(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の作業内容それぞれに対して、複数の制限レベルごとに、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定めた制限内容テーブルを参照して、前記処理実行手段による前記指示処理の実行を制限する制限内容を決定する制限内容決定手段をさらに備えた請求項2に記載の業務管理装置。
前記制限手段は、前記決定された制限内容によって前記受け付けられた操作に対応する処理を実行するための新たな操作が定められている場合には、前記制限内容によって定められた新たな操作が前記操作受付手段により受け付けられることを条件に、前記処理実行手段に処理を実行させる条件制限手段を含む、請求項3に記載の業務管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、ユーザーによる誤操作に伴う処理が実行されるのを回避することが可能な業務管理装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的のは、ユーザーによる誤操作に伴う処理が実行されるのを回避することが可能な業務管理方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的のは、ユーザーによる誤操作に伴う処理が実行されるのを回避することが可能な業務管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、業務管理装置は、ユーザーの健康状態を示す健康状態情報を取得する健康状態情報取得手段と、ユーザーにより入力される操作を受け付ける操作受付手段と、受け付けられた操作に対応する指示処理を実行する処理実行手段と、ユーザーに対して時間帯別の作業内容を定めた作業内容情報を取得する作業内容情報取得手段と、取得された健康状態情報と取得された作業内容情報とに基づいて、
処理実行手段が指示処理を実行する前の段階で、処理実行手段による指示処理の実行を制限する制限手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、ユーザーの健康状態情報を取得し、ユーザーに対する作業内容情報を取得し、健康状態情報と作業内容情報とに基づいて、ユーザーにより入力される操作に対応する指示処理の実行を制限する。このため、健康状態が悪い状態では指示処理の実行を制限するので、指示処理が誤って実行されるのを回避することができる。その結果、ユーザーによる誤操作に伴う処理が実行されるのを回避することが可能な業務管理装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、制限手段は、取得された健康状態情報に基づいて、ユーザーの健康状態の度合いを示す健康状態レベルを決定する健康状態レベル決定手段と、取得された作業内容情報に基づいて、ユーザーに割り当てられた作業内容の難易度を示す作業レベルを決定する作業レベル決定手段と、複数の健康状態レベルそれぞれに対して複数の作業レベルそれぞれに対する制限レベルを定めた制限レベルテーブルを参照して、決定された健康状態レベルと決定された作業レベルに対応する制限レベルを決定する制限レベル決定手段と、決定された制限レベルに基づいて、処理実行手段による指示処理の実行を制限する。
【0011】
この局面に従えば、健康状態情報に基づいて健康状態レベルを決定し、作業内容情報に基づいて作業レベルを決定し、制限レベルテーブルを参照して、健康状態レベルと作業レベルに対応する制限レベルを決定し、制限レベルに基づいて、指示処理の実行を制限する。このため、制限レベルを、健康状態レベルと作業レベルとに基づいて決定するので、健康状態と作業の難易度によって制限する内容を予め定めることができる。
【0012】
好ましくは、複数の作業内容それぞれに対して、複数の制限レベルごとに、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定めた制限内容テーブルを参照して、処理実行手段による指示処理の実行を制限する制限内容を決定する制限内容決定手段
をさらに備える。
【0013】
この局面に従えば、複数の作業内容それぞれに対して、複数の制限レベルごとに、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定めた制限内容テーブルを参照して、指示処理の実行を制限するので、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を制限することができる。
【0014】
好ましくは、制限手段は、決定された制限内容によって受け付けられた操作に対応する処理を実行するための新たな操作が定められている場合には、制限内容によって定められた新たな操作が操作受付手段により受け付けられることを条件に、処理実行手段に処理を実行させる条件制限手段
を含む。
好ましくは、決定された制限内容によって受け付けられた操作に対応する処理の実行可能な範囲が定められている場合には、受け付けられた操作に対応する処理が制限内容によって定められた実行可能な範囲内であることを条件に、処理実行手段に処理を実行させる範囲制限手
段を含む。
【0015】
この局面に従えば、制限内容によって、処理を実行するための新たな操作が定められている場合には、新たな操作が受け付けられることを条件に、処理を実行させ、制限内容によって処理の実行可能な範囲が定められている場合には、処理が実行可能な範囲内であることを条件に、処理を実行させる。このため、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を制限することができる。
【0016】
好ましくは、制限手段は、決定された制限レベルに基づいて、作業時間を制限する作業時間制限手段を、さらに含む。
【0017】
この局面に従えば、制限レベルに基づいて、作業時間を制限するので、ユーザーの作業時間を制限することができる。
【0018】
好ましくは、決定された制限レベルに基づいて、警告メッセージをユーザーに通知するメッセージ通知手段を、さらに備える。
【0019】
