特許第6232662号(P6232662)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232662
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】写真撮影遊戯機及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/53 20060101AFI20171113BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20171113BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20171113BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20171113BHJP
   G07F 17/26 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   G03B17/53
   G03B15/00 Q
   H04N5/222 500
   H04N5/232 190
   G07F17/26
【請求項の数】3
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-79906(P2013-79906)
(22)【出願日】2013年4月5日
(65)【公開番号】特開2014-202962(P2014-202962A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年1月27日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591237685
【氏名又は名称】株式会社メイクソフトウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100132506
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 哲文
(72)【発明者】
【氏名】那須 千晃
(72)【発明者】
【氏名】石田 裕之
【審査官】 川俣 洋史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−228888(JP,A)
【文献】 特開2005−070737(JP,A)
【文献】 特開2004−364219(JP,A)
【文献】 特開2008−278123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/53
G03B 15/00
G07F 17/26
H04N 5/222
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラとプリンタとを備えた写真撮影遊戯機であって、
顔が際立つように化粧しているときに適した画像処理が実行されることを示す情報を表示する第1選択ボタンと、ナチュラルな化粧をしている、または、化粧をしていないときに適した画像処理が実行されることを示す情報を表示する第2選択ボタンと、を表示手段に表示する選択ボタン表示手段と、
プレイヤが前記第1選択ボタンを選択した場合、第1のモードの選択を受け付け、プレイヤが前記第2選択ボタンを選択した場合、第2のモードの選択を受け付ける第1受付手段と、
目の大きさを示す複数のレベルから前記レベルの選択を受け付ける第2受付手段と、
前記プレイヤを前記カメラにより撮影して写真画像を生成する撮影制御手段と、
前記撮影制御手段で生成された前記写真画像に対し、前記第1受付手段で受け付けられた前記モードに応じた画像処理を施す画像処理手段と、を備え、
前記画像処理手段は、前記写真画像における被写体の少なくとも顔部分を前記画像処理の対象として、前記第1のモードの場合には、前記第1のモードに応じた第1の画像処理を施し、前記第2のモードの場合には、前記第2のモードに応じた第2の画像処理を施し、
前記第2の画像処理は、前記顔部分の少なくとも一部を、前記第1の画像処理を施す場合より強調する処理であり、
前記画像処理手段は、前記写真画像における被写体の顔部分における目の部分を、前記第2受付手段で受け付けられた前記レベルに応じた目の大きさに補正し、
前記受け付けられたレベルにおいて、前記第2の画像処理は、前記第1の画像処理による補正に対し、前記写真画像における前記被写体の目の大きさを大きくする補正を行う、写真撮影遊戯機。
【請求項2】
請求項1に記載の写真撮影遊戯機であって、さらに、
前記モード毎に、複数の合成用画像を記憶する記憶手段と、
前記第1受付手段で受け付けられた前記モードに対応する前記記憶手段内の前記複数の合成用画像から、前記写真画像と合成する前記合成用画像の選択を受け付ける第3受付手段と、
前記第3受付手段で受け付けられた前記合成用画像と、前記画像処理が施された前記写真画像とを合成して合成画像を生成する合成画像生成手段とを備える、写真撮影遊戯機。
【請求項3】
カメラとプリンタとを備えた写真撮影遊戯機のコンピュータに、
顔が際立つように化粧しているときに適した画像処理が実行されることを示す情報を表示する第1選択ボタンと、ナチュラルな化粧をしている、または、化粧をしていないときに適した画像処理が実行されることを示す情報を表示する第2選択ボタンと、を表示手段に表示するステップと、
プレイヤが前記第1選択ボタンを選択した場合、第1のモードの選択を受け付け、プレイヤが前記第2選択ボタンを選択した場合、第2のモードの選択を受け付ける第1受付ステップと、
目の大きさを示す複数のレベルから前記レベルの選択を受け付ける第2受付ステップと、
前記プレイヤを前記カメラにより撮影して写真画像を生成するステップと、
生成された前記写真画像に対し、前記第1受付ステップで受け付けられた前記モードに応じた画像処理を施す画像処理ステップとを実行させ、
前記画像処理ステップは、前記写真画像における被写体の少なくとも顔部分を前記画像処理の対象として、前記第1のモードの場合には、前記第1のモードに応じた第1の画像処理を施し、前記第2のモードの場合には、前記第2のモードに応じた第2の画像処理を施すステップを含み、
前記第2の画像処理は、前記顔部分の少なくとも一部を、前記第1の画像処理を施す場合より強調する処理であり、
前記画像処理ステップは、前記写真画像における被写体の顔部分における目の部分を、前記第2受付ステップで受け付けられた前記レベルに応じた目の大きさに補正するステップを含み、
前記受け付けられたレベルにおいて、前記第2の画像処理は、前記第1の画像処理による補正に対し、前記写真画像における前記被写体の目の大きさを大きくする補正を行う、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真撮影遊戯機及びその制御プラグラムに関し、さらに詳しくは、被写体を含む写真画像を生成する写真撮影遊戯機及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、好みの写りや背景画像等をユーザに選択させ、選択された写りとなるように撮影画像に画像処理を施し、選択された背景画像等を撮影画像と合成して写真画像を生成する写真撮影遊戯機が知られている。このような写真撮影遊戯機は、ユーザの好みを反映した写真画像をユーザに提供することができる。例えば、下記特許文献1では、写り選択画面で利用者が選択した「くっきり」「ふんわり」等の写りに応じた転写熱量で、編集済み画像が印刷されたシール紙にオーバーコート層を印刷することにより、利用者が好む写りの写真シールを提供する技術が開示されている。また、下記特許文献2では、撮影画像に合成する合成用画像(前景や背景画像)の色味を「パステル」「ビビッド」等に分類した色味群を利用者に選択させ、選択された色味群に属する合成用画像から利用者が選択した合成用画像を撮影画像に合成させる写真シール作成装置が開示されている。
【0003】
