特許第6232535号(P6232535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6232535ゴム紐の捩じりによる外振り装置と飛翔体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6232535
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】ゴム紐の捩じりによる外振り装置と飛翔体
(51)【国際特許分類】
   A63H 27/28 20060101AFI20171106BHJP
   A63H 27/18 20060101ALI20171106BHJP
   A63H 29/18 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   A63H27/28
   A63H27/18 D
   A63H29/18
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-109715(P2017-109715)
(22)【出願日】2017年6月2日
【審査請求日】2017年6月9日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516047061
【氏名又は名称】犬飼 八重子
(74)【代理人】
【識別番号】715009178
【氏名又は名称】犬飼 晴雄
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 晴雄
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭48−098295(JP,U)
【文献】 特開2000−317148(JP,A)
【文献】 特開2002−085860(JP,A)
【文献】 特開2009−287723(JP,A)
【文献】 米国特許第02321977(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 27/00−27/32
A63H 29/00−29/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部を固定したゴム紐の他端部をクランクハンドルのフックに掛け、このクランクハンドルに1本の連結材の下側端部を回転可能に固定し、前記1本の連結材の上側端部に、その連結材の両側に設置した2本のアームバーの内側端部を回転可能に接続し、固定されたそれぞれの突起軸によって、長さ方向に遊び空間がある前記2本のアームバーの中央部を、横移動と回転が可能な支点として支持し、前記クランクハンドルを回して前記ゴム紐を捩じり、その後捩じった前記ゴム紐の戻りによる回転運動を前記クランクハンドルにより前記1本の連結材の上下運動に変換し、前記1本の連結材の上下運動を前記2本のアームバーの外側端部を上下に振る外振り運動に変換することを特徴とする外振り装置。
【請求項2】
前記ゴム紐の一端部を固定する代わりにクランクのフックに掛け、前記クランクハンドルを一時固定したうえで前記クランクを回して前記ゴム紐を捩じり、その後前記クランクを固定し、前記クランクハンドルの固定を解除して、捩じったゴム紐の戻りによって前記クランクハンドルと前記連結材を介してアームバーに外振り運動をさせることを特徴とする請求項記載の外振り装置。
【請求項3】
前記アームバーの外側に延長材を接続・固定して、前記延長材を上下に大きく振る外振り運動をさせることを特徴とする請求項又は請求項記載の外振り装置。
【請求項4】
ゴム紐の駆動力による外振り装置を用いた飛翔体であって、水平構造体の先端部の支持部にT型鉛直構造体の下側端部を鉛直に固定し、前記水平構造体の後端部に設けたフックにゴム紐の一端部を掛け、前記ゴム紐の他端部を前記水平構造体の支持部と前記T型鉛直構造体の下側端部を回転可能に貫通するクランクハンドルのフックに掛け、前記クランクハンドルに1本の連結材の下側端部を回転可能に接続し、前記連結材の上側端部の両側に設置した2本のアームバーの内側端部を回転可能に接続し、前記T型鉛直構造体の水平部の両端部に固定したそれぞれの突起軸によって、長さ方向に遊び空間があるアームバーの中央部を横移動と回転が可能な支点として支持し、さらに