスの概略図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る設定デバイスと腕時計のアセンブリーの概略図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る設定デバイスの概略図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る設定デバイスの概略図である。
【
図5】第1の実施形態に係る設定デバイスと第2の実施形態に係る腕時計のアセンブリーの概略図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る設定デバイスの変種の概略図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る設定デバイスの変種の概略図である。
【
図9】第1の実施形態に係る設定デバイスと第2の実施形態の変種に係る腕時計のアセンブリーの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図2は、本発明に係る腕時計100を示している。この腕時計又は計時器100は、ケース101を有し、この中に、計時器用ムーブメント又はモジュール100a(
図8に示す)が配置されている。ケース101は、風防102及びベゼル103を有する。この計時器用モジュールは、暦機能、具体的には、万年暦機能を有している。このことは、通常の年と閏年との間で月における日の数が違うことを考慮しつつ、計時器用モジュールが日付を表示することを提案するものであることを意味している。
【0035】
腕時計は、さらに、制御手段105を有する。この制御手段105は、竜頭Bを有し、これは、回転して、第1の押し部品P1及び第2の押し部品P2であるいくつかの位置まで引くことができる。竜頭Bが主制御メンバー105aであり、押し部品P1及びP2が副次的制御メンバー105bであると考えることができる。
【0036】
通常の動作モードにおいて、この計時器用モジュールは、表示手段106に時間情報を送る。この表示手段106は、表盤104に関連づけられており、ユーザーに情報を表示する。この表示手段106は、少なくとも1つの表示メンバー107を有する。表示メンバー107は、表盤に設けられた開口の下に配置された針又はディスクの形態であることができる。時間情報は、クロノグラフ機能に関連している現在時刻、日付及び/又は情報である。
【0037】
クロノグラフ腕時計の場合には、表示手段106は、いくつかの中央軸の針と、それぞれが針を有するいくつかのカウンターとを有する。表示手段106は、一般的に、現在時刻の表示のために、中央軸の時針107a、中央軸の分針107b、6時方向のカウンター上の小さな秒針107cを有するように構成している。クロノグラフ機能の表示のために、中央軸の秒針107dと、3時と9時の方向にあるカウンター107e、107fとが用いられる。表示手段106は、さらに、開口107gの下に配置された日付表示用のディスクを有する。
【0038】
通常の動作モードにおいて、表示手段106は、現在時刻を表示し、所望時にクロノグラフ機能が用いられる。
【0039】
この計時器用モジュールは、設定用動作モードに移行することができる。この設定用動作モードにて、万年暦機能が設定される。この設定には、日付、すなわち、日、月及び年、を設定することを伴い、これによって、閏年がいつ発生するかを計時器用モジュールがわかる。
【0040】
好ましいことに、本発明によると、この万年暦機能を設定するステップは、設定デバイス10に補助されて行われる。この設定デバイス10は、腕時計100の風防103に押される要素である。設定デバイス10は、複数の光透過性領域15又は開口を有し、これによって、腕時計の表示手段を設定する際に、ユーザーが腕時計の表示手段を見ることが可能になる。
【0041】
この設定デバイスは、さらに、少なくとも1つの補助的な情報片11を有する。補助的な情報片11は、表示手段106の少なくとも1つの表示メンバー107と連係して用いられ、これによって、パラメーターの設定が促進される。万年暦を設定するためには、以下のような少なくとも3つの補助的な情報片11がなければならない。日、月及び年の情報片である。
【0042】