また、下記特許文献3には、ユーザの髪や服装等の色合いに応じて照明の光量や照射角度等を調整し、被写体の状況に応じた最適な照明環境で撮影することにより写りを良くする写真自動販売機が開示されている。また、下記特許文献4には、被写体画像において顔認識処理を行い、目、肌、髪の部分を見栄えが良くなるように自動補正を行う写真シール作成装置が開示されている。さらに、下記特許文献5には、撮影画像における被写体の目を自動的に強調する加工処理を行い、利用者の操作に応じて、被写体の目に施された加工処理を除去する写真シール作成装置が開示されている。また、下記特許文献6には、性別、大人又は子供、年代など、利用者の属性に応じて、被写体の顔部分に画像処理を施す画像編集装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−192574号公報
【特許文献2】特開2012−237956号公報
【特許文献3】特開2005−70737号公報
【特許文献4】特開2006−228036号公報
【特許文献5】特開2010−220211号公報
【特許文献6】特開2012−037735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1〜6のように、利用者が好む写りや仕上がりとなるように様々な提案が従来からなされている。しかしながら、従来は、被写体に対して施す画像処理を、被写体の装いや化粧の程度等のスタイルに関わらず一様に行ったり、上記特許文献5のように利用者操作に応じて画像処理を行わないようにするだけであった。例えば、写真撮影遊戯機を利用するプレイヤは、平日は、制服等を着用し、化粧をほとんどしていない場合があり、休日は、おしゃれをし、化粧をしっかりしている場合がある。日によって装いや化粧の程度等を変えるプレイヤにとっては、その日のスタイルが考慮された写りやデザインの画像が提供されることが望ましい。
【0006】
本発明の目的は、プレイヤのスタイルに応じた写りの画像を提供しうる写真撮影遊戯機及びその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態による写真撮影遊戯機は、カメラと、プリンタと、第1受付手段と、撮影制御手段と、画像処理手段とを備える。第1受付手段は、プレイヤのスタイルを表すモードの選択を受け付ける。撮影制御手段は、プレイヤをカメラにより撮影して写真画像を生成する。画像処理手段は、撮影制御手段で生成された写真画像に対し、第1受付手段で受け付けられたモードに応じた画像処理を施す。
【0008】
上記構成によれば、プレイヤのスタイルに応じたモードの選択を受け付け、選択されたモードに応じた画像処理が写真画像に対して施されるため、その日のプレイヤのスタイルに応じた写りの画像を提供することができる。
【0009】
また、写真撮影遊戯機において、第1受付手段は、第1のモード及び第2のモードのいずれかの選択を受け付け、画像処理手段は、写真画像における被写体の少なくとも顔部分を画像処理の対象とし、第1のモードの場合には、第1のモードに応じた第1の画像処理を施し、第2のモードの場合には、第2のモードに応じた第2の画像処理を施す。第2の画像処理は、被写体の顔部分の少なくとも一部を、第1の画像処理を施す場合より強調する処理であることとしてもよい。
【0010】
上記構成によれば、プレイヤのスタイルに応じて第1のモードと第2のモードのいずれかのモードが選択され、そのモードに応じて、第1の画像処理又は第2の画像処理が被写体の少なくとも顔部分に施される。第2のモードが選択された場合には、被写体の顔部分の少なくとも一部が第1のモードより強調される。従って、第2のモードを選択したプレイヤは、第1のモードを選択する場合より少なくとも顔の一部分が強調された画像を得ることが可能となる。
【0011】
写真撮影遊戯機は、さらに、第2受付手段を備えてもよい。第2受付手段は、目の大きさを示す複数のレベルからレベルの選択を受け付ける。画像処理手段は、写真画像における被写体の目の部分を、第2受付手段で受け付けられたレベルに応じた目の大きさに補正する。受け付けられたレベルにおいて、第2の画像処理は、第1の画像処理による補正に対し、写真画像における被写体の目の大きさを大きくする補正を行うこととしてもよい。
【0012】
上記構成によれば、プレイヤは目の大きさを示すレベルを選択することができる。また、選択されたレベルにおいて、第2の画像処理は、第1の画像処理による補正より目の大きさを大きくする。従って、第2のモードを選択したプレイヤは、第1のモードを選択する場合より目の大きさが大きく補正された画像を得ることが可能となる。
【0013】
写真撮影遊戯機は、さらに、記憶手段と、第3受付手段と、合成画像生成手段とを備えてもよい。記憶手段は、モード毎の合成用画像を記憶する。第3受付手段は、第1受付手段で受け付けられたモードに対応する記憶手段内の複数の合成用画像の中から、写真画像と合成する合成用画像の選択を受け付ける。合成画像生成手段は、第3受付手段で受け付けられた合成用画像と、画像処理が施された写真画像とを合成して合成画像を生成する。
【0014】
上記構成によれば、プレイヤはスタイルに応じたモードの合成用画像を選択することができる。そして、合成画像生成手段によって、少なくとも顔部分に対し、モードに応じた画像処理がなされた写真画像と、選択した合成用画像とが合成される。従って、プレイヤは、自分のスタイルに応じて画像処理された写真画像に、自分のスタイルに適した合成用画像とが合成された画像を得ることが可能となる。
【0015】
本実施形態による制御プログラムは、上記写真撮影遊戯機の各手段を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、写真撮影遊戯機を撮影ブース側から見た斜視図である。
図2図2は、図1中の写真撮影遊戯機のうち、事前接客ブースと、撮影ブースに含まれる正面筐体との斜視図である。
図3図3図1中の撮影ブース内の背面筐体の斜視図である。
図4図4は、図1中の編集装置の斜視図である。
図5図5は、写真撮影遊戯機1の機能ブロック図である。
図6A図6Aは、図1の写真撮影遊戯機で生成される通常アップ合成画像の一例を示す模式図である。
図6B図6Bは、図1の写真撮影遊戯機で生成される通常全身合成画像の一例を示す模式図である。
図7図7は、図1に示す写真撮影遊戯機の事前接客処理のフロー図である。
図8図8は、コース別の背景画像情報を例示した図である。
図9図9は、図1に示す写真撮影遊戯機の撮影処理のフロー図である。
図10図10は、図9中の写真撮影処理のフロー図である。
図11図11は、コース別の目の大きさのレベル情報を例示した図である。
図12A図12Aは、写真画像の一例を示す図である。
図12B図12Bは、図12Aに示す写真画像の被写体の目の大きさを調整した結果を例示した図である。
図12C図12Cは、図12Aに示す写真画像の被写体の目の大きさを調整した結果を例示した図である。
図13図13は、図1に示す写真撮影遊戯機の画像処理のフロー図である。
図14図14は、図1に示す写真撮影遊戯機の画像編集処理のフロー図である。
図15図15は、図14に示すフローにおいてディスプレイに表示される編集画面を例示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0018】
<<1.写真撮影遊戯機の構成>>
<1.1.全体構成>
図1は、写真撮影遊戯機1を撮影ブース2側から見た斜視図である。図1を参照して、写真撮影遊戯機1は、撮影ブース2と、編集ブース3と、事前接客ブース4とを備える。撮影ブース2では、プレイヤを被写体とする写真画像が生成される。編集ブース3では、生成された写真画像が編集される。事前接客ブース4では、写真画像を生成するための設定条件を、写真画像を撮影及び生成する前に受け付ける。
【0019】
<1.2.事前接客ブースの構成>
図2は、図1中の写真撮影遊戯機1のうち、事前接客ブース4と、撮影ブース2に含まれる正面筐体20Aとの斜視図である。事前接客ブース4では、プレイヤの選択により、合成画像の生成条件が決定される。
【0020】
図2を参照して、事前接客ブース4には、受付装置40が配置される。受付装置40は、写真撮影遊戯機1の側面(正面筐体20Aの側面)に配置される。受付装置40は、ディスプレイ41と、コイン投入口42と、スピーカ43とを備える。ディスプレイ41の表面には図示しないタッチパネルが貼り付けられている。受付装置40は、ディスプレイ41のタッチパネルを介して、プレイヤの選択操作を受け付ける。タッチパネルは、複数人(たとえば2名)の操作を同時に受付可能なマルチタッチ方式を採用している。受付装置40は、図2に示す配置位置と反対側にも配置可能である。
【0021】