前記アームバーの外側に接着固定した主翼筋と、前記T型鉛直構造体の軸頂部に一端部を固定し前記水平構造体と同方向に設置した湾曲筋とに、三角形状の羽根本体を貼り付けた主翼と、前記水平構造体の後端部に三角状に固定した2本の尾翼筋に三角形状の羽根本体を貼り付けた尾翼とを、有する外振り飛翔体であり、前記クランクハンドルを回して前記ゴム紐を捩じり、その後捩じった前記ゴム紐の戻りによる回転運動を前記クランクハンドルにより前記1本の連結材の上下運動に変換し、更に前記1本の連結材の上下運動を前記2本のアームバーに接続した主翼筋を上下に振る外振り運動に変換して飛翔させることを特徴とする外振り飛翔体。
【請求項5】
前記T型鉛直構造体の軸頂部に一端部を固定した前記湾曲筋の他端部を前記湾曲筋が下側に湾曲するように下方に曲げることを特徴とする請求項記載の外振り飛翔体。
【請求項6】
前記水平構造体に設けた前記尾翼が、前記水平構造体に対し上側に角度を有するように固定することを特徴とする請求項又は請求項記載の外振り飛翔体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム紐の捩じり力によって鳥の羽ばたきのように内側に対し外側を大きく上下に振る外振り装置と、外振り装置によって飛翔する飛翔体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鳥のように羽ばたいて飛翔する飛翔体の実現には、羽根を羽ばたかせる方法が必要である。エンジンやモータを用いて羽ばたかせて飛翔させるものは実現されている。一方ゴム紐の駆動力によって羽ばたかせる方法についての提案はされているが(例えば特許文献1参照)、それによって実際に飛翔する飛翔体はあまり一般化されていない。この理由として、羽ばたき飛翔体を飛翔させるためには模型飛行機に比べより大きな揚力を必要とするため、ゴム紐の駆動力によってその揚力を発生させることが困難であったためと考えられる。このため、模型飛行機と同程度の簡単さで作れる効率的な羽ばたき装置とそれによる羽ばたき飛翔体の実現が期待されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−130049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鳥の羽ばたきのように内側に対し外側を上下に大きく振る外振り装置を実現し、この外振り装置を用いて鳥のように飛翔する飛翔体を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図1は本発明の外振り装置の概念図で側面を示したものである。この装置について以下説明する。
【0006】
この装置は、ゴム紐の捩じり部(図1のA部)とゴム紐の捩じりの戻りによる回転運動を上下運動に変換するクランク部(図1のB部)と、この上下運動に追随する内側の上下運動によって外側を振る外振り部(図1のC部))から成る。
【0007】
捩じり部では、一端部を固定したゴム紐1が他端部の回転により捩じられる。ゴム紐1の両端部はクランクハンドル2とクランク3のフックに掛けられている。クランクハンドル2はクランク軸2aとクランク軸2aに平行な操作部2bとクランク軸2aと操作部2aを直角に結ぶ半径部2cから成っている。クランク3を回してゴム紐1を捩じる場合にはクランクハンドル2は仮固定され、捩じり終わった後クランク3を固定し、クランクハンドル2の仮固定を解除してクランクハンドル2を回転させる。反対にクランクハンドル2によりゴム紐1を捩じる場合にはクランク3は固定され、捩じり終わった後クランクハンドル2を自由にするとクランクハンドル2は回転を始める。このクランクハンドル2の回転運動は以下のようにして連結材4の上下運動に変換される。
【0008】
クランク部では、連結材4がクランクハンドル2の操作部2bに回転可能に取り付けられ、捩じられたゴム紐1の戻りによりクランクハンドル2が回転すると、クランクハンドル2の回転により操作部2bが上下し、操作部2bの上下に追随して連結材4が上下する。操作部2bが上になると連結材4は上昇し(図1の実線参照)、操作部2bが下になると連結材4は下降する(図1の2点鎖線参照)。即ち、捩じられたゴム紐1の回転運動はクランク部で連結材4の上下運動に変換される。連結材4の上下運動は以下のようにしてアームバー5の外振り運動に変換される。
