(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232561
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】補助装置及び液体クロマトグラフィシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 30/86 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
G01N30/86 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-103221(P2013-103221)
(22)【出願日】2013年5月15日
(65)【公開番号】特開2014-224713(P2014-224713A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2016年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】513069271
【氏名又は名称】日本プライスマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(72)【発明者】
【氏名】吉 赫哲
(72)【発明者】
【氏名】中島 晋也
【審査官】
高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−333438(JP,A)
【文献】
特開2005−043069(JP,A)
【文献】
実開平06−016379(JP,U)
【文献】
特開平10−125277(JP,A)
【文献】
特開2009−226181(JP,A)
【文献】
特開2008−082935(JP,A)
【文献】
特開2004−166555(JP,A)
【文献】
米国特許第05147551(US,A)
【文献】
Bottle Lift System Demo,The Bottle Lift System,米国,iAutomation,2013年 2月 1日,[検索日:2016年12月26日],URL,http://www.youtube.com/watch?v=gJGmZAtHVr8 (検索日2016/11/08)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/02−30/86
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユニットが縦に積み上げられて構成される液体クロマトグラフィ装置を補助する補助装置であって、
前記液体クロマトグラフィ装置が設置されるベース板と、
前記ベース板に固定され前記液体クロマトグラフィ装置を超える高さを有する支柱と、
溶媒の容器を収納するトレイと、
前記支柱に固定され、前記ベース板の高さと、前記液体クロマトグラフィ装置の上面の高さとの間で前記トレイを移動させる縦スライダと、
前記縦スライダにより前記液体クロマトグラフィ装置の上面の高さにある前記トレイを、前記液体クロマトグラフィ装置の上面上に進入及び退避可能に横方向に移動させる横スライダと、
前記縦スライダ及び前記横スライダを駆動して、前記トレイの位置を制御する制御部と、
を備え、
前記支柱に、前記各ユニットを固定するための固定部が設けられており、
前記トレイが前記液体クロマトグラフィ装置の上面にあるときに、前記トレイは、前記ベース板との間で、前記液体クロマトグラフィ装置を挟み込む、
補助装置。
【請求項2】
前記支柱には、前記固定部として、前記各ユニットをベルトで締結する締結部が設けられている、
請求項1に記載の補助装置。
【請求項3】
前記ベース板には、最下方のユニットの底面に対する滑り止めが形成されている、
請求項1又は2に記載の補助装置。
【請求項4】
前記トレイの底面に、前記容器に対する滑り止めが形成されている、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の補助装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の補助装置と、
複数のユニットが縦に積み上げられて構成された液体クロマトグラフィ装置と、
を備える液体クロマトグラフィシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、補助装置及び液体クロマトグラフィシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフィ装置は、ポンプ、サンプル注入部、カラム、検知器などの各ユニットを組み合わせて、溶媒を移動相として、液体試料の成分を分離分析する装置である。液体クロマトグラフィ装置では、省スペース化等の観点から、各ユニットが縦に積み上げられて構成されている(例えば、特許文献1等参照)。各ユニットが縦に積み上げられている場合、溶媒の容器は、一番上に置かれるのが一般的である。ポンプの圧力が弱い場合、溶媒の容器がポンプよりも下にあると、溶媒をカラムに送ることが困難になるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−102269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、溶媒の容器は、装置の上部、すなわち一番高い位置に置かれるようになる。従来は、作業者が、高い位置に置かれた容器を手にとって作業を行っていた。しかしながら、高い位置に容器を設置等するのは、作業者にとって煩雑な作業となるため、作業効率が低下する。また、毒性の強い溶媒が用いられることがあることも考えると、この作業は、作業者の安全性にとって決して望ましいことではない。このようなことから、現状では、決して作業性の高い状態で液体クロマトグラフィ装置を用いた分離分析が行われているとは言えなかった。