プレイヤは、撮影ブースで撮影を行う前に、コイン投入口42にコインを投入する。プレイヤはその後、ディスプレイ41に表示される選択画面に従って、写真画像を生成するための設定条件の選択を行う。この操作により、生成される写真画像及び合成画像の条件が決定される。
【0022】
<1.3.撮影ブースの構成>
撮影ブース2は、図2に示す正面筐体20Aと、図3に示す背面筐体20Bとを含む。
正面筐体20Aは、背面筐体20Bと隙間を設けて互いに対向して配置される。正面筐体20Aと背面筐体20Bとは、フレーム材等で連結される。撮影ブース2では、正面筐体20A及び背面筐体20Bにより、内部に空間が形成され、正面筐体20Aの側面と背面筐体20Bの側面との間に形成される隙間が、撮影ブース2内への出入り口となる。出入り口には、図示しないカーテン等が配置される。以降、撮影ブース2において、正面筐体20A側を「正面側」といい、背面筐体20B側を「背面側」という。
【0023】
撮影ブース2は、撮影装置20を備える。撮影装置20は、正面筐体20Aの正面側に配置される。
【0024】
図2を参照して、撮影装置20は、撮影機と、正面ディスプレイ22A、上ディスプレイ22Bと、照明装置23A〜23Jとを含む。撮影機は、正面カメラ21Aと、上カメラ21Bとを含む。
【0025】
<1.3.1.正面カメラ及び正面ディスプレイの構成>
正面カメラ21Aは、撮影ブース2の背面側を向くように配置され、プレイヤを正面から撮影した写真画像を生成する。
【0026】
正面ディスプレイ22Aは、正面カメラ21Aでプレイヤを撮影するときに、プレイヤが自分の撮影ポーズを確認するためのモニタである。具体的には、正面ディスプレイ22Aは、正面カメラ21Aと同様に、撮影ブース2の背面側を向くように配置される。正面ディスプレイ22Aは、正面カメラ21Aで撮影されたプレイヤ(被写体)の映像を左右反転してライブ映像(動画)としてリアルタイムに表示する。そのため、プレイヤは正面カメラ21Aでの撮影時に、正面ディスプレイ22Aに鏡のように映る自分の姿を見ながら撮影を行うことができる。
【0027】
正面ディスプレイ22Aにはタッチパネルが貼り付けられており、プレイヤの入力操作を受け付け可能である。
【0028】
本実施形態では、正面カメラ21Aは縦長長方形状の撮像面を有する。つまり、正面カメラ21Aの撮影範囲は、縦長であり、より具体的には、縦長の長方形である。したがって、正面カメラ21Aは、プレイヤのアップ画像だけでなく、全身画像の撮影にも適する。
【0029】
<1.3.2.上カメラ及び上ディスプレイの構成>
上カメラ21Bは、正面カメラ21Aよりも上方に配置され、撮影ブース2の背面側に向かって斜め下方に向く。上カメラ21Bは、プレイヤを上方から撮影した写真画像を生成する。上カメラ21Bは、正面カメラ21Aとは異なるアングルからプレイヤを撮影するため、正面カメラ21Aで生成された写真画像と異なる写真画像を生成できる。
【0030】
本実施形態では、上カメラ21Bは横長長方形状の撮像面を有する。つまり、上カメラ21Bの撮影範囲は、横長であり、より具体的には、横長の長方形である。
【0031】
上ディスプレイ22Bは、上カメラ21Bの直下に配置され、上カメラ21Bと同様に、撮影ブース2の背面側に向かって斜め下方に向く。上ディスプレイ22Bは、上カメラ21Bで撮影されたプレイヤのライブ映像(被写体映像)をリアルタイムに表示可能である。プレイヤは上カメラ21Bでの撮影時に、上ディスプレイ22Bで自身の姿を確認する。
【0032】
上述のとおり、撮影装置20は、縦長の撮影範囲を有する正面カメラ21Aと、横長の撮影範囲を有する上カメラ21Bとを含む。したがって、撮影装置20は、縦長撮影範囲及び横長撮影範囲の2種類の画角で被写体を撮影可能である。
【0033】
<1.3.3.照明装置の構成>
照明装置23A〜23Jは、いずれも撮影ブースの背面側に向いて配置される。これらの照明装置23A〜23Jは、正面カメラ21A及び上カメラ21Bが撮影する瞬間(つまり、撮影ライブ映像を静止画として取り込む瞬間)に発光し、プレイヤ(被写体)を強く照明する。
【0034】
照明装置23Dは、正面カメラ21Aと上カメラ21Bとの間に配置され、正面カメラ21Aと上カメラ21Bとの間に暗部が形成されるのを抑制する。さらに、被写体の鼻筋にハイライトを付ける効果を有する。照明装置23A〜23Gは、正面筐体20Aの正面の幅中央部分に配置される。つまり、照明装置23A〜23Gは、正面筐体20Aの正面の幅中央部分に集中して配置される。このような配置により、撮影された被写体が立体的に見えやすくなる。
【0035】
図3を参照して、背面筐体20Bにも照明装置23K〜23Mが配置される。照明装置23K〜23Mは、撮影ブース2の正面側を向いて配置され、照明装置23A〜23Jと同様に、撮影時に発光してプレイヤを照射する。
【0036】
背面筐体20Bの背面には、背面パネル24が配置される。背面パネル24は、クロマキー合成用のパネルであってもよいし、クロマキー合成用のカーテンを備えてもよい。
【0037】
<1.4.編集ブースの構成>
編集ブース3では、撮影ブース2で生成された被写体(プレイヤ)の写真画像に落書き画像等の編集画像を配置する編集処理が実施される。写真画像及び編集画像を合成することにより後述の合成画像が生成される。
【0038】
図1を参照して、編集ブース3には、編集装置30が配置される。図4は、編集装置30の斜視図である。図4を参照して、編集装置30は、2つの画像編集装置31と、シール紙排出装置32と、筐体33とを備える。2つの画像編集装置31は、互いに背中合わせになるように、筐体33の正面及び背面に配置される。
【0039】
各画像編集装置31は、編集用のディスプレイ311と、2つのタッチペン312と、スピーカ313とを備える。ディスプレイ311は、画像編集装置31の中央に設けられ、撮影処理で生成された複数の写真画像を表示する。さらに、ディスプレイ311の表示画面上には透明なタッチパネルが貼り付けられている。画像編集装置31は、タッチパネルを介してユーザの編集操作を受け付ける。2つのタッチペン312は、編集用ディスプレイ311の両側に設けられる。タッチペン312は、ペン画像やスタンプ画像といった編集画像(落書き画像)をディスプレイ311で写真画像内に配置するために用いられる。つまり、プレイヤはタッチペン312を用いて、写真画像を編集する。本実施の形態では、タッチペン312が画像の編集に用いられるが、プレイヤは、タッチペン312の代わりに、プレイヤの指でディスプレイ311のタッチパネルに直接触れてもよい。
【0040】
スピーカ313は、編集プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。編集終了後、写真撮影遊戯機1は写真画像と編集画像とを合成して合成画像を生成する。
【0041】
シール紙排出装置32は、筐体33の側面下側に配置される。シール紙排出装置32は、プリンタ650(図5参照)を収納する。プリンタ650は、合成画像を印刷用紙であるシール紙に印刷する。シール紙排出装置32は、プリンタ650により印刷されたシール紙を排出口321に排出する。
【0042】
<1.5.写真撮影遊戯機の機能構成>
図5は、写真撮影遊戯機1の機能ブロック図である。図5を参照して、写真撮影遊戯機1は、写真撮影遊戯機1全体を制御するコンピュータ装置101と、動作中のコンピュータ装置101からの指示を受け付けて、接続されている各種装置を制御する制御基板102と、クロマキーキャプチャボード17とを備える。これらは写真撮影遊戯機1の制御装置100として機能する。制御装置100は撮影装置20に搭載されていてもよいし、編集装置30に搭載されていてもよい。
【0043】
コンピュータ装置101は、CPU(Central Processing Unit)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、メモリ105と、通信部106とを備える。CPU103は、メインメモリであるメモリ105に記憶されたプログラムを実行して、コンピュータ装置101を制御する。HDD104は、本装置に所定の処理を実行させるための制御プログラム、処理に必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された写真画像、予め用意された複数の背景画像、予め用意された複数のフレーム画像や複数のスタンプ画像等の各種画像データを記憶する。制御プログラムは、コンピュータ装置101にインストールされることにより、HDD104に格納される。メモリ105は、コンピュータ装置101のメインメモリであり、CPU103により実行される制御プログラムの一時的な作業領域として用いられる。通信部106は、インターネット等のネットワークを介して図示しないサーバと通信する。
