特許第6232811号(P6232811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232811
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ボトム衣類
(51)【国際特許分類】
   A41C 1/00 20060101AFI20171113BHJP
   A41C 1/02 20060101ALI20171113BHJP
   A41C 1/12 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   A41C1/00 E
   A41C1/02 B
   A41C1/12
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-160025(P2013-160025)
(22)【出願日】2013年8月1日
(65)【公開番号】特開2015-30922(P2015-30922A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年5月2日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社ワコールが、「2013年 秋冬 ワコール ファミリーウェア内見会」において、尼口賢および竹林雅美が発明したボトム衣類について公開した
(73)【特許権者】
【識別番号】306033379
【氏名又は名称】株式会社ワコール
(74)【代理人】
【識別番号】100103056
【弁理士】
【氏名又は名称】境 正寿
(74)【代理人】
【識別番号】100146064
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 玲子
(72)【発明者】
【氏名】尼口 賢
(72)【発明者】
【氏名】竹林 雅美
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04325379(US,A)
【文献】 登録実用新案第3155457(JP,U)
【文献】 特表2013−527334(JP,A)
【文献】 特許第5081329(JP,B1)
【文献】 特開2002−263127(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3024009(JP,U)
【文献】 特開2002−317307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C 1/00−1/20
A61F 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトム衣類であって、ボトム本体部と、補整部材とを含み、
前記補整部材は、サポート部およびベルト部を含み、着用時において臀溝部および大転子を含む領域を覆うように形成されており、
前記サポート部は、略U字形状に臀部膨出部を囲むように構成され、
前記ベルト部は、前記サポート部の左右両側方に延在し、前記ボトム本体部の前側で、互いに係止可能であり、
前記補整部材は、前記ボトム本体部の表側に配置され、
前記補整部材の前記略U字形状に臀部膨出部を囲む部分は、前記ボトム本体部に固定されていることを特徴とするボトム衣類。
【請求項2】
前記ベルト部は、前記サポート部側から先端部に向かうにつれて幅が狭くなっている、請求項1記載のボトム衣類。
【請求項3】
前記補整部材は、伸縮性を有する素材によって形成されており、
非着用状態で前記補整部材の上辺と下辺とを対比したときに、
前記下辺の亘り幅よりも前記上辺の亘り幅のほうが短くなるように形成され、かつ、
前記下辺が、前記サポート部側から前記ベルト部側に向かって斜め上方に向かうように形成されている、請求項1または2記載のボトム衣類。
【請求項4】
前記補整部材は、左右のサポート部が後ろ中心側で接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のボトム衣類。
【請求項5】
前記補整部材は、その下辺中央部が前記ボトム本体部に固定されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のボトム衣類。
【請求項6】
前記サポート部は、前記臀部膨出部を囲む部分において、大転子の高さより上側の部分が着用時の上下方向に対して平行または上側が後ろ中心に向かう方向に傾斜するように前記ボトム本体部に固定されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のボトム衣類。
【請求項7】
