特許第6232718号(P6232718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232718
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ハイブリッド車の制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/11 20160101AFI20171113BHJP
   B60W 20/13 20160101ALI20171113BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20171113BHJP
   B60W 10/26 20060101ALI20171113BHJP
   B60K 6/485 20071001ALI20171113BHJP
   B60K 6/445 20071001ALI20171113BHJP
   B60K 6/54 20071001ALI20171113BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   B60W20/11
   B60W20/13
   B60W10/06 900
   B60W10/26 900
   B60K6/485ZHV
   B60K6/445
   B60K6/54
   F02D45/00 364M
   F02D45/00 312M
   F02D45/00 312S
   F02D45/00 312Q
   F02D45/00 312Z
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-51240(P2013-51240)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-177161(P2014-177161A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2015年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100170058
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】伊東 悠太郎
(72)【発明者】
【氏名】森本 洋平
【審査官】 田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−332661(JP,A)
【文献】 特開平09−098516(JP,A)
【文献】 特開2007−084065(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/114431(WO,A1)
【文献】 特開平11−229916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20 − 6/547
B60L 1/00 − 3/12
B60L 7/00 − 13/00
B60L 15/00 − 15/42
B60W 10/00 − 20/50
F02D 43/00 − 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の動力源として搭載されたエンジン(11)及びモータジェネレータ(12,12A,12B)と、前記モータジェネレータ(12,12A,12B)と電力を授受する電力貯蔵手段(20)とを備えたハイブリッド車の制御装置において、
前記エンジン(11)の出力パワーと前記車両の駆動パワーとの差分に相当するエンジン出力パワーの増減量に対する前記エンジン(11)の燃料消費量の変化率(以下単に「燃料消費量変化率」という)を所定の更新周期で設定する変化率設定手段(25)と、
前記燃料消費量変化率と前記車両の目標駆動パワーとに基づいて、所定期間における前記電力貯蔵手段(20)の充放電エネルギ収支を所定値に操作しながら前記エンジン(11)の燃料消費量を最小にするエンジン出力パワー増減量を設定する増減量設定手段(25)とを備え、
前記増減量設定手段(25)は、前記燃料消費量変化率と前記目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在する場合に、前記燃料消費量と前記エンジン出力パワー増減量とから決まる効率に基づいて前記複数のエンジン出力パワー増減量の中から一つのエンジン出力パワー増減量を選択することを特徴とするハイブリッド車の制御装置。
【請求項2】
前記増減量設定手段(25)は、前記燃料消費量変化率と前記目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在する場合に、前記燃料消費量を前記エンジン出力パワー増減量で除算した値を前記効率として求め、前記複数のエンジン出力パワー増減量の中から前記効率が最小となるエンジン出力パワー増減量を選択することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の制御装置。
【請求項3】
前記増減量設定手段(25)は、前記燃料消費量と前記エンジン出力パワー増減量とから前記効率を求める際に、前記エンジン(11)の温度情報に応じて前記燃料消費量と前記エンジン出力パワー増減量との関係を補正することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車の制御装置。
【請求項4】