この局面に従えば、制限レベルに基づいて、警告メッセージをユーザーに通知するのでユーザーに処理の実行が制限されていること通知することができる。
【0020】
この発明の他の局面に従えば、業務管理方法は、ユーザーの健康状態を示す健康状態情報を取得する健康状態情報取得ステップと、ユーザーにより入力される操作を受け付ける操作受付ステップと、受け付けられた操作に対応する指示処理を実行する処理実行ステップと、ユーザーに対して時間帯別の作業内容を定めた作業内容情報を取得する作業内容情報取得ステップと、取得された健康状態情報と取得された作業内容情報とに基づいて、
処理実行ステップにおいて指示処理が実行される前の段階で、処理実行ステップにおける指示処理の実行を制限する制限ステップと、を業務管理装置に実行させる。
【0021】
この局面に従えば、ユーザーによる誤操作に伴う処理が実行されるのを回避することが可能な業務管理方法を提供することができる。
好ましくは、制限ステップは、取得された健康状態情報に基づいて、ユーザーの健康状態の度合いを示す健康状態レベルを決定する健康状態レベル決定ステップと、取得された作業内容情報に基づいて、ユーザーに割り当てられた作業内容の難易度を示す作業レベルを決定する作業レベル決定ステップと、複数の健康状態レベルそれぞれに対して複数の作業レベルそれぞれに対する制限レベルを定めた制限レベルテーブルを参照して、決定された健康状態レベルと決定された作業レベルに対応する制限レベルを決定する制限レベル決定ステップと、決定された制限レベルに基づいて、処理実行ステップにおける指示処理の実行を制限するステップと、を含む。
好ましくは、複数の作業内容それぞれに対して、複数の制限レベルごとに、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定めた制限内容テーブルを参照して、処理実行ステップにおいて指示処理の実行を制限する制限内容を決定する制限内容決定ステップをさらに含む。
好ましくは、制限ステップは、決定された制限内容によって受け付けられた操作に対応する処理を実行するための新たな操作が定められている場合には、制限内容によって定められた新たな操作が操作受付ステップにおいて受け付けられることを条件に、処理実行ステップに処理を実行させる条件制限ステップを含む。
好ましくは、制限ステップは、決定された制限内容によって受け付けられた操作に対応する処理の実行可能な範囲が定められている場合には、受け付けられた操作に対応する処理が制限内容によって定められた実行可能な範囲内であることを条件に、処理実行ステップにおいて処理を実行させる範囲制限ステップを含む。
好ましくは、制限ステップは、決定された制限レベルに基づいて、作業時間を制限する作業時間制限ステップを、さらに含む。
好ましくは、決定された制限レベルに基づいて、警告メッセージをユーザーに通知するメッセージ通知ステップを、さらに含む。
【0022】
この発明のさらに他の局面に従えば、業務管理プログラムは、
上記業務管理方法をコンピュータに実行させる。
【0023】
この局面に従えば、ユーザーによる誤操作に伴う処理が実行されるのを回避することが可能な業務管理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態における業務管理システムの全体概要の一例を示す図である。
図1を参照して、業務管理システムは、それぞれがネットワークに接続された業務管理サーバー300と、業務管理装置として機能する5台のパーソナルコンピューター(以下「PC」という)100,100A〜100Dと、を含む。
【0027】
業務管理サーバー300、およびPC100,100A〜100Dは、一般的なコンピュータである。PC100,100A〜100Dそれぞれは、業務管理プログラムがインストールされており、ユーザーにより使用される状態で、そのユーザーの作業を制限する。PC100,100A〜100Dのハードウェア構成およびソフトウェア構成は、基本的な部分は同じなので、ここでは、PC100を例に説明する。
【0028】
ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワークは、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワークは、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)に接続されている。
【0029】
PC100,100A〜100Dそれぞれと業務管理サーバー300との間で、データが送受信される。データを送受信するプロトコルは、受信側の装置において送信元を特定することができれば、任意のプロトコルを用いることが可能である。データを送受信するプロトコルは、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)およびSMPT(Simple Mail Transfer Protocol)、POP(Post Office Protocol)等が用いられる。
【0030】
なお、業務管理装置の一例としてPC100,100A〜100Dを例に説明するが、ユーザーにより使用されて、ユーザーが作業する場合にアプリケーションプログラムを実行可能なコンピュータであれば、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)など、ユーザーに携帯して使用される携帯情報装置であってもよい。この場合、携帯情報装置は、無線通信によってネットワークに、接続される。また、特定のユーザーに使用される装置に限定されず、複数人によって使用され、ユーザー認証処理を実行することにより使用するユーザーを特定することが可能な装置であれば、例えば、MFP(Multi Function Peripheral)等の画像形成装置であってもよい。
【0031】
本実施の形態における業務管理システムにおいては、業務管理サーバー300においてスケジュール管理プログラムが実行される。業務管理サーバー300は、スケジュール管理プログラムを実行することにより、作業内容情報を記憶する。作業内容情報は、複数のユーザーそれぞれの時間帯ごとの作業内容を定める。作業内容情報は、複数のユーザーそれぞれが、予め業務管理サーバー300に登録する。また、複数のユーザーの管理者が、作業内容情報を業務管理サーバー300に登録してもよい。