前記サポート部および前記ベルト部が一体に形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のボトム衣類。
【請求項8】
前記衣類が出産後用ガードルであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のボトム衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトム衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、産後等における体型補整を目的として、ウエスト周りや腹部を締め付けるように装着するガードル等のボトム衣類が開発されている。この一例としては、着用者のお腹と腰の部分を一周するフロント部から腰部にかけて、腹廻り長さを調節するアジャスト機構が設けられている体型補整機能付き衣類(例えば、特許文献1参照)、およびフロントパネル両脇に取り付けた翼状の布を、背に取り付けた広幅テープと係止することで腹部を矯正してウエスト部分もしっかり固定する産後ガードル(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−317307号公報
【特許文献2】特許第4022337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記例においては、体型補整とは、腹部の弛みを整えるといったいわゆるシェイプアップの効果を得ることを目的としており、出産や加齢によって生じる骨盤の緩みを矯正することは想定されていない。
【0005】
そこで、本発明は、骨盤の補整、特に出産によって緩んで開いた女性の骨盤を締めて元の状態に戻すために有効なボトム衣類であって、骨盤補整の効果が十分に得られ、動作への追従性に優れて着崩れも防止可能である、着用感が快適なボトム衣類を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のボトム衣類は、ボトム本体部と、補整部材とを含み、前記補整部材は、サポート部およびベルト部を含み、着用時において臀溝部および大転子を含む領域を覆うように形成されており、前記サポート部は、略U字形状に臀部膨出部を囲むように構成され、前記ベルト部は、前記サポート部の左右両側方に延在し、前記ボトム本体部の前側で、互いに係止可能であり、前記補整部材は、前記ボトム本体部の表側に配置され、前記補整部材の前記略U字形状に臀部膨出部を囲む部分は、前記ボトム本体部に固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、骨盤補整の効果が十分に得られ、動作への追従性に優れて着崩れも防止可能である、着用感が快適なボトム衣類を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係るガードル100を示す斜視図である。図1(a)は背面斜視図、図1(b)は前面斜視図である。
図2図2(a)は、前記第1の実施形態に係るガードル100を示す背面図である。図2(b)は、前記第1の実施形態に係るガードル100を示す前面図である。
図3図3は、前記第1の実施形態に係るガードル100の着用状態の背面図である。
図4図4(a)は、前記第1の実施形態に係るガードル100の補整部材120の配置を説明する図である。図4(b)は、人体の腰部付近を側面方向から見た骨格の模式図である。
図5図5は、図2(a)におけるA−A、B−B部分拡大図である。
図6図6は、前記第1の実施形態に係るガードル100の変形例100’を示す図である。図6(a)は、前記変形例のガードル100’を示す背面図である。図6(b)は、前記変形例のガードル100’を示す前面図である。
図7図7は、本発明の第2の実施形態に係るガードル200を示す背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のボトム衣類について、例をあげて説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定および制限されない。
【0010】
(第1の実施形態)
図1および図2に、本発明の第1の実施形態に係るガードル100を示す。図1(a)は、ガードル100の着用状態での背面斜視図、図1(b)は、ガードル100の着用状態での前面斜視図である。図2(a)は、ガードル100の背面図、図2(b)は、ガードル100の前面図である。本実施形態のガードル100は、ボトム本体部(以下、「本体部」ともいう)110と、補整部材120とを含むガードルである。本実施形態において、ガードル100は、大腿部までを覆うロングタイプのガードルである。
【0011】
