(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車載前照灯(100,110)において、カバー(61,62)で囲まれた灯具内空間(S10)に配置された光源としてのLED(21)を駆動するものであり、前記カバーに設けられた取付穴(62a)に取り付けられるLED駆動装置(10,10a〜10c)であって、
前記LEDを駆動するための回路部(11)と、
前記回路部と一体的に設けられており、前記取付穴を塞ぎつつ、前記カバーに取り付けられる取付部(13)と、
前記LEDとの電気的な接続を行うための内部コネクタ部(14,14a)と、
前記カバーの外部に設けられた外部機器との電気的な接続を行うための外部コネクタ部(15,15a)と、を備え、
前記取付部は、前記回路部の長手方向に対して直交する方向に突出して設けられており、
前記内部コネクタ部及び前記外部コネクタ部は、前記回路部及び前記取付部と一体的に設けられていることを特徴とするLED駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0014】
(実施形態1)
まず、
図1〜
図6を用いて、実施形態1に関して説明する。前照灯100は、車両の前方も光を照射する所謂ヘッドライドであり、本発明の特許請求の範囲における車載前照灯に相当する。
図1に示すように、前照灯100は、駆動装置10、光源部20、内部配線30、外部配線31、ヒートシンク40、リフレクタ50、前方カバー61、後方カバー62などを備えて構成されている。また、前照灯100は、前方カバー61及び後方カバー62とで囲まれた灯具内空間S10を有している。この灯具内空間S10には、光源としてのLED21を含む光源部20、ヒートシンク40、リフレクタ50、内部配線30などが配置されている。
【0015】
なお、
図1におけるx軸は、地面に対して水平であり、y軸は、地面に対して垂直である。よって、x軸方向は、地面に対する水平方向を示し、y軸方向は、地面に対する垂直方向を示す。また、x軸上の位置は、地面に対する水平方向の位置を示し、y軸上の位置は、地面に対する垂直方向の位置を示す。なお、図示は省略するが、x軸及びy軸と直交する軸をz軸とも称する。つまり、z軸方向は、紙面の奥行き方向を示す。
【0016】
前方カバー61は、LED21からの光が車両の前方に照射されるように透明な樹脂によって形成されている。一方、後方カバー62は、樹脂によって形成されているが、特に透明である必要はない。また、後方カバー62は、
図7(b)などに示すように、駆動装置10が取り付けられる取付穴62a、後ほど説明するフランジ13aが係合される係合部62cなどが設けられている。なお、後方カバー62に関しては、後ほど詳しく説明する。
【0017】
駆動装置10は、LED21を駆動するものであり、本発明の特許請求の範囲におけるLED駆動装置に相当する。
図3,
図4に示すように、駆動装置10は、LED21を駆動するための回路基板11と、回路基板11と一体的に設けられた取付部13とを備えて構成されている。従って、回路基板11と取付部13とが一体化された駆動装置10と称することもできる。なお、回路基板11は、本発明の特許請求の範囲における回路部に相当する。
【0018】
詳述すると、回路基板11は、LED21を駆動するための複数の回路素子を備えて構成されている。ここでは、一例として、直方体形状をなした回路基板11を採用している。また、回路基板11は、取付部13と一体的に設けられた支持部12上に配置され、螺子17によって支持部12に固定されている。つまり、回路基板11は、取付部13と一体的に設けられた支持部12上に固定されることで、取付部13と一体的に設けられている。なお、回路基板11は、接着材によって支持部12に固定されていてもよい。つまり、回路基板11は、固定部材によって支持部12に固定されていればよい。また、回路基板11は、支持部12を介することなく、取付部13と直接一体的に設けられていてもよい。また、取付部13は、例えばモールド成形によって支持部12と一体的に設けることができる。
【0019】
取付部13は、回路基板11の長手方向に対して直交する方向に突出して設けられている。この取付部13は、駆動装置10を後方カバー62に取り付ける際に、取付穴62aを塞ぎつつ、駆動装置10を後方カバー62カバーに取り付けられるための部位である。ここでは、一例として、