【0044】
<1.5.1.撮影処理時に動作する機能>
コンピュータ装置101は、撮影ブース2での撮影処理を実行する。具体的には、コンピュータ装置101は制御プログラムを実行し、必要に応じて正面ディスプレイ22Aを介して入力されたユーザの操作に応じて、制御信号を制御基板102に送信する。コンピュータ装置101はまた、正面カメラ21A、上カメラ21B、正面ディスプレイ22A、上ディスプレイ22B、スピーカ450及び制御基板102と接続され、それらを制御する。スピーカ450は、コンピュータ装置101から与えられる指示信号に基づいて、撮影プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0045】
クロマキーキャプチャボード17は、正面カメラ21A、上カメラ21Bで撮影されている映像(被写体映像)を所定の時間間隔(たとえば30フレーム/秒)でデジタルデータ(静止画像)として取り込む。クロマキーキャプチャボード17は、取り込んだ静止画像の中からクロマキー技術により被写体以外の領域を検出し、その検出した領域に選択された所望の背景画像を合成する。コンピュータ装置101はさらに、被写体の顔部分に画像処理を施し、必要に応じて被写体映像をトリミングする。
【0046】
<1.5.2.画像編集処理時に動作する機能>
コンピュータ装置101はさらに、編集ブース3での画像編集処理を実行する。具体的には、コンピュータ装置101は制御プログラムを実行し、編集用のディスプレイ311に対する入力操作に応じて、制御信号を制御基板102に送信する。コンピュータ装置101は、プリンタ650及びディスプレイ311と接続され、それらを制御する。
【0047】
ディスプレイ311のタッチパネルは、タッチペン312等の接触を検知し、それに応じた指示信号をコンピュータ装置101に送信する。ディスプレイ311は、コンピュータ装置101から送信された編集画像(落書き画像)を写真画像上に重ねて表示する。スピーカ313は、コンピュータ装置101から与えられる指示信号に基づいて、編集プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0048】
<1.5.3.事前接客処理時に動作する機能>
コンピュータ装置101はさらに、事前接客ブース4での事前接客処理を実行する。具体的には、コンピュータ装置101は制御プログラムを実行し、デモ映像、名前入力画面などを受付用のディスプレイ41に表示する。コンピュータ装置101は、制御基板102を介して、ディスプレイ41及びスピーカ43と接続される。ディスプレイ41のタッチパネルは、ユーザの指の接触を検知し、それに応じた指示信号をコンピュータ装置101に送信する。スピーカ43は、コンピュータ装置101から与えられる指示信号に基づいて、案内音声、BGMなどを出力する。
【0049】
<1.5.4.サーバとの通信時に動作する機能>
コンピュータ装置101はさらに、通信部106により、インターネット等のネットワークを介して図示しないサーバSVと通信する。そして、写真撮影遊戯機1で生成された画像をユーザの携帯端末にサーバ経由で提供可能にする。これにより、ユーザはユーザ端末に写真画像や合成画像を取得できる。
【0050】
コンピュータ装置101は、ユーザの要求に応じて生成された写真画像及び合成画像を取得するのに必要なアクセス情報(たとえばURL)を非接触通信装置97を介してユーザの携帯端末に送信してもよい。
【0051】
<1.5.5.印刷処理時に動作する機能>
コンピュータ装置101は、プリンタ650に対して印刷指示を送信し、印刷すべき合成画像を送信する。プリンタ650は、印刷すべき合成画像の受信を完了したとき、印刷指示に応じて印刷を開始する。
【0052】
<1.5.6.その他の機能>
制御基板102はさらに、コンピュータ装置101の他に、ストロボ制御部110、ストロボ15、蛍光灯14、サービスパネル113及びコイン制御部112に接続される。
【0053】
<<2.写真撮影遊戯機の概要>>
<2.1.写真撮影遊戯機で生成される合成画像>
写真撮影遊戯機1は、図6A、6Bに示す合成画像を生成する。図6Aに示す合成画像310は、被写体の写真画像300と、編集画像303とを含む。写真画像300は、被写体画像のみ、又は被写体画像と背景画像とを含む。編集画像303は文字列やフレーム、落書き画像等であり、画像編集処理により写真画像300に配置される。図6Aの合成画像310の形状は正方形状であり、被写体の上半身部分又は顔及びその周辺部分を表示するのに適する。本明細書において、被写体の上半身部分が表示され、下半身部分が表示されない画像、又は、顔及びその周辺部分(又は手部分)が表示され、それ以外の被写体部分が表示されない画像を「アップ画像」という。そして、図6Aに示すように正方形状のアップ画像を含む合成画像を「アップ合成画像」ともいう。
【0054】
図6Bに示す合成画像320も、写真画像300と、複数の編集画像303とを含む。ただし、合成画像320の形状は長方形状であり、被写体の全身(少なくとも上半身部分と下半身の一部とを含む部分)を表示するのに適する。本明細書において、被写体の全身部分が表示される長方形状の画像を、「全身画像」といい、図6Bに示すように、全身画像を含む合成画像320を「全身合成画像」ともいう。
【0055】
図6A及び図6Bに示す合成画像310及び320は、撮影処理により写真画像300を生成した後、画像編集処理により編集画像303が配置され、写真画像300と編集画像303とが合成されることにより生成される。
【0056】
<2.2.写真撮影遊戯機の特徴>
写真撮影遊戯機1は、プレイヤのスタイル(ヘアスタイルや化粧、及び服装など)を表すコース選択を受け付ける。本実施形態では、プレイヤのスタイルを表すコースとして、「おでかけ」コース、「デイリー」コースからコース選択を受け付ける。
【0057】
「デイリー」コースは、平日のオンタイムのシーンに適したスタイルのプレイヤを想定している。具体的には、制服等やカジュアルな装いであり、ナチュラルなヘアスタイルや化粧をしているプレイヤ、又は化粧をしていないプレイヤを想定している。一方、「おでかけ」コースは、休日のオフタイムのシーンに適したスタイルのプレイヤを想定している。具体的には、制服ではない装いであり、ヘアスタイルや化粧が際立ち、おしゃれをしているプレイヤを想定している。
【0058】
そして、写真撮影遊戯機1は、選択されたコースに適した画像処理、つまり、プレイヤのスタイルに適した画像処理を写真画像に対して施す。「おでかけ」コースを選択するプレイヤは、顔が際立つように化粧をしている可能性が高い。一方、「デイリー」コースを選択するプレイヤは、ナチュラルな化粧をしているか、化粧をしていない可能性が高い。そのため、本実施形態においては、「おでかけ」コースの場合、プレイヤのスタイル(化粧)を活かし、「デイリー」コースの場合には、プレイヤの顔を際立たせるように画像処理を行う。画像処理には、撮影されたプレイヤの目の大きさを調整する処理と、プレイヤの目元、口元、頬部分の色濃度を調整する処理とが含まれる。画像処理によって際立たせる顔部分の強調度合が、「おでかけ」コースの場合には、「デイリー」コースの場合より小さくなるように、写真画像300に画像処理(第画像処理)が施され、「デイリー」コースの場合には、「おでかけ」コースより強調度合が大きくなるように、写真画像300に画像処理(第画像処理)が施される。
【0059】
また、「おでかけ」コースを選択するプレイヤは、オフタイムのシーンに適したおしゃれな装いをしている可能性が高い。そのため、本実施形態においては、「おでかけ」コースの場合、写真画像に合成させる合成用画像として、プレイヤの装いの邪魔にならず、プレイヤの装いを際立たせるデザインの背景画像を提供する。一方、「デイリー」コースを選択するプレイヤは、オンタイムのシーンに適した装いをしている可能性が高い。そのため、本実施形態においては、「デイリー」コースの場合、写真画像に合成させる合成用画像として、プレイヤの装いを盛り上げ、楽しませるデザインの背景画像を提供する。上記処理の詳細については後述する。
【0060】
<<3.写真撮影遊戯機の動作>>
<3.1.動作概要>