前記増減量設定手段(25)は、前記燃料消費量と前記エンジン出力パワー増減量とから前記効率を求める際に、車速に応じて前記燃料消費量と前記エンジン出力パワー増減量との関係を補正することを特徴とする請求項2又は3に記載のハイブリッド車の制御装置。
【請求項5】
前記増減量設定手段(25)は、前記燃料消費量と前記エンジン出力パワー増減量とから前記効率を求める際に、前記エンジン(11)のEGRガス量に応じて前記燃料消費量と前記エンジン出力パワー増減量との関係を補正することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のハイブリッド車の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の動力源としてエンジンとモータジェネレータとを搭載したハイブリッド車の制御装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、低燃費、低排気エミッションの社会的要請から車両の動力源としてエンジンとモータジェネレータとを搭載したハイブリッド車が注目されている。このようなハイブリッド車においては、例えば、特許文献1(特許第3812134号公報)に記載されているように、バッテリの充電状態を所定範囲に維持するように、車両の走行パワーとバッテリの充放電パワーとに基づいてエンジンのパワーを決定するようにしたものがある。また、走行パワーに応じてバッテリの充放電量を決定し、この充放電量分だけエンジンパワーを増加又は減少させることで、エンジンをより効率の良い動作点で運転させて燃費を向上させるようにしたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3812134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハイブリッド車においては、燃費性能を効果的に向上させるために、走行前後におけるバッテリの充放電エネルギ収支(バッテリに蓄えられるエネルギの変化量)を所望の値に操作しながらエンジンの燃料消費量を低減することが要求されるようになってきている。
【0005】
しかし、上記従来技術では、バッテリの充放電エネルギ収支が考慮されておらず、バッテリの充放電エネルギ収支を所望の値に操作しながらエンジンの燃料消費量を低減することができないため、燃費性能を効果的に向上させることができない。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、電力貯蔵手段の充放電エネルギ収支を所望の値に操作しながらエンジンの燃料消費量を低減することができるハイブリッド車の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の動力源として搭載されたエンジン(11)及びモータジェネレータ(12,12A,12B)と、このモータジェネレータ(12,12A,12B)と電力を授受する電力貯蔵手段(20)とを備えたハイブリッド車の制御装置において、エンジン(11)の出力パワーと車両の駆動パワーとの差分に相当するエンジン出力パワーの増減量に対するエンジン(11)の燃料消費量の変化率(以下単に「燃料消費量変化率」という)を所定の更新周期で設定する変化率設定手段(25)と、燃料消費量変化率と車両の目標駆動パワーとに基づいて、所定期間における電力貯蔵手段(20)の充放電エネルギ収支を所定値に操作しながらエンジン(11)の燃料消費量を最小にするエンジン出力パワー増減量を設定する増減量設定手段(25)とを備え、この増減量設定手段(25)は、燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在する場合に、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量とから決まる効率に基づいて複数のエンジン出力パワー増減量の中から一つのエンジン出力パワー増減量を選択するようにしたものである。
【0008】
後述する理由により、所定期間中の燃料消費量変化率を等しくする(一定にする)ことで、所定期間における電力貯蔵手段の充放電エネルギ収支(電力貯蔵手段に蓄えられるエネルギの変化量)を所定値に操作しながらエンジンの燃料消費量を最小にすることができる。
【0009】
従って、燃料消費量変化率を所定の更新周期で設定し、この燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに基づいてエンジン出力パワー増減量を設定することで、目標駆動パワーを実現しつつ、所定期間(燃料消費量変化率の更新周期に相当する期間)における電力貯蔵手段の充放電エネルギ収支を所定値に操作しながらエンジンの燃料消費量を最小にするエンジン出力パワー増減量を設定することができる。このエンジン出力パワー増減量に基づいてエンジンを制御することで、所定期間における電力貯蔵手段の充放電エネルギ収支を所定値に操作しながらエンジンの燃料消費量を最小にすることができる。このような制御を行うことで走行前後の電力貯蔵手段の充放電エネルギ収支を所望の値に操作しながらエンジンの燃料消費量を低減することが可能となり、燃費性能を効果的に向上させることができる。
【0010】
ところで、車両の駆動システムの特性によっては、エンジン出力パワー増減量と燃料消費量との関係において凸性が崩れる場合がある(図6参照)。このような場合、燃料消費量変化率が同一の値となるエンジン出力パワー増減量が複数存在する領域ができる(図7参照)。このため、燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに基づいてエンジン出力パワー増減量を設定する際に、燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在して、エンジン出力パワー増減量を一意に決定できないことがある。
