(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体ケースと、原料を吐出する吐出口を有する充填ノズルと、前記原料を前記充填ノズルに供給する原料供給ポンプと、ポンプ駆動モーターと、前記原料が充填された充填ケーシングを前記吐出口から吐出される前記原料の吐出方向に搬送する搬送装置と、を有する充填装置であって、
前記原料供給ポンプの上方には、上方から原料が投入されるホッパーを有し、
前記原料供給ポンプ、前記ポンプ駆動モーター及び前記ホッパーは、前記充填ノズルと前記搬送装置が設けられた前記本体ケースに設けられ、
前記本体ケースは、一つの箱状のもので、
前記充填ノズル及び前記搬送装置は、前記本体ケースの上部に設けられており、
前記ホッパーは、平面視で前記充填ノズルと重なり、前記搬送装置と重ならなく、
前記原料供給ポンプから送られる原料は、原料供給管を介して前記充填ノズルに送られて自動充填されることを特徴とする充填装置。
前記ホッパーは、円錐状または多角錐状で、前記ホッパーの底部材には前記原料供給ポンプのポンプ室に連通する下部開口を有し、前記下部開口は、平面視で前記本体ケースの上面に位置することを特徴とする請求項1に記載の充填装置。
前記原料供給ポンプのポンプ室を低圧にするための真空ポンプと、前記ポンプ室及び前記真空ポンプを連結する連結管上に設けられ、吸引される前記原料を捕捉するトラップとを有し、前記トラップは、前記本体ケースの作業者側の側面に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の充填装置。
前記原料供給管は、前記原料供給ポンプの原料送出口に着脱自在であり、手動充填時、前記原料供給管を取り外し、前記原料送出口に手動用充填ノズルを取り付けて手動充填することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の充填装置。
前記充填ノズルを用いる自動充填時と前記手動充填ノズルを用いる手動充填時での作業者の作業位置は、前記本体ケースを挟んで反対側であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の充填装置。
【実施例】
【0032】
以下、図を参照して本願発明の実施例について説明する。なお、
図2においてシリンダー収納箱32側を後方側とし、ピンチャー装置60側を前方側とし、シリンダー収納箱32からピンチャー装置60にかけての方向を前後方向(本体ケースの長辺方向であって、紙面の左右方向)とし、その前後方向に直交する方向を奥行き方向(本体ケースの短辺方向であって、紙面の上下方向)とし、その手前を手前側(作業者Sがいる側)とし、その奥を奥側(作業者Sと反対側)とする。
【0033】
充填装置20は、箱状の本体ケース21を有する。本体ケース21はその底部に脚22及びストッパ23を有する移動可能なもので、本体ケース21の上面24(以下、単に上面24という。)は略矩形状で、後方側から前方側に向かってシリンダー収納箱32、充填ノズル30、充填ノズル回転装置40、ケーシング供給装置45、制動機構55及び搬送装置であるピンチャー装置60が配置され、原料を自動充填する。
【0034】
また、充填ノズル30の奥側の上面24上には原料投入口であるホッパー71が配置され、更に、ホッパー71の下方には原料供給ポンプ70が配置される。
【0035】
本体ケース21内には、制御箱25、駆動モーター26、ピンチャー用駆動モーター27、ポンプ駆動モーター28及び真空ポンプ29が配置される。
【0036】
前記制御箱25は、その内部に演算処理装置及びメモリ等を有する制御装置を有し、原料供給ポンプ70、充填ノズル30、制動機構55及びピンチャー装置60等の駆動機構を制御する。
【0037】
前記駆動モーター26は、両端に駆動軸26a、26bを有し、それぞれの駆動軸26a、26bはプーリ及びベルトを介して充填ノズル回転装置40及び制動機構55に連結し、設定される所定回転数で充填ノズル30及び制動機構55を回動する。
【0038】
前記ピンチャー用駆動モーター27は、同様にプーリ及びベルトを介してピンチャー装置60に連結し、設定される所定回転数でピンチャー装置60を回動する。
【0039】