図7(a)に示すように、回路基板11の長手方向に直交する全周に突出して設けられた取付部13を採用している。つまり、ここでの取付部13は、フランジ部13aを除くと円柱形状をなしている。なお、
図7(a)は、駆動装置10の前面図であり、
図3の矢印VIIa方向から駆動装置10を見た場合の図面である。
【0020】
また、取付部13は、係合部62cと係合するフランジ13aを有する。このフランジ13aは、回路基板11の長手方向に対して直交する方向に、取付部13の端部(外周面)から突出して設けられている。なお、ここでは、二つのフランジ13aが設けられた取付部13を採用している。しかしながら、本発明は、これに限定されない。本発明は、三つ以上のフランジ13aが設けられた取付部13を採用することもできる。
【0021】
この駆動装置10は、
図1などに示すように、取付部13が後方カバー62に取り付けられることで、後方カバー62に取り付けられる。詳述すると、駆動装置10は、フランジ13aが係合部62cと係合することで、後方カバー62に取り付けられる。よって、フランジ13aは、被係合部と称することもできる。
【0022】
また、駆動装置10は、
図3〜
図5に示すように、回路基板11及び取付部13と、内部コネクタ部14と外部コネクタ部15とが一体的に設けられていてもよい。この内部コネクタ部14及び外部コネクタ部15は、例えばモールド成形によって取付部13と一体的に設けることができる。
【0023】
なお、
図3は、駆動装置10の上面図であり、
図2の矢印III方向から駆動装置10を見た場合の図面である。
図4は、駆動装置10の側面図であり、
図3の矢印IV方向から駆動装置10を見た場合の図面である。
図5は、駆動装置10の下面図であり、
図2の矢印V方向から駆動装置10を見た場合の図面である。
【0024】
内部コネクタ部14は、回路基板11とLED21との電気的な接続を行うための部位であり、回路基板11と電気的に接続された内部端子18を有している。よって、内部コネクタ部14は、出力側コネクタ部と言い換えることができる。この内部コネクタ部14は、内部端子18を囲うように設けられており、内部配線30のコネクタ(図示省略)が取り付け可能な形状を有している。つまり、内部端子18は、内部コネクタ部14で囲まれた空間に露出している。
【0025】
また、内部コネクタ部14は、
図4,
図5に示すように、駆動装置10の下面側に内部端子18が露出している。言い換えると、内部コネクタ部14は、回路基板11の平面(最も広い面)に直交する方向に内部端子18が露出している。よって、内部コネクタ部14は、駆動装置10の下面側から内部配線30のコネクタが取り付けられる。また、内部コネクタ部14は、駆動装置10が後方カバー62に取り付けられた状態では、灯具内空間S10であり、且つ地面側に内部端子18が露出することになる。なお、内部端子18は、回路基板11に電気的に接続させつつ、回路基板11の平面に直交する方向に露出させるために、直線形状を有している。
【0026】
外部コネクタ部15は、回路基板11と、カバー61,62の外部に設けられた外部機器との電気的な接続を行うための部位であり、回路基板11と電気的に接続された外部端子19を有している。よって、外部コネクタ部15は、入力側コネクタ部と言い換えることができる。この外部コネクタ部15は、外部端子19を囲うように設けられており、外部配線31のコネクタ(図示省略)が取り付け可能な形状を有している。つまり、外部端子19は、外部コネクタ部15で囲まれた空間に露出している。なお、外部機器とは、図示や省略するが、回路基板11に対して電源を供給するバッテリや、回路基板11に対して点灯の指示をする制御装置などである。
【0027】
また、外部コネクタ部15は、
図4,
図7(a)に示すように、駆動装置10の前面側に外部端子19が露出している。言い換えると、外部コネクタ部15は、回路基板11の長手方向に外部端子19が露出している。よって、外部コネクタ部15は、駆動装置10の前面側から外部配線31のコネクタが取り付けられる。また、外部コネクタ部15は、駆動装置10が後方カバー62に取り付けられた状態では、灯具外空間であり、且つ車両の後方側に外部端子19が露出することになる。なお、外部端子19は、回路基板11に電気的に接続させつつ、回路基板11の長手方向に露出させるために、L字形状を有している。