【0032】
図2は、本実施の形態におけるPCのハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。
図2を参照して、PC100は、PC100の全体を制御するためのCPU101と、PC100の全体を制御するためのCPU101と、CPU101が実行するためのプログラムを記憶するROM102と、CPU101の作業領域として使用されるRAM103と、データを不揮発的に記憶するHDD104と、CPU101をネットワークに接続する通信部105と、情報を表示する表示部106と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部107と、CD−ROM109を装着可能な外部記憶装置108と、カメラ111と、測定装置113と、を含む。
【0033】
表示部106は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部107は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。また、操作部107は、表示部106の表示面に重畳して配置されたタッチパネルを含んでもよい。
【0034】
カメラ111は、レンズおよび光電変換素子を備え、レンズで集光した光を光電変換素子に結像し、光電変換素子は受光した光を光電変換して画像データをCPU101に出力する。光電変換素子は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、CCD(Charge Coupled Device)センサー等である。カメラ111は、レンズの光軸が表示部106の表示面の法線と並行となり、表示部106の近傍に配置される。このため、カメラ111の撮像範囲が、表示部106に表示された画像を閲覧するユーザーの顔の部分を含むので、カメラ111が被写体を撮像して出力する画像データに、PC100を使用するユーザーの顔の部分を含む。
【0035】
測定装置113は、ユーザーに装着され、ユーザーの体温、脈拍、および血圧をを測定する。測定装置113がユーザーに装着され位置は、特に限定するものではないが、腕、手、頭等、PC100を操作に支障をきたさない位置であることが好ましい。なお、測定装置113は、PC100と別体であってもよく、例えば、PC100とシリアル回線などの通信ケーブルで接続されてもよい。
【0036】
外部記憶装置108は、CD−ROM(Compact Disk ROM)109が装着される。CPU101は、外部記憶装置108を介してCD−ROM109にアクセス可能である。CPU101は、外部記憶装置108に装着されたCD−ROM109に記録されたプログラムをRAM103にロードして実行する。なお、CPU101が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM109に限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
【0037】
また、CPU101が実行するプログラムは、CD−ROM109に記録されたプログラムに限られず、HDD104に記憶されたプログラムをRAM103にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワークに接続された他のコンピューターが、PC100のHDD104に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、PC100が、ネットワークに接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD104に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU101が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0038】
図3は、本実施の形態における業務管理サーバーのハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。
図3を参照して、業務管理サーバー300は、業務管理サーバー300の全体を制御するためのCPU301と、CPU301が実行するためのプログラムを記憶するROM302と、CPU301の作業領域として使用されるRAM303と、データを不揮発的に記憶するHDD304と、CPU301をネットワークに接続する通信部305と、情報を表示する表示部306と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部307と、を含む。
【0039】
図4は、PCが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
図4に示すPC100が備えるCPU101の機能は、CPU101がROM102、HDD104またはCD−ROM109に記憶された業務管理プログラムを実行することにより、CPU101に形成される機能である。
図4を参照して、CPU101は、PC100を操作するユーザーを認証する認証部51と、作業内容情報を取得する作業内容情報取得部53と、ユーザにより入力される操作を受け付ける操作受付部55と、ユーザーによる操作に従って処理を実行する処理実行部57と、処理実行部57により実行される処理を制限する制限部59と、健康状態情報を取得する健康状態情報取得部61と、を含む。
【0040】
認証部51は、PC100を操作する操作ユーザーを認証する。具体的には、認証部51は、ユーザー識別情報と認証情報とを入力するための認証画面を表示部106に表示し、操作ユーザーが操作部107に入力するユーザー識別情報と認証情報とを受け付ける。HDD104に、ユーザー識別情報と認証情報とを含むユーザーレコードを含むユーザーテーブルを、予め記憶している。認証部51は、操作部107により受け付けられたユーザー識別情報と認証情報の組と同じ組のユーザーレコードがHDD104に記憶されたユーザーテーブル内に存在すれば、操作ユーザーを認証する。認証部51は、操作ユーザーを認証する場合、操作ユーザーのユーザー識別情報を、作業内容情報取得部53、および操作受付部55に出力する。