前記ポンプ駆動モーター28は歯車を介して原料供給ポンプ70に連結し、設定される所定回転数で原料供給ポンプ70を回動する。
【0040】
前記真空ポンプ29は、真空ポンプ29に直結される真空ポンプ駆動用モーター29aにより設定される所定回転数で回動される。
【0041】
上面24上に設けられる各部材について説明する。前記シリンダー収納箱32は、本体ケース21の後方側に前後方向に設けられる断面矩形状の細長い箱状の部材で、内部に充填ノズル用エアシリンダー33及びケーシング押し用エアシリンダー34が配置される。
【0042】
それぞれの配置位置は、充填ノズル用エアシリンダー33及びケーシング押し用エアシリンダー34ともに前後方向であって、且つ充填ノズル用エアシリンダー33が上方で、ケーシング押し用エアシリンダー34がその直下である。このような配置にすることにより本体ケース21の奥行き方向の長さを短くできる。
【0043】
また、
図1に示すようにシリンダー収納箱32は、その後端部32aが本体ケース21の後方端21aより後方側に突き出ている。このような形態にすることにより、本体ケース21の前後方向の長さを短くすることができる。
【0044】
前記充填ノズル30は、シリンダー収納箱32の前方側に設けられる丸パイプ状の直管部材であり、前後方向且つ水平に設けられ、その一端は接続部材であり、請求項3の接続部材に相当する回転継手31を介して前記充填ノズル用エアシリンダー33のシリンダーロッド33aに連結される。そして、充填時には充填ノズル用エアシリンダー33は回転継手31とともに充填ノズル30を前方側に押し、1本のケーシングへの充填が終わると充填ノズル用エアシリンダー33は回転継手31とともに充填ノズル30を後方側の初期位置である
図1及び
図2の位置に戻す。そして、充填ノズル30の初期位置では接続部材である回転継手31は、平面視でポッパーの大径端71aの領域内に位置する。
【0045】
充填ノズル30の他端には吐出口30a(
図3参照)を有し、原料供給ポンプ70から押し出される原料を、充填ノズル30の外周上に装着される空の収縮ケーシング35の前方の一枚状ケーシング35aの前端部内に供給する。
【0046】
前記ケーシング押し用エアシリンダー34の前方側にはケーシング押し37が連結される。ケーシング押し37は、充填ノズル30の直下で前後方向に配置される部材であり、押しロッド37a及び押し部材37bを有する(
図3参照)。
【0047】
押しロッド37aの後方端はケーシング押し用エアシリンダー34の前方端に連結し、押しロッド37aの前方端には押し部材37bが連結される。押し部材37bは、その先端に充填ノズル30の外周が挿入する嵌合穴37bbを有する。
【0048】
そして、ケーシング押し37は、収縮ケーシング35に原料を充填する際、収縮ケーシング35の後端部35bに当接し、ケーシング押し用エアシリンダー34の作用により収縮ケーシング35を前方側に押して1本の収縮ケーシング35の全てに原料が効率的に充填されるように補助する。
【0049】
ケーシング押し37の位置を検知する図示しない検出装置が用意されており、ケーシング押し37が所定距離前進すると1本の収縮ケーシング35の全てが使用されたと判断し、充填ノズル用エアシリンダー33及びケーシング押し用エアシリンダー34を駆動して充填ノズル30及びケーシング押し37を後方側に移動する。その後、ケーシング供給装置45が駆動し、後退した充填ノズル30の軸心X−X上(
図3のX−X方向)に新たな収縮ケーシング35をセットする。
【0050】
前記充填ノズル回転装置40は、シリンダー収納箱32の前方側に設けられる部材で、その内部に充填ノズル30が侵入する図示しない開孔を有している。そして、前記駆動モーター26の駆動軸26aにプーリ、ベルト及びクラッチを介して連結され、充填ノズル30が充填ノズル用エアシリンダー33により前記開孔内を前方側に充填位置まで押されるとクラッチが係合し、充填ノズル30を設定される所定の回転数で回動する。
【0051】
充填ノズル回転装置40とケーシング供給装置45との間には、充填ノズル30を支持するノズル支持ケーシング42が設けられる(
図10参照)。このノズル支持ケーシング42は、内部空間42aを有しており、充填ノズル30は内部空間42aを通って前後方向に貫通している。