【0005】
一方、東日本大震災等の大地震では、縦に積み上げられた各ユニットが崩れ、甚大な被害が発生したことが報告されている。そこで、液体クロマトグラフィ装置に、このような地震に対する耐震構造を持たせることが急務となっている。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、作業性及び耐震性を高めることができる補助装置及び液体クロマトグラフィシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る補助装置は、
複数のユニットが縦に積み上げられて構成される液体クロマトグラフィ装置を補助する補助装置であって、
前記液体クロマトグラフィ装置が設置されるベース板と、
前記ベース板に固定され前記液体クロマトグラフィ装置を超える高さを有する支柱と、
溶媒の容器を収納するトレイと、
前記支柱に固定され、前記ベース板の高さと、前記液体クロマトグラフィ装置の上面の高さとの間で前記トレイを移動させる縦スライダと、
前記縦スライダにより前記液体クロマトグラフィ装置の上面の高さにある前記トレイを、
前記液体クロマトグラフィ装置の上面上に進入及び退避可能に横方向に移動させる横スライダと、
前記縦スライダ及び前記横スライダを駆動して、前記トレイの位置を制御する制御部と、
を備え、
前記支柱に、前記各ユニットを固定するための固定部が設けられて
おり、
前記トレイが前記液体クロマトグラフィ装置の上面にあるときに、前記トレイは、前記ベース板との間で、前記液体クロマトグラフィ装置を挟み込む。
【0008】
この場合、前記支柱には、前記固定部として、前記各ユニットをベルトで締結する締結部が設けられている、
こととしてもよい。
【0009】
また、前記ベース板には、最下方のユニットの底面に対する滑り止めが形成されている、
こととしてもよい。
【0010】
また、前記トレイの底面に、前記容器に対する滑り止めが形成されている、
こととしてもよい。
【0011】
また、本発明の第2の観点に係る液体クロマトグラフィシステムは、
本発明の補助装置と、
複数のユニットが縦に積み上げられて構成された液体クロマトグラフィ装置と、
を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、溶媒の容器を、自動的に液体クロマトグラフィ装置の上部に設置することができるので、作業効率及び作業の安全性、すなわち作業性を高めることができる。また、複数のユニットをそれらが設置されたベース板に固定された支柱に固定することができるので、各ユニットの積み上げが崩れるのを防止して耐震性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施の形態に係る液体クロマトグラフィ装置に用いられる補助装置の斜視図である。
【
図2】
図1の補助装置を備える液体クロマトグラフィシステムの斜視図である。
【
図5】
図2の液体クロマトグラフィシステムにおける作業手順(その1)を示す図である。
【
図6】
図2の液体クロマトグラフィシステムにおける作業手順(その2)を示す図である。
【
図7】
図2の液体クロマトグラフィシステムにおける作業手順(その3)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1及び
図2には、本実施の形態に係る液体クロマトグラフィ装置150に用いられる補助装置100の斜視図が示されている。
図1には、補助装置100のみが示され、
図2には、補助装置100と液体クロマトグラフィ装置150とを備える液体クロマトグラフィシステム200が示されている。
【0016】
図1及び
図2に示すように、補助装置100は、複数のユニットが縦に積み上げられて構成される液体クロマトグラフィ装置150を補助する装置である。
【0017】
ベース板1には、液体クロマトグラフィ装置150が設置される。ベース板1は、例えば作業机の面上に例えばねじ止めにより固定されている。これにより、地震等により、ベース板1が面上を移動するのが防止される。ベース板1は、床面や棚面に設置されるようにしてもよい。
【0018】
支柱2は、ベース板1から縦方向に延びている。支柱2は、例えば、溶接などにより、ベース板1に固定されている。これにより、地震等により、支柱2が倒れるのが防止されている。支柱2は、液体クロマトグラフィ装置150を超える高さを有する。
【0019】