本実施形態による写真撮影遊戯機1は、初めに、事前接客ブース4において、生成する合成画像の生成条件を受け付ける(事前接客処理)。写真撮影遊戯機1は続いて、撮影ブース2において、プレイヤを被写体として撮影して写真画像を生成し(撮影処理)、受け付けた生成条件に基づいて写真画像に画像処理を施す(画像処理)。撮影処理後、写真撮影遊戯機1は、編集ブース3において、プレイヤ操作に応じて写真画像に編集画像を配置して、合成画像を生成する。写真撮影遊戯機1はさらに、生成された合成画像を印刷する(画像編集処理)。写真撮影遊戯機1はさらに、合成画像をサーバを介してプレイヤの所有する端末に送信する(画像送信処理)。以下、それぞれの処理について詳述する。
【0061】
<3.2.事前接客処理>
図7は、写真撮影遊戯機1により実行される事前接客処理のフロー図である。CPU103は、制御プログラムに基づいて、事前接客処理を実行する。
【0062】
CPU103は、写真撮影遊戯機1の利用を促すデモ画面を受付用のディスプレイ41に表示する(S101)。コイン制御部112が、デモ画面の表示中に、1プレイ分のコインの投入を受け付けた場合(S102でYes)、CPU103は、説明画面をディスプレイ41に表示して、写真撮影遊戯機1の1プレイの内容を説明する(S103)。たとえば、CPU103は、合成画像はプレイヤの端末に送信される旨の案内を、ディスプレイ41に表示する。
【0063】
CPU103は、次に、画像コースの選択を受け付ける(S104)。本実施形態では、画像コースとして、「おでかけ」コース、「デイリー」コース、「みんなで」コースの3種類を準備する。各コースごとに、選択可能な複数の背景画像が準備され、各コースごとに異なる画像処理が実施される。つまり、各コースごとに異なる合成画像310,320が生成される。
【0064】
上記「おでかけ」コース及び「デイリー」コースは、プレイヤが2名である場合を想定したコースである。上記したように、「おでかけ」コースは、第1画像処理が実施され、「デイリー」コースは、第2画像処理が実施される。一方、「みんなで」コースは、プレイヤが3名以上であることを想定したコースであり、多人数での撮影に合う背景画像が準備され、「みんなで」コースに対応する所定の画像処理(以下、第3画像処理と称する)が実施される。
【0065】
CPU103は、各コースの選択ボタンをディスプレイ41に表示し、コースの選択を受け付ける。プレイヤは、表示された選択ボタンのいずれかをタップする。プレイヤのタップにより、CPU103は選択されたコースを特定する。
【0066】
次に、CPU103は、撮影方法の選択を受け付ける(S105)。ステップS105は、ステップS104においてプレイヤが「おでかけ」コース及び「デイリー」コースのいずれかを選択した場合にのみ実施される。つまり、「みんなで」コースが選択された場合、ステップS105は実施されない。
【0067】
上述の図6A及び図6Bに示すとおり、撮影方法としては、合成画像には、アップ合成画像310と、全身合成画像320との2種類が存在する。ステップS105において、CPU103は、アップ合成画像310のみの生成を行うアップ合成画像コースボタンと、アップ合成画像310と、全身合成画像320との両方の生成を行うアップ及び全身合成画像コースボタンとをディスプレイ41に表示し、プレイヤの選択を受け付ける。プレイヤのボタンのタップにより、CPU103は選択されたコースを特定する。
【0068】
本実施形態においては、プレイヤが「アップ合成画像コース」を選択した場合、CPU103は、アップ合成画像用の写真画像300(被写体のアップ画像)を複数枚(例えば6枚)撮影して生成する。プレイヤが「アップ及び全身合成画像コース」を選択した場合、CPU103は、アップ合成画像用の写真画像300を複数枚(例えば4枚)生成し、全身合成画像用の写真画像300(被写体の全身画像)も複数枚(例えば2枚)生成する。
【0069】
なお、「みんなで」コースが選択された場合、CPU103は、アップ合成画像310用の写真画像300(被写体のアップ画像)を複数枚(例えば6枚)撮影して生成する。
【0070】
続いて、ステップS104でいずれのコースを選択した場合においても、CPU103は、プレイヤの名前の入力を受け付ける(S106)。CPU103は、名前入力画面をディスプレイ41に表示する。名前入力画面には、ローマ字入力ボタン及びひらがな入力ボタンが表示され、ユーザは、自分の名前を入力する。入力されたユーザの名前は、画像編集処理で用いられる編集画像の生成に利用される。
【0071】
ステップS104で「みんなで」コースが選択された場合、CPU103は、例えば、10名まで各プレイヤの名前の入力を受け付ける。
【0072】
次に、CPU103は、ステップS104及びS105で選択されたコースに応じた背景画像の画像データを読出し、選択画面をディスプレイ41に表示し、合成画像の生成に用いられる背景画像のプレイヤによる選択を受け付ける(S107)。
【0073】
図8は、HDD104に記憶されている各コースの背景画像データを示す背景画像情報を例示した図である。背景画像情報には、コース毎の背景画像データの識別情報が記憶されている。「おでかけ」コースは、背景画像11〜背景画像1nの各識別情報で示される背景画像データがHDD104に記憶されている。「おでかけ」コースを選択するプレイヤは、おしゃれな装いであったり、顔が際立つ化粧をしていたりする可能性が高い。そこで、背景画像11〜1nは、このような被写体のスタイルに適したデザインの画像となっている。
【0074】
一方、「デイリー」コースは、背景画像21〜背景画像2nの各識別情報で示される背景画像データがHDD104に記憶されている。上述のとおり、「デイリー」コースを選択するプレイヤは、ナチュラルな化粧をしているか、化粧をしておらず、制服等やカジュアルな装いの可能性が高い。そこで、背景画像21〜背景画像2nは、背景画像11〜1nと異なり、ナチュラルな化粧や装いに適したデザインの画像となっている。
【0075】
「みんなで」コースは、背景画像31〜背景画像3nの各識別情報で示される背景画像データがHDD104に記憶されている。背景画像31〜背景画像3nは、背景画像11〜背景画像1n、背景画像21〜背景画像2nとは異なるデザインの画像となっている。
【0076】
例えば、プレイヤがステップS104で「おでかけ」コースを選択し、ステップS105で「アップ合成画像コース」を選択した場合、CPU103は、背景画像情報(図8参照)を参照し、「おでかけ」コースに対応する背景画像11〜背景画像1nの各識別情報で示される背景画像データをHDD104から読み出す。そして、背景画像11〜背景画像1nのうち、アップ合成画像310用として予め定められた識別情報の背景画像データをHDD104から読み出してディスプレイ41に表示する。一方、プレイヤがステップS105で「アップ及び全身合成画像コース」を選択した場合、背景画像11〜背景画像1nのうち、アップ合成画像310用及び全身合成画像320用として予め定められた識別情報の背景画像データをHDD104から読み出してディスプレイ41に表示し、プレイヤの選択を受け付ける。
【0077】
プレイヤがステップS104で「デイリー」コースを選択した場合、ステップS105で選択された「アップ合成画像コース」又は「アップ及び全身合成画像コース」に応じて、CPU103は、上述した「おでかけ」コースと同様、「デイリー」コースに対応する背景画像21〜背景画像2nの各識別情報の背景画像データをディスプレイ41に表示する。プレイヤがステップS104で「みんなで」コースを選択した場合も同様に、CPU103は、「みんなで」コースに対応する背景画像31〜背景画像3nの背景画像データをディスプレイ41に表示する。
【0078】
ステップS107の処理が終了すると、CPU103は、撮影ブース2が空いているか否かを判断する(S108)。撮影ブース2が空いていない場合(S108でNo)、CPU103は、待機を指示する待機画面をディスプレイ41に表示する(S109)。
【0079】
一方、撮影ブース2が空いている場合(S108でYes)、CPU103は、撮影ブース2への移動をプレイヤに促す誘導画面をディスプレイ41に表示し(S110)、プレイヤに対する事前接客処理を終了する。CPU103は、写真撮影遊戯機1の電源がONされている間、次のプレイヤのプレイ開始を待機するためのデモ画面表示に戻り、事前接客処理を繰り返し実行する。