【0028】
内部端子18及び外部端子19は、例えばインサート成形によって内部コネクタ部14や外部コネクタ部15に設けられている。内部端子18及び外部端子19は、インサート成形される前には、
図6に示すように、一体的に設けられている。そして、内部端子18及び外部端子19は、インサート成形後に、切断線で切断される。
【0029】
このように、外部コネクタ部15は、前照灯100と外部機器との電気的な接続を行うためのコネクタであり、前照灯コネクタと言い換えることができる。よって、駆動装置10は、前照灯コネクタが一体的に設けられていると言い換えることができる。つまり、駆動装置10は、回路基板11と前照灯コネクタとが一体的に設けられている。
【0030】
上述の内部配線30は、回路基板11とLED21とを電気的に接続するための配線である。
図2に示すように、内部配線30は、灯具内空間S10に配置される。この内部配線30は、一方の端部が内部コネクタ部14の内部端子18と電気的に接続され、他方の端部が後ほど説明する光源部20に設けられたLEDコネクタ部22と電気的に接続される。
【0031】
また、上述の外部配線31は、回路基板11と外部機器とを電気的に接続するための配線である。
図2に示すように、外部配線31は、灯具内空間S10の外部(灯具外空間)に配置される。この外部配線31は、一方の端部が外部コネクタ部15の外部端子19と電気的に接続され、他方の端部が外部機器と電気的に接続される。なお、
図2は、駆動装置10と光源部20との接続関係を示す概略図であり、駆動装置10と光源部20の位置関係が
図1とは異なる。また、
図2は、回路基板11などを省略している。
【0032】
さらに、駆動装置10は、
図3,
図4に示すように、回路基板11及び取付部13と、放熱板16とが一体的に設けられていてもよい。放熱板16は、回路基板11から発せられた熱を放熱する。放熱板16は、例えばインサート成形によって取付部13などに設けられている。放熱板16は、本発明の特許請求の範囲における放熱部材に相当する。
【0033】
ところで、駆動装置10は、後方カバー62に取り付けられた状態では、この取付部13を基準として、一部が灯具内空間S10に配置され、その他の部位が灯具外空間に配置される。つまり、回路基板11及び内部コネクタ部14は、灯具内空間S10に配置される。一方、外部コネクタ15は、灯具外空間に配置される。しかしながら、放熱板16に関しては、駆動装置10が後方カバー62に取り付けられた状態では、一部が灯具外空間に配置され、その他の部位が灯具内空間S10に配置される。言い換えると、外部コネクタ部15は、取付部13の前面側に設けられている。回路基板11や内部コネクタ部14は、取付部13の後面側に設けられている。そして、放熱板16は、取付部13を貫通して前面側と後面側とにわたって設けられている。なお、この放熱板16における、灯具内空間S10に配置されている部分は、回路基板11の発熱量が多い部位に接触させると好ましい。
【0034】
光源部20は、
図2に示すように、光源としてのLED21を含んでいる。光源部20は、上述のように内部配線30が接続されるLEDコネクタ部22と、LED21を載せている台座23を備えている。なお、本発明は、これに限定されず、LED21を含む光源部20であれば採用できる。
【0035】
この光源部20は、
図1に示すように、ヒートシンク40上に配置されている。さらに、光源部20の周辺には、LED21の光を反射させる、周知のリフレクタ50が配置されている。リフレクタ50は、曲面形状をしており、LED21と向かい合う反射面を有している。本実施形態のリフレクタ50は、y軸上におけるLED21の位置から、y軸上に遠ざかるに連れて、後方カバー62とのx軸上の距離が遠ざかる形状を有している。さらに、このリフレクタ50は、z軸上におけるLED21の位置から、z軸上に遠ざかるに連れて、後方カバー62とのx軸上の距離が遠ざかる形状を有している。なお、リフレクタ50は、半球形状であっても採用できる。
【0036】
ここで、
図7(a)〜(d)などを用いて、後方カバー62の構造と、後方カバー62に対する駆動装置10の取り付け方法に関して説明する。なお、ここで説明する駆動装置10の取り付け方法は、一例に過ぎない。
【0037】