【0052】
また、ノズル支持ケーシング42は、奥側から手前側に開口する貫通口42bを有し、この貫通口42bには原料供給管75の一端が嵌合しクランプ42cにより固定される。そして、充填ノズル30が充填位置に移動すると、充填ノズル30の側面に設けられる図示しない開孔が内部空間42aに位置し、原料供給管75を介して送られる原料はこの開孔より充填ノズル30内に供給される。
【0053】
なお、本発明の原料供給管75は、従来例のものに比べその長さが大幅に短縮されるため、原料供給途中で原料の肉質が変質したり、原料供給管内の送肉圧力低下による原料送肉量の減少が生じたり、充填作業の終了後に原料供給管内に残る原料量が多くなり、その分原料が無駄になる弊害が防止でき、更に、原料供給管の取り外し、組付け及び洗浄が容易になる。
【0054】
即ち、原料供給管75は原料供給ポンプ70の原料送出口70cとノズル支持ケーシング42とを連結するものであり、略L字形状に曲がった形状を有している。充填装置20は原料供給ポンプ70とノズル支持ケーシング42とを共に本体ケース21に設け、両者の位置関係を一定に保つ構成を有している。そのために、充填装置20の作業場の床面に傾斜や凹凸があっても、原料送出口70cとノズル支持ケーシング42との間での高低差や奥行き方向の位置ズレが起きない。その結果、原料供給管75を原料送出口70cとノズル支持ケーシング42に容易に取付けることができ、毎日の充填装置20洗浄時の原料供給管75取外し・取付け作業が短時間で終了する。
【0055】
充填装置20は、下部開口72を本体ケース21の上面に位置させることによって、原料送出口70cからノズル支持ケーシング42迄の前後方向距離と、原料送出口70cから充填ノズル30迄の奥行き方向距離とが短く構成されていて、略L字形状に曲がった原料供給管75の総長さは短い。
【0056】
原料供給管75の長さが短く、原料供給管75内の送肉圧力の低下が少ないので、従来公知なギャポンプ式の計量ポンプ9を設けなくても、所要量の原料をケーシングに充填できる。また、原料の変質を起こす上記計量ポンプ9を設けていないので、品質の高いソーセージを製造できる。が、本願発明は計量ポンプ9を備えた充填装置にも適用できる。さらに、原料供給管75の長さが短いので、原料供給管75内での原料の変質を低減できたり、充填作業終了後の原料供給管75内に残る原料量が少なく、原料の無駄が減少する。
【0057】
前記ケーシング供給装置45は、ノズル支持ケーシング42の前方側に設けられ、充填ノズル30の外周上に自動的に新たな収縮ケーシング35を装着可能にする。その一例を
図5及び
図6に示す。
【0058】
ケーシング供給装置45は、ケーシングホッパー46、第1クランプ47、第2クランプ48、押圧片50及びクランプ用エアーシリンダー51を有する。
【0059】
前記ケーシングホッパー46は、奥側から手前側に向かって下がるように傾斜される収納部材であり、内部には複数個の空の収縮ケーシング35が収納される。
【0060】
前記第1クランプ47及び第2クランプ48はそれぞれV字状の頭部47a、48aを有し、それらV字状の頭部47a、48aは充填ノズル30の軸心X−Xに直交する奥行き方向(図の左右方向)に対向して配置される。そして、第1クランプ47は前記クランプ用エアーシリンダー51の手前側(図の左側)の端部に連結し、クランプ用エアーシリンダー51の奥側(図の右側)の端部は、一定の距離離れてシーソー状に揺動する押圧片50の一端に対向し、押圧片50の他端は第2クランプ48の奥側の端部に当接している。
【0061】
充填時には、クランプ用エアーシリンダー51は
図5の位置にあるが、充填中の1本の収縮ケーシング35が全て使い切られると上記したように充填ノズル30はケーシング供給装置45と充填ノズル回転装置40との間の初期位置まで軸心X−Xに沿って後退する。
【0062】
その後、クランプ用エアーシリンダー51は第1クランプ47を矢印で示すように奥側に移動するとともに、押圧片50の一端を奥側に押す。すると、押圧片50の他端は第2クランプ48を矢印で示すように手前側に押す。その結果、最下方にある収縮ケーシング35は、V字状の頭部47a、48aに挟まれる