【0080】
<3.3.撮影処理>
事前接客処理の後、写真撮影遊戯機1は撮影処理を実施して、合成画像310,320の基となる写真画像300を生成する。
【0081】
図9は、写真撮影遊戯機1により実行される撮影処理のフロー図である。CPU103は、制御プログラムに基づいて撮影処理を実行する。
【0082】
CPU103は、撮影処理開始画面を撮影用の正面ディスプレイ22Aに表示する(S201)。例えば、撮影処理開始ボタンと、撮影処理開始ボタンにタッチすることにより撮影を開始することを通知するメッセージとが、撮影開始画面内に表示される。プレイヤが撮影処理開始ボタンにタッチすることにより、CPU103は、ステップS202以降の処理を実行する。
【0083】
CPU103は、最初に、写真撮影処理を実行する(S202)。写真撮影処理では、CPU103は、ステップS104及びS105で選択されたコースに応じて、アップ合成画像310用の写真画像300(被写体のアップ画像)及び全身合成画像320用の写真画像300(被写体の全身画像)を生成する。
【0084】
<3.3.1.写真撮影処理>
図10は、図9中の写真撮影処理のフロー図である。本例の写真撮影処理(S202)では、上カメラ21Bを用いてアップ合成画像310用の写真画像300を複数枚撮影し、次に、正面カメラ21Aを用いてアップ合成画像310用の写真画像300を複数枚撮影する。そして、ステップS105の選択(図7参照)に応じて、アップ合成画像310用の写真画像300、又は全身合成画像320用の全身写真画像300を撮影する。ただし、撮影順はこれに限定されない。
【0085】
図10を参照して、初めに、CPU103は、ステップS104及びS105でプレイヤが選択したコースを特定し、5枚目及び6枚目に生成する写真画像300の種類(アップ写真画像又は全身写真画像)を特定する(S2021)。続いて、アップ写真画像300の撮影を実行する。
【0086】
[上アップ撮影]
上述のとおり、本実施形態では、CPU103は、第1回目の撮影は、上カメラ21Bによるアップ写真画像300の撮影(以下、上アップ撮影という)であると認識し(S2023でYes)、上アップ撮影の案内画面を正面ディスプレイ22Aに表示する(S2024)。このとき、正面ディスプレイ22Aには、上カメラ21Bでアップ写真画像300を撮影する点、及び、上ディスプレイ22Bにライブ映像が表示される旨を説明する画面が表示される。
【0087】
案内表示が終了した後、CPU103は、アップ写真画像300の撮影及び生成を行う(S2025〜S2029)。初めに、CPU103は、プレイヤにポーズを指示する(S2025)。例えば、「胸に手を当てて!」等のポーズを指示するメッセージがモデルの画像とともに正面ディスプレイ22Aに表示される。さらに、CPU103は、音声によるポーズの指示をスピーカ450から出力する。プレイヤは、指示に応じてポーズをとる。
【0088】
CPU103は、被写体が映ったライブ映像(以下、被写体映像という)を正面ディスプレイ22Aではなく、上ディスプレイ22Bに表示する(S2026)。上述のとおり、上カメラ21Bで撮影されているプレイヤの被写体映像がリアルタイムで上ディスプレイ22Bに表示される。
【0089】
上カメラ21Bの撮影範囲の映像うち、アップ写真画像300に利用される正方形状の領域に映る被写体映像部分のみがトリミングされて上ディスプレイ22Bに表示される。
【0090】
上ディスプレイ22Bは、上カメラ21Bの真下に配置される。そのため、プレイヤは上カメラ21B方向に顔を向けながら、上ディスプレイ22Bで表示される被写体映像を見て、自身のポーズを確認できる。
【0091】
CPU103は、カウントダウンを開始し(S2027)、所定時間経過後にシャッタ動作を行うことにより撮影を行う(S2028)。これにより、アップ写真画像300が生成される。CPU103は、生成されたアップ写真画像300をプレビューとして正面ディスプレイ22Aに表示する(S2029)。
【0092】
CPU103は続いて、2回目の撮影を実施する。2回目の撮影もアップ撮影である場合(S2023でYES)、CPU103は1回目と同様のアップ撮影を実施する。このとき、ステップS2024の案内が省略される。1回目の撮影で既に案内しているからである。アップ撮影の動作(S2025〜S2029)は1回目と同じである。
【0093】
[通常アップ撮影]
CPU103は続いて、正面カメラ21Aによるアップ写真画像300を生成する撮影(以下、通常アップ撮影という)を実施する。この場合、CPU103は、通常アップ撮影を実施すると認識する(S2023でNo、S2030でYes)。CPU103は、正面ディスプレイ22Aに、通常アップ撮影の案内画面を表示する(S2031)。正面ディスプレイ22Aには、正面カメラ21Aでアップ写真画像300を撮影する点、及び、正面ディスプレイ22Aに被写体映像が表示される旨を説明する画像が表示される。
【0094】
案内表示が終了した後、CPU103は、通常アップ撮影を実行する(S2025〜S2029)。CPU103は、正面ディスプレイ22A及びスピーカ450を用いてプレイヤにポーズを指示する(S2025)。CPU103はさらに、被写体映像を正面ディスプレイ22Aに表示する(S2026)。
【0095】
正面カメラ21Aの撮影範囲の被写体映像のうち、アップ写真画像300に利用される正方形状の領域に映る被写体映像部分のみがトリミングされて正面ディスプレイ22Aに表示される。被写体映像は正面カメラ21Aの真下の正面ディスプレイ22Aに表示される。
【0096】
CPU103は、カウントダウンを開始し(S2027)、所定時間経過後にシャッタ動作を行うことにより撮影を行う(S2028)。これにより、アップ写真画像300が生成される。CPU103は、生成されたアップ写真画像300をプレビューとして正面ディスプレイ22Aに表示する(S2029)。CPU103は、引き続き通常アップ撮影を行い、複数枚のアップ写真画像300を生成してもよい。
【0097】
以上の動作で説明したとおり、本実施形態では、正面カメラ21A及び上カメラ21Bにより、2種類のアングルからのアップ写真画像300を生成する。このように、アングルの異なるアップ写真画像300を生成することにより、アップ合成画像310のデザイン性を高め、プレイヤのプレイに対する嗜好性をさらに高めることができる。
【0098】
[全身撮影]
上アップ撮影及び通常アップ撮影を所定回数行うと、CPU103はさらに、次の撮影方法(通常アップ撮影又は全身撮影)を特定する。ステップS104及びS105(図7参照)の選択の結果、次の撮影方法が通常アップ撮影である場合(S2023でNo、S2030でYes)、CPU103は、上記の通常アップ撮影動作を実施する(S2031、S2025〜S2029)。
【0099】
一方、次の撮影方法が全身合成画像用の全身写真画像300を生成する全身撮影である場合(S2023でNo、S2030でNo)、CPU103は、正面ディスプレイ22Aに、全身撮影の案内画面を表示する(S2032)。このとき、正面ディスプレイ22Aには、正面カメラ21Aで全身写真画像を撮影する点、及び、正面ディスプレイ22Aに被写体映像が表示される旨を説明する画像が表示される。
【0100】
案内表示が終了した後、CPU103は、全身撮影を実行する(S2025〜S2029)。CPU103は、正面ディスプレイ22A及びスピーカ450を用いてプレイヤにポーズを指示し(S2025)、被写体映像を正面ディスプレイ22Aに表示する(S2026)。この場合、正面カメラ21Aの撮影範囲内の被写体映像の大部分、又は全体をライブ映像として正面ディスプレイ22Aに表示する。
【0101】
CPU103は、カウントダウンを開始し(S2027)、撮影を行う(ステップS2028)。これにより、全身写真画像が生成される。
【0102】
所定回数の撮影が完了した後(S2022でYes)、写真撮影処理をいったん終了する。
【0103】
<3.3.2.画像処理>
図9に戻り、ステップS203において、CPU103は、写真画像の目の写り(サイズ)を選択するための目の写り選択画面を正面ディスプレイ22Aに表示し、目の写りをプレイヤに選択させる。さらに、ステップS203において、CPU103は、写真画像の明るさを選択するための明るさ選択画面を正面ディスプレイ22Aに表示して、明るさをプレイヤに選択させる。CPU103は、ステップS104で選択されたコースと、ステップS203で選択された目の写り及び明るさに応じて、写真画像におけるプレイヤの顔部分に対して画像処理を施す。