【0011】
この対策として、請求項1に係る発明では、燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在する場合に、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量とから決まる効率に基づいて複数のエンジン出力パワー増減量の中から一つのエンジン出力パワー増減量を選択するようにしている。このようにすれば、燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在する場合でも、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量とから決まる効率を判断基準にして、エンジン出力パワー増減量を一意に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は本発明の実施例1におけるハイブリッド車の駆動システムの概略構成を示す図である。
図2図2はエンジン出力パワーに対する燃料消費量の特性を示す図である。
図3図3は燃料消費量が最小になる条件を説明する図である。
図4図4はエンジン要求パワーを算出する機能を示すブロック図である。
図5図5はエンジン出力パワー増減量のマップの一例を概念的に示す図である。
図6図6はエンジン出力パワー増減量と燃料消費量との関係を示す図である。
図7図7はエンジン出力パワー増減量と燃料消費量変化率との関係を示す図である。
図8図8は効率算出用マップの一例を概念的に示す図である。
図9図9はメイン制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は指令燃料消費量変化率算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11はエンジン出力パワー増減量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
図12図12は実施例2のハイブリッド車の駆動システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例1を図1乃至図11に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてハイブリッド車の駆動システムの概略構成を説明する。
車両の動力源として内燃機関であるエンジン11とモータジェネレータ(以下「MG」と表記する)12とが搭載されている。エンジン11の出力軸(クランク軸)の動力がMG12を介して変速機13に伝達され、この変速機13の出力軸の動力が駆動軸14、デファレンシャルギヤ機構15、車軸16等を介して車輪17に伝達される。変速機13は、複数段の変速段の中から変速段を段階的に切り換える有段変速機であっても良いし、無段階に変速するCVT(無段変速機)であっても良い。エンジン11の動力を変速機13に伝達する機械接続軸18の途中に、MG12の回転軸が動力伝達可能に連結されている。また、MG12を駆動するインバータ19がバッテリ20(電力貯蔵手段)に接続され、MG12がインバータ19を介してバッテリ20と電力を授受するようになっている。
【0015】
アクセルセンサ21によってアクセル開度(アクセルペダルの操作量)が検出され、シフトスイッチ22によってシフトレバーの操作位置が検出される。更に、ブレーキスイッチ23によってブレーキ操作(又はブレーキセンサによってブレーキ操作量)が検出され、車速センサ24により車速が検出される。
【0016】
ハイブリッドECU25は、車両全体を総合的に制御するコンピュータであり、上述した各種のセンサやスイッチの出力信号を読み込んで、車両の運転状態を検出する。このハイブリッドECU25は、エンジン11の運転を制御するエンジンECU26やインバータ19を制御してMG12を制御するMG−ECU27との間で制御信号やデータ信号を送受信し、各ECU26,27によって車両の運転状態に応じて、エンジン11やMG12等を制御する。
【0017】
その際、MG12は、バッテリ20から供給される電力を動力に変換して機械接続軸18に出力するか又は機械接続軸18から入力される動力を電力に変化してバッテリ20に充電する。変速機13は、機械接続軸18から入力される動力(エンジン11の動力とMG12の動力を合算した動力又はエンジン11の動力からMG12で電力に変換された動力を差し引いた動力)を増速又は減速して駆動軸14に出力する。
【0018】
また、ハイブリッドECU25は、エンジン出力パワー(エンジン11の出力パワー)を、車両の駆動パワーにエンジン11以外(例えば、MG12、変速機13、インバータ19、バッテリ20等)で消費される損失パワーを足したパワーよりも大きくすることでバッテリ20に電力を充電する。一方、エンジン出力パワーを、駆動パワーにエンジン11以外で消費される損失パワーを足したパワーよりも小さくすることでバッテリ20から電力を放電する。この場合、エンジン出力パワーは、駆動パワーにエンジン11以外で消費される損失パワーとバッテリ20の充放電パワーとを足したものとなる。
【0019】
ところで、ハイブリッド車においては、燃費性能を効果的に向上させるために、走行前後におけるバッテリ20の充放電エネルギ収支(バッテリ20に蓄えられるエネルギの変化量)を所望の値に操作しながらエンジン11の燃料消費量を低減することが要求されるようになってきている。