図6の位置、即ち、充填ノズル30の軸心X−X上に位置することになる。
図6の状態の後、
図5の状態に戻る。
【0063】
前記制動機構55は、一枚状ケーシング35aを充填ノズル30と共に回動する部材で、
図3及び
図4に示すようにプーリー57及び制動部材58を有する。
【0064】
前記プーリー57は、回動可能で前記駆動モーター26によって駆動軸26bを介して回動される。また、プーリー57の中央下部開口内には制動部材58が挿入されプーリー57と共回りする。
【0065】
前記制動部材58は、中央に丸い下部開口を有する筒状の部材で、その下部開口の内周面には軸方向に伸びた複数のリブ状突起58aが等間隔で放射状に伸びている。そして、複数のリブ状突起58aの下部開口の内径は充填ノズル30の外径よりも大径とされており、収縮ケーシング35は、複数のリブ状突起58aと充填ノズル30の外周との間で引き伸ばされて一枚状ケーシング35aになる。
【0066】
搬送装置である前記ピンチャー装置60は、原料が充填された充填ケーシング36を狭窄して充填ノズル30の前方へ搬送するものである。ピンチャー装置60は、
図4に示すように一対の巻掛伝動手段61、61を平行に配置してなるもので、それぞれの巻掛伝動手段61、61は、駆動軸62と、従動軸63(
図1参照)と、駆動軸62と従動軸63との間に巻回されるチェーン64を有するとともに、チェーン64には複数個のラグ65と複数個のピンチャー部材66を有している。
【0067】
前記ラグ65は充填ケーシング36の外周を挟み込む部材であり、前記ピンチャー部材66は、充填ケーシング36を狭窄し端部を形成するとともに、その端部に捻りを生じさせるための断面略V字状の部材である。また、ピンチャー装置60は、回転数が可変可能なピンチャー用駆動モーター27により所望回転数で運転される。
【0068】
そして、平行に配置される一対の巻掛伝動手段61、61が回転すると、それぞれの巻掛伝動手段61、61の複数個のラグ65は、充填ケーシング36を挟み込む形態で前方側に進み、それぞれの巻掛伝動手段61、61の複数個のピンチャー部材66は、充填ケーシング36を狭窄し端部を形成する。その結果、充填ノズル30及び制動機構55の回転によりその狭窄箇所に捻り部が形成される。
【0069】
尚、本実施例装置のピンチャー装置60は、充填ケーシング36を充填ノズル30の吐出口30aから吐出される原料の吐出方向に搬送する搬送装置の一例である。本願発明の搬送装置は前記ピンチャー装置60に限定されない。例えば、特許文献1に開示されたコンベア手段36のようにリンクを形成しない構成であってもよいし、特開平2−268638号公報に開示された装置のように絞り部材と搬送ベルトとが別体で設けられた構成のソーセージリンク形成装置であってもよい。
【0070】
前記したように上面24上にはホッパー71が配置され、ホッパー71の下方には原料供給ポンプ70が配置される。
【0071】
前記ホッパー71は、円錐状部材711及び底部材712からなる。そして、円錐状部材711は薄板状で、その上部に円形の大径端71aを有する。また、円錐状部材711の下方は円形の小径端71bと、小径端71bから外方に突き出る円形のフランジ713を有する。なお、円錐状部材711は多角錐状、例えば4角錐状であってもよい。
【0072】
前記底部材712は、円錐状部材711のフランジ713に固定される肉厚の平面視正方形の部材であり、内部に上下に貫通する下方ほど絞られるテーパー状の連通孔714が設けられる。そして、連通孔714の下端は
図7に示すようにホッパー71の中心軸より偏心する形態で原料供給ポンプ70のポンプ室70aに連通する楕円状の下部開口72とされる(
図8参照)。なお、この下部開口72は請求項2の下部開口に相当する。
【0073】
ホッパー71の底部材712は原料供給ポンプ70のポンプ上部70d(
図9参照)に接触した状態で配置されており、底部材712に形成された下部開口72は原料供給ポンプ70上に位置している(
図8参照)。本願発明においては、上記したこの位置関係を「下部開口は、平面視で前記本体ケースの上面に位置する(請求項2参照)」という。
【0074】
また、底部材712の後方側の下方には、軸715が設けられており、
図1及び