ボトム本体部110は、本体布111、腹部布112、ウエスト布113、後部布114、クロッチ布115で構成されている。補整部材120は、ボトム本体部110の表側(着用時に外側となる側)に配置され、サポート部121およびベルト部122を含み、着用時において臀溝部および大転子を含む領域を覆うように形成されている。サポート部121は、略U字形状に臀部膨出部を囲むように構成される。ベルト部122は、サポート部121の左右両側方に延在し、ボトム本体部110の前側で、互いに係止可能である。なお、「左右」方向とは、着用状態における左右方向を意味する。本実施形態において、サポート部121とベルト部122とは一体で補整部材120を形成している。図1(b)は、ベルト部122をボトム本体部110前側で係止した状態を表している。
【0012】
後部布114は、臀部膨出部を略U字形状に覆うように設けられている。図3は、ガードル100の補整部材120を前側で係止した着用状態での背面図である。後部布114は、着用時のウエスト布113下端側における幅L1が、17〜25cmの範囲内にあることが好ましい。また、着用時のヒップトップ付近における幅L2が、19〜28cmの範囲内にあることが好ましい。前記各幅は、着用者の体型に応じて調整する。
【0013】
後部布114と本体布111は、一体の連続した生地で構成されていてもよいし、別々の生地で構成して接ぎ合わせてもよい。
【0014】
補整部材120は、略U字形状にヒップトップを含む臀部膨出部を囲むように構成されており、前記略U字形状の縁部および下部中央部は、ボトム本体部110に固定されている。前記略U字形状の縁部は、前記後部布114と本体布111との境界の位置に配置されている。補整部材120の下部中央部は、クロッチ布115後側の端部においてボトム本体部110に固定されていることが好ましい。このように、本発明では、ヒップトップを囲むように補整部材120を配置することで、ヒップトップの丸みをつぶさないように骨盤補整をすることができる。
【0015】
図4(a)に、大転子の位置と、本実施形態における補整部材120の位置との関係を示す。図4(b)は、人体の腰部付近を側面方向から見た骨格の模式図である。図4(b)において、Tは大転子である。図4(a)に示すとおり、本実施形態において、補整部材120は、臀溝部および大転子Tを覆い、脇側から左右両方向にベルト状に延在する形状に形成され、端部は、連結係止部123により、係止可能になっている。補整部材120は、左右を別部材で形成して後ろ中心で結合させてもよいし、一体に形成してもよい。補整部材120は、着用時に大転子を覆う構造であるので、立ったり座ったりの動作や、歩くといった動作を行う場合でも、補整部材120が大腿骨付根に引っ掛かった状態となり、ずり下がりが生じにくい。
【0016】
本実施形態において、補整部材120の上辺の亘り幅W1(図2(a)参照)は、下辺の亘り幅W2(図2(a)参照)よりも短くなるように形成され、下辺側がサポート部121側からベルト部122側へ向かって斜め上方へ向うように形成されている。このような構成とすることで、着用時の補整部材による締め付け力は、下辺側よりも上辺側で大きくすることができる。上辺側の締め付け力を大きくすることで、着用時に前記動作を行う場合でも、ずり下がりが生じにくくなる。このように補整部材の上辺側を下辺側よりも短くすることによっても、ずり下がりを生じにくくすることができる。具体的には、非着用状態で、亘り幅W1が17cm〜27cmの範囲に設定され、かつ、亘り幅W2が30cm〜40cmの範囲に設定されていることが好ましい。なお、本実施形態においてベルト部122の上辺は曲線形状を有しているが、本発明はこれに限られず、直線であってもよい。また、本実施形態において、ベルト部122の下辺は直線となっているが、同様に、曲線形状とすることもできる。なお、亘り幅W1とは、補正部材120の連結係止部123側上端部と後部布114側上端部との間の距離とも表現できる。また、亘り幅W2とは、補正部材120の連結係止部123側下端部と本体布111側下端部との間の距離とも表現できる。
【0017】
臀溝部は、着用者の動作や姿勢変化にともなう皮膚の伸び縮みが大きい。このため、衣類の生地が臀溝部の皮膚の伸縮に十分に追随できないと、食い込みが生じやすくなる。本発明においては、補整部材120が、着用時(係止時)に臀溝部を覆い、補整部材120の下辺中央部でボトム本体部110に固定され、下辺のその他の部分ではボトム本体部110に固定されていないことで、臀溝部の皮膚の伸縮に追随しやすくなり、ヒップ下部での食い込みを防ぐことができる。補整部材120の臀溝部を覆う部分の幅は、3cm以上であることが好ましい。
【0018】