トレイ3は、溶媒の容器15を収納する。トレイ3の外縁部には側壁が設けられており、中の容器15がトレイ3から落ちるのが防止されている。また、トレイ3の底面に、容器15に対する滑り止め20が形成されている。
【0020】
縦スライダ4は、例えば、ねじ止め等により、支柱2に固定されている。縦スライダ4の中には、縦方向に延びるボールねじが設置されている。このボールねじの駆動により縦方向に移動する部材は、横スライダ5と接続されている。
【0021】
横スライダ5の中には、横方向に延びるボールねじが設置されている。このボールねじの駆動により横方向に移動する部材は、トレイ3と接続されている。
【0022】
以上の構成により、縦スライダ4は、ベース板1の高さから、液体クロマトグラフィ装置150の上面の高さとの間でトレイ3を移動させる。また、横スライダ5は、トレイ3を、横方向に移動させる。
【0023】
図3には、補助装置100の制御系が示されている。
図3に示すように、この制御系は、制御部30を中心に構成されている。制御部30は、不図示のドライバ回路を介して、縦スライダ4のモータ11及び横スライダ5のモータ12を駆動して、トレイ3の位置を制御する。
【0024】
支柱2には、固定部として、液体クロマトグラフィ装置150各ユニットを固定するためのベルト締結部21が設けられている。
【0025】
より具体的には、支柱2には、液体クロマトグラフィ装置150の各ユニットをベルトで締結するベルト締結部21が複数設けられている。各ベルト締結部21は、ユニット毎に設けられている。
図4に示すように、各ユニットを保持するベルト23をベルト締結部21で締結することにより、各ユニットが、積み上げ状態からずれるのが防止される。
【0026】
また、ベース板1には、最下方のユニットの底面に対向する位置に、ゴム状の滑り止め20が形成されている。滑り止め20は、ユニットの4つの脚部をはめ込んで、その脚部がずれるのを抑制し、ユニットが横方向に動かないようにしている。
【0027】
次に、補助装置100の動作について説明する。ここでは、補助装置100を用いた作業手順について説明する。
【0028】
図5に示すように、最初に、トレイ3は、液体クロマトグラフィ装置150の横で、ベース板1の高さに位置している。この状態で、作業者は、溶媒の容器15のセッティングを行う。容器15は低い位置にあるため、作業者は作業を行い易くなっている。
【0029】
続いて、制御部30は、縦スライダ4を駆動(モータ11を駆動)して、トレイ3を、
図6に示す位置に上昇させる。さらに、制御部30は、横スライダ5を駆動(モータ12を駆動)して、トレイ3を、
図7に示す位置に移動させる。これにて、容器15の設置が完了し、液体クロマトグラフィ装置150を用いた分析が可能となる。
【0030】
分析終了後、制御部30は、横スライダ5を駆動して、
図7に示す位置から、
図6に示す位置に移動させ、次いで、制御部30は、縦スライダ4を駆動して、
図6に示す位置から、
図5に示す位置に移動させる。この位置で、容器15の取り外しが容易に行われる。
【0031】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、溶媒の容器15を、自動的に液体クロマトグラフィ装置150の上部に設置することができるので、作業効率及び作業の安全性、すなわち作業性を高めることができる。また、複数のユニットをそれらが設置されたベース板1に固定された支柱2に固定することができるので、各ユニットの積み上げが崩れるのを防止して耐震性を高めることができる。
【0032】
具体的には、各ユニットは、それぞれベルト23で締結され、特に、最下方のユニットの底面も滑り止めでその横方向の移動が制限されている。これにより、すべてのユニットを固定して、各ユニットがすべり落ちるのを防止することができる。
【0033】
また、溶媒の容器15を収納するトレイ3の底面にも滑り止め20が敷かれている。これにより、溶媒の容器15が、倒れたり、トレイ3から落ちたりするのを防ぐことができる。
【0034】
なお、上記実施の形態では、縦スライダ4及び横スライダ5を、ボールねじで構成したが、本発明はこれには限られない。例えば、縦スライダ4及び横スライダ5を、リニアモータで構成するようにしてもよい。
【0035】
また、液体クロマトグラフィ装置150の各ユニットをベルトではなく、ねじ止めにより支柱2に固定するようにしてもよい。また、ベース板1と、最下方のユニットとを、ねじ止めするようにしてもよい。
【0036】
なお、液体クロマトグラフィ装置150の高さや幅のサイズは、各メーカによって様々である。支柱2の高さや縦スライダ4、横スライダ5のストロークは、複数のメーカの液体クロマトグラフィ装置150のサイズに適合するようになっているのが望ましい。
【0037】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、液体クロマトグラフィ装置に用いられるのに好適である。
【符号の説明】
【0039】
1 ベース板
2 支柱
3 トレイ
4 縦スライダ
5 横スライダ
11 モータ
12 モータ
15 容器
20 滑り止め
21 ベルト締結部
22 滑り止め
23 ベルト
30 制御部
100 補助装置
150 液体クロマトグラフィ装置
200 液体クロマトグラフィシステム