図9に示すようにホッパー71を後方側に反時計方向に回動可能にしている。
【0075】
符号73はリフトアームであり、リフトアーム73はアーム部73a及びコ字状の載置部73bを有する。そして、コ字状の載置部73bに肉等の原料を入れたミートワゴン74を載せ、アーム部73aを図示しない油圧機構で時計方向に回動して大径端71aの上方から原料をホッパー71内に投入する。
【0076】
ところで、ポンプ室70aは汚れるため洗う必要がある。そのため、ホッパー71は
図9に示すように軸715を介してリフトアーム73の載置部73b側(後方側)に反時計方向に傾けることができ、ホッパー71を傾けるとポンプ室70aが露出する。そこでポンプ室70a及びベーン70bを清掃する。
【0077】
このように、ホッパー71を本体ケース21とは反対側のリフトアーム73の載置部73b側に傾ける形態にすることにより、充填装置20の各部材に邪魔されることなく容易に傾動することができるとともに、ポンプ室70a及びベーン70bの清掃を容易にすることができる。
【0078】
また、本体ケース21を挟んでピンチャー装置60の反対側にリフトアーム73を設け、リフトアーム73を本体ケース21方向に時計方向に回動させる形態により、本体ケース21とアーム部73aまでの前後方向の長さの増加を最小にすることができる。因みに従来のものは
図14に示すように3590mmであったところ、本願発明のものは
図2に示すように2565mmにすることができた。
【0079】
前記原料供給ポンプ70は、肉等の原料を充填ノズル30に供給するものであり、ホッパー71の直下に設けられ、ポンプ室70a及び複数のベーン70bを有するベーンポンプである。そして、ポンプ室70aは水平方向に拡がり、ベーン70bの軸は垂直方向で、複数のベーン70bは軸から放射方向に伸びている。
【0080】
上記したように下部開口72は、ポンプ室70aに連通する。そのため、ホッパー71の原料は、下部開口72よりポンプ室70aに入り込みポンプ室70aの原料送出口70c(
図2及び
図10参照)より原料供給管75に送られる。なお、
図2に見えない複数のベーン70bを破線で示し、下部開口72直下の見える部分は実線で示している。
【0081】
そして、原料供給ポンプ70は、変速可能なサーボモーターである前記ポンプ駆動モーター28によって駆動され、所定の量の原料を充填ノズル30に送る。
【0082】
本願発明は、原料供給ポンプ70及び原料供給ポンプ70の駆動機構等を充填ノズル30と搬送装置(ピンチャー装置60)を設けた本体ケース21に設けること、即ち一体に組む込むこと、より具体的にはホッパー71のポンプ室70aに連通する下部開口72を本体ケース21の上面24に位置させることであり、更に具体的にはその下部開口72をできるだけ前方側に位置させることにより本体ケース21を小型化することである。
【0083】
即ち、より具体的には
図2に示すように平面視で下部開口72をシリンダー収納箱32より前方側に位置させたり、平面視で下部開口72をシリンダー収納箱32より前方側で且つ充填ノズル30の奥側(
図2では上方)に位置させるとよい。視点を変えると、ホッパー71の大径端71aを本体ケース21の後方端21aより前方側に位置させるとよい。
【0084】
更に視点を変えると、充填ノズル用エアシリンダー33とケーシング押し用エアシリンダー34を、平面視でホッパー71の大径端71aと底部材712との間の領域に配置し、そして、初期位置上の充填ノズル30と充填ノズル用エアシリンダー33のシリンダーロッド33aとの接続部材である回転継手31を平面視でホッパー71の大径端71aの領域内に位置させて本体ケース21の小型化させるとよい。前記充填ノズル用エアシリンダー33とケーシング押し用エアシリンダー34とを、サーボモータで駆動される公知のリニアアクチュエータに置き換えることができる。
【0085】
原料供給ポンプ70のポンプ室70aは、前記真空ポンプ29に連結管29bを介して連通されており、ポンプ室70aを低圧にして原料の流入を容易にしている。ところで、ポンプ室70aを真空ポンプ29で真空引きすると連結管29b内に原料の一部が侵入するため、その原料を捕捉するためのトラップ76が本体ケース21の側面であり作業者Sの作業位置側の側面に設けられる(