【0020】
そこで、本実施例1では、ハイブリッドECU25により後述する図9乃至図11の各ルーチンを実行することで、車両の目標駆動パワーを所定の更新周期で設定すると共に、エンジン出力パワーと駆動パワーとの差分に対するエンジン11の燃料消費量の変化率(以下単に「燃料消費量変化率」という)を所定の更新周期(目標駆動パワーの更新周期よりも長い更新周期)で設定し、この燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに基づいて、所定期間(燃料消費量変化率の更新周期に相当する期間)におけるバッテリ20の充放電エネルギ収支を所定値に操作しながらエンジン11の燃料消費量を最小にするエンジン出力パワー増減量を設定する。
【0021】
以下、所定期間におけるバッテリ20の充放電エネルギ収支を所定値に操作しながらエンジン11の燃料消費量を最小にするエンジン出力パワー増減量を設定できる理由を説明する。まず、説明の容易化のために二つの走行パワーの場合について考える。
【0022】
図2はエンジン出力パワーに対する燃料消費量の特性の一例を示す図である。ある走行パワーとそれよりも大きい走行パワーでのエンジン出力パワーの増減量をそれぞれP1 ,P2 とする。この増減量が特許請求の範囲でいうエンジン出力パワーと駆動パワーとの差分に相当する。これらの増減量P1 ,P2 に対する燃料消費量FC(P1 ),FC(P2 )の総和FC(P1 )+FC(P2 )の変化を等高線で表すと図3に示すようになる。バッテリ20の充放電エネルギ収支はP1 +P2 で表すことができるため、充放電エネルギ収支(P1 +P2 )が一定(E)になるP1 ,P2 の組み合わせは直線P1 +P2 =E(図3中に破線で示す直線)で表すことができる。
【0023】
この直線上で燃料消費量の総和FC(P1 )+FC(P2 )が最小になる増減量P1 ,P2 は、燃料消費量の等高線と直線が接する点(図3中に星印で示す点)となる。この点を示す条件は、直線と等高線の接点であることから、増減量P1 に対する燃料消費量FCの変化率である燃料消費量変化率dFC(P1 )/dP1 (燃料消費量FCの増減量P1 における微分値)と、増減量P2 に対する燃料消費量FCの変化率である燃料消費量変化率dFC(P2 )/dP2 (燃料消費量FCの増減量P2 における微分値)とが等しくなるということと等価である。
dFC(P1 )/dP1 =dFC(P2 )/dP2
【0024】
更に、走行前後における充放電エネルギ収支を操作したい場合でも、図3中の直線が平行移動するだけなので、燃料消費量が最小になる条件は、やはり燃料消費量変化率が等しくなることである。この条件は、走行パワーの点数が増えても適用可能であるため、様々な走行パターンに対しても成り立つ。
【0025】
上述した理由により、所定期間中の燃料消費量変化率を等しくする(一定にする)ことで、所定期間におけるバッテリ20の充放電エネルギ収支を所定値に操作しながらエンジン11の燃料消費量を最小にすることができる。
【0026】
従って、燃料消費量変化率を所定の更新周期で設定し、この燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに基づいてエンジン出力パワー増減量を設定することで、目標駆動パワーを実現しつつ、所定期間(燃料消費量変化率の更新周期に相当する期間)におけるバッテリ20の充放電エネルギ収支を所定値に操作しながらエンジン11の燃料消費量を最小にするエンジン出力パワー増減量を設定することができる。このエンジン出力パワー増減量に基づいてエンジン11を制御することで、所定期間におけるバッテリ20の充放電エネルギ収支を所定値に操作しながらエンジン11の燃料消費量を最小にすることができる。
【0027】
具体的には、図4に示すように、まず、車両の目標駆動パワーを算出すると共に、エンジン11以外(例えば、MG12、変速機13、インバータ19、バッテリ20等)で消費される損失パワーを算出する。更に、車両の走行パターン情報とバッテリ20の目標充放電エネルギ収支を設定する。
【0028】
走行パターン情報は、例えば、複数の領域に区分された走行パワーの各領域毎の走行時間の頻度又は割合を走行パターン情報として算出する。或は、平均速度や平均走行パワーを走行パターン情報として算出するようにしても良い。また、過去の走行履歴(例えば過去の走行経路や走行距離等)とナビゲーション装置(図示せず)からの走行情報(例えば将来の走行経路や走行距離等)のうちの少なくとも一方に基づいて走行パターン情報を予測して設定するようにしても良い。
【0029】
目標充放電エネルギ収支は、例えば、放電をプラス値とした場合に、MG12の動力のみで走行するEV走行によりバッテリ20から放電されるエネルギ量(放電エネルギ量)と車両の運動エネルギをMG12で電気エネルギに変換してバッテリ20に充電するエネルギ回生によりバッテリ20に充電されるエネルギ量(充電エネルギ量)と走行中にバッテリ20に充電したいエネルギ量(要求充電エネルギ量)との総和を算出し、この総和を目標充放電エネルギ収支として設定する。
【0030】
目標充放電エネルギ収支=放電エネルギ量+充電エネルギ量+要求充電エネルギ量
また、過去の走行履歴とナビゲーション装置からの走行情報のうちの少なくとも一方に基づいて充電エネルギ量や放電エネルギ量や要求充電エネルギ量を予測して目標充放電エネルギ収支を設定するようにしても良い。
【0031】