図1に示す本発明の第1の実施形態では、設定デバイス10は、自己接着性のプラスチックフィルム12の形態であることができる。プラスチックフィルム12には、スクリーン印刷があり、これが異なる情報片11を構成している。本発明のこの実施形態は、実装することが容易であるという利点を有する。計時器用の自己接着性のプラスチックフィルムが既に存在するからである。このフィルムは風防を保護するために用いられる。スクリーン印刷ステップを単純に加えるだけで、本発明に係る設定デバイス10を得ることができる。
【0043】
このプラスチックフィルム12は、光透過性領域15を有し、これによって、設定する際にユーザーが腕時計の表示手段を見ることが可能になる。フィルムは完全に光透過性であることができるが、不透明な領域を有することもできる。これは、例えば、スクリーン印刷のコントラストを改善するためである。
【0044】
図4に示す本発明の第2の実施形態において、この設定デバイス10は、さらに、三次元のフレームのような部品14の形態であることができる。この部品14には、光透過性である領域15又は穴が開いている領域が設けられている。
【0045】
部分14は、様々な領域の限界を定めるいくつかの棒体16を有する環状部分の形態であり、各領域は、1つの補助的な情報片11に対応している。これらの領域15は、中実の固体であり、光透過性又は開いている。これによって、設定する際にユーザーが腕時計の表示手段を見ることが可能になる。これらの棒体16は、この環状の部分の直径又は半径上にて延在している。部分14は、好ましくは、プラスチックで作られており、表盤104及び/又はベゼル102の形と同様な形を有する。これによって、風防103及び/又はベゼル上に押すことができる。この第2の実施形態は、特に、さらなる設定時やバッテリーの変更時に、再使用可能であるという利点を有する。
【0046】
設定デバイス10は、さらに、少なくとも1つの指標付けマーク17を有し、これによって、腕時計の基準に対する設定デバイス10の角度的な指標付けを行う。第1の実施形態の場合には、この指標付けマークは、12時−6時の軸又は9時−3時の軸の印を付けるような、スクリーン印刷18であることができる。このスクリーン印刷は、補助的な情報片13のそれぞれに対する領域どうしを分離するようにもはたらく。当然、押し部品と竜頭へのアクセス性を害さずに、腕時計の外側部品(竜頭、押し部品、ケース中間部のホーンなど)によっても指標付けを達成することができる。
【0047】
第2の実施形態の場合には、指標付けマーク17はその部品の実際の構造であることができる。実際に、
図4に示すように、棒体16が12時−6時の軸及び/又は9時−3時の軸上に配置されており、指標付けマークとしてはたらく。
【0048】
設定デバイスが用いられる場合、第1のステップ(a)は、設定デバイス10が、腕時計の風防上に押され又は腕時計ケース上にクリップされるように構成することを伴う。設定デバイス10は、ユーザーによって押されることができ、又は既に存在していてもよい。
【0049】
第2のステップ(b)では、主制御メンバー105a、すなわち、竜頭B、を押すことによって、通常の動作モードから設定モードへとモードを移行する。
【0050】
設定ステップにおいて、万年暦機能の設定パラメーターは、設定される各パラメーターに対して、表示手段106の少なくとも1つの表示メンバー107が、設定デバイス10の補助的な情報片11の1つと連係するように、順に設定される。
【0051】
図6に示す方法は、各パラメーターiに対して、以下を行うことを伴う。
− 表示手段106の運動によって当該段階にて設定されるパラメーターiを表示すること。
− 副次的制御メンバーP1、P2の補助を受けて、表示手段の動作の元となるパラメーターの値を選択すること。
− 主制御メンバーBに作用することによって、パラメーター値を確定すること。
【0052】
パラメーターiがi=nであれば、主制御メンバーBに作用してパラメーターiの値を確定することによって、ステップ(c)を開始することが可能になる。このステップ(c)では、腕時計は設定モードを出て、通常の動作モードに入る。パラメーターiがi=nでなければ、パラメーターiをi=i+1に設定する。
【0053】
図1及び2に示す本発明の第1の実施形態によると、補助的な情報は、設定されているパラメーターをユーザーに示すためだけに用いられる。
【0054】