また、補整部材120は、略U字形状に臀部膨出部を囲み、かつ、大転子を覆う構造であることから、ボトム本体部110との接ぎ線上端はウエスト布の近傍まで延びている。したがって、下側(臀溝部側)および脇側のヒップを寄せ上げるヒップアップ効果を得ることもできる。L1およびL2を前記範囲内となるようにすると、着用時に補整部材120のサポート部121がヒップの膨らみにかかる位置に配置され、ヒップアップ効果とともに、押さえられたヒップの反発力によって補整部材の骨盤サポート力がアップすることが期待できる。
【0019】
図5に、図2(a)におけるA−A、B−B部分拡大図を示す。補整部材120のサポート部121は、前記臀部膨出部を囲む部分において、大転子Tの高さより上側の部分の接ぎ線(図5における領域P)が着用時の上下方向に対して平行または上側が後ろ中心に向かう方向に傾斜するようにボトム本体部110に固定されていることが好ましい。このような構造とすることで、図4における領域Sの部分のサポートをすることができるので、例えば、前記領域Pの上側が後ろ中心に向かう方向とは反対側に傾斜するようにボトム本体部110に固定される場合(図5における二点鎖線の領域P’)と比較して、より後ろ側から骨盤をサポートすることができる。
【0020】
補整部材120は、連結係止部123により、ボトム本体部110の前側で、着脱自在になっている。本実施形態のガードルでは、連結係止具として、ホック124(例えば、フック・アンド・アイ(鈎ホック))を使用しているが、他の種類の係止具を使用してもよい。係止具としては、ホックの他に、グリッパー、ボタン、紐、面ファスナーなどを、デザインや用途に応じて適宜選択して使用することができる。なお、上記のフック・アンド・アイやグリッパー、ボタンを用いる場合には、複数の留め位置を予め設けておくことにより、締め付け具合を微調整できるようにしておくことも好ましい。なお、上記以外の他の種類の係止具を使用してもよい。
【0021】
前記ベルト状に延在する形状に形成された部分(ベルト部122)は、先端部(係止時の前側)に向かうにつれて幅が狭くなるように形成するとよい。前側の幅が広すぎると、腹部で捩れが発生し腹部に窮屈感を与える場合がある。また、前側の幅が狭いと、係止時のサイズ調整が行いやすい。さらに、幅方向の単位長さ当たりにかかるベルトの締め付け力が大きくなるため、着崩れ(ずれ落ち)が防止できるという利点がある。ベルト部122先端部の幅は、2cm以上であることが好ましいが、前記幅は、着用者の体型に応じて調整することが好ましい。
【0022】
本発明のボトム衣類を構成する各部分の構成材料であるそれぞれの生地は、各衣類の種類に応じて、従来よりその衣類に適用されている生地を同様に用いることができる。ガードルに腹部を押さえる機能を付与する場合には、腹部布112は、少なくともガードル横方向には伸びないか伸びが少ない生地を用いればよい。あるいは、腹部布としてガードル横方向に伸縮性のある生地を用いた場合には、その部分の裏打ち布として、少なくともガードル横方向に伸びないか伸びが少ない生地を用いるとよい。
【0023】
補整部材120は、伸縮性を有する素材で形成されており、折り返して縫製するなどの端始末を必要としない端部となっていることが、着用時の段差の発生の防止や、動作への追従性、肌触りの点から好ましい。切断箇所のほつれ防止処理が不要である、「フリーカット素材」を用いることも好ましい。本実施形態において、本体布111および後部布114は、補整部材120よりも柔らかく、かつ、高伸度であることが好ましい。これにより、やわらかい着用感を得ることができる。本体布111および後部布114に使用する素材としては、特に制限されないが、例えば、パワーネット、ツーウェイパワーネット、ツーウェイトリコット、ベア天竺等を用いることができる。腹部布112としては、例えば、ワンウェイパワーネット、ツーウェイパワーネット、ツーウェイトリコット等を用いることができる。
【0024】
ウエスト布113は、ウエスト部に配置される。ここで、「ウエスト部」とは、着用時におけるウエストラインに該当する位置をいう。「ウエストライン」とは、腹部の最もくびれている箇所を水平に一周するラインをいう。ウエスト布113としては、幅広のストレッチテープおよびゴムテープ等を使用することができる。または、本体布111と同一の素材を用い、折り返し(ワサ)始末がされて2枚が重ね合わされた状態で、前記折り返し始末をした部分が、ウエスト部上辺部となるように用いることも好ましい。折り返し始末をすることにより、着用時にしっかりと係止することができる。そのため、ウエスト部にテープ材等を設けることなく、良好な着用感を得ることができる。また、広幅での折り返し始末であるので、上辺部が身体へ食い込むことを低減することができる。ウエスト布113の幅は、例えば、着用時にウエストラインから第三腰椎の少なくとも一部に相当する部分までを覆う幅を有しており、3〜15cmの範囲内にあることが好ましく、5cm前後であることがより好ましい。第三腰椎は、腰部の回旋運動時に作用する腰回旋筋に繋がっている。そのため、帯状伸縮部材11が第三腰椎の少なくとも一部に相当する部分までを覆う幅であると、ウエスト部をより広範囲に補整することができ、また、着用時に肋骨に干渉することもない。ウエスト布113は、着崩れを防止するという観点から、長さ方向(左右方向)には伸縮するが、幅方向(上下方向)には伸縮し難い素材であることが好ましい。