【0009】
外振り部では、連結材4の上端にアームバー5の内側端部がヒンジ4aにより回転可能に取り付けられ、アームバー5の中央部は突起軸5aによる支点で回転可能なヒンジ固定されている。連結材4が上昇するとアームバー5の外側端部が下がり(図1の実線参照)、連結材4が下降するとアームバー5の外側端部は上がる(図1の2点鎖線参照)。こうして連結材4の上昇下降運動はアームバー5の外振り運動に変換される。通常アームバー5の外側にはアームバー5より細い延長材6が接着固定され延長材6の外側端部は大きく上下に振られる。なお、図1では説明の便宜上、連結材4とアームバー5が正面を向くように表している。アームバー5は実際には図1の表示とは異なり、クランク軸2aに対し直角方向に延びるように取り付けられる。
【0010】
図2はクランク部の作用を説明するもので、図2(a)は側面を、図2(b)は正面を示している。捩じり部におけるゴム紐1はクランクハンドル2又はクランク3によって捩じられる。クランクハンドル2には摩擦を減少させるための球座2dが挿入されている(図2(a)参照)。捩じられたゴム紐1の戻りによりクランクハンドル2が回転し、操作部2bは円運動をし、連結材4は上下動する(図2(b)参照)。上下動の幅の大きさはクランクハンドル2の半径部2cの長さによる。
【0011】
図3は連結材4と外振り部の作用の説明図である。アームバー5の内側端部が連結材4の頂部にヒンジ4aにより回転可能に固定されている。アームバー5の中央部は突起軸5aによる支点でヒンジ固定されている。連結材4が上昇するとアームバー5の外側端部は下降し(図3(a)の実線参照)、連結材4が下降するとアームバー5の外側端部は上昇する(図3(a)の2点鎖線参照)。設置されたアームバー5に細い延長材6を接続固定することにより必要長さに調整することが出来る(図3b参照)。延長材6が長い場合には、内側に対し外側端部が上下に大きく振れる外振り運動を呈す(図3(b)の2点鎖線参照)。外振り構造の場合、4aの力点と5aの支点が接近しているため、外側が受ける力に対して内側の力点4aには大きな力が必要になる。このため大きな力を効率良く4aに伝達する方法が極めて重要になる。
【0012】
図4(a)はアームバー5の中央部が突起軸5aによる支点でヒンジ固定されている場合の連結材4の上昇・下降時の状態を示すものである。即ち操作部2bは、丸付き数字1→2→3→4のように回転運動をし、その時の連結材4の頂部のヒンジ4aの軌跡は、ヒンジ4aと突起軸5aの支点までの距離が一定であることから、クランクハンドル2の軸鉛直線(図4の2点鎖線)からはみ出し、図4(b)に示す丸付き数字1→2→3→4のような円弧状軌跡になる。
【0013】
図5(a)はアームバー5の中央部に突起軸5aを囲む横方向の遊び5bを設けて、突起軸5aを支点とした場合の連結材4の上昇・下降時のアームバー5の状態を示すものである。アームバー5は遊び5bにより突起軸5aに対し回転と左右の移動が可能となる。この場合、操作部2bの回転運動によって連結材4の頂部のヒンジ4aの軌跡は、クランクハンドル5の軸鉛直線(図5の2点鎖線)に沿った図5(b)に示す丸付き数字1→2→3→4のような直線軌跡になる。回転と左右の移動が可能なこの構造を以後「横移動可能なヒンジ構造」と称す。
【0014】
左右両方向に設けたアームバー5を鳥の羽ばたきのように同時に外振り運動させる場合について、図6に示す3種類の方法を説明する。図6はいずれもクランクハンドル2の操作部2bが最下点の時、即ち連結材4が最下降した時の連結材4とアームバー5の動作を示している。
【0015】
図6(a)はアームバー5の中央部を突起軸5aによるヒンジ構造の支点とし、アームバー5の内側端部と連結材4との連結部をヒンジ4aによる力点とする構造の場合である。図6(a)の構造では連結材4がクランクハンドル2のクランク軸2aの鉛直線からはみ出すため(図4(b)参照)、左右のアームバー5に対してそれぞれ別個の連結材4が必要となり、クランクハンドル2の操作部2bには2本の連結材4が回転可能に接続される。クランクハンドル2の回転に応じて2本の連結材4が上下運動する時、2本が接触し相互の摺動による摩擦が生ずる。
【0016】