【0104】
具体的には、目の写りは、例えば目の大きさを3段階のレベル(レベル1〜レベル3)で表し、プレイヤが所望する目の大きさのレベルを選択させる。上述のとおり本実施形態の写真撮影遊戯機1は、プレイヤのスタイルに適した写真画像を提供することを目的とする。特に目の大きさは、アップ合成画像において画像の印象を決める重要な要素であるため、プレイヤのスタイルに応じた画像処理を施すことが望ましい。本実施形態では、「おでかけ」コースと「デイリー」コースに適した目の大きさに調整するため、選択されたレベルが同じであっても「おでかけ」コースと「デイリー」コースとで目の大きさを異なる倍率で調整する。
【0105】
図11は、コースごとの、各レベルに対応する目の大きさの倍率を表すレベル情報を例示した図である。図11における各倍率は、撮影されたプレイヤの目の大きさを1.0とした場合の例を示している。各コースともに、レベル2は最も推奨する目の大きさであり、レベル1>レベル2>レベル3の関係を有する。さらに、同一レベルにおける、「おでかけ」コースと「デイリー」コースの倍率は異なる。つまり、図11の例に示すように、同一レベルにおいて、「おでかけ」コースより「デイリー」コースの方が目の大きさが大きくなるように倍率が設定されている。
【0106】
図12Aは、上記画像処理を行う前の写真画像300を例示した図である。例えば、「おでかけ」コースにおいてレベル2が選択された場合、レベル情報(図11参照)に基づき、図12Aに示す写真画像300における被写体の目の大きさを1.2倍した目の大きさ、つまり、図12Aに示す被写体の目を少し大きくした目の大きさに補正される。一方、「デイリー」コースにおいてレベル2が選択された場合、レベル情報(図11参照)に基づき、図12Bに示すように、図12Aに示す写真画像300における被写体の目を1.3倍拡大した目の大きさに補正される。
【0107】
また、「おでかけ」コースにおいてレベル1が選択された場合、レベル情報(図11参照)に基づき、図12Bに示す「デイリー」コースのレベル2の場合と同様、図12Aに示す被写体の目の大きさを1.3倍拡大した大きさに補正される。一方、「デイリー」コースにおいてレベル1が選択された場合、レベル情報(図11参照)に基づき、図12Cに示すように、図12Aに示す被写体の目を1.6倍拡大した目の大きさに補正される。
【0108】
図示を省略するが、「おでかけ」コースにおいてレベル3が選択された場合には、レベル情報(図11参照)に基づき、図12Aに示す写真画像300における被写体の目の大きさを1.1倍した目の大きさに補正される。また、「デイリー」コースにおいてレベル3が選択された場合には、レベル情報(図11参照)に基づき、図12Aに示す被写体の目の大きさを、1.2倍拡大した大きさに補正される。
【0109】
つまり、「おでかけ」コースの場合、顔が際立つように目の部分に化粧しているプレイヤが想定されるため、撮影されたままのプレイヤの目の部分をできるだけ活かすように、目の大きさが調整される。一方、「デイリー」コースの場合には、目の部分にナチュラルな化粧をしている又は化粧をしていないプレイヤが想定されるため、撮影されたプレイヤの目の部分を強調するように、「おでかけ」コースよりも目の大きさが調整される度合を大きくしている。このように、写真画像で重要な要素となる目の大きさをプレイヤのスタイルに応じて調整することにより、プレイヤのスタイルに適した写真画像を提供することができる。
【0110】
なお、図11には図示していないが、「みんなで」コースの場合、本実施形態では、各レベルの「おでかけ」コースと「デイリー」コースの間の倍率が予め定められている。従って、「みんなで」コースの場合には、選択されたレベルにおいて、「おでかけ」コースよりも大きく、「デイリー」コースよりも小さい目の大きさに調整される。
【0111】
本実施形態では、目の写り選択画面において、レベル2を推奨するレベルとして提示する。なお、各レベルによってどのように目が調整されるのかをプレイヤが推測できるように、例えば、レベル1を「派手目」、レベル2を「おススメ」、レベル3を「ナチュラル」と表現して目の写り選択画面に表示するようにしてもよい。
【0112】
図9に戻り、CPU103は、ステップS104(図7参照)で選択されたコースに応じた画像処理を行う(S204)。図13は、ステップS204の画像処理の動作フローを示している。ステップS104で選択されたコースが「おでかけ」コースである場合(S2061においてYes)、CPU103は、第1画像処理として、ステップS2062〜S2064の各処理を行う。具体的には、CPU103は、「おでかけ」コースに対応するレベル情報(図11参照)を読出す。そして、ステップS203(図9参照)で選択されたレベルに対応する倍率に基づいて、写真画像300におけるプレイヤの目の大きさを調整する(S2062)。また、CPU103は、ステップS203(図9参照)で選択された明るさに応じて、写真画像300におけるプレイヤの肌の色を調整する(S2063)。さらに、CPU103は、写真画像300におけるプレイヤの目元、口元、頬部分の色濃度を再現する画像処理を行う(ステップS2064)。
【0113】
また、ステップS104(図7参照)で選択されたコースが「デイリー」コースである場合(S2061においてNo,S2065においてYes)、CPU103は、第2画像処理として、ステップS2066〜2068の各処理を行う。具体的には、CPU103は、「デイリー」コースに対応するレベル情報(図11参照)を読み出す。そして、ステップS203(図9参照)で選択されたレベルに対応する倍率に基づいて、写真画像300におけるプレイヤの目の大きさを調整する(S2066)。また、CPU103は、ステップS203(図9参照)で選択された明るさに応じて、写真画像300におけるプレイヤの肌の色を調整する(S2067)。さらに、CPU103は、写真画像300におけるプレイヤの目元、口元、頬部分の色濃度を強調する画像処理を行う(S2068)。つまり、「デイリー」コースは、ナチュラルな化粧をしている、又は化粧をしていないプレイヤを想定して顔部分に対する画像処理の程度を強めにする。しかし、「おでかけ」コースを選択するプレイヤ、つまり、化粧をしっかりしている可能性が高いプレイヤに対しても「デイリー」コースと同様に顔部分に画像処理を行うと、画像処理の程度が強くなり過ぎて不自然な仕上がりになる場合がある。そのため、「おでかけ」コースの場合には、「デイリー」コースより画像処理の程度が弱くなるように補正される。
【0114】
このように、「おでかけ」コースが選択された場合には、プレイヤの目の大きさを変える程度を「デイリー」コースよりも小さくし、プレイヤの顔部分(目元、口元、頬部分)の色濃度を再現する画像処理を行うことにより、プレイヤのスタイルを活かした写りの写真画像300を生成することができる。また、「デイリー」コースが選択された場合には、プレイヤの目の大きさを変える程度を「おでかけ」コースよりも大きくし、プレイヤの顔部分(目元、口元、頬部分)の色濃度をより強調するように画像処理を行うことにより、プレイヤの顔がより引き立つ写りの写真画像300を生成することができる。そのため、プレイヤの化粧の程度に関わらず一様に顔部分に対して画像処理を行う場合と比べ、プレイヤをより引き立たせる写真画像300を提供することができる。
【0115】
なお、ステップS104において「みんなで」コースが選択された場合には(S2065においてNo)、CPU103は、ステップS2069〜2070の第3画像処理を行う。具体的には、CPU103は、ステップS203で選択されたレベルに対して予め定められた所定の倍率に基づいて、写真画像300におけるプレイヤの目の大きさを調整する(S2069)。また、CPU103は、ステップS203(図9参照)で選択された明るさに応じて、写真画像300におけるプレイヤの肌の色を調整する(S2070)。
【0116】
CPU103は、撮影された各写真画像に対して上記画像処理を行い、ステップS107(図7参照)で選択された背景画像を合成し、複数枚(例えば6枚)の合成画像(310、又は、310及び320)用の写真画像300が生成される。
【0117】
