【実施例】
【0093】
以下、図面を用い、本願発明を具体的に説明する。
<活性樹脂組成物及びクリーム半田の調製>
・
調製例1〜38、並びに
調製比較例1及び2
表1〜4に示す配合組成に従い、各配合成分を均一に混合し、活性樹脂組成物(
調製例1〜18、
調製比較例1)及びクリーム半田(
調製例19〜38、
調製比較例2)、を調製した。
【0094】
表1〜4に、活性樹脂組成物及びクリーム半田の、粘度(Pa・s、25℃)、硬化開始温度(℃)、ブロックカルボン酸の解離温度(℃)を示す。
【0095】
【表1】
【0096】
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三井化学(株)製。
2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製。
3)4官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂、新日鉄化学(株)製。
4)3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂、住友化学(株)製。
5)ナフタレン型エポキシ樹脂、DIC(株)製。
6)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(50質量%)とビスフェノールF型エポキシ樹脂(50質量%)の混合物、新日鉄化学(株)製。
7)エトキシ安息香酸(40質量%)とアルキルジビニルエーテル(60質量%)の反応生成物。
8)グルタル酸(35質量%)とアルキルジビニルエーテル(65質量%)の反応生成物、日油(株)製。
9)シクロヘキサンジカルボン酸(35質量%)とアルキルジビニルエーテル(65質量%)の反応生成物、日油(株)製。
10)配合組成(wt%)錫96.5+銀3+銅0.5、平均粒径10μm及び最大粒径25μm(何れも、レーザー回折法、JIS Z8825−1)、三井金属(株)製。
11)ビスコテスターVT−04(リオン社製、2号ローター)。
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
12)スパイラル粘度計PCU−203(マルコム社製)。
【0099】
【表4】
【0100】
<部品が実装されたプリント配線板の製造>
・製造例1〜34、製造比較例1及び2
ランド(0.25mm角、銅箔製)を200個(2個×100対)備えた、プリント配線板(100mm角)を用意した。
【0101】
このプリント配線板全面に、ソルダーレジスト用インク(UV熱併用型硬化性樹脂)をスクリーン印刷(層厚30μm)した。開口部形成用マスクパターンを介し、露光硬化した。こうして、プリント配線板1上のソルダーレジスト2には、開口部3が100個、形成された(
図1A)。開口部3は、1対(2個)のランド4を取り囲む矩形(0.85mm×0.45mm)であり、各開口部3において1対のランド4が露出している(
図2)。
【0102】
開口部3全体に、活性樹脂組成物5をディスペンスにて塗布(塗布量2mg)した(
図1B)。
開口部3内の(1対の)各ランド4に対し、クリーム半田6をジェットディスペンスした(塗布量0.4mg)(
図1C)。
表5〜7に、用いた活性樹脂組成物とクリーム半田の、組合せを示す。
【0103】
部品7(計100個)を、開口部3内の(1対の)クリーム半田6上に、マウンターにて搭載した(
図1D)。部品7は、受光部品であり、幅0.8mm×奥行き0.4mm×高さ1.0mmであり、底面両端部に各ランド8(0.2mm角)(計2個)が設けられている。
【0104】
メッシュコンベアにて、リフロー装置(全長2.2m、タムラ製作所製、「TNR」)内を搬送させ、半田付け9を行なった(
図1E)。リフロー条件は、余熱温度(150〜180℃、30秒)、リフロー温度[220℃以上(ピーク温度245℃)、10秒]であった。
加熱(160℃、150分間)により、樹脂を完全硬化した。
【0105】
こうして、部品を実装したプリント配線板(各製造例1〜34、製造比較例1及び2)を作製した。
【0106】
・製造例35
ディスペンスの替わりに、スクリーン印刷にて、活性樹脂組成物5を塗布した以外は、製造例1と同様にして、部品を実装したプリント配線板を作製した。
【0107】
クリーム半田をジェットディスペンスする際、半田紛粒子がランド部表面上で跳ねず飛び散らなかった、ことを目視で確認した。
【0108】
