(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232528
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/323 20140101AFI20171106BHJP
A63F 13/327 20140101ALI20171106BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20171106BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20171106BHJP
A63F 13/825 20140101ALI20171106BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
A63F13/323
A63F13/327
A63F13/79
A63F13/822
A63F13/825
G06F13/00 650R
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-145456(P2016-145456)
(22)【出願日】2016年7月25日
(65)【公開番号】特開2017-113517(P2017-113517A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2016年10月18日
(31)【優先権主張番号】特願2015-247240(P2015-247240)
(32)【優先日】2015年12月18日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515353338
【氏名又は名称】御園 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】御園 英司
【審査官】
宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−210472(JP,A)
【文献】
特開2000−157721(JP,A)
【文献】
特開平11−207034(JP,A)
【文献】
特開2014−216789(JP,A)
【文献】
特開2000−339073(JP,A)
【文献】
特開平11−188180(JP,A)
【文献】
特開2000−010896(JP,A)
【文献】
特開2013−250807(JP,A)
【文献】
特開2001−276438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/23
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
据置型ゲーム機と、携帯型端末装置と、サーバ装置と、を備えるゲームシステムであって、
前記据置型ゲーム機は、
ユーザへと前記据置型ゲーム機を利用した第1のゲームとしてのキャラクタの育成ゲームを提供する第1のゲーム提供手段と、
前記第1のゲームの実行結果によって作成された第1キャラクタデータを保持する第1のキャラクタデータ記憶部と、
作成された前記第1キャラクタデータを定期的に前記サーバ装置へと送信する第1のキャラクタデータ送信手段と、を有し、
前記携帯型端末装置は、
前記サーバ装置より前記第1キャラクタデータを受信する第1のキャラクタデータ受信手段と、
前記第1のキャラクタデータ受信手段により受信された前記第1キャラクタデータを保持する第2のキャラクタデータ記憶部と、
前記ユーザへと前記携帯型端末装置を利用した第2のゲームとしての連携ゲームを提供する第2のゲーム提供手段と、
前記第2のゲームの実施のために複数の前記携帯型端末装置の間での通信を行う連携手段と、を有し、
前記第2のゲームとしての連携ゲームは、複数の前記ユーザが複数の前記携帯型端末装置を利用し、かつ前記第1のキャラクタデータ受信手段により受信されて前記据置型ゲーム機から持ち出された前記第1キャラクタデータを用いた対戦及び/又は協力プレイを行うものであり、
前記第2のゲーム提供手段が、前記第1のゲームとしての前記キャラクタの育成ゲームの実行結果によって作成され、かつ前記サーバ装置を介して前記第1のキャラクタデータ受信手段により受信されて前記据置型ゲーム機から持ち出された前記第1キャラクタデータを使用した前記ユーザによる前記第2のゲームの実行結果に基づいて、前記第1キャラクタデータの更新を行い、
前記携帯型端末装置は、前記第2のゲーム提供手段により更新された前記第1キャラクタデータを第2キャラクタデータとして同一ユーザ利用の前記据置型ゲーム機へと前記サーバ装置を介することなく直接通信により送信する第2のキャラクタデータ送信手段を更に有し、
前記据置型ゲーム機は、前記第2のキャラクタデータ送信手段より送信された前記第2キャラクタデータを前記第1のゲームとしての前記キャラクタの育成ゲームに反映するために受信する第2のキャラクタデータ受信手段を更に有する、
ゲームシステム。
【請求項2】