図7(b)は、後方カバー62の前面図であり、
図1の矢印VIIb方向から駆動装置10を見た場合の図面である。
図7(c)は、取付穴62aに駆動装置10が挿入された状態を、
図1の矢印VIIb方向から見た場合の図面である。
図7(d)は、後方カバー62に駆動装置10が取り付けられた状態を、
図1の矢印VIIb方向から見た場合の図面である。
【0038】
図7(b)に示すように、後方カバー62は、駆動装置10が取り付けられる取付穴62aが設けられている。取付穴62aは、後方カバー62を厚み方向に貫通する穴である。取付穴62aの開口面積は、駆動装置10における取付部13の後面側に設けられた部位は通すことはできるものの、取付部13及び取付部13の前面側に設けられた部位は通すことができない広さである。よって、取付穴62aは、回路基板11や内部コネクタ部14は通すことができるものの、取付部13や外部コネクタ部15は通すことができない広さである。
【0039】
後方カバー62は、取付穴62aの周辺に段差部62dが設けられている。段差部62dは、後方カバー62の厚み方向に窪んだ凹部である。なお、後方カバー62の厚み方向とは、
図7では紙面奥行き方向であり、
図1ではx軸方向である。なお、
図1においては、段差部62dなど、後方カバー62の詳細な図示は省略している。
【0040】
段差部62dは、フランジ13aの形状、及び取付部13におけるフランジ13a以外の部分の形状に対応して設けられている。ここでの形状とは、
図3において矢印VIIaとは反対方向から取付部13を見た場合の形状であり、
図7(a)に示す取付部13の外形(輪郭)に相当する。なお、符号62bは、段差部62dにおける、フランジ13aの形状に対応する部位であり、係合用開口部と称する。
【0041】
段差部62dは、取付部13の外形よりも広く設けられている。よって、段差部62dは、後方カバー62に駆動装置10が取り付けられた状態では、取付部13と対向することになる。詳述すると、段差部62dは、取付部13における回路基板11が設けられている後面側の表面と対向する。
【0042】
また、後方カバー62は、駆動装置10を後方カバー62に固定するための機構として、取付穴62aの周辺に係合部62cが設けられている。係合部62cは、フランジ13aと係合する部位である。ここでは、一例として、フランジ13aがスライド挿入可能な溝を有する係合部62cを採用する。係合部62cの溝は、後方カバー62の厚み方向に直交する方向に設けられた溝であり、係合部62cの溝は、取付穴62aの周方向に沿って設けられていると言い換えることもできる。また、係合部62cの溝は、段差部62dにおける後方カバー62の厚み方向に沿う壁面の一部から、後方カバー62の厚み方向に直交する方向に設けられていると言い換えることもできる。そして、係合部62cの溝は、取付穴62a側及び係合用開口部62b側が開口している。さらに、係合部62cは、係合用開口部62b側の開口端に、後方カバー62の厚み方向に突出した突起が設けられている。
【0043】
しかしながら、本発明は、これに限定されない。係合部62cは、フランジ13aと互いに係合する構成であれば採用することができる。つまり、駆動装置10を後方カバー62に固定できる機構であれば、採用することができる。なお、駆動装置10と後方カバー62とが互いに係合することで、駆動装置10を後方カバー62に固定できる機構であれば、螺子や接着材などを用いる必要がないので、部品点数を減らすことができる。
【0044】
このような後方カバー62に駆動装置10を取り付ける場合、
図7(c)に示すように、取付穴62aに駆動装置10の一部を挿入する。つまり、
図1の矢印VIIb方向に駆動装置10を移動させて、取付穴62aに駆動装置10の一部を挿入する。このとき、回路基板11や内部コネクタ部14は、取付穴62aを通って灯具内空間S10に配置することができる。しかしながら、取付部13は、取付穴62aに引っ掛かり、灯具内空間S10に配置することができない。従って、外部コネクタ部15に関しても、灯具内空間S10に配置することができない。なお、取付穴62aに駆動装置10の一部を挿入する際には、フランジ13aが係合用開口部62bに配置されるようにする。
【0045】
このように、取付穴62aに駆動装置10の一部を挿入して、フランジ13aを係合用開口部62bに配置させた後、