この後、走行パターン情報と目標充放電エネルギ収支とに基づいて指令燃料消費量変化率を所定の更新周期(目標駆動パワーの更新周期よりも長い更新周期)で設定する。つまり、所定時間(更新周期に相当する時間)毎に指令燃料消費量変化率を更新する。本実施例1では、走行パターン情報と目標充放電エネルギ収支と指令燃料消費量変化率との関係を規定するマップを“指令燃料消費量変化率のマップ”として予め記憶しておき、この指令燃料消費量変化率のマップを参照して、走行パターン情報と目標充放電エネルギ収支とに応じた指令燃料消費量変化率を算出する。この指令燃料消費量変化率のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成され、ハイブリッドECU25のROMに記憶されている。
【0032】
この後、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに基づいて、所定期間(指令燃料消費量変化率の更新周期に相当する期間)におけるバッテリ20の充放電エネルギ収支を所定値(目標充放電エネルギ収支)に操作しながらエンジン11の燃料消費量を最小にするエンジン出力パワー増減量を設定する。
【0033】
本実施例1では、図5に示すように、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとエンジン出力パワー増減量との関係を規定するマップを“エンジン出力パワー増減量のマップ”として予め記憶しておき、このエンジン出力パワー増減量のマップを参照して、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに応じたエンジン出力パワー増減量を算出する。
【0034】
エンジン出力パワー増減量のマップは、各部(例えば、エンジン11、MG12、変速機13、インバータ19、バッテリ20等のうちの少なくとも一つ)の温度情報毎に設定され、各部の温度情報に応じてエンジン出力パワー増減量のマップを変更する(切り替える)ようにしている。このエンジン出力パワー増減量のマップは、予め車両設計時等にオフラインで各部(例えば、エンジン11、MG12、変速機13、インバータ19、バッテリ20等のうちの少なくとも一つ)の損失特性の試験データや設計データ等に基づいて作成され、ハイブリッドECU25のROMに記憶されている。
【0035】
この後、エンジン出力パワー増減量に目標駆動パワーと損失パワーとを加算してエンジン要求パワーを求め、このエンジン要求パワーを実現するようにエンジン11のトルクや回転速度を制御する。
【0036】
ところで、図6に示すように、車両の駆動システムの特性によっては、エンジン出力パワー増減量と燃料消費量との関係において凸性が崩れる場合がある。このような場合、図7に示すように、燃料消費量変化率が同一の値となるエンジン出力パワー増減量が複数存在する領域ができる。このため、図5のマップを用いて、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに基づいてエンジン出力パワー増減量を設定する際に、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在して、エンジン出力パワー増減量を一意に決定できないことがある。
【0037】
この対策として、本実施例1では、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在する場合に、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量との関係から決まる効率に基づいて複数のエンジン出力パワー増減量の中から一つのエンジン出力パワー増減量を選択する。
【0038】
具体的には、図8に示すように、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量との関係を規定するマップを“効率算出用マップ”として予め記憶しておき、この効率算出用マップを参照して、今回の複数のエンジン出力パワー増減量について、それぞれ燃料消費量をエンジン出力パワー増減量で除算した値(図8では原点と星印とを結ぶ直線の傾き)を効率として求め、今回の複数のエンジン出力パワー増減量の中から効率(傾き)が最小となるエンジン出力パワー増減量を選択する。
【0039】
効率算出用マップは、各種の情報(例えば、エンジン11の温度情報、車速、エンジン11のEGRガス量等のうちの少なくとも一つ)毎に設定され、各種の情報に応じて効率算出用マップを変更する(切り替える)ことで、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量との関係を補正するようにしている。この効率算出用マップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成され、ハイブリッドECU25のROMに記憶されている。
以下、本実施例1でハイブリッドECU25が実行する図9乃至図11の各ルーチンの処理内容を説明する。
【0040】
[メイン制御ルーチン]
図9に示すメイン制御ルーチンは、ハイブリッドECU25の電源オン期間中に所定の演算周期T1 で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、アクセル開度や車速等に基づいて目標駆動パワーをマップ又は数式により算出する。この後、ステップ102に進み、アクセル開度や車速等に基づいてエンジン11以外で消費される損失パワーをマップ又は数式により算出する。
【0041】
この後、ステップ103に進み、後述する図10の指令燃料消費量変化率算出ルーチンを実行することで、指令燃料消費量変化率を算出した後、ステップ104に進み、後述する図11のエンジン出力パワー増減量算出ルーチンを実行することで、エンジン出力パワー増減量を算出する。