前記連携手段が、複数の前記携帯型端末装置の間で近距離無線通信を行う、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記連携手段が、複数の前記携帯型端末装置の間で無線アドホックネットワークによる通信を行う、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記第1キャラクタデータが、キャラクタの所持するアイテムに関するデータを含み、
前記第1のゲームとしてのキャラクタの育成ゲームの内容が、前記キャラクタによる前記アイテムの収集を含むものである、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、より詳細には、据置型ゲーム機等と携帯型端末装置とを連携したゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ技術の発展に伴い、パーソナルコンピュータや、家庭用の据置型ゲーム機、店舗設置型のアーケードゲーム機など、種々のコンピュータゲーム装置が利用されている。特に、近年では、コンピュータ装置の小型化も進み、携帯型ゲーム機やスマートフォン端末装置など、小型の携帯型端末装置を利用したコンピュータゲームも多くみられる。
【0003】
このように、様々な形態を採用したコンピュータゲーム装置があるために、複数の形態のコンピュータを連携することで、より多様な楽しみ方をできるようなゲームシステムが考えられてきた。
【0004】
例えば、特許文献1には、据置型ゲーム機と携帯電話等の携帯型ゲーム機とで、それぞれの装置に適した画質の画像を表示しながら、同一のゲームを進行することのできるゲームシステムが記載されている。
【0005】
また、インターネットなどのネットワークを通じ、同種の、あるいは複数種類のコンピュータゲーム装置がサーバ装置などを介して互いに通信し、共同、あるいは対戦プレイを行う、いわゆるオンライン通信プレイなども広く行われている。あるいは、携帯型の端末装置であれば、近距離での無線通信などを利用した共同プレイや対戦プレイが可能なコンピュータゲーム装置も見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2007−528757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、コンピュータゲーム装置には様々な形態のものがある。そしてそれらの形態は、それぞれに利点や欠点を持っていると言える。例えば、アーケードゲーム機であれば、複数人での共同プレイや対戦プレイなど、臨場感豊かなプレイを楽しむことができる。そのため、格闘ゲームなどをプレイするために非常に好適である。その反面、プレイするためには筐体が設置される店舗に出向く必要がある。また、プレイする際に都度利用料を支払う形態がとられることが多いため、じっくりとやりこむような、内容の多い、RPG(ロールプレイングゲーム)などの種類のゲームのプレイには向かないと言える。
【0008】
据置型ゲーム機であれば、高性能なコンピュータ装置とテレビ画面などを利用して、手軽にかつ高精細な画像によるゲームプレイを楽しむことができる。また、ゲームソフトが記録された媒体、あるいはネットワークを通じて取得可能なゲームソフトのデータそのものを購入してプレイする形態が多く、RPGのようなゲームをやり込む用途に好適であると言える。一方で、臨場感などにおいては、より大がかりな装置を用いることのできるアーケードゲーム機にはかなわないと言える。また、複数人での対戦プレイや協力プレイをする場合においても、一つの画面を分割してそれぞれのプレイヤの操作画面を表示する必要があったり、何れかのプレイヤの自宅に全プレイヤが集まる必要があったりと、不都合が多い。
【0009】
携帯型ゲーム機であれば、手軽に持ち運ぶことができるため、出先などでも手軽にプレイすることができる。そのため、複数人のプレイヤが集まっての対戦/協力プレイなども、場所の制約なく手軽に行うことができる。しかし、据置型ゲーム機やアーケードゲーム機に比べて画面が小さくなるため、臨場感に欠くことも多く、また、プレイヤの目の疲労なども起きやすい。
【0010】
このように、それぞれの形態のコンピュータゲーム装置は、それぞれに得手不得手を持っていると言える。特許文献1に記載の技術によれば、据置型ゲーム機と携帯型ゲーム機の描画性能の差による問題などを解消し得る。しかし、据置型ゲーム機と携帯型ゲーム機との間では、それぞれの操作感における差も非常に大きいと言える。昨今の据置型ゲーム機やパーソナルコンピュータのゲーム用コントローラなどの多くは、十字キーや複数のボタン、一つ又は複数のジョイスティック、押し込みによる入力値の大小の判定が可能なトリガ形式のボタンなどを備えるため、携帯型ゲーム機それ自体よりも大型な場合も多い。一方で、携帯型ゲーム機は小型、軽量化などのために、多くの物理ボタンは持たないことが多い。特に、スマートフォン端末装置などにおいては、物理ボタンはごく少数であり、タッチスクリーンによる入力操作を主とするものが多いと言える。そのため、種々の物理ボタンを多用する据置型ゲーム機における操作感と、タッチスクリーンによる自由な操作を持ち味とする携帯型ゲーム機とでは、同一内容のゲームによってそれぞれの長所を活かすことは難しい。そのため、同一内容のゲームを据置型ゲーム機と携帯型ゲーム機によってプレイ可能な構成としてしまうと、何れかのゲーム機によるプレイに不都合が生じてしまう、あるいは、両方のゲーム機で不都合が起きないようにしたために、どちらの形態のゲーム機においてもその持ち味を活かすことができない、といった問題が生じる。