図7(c)に示す矢印方向に駆動装置10を回転させる。これによって、
図7(d)に示すように、フランジ13aが係合部62cに挿入されて、係合部62cとフランジ13aとが係合する。つまり、フランジ13aが、係合部62cに設けられた突起を超えて、係合部62cの溝内に配置される。この
図7(d)に示す状態から、
図7(c)に示す矢印の反対方向に駆動装置10を回転させた場合、フランジ13aが係合部62cに設けられた突起に引っ掛かることになる。このようにして、駆動装置10は、後方カバー62に固定される。詳述すると、駆動装置10は、取付部13が取付穴62aを塞ぐように後方カバー62に固定される(取り付けられる)。駆動装置10は、取付部13が取付穴62aを塞ぎつつ、後方カバー62に取り付けられた取付構造をなしている。なお、図示は省略するが、取付部13と後方カバー62(段差部62d)との間には、例えばOリングなどの防水部材を設けて、灯具内空間S10に水分が入らないように防水対策を行う。
【0046】
このようにして、駆動装置10は、
図1に示すように、後方カバー62に取り付けられている。つまり、駆動装置10は、回路基板11の長手方向がx軸方向と平行になるように、後方カバー62に取り付けられている。また、駆動装置10は、回路基板11の最も面積が広い面が、地面に対して水平となるように、後方カバー62に取り付けられている、とも言い換えることができる。また、駆動装置10は、回路基板11を横置きにして、後方カバー62に取り付けられている、とも言い換えることができる。
【0047】
さらに、駆動装置10は、
図1に示すように、回路基板11がリフレクタ50と後方カバー62との間に配置されて、後方カバー62に取り付けられている。つまり、本実施形態では、回路基板11がリフレクタ50と後方カバー62との間に配置されるように、駆動装置10を後方カバー62に取り付けている。詳述すると、リフレクタ50における反射面の裏面側と後方カバー62との間に、回路基板11が配置されるように、駆動装置10を後方カバー62に取り付けている。なお、x軸上の位置において、リフレクタ50の位置と後方カバー62の位置との間に、回路基板11が配置されるように、駆動装置10を後方カバー62に取り付けている、と言い換えることもできる。
【0048】
本実施形態では、
図1に示す用に、リフレクタ50よりも上方に、回路基板11が設けられている例を採用している。つまり、回路基板11は、リフレクタ50よりも、地面から遠い位置に配置されている例を採用している。しかしながら、本発明は、これに限定されない。回路基板11は、y軸上の位置において、リフレクタ50の上端位置と下端位置との間に設けられていてもよい。
【0049】
通常、リフレクタ50と後方カバー62との間は、デッドスペースS11となる。本実施形態では、上記のように、回路基板11がリフレクタ50と後方カバー62との間に配置されて、駆動装置10が後方カバー62に取り付けられている。つまり、回路基板11を灯具内空間S10におけるデッドスペースS11に配置している。よって、前照灯100のデッドスペースS11を有効に利用しつつ、駆動装置10を後方カバー62に取り付けることができる。これによって、前照灯100の体格を小型化することもできる。なお、y軸上の位置において、リフレクタ50の上端位置と下端位置との間に、回路基板11を設けることによって、デッドスペースS11をより一層有効に利用することができる。また、駆動装置10が回路基板11の長手方向に対して直交する方向に突出して設けられた取付部13を備えているからこそ、回路基板11を灯具内空間S10のデッドスペースS11に配置しつつ、駆動装置10を後方カバー62に取り付けることができる。
【0050】
ここまで説明したように、本実施形態における駆動装置10は、回路基板11の長手方向に対して、直交する方向に突出して取付部13が設けられている。このため、駆動装置10では、回路基板の長手方向に沿って取付部を設けるよりも、開口面積が小さい取付穴62aに取り付けることができるので、防水対策を容易にできる。言い換えると、Oリングなどの防水部材の体格を小さくすることができる。さらに、駆動装置10は、開口面積が小さい取付穴62aに取り付けることができるため、塩害対策を容易にできる。
【0051】