【0042】
この後、ステップ105に進み、エンジン出力パワー増減量に目標駆動パワーと損失パワーとを加算してエンジン要求パワーを求める。この後、ステップ106に進み、エンジン要求パワーに基づいてエンジン11の要求トルクと要求回転速度を算出した後、ステップ107に進み、MG12の要求トルク又は要求回転速度を算出する。
【0043】
この後、ステップ108に進み、エンジン11の要求トルクと要求回転速度をエンジンECU26に指令してエンジン11の要求トルクと要求回転速度を実現するようにエンジン11を制御する。この後、ステップ109に進み、MG12の要求トルク又は要求回転速度をMG−ECU27に指令してMG12の要求トルク又は要求回転速度を実現するようにMG12を制御する。
【0044】
[指令燃料消費量変化率算出ルーチン]
図10に示す指令燃料消費量変化率算出ルーチンは、前記図9のメイン制御ルーチンのステップ103で実行されるサブルーチンである。本ルーチンは、前記図9のメイン制御ルーチンの演算周期T1 よりも長い演算周期T2 で繰り返し実行される。
【0045】
本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、例えば、複数の領域に区分された走行パワーの各領域毎の走行時間の頻度又は割合を走行パターン情報として算出する。或は、平均速度や平均走行パワーを走行パターン情報として算出するようにしても良い。また、過去の走行履歴とナビゲーション装置からの走行情報のうちの少なくとも一方に基づいて走行パターン情報を予測して設定するようにしても良い。
【0046】
この後、ステップ202に進み、EV走行によりバッテリ20から放電されるエネルギ量(放電エネルギ量)とエネルギ回生によりバッテリ20に充電されるエネルギ量(充電エネルギ量)と走行中にバッテリ20に充電したいエネルギ量(要求充電エネルギ量)との総和を算出し、この総和を目標充放電エネルギ収支として設定する。また、過去の走行履歴とナビゲーション装置からの走行情報のうちの少なくとも一方に基づいて充電エネルギ量や放電エネルギ量や要求充電エネルギ量を予測して目標充放電エネルギ収支を設定するようにしても良い。
【0047】
この後、ステップ203に進み、指令燃料消費量変化率のマップを参照して、走行パターン情報と目標充放電エネルギ収支とに応じた指令燃料消費量変化率を算出する。これにより、指令燃料消費量変化率の更新周期(演算周期T2 )を目標駆動パワーの更新周期(演算周期T1 )よりも長くすると共に、指令燃料消費量変化率の更新タイミング間(今回の更新タイミングから次回の更新タイミングまでの間)は指令燃料消費量変化率の値を固定する。このステップ203の処理が特許請求の範囲でいう変化率設定手段としての役割を果たす。
【0048】
[エンジン出力パワー増減量算出ルーチン]
図11に示すエンジン出力パワー増減量算出ルーチンは、前記図9のメイン制御ルーチンのステップ104で実行されるサブルーチンであり、特許請求の範囲でいう増減量設定手段としての役割を果たす。本ルーチンは、前記図9のメイン制御ルーチンと同じ演算周期T1 で繰り返し実行される。
【0049】
本ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、図5に示すエンジン出力パワー増減量のマップを参照して、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに応じたエンジン出力パワー増減量を算出する。この際、各部(例えば、エンジン11、MG12、変速機13、インバータ19、バッテリ20等のうちの少なくとも一つ)の温度情報に応じてエンジン出力パワー増減量のマップを切り替えて、各部の温度情報に応じたエンジン出力パワー増減量のマップを選択する。
【0050】
この場合、例えば、エンジン11の温度の代用情報として冷却水温を検出するようにしても良い。また、変速機13の温度の代用情報として作動油(ATF等)の温度を検出するようにしても良い。或は、エンジン11の温度、MG12の温度、変速機13の温度、インバータ19の温度、バッテリ20の温度等のうちの少なくとも一つを推定(算出)するようにしても良い。
【0051】
この後、ステップ302に進み、該当するエンジン出力パワー増減量(今回の指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量)が単一であるか否かを判定する。
【0052】
このステップ302で、該当するエンジン出力パワー増減量が単一であると判定された場合には、そのエンジン出力パワー増減量をそのまま今回のエンジン出力パワー増減量として採用して、本ルーチンを終了する。
【0053】
一方、上記ステップ302で、該当するエンジン出力パワー増減量が単一ではない(つまり複数である)と判定された場合には、ステップ303に進み、図8に示す効率算出用マップを参照して、今回の複数のエンジン出力パワー増減量について、それぞれ燃料消費量をエンジン出力パワー増減量で除算した値を効率として求める。この際、各種の情報(例えば、エンジン11の温度情報、車速、エンジン11のEGRガス量等のうちの少なくとも一つ)に応じて効率算出用マップを切り替えて、各種の情報に応じた効率算出用マップを選択する。
【0054】
この後、ステップ304に進み、今回の複数のエンジン出力パワー増減量の中から効率(傾き)が最小となるエンジン出力パワー増減量を今回のエンジン出力パワー増減量として選択して、本ルーチンを終了する。