リフロー後の高精細プリント配線板を目視で検査し、転倒や脱落等の不具合のあったLED部品の個数を数えたところ、0個であった。
【0109】
テスターを用いて部品ごとに短絡(ショート)の有無を検査したところ、ランド間の半田ブリッジは発生していなかった。
【0110】
・製造例36
ランド(幅0.6mm、奥行き0.3mm、銅箔製を200個(2個×100対)備えた、高精細プリント配線板(100mm角)を用意した。
【0111】
このプリント配線板全面に、ソルダーレジスト用インク(UV熱併用型硬化性樹脂)をスクリーン印刷(層厚30μm)した。開口部形成用マスクパターンを介し、露光硬化した。こうして、プリント配線板上のソルダーレジストには、開口部が100個、形成された。開口部は、1対(2個)のランドを取り囲む矩形(1.8mm×1.0mm)であり、各開口部において1対のランドが露出していた。
【0112】
開口部全体に、活性樹脂組成物(
調製例1)をディスペンスにて塗布(塗布量10mg)した。
【0113】
開口部内の(1対の)各ランドに対し、クリーム半田(
調製例19)を2か所ずつジェットディスペンスした(塗布量1.2mg)。
【0114】
部品(計100個)を、開口部内の(1対の)クリーム半田上に、マウンターにて搭載した。部品は、LED部品であり、幅1.6mm×奥行き0.8mm×高さ0.7mmであり、底面両端部に0.6mm×0.3mmの端子が設置されているものであった。
【0115】
メッシュコンベアにて、リフロー装置(全長2.2m、タムラ製作所製、「TNR」)内を搬送させ、半田付けを行なった。リフロー条件は、余熱温度[150〜180℃、30秒]、リフロー温度[220℃以上(ピーク温度245℃)、10秒]であった。
樹脂の加熱硬化(180℃、120分間)を、行った。
こうして、LED部品を実装した高精細プリント配線板を作製した。
【0116】
ジェットディスペンス後、ランド部上に塗布されたクリーム半田は、広がることなく、形状が保持されていた、ことを目視で確認した。
【0117】
クリーム半田をジェットディスペンスする際、半田紛粒子がランド部表面上で跳ねず飛び散らなかった、ことを目視で確認した。
【0118】
リフロー後の高精細プリント配線板を目視で検査し、転倒や脱落等の不具合のあったLED部品の個数を数えたところ、0個であった。
【0119】
テスターを用いて部品ごとに短絡(ショート)の有無を検査したところ、ランド間の半田ブリッジは発生していなかった。
【0120】
・製造比較例3
活性樹脂組成物のディスペンス塗布工程を省いた以外は、製造例1と同様にして、部品を実装したプリント配線板を作製した。
【0121】
クリーム半田をジェットディスペンスする際、半田紛粒子がランド部表面上で跳ねて周囲に飛び散る、ことを目視で確認した。
【0122】
リフロー後のプリント配線板を目視で検査し、転倒や脱落等の不具合のあった部品の個数を数えたところ、27個であった。
【0123】
・製造比較例4
ジェットディスペンスの替わりに、メタルマスクを用いたスクリーン印刷により、クリーム半田を塗布した以外は、製造例36と同様にして、LED部品を実装した高精細プリント配線板を作製した。
【0124】
印刷後にメタルマスクを外す際、活性樹脂組成物がメタルマスクに付着し、クリーム半田が転写されないランドが発生した。
【0125】
・製造比較例5
ランド(0.25mm角、銅箔製)を200個(2個×100対)備えた、プリント配線板(100mm角)を用意した。
【0126】
このプリント配線板全面に、ソルダーレジスト用インク(UV熱併用型硬化性樹脂)をスクリーン印刷(層厚30μm)した。開口部形成用マスクパターンを介し、露光硬化した。こうして、プリント配線板1上のソルダーレジスト2には、開口部3が200個、形成された(
図3A)。開口部3は、ランド4上に開口した矩形(直径0.2mm角)であり、各開口部3において1個のランド4が露出していた(
図4)。
【0127】
矩形開口部(0.25mm角、200個)を有するメタルマスクを、矩形開口部と開口部3とが重なるよう位置合わせし、ソルダーレジスト2上に載せた。メタルマスクを介して、クリーム半田6(
調製例19)をスクリーン印刷した(塗布量16mg)。これにより、ランド4上(開口部3内及び開口部端面周辺)が、クリーム半田6にて塗布された(
図3B)。
【0128】
部品7(計100個)を、マウンターにて、隣り合う2箇のクリーム半田6上に(跨るようにして)搭載した(