また、本実施形態における駆動装置10の取付構造では、回路基板11の長手方向に対して、直交する方向に突出して取付部13が設けられた駆動装置10を採用している。そして、駆動装置10は、取付部13が取付穴62aを塞ぎつつ、後方カバー62に取り付けられている。このため、後方カバー62は、回路基板の長手方向に沿って設けられた取付部を有するLED駆動装置が取り付けられるよりも、取付穴62aの開口面積を小さくできる。従って、上記取付構造では、防水対策を容易にできる。言い換えると、Oリングなどの防水部材の体格を小さくすることができる。また、取付穴62aの開口面積を小さくできるため、前照灯100(後方カバー62)のデザインの制約となることを抑制できる。さらに、上記取付構造では、取付穴62aの開口面積を小さくできるため、塩害対策を容易にできる。
【0052】
また、駆動装置10は、回路基板11と取付部13とが一体的に設けられている。このため、回路基板11の故障時などに、駆動装置10を後方カバー62から容易に取り外すことができる。
【0053】
また、本実施形態における駆動装置10は、内部コネクタ部14及び外部コネクタ部15が、回路基板11及び取付部13と一体的に設けられている。このため、駆動装置10は、後方カバー62への取り付け、及びカバーからの取り外しが容易である。また、本実施形態における駆動装置10の取付構造では、内部コネクタ部14及び外部コネクタ部15が、回路基板11及び取付部13と一体的に設けられた駆動装置10を採用している。このたため、本実施形態における駆動装置10の取付構造は、駆動装置10の後方カバー62への取り付け、及び駆動装置10のカバーからの取り外しを容易にできる。なお、本実施形態では、内部コネクタ部14及び外部コネクタ部15が、回路基板11及び取付部13と一体的に設けられている例を採用している。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0054】
また、一般的な前照灯は、前照灯と外部機器との電気的な接続のための前照灯コネクタと、駆動装置と前照灯コネクタとの電気的な接続のための駆動装置コネクタとが設けられていることもある。しかしながら、本実施形態においては、外部コネクタ部15が、駆動装置コネクタとして機能するだけでなく、前照灯コネクタとしても機能する。この点からも、駆動装置10は、後方カバー62への取り付け、及びカバーからの取り外しが容易である。また、本実施形態における駆動装置10の取付構造は、駆動装置10の後方カバー62への取り付け、及び駆動装置10のカバーからの取り外しを容易にできる。
【0055】
また、本実施形態における駆動装置10は、放熱板16の一部が後方カバー62の外部(灯具外空間)に配置されている。また、本実施形態における駆動装置10の取付構造では、放熱板16の一部が後方カバー62の灯具外空間に配置された駆動装置10を採用している。よって、回路基板11から発せられた熱を灯具外空間に放熱することができ、LED21の放熱を阻害することを抑制できる。なお、本実施形態では、放熱板16が設けられている例を採用している。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0056】
また、上記のように、駆動装置10は、後方カバー62に設けられた係合部62cと係合するフランジ13aを有するため、後方カバー62への取り付け、及び後方カバー62からの取り外しをより一層容易にできる。つまり、本実施形態における駆動装置10は、螺子を用いることなく、後方カバー62に取り付けることができる。また、本実施形態における駆動装置10の取付構造では、螺子を用いることなく、駆動装置10を後方カバー62に取り付けることができる。
【0057】
また、駆動装置10は、接着材を用いることなく後方カバー62に取り付けることができるため、後方カバー62に対して脱着可能に取り付けることができる。また、本実施形態における駆動装置10の取付構造では、接着材を用いることなく、駆動装置10を後方カバー62に取り付けることができるため、後方カバー62に対して脱着可能に駆動装置10を取り付けることができる。なお、本実施形態では、フランジ13aが設けられている例を採用している。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
【0059】
(実施形態2)