次に、CPU103は、編集ブース3が空いているか否かを判断する(S205)。編集ブース3が空いていない場合(S205においてNo)、CPU103は、編集ブース3が空くまで待機を指示する待機画面を正面ディスプレイ22Aに表示する(S206)。編集ブース3が空いた場合(S205においてYes)、CPU103は、編集ブース3への移動を指示する誘導画面を正面ディスプレイ22Aに表示する(ステップS207)。これにより、このプレイヤに対する撮影処理が終了する。
【0118】
CPU103は、写真撮影遊戯機1の電源がONされている間、次のプレイヤの撮影開始を待機するためのデモ画面表示に戻り(図示せず)、撮影処理を繰り返し実行する。
【0119】
<3.4.画像編集処理>
写真撮影遊戯機1は、撮影処理及び画像処理を終了後、画像編集処理を実行する。CPU103は、制御プログラムに基づいて画像編集処理を実行する。画像編集処理では、CPU103は、落書き処理を実行し、落書き処理で生成された編集画像と、画像処理後の写真画像300及びステップS104で選択された背景画像を合成した写真画像300とを合成する。これにより、合成画像310、320が生成される。CPU103は、合成画像310、320をシール紙に印刷する。
【0120】
落書き処理において、プレイヤは、上記撮影処理で生成され画像処理がなされた写真画像300に、選択された背景画像を合成した写真画像300に対して落書きをすることができる。そして、落書きした内容に基づいて編集画像が生成される。
【0121】
図14は、写真撮影遊戯機1により実行される画像編集処理のフロー図である。CPU103は、画像編集処理の開始を促す移動待ち画面を編集用のディスプレイ311に表示する(S301)。ユーザが、タッチペン312でディスプレイ311をタッチしたとき、残り編集時間のカウントダウンを開始する(S302)。
【0122】
<3.4.1.落書き処理>
次に、CPU103は落書き処理をする(S303)。CPU103は、図15に示す編集画面をディスプレイ311に表示する。図15を参照して、編集画面には、左右に2つの編集領域60L及び60Rが表示される。2人のプレイヤは、編集領域60L,60Rで写真画像をそれぞれ編集することができる。また、写真画像が落書ききりかえ75に表示され、左右のユーザの選択操作により、編集領域60L及び60Rのいずれかに割り当てられる。これにより、各々の編集領域60L、60Rで異なる写真画像を編集することができる。
【0123】
編集画面にはさらに、編集ツールを選択するための編集ツール選択ボタン61が表示される。タッチペン312(図4参照)により所望の編集ツール選択ボタン61がタッチされると、タッチされた編集ツールに対応したパレット67が編集領域60L、60Rの下に表示される。各パレット67には、選択された編集ツールで利用可能なデザインの編集画像が表示された複数の選択ボタン61が配列されている。たとえば、スペシャルツールが選択された右側のパレット67には、スタンプ画像、クルクル画像、メッセージ画像、ペン画像の複数の編集画像が表示された複数の選択ボタン64が表示されている。
【0124】
編集ツール選択ボタン61R内の「Myエッセンス」ツールを選択した場合、名前入力処理(図7のS106参照)で入力された文字列に応じて作成された複数の編集画像(文字列画像)がパレット67の選択ボタン64内に表示される。たとえば、文字列「あや」と、文字列「さおり」が、ユーザの名前として入力された場合、CPU103は、「あや」と「さおり」に基づいて、種々の編集画像を作製する。このように、ステップS106で表示される名前入力画面に入力された文字列は、編集画像として利用される。
【0125】
編集画面が表示された後、CPU103は、落書き時間が制限時間に達するか、ENDボタン68がタッチペン312でタッチされるまでの間、選択された写真画像300に対応する編集画像の入力を受け付ける。CPU103がパレット67内の所望の選択ボタン64のタッチを検知すると、タッチされた選択ボタン64に表示されたデザインのツールが設定される。そして、編集領域60内のタッチを検知すると、タッチされた位置に、選択されたデザインの編集画像を入力する。入力された編集画像は、写真画像300に対応付けてメモリ105に格納される。落書き時間が制限時間に達するか、ENDボタン68のタッチを検知すると、CPU103は、落書き処理を終了する。
【0126】
図14を参照して、落書き処理(S303)の後に、CPU103は、撮影処理で得られた合成画像310,320用のアップ写真画像300及び全身写真画像300それぞれについて、落書き処理で生成された編集画像を合成して、合成画像(アップ合成画像310、全身合成画像320)を生成する(S304)。
【0127】
CPU103は続いて、生成された合成画像310,320を、プレイヤが選択したシートレイアウトに基づき、1枚のシートに印刷するためのシート画像を生成する(S305)。CPU103さらには、生成されたシート画像をプリンタ650に送信し印刷を開始する。プリンタ650は、送信されたシート画像を印刷する(ステップS306)。印刷が完了すると、プリンタ650は、シート画像が印刷された写真シール紙を排出口321に排出する。ここまでの処理(事前接客処理から写真シール紙が排出されるまでの一連の処理)が、写真撮影遊戯機1が1組のユーザに提供する1回のプレイに相当する。
【0128】
<3.4.2.画像送信処理>
上述の印刷(S306)が開始されるとCPU103は画像送信処理を行う(S307)。CPU103は、ステップS304で生成された合成画像310,320をサーバ経由でプレイヤの端末に送信する。
【0129】
上述した実施形態では、プレイヤは、プレイヤのスタイルに応じた写りのコース(「おでかけ」コース、「デイリー」コース)を選択し、選択したコースに適した背景画像から所望する背景画像(合成用画像)を選択することができる。そして、写真画像300(アップ写真画像、全身写真画像)における被写体の顔部分に対して、選択したコースに応じた画像処理が施され、プレイヤのスタイルに合った背景画像が合成された写真画像300を生成することができる。つまり、プレイヤの好みを反映しつつ、その日のプレイヤのスタイルに適した写り及びデザインの画像をプレイヤに提供することができる。
【0130】
<<4.その他の実施形態>>
(1)上述した実施形態では、写真画像における被写体の顔部分について「おでかけ」コース又は「デイリー」コースに応じた画像処理を行う例を説明したが、被写体の髪や足部分について画像処理を行うようにしてもよい。例えば、髪の色を、「デイリー」コースの場合には、被写体の髪の色より明るい色にする画像処理を行い、「おでかけ」コースの場合には、被写体の髪の色を再現するように画像処理を行うようにしてもよい。また、例えば、被写体の足を、「デイリー」コースの場合には、被写体の足よりも長く見えるように画像処理を行い、「おでかけ」コースの場合には、被写体の足の長さを変えないようにしてもよいし、足の長さを変える画像処理の程度を「デイリー」コースよりも弱めるようにしてもよい。要は、「デイリー」コースの場合には、画像処理による強調の程度が「おでかけ」コースよりも大きくなるように画像処理を行うようにすればよい。
(2)上述した実施形態では、各写真画像に合成させる合成用画像として、背景画像を例に説明したが、合成用画像として、コース毎に定められた前景画像が含まれてもよい。
(3)上述した実施形態では、スタイルを表すモードとして、「おでかけ」コースと、「デイリー」コースの2つのモードが設定されている例を説明したが、スタイルを表すモードは、3つ以上であってもよい。
(4)上述した実施形態の事前接客処理において、プレイヤのスタイルに応じたコース選択を受け付ける際、アニメーション等で各コースに対応するスタイルを表し、プレイヤのスタイルに応じたコースを誘導する情報を報知するようにしてもよい。
【0131】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 写真撮影遊戯機
21A,21B カメラ
22A,22B 撮影用のディスプレイ
103 CPU
104 HDD
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
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図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15