これを達成するために、例において(これに制限されない)、3つの表示メンバー107が用いられる。第1の表示メンバー107及び第2の表示メンバー107はそれぞれ、目盛り付きのカウンターと連係する針の形態である。これは、例えば、クロノグラフ機能に用いられる9時方向のカウンター107f及び3時方向のカウンター107eである。第3の表示メンバー107は、日付表示のために開口107gに関連づけられているディスクである。
【0055】
制御手段105に対する動作によって設定モードに入る際、計時器用モジュールは、第1のパラメーターが設定される第1の段階にすぐに入る。例えば、設定モードに入るために竜頭Bが用いられる。
【0056】
この第1の段階において、第1の表示メンバー107fが用いられ、第1の補助的な情報片111がその第1の表示メンバー107fに関連づけられる。この第1の補助的な情報片111は、設定されるパラメーターを示すものである。
図1及び2の場合には、第1の補助的な情報片111は年に関するものであり、第1の表示メンバー107fが用いられる。この第1の表示メンバー107fは、第1のパラメーターが設定されていることを示すように動く。
【0057】
そして、ユーザーは、現在の年が閏年に対してどうなのかを指示する必要がある。この第1の段階において、計時器用モジュールは、第1の表示メンバー107fが、閏年サイクルの中の一年にそれぞれが対応する4つの位置のみを動くようにプログラムされる。ユーザーは、第1のパラメーターの値を選択し、その選択を確定するために制御手段105を用いる。好ましくは、第1及び第2の押し部品P1及びP2がパラメーターの値を増減させるために用いられ、竜頭Bが値を確定するために用いられる。なお、これらの操作に制限されるものではない。確定が行われると、第1の段階が終わり、第2の段階が自動的に開始する。
【0058】
この第2の段階は、第2のパラメーターを設定するためのものである。第2の表示メンバー107eが用いられ、第2の補助的な情報片112がその第2の表示メンバー107eに関連づけられる。この第2の補助的な情報片112は、現在の月に関するものである。第2の表示メンバー107eは、第2のパラメーターが設定されていることを示すように動く。
【0059】
この第2の段階において、計時器用モジュールは、第2の表示メンバー107eが、1つの月にそれぞれが対応する12の位置のみを動くようにプログラムされている。ユーザーは、第2のパラメーターの値を選択し、その選択を確定するために制御手段105を用いる。選択が確定されると、第2の段階が終わる。
【0060】
この時点において、第3のパラメーターが設定される第3の段階が自動的に開始する。第3の表示メンバー107gが、第3の補助的な情報片113とともに用いられ、これに関連づけられている。この第3の補助的な情報片113は、日付に関するものである。第3の表示メンバー107gは、第3のパラメーターが設定されていることを示すように動く。
【0061】
第3の表示メンバー107gが現在の日付の開口であるので、第3の表示メンバー107gのプログラミングは変更されてはならない。ユーザーは、第3のパラメーターの値を選択し、その選択を確定するために制御手段105を用いる。選択が確定されると、第3の段階及び設定ステップが終わる。したがって、表示手段106はその初期位置又は前の位置に戻る。
【0062】
この第1の実施形態の利点は、クロノグラフ機能及び日付用開口に用いられる9時と3時における目盛り付きカウンター針を用いることである。これは通常モードの動作に悪影響を与えない。なぜなら、日付用開口が設定操作中に正確な日付に設定され、用いられるのが現在時刻表示メンバー107ではなくクロノグラフ表示メンバー107であるからである。
【0063】
表示メンバー107f、107e及び107gの運動は、0に戻る前の一又は複数のステップの回転運動であることができる。
【0064】
図3〜5に示す本発明の第2の実施形態では、補助的な情報11は、ユーザーに設定されているパラメーターを指定するように用いられ、及び/又は当該表示メンバーの可能性のある設定範囲全体の表示シーケンスとしてはたらく。このことは、各種パラメーターが設定されるときに、補助的な情報11がスケールとして用いられることを意味する。
【0065】
1つの例において(これに制限されない)、2つの表示メンバー107が用いられる。第1の表示メンバー107は、通常の動作モードにおいてクロノグラフ機能の表示のために用いられる中央軸の秒針107dの形態である。第2の表示メンバー107は、日付表示用の開口107gに関連づけられたディスクである。
【0066】