図8に示すように、本実施形態の前照灯110は、LED21を少なくとも一つ含む光源部(20a,20b)が、灯具内空間S10の複数個所に設けられている。ここでは、ロービーム用光源部20aとハイビーム用光源部20bとを備えた前照灯110を採用している。実施形態2と実施形態1とは、この点で異なる。この他の点に関しては、実施形態2と実施形態1とは同じである。よって、実施形態2においては、上述の実施形態と同じ構成要素に同じ符号を付与して、説明を省略する。なお、
図8は、
図1に相当する図面である。
【0060】
ロービーム用光源部20aは、実施形態1の光源部20と同様に、ヒートシンク41上に配置されており、且つ、リフレクタ51が設けられている。一方、ハイビーム用光源部20bは、実施形態1の光源部20と同様に、ヒートシンク42上に配置されており、且つ、リフレクタ52が設けられている。さらに。ロービーム用光源部20a及びハイビーム用光源部20bは、実施形態1の光源部20と同様に、LED21、LEDコネクタ部22、台座23などが設けられている。
【0061】
ロービーム用光源部20aとハイビーム用光源部20bは、灯具内空間S10における地面に対する水平方向の位置、及び前記カバー内における地面に対する垂直方向の位置が異なる。また、ロービーム用光源部20aよりも、ハイビーム用光源部20bの方が、地面に対する垂直方向において高い位置に配置されている。そして、駆動装置10は、ロービーム用光源部20aの後ろ側であり、且つとハイビーム用光源部20bの下側に回路基板11が配置されて、後方カバー62に取り付けられている。
【0062】
図8に示すように、ロービーム用光源部20aの後方であり、ハイビーム用光源部20bの下側は、デッドスペースS11となっている。本実施形態では、駆動装置10は、ロービーム用光源部20aの後ろ側であり、且つハイビーム用光源部20bの下側に回路基板11が配置されて、後方カバー62に取り付けられている。つまり、回路基板11を灯具内空間S10におけるデッドスペースS11に配置している。これによって、本実施形態においても、前照灯110のデッドスペースS11を有効に利用しつつ、駆動装置10を後方カバー62に取り付けることができる。よって、本実施形態においても実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0063】
なお、前照灯110は、三つ以上の光源部を備えていてもよい。しかしながら、複数の光源部は、灯具内空間S10における地面に対する水平方向の位置、及び灯具内空間S10における地面に対する垂直方向の位置が異なるものとする。さらに、車両の前方に配置された光源部よりも、車両の後方に配置された光源部の方が、地面に対する垂直方向において高い位置に配置されているものとする。そして、駆動装置10は、車両の前方に配置された光源部の後ろ側であり、且つ車両の後方に配置された光源部の下側に回路基板11が配置されて、後方カバー62に取り付けられていればよい。これによって、本発明の目的は達成することができる。
【0064】
なお、本発明において、車両の前方、及び車両の後方とは、地面に対する水平方向の位置(x軸上の位置)である。また、車両の前方に配置されたLED、及び車両の後方に配置されたLEDは、複数のLEDの相対的な位置関係を示している。つまり、車両の前方に配置されたLEDは、他のLEDよりも車両の前方に配置されている。また、車両の後方に配置されたLEDは、他のLEDよりも車両の後方に配置されている。
【0065】
さらに、車両の前方に配置されたLEDは、前照灯が車両に取り付けられ状態において、車両の前進方向に配置されたLED、と言い換えることができる。つまり、車両の前方に配置されたLEDは、他のLEDよりも車両の前進方向に配置されている。一方、車両の後方に配置されたLEDは、前照灯が車両に取り付けられ状態において、車両の前進方向に配置されたLED、と言い換えることができる。つまり、車両の後方に配置されたLEDは、他のLEDよりも車両の後進方向に配置されている。
【0066】
(変形例1)
本発明は、
図9〜
図11に示す変形例1のように、駆動装置10aの下面側に外部端子19aが露出した外部コネクタ部15aであっても採用することができる。変形例1と実施形態1とは、この点で異なる。この他の点に関しては、変形例1と実施形態1とは同じである。よって、変形例1においては、実施形態1と同じ構成要素に同じ符号を付与して、説明を省略する。なお、変形例1は、実施形態2や変形例3にも適用することができる。なお、
