【実施例】
【0008】
本発明に係る鋸補助具の第1実施例を
図1に示す。
図1に示すように、第1実施例の鋸補助具(4)は、挿入部(3)と挿入部(3)の上側に設けられた当接部(1)と挿入部(3)の下側に設けられた支持部(2)によって構成された、側面から見るとアルファベット小文字のh型形状の鋸補助具であり、当接部(1)と支持部(2)は間隔(G)を隔てている。
【0009】
図2に示すように、作業机(9)の上で板材を鋸(5)で切断する際、板材の基部(6)を例えば手で押さえて固定した状態で、切断加工する場合、切断加工途中で切り溝(S)に鋸補助具(4)の挿入部(3)を挿入する。このとき切り落とし部(7)は間隔(G)の中に入るように装着され、切り落とし部(7)の下面は支持部(2)に支えられる。一方切り落とし部(7)の上面は当接部(1)に当接する。これによって、切り落とし部(7)が自重によって下方に垂れ下がる力が鋸補助具(4)に働いても、鋸補助具(4)は傾くことができない。そして鋸補助具(4)自身は、作業机(9)側に残る基部(6)の上面に当接部(1)が載置されている。以上の理由によって切り落とし部(7)は、垂れ下がることがない。
【0010】
しかも、切り溝(S)には挿入部(3)が挿入されているので、鋸刃の締め付けが軽減される。
尚、本実施例では、挿入部(3)は、切り溝(S)の幅より厚くしているので、鋸刃が板材の基部(6)と切り落とし部(7)によって締め付けらることがなく、鋸(5)の押し引き動作が重くなることを防ぐことが出来る。
挿入部(3)の厚さは、厚いほど板材による鋸刃の締め付けを防ぐ効果が大きいが、切り溝(S)への挿入容易性との兼ね合いを考慮して適宜選択するのが好ましい。
また、本実施例では、当接部(1)、支持部(2)、挿入部(3)を板材で構成したが、各部を棒材で構成してもよい。
また、この鋸補助具は、金属や樹脂や木材などの素材で構成することが可能である。
【0011】
本発明に係る鋸補助具の第2実施例を
図3に示す。
板材の厚さが間隔(G)より薄く、切り落とし部(7)が間隔(G)の中で適度なガタツキがあっても鋸補助具は機能するが、板材が薄過ぎると、鋸補助具が傾いて作業し難いことがある。これを避けるため、支持部(2)と当接部(1)との間隔(G)を調節可能な調節手段(20)を設けている。本実施例の調節手段(20)は支持部(2)に開設したネジ孔(21)と、このネジ孔(21)に累合する雄ネジ(22)とから構成されている。支持部(2)は、この雄ネジ(22)を介して雄ネジ(22)の先端で、切り落とし部(7)を支えることになる。雄ネジ(22)を回転することによって、雄ネジ(22)の先端と当接部(1)との間隔(G)を調節することが出来るので、板材の厚さに応じた切断作業が可能となる。
尚、第2実施例では、調節手段を支持部(2)に設けたが、例えば当接部(1)に設けてもよい。
【0012】
本発明に係る鋸補助具の第3実施例を
図4に示す。
支持部(2)を当接部(1)に向けて付勢する付勢手段(30)として、支持部(2)に一体的に板バネ(31)を設け、当接部(1)と板バネ(31)の凸部とで切り落とし部(7)を摺動可能にしながら挟むように支持出来る鋸補助具である。
尚、本実施例では、付勢手段(30)を支持部(2)に設けたが、当接部(1)を支持部(2)に向けて付勢する付勢手段(30)を当接部(1)に設けてもよい。
また、付勢手段(30)に加えて、支持部(2)または当接部(1)に調節手段(20)を設けてもよい。
【0013】
本発明に係る鋸補助具の第4実施例を
図5に示す。
板材の切り溝(S)に挿入可能な挿入部(3)の側端部の板材面に平行な断面における形状を先細り形状にした鋸補助具である。先細り形状は、V字形状(10)、R形状(11)、面取り形状(12)いずれであってもよい。このような形状にすることによって、挿入部(3)が切り溝(7)にスムーズに挿入でき、鋸補助具の装着が容易になる。実施例1のように挿入部(3)の厚さが、切り溝(S)より厚い場合は、特にこの断面形状が好ましい。
尚、挿入部(1)の両方の側端部を先細り形状にすることによって、右利き、左利きの作業者双方に対応出来るため、使い勝手が良くなる。
【0014】
本発明に係る鋸補助具の他の実施例を
図6に示す。
1枚の板状素材を曲げ加工して当接部(1)、支持部(2)、挿入部(3)を構成した鋸補助具である。この実施例は、本発明に係る鋸補助具を低廉に製作するための手段である。金属製の板材を使って曲げ加工のみで製作することができるので、低廉な製造コストを実現できる。
【0015】
本発明に係る鋸補助具の更に他の実施例を
図7に示す。
図7は、鋸補助具を2つの部品で構成する場合の説明図である。
図7(a)は、支持部(2)及び挿入部(3)を備えた部品と当接部(1)となる板材部品を示す。
図7(b)は、これらの部品を組み合わせて構成した鋸補助具を示す。これは鋸補助具の製作を容易にする手段である。
図7(a)の当接部(1)は単純な板材であるし、同図支持部(2)と挿入部(3)を備えた部品は、2箇所を曲げ加工された板材である。どちらも簡単な加工で製作することが出来る。この二つの部品を接合したものが
図7(b)に示した鋸補助具であるが、前記接合は、ネジや接着剤などで簡単に行うことが出来る。
【0016】
本発明に係る鋸補助具の更に他の実施例を
図8に示す。
当接部(1)、支持部(2)、挿入部(3)で構成される鋸補助具において、支持部(2)が当接部(1)と同様に挿入部(3)の両側に設けられ、側面から見ると、アルファベットのH型形状にしたことを特徴としている。これによって、より安定的に切断作業が出来ると共に、鋸補助具(4)を板材に装着する際、向きを選ぶ必要が無いので使い勝手がよくなる。
【0017】
本発明に係る鋸補助具の更に他の実施例を
図9に示す。
1枚の板状素材を曲げ加工して、当接部(1)、支持部(2)、挿入部(3)を形どった鋸補助具において、支持部(2)が、当接部(1)と同様に挿入部(3)の両側に設けられ、側面から見るとアルファベットのH型形状にしたことを特徴としている。この実施例は、
図8に示した実施例の鋸補助具を低廉に製作するための手段である。金属製の板材を使って曲げ加工のみで製作することができるので、低廉な製造コストを実現できる。