【0041】
作業内容情報取得部53は、認証部51によって操作ユーザーが認証されることに応じて、業務管理サーバー300からPC100を操作する操作ユーザーに対応する作業内容情報を取得する。作業内容情報は、ユーザーの時間帯ごとの作業内容を定める。作業内容情報取得部53は、認証部51から操作ユーザーのユーザー識別情報が入力されることに応じて、操作ユーザーのユーザー識別情報を含む取得要求を、通信部105を介して業務管理サーバー300に送信する。取得要求を受信する業務管理サーバー300は、HDD304に記憶された作業内容情報のうちから、取得要求に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対応する作業内容情報を抽出し、返信する。作業内容情報取得部53は、取得要求の送信に応じて通信部105が業務管理サーバー300から受信する作業内容情報を取得する。作業内容情報取得部53は、取得された作業内容情報とユーザー識別情報との組を制限部59に出力する。
【0042】
操作受付部55は、認証部51によって認証されたユーザーが操作部107に入力する操作を受け付ける。操作受付部55は、認証部51によって操作ユーザーが認証された後に、操作部107に入力される操作を、認証された操作ユーザーによって入力された操作として受け付ける。操作受付部55は、認証部51からユーザー識別情報が入力された後に、操作部107によって操作が受け付けられることに応じて、認証部51から入力されるユーザー識別情報と、操作部107によって受け付けられた操作を識別するための操作識別情報との組を、健康状態情報取得部61、制限部59および処理実行部57に出力する。
【0043】
処理実行部57は、操作受付部55から入力される操作識別情報で特定される処理を実行する。処理実行部57が実行する処理は、アプリケーションプログラムを実行する処理を含む。ここでのアプリケーションプログラムは特に限定するものではないが、文書を編集する文書編集プログラム、表計算プログラム、データベースプログラム、図形を作成する図形作成プログラム、画像を処理する画像処理プログラム、電子メールを送受信するブログラム、HDD104または他のコンピュータに記憶されたデータにアクセスするブログラム等を含む。
【0044】
処理実行部57は、後述する制限部59により処理の実行が制限されていないことを条件に処理を実行する。このため、処理実行部57は、制限部59により制限される場合には、処理を実行しない。
【0045】
健康状態情報取得部61は、認証部51によって認証された操作ユーザーの健康状態情報を取得する。健康状態情報は、ユーザーの健康状態を決定するための値であり、例えば、体温、脈拍、血圧、作業時間を含む。健康状態情報取得部61は、操作受付部55からユーザー識別情報と操作識別情報との組が入力されることに応じて、測定装置113を制御して健康状態情報を取得する。健康状態情報取得部61は、測定装置113により測定された操作ユーザーの体温、脈拍、血圧を健康状態情報の1部として取得する。また、健康状態情報取得部61は、認証部51から操作ユーザーのユーザー識別情報と操作識別情報との組が入力されると、操作部107によって操作が受け付けられている間の時間を計時することによって、作業時間を決定し、決定された作業時間を健康状態情報の1部として取得する。健康状態情報取得部61は、取得された健康状態情報を制限部59に出力する。
【0046】
操作受付部55は、操作を受け付けるごとにユーザー識別情報と操作識別情報との組を出力するので、健康状態情報取得部61は、操作ユーザーが操作部107に操作を入力するごとに、測定装置113を制御して健康状態情報を取得し、制限部59に出力する。なお、健康状態情報取得部61は、操作受付部55からユーザー識別情報と操作識別情報との組が最初に入力されてから所定時間間隔で健康状態情報を取得し、健康状態情報を取得するごとに、健康状態情報を制限部59に出力するようにしてもよい。
【0047】
なお、健康状態情報取得部61は、カメラ111が撮像した画像に含まれるユーザーの顔に基づいて、作業時間を計時し、計時した作業時間を、健康状態情報の1部として取得すようにしてもよい。具体的には、カメラ111が撮像した画像からユーザーの視線を検出し、ユーザーの視線が表示部106に注がれている時間を計時することによって作業時間を取得する。
【0048】
なお、カメラ111が撮像した画像に含まれるユーザーの顔部分から顔色を検出し、その顔色を健康状態情報としてもよい。さらに、画像を解析することにより、顔色からユーザの体温を予測するようにしてもよい。健康状態情報取得部61は、取得された健康状態情報を、制限部59に出力する。
【0049】
制限部59は、作業レベルを決定する作業レベル決定部63と、健康状態レベルを決定する健康状態レベル決定部65と、制限レベルを決定する制限レベル決定部67と、制限内容を決定する制限内容決定部69と、条件制限部71と、範囲制限部73と、作業時間制限部75と、メッセージ通知部77と、を含む。
【0050】
健康状態レベル決定部65は、健康状態情報取得部61から健康状態情報が入力され、健康状態情報に基づいて、ユーザーの健康状態の度合いを示す健康状態レベルを決定する。健康状態レベル決定部65は、決定した健康状態レベルを制限レベル決定部67に出力する。複数の健康状態レベルにそれぞれ対応して体温、脈拍、血圧、作業時間の値を定める健康状態レベルテーブルを予め準備しておき、体温、脈拍、血圧、作業時間それぞれに対応する健康状態レベルを決定し、最も低い健康状態レベルを決定する。
【0051】
図5は、健康状態レベルテーブルの一例を示す図である。
図5を参照して、健康状態レベルテーブルは、健康状態情報である体温、脈拍、血圧および作業時間それぞれに対して、複数の健康状態レベルごとの値を定める。健康状態レベルは、レベル0からレベル3の4段階を含む。健康レベルは、レベル0が最も高く、レベル3が最も低い。
【0052】
例えば、健康状態情報が体温に対しては、健康状態レベル0に平常の体温である平常値を割り当て、健康状態レベル1に平常値よりも高く平常値よりも2度高い値未満の値を割り当て、健康状態レベル2に平常値よりも2度以上高く4度高い値未満の値を割り当て、健康レベル3に平常値よりも4度高い値以上の値を割り当てる。