特に、左右のアームバー5がその外側端部に力を受ける場合には、左右のアームバー5がクランク軸2a方向に振れ左右のアームバー5の直線性が崩れることが多いため左右のアームバー5に接続されている連結材4相互の接触は更に強くなり、外振り運動のスムーズな動きを阻害する大きな要因となる。このため、図6(a)では連結材4とアームバー5の接合点(ヒンジ4a)を少しずらしてアームバー5の内側端部同士が重ならないように構成し連結材4の接触摩擦を減少させる工夫をしているが上述の接触摩擦の影響は避けられない。
【0017】
図6(b)は図6(a)の支点と力点を逆にした構造、即ちアームバー5の中央部が力点で連結材4とヒンジ4aで接続され、アームバー5の内側端部を突起軸5aによるヒンジ構造の支点とする場合である。図6(b)の構造では、2本の連結材4の力点が大きく離れているため、図6(a)の場合に生じた2本の連結材4による接触摩擦は生じず、スムーズな外振り運動が可能である。しかし構造力学的にはアームバー5の外側に作用する外力に対し、図6(a)に比べ力点にはより大きな力が必要で、かつ力の方向がクランク軸2aの鉛直線に対して斜めであるため更に大きな力が必要になる。このため、クランクハンドル2には大きな回転力が必要になる。即ち図6(b)はスムーズな動作を可能にするがクランクハンドル2を回すのに大きな力を必要とする方法である。
【0018】
図6(c)は中央部に横方向の遊び5bを設けたアームバー5の中央部を突起軸5aによる横移動可能なヒンジ構造の支点とし、アームバー5の内側端部と連結材4との連結部をヒンジ4aによる力点とする場合である。図6(c)の構造では、連結材4の頂部がクランクハンドル2の軸鉛直線に沿って上下するため(図5参照)、1本の連結材4によって左右のアームバー5の外振り運動が可能となる。従ってクランクハンドル2の操作部2bには1本の連結材4が回転可能に接続される。図6(c)では、連結材4が1本であるから図6(a)のような2本の連結材4の接触摩擦は無く、又、図6(c)では、連結材4が図6(b)と異なりクランク軸2aの鉛直線に沿って上下するため、クランクハンドル2の力を極めて効率良くアームバー5に伝達することが出来る。即ち、図6(c)は、クランクハンドル2の回転力を減少させずに効率的に伝達できる機能性の高いシンプルな構造といえる。
【発明の効果】
【0019】
提案した外振り装置により外振り運動による各種玩具を創出することが出来る。例えば、最も機能性の高い図6(c)の外振り装置を利用すると、鳥の羽ばたきのように左右のアームバーの外振り運動によって揚力を発生させ飛翔する飛翔体の玩具を作ることが出来る。この例のように、本発明の外振り装置を利用することによって様々な玩具の可能性が広がる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】外振り装置の機能を説明するための側面図である。
図2】外振り装置のクランク部の機能の説明図である。
図3】外振り装置の外振り部の機能の説明図である。
図4】外振り装置のアームバーがヒンジ構造の場合の連結材頂部の軌跡の説明図である。
図5】外振り装置のアームバーが横移動可能なヒンジ構造の場合の連結材頂部の軌跡の説明図である。
図6】左右のアームバーを外振り運動させる3種類の方法の説明図である。
図7】実施例の外振り飛翔体の翼の平面図である。
図8】実施例の外振り飛翔体の構造側面図である。
図9】実施例の外振り飛翔体の主翼駆動部の説明図である。
図10】実施例の外振り飛翔体の主翼駆動部の主要パーツの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本実施例の飛翔体は、鳥の羽ばたきに相当する主翼の外振り運動によって生ずる揚力によって飛翔させるものである。飛翔体の飛翔性能を大きくするためには、自重を小さくすることと揚力を大きくするために強い外振り運動が必要不可欠であるが、さらに飛翔するのに有効な工夫も必要となる。強い外振り運動をさせるために、ゴム紐を太くして捩じり力を大きくすることが考えられるが、太くしたゴム紐やそれに対応する構造体の強化により自重が増えるため、必ずしも飛翔性能が大きくなるとは限らない。このように飛翔性能を高めるためには効率の良い外振り運動によって大きな揚力を発生させる方法が重要になる。
【0022】