設定モードに入る際、計時器用モジュールは、第1のパラメーターが設定される第1の段階に直ちに入る。この第1の段階において、第1の表示メンバー107dは、第1の補助的な情報片11とともに用いられ、これに関連づけられる。この第1の補助的な情報片11には、設定されているパラメーターの表示11b及びこのパラメーターに対する関心事の表示メンバーの可能性のある設定範囲11aが含まれる。第1の表示メンバー107dは、設定されているのが第1のパラメーターであることを示すように動く。
【0067】
図5の場合には、第1の補助的な情報は、年に関するものである。したがって、ユーザーは、当該年の十の位を指示する必要がある。実際に、この例示的実施形態において、現在の年を入力することが目的である。現在の年は、計時器用モジュールに組み入れられているデータベースと比較されて、閏年であるか及び/又は閏年がいつに到来するかを判断する。
【0068】
この第1の段階において、計時器用モジュールは、第1の表示メンバー107dが0から9までの10の位置のみを動くようにプログラムされている。ユーザーは、第1のパラメーターの値を選択し、その選択を確定するために制御手段105を用いる。第1の実施形態におけるように、第1及び第2の押し部品P1及びP2が、パラメーター値を増減するために用いられ、竜頭Bが値を確定するために用いられる。確定されると、第1の段階は終わり、第2の段階が自動的に開始する。
【0069】
第2の段階は、第2のパラメーターを設定するためのものである。この第2の段階において、第1の表示メンバー107dが再び用いられ、第2の補助的な情報片が第1の表示メンバー107dと関連づけられる。第1の表示メンバー107dは、設定されているのが第2のパラメーターであることを示すように動く。
【0070】
この第2の補助的な情報は、年にも関するものであり、設定されているパラメーター、すなわち、年、の表示11dと、このパラメーターに対する当該表示メンバーの可能性のある設定範囲11cを含んでいる。したがって、ユーザーは、年の一の位の数を指示しなければならない。計時器用モジュールは、第1の表示メンバーが0から9までの10の位置のみを動くようにプログラムされている。ユーザーは、第1のパラメーターの値を選択し、その選択を確定するために制御手段105を用いる。
【0071】
確定されると、第2の段階は終わり、現在の年が完成して記憶される。例えば、第1の段階で数字9が選択され、第2の段階で数字6が選択された場合は、現在の年として2096年を選択したことを意味する。実際に、このような日付は参照用であると考えられるように腕時計において日付があらかじめプログラムされる。別の例において、第1の段階で数字1が選択され、第2の段階で数字4が選択された場合、現在の年として2014年が選択されたことを意味する。この時点で、第3の段階が自動的に開始する。しかし、2014を形成するように数字2、0、1、4を順に入力することによって日付全体を入力することもできる。
【0072】
第3の段階は、第3のパラメーターを設定するためのものである。この第3の段階において、第1の表示メンバー107dが再び用いられ、第3の補助的な情報片11が第1の表示メンバー107dと関連づけられる。この第3の補助的な情報11は現在の月に関するものであり、設定されているパラメーター、すなわち、月、の表示11gと、このパラメーターに対する可能性のある設定範囲11fとを含んでいる。第1の表示メンバー107dは、設定されているのが第3のパラメーターであることを示すように動く。
【0073】
計時器用モジュールは、第1の表示メンバー107dが、1〜12の12の位置のみを動くようにプログラムされている。ユーザーは、第3のパラメーターの値を選択し、その選択を確定するために制御手段105を用いる。選択が確定されると、第3の段階が終わる。
【0074】
第4のパラメーターが設定され第4のステップは、自動的に開始する。この第4の段階では、第2の表示メンバー107gが用いられ、第4の補助的な情報片が第2の表示メンバー107gと関連づけられる。この第4の補助的な情報片は、現在の日付に関する表示11eである。第2の表示メンバー107gは、日付表示に通常用いられるものであり、したがって、その動作は変わらない。第2の表示メンバー107gは、設定されているのが第4のパラメーターであることを示すように動く。
【0075】