【0053】
また、健康状態情報が脈拍に対しては、健康状態レベル0に平常の脈拍数である平常値を割り当て、健康状態レベル1に平常値よりも高く平常値よりも40回高い値未満の値を割り当て、健康状態レベル2に平常値よりも40回以上高く60回高い値未満の値を割り当て、健康レベル3に平常値よりも60回高い値以上の値を割り当てる。
【0054】
また、健康状態情報が血圧に対しては、健康状態レベル0に平常の血圧である平常値を割り当て、健康状態レベル1に平常値よりも高く平常値に対して±20%未満の値を割り当て、健康状態レベル2に平常値に対して±20以上±30未満の値を割り当て、健康レベル3に平常値に対して±30%以上の値を割り当てる。
【0055】
さらに、健康状態情報が作業時間に対しては、健康状態レベル0に基準時間以内の値を割り当て、健康状態レベル1に基準時間以上で基準時間より2時間多い値未満の値を割り当て、健康状態レベル2に基準時間より2時間多い値以上で基準時間より4時間多い値未満の値を割り当て、健康レベル3に基準時間より4時間多い値以上の値を割り当てる。
【0056】
図4に戻って、作業レベル決定部63は、作業内容情報取得部53からユーザー識別情報と作業内容情報との組が入力される。作業レベル決定部63は、作業内容情報に基づいて、ユーザー識別情報で特定される操作ユーザーに割り当てられた作業内容の難易度を示す作業レベルを決定する。作業レベル決定部63は、決定した作業レベルを制限レベル決定部67に出力する。作業内容は、作業に対応して、重要度と、セキュリティと、影響度と、複雑度との評価項目を含む。複数の作業レベルレベルにそれぞれ対応して作業内容に含まれる重要度、セキュリティ、影響度、複雑度の評価項目それぞれの値を定める作業レベルテーブルを予め準備しておき、重要度、セキュリティ、影響度、複雑度それぞれに対応する作業レベルを決定し、最も低い作業レベルを決定する。
【0057】
図6は、作業レベルテーブルの一例を示す図である。
図6を参照して、作業レベルテーブルは、作業内容の評価項目である重要度、セキュリティ、難易度、複雑度それぞれに対して、複数の作業レベルごとの値を定める。作業レベルは、レベル0からレベル3の4段階を含む。作業レベルは、レベル0が最も低く、レベル3が最も高い。
【0058】
例えば、重要度の評価項目は、作業の対象となるデータの重要性を示す値が設定される。重要性を示す値は、そのデータに対して予め定められ、重要性の低いものから順に、一般的な情報、重要な情報、秘密情報、極秘情報を含む。重要度の評価項目に対しては、作業レベル0に一般的な情報を割り当て、作業レベル1に重要な情報を割り当て、作業レベル2に秘密情報を割り当て、作業レベル3に極秘情報を割り当てる。
【0059】
また、セキュリティの評価項目は、作業の対象となるデータの公開範囲を示す値が設定される。公開範囲を示す値は、そのデータを公開可能な範囲として、公開範囲の狭いものから順に、公開不可、チーム内、社内、社外を含む。セキュリティの評価項目に対しては、作業レベル0に公開不可を割り当て、作業レベル1にチーム内を割り当て、作業レベル2に社内を割り当て、作業レベル3に社外を割り当てる。
【0060】
また、影響度の評価項目は、作業の対象となるデータが利用される範囲を示す値が設定される。利用される範囲を示す値は、そのデータが利用される範囲として、範囲の狭いものから順に、そのユーザー自体を示す個人、そのユーザーが使用するPCを利用するユーザーを示すローカル、サーバーを利用するユーザーを示すサーバー、社外のユーザーを示す社外を含む。影響度の評価項目に対しては、作業レベル0に個人を割り当て、作業レベル1にローカルを割り当て、作業レベル2にサーバーを割り当て、作業レベル3に社外を割り当てる。
【0061】
また、複雑度の評価項目は、作業の対象となるデータに対して関連するデータの範囲を示す値が設定される。関連するデータの範囲を示す値は、そのデータが関連するデータの範囲として、関連性の少ないものから順に、関連するデータがないことを示す組み合わせなし、関連するデータがチーム内で利用されるデータであることを示すチーム内、関連するデータがチーム外であるが社内のデータであることを示す社内、関連するデータが複数のデータであることを示す複数の組み合わせを含む。複雑度の評価項目に対しては、作業レベル0に組み合わせなしを割り当て、作業レベル1にチーム内を割り当て、作業レベル2に社内を割り当て、作業レベル3に複数と組み合わせを割り当てる。
【0062】
図4に戻って、制限レベル決定部67は、作業レベル決定部63から作業レベルが入力され、健康状態レベル決定部65から健康状態レベルが入力される。制限レベル決定部67は、制限レベルテーブルを参照して、作業レベルおよび健康状態レベルに対応する制限レベルを決定する。制限レベルテーブルは、複数の健康状態レベルそれぞれに対して複数の作業レベルそれぞれに対する制限レベルを定める。制限レベル決定部67は、決定した制限レベルを制限内容決定部69、作業時間制限部75およびメッセージ通知部77に出力する。
【0063】
図7は、制限レベルテーブルの一例を示す図である。
図7を参照して、制限レベルテーブルは、作業レベル0〜作業レベル3それぞれに対して、健康状態レベル0〜健康状態レベル3それぞれとの組み合わせに対して制限レベルを定める。制限レベルは、許可、警告、制限1、制限2、禁止の5つの段階を含む。健康状態レベル0と、作業レベル0〜作業レベル3それぞれとの組み合わせに対しては、すべて同じ制限レベル「許可」が定められる。健康状態レベル1に対して、作業レベル0との組み合わせでは制限レベル「警告」が定められ、作業レベル1との組み合わせでは制限レベル「制限1」が定められ、作業レベル2との組み合わせでは制限レベル「制限2」が定められ、作業レベル3との組み合わせでは制限レベル「禁止」が定められる。健康状態レベル2に対して、作業レベル0との組み合わせでは制限レベル「制限1」が定められ、作業レベル1との組み合わせでは制限レベル「制限2」が定められ、作業レベル2との組み合わせでは制限レベル「禁止」が定められ、作業レベル3との組み合わせでは制限レベル「禁止」が定められる。健康状態レベル3に対して、作業レベル0との組み合わせでは制限レベル「制限2」が定められ、作業レベル1との組み合わせでは制限レベル「禁止」が定められ、作業レベル2との組み合わせでは制限レベル「禁止」が定められ、作業レベル3との組み合わせでは制限レベル「禁止」が定められる。