このため飛翔体の外振り装置として、アームバー15を横移動可能なヒンジ構造とする図6(c)の方法が採用される。また実施例では軽量化のために、主要材料として木材が使用され、強度は大きくないが比重の小さいバルサ材が使用され、強度が必要な部分にはバルサ材に薄い竹材を貼り付けて直接補強する方法や構造的な工夫による強化策がとられる。又、外振り運動のために強度としなりを必要とする主翼の構造筋には細い竹ヒゴが使用され、主翼や尾翼には軽くて強い羽根本体が構造筋に接着される。羽ばたきによって飛ぶ鳥のように飛翔する飛翔体の実施例について以下図7乃至図10により説明する。
【0023】
図7は鳥のように飛翔する飛翔体の主翼21と尾翼22の平面図で、図8は飛翔体の構造を説明する構造側面図である。主翼21は左右に伸びる主翼筋16と、それらの中心即ちT型鉛直構造体8(図10(a1)参照)の軸頂部に水平構造体7と同方向に設置した湾曲筋10によって形成され、前記主翼筋16及び湾曲筋10の表面には三角形状の膜状の羽根本体21aが接着される。主翼筋16と湾曲筋10には細い竹ヒゴが使用され、羽根本体21aには極薄プラスチックフイルムが使用される。
【0024】
尾翼22は約90度の角度を有する2本の尾翼筋18と尾翼筋18の結合部を補強する三角材19で構成されている。外振り運動を必要としない尾翼22は主翼21とは異なり尾翼筋18と三角材19には比重の小さいバルサ材が使用される。三角形状の膜状の羽根本体22aが尾翼筋18の表面に接着される。三角材19の裏面には薄い竹材によるテールビーム20の一端部が接着固定され、テールビーム20の他端部は水平構造体7の中ほどまで延ばされこの水平構造体7に接着固定され、ゴム紐11の捩じりによって曲げ作用を受ける水平構造体7を補強している。水平構造体7の後端部とテールビーム20の間には角度調整材20aが挟まれ、尾翼22は水平構造体7に対して上向きの設置角度θ2を持って接続される。
【0025】
水平構造体7の先端部の支持部7aにT型鉛直構造体8が接着固定されている。T型鉛直構造体8は斜め補強材9によって水平構造体7と一体化され構造的に強化されるとともに鉛直性を確保している。又、斜め補強材9はゴム紐11によって曲げ作用を受ける水平構造体7を構造的に補強する役割も担っている。T型鉛直構造体8のT型の水平部分には薄い水平竹材8a(図10(a2)参照)が接着され強度を高めている。T型鉛直構造体8の鉛直部の幅は細く破損には強くないが、衝突時の正面荷重に対してはその外部に位置するT型連結材14(図10(b)参照)で保護されている。T型連結材14はT型鉛直構造体8より幅が広いだけでなく薄い補強竹材14b(図10(b)参照)で補強され衝突や墜落等による正面荷重に対する強度を高めている。
【0026】
クランクハンドル12が水平構造体7の支持部7aと支持部7aに支持されているT型鉛直構造体8に回転可能に挿入されている。前記支持部7aは補強糸23が幾重にも巻かれその上に接着剤が塗布され補強されている。水平構造体7の後端部にはゴム紐11の一端部を掛ける針金製のフック状止め具13が固定されている。止め具13は水平方向に延びる取付部13aとこの取付部13aから下方に突出するフック部13bとから構成され、取付部13aは水平構造体7に沿って接触させた状態で補強糸23によって水平構造体7に巻きつけられ接着され固定されている。ゴム紐11の一端部は止め具13のフック部13bに掛けられ、他端部は針金製のクランクハンドル12のフックに掛けられている。ゴム紐11として輪ゴムが複数本使用されている。クランクハンドル12には摩擦減少用の2個のビーズ玉による球座12aが挿入されている。クランクハンドル12の手回し部分にはビーズ玉12bが挿入され内側の2個は回転可能に、端部の1個はT型連結材14が回転中に外れないように接着・固定されている。
【0027】
T型鉛直構造体8の軸頂部には前述したように湾曲筋10が水平状になるように湾曲筋10の先端が固定されている。湾曲筋10の表面には羽根本体21aが貼りつけられる。羽根本体21aが貼り付けられるとその自重により湾曲筋10は湾曲し、約10度の迎え角θ1が付けられる。迎え角θ1が不足する場合には人為的に付ける工夫が必要である。
【0028】
図10bに示すT型連結材14の鉛直部には前述したように薄い補強竹材14bが接着され補強されている。T型連結材14の下端はクランクハンドル12に回転可能には取り付けられているが、回転中に外れないようにクランクハンドル12の端部には前述したようにビーズ玉12bが接着・固定されている。