【0055】
以上説明した本実施例1では、指令燃料消費量変化率を所定の更新周期で設定し、この指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに基づいてエンジン出力パワー増減量を設定するようにしたので、目標駆動パワーを実現しつつ、所定期間(燃料消費量変化率の更新周期に相当する期間)におけるバッテリ20の充放電エネルギ収支を所定値(目標充放電エネルギ収支)に操作しながらエンジン11の燃料消費量を最小にするエンジン出力パワー増減量を設定することができる。このエンジン出力パワー増減量に基づいてエンジン11を制御することで、所定期間におけるバッテリ20の充放電エネルギ収支を所定値に操作しながらエンジン11の燃料消費量を最小にすることができる。このような制御を行うことで走行前後のバッテリ20の充放電エネルギ収支を所望の値に操作しながらエンジン11の燃料消費量を低減することが可能となり、燃費性能を効果的に向上させることができる。
【0056】
また、本実施例1では、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに基づいてエンジン出力パワー増減量を設定する際に、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在する場合に、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量とから決まる効率に基づいて複数のエンジン出力パワー増減量の中から一つのエンジン出力パワー増減量を選択するようにしたので、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在する場合でも、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量とから決まる効率を判断基準にして、エンジン出力パワー増減量を一意に決定することができる。
【0057】
その際、本実施例1では、燃料消費量をエンジン出力パワー増減量で除算した値を効率として求め、複数のエンジン出力パワー増減量の中から効率が最小となるエンジン出力パワー増減量を選択するようにしたので、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応する複数のエンジン出力パワー増減量の中から、同一エネルギだけ発電した場合に燃料消費量が最も小さくなるエンジン出力パワー増減量を選択して設定することができる。
【0058】
更に、本実施例1では、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量とから効率を求める際に、各種の情報(例えば、エンジン11の温度情報、車速、エンジン11のEGRガス量等のうちの少なくとも一つ)に応じて効率算出用マップを変更して燃料消費量とエンジン出力パワー増減量との関係を補正するようにしたので、各種の情報に応じて、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量との関係が変化するのに対応して、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量との関係を補正することができ、燃料消費量とエンジン出力パワー増減量とから求める効率の誤差をより小さくすることができる。
【0059】
また、本実施例1では、指令燃料消費量変化率の更新周期(演算周期T2 )を目標駆動パワーの更新周期(演算周期T1 )よりも長くするようにしたので、指令燃料消費量変化率を一定に維持する期間を十分に確保しながら、目標駆動パワーの更新周期を十分に短くしてアクセル開度等に対する目標駆動パワーの応答性を確保することができる。しかも、指令燃料消費量変化率の更新タイミング間は指令燃料消費量変化率の値を固定するようにしたので、更新タイミング間は指令燃料消費量変化率を確実に一定に維持することができる。
【0060】
また、本実施例1では、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとエンジン出力パワー増減量との関係を規定するマップを“エンジン出力パワー増減量のマップ”として予め記憶しておき、このエンジン出力パワー増減量のマップを参照して、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに応じたエンジン出力パワー増減量を算出するようにしたので、複雑な演算処理を行うことなく、予め記憶したエンジン出力パワー増減量のマップを用いてエンジン出力パワー増減量を設定することができ、制御装置(例えばハイブリッドECU25)の演算負荷を軽減することができる。
【0061】
更に、本実施例1では、各部(例えば、エンジン11、MG12、変速機13、インバータ19、バッテリ20等のうちの少なくとも一つ)の温度情報に応じてエンジン出力パワー増減量のマップを変更するようにしたので、各部の温度によって、各部の損失が変化して、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとエンジン出力パワー増減量との関係が変化するのに対応して、エンジン出力パワー増減量のマップを変更することができ、エンジン出力パワー増減量を精度良く設定することができる。
【0062】
また、本実施例1では、走行パターン情報と目標充放電エネルギ収支とに基づいて指令燃料消費量変化率を設定するようにしたので、走行パターン情報や目標充放電エネルギ収支の変化に応じて、指令燃料消費量変化率を所定の更新周期で変化させて、燃料消費量変化率を適正値に設定することができる。