ユーザーは、第4のパラメーターの値を選択し、その選択を確定するために制御手段105を用いる。確定されると、第4の段階は終わり、これとともに設定ステップが終わる。
【0076】
この第2の実施形態の利点は、クロノグラフ機能として用いられる中央軸の秒針107d及び日付用開口107gを用いることである。これは、通常の動作モードに悪影響を与えない。なぜなら、日付開口107gは、設定ステップ時に正確な日付に設定され、1つだけのクロノグラフ機能に関連している針107dのみが用いられるからである。
【0077】
設定されているパラメーターを示すために表示メンバー107d、107gによって行われる運動は、0に戻る前の一又は複数のステップの回転運動、又は可能性のある設定範囲の走査であることができる。もちろん、いずれの運動も可能である。
【0078】
また、各種パラメーターが設定される順序は、固定されてはおらず、これと異なる順に設定することができる。しかし、実際上の理由で、第1のパラメーター及び第2のパラメーターは1つずつ交互に設定される。日月年又は年月日の順序で、あるいは補助的な情報の位置に応じて時計回り又は反時計回りの順序で、パラメーターを設定することができる。
【0079】
図9に示すこの実施形態の変種において、中央軸の秒針107dは、例えば、可能性のある設定範囲全体を表示するシーケンスにおいて選択される数を示すために用いられるものである。このようにして、現在の設定モード(年の一の位、年、月、日の十の位)を示すためにカウンター107cが用いられる。したがって、フィルム12又はフレーム14は、カウンター107cのまわりに情報11を有し、中心針に対しては数(0〜12)だけを有する。日付が(
図9の形態と)同じ形態で設定される場合、数は1〜31であることができる。
【0080】
図7に示す本発明の第1の実施形態の変種では、設定デバイス10は、いくつかのプラスチックフィルム12を有するように構成している。これらのプラスチックフィルムは、リーフレットタイプの構造を形成するように、少なくとも1つの点12bにて互いに接続されている。フィルム12はそれぞれ、補助的な情報片に関連づけられた設定が行われると、フィルムを取り除くことができるように、補助的な情報片11を含んでいる。この変種は、設定ステップの可視性を改善する。なぜなら、これから行われる設定の数がすぐに見えるからである。このために、プラスチックフィルムはそれぞれ、好ましくは、フィルムの取り付け点の反対側に、こびりつきにくいタブ12aを有する。これによって、ユーザーは容易にプラスチックフィルムを取り除くことができる。より好ましくは、このタブは、目に見やすくするために不透明である。
【0081】
本発明の第2の実施形態の第1の変種では、腕時計の風防103上に安置される環状部分14の面上に、接着性材料の層18が配置される。この接着性材料の層18によって、設定ステップ時に設定デバイスが動かずに留まることが可能になる。
【0082】
図8に示す本発明の第2の実施形態の第2の変種においては、穴の開いた部分は、環状部分14の直径がベゼル12の直径と等しいような寸法構成を有する。この特徴によって、環状部分14が風防103ではなくベゼル102上に安置されることになる。この第2の変種は、好ましいことに、第1の変種と組み合わせることができる。すなわち、腕時計上に安置される環状部分14の面上に接着性材料の層18を堆積することによってである。
【0083】
別の変種(これに制限されない)において、設定モードへの変更は、竜頭Bを引っ張ることによって達成される。竜頭Bが所定の位置まで完全に引かれた場合に、設定モードへと移行される。
【0084】
その後に、順序的な形態で、P1によって、1つの表示モードから別の表示モードへとモードが移行する。すなわち、1つのパラメーターを設定するモードから別のパラメーターを設定するモードへと移行する。各設定モードにおいて、竜頭を回転させることによって表示が設定され、その表示がP2を用いて確定される。
【0085】
設定モードを出るために、竜頭が安置位置に戻される。
【0086】
添付の請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに、上記の本発明の様々な実施形態に対して、当業者にとって明白な様々な変更及び/又は改善及び/又は組み合わせを行うことができることは明らかであろう。
【0087】
環状部分14は、いくつかの別個の厚みを有し、そのそれぞれの上にて補助的な情報片11が示されるように、作ることができる。