【0064】
図4に戻って、制限内容決定部69は、制限レベル決定部67から制限レベルが入力され、作業内容情報取得部53から作業内容情報とユーザー識別情報との組が入力される。制限内容決定部69は、制限内容テーブルを参照して、制限内容を決定する。制限内容は、作業内容情報で特定される作業内容に対して、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定める。制限内容テーブルは、複数の作業内容それぞれに対して、複数の制限レベルごとに、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定める。制限内容決定部69は、決定された制限内容を条件制限部71および範囲制限部73に出力する。
【0065】
図8は、制限内容テーブルの一例を示す図である。
図8を参照して、制限内容テーブルは、作業内容ことに、制限1の制限レベルおよび制限2の制限レベルそれぞれに対して処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定める。具体的には、作業内容がファクシミリの送信処理を示す「FAX送信」の場合、制限1の制限レベルに対してファクシミリ送信処理を実行するための条件としてファクシミリ番号を1回だけ操作部107に入力する操作を定め、制限2の制限レベルに対してファクシミリ送信するための条件としてファクシミリ番号を2回だけ操作部107に入力する操作を定める。
【0066】
作業内容がデータの画像を用紙に形成する処理を示す「印刷」の場合、制限1の制限レベルに対してデータの画像を用紙に形成する処理を実行可能な処理の範囲として親展印刷を定め、制限2の制限レベルに対して印刷禁止を定める。
【0067】
作業内容がPCの設定値を設定するメンテナンス操作を示す「メンテナンス」の場合、制限1の制限レベルに対して設定値を設定する処理を実行するための条件として管理者の承認を定め、制限2の制限レベルに対して設定値を設定する処理を実行可能な範囲として、設定値の閲覧のみを定める。
【0068】
作業内容が電子メールを送信する処理を示す「メール送信」の場合、制限1の制限レベルに対して実行可能な範囲として送信先のアドレスを特定のドメインのアドレスのみに制限する値を定め、制限2の制限レベルに対して実行可能な範囲として送信先のアドレスを特定のアドレスのみに制限する値を定める。
【0069】
作業内容がデータを送信をする処理を示す「データ送信」の場合、制限1の制限レベルに対して処理を実行するための条件としてデータを暗号化する処理を定め、制限2の制限レベルに対して処理を実行するための条件としてデータを暗号化する処理を定める。
【0070】
作業内容が電子メールを受信する処理を示す「メール受信」の場合、制限1の制限レベルに対して実行可能な範囲として送信元のアドレスを特定のドメインのアドレスのみに制限する値を定め、制限2の制限レベルに対して実行可能な範囲として送信元のアドレスを特定のアドレスのみに制限する値を定める。
【0071】
作業内容が文書を編集する処理を示す「文書編集」の場合、制限1の制限レベルに対して処理を実行するための条件として変更した履歴を記録する値を定め、制限2の制限レベルに対して実行可能な範囲として変更できないことを示す値を定める。
【0072】
作業内容がサーバーに記憶されたデータにアクセスする処理を示す「サーバーアクセス」の場合、制限1の制限レベルに対して処理を実行可能な範囲として削除および変更を禁止する値を定め、制限2の制限レベルに対して実行可能な範囲として読出しのみが可能であることを示す値を定める。
【0073】
図4に戻って、条件制限部71は、制限内容決定部69から制限内容が入力され、操作受付部55から操作識別情報が入力される。制限内容は、作業内容情報で特定される作業内容に対して、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定める。条件制限部71は、制限内容決定部69から入力される制限内容が作業内容情報で特定される作業内容に対して処理を実行するための条件を定める場合、条件が成立するまで処理の実行を禁止する。例えば、制限内容決定部69から入力される制限内容により定められる条件が、操作識別情報で特定される第1の操作に対応する処理を実行するための新たな第2の操作が受け付けられることを条件とする場合、その新たな第2の操作の操作識別情報が操作受付部55から入力されるまで、処理実行部57が第1の操作により特定される処理を実行するのを禁止する。条件制限部71は、操作受付部55から第1の操作に対応する操作識別情報が入力された後、第2の操作に対応する操作識別情報が入力されると、処理実行部57に第1の操作により特定される処理を実行させる。
【0074】
例えば、第1の操作により特定される処理をファクシミリ送信とする場合、ファクシミリ処理を実行するための条件は、ファクシミリ送信処理を実行するためのファクシミリ番号を複数回入力する操作を第2の操作として定めることができる。この場合には、ファクシミリ送信処理を実行する場合に、制限内容で定められる条件として、同じファクシミリ番号が複数回入力されることになる。
【0075】
範囲制限部73は、制限内容決定部69から制限内容が入力され、操作受付部55から操作識別情報が入力される。範囲制限部73は、制限内容決定部69から入力される制限内容によって、操作識別情報で特定される操作に対応する処理の実行可能な範囲が定められている場合には、操作識別情報で特定される操作に対応する処理が制限内容によって定められた実行可能な範囲内であることを条件に、処理実行部57に操作受付部55から入力される操作識別情報により特定される処理を実行させる。範囲制限部73は、操作識別情報で特定される操作に対応する処理が制限内容によって定められた実行可能な範囲内でない場合、処理実行部57に操作受付部55から入力される操作識別情報により特定される処理を実行を禁止する。
【0076】