図3C)。部品7は、受光部品であり、幅0.8mm×奥行き0.4mm×高さ1.0mmであり、底面両端部に各ランド8(0.2mm角)(計2個)が設置されているものである。
【0129】
メッシュコンベアにて、リフロー装置(全長2.2m、タムラ製作所製、「TNR」)内を搬送させ、半田付けを行なった。リフロー条件は、余熱温度(150〜180℃、30秒)、リフロー温度[220℃以上(ピーク温度245℃)、10秒]であった。
こうして、部品を実装したプリント配線板を作製した。
【0130】
リフロー後のプリント配線板を目視で検査し、転倒や脱落等の不具合のあった部品の個数を数えたところ、18個であった。
【0131】
・製造比較例6
部品の搭載工程前に、(隣り合う)クリーム半田とクリーム半田の間のソルダーレジスト上に、チップ接着剤(弘輝社製、「JU−110」)をディスペンスにて塗布(塗布形状、直径0.1mm×高さ0.2mmの円柱)する工程を追加した以外は、製造比較例5と同様にして、部品を実装したプリント配線板を作製した。
【0132】
リフロー後のプリント配線板を目視で検査し、転倒や脱落等の不具合のあった部品の個数を数えたところ、14個であった。
【0133】
・製造比較例7
先ず、製造比較例5と同様にして、クリーム半田の塗布工程迄を、行った。
リフローを行ない、半田バンプを形成した。リフロー条件は、余熱温度(150〜180℃、30秒)、リフロー温度[220℃以上(ピーク温度245℃)、10秒]であった。
【0134】
半田バンプ上に、活性樹脂組成物(
調製例1)をディスペンスにて塗布(塗布量2mg)した。
【0135】
その後、部品の搭載以降の工程を、製造比較例5と同様にして行い、部品を実装したプリント配線板を作製した。
【0136】
リフロー後のプリント配線板を目視で検査し、転倒や脱落はなかったが、接続不良の不具合のあった部品の個数を数えたところ、100個すべてであった。
【0137】
・製造比較例8
クリーム半田6を、ジェットディスペンスの替わりに、ディスペンスにて塗布した以外は、製造例1と同様にして、部品を実装したプリント配線板を作製した。
【0138】
最初のディスペンス時に活性樹脂組成物がディスペンスノズルに付着し、2番目のランドからクリーム半田の吐出量が減少し、5番目のランドからはディスペンスノズルが詰まってしまい、クリーム半田の塗布が困難であった。
【0139】
<各種性能評価試験>
部品の実装工程途中において、又は部品が実装されたプリント配線板について、以下の各種性能評価試験を行った。試験結果を、表5〜7に示す。
【0140】
・部品の仮固定性
リフロー後のプリント配線板を目視で検査し、転倒や脱落等の不具合のあった部品の個数を数えた。
【0141】
・クリーム半田の形状保持性
ジェットディスペンス後、ランド部上に塗布されたクリーム半田の形状を、目視で検査した。表中、「○」は「広がることなく、形状が保持されていた」、「×」は「薄く広がってしまい、形状が保持されていなかった」、を示す。
【0142】
・半田紛の飛び散り防止性
クリーム半田をジェットディスペンスする際、半田紛粒子がランド部表面上で跳ねて周囲に飛び散るか否かを、目視で検査した。表中、「○」は「跳ねず飛び散らなかった」、「×」は「跳ねて飛び散った」、を示す。
【0143】
・接続不良防止性
部品が実装されたプリント配線板について、部品とランドの接続性、ランド間の短絡(ショート)の有無を、テスラーを用いて抵抗値を測定して、接続性を検査した。表中、「○」は「抵抗値が、部品の抵抗値の±20%以内の物」、「×」は「抵抗値が、部品の抵抗値の±20%を超える物」、を示す。
【0144】
・ボイド発生防止性
部品が実装されたプリント配線板について、部品の下に存在するボイドをX線顕微鏡を用いて100倍率で観察して、ボイドの発生の有無を検査した。表中、「○」は「直径10μm以上のボイドが無いもの」、「×」は「直径10μm以上のボイドが観察されたもの」、を示す。
【0145】
・ジェットディスペンス性
連続して400回ディスペンスを行い、塗布されたクリーム半田の直径のばらつきを検査した。表中、「○」は「ばらつきが±20%以内のもの」、「×」は「ばらつきが±20%を超えるもの」、を示す。
【0146】
【表5】
【0147】
【表6】
【0148】
【表7】
【0149】
表5〜7中、「活性樹脂組成物(
調製・
調製比較例No.)」又は「クリーム半田(
調製・
調製比較例No.)」欄において、数値のみの場合は
調製例No.を表し、「比」を付した数値は
調製比較例No.を表す。