【0011】
また、据置型ゲーム機や携帯型ゲーム機などの種々のコンピュータゲーム装置によるオンライン通信プレイは、通信環境さえあれば共同プレイや対戦プレイを行えるが、プレイヤ同士が密なコミュニケーションをとることが難しいという問題がある。
【0012】
そこで、本発明では、複数の形態のコンピュータゲーム装置のそれぞれの特徴を活かし、個人及び複数人によるプレイを行うことのできる、ゲームシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲームシステムは、
据置型ゲーム機と、携帯型端末装置と
、サーバ装置と、を備えるゲームシステムであって、
前記据置型ゲーム機が、
ユーザへと前記据置型ゲーム機を利用した第1のゲームを提供する第1のゲーム提供手段と、
前記第1のゲームによって作成されたキャラクタデータを保持する第1のキャラクタデータ記憶部と、
前記キャラクタデータを
定期的に前記サーバ装置へと送信する第1のキャラクタデータ送信手段と、を有し、
前記携帯型端末装置が、
前記ユーザへと前記携帯型端末装置を利用した第2のゲームを提供する第2のゲーム提供手段と、
前記キャラクタデータを保持する第2のキャラクタデータ記憶部と、
前記サーバ装置より前記キャラクタデータを受信する第1のキャラクタデータ受信手段と、
複数の前記携帯型端末装置の間での通信を行う連携手段と、を有し、
前記第2のゲームが、複数の前記ユーザが複数の前記携帯型端末装置を用いて、前記キャラクタデータを用いた対戦及び/又は協力プレイを行うものであることを特徴とする。
【0014】
このように、据置型ゲーム機で第1のゲーム、携帯型端末装置で第2のゲーム、というようにそれぞれ異なるゲームを提供する構成とすることによって、それぞれの装置の処理能力や操作感に適合したゲームをユーザへと提供することができる。また、据置型ゲーム機と携帯型端末装置の双方の利点を活かし、据置型ゲーム機で作成したキャラクタデータを携帯型端末装置によって持ち出し、複数人のユーザで連携したプレイを行うことができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記第2のゲーム提供手段が、前記第2のゲームの実行結果に基づいて前記キャラクタデータの更新を行い、
前記携帯型端末装置が前記キャラクタデータを前記据置型ゲーム機へと送信する第2のキャラクタデータ送信手段を有し、
前記据置型ゲーム機が、前記第2のキャラクタデータ送信手段より前記キャラクタデータを受信する第2のキャラクタデータ受信手段を有することを特徴とする。
これにより、携帯型端末装置を用いて行った連携プレイの結果をキャラクタデータに反映することができ、据置型ゲーム機と携帯型端末装置のそれぞれにおいて実行するゲーム内容を、より密接に関連付けることができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記連携手段が、複数の前記携帯型端末装置の間で近距離無線通信を行うことを特徴とする。
これにより、ユーザは携帯型端末装置同士の連携を簡単に行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記連携手段が、複数の前記携帯型端末装置の間で無線アドホックネットワークによる通信を行うことを特徴とする。
これにより、無線アクセスポイントなどの機器を別途用意せずとも、簡単に複数の携帯型端末装置間における通信を行うことができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記キャラクタデータが、キャラクタの所持するアイテムに関するデータを含み、
前記第1のゲームの内容が、前記キャラクタによる前記アイテムの収集を含むものであることを特徴とする。
このように、据置型ゲーム機の提供するゲーム内容にキャラクタによるアイテムの収集を含み、それを携帯型ゲームへ送信するキャラクタデータに含めることで、ユーザ同士でのアイテムの見せ合いや交換など、より多様なユーザ同士の連係プレイを行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
据置型ゲーム機と携帯型端末装置のそれぞれの特徴を活かすことのできるゲームシステムを提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態におけるゲームシステムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態における据置型ゲーム機の機能ブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態における携帯型端末装置の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態におけるゲームシステムの利用の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの構成を示す図である。ここに示すように、本発明に係るゲームシステムは、複数の据置型ゲーム機1と、複数の携帯型端末装置2とを備える。