図1及び
図2参照)。
【0086】
このトラップ76は、内部に真空室761を有し、この真空室761内には真空ポンプ29に連通するメッシュのフィルター76b(
図11参照)を有し、その原料取出口を開閉する蓋は透明窓76a(
図11参照)である。そして、このトラップ76は、
図1及び
図2に示すように、作業者Sの作業位置近傍の本体ケース21の側面に配置される。そのため、作業者Sは移動することなくトラップ76に原料等が捕捉されているかを確認し、捕捉されていれば透明窓76aを開けて真空室761に溜まった原料等を取り出すことができる。なお、トラップ76の下流側には安全を期して第2トラップ29cが設けられる。
【0087】
上面24上には表示装置80が設けられる。この表示装置80は各種のスイッチ80a及び表示器80bを有し、作業者Sが起動のスイッチ80aを押すと充填装置20は充填作業を開始する。
【0088】
表示装置80は、直角状に湾曲しながら折れ曲がった支柱81と、支柱81の下端部であって上面24上に立設する回動軸82とを有している。そして、回動軸82の回動により表示装置80の表示器80b側を自動充填運転時の作業位置(
図2の位置)と手動充填運転時の作業位置(
図7の位置)とに変更することができる。
【0089】
そして、回動軸82は、
図2に示すように上面24の前方端21b近傍且つ奥側の他の部材がない角近傍に設けられる。更に、
図2に示すように自動充填運転時の表示装置80は本体ケース21の前方端21bより前方側に位置する。このような位置にすることにより、手動充填運転時の作業者Sの作業位置が前方側であっても回動させた後の表示装置80の確認が容易になる。別言すれば、作業台87を回動軸82近傍にまで前方側に寄せて配置することができ、本体ケース21の前後方向の長さの増加を抑えることができる。
【0090】
この表示装置80には、自動充填に必要なスイッチと手動運転に必要なスイッチが設けられており、作業者Sはそれぞれの運転位置で移動することなく操作し、操作時の状況を表示器80bで確認することができ、作業者Sの負担が低減する。
【0091】
充填装置20の自動充填について説明する。表示装置80の起動のスイッチ80aが押されると、充填ノズル用エアシリンダー33が作動し、充填ノズル30の吐出口30aがピンチャー装置60と制動部材58との間に移動し、その移動中に充填ノズル30の外周にケーシング供給装置45から収縮ケーシング35が装着される。
【0092】
また、ケーシング押し37がケーシング押し用エアシリンダー34によって押され、その押し部材37bは収縮ケーシング35の後端部35bを押す。同時に原料供給ポンプ70、充填ノズル30及び制動部材58が回動する。
【0093】
すると吐出口30aから収縮ケーシング35の一枚状ケーシング35aに向かって連続的に定量の原料が吐出される。原料が吐出されると、収縮ケーシング35は充填圧力によって制動部材58から前方に引き出されピンチャー装置60へ向かって移動する。
【0094】
ピンチャー装置60のピンチャー部材66が充填ノズル30の外周に接近し、吐出口30aの後方から前方に向かって移動してゆき、吐出口30aに近い位置にて充填ケーシング36の狭窄を開始する。
【0095】
ピンチャー部材66は駆動軸62を中心にした移動を続けて充填ケーシング36の狭窄を完了させた後、狭窄状態を保持したまま充填ケーシング36を軸線X方向(
図3参照)に沿って引っ張り前方へ搬送する。充填ケーシング36をピンチャー部材66で引っ張ると充填ノズル30上の収縮ケーシング35の前端部は、制動部材58の押圧作用を受けるとともに前方側に引き伸ばされて一枚状ケーシング35aとなって移動する。このように収縮ケーシング35は、前端部から引き伸ばされていく。
【0096】
そして、収縮ケーシング35の後端部35bは、ケーシング押し37によって引き伸ばされた収縮ケーシング35の長さ分が前方に押されて移動することになる。
【0097】
収縮ケーシング35の前端部は、制動部材58によって常に押し付けられているので、収縮ケーシング35の前端部は、制動部材58とともに回転し、充填ケーシング36の狭窄箇所に連続した捻りが与えられる。
【0098】