図9は、
図4に相当する図面である。
図10は、
図5に相当する図面である。
図11は、
図7(a)に相当する図面である。
【0067】
駆動装置10aは、
図9〜
図11に示す、外部コネクタ部15aを備えて構成されている。外部コネクタ部15aは、回路基板11と、カバー61,62の外部に設けられた外部機器との電気的な接続を行うための部位であり、回路基板11と電気的に接続された外部端子19aを有している。この外部コネクタ部15aは、外部端子19aを囲うように設けられており、外部配線31のコネクタ(図示省略)が取り付け可能な形状を有している。つまり、外部端子19aは、外部コネクタ部15aで囲まれた空間に露出している。
【0068】
また、外部コネクタ部15aは、駆動装置10aの下面側に外部端子19aが露出している。言い換えると、外部コネクタ部15aは、回路基板11の平面(最も広い面)に直交する方向に外部端子19aが露出している。よって、外部コネクタ部15aは、駆動装置10の下面側から外部配線31のコネクタが取り付けられる。なお、外部端子19aは、回路基板11に電気的に接続させつつ、回路基板11の平面(最も広い面)に直交する方向に露出させるために、階段形状を有している。つまり、外部端子19aは、L字形状の外部端子19をさらに直角に屈曲させた形状を有している。この変形例1であっても上述の実施形態1,2の効果を奏することができる。
【0069】
(変形例2)
本発明は、
図12,
図13に示す変形例2のように、駆動装置10bの後面側に内部端子18aが露出した内部コネクタ部14aであっても採用することができる。変形例2と実施形態1とはこの点で異なる。この他の点に関しては、変形例2と実施形態とは同じである。よって、変形例2においては、実施形態1と同じ構成要素に同じ符号を付与して、説明を省略する。なお、変形例2は、実施形態2や変形例3にも適用することができる。なお、
図12は、
図4に相当する図面である。
図13は、
図5に相当する図面である。
【0070】
駆動装置10bは、
図12,
図13に示す、内部コネクタ部14aを備えて構成されている。内部コネクタ部14aは、回路基板11とLED21との電気的な接続を行うための部位であり、回路基板11と電気的に接続された内部端子18aを有している。この内部コネクタ部14aは、内部端子18aを囲うように設けられており、内部配線30のコネクタ(図示省略)が取り付け可能な形状を有している。つまり、内部端子18aは、内部コネクタ部14で囲まれた空間に露出している。
【0071】
また、内部コネクタ部14aは、
図12,
図13に示すように、駆動装置10bの後面側に内部端子18aが露出している。言い換えると、内部コネクタ部14aは、回路基板11の長手方向に内部端子18aが露出している。よって、内部コネクタ部14aは、駆動装置10bの後面側から内部配線30のコネクタが取り付けられる。なお、内部端子18aは、回路基板11に電気的に接続させつつ、回路基板11の長手方向に露出させるために、L字形状を有している。この変形例2であっても上述の実施形態1,2の効果を奏することができる。
【0072】
(変形例3)
本発明は、
図14に示す変形例3のように、回路基板11は支持部12aや取付部13と共にモールド成形されていても採用することができる。変形例3と実施形態1とはこの点で異なる。この他の点に関しては、変形例3と実施形態1とは同じである。よって、変形例3においては、実施形態1と同じ構成要素に同じ符号を付与して、説明を省略する。なお、変形例2は、実施形態2にも適用することができる。なお、
図14は、
図4に相当する図面である。
【0073】
駆動装置10cは、
図14に示すように、モールド樹脂によって封止された回路基板11を備えて構成されている。ここでは、駆動装置10cは、回路基板11と取付部13とが一体的に形成されており、更に、これらと内部コネクタ部14及び外部コネクタ部15が一体的に形成されている例を採用している。この駆動装置10cは、例えばインサート成形によって製造することができる。この変形例3であっても上述の実施形態1,2の効果を奏することができる。さらに、螺子17などを用いることなく、回路基板11と取付部13とを一体化することができる。