【0022】
図1(a)は、ユーザが個人で本発明に係るゲームシステムを利用する場合の構成を示す図である。ユーザは、据置型ゲーム機1を用いてキャラクタデータを作成し、それを携帯型端末装置2へと送信する。ここでは、一例として、据置型ゲーム機1a及び携帯型端末装置2aを利用するユーザAと、同じく据置型ゲーム機1b及び携帯型端末装置2bを利用するユーザB、据置型ゲーム機1c及び携帯型端末装置2cを利用するユーザCの3人のユーザがいる場合を想定している。そして、各ユーザは、各々の自宅などの任意の場所で本実施形態に係るゲームシステムを利用する。
【0023】
図1(b)は、ユーザが複数人で本発明に係るゲームシステムを利用する場合の構成を示す図である。この場合には、複数の携帯型端末装置2のそれぞれの間での通信を行い、複数人のユーザが連携してゲームをプレイするものである。すなわち、ユーザA、ユーザB、ユーザCが、各々の利用する携帯型端末装置2a、2b、2cを持ち寄り、ゲームをプレイする。
【0024】
図2は、本実施形態に係る据置型ゲーム機1の機能ブロック図である。据置型ゲーム機1は、キャラクタの育成ゲームを提供する育成ゲーム提供手段11と、育成したキャラクタのデータを保持するキャラクタデータ記憶部12と、キャラクタデータを携帯型端末装置2へと送信するキャラクタデータ送信手段13と、キャラクタデータを携帯型端末装置より受信するキャラクタデータ受信手段14と、を備える。
【0025】
据置型ゲーム機1は、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、各種の入出力装置を備えた、コンピュータ装置を利用することができる。例えば、メーカーが家庭向けに販売している、コンシューマゲーム機と呼ばれるようなゲーム専用のハードウェアや、パーソナルコンピュータ装置などであり、テレビやディスプレイ装置などに接続して利用される。
【0026】
キャラクタデータ送信手段13及びキャラクタデータ受信手段14としては、携帯型端末装置2の構成に合わせ、Bluetooth(登録商標)通信や近距離無線通信、LAN(Local Area Network)を介した通信、無線アドホックネットワークによる通信など、有線/無線を問わない種々の通信手段を用いることができる。また、複数の通信手段から携帯型端末装置2に合わせて、利用する通信手段を選択可能な構成としてもよい。
【0027】
図3は、本実施形態に係る携帯型端末装置2の機能ブロック図である。携帯型端末装置2は、複数人のユーザによる各々のキャラクタを用いた対戦や協力プレイを行う連携ゲームを提供する連携ゲーム提供手段21と、連携ゲームの実施のために複数の携帯型端末装置2同士の通信を行う連携手段22と、据置型ゲーム機1より受信したキャラクタデータを保持するキャラクタデータ記憶部23と、キャラクタデータを据置型ゲーム機1へと送信するキャラクタデータ送信手段25と、を備える。
【0028】
携帯型端末装置2は、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、各種の入出力装置などを備え、持ち運びが可能な小型のコンピュータ装置を用いることができる。例えば、携帯型ゲーム機のようなゲーム専用のハードウェア、携帯電話やスマートフォン端末装置、タブレット型端末装置などが挙げられる。
【0029】
キャラクタデータ受信手段24、キャラクタデータ送信手段25としては、据置型ゲーム機1の構成に合わせ、Bluetooth通信や近距離無線通信、LAN(Local Area Network)を介した通信、無線アドホックネットワークによる通信など、有線/無線を問わない種々の通信手段を用いることができる。複数の通信手段から利用する通信手段を選択可能な構成としてもよい。
【0030】
また、連携手段22としても、キャラクタデータ受信手段24、キャラクタデータ送信手段25と同様の通信手段を用いてもよいし、それらとは異なる通信手段を用意してもよい。特に、連携手段22によって用いる通信手段は、Bluetooth通信や近距離無線通信、無線アドホックネットワークによる通信など、無線アクセスポイントのような親機を必要としない無線通信であることが好ましい。
【0031】
なお、本実施形態においては、
図1(a)に示したように、据置型ゲーム機1と携帯型端末装置2との間を、無線、あるいは有線で直接接続し、キャラクタデータの送受信を行う構成を示したが、図示しないサーバ装置を備え、それを経由してキャラクタデータの送受信を行うような構成としてもよい。すなわち、据置型ゲーム機1をインターネットに接続可能に構成し、キャラクタデータをサーバ装置にアップロードした後に、同じくインターネットに接続可能に構成された携帯型端末装置2により、それをダウンロードする、といった構成である。更に、据置型ゲーム機1による育成ゲームのプレイ中に、定期的にキャラクタデータをアップロードする構成とすれば、ユーザは外出前などに都度据置型ゲーム機1と携帯型端末装置2とを接続し、キャラクタデータの送受信を行わずともよくなる。
【0032】
図4は、本実施形態におけるゲームシステムの利用の流れを示すフローチャートである。ゲームシステムの利用に際しては、まず、ステップS101で据置型ゲーム機1によって育成ゲームを行い、キャラクタデータD1を生成する。