後続するピンチャー部材66による次なる狭窄が終了するまで、上記充填ケーシング36の捻りは続けられる。ピンチャー部材66は一定速度で連続移動を継続し、原料供給ポンプ70の作用により原料は吐出口30aから引っ張り出された一枚状ケーシング35a内に連続的に吐出されており、充填ケーシング36が連続して形成されてゆく。
【0099】
上記動作が継続し、収縮ケーシング35の全てが引き伸ばされると、制御装置は、原料供給ポンプ70等の運転を停止させて充填を終了するとともに充填ノズル30及びケーシング押し37を後方側の初期位置に戻す。
【0100】
次いで、手動充填について説明する。上面24上の回動軸82の近傍には手動充填のための作業台87が設けられる。この作業台87は略矩形状の板状体で、原料供給管75と回動軸82との間で且つケーシング供給装置45の奥側であり、その一部が奥側に張り出す形態である。即ち、作業台87の位置は自動充填時に使用される部材がない箇所であり、その取付けが容易であり、且つ本体ケース21の大型化を低減することができる。
【0101】
まず、原料供給管75を取り外すことになる。その取り外しは、原料送出口70c側のレバー85を回動してその一端の係合を解除し、ノズル支持ケーシング42側のクランプ42cを緩めてその他端の係合を解除することにより行われる。このように原料供給管75は原料送出口70c及びノズル支持ケーシング42の貫通口42bに対して着脱自在である(
図10参照)。
【0102】
次いで、手動用充填ノズル86を用意し、その根元部を原料送出口70cに嵌合し、レバー85を回動して固定する。すると、手動用充填ノズル86は前後方向に位置するとともに、その先端の吐出口86aは作業台87の上方に位置するとともに、平面視で作業台87に重なる。その状態を
図12に示す。
【0103】
そして、作業者Sは作業台87の前に位置して作業することになる。この手動充填での作業者Sの位置は、自動充填の場合に比べ本体ケース21を挟んで反対側である。そのため、充填時の部材に邪魔されることなく手動作業を容易に行うことができる。
【0104】
手動用充填ノズル86が設置されると、手動用充填ノズル86は充填ノズル30と平面視で平行になる。そのため、本体ケース21の奥行き方向の長さの増加を最小限に抑えることができる。
【0105】
手動充填を行う際、ケーシング供給装置45のケーシングホッパー46を取り外し、そして表示装置80のスイッチ80a及び表示器80bを有する面を作業者S側になるように表示装置80を回動する。その状態を
図12に示す。作業者Sは手動用充填ノズル86に空の収縮ケーシング35を装着し、起動スイッチ80aを押す。
【0106】
すると、吐出口86aから原料が押し出されるので、充填ケーシング36を作業台87の上で巻ながら1本分全てを充填し、充填作業を停止する。作業者Sは充填ケーシング36を作業台87から取り除く。その後、別の装置によって必要な長さに捻って必要な長さのソーセージにすることになる。即ち、本充填装置20は、自動充填及び手動充填機能を有するハイブリッド式である。
【0107】
本願発明の自動充填とは、搬送装置によって充填ケーシングを搬送しながらケーシングに原料を充填することを言う。従って、収縮ケーシングの充填ノズルへの装着や、収縮ケーシングの後端部の押進を作業者が行なったとしても、搬送装置を使った充填であればそれは自動充填である。
【0108】
本願発明の原料供給ポンプはホッパーの下方に設けられて、ホッパーに連通してホッパー内に貯蔵したソーセージ原料を加圧移送できるポンプであれば、そのポンプの形式は限定されない。例えば、公知のベーンポンプ(例えば、特開平3-189391号公報に開示されているような)、公知のギャポンプ(例えば、特開昭63-33206号公報に開示されているような)、そして公知のネジポンプ(例えば、USP4370779公報に開示されているような)などを原料供給ポンプとして使用することができる。
【0109】
本願発明は、上記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能であり、例えば本願発明は充填ノズル及び/又は制動部材を回転させないもの、捻りのないストレート形状のソーセージ製品用の充填装置にも適用可能である。また、収縮ケーシングとして天然腸ケーシングを使用してもよい。