作業時間制限部75は、健康状態情報取得部61から健康状態情報が入力され、制限レベル決定部67から制限レベルが入力される。作業時間制限部75は、制限レベルに基づいて、ユーザーの作業時間を制限する。作業時間制限部75は、健康状態情報取得部61から入力される健康状態情報に含まれる作業時間を、制限レベルに対して予め定められた制限時間と比較する。作業時間制限部75は、作業時間が制限時間以上になると、処理実行部57に操作受付部55から入力される操作識別情報により特定される処理を実行を禁止する。
【0077】
メッセージ通知部77は、制限レベル決定部67から制限レベルが入力される。メッセージ通知部77は、制限レベル決定部67から所定時間間隔で制限レベルが入力される。メッセージ通知部77は、制限レベル決定部67から入力される制限レベルに対応する警告メッセージを表示部106に表示する。例えば、制限レベル「許可」に対しては、警告メッセージを設定しないようにして、警告メッセージを表示しない。制限レベル「警告」に対しては、休憩を促すメッセージとして「休憩してください。」の警告メッセージを設定する。制限レベル「制限1」に対しては、制限される処理を通知するメッセージを設定する。例えば、印刷の処理に対しては「カラーコピーはできません。」の警告メッセージが設定する。制限レベル「制限2」および「禁止」に対しては、業務の終了を促すメッセージとして「ログアウトして業務を終了して下さい。」の警告メッセージが設定される。
【0078】
図9は、業務管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。業務管理処理はPC100が備えるCPU101がROM102、HDD104またはCD−ROM109に記憶された業務管理プログラムを実行することにより、CPU101により実行される処理である。
【0079】
図9を参照して、CPU111は、ユーザーがログインしたか否かを判断する(ステップS01)。認証画面を表示部106に表示し、操作ユーザーが操作部107に入力するユーザー識別情報と認証情報とを受け付け、受け付けられたユーザー識別情報と認証情報の組と同じ組のユーザーレコードがHDD104に記憶されたユーザーテーブル内に存在すれば、操作ユーザーを認証し、ログインを許可する。ユーザーのログインを許可するまで待機状態となり(ステップS01でNO)、ユーザーのログインが許可されたならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。ステップS02においては、ステップS01においてログインを許可したユーザーを操作ユーザーに特定する。
【0080】
次のステップS03においては、作業内容情報を取得する。ステップS02において認証された操作ユーザーのユーザー識別情報を含む取得要求を、通信部105を介して業務管理サーバー300に送信し、取得要求の送信に応じて通信部105が業務管理サーバー300から受信する作業内容情報を取得する。作業内容情報は、操作ユーザーの時間帯ごとの作業内容を定める。
【0081】
ステップS04においては、操作を受け付けたか否かを判断する。操作部107に操作が入力されたならば操作を受け付ける。操作を受け付けるまで待機状態となり(ステップS04でNO)、操作を受け付けたならば(ステップS04でYES)、処理をステップS05に進める。
【0082】
ステップS05においては、ステップS03において取得された作業内容情報に基づいて、ステップS04において操作が受け付けられた時点における作業内容を特定する。ステップS03において取得された作業内容情報において、操作が受け付けられた時点を含む時間帯に定められた作業内容を特定する。
【0083】
次のステップS06においては、特定された作業内容に対応する作業レベルを決定する。作業内容は、作業に対応して、重要度と、セキュリティと、影響度と、複雑度との評価項目を含む。
図6に示した作業レベルテーブルを参照して、作業内容に含まれる重要度、セキュリティ、影響度、複雑度それぞれの評価項目に対応する作業レベルを決定し、重要度、セキュリティ、影響度、複雑度それぞれの評価項目に対応する作業レベルのうち最も低い作業レベルを、作業内容に対応する作業レベルに決定する。
【0084】
ステップS07においては、ステップS02において認証された操作ユーザーの健康状態情報を取得する。健康状態情報は、ユーザーの健康状態を決定する際に用いられる値であり、ここでは、体温、脈拍、血圧、作業時間を含む。測定装置113により測定された操作ユーザーの体温、脈拍、血圧を健康状態情報の1部として取得する。ステップS02において操作ユーザーが認証されてから操作部107によって操作が受け付けられている間の時間を計時することによって、作業時間を決定し、決定した作業時間を健康状態情報の1部として取得する。
【0085】
次のステップS08においては、操作ユーザーに対応する健康状態レベルを決定する。
図5に示した健康状態レベルテーブルを参照して、ステップS06において取得された健康状態情報に含まれる操作ユーザーの体温、脈拍、血圧、作業時間にそれぞれに対応する作業レベルを決定し、体温、脈拍、血圧、作業時間それぞれに対応する健康状態レベルのうち最も低い健康状態レベルを、操作ユーザーに対応する健康状態レベルに決定する。
【0086】
ステップS09においては、制限レベルを決定する。
図7に示した制限レベルテーブルを参照して、ステップS06において決定された作業レベルとステップS08において決定された健康状態レベルとの組に対応する制限レベルを決定する。制限レベルテーブルは、複数の健康状態レベルそれぞれに対して複数の作業レベルそれぞれに対する制限レベルを定める。
【0087】
ステップS10においては、ステップS09において決定された制限レベルに対応する警告メッセージを表示部106に表示し、処理をステップS11に進める。警告メッセージは、4つの制限レベルに対応して予め定められている。例えば、制限レベル「許可」に対しては、警告メッセージは設定されていない。制限レベル「警告」に対しては、休憩を促すメッセージとして「休憩してください。」の警告メッセージが設定される。制限レベル「制限1」に対しては、制限される処理を通知するメッセージとして「カラーコピーはできません。」の警告メッセージが設定される。制限レベル「制限2」および「禁止」に対しては、業務の終了を促すメッセージとして「ログアウトして業務を終了して下さい。」の警告メッセージが設定される。