【0033】
なお、ここでの育成ゲームとしては、例えば、キャラクタにトレーニングなどの指示を行い、成長させていくような育成シミュレーションゲームや、キャラクタに冒険をさせながら、敵キャラクタとの戦闘などの行為によってキャラクタを成長させていくRPG(ロールプレイングゲーム)など、種々の内容のゲームが挙げられる。すなわちここでは、ゲームの進行によってキャラクタの能力値などが変化していくようなゲームを、総じて育成ゲームと呼称している。
【0034】
このように、キャラクタを育成していく、といったように、じっくりやり込むような性格のゲームは、据置型ゲーム機によって自宅でプレイすることが好ましいと言える。
【0035】
そして、ステップS102で、据置型ゲーム機1と携帯型端末装置2とを、無線通信、あるいは有線通信によって接続し、キャラクタデータD1を、ステップS102で携帯型端末装置2へと送信し、携帯型端末装置2は、ステップS103でキャラクタデータD1を受信する。キャラクタデータD1を受信した後には、据置型ゲーム機1と携帯型端末装置2と無線/有線通信を切断し、ユーザは携帯型端末装置2を外出先などに自由に持ち出すことができる。
【0036】
そして、ステップS104で、複数の携帯型端末装置2を連携し、複数人のユーザによって連携ゲームをプレイする。連携ゲームの内容としては、例えば、各ユーザが育成したキャラクタを対戦させるような対戦プレイが挙げられる。あるいは、各ユーザがそれぞれ育成させたキャラクタを協力させ、目的の達成を目指すような協力プレイが可能な構成としてもよい。
【0037】
可搬性の高い携帯型端末装置2を用いることにより、ユーザは様々な場所に携帯型端末装置2を持ち寄り、連携プレイを行うことができる。そして、ユーザが実際に集まって連携ゲームをプレイすることにより、インターネットなどを介したオンライン通信プレイでは不可能な、ユーザ間の密なコミュニケーションをとることができる。
【0038】
そして、連携ゲームは、携帯型端末装置2でのプレイに最適化されていることが好ましい。すなわち、携帯型端末装置の処理能力や画面サイズに適したゲーム内容の表示や、タッチスクリーンや比較的少数の物理ボタンなど、携帯型端末装置の持つ入力手段に適した操作方法であることが好ましい。
【0039】
続くステップS105では、ステップS104における連携ゲームの結果に基づいて、キャラクタデータD1を更新してキャラクタデータD2とし、ステップS106でそれを据置型ゲーム機へと送信する。
【0040】
そして、ステップS107で、据置型ゲーム機1がキャラクタデータD2を受信し、ゲームシステムの利用に係る一連の流れは終了する。なお、携帯型端末装置2によって更新されたキャラクタデータD2を受信した据置型ゲーム機1は、それを育成ゲームによって再度利用可能な構成とすることが好ましい。
【0041】
以上のように、本実施形態に係るゲームシステムにおいては、据置型ゲーム機と携帯型端末装置という異なる特徴を有する装置を用いて、それぞれに適した内容のゲームを提供する構成とすることにより、ユーザはストレスなくゲームをプレイすることができる。
【0042】
すなわち、ユーザは、携帯型端末装置2と比較して高い処理能力や豊富な入力手段を有する据置型ゲーム機1を用いることにより、キャラクタの育成をじっくりと行うことができる。そして、携帯型端末装置2を持ち寄って顔を合わせて対戦プレイや協力プレイを行うことにより、ユーザは密なコミュニケーションをとりながらゲームをプレイすることができる。
【0043】
また、ステップS101において、ユーザが据置型ゲーム機1によってプレイするゲーム内容に、キャラクタの所持品や装備品の取得、製作といった、アイテムの収集を含むような構成としてもよい。この場合、ステップS102で据置型ゲーム機1から携帯型端末装置2へと送信するキャラクタデータD1に、キャラクタの能力値などに加えて、キャラクタの所持するアイテム情報を含める。
【0044】
このように、キャラクタデータD1にアイテムデータを含めることにより、S104で、キャラクタの所持するアイテムの見せ合いや、それを用いた対戦、協力プレイなどを、携帯型端末装置2を用いて行うことができる。
【0045】
さらに、S104でユーザ同士でのアイテムの交換などを行い、それをステップS106で携帯型端末装置2から据置型ゲーム機1へと送信するキャラクタデータD2に含めることで、携帯型端末装置2による連携プレイによって取得した、あるいは失ったアイテムデータを、据置型ゲーム機1によってプレイするゲーム内容へと反映することができる。
【0046】
このように、キャラクタデータD1やキャラクタデータD2に、キャラクタそのものの能力値等のみでなく、キャラクタの所持するアイテムデータを含めることで、ユーザ同士の連係プレイをより多様なものとすることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 据置型ゲーム機
11 育成ゲーム提供手段
12 キャラクタデータ記憶部
13 キャラクタデータ送信手段
14 キャラクタデータ受信手段
2 携帯型端末装置
21 連携ゲーム提供手段
22 連携手段
23 キャラクタデータ記憶部
24 キャラクタデータ受信手段
25 キャラクタデータ送信手段
D1、D2 キャラクタデータ