【0025】
本実施形態では、補整部材120は、左右のサポート部121が後ろ中心で結合されている態様について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明において、左右のサポート部121は、後ろ中心で接続されずに形成されていてもよい。以下、本実施形態の変形例として具体的に説明する。
【0026】
図6に、本実施形態の変形例であるガードル100’を示す。図6(a)は、前記変形例のガードル100’を示す背面図、図6(b)は、前記変形例のガードル100’を示す前面図である。本例では、後ろ中心付近にメッシュ部130が配置され、メッシュ部130に、補整部材120’の左右のサポート部121’が接続されている。このように、左右のサポート部は直接接続されていなくてもよい。本変形例ではメッシュ部130で左右のサポート部121’を接続する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。また、ウエスト布113と後部布114の境界部に、通気性向上を目的としてメッシュ部140を設けてもよい。
【0027】
(第2の実施形態)
図7に、本発明の第2の実施形態に係るガードル200を示す。図7は、ガードル200の背面斜視図である。図7において、図1(a)と同一部分には、同一符号を付し、説明を省略している。
【0028】
本実施形態において、ガードル200は、大腿部を覆う部分を有さない、ショーツタイプのガードルである。このように、本発明は、ロングタイプのガードルに限らず、様々なタイプのガードルに適用することができる。
【0029】
本発明において、ボトム本体部の構成は、特に制限されず、デザインに応じて自由に設計することができる。例えば、一般のショーツ等の衣類に、上述の補整部材120を所定位置に取り付けることで、本発明のボトム衣類を得ることができる。また、ボトム本体部が、さらに、着用者の胴体を被覆するように構成されていてもよい。この場合、本体布111は、着用者の胴体の少なくとも一部を締め付けるように形成されていることも好ましい。着用者の胴体の少なくとも一部を締め付けるためには、締め付けたい部分の布地の伸度を、隣接する部分の布地の伸度よりも低くなるように、伸度を切り替えて形成してもよい。
【0030】
補整部材としては、伸縮性を有するレース部材を使用することもできる。伸縮性を有するレース部材を設けることで、意匠性の向上を図ることができる。レース部材としては、いわゆるストレッチレース等を使用することができる。
【0031】
また、本発明は、ボディスーツ等にも適用可能である。前記ボディスーツのボトム部分の態様は、例えば、図1で示した実施形態1のガードル100と同一概念のもとに設計できる。このように、ボトム衣類にさらにブラジャー部分および身頃部を設けてもよい。
【0032】
以上、実施の形態の具体例として、ガードル、ボディスーツをあげて本発明を説明したが、本発明のボトム衣類は、これらの具体例で記載されたもののみに限定されるものではなく、種々の態様が可能である。例えば、上記の実施形態のようなファンデーション衣類以外にも、ワンピースタイプやセパレートタイプの水着、レオタード、その他各種のボトム部を有する衣類に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明のボトム衣類は、種々の態様が可能である。例えば、上記の実施形態のような体型補整用衣類以外にも、スポーツ衣類、アウター、医療用衣類(サポーター)など、各種の衣類に適用できる。
【符号の説明】
【0034】
100、100’、200 ボトム衣類(ガードル)
110 ボトム本体部
111 本体布
112 腹部布
113 ウエスト布
114 後部布
115 クロッチ布
120、120’ 補整部材
121、121’ サポート部
122、122’ ベルト部
123 連結係止部
124 ホック
130、140 メッシュ部

L1 後部布上部の幅(着用時)
L2 後部布ヒップトップ付近の幅(着用時)
T 大転子
P、P’ 補整部材の接ぎ線
S サポート領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7