【0029】
図9は外振り飛翔体の主翼駆動部の説明図であり、図9(a)は平面を、図9(b)は正面を示している。図10(c)に示すアームバー15の一端部はT型連結材14の上端と止め板17(図10(d)参照)で挟みヒンジ軸14aで回転可能に取り付けられている。
【0030】
T型鉛直構造体8の水平部の両端にはアームバー15の支点となる突起軸15aが調整材8bを挟んで固定されている。アームバー15の中央部の細長い遊び15b(図10c参照)に突起軸15aが挿入され、アームバー15は横移動可能なヒンジ構造としてT型鉛直構造体8に支持される。アームバー15の外側にはアームバー15を延長するための細い主翼筋16が接着固定される。主翼筋16は飛翔体の自重と外振り運動により生ずる風圧に耐える強度が必要であり、材料として強度の大きい竹ヒゴが選択されている。
【0031】
飛翔体は以下のようにして鳥のように飛翔する。クランクハンドル12を手で回しゴム紐11を捩じる。飛翔体を水平に保ちクランクハンドル12から手を離すと、飛翔体は主翼筋16が羽ばたき運動を行い、主翼21の薄膜状の羽根本体21aがバタバタと音を発しながら飛翔する。飛翔距離や方向に関して、湾曲筋10の迎え角θ1や尾翼22の設置角度θ2、又はゴム紐11の太さ等による微調整が行われる。また、飛翔中の衝突や墜落によっても簡単に損傷や破損が生じないような構造になっているが、羽根本体21aや22aが破れた場合にはテープ等によって容易に補修が出来、又、構造部材の破損に対しても、構造部材が露出しているため破損個所を瞬間接着剤等により容易に復元補修することが出来る。このように本実施例の飛翔体は飛翔性能が大きいだけでなく、シンプルな構造により補修・補強が容易に出来ることも特徴である。
【符号の説明】
【0032】
A:捩じり部
B:クランク部
C:外振り部
θ1:実施例の湾曲筋の迎え角
θ2:実施例の尾翼の設置角度
1:ゴム紐
2:クランクハンドル
2a:クランクハンドルのクランク軸
2b:クランクハンドルの操作部
2c:クランクハンドルの半径部
2d:クランクハンドルの球座
3:クランク
4:連結材
4a:ヒンジ
5:アームバー
5a:突起軸
5b:遊び
6:延長材
7:実施例の水平構造体
7a:実施例の水平構造体の支持部
8:実施例のT型鉛直構造体
8a:実施例のT型鉛直構造体の水平竹材
8b:実施例の突起軸の調整材
9:実施例の斜め補強材
10:実施例の湾曲筋
11:実施例のゴム紐
12:実施例のクランクハンドル
12a:実施例のクランクハンドルの球座
12b:実施例のクランクハンドルのビーズ玉
13:実施例の止め具
13a:実施例止め具の取付部
13b:実施例止め具のフック部
14:実施例のT型連結材
14a:実施例のヒンジ軸
14b:実施例のT型連結材の補強竹材
15:実施例のアームバー
15a:実施例の突起軸
15b:実施例の横方向の遊び
16:実施例の主翼筋
17:実施例のアームバーの止め板
18:実施例の尾翼筋
19:実施例の三角材
20:実施例のテールビーム
20a:実施例の角度調整材
21:実施例の主翼
21a:実施例主翼の羽根本体
22:実施例の尾翼
22a:実施例尾翼の羽根本体
23:実施例の補強糸

【要約】
【課題】
駆動ゴム紐の捩じりの戻り反力により鳥の羽ばたきの様に外側端部を上下に振る外振り装置を実現し、この外振り装置を用いて鳥のように飛翔する飛翔体を実現することを課題とする。
【解決手段】
外振り装置は、一端部を固定したゴム紐の他端部をクランクハンドルのフックに掛け、このクランクハンドルに2本の連結材の下側端部を回転可能に接続し、前記2本の連結材の上側端部に、その2本の連結材の外側に設置した2本のアームバーの内側端部をそれぞれ回転可能に接続し、固定されたそれぞれの突起軸によって、前記2本のアームバーの中央部を回転が可能な支点として支持し、前記クランクハンドルを回して前記ゴム紐を捩じり、その後捩じった前記ゴム紐の戻りによる回転運動を前記クランクハンドルにより前記2本の連結材の上下運動に変換し、前記2本の連結材の上下運動を前記2本のアームバーの外側端部を上下に振る外振り運動に変換することを特徴とする。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10