【0063】
更に、本実施例1では、走行パターン情報と目標充放電エネルギ収支と指令燃料消費量変化率との関係を規定するマップを“指令燃料消費量変化率のマップ”として予め記憶しておき、この指令燃料消費量変化率のマップを参照して、走行パターン情報と目標充放電エネルギ収支とに応じた指令燃料消費量変化率を算出するようにしたので、複雑な演算処理を行うことなく、予め記憶した指令燃料消費量変化率のマップを用いて指令燃料消費量変化率を設定することができ、制御装置(例えばハイブリッドECU25)の演算負荷を軽減することができる。
【0064】
尚、上記実施例1では、エンジン11から変速機13までの動力伝達経路にクラッチを設けない構成としたが、これに限定されず、例えば、エンジン11とMG12との間にクラッチを設けたり、MG12と変速機13との間にクラッチを設けた構成としても良い。或は、変速機13にクラッチを内蔵した構成としても良い。また、変速機13を省略した構成としても良い。
【実施例2】
【0065】
次に、図12を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
【0066】
本実施例2では、図12に示すように、車両の動力源としてエンジン11と二つのMG(第1のMG12A及び第2のMG12B)とが搭載されている。エンジン11の出力軸(クランク軸)と第1のMG12Aの回転軸と第2のMG12Bの回転軸とが動力分割機構である遊星ギヤ機構28を介して連結され、第2のMG12Bの回転軸が駆動軸14に連結されている。
【0067】
第1のMG12Aと第2のMG12Bは、それぞれインバータ19A,19Bを介してバッテリ20と電力を授受するようになっている。MG−ECU27は、第1のインバータ19Aを制御して第1のMG12Aを制御すると共に、第2のインバータ19Bを制御して第2のMG12Bを制御する。
【0068】
本実施例2においても、指令燃料消費量変化率を所定の更新周期で設定し、この指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに基づいてエンジン出力パワー増減量を設定する。これにより、前記実施例1とほぼ同じ効果を得ることができる。
【0069】
尚、上記各実施例1,2では、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量として複数のエンジン出力パワー増減量が存在する場合に、オンラインで、複数のエンジン出力パワー増減量の中から効率が最小となるエンジン出力パワー増減量を選択するようにしたが、例えば、予め車両設計時等にオフラインで、複数のエンジン出力パワー増減量の中から効率が最小となるエンジン出力パワー増減量を選択しておき、この情報に基づいて、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量が常に単一となるようにエンジン出力パワー増減量のマップを作成しておくようにしても良い。
【0070】
また、図11のエンジン出力パワー増減量算出ルーチンのステップ302の処理を省略して、該当するエンジン出力パワー増減量(今回の指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに対応するエンジン出力パワー増減量)が単一であるか否かに拘らず、単一又は複数のエンジン出力パワー増減量について、燃料消費量をエンジン出力パワー増減量で除算した値を効率として求め、単一又は複数のエンジン出力パワー増減量の中から効率が最小となるエンジン出力パワー増減量を選択するようにしても良い。
【0071】
また、上記各実施例1,2では、所定時間毎に指令燃料消費量変化率を更新するようにしたが、これに限定されず、例えば、走行パターン情報が所定以上変化した場合に指令燃料消費量変化率を更新するようにしても良い。
【0072】
また、上記各実施例1,2では、エンジン出力パワー増減量のマップを用いてエンジン出力パワー増減量を算出するようにしたが、これに限定されず、例えば、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとエンジン出力パワー増減量との関係を規定する1つ又は複数の数式(例えば近似式)を予め記憶しておき、その数式を用いて、指令燃料消費量変化率と目標駆動パワーとに応じたエンジン出力パワー増減量を算出するようにしても良い。
【0073】
また、上記各実施例1,2では、指令燃料消費量変化率のマップを用いて指令燃料消費量変化率を算出するようにしたが、これに限定されず、例えば、走行パターン情報と目標充放電エネルギ収支と指令燃料消費量変化率との関係を規定する1つ又は複数の数式(例えば近似式)を予め記憶しておき、その数式を用いて、走行パターン情報と目標充放電エネルギ収支とに応じた指令燃料消費量変化率を算出するようにしても良い。
【0074】
また、上記各実施例1,2では、バッテリ20を電力貯蔵手段として搭載した構成としたが、これに限定されず、例えば、キャパシタ等を電力貯蔵手段として搭載した構成としても良い。
【0075】
その他、本発明は、図1及び図12に示す構成のハイブリッド車に限定されず、車両の動力源としてエンジンとMGとを搭載した種々の構成のハイブリッド車に適用して実施できる。
【符号の説明】
【0076】
11…エンジン、12…MG(モータジェネレータ)、20…バッテリ(電力貯蔵手段)、25…ハイブリッドECU(変化率設定手段,増減量設定手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12