【0088】
ステップS11においては、ステップS09において決定された制限レベルが「許可レベル」か否かを判断する。制限レベルが「許可レベル」ならば処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理をステップS13に進める。ステップS12においては、ステップS04において受け付けられた操作に対応する処理を実行し、処理をステップS20に進める。
【0089】
ステップS13においては、制限内容を決定する。制限内容は、作業内容情報で特定される作業内容に対して、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定める。
図8に示した制限内容テーブルを参照して、ステップS05において決定された作業内容と、ステップS09において決定された制限レベルとの組に対応する制限内容を決定する。制限内容テーブルは、複数の作業内容それぞれに対して、複数の制限レベルごとに、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定める。
【0090】
ステップS14においては、ステップS13において決定されたの制限内容が、処理を実行するための条件を定めるかのかを判断する。制限内容が、処理を実行するための条件を定めると判断する場合は、処理をステップS15に進め、そうでなければ処理をステップS16に進める。ステップS15においては、制限内容で定められる処理を実行するための条件が満たされたか否かを判断する。条件が満たされたならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS19に進める。例えば、操作識別情報で特定される処理がファクシミリ送信の場合、その処理を実行するために制限内容で定められる条件は、ファクシミリ番号を複数回入力することとすることができる。この場合には、ファクシミリ送信処理を実行する場合に、制限内容で定められる条件として、同じファクシミリ番号が複数回入力されることになる。また、制限内容で定められる条件は、上司による承認を条件とすることもできる。
【0091】
ステップS14においては、ステップS14において決定されたの制限内容が、実行可能な処理の範囲を定めるかのかを判断する。制限内容が、実行可能な処理の範囲を定めるならば、処理をステップS17に進めるが、そうでなければ処理をステップS19に進める。ステップS17においては、ステップS04において受け付けられた操作に対応する処理が、ステップS14において決定されたの制限内容によって定められる実行可能な処理の範囲内が否かを判断する。操作に対応する処理が、制限内容によって定められる実行可能な処理の範囲内ならば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS19に進める。
【0092】
ステップS18においては、ステップS04において受け付けられた操作に対応する処理を実行し、処理をステップS20に進める。一方、ステップS19においては、エラーメッセージを表示部106に表示し、処理をステップS20に進める。
【0093】
ステップS20においては、終了操作を受け付けたか否かを判断する。終了操作を受け付けたならば業務管理処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS04に戻す。
【0094】
以上説明したように本実施の形態におけるPC100は、ユーザーの健康状態情報を取得し、ユーザーに対する作業内容情報を業務管理サーバー300から取得し、健康状態情報と作業内容情報とに基づいて、ユーザーにより入力される操作に対応する指示処理の実行を制限する。このため、健康状態が悪い状態では指示処理の実行を制限するので、指示処理が誤って実行されるのを回避することができる。その結果、ユーザーによる誤操作に伴う処理が実行されるのを回避することができる。
【0095】
また、PC100は、健康状態情報に基づいて健康状態レベルを決定し、作業内容情報に基づいて作業レベルを決定し、制限レベルテーブルを参照して、健康状態レベルと作業レベルに対応する制限レベルを決定し、制限レベルに基づいて、指示処理の実行を制限する。このため、制限レベルを、制限レベルテーブルを用いて健康状態レベルと作業レベルとに基づいて決定するので、健康状態と作業の難易度によって制限する内容を予め定めることができる。
【0096】
また、PC100は、複数の作業内容それぞれに対して、複数の制限レベルごとに、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を定めた制限内容テーブルを記憶しており、制限内容テーブルを参照して、指示処理の実行を制限するので、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を制限することができる。
【0097】
また、PC100は、制限内容によって、処理を実行するための新たな操作が定められている場合には、新たな操作が受け付けられることを条件に、処理を実行させ、制限内容によって処理の実行可能な範囲が定められている場合には、処理が実行可能な範囲内であることを条件に、処理を実行させる。このため、処理を実行するための条件または実行可能な処理の範囲を制限することができる。
【0098】
さらに、PC100は、制限レベルに基づいて、作業時間を制限するので、ユーザーの作業時間を制限することができる。
【0099】
さらに、PC100は、制限レベルに基づいて、警告メッセージをユーザーに通知するのでユーザーに処理の実行が制限されていること通知することができる。
【0100】
なお、上述した実施の形態においては、業務管理システムについて説明したが、
図9に示した業務管理処理をPC100に実行させる業務管理方法および、その業務管理方法を、PC100が備えるCPU101に実行させる業務管理プログラムとして、発明をとらえることができるのは言うまでもない。
【0101】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。