特許第6232874号(P6232874)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6232874-表示装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232874
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20171113BHJP
   G01D 11/24 20060101ALI20171113BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   G09F9/00 350Z
   G01D11/24 A
   B60K35/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-193157(P2013-193157)
(22)【出願日】2013年9月18日
(65)【公開番号】特開2015-60045(P2015-60045A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2016年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋之
【審査官】 佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−267608(JP,A)
【文献】 特開2005−049603(JP,A)
【文献】 特開2009−282434(JP,A)
【文献】 実開平03−092079(JP,U)
【文献】 特開2009−230137(JP,A)
【文献】 実開昭62−030188(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K35/00 −37/06 、
G01D11/00 −13/28 、
G09F 9/00 、
H05K 5/00 − 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のケース体と第2のケース体との間に表示手段を収納するとともに、前記第1、第2のケース体をこれら各ケース体の各々に形成したネジ止め固定部を介して相互にネジ止め固定してなる表示装置において、
前記第1のケース体は、
視認者側から前記表示手段の表示領域を透視可能な可視部と前記可視部の周囲に延在する延長部とを有する本体部と、
前記延長部を覆うように前記延長部と当接している不可視部とが一体形成された構成となっており、
前記延長部が、前記不可視部に備えられる前記第1のケース体側の前記ネジ止め固定部を覆うように構成され、
前記延長部には、前記第1のケース体側の前記ネジ止め固定部の幅寸法よりも幅狭の開口幅を有する貫通部が設けられ、
前記不可視部と、前記第1のケース体側の前記ネジ止め固定部とが前記貫通部に配設された連結部を介して連結されていることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば各種車両に搭載された表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の表示装置にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の表示装置は、車両に搭載された車両用計器からなり、第1のケース体と第2のケース体との間に車速等の車両情報を表示する液晶表示器(表示手段)を収納するとともに、前記第1、第2のケース体をこれら各ケース体の各々に形成したネジ止め固定部を介して相互にネジ止め固定してなるものである。
【0003】
この場合、第1のケース体は、液晶表示器を透視可能な矩形状の透視部(可視部)と、この透視部の周囲に延在する不透過性樹脂で形成された延長部とを有している。また、延長部は、透明樹脂で形成された透視部を取り囲むするように設けられるとともに前記ネジ止め固定部が垂下形成された枠状の第1の延長部と、この第1の延長部の周縁から下方に向けて垂下形成された側壁からなる第2の延長部とが一体形成された構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−267608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した表示装置を車両用計器として用いるとき、液晶表示器に表示される車両情報の情報量は、近年増加する傾向にあり、これに対処するための1つの手段として液晶表示器の外形サイズを大型化することが挙げられる。しかしながら、上述した特許文献1に記載の表示装置において、液晶表示器の外形サイズが大型化すると、必然的に液晶表示器を収納する各ケース体の外形サイズも大型化することから、特に、第1のケース体に備えられる延長部の剛性が低下してしまうという問題点があり、この点で更なる改良の余地が残されていた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、第1のケース体に備えられる延長部の剛性を確保することが可能な表示装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のケース体と第2のケース体との間に表示手段を収納するとともに、前記第1、第2のケース体をこれら各ケース体の各々に形成したネジ止め固定部を介して相互にネジ止め固定してなる表示装置において、前記第1のケース体は、視認者側から前記表示手段の表示領域を透視可能な可視部と前記可視部の周囲に延在する延長部とを有する本体部と、前記延長部を覆うように前記延長部と当接している不可視部とが一体形成された構成となっており、前記延長部が、前記不可視部に備えられる前記第1のケース体側の前記ネジ止め固定部を覆うように構成され、前記延長部には、前記第1のケース体側の前記ネジ止め固定部の幅寸法よりも幅狭の開口幅を有する貫通部が設けられ、前記不可視部と、前記第1のケース体側の前記ネジ止め固定部とが前記貫通部に配設された連結部を介して連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、初期の目的を達成でき、第1のケース体に備えられる延長部の剛性を確保することが可能な表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態による表示装置の要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1に基づいて、本発明を車両に搭載された車両用計器に適用した一実施形態を説明する。
【0011】
図1において、本実施形態による表示装置としての車両用計器は、表カバーからなる第1のケース体10と、背面カバーからなる例えば合成樹脂製の第2のケース体20との間に、例えば車速等の車両情報を表示する液晶表示器からなる表示手段30、並びに表示手段30の表示制御を行う制御回路(図示せず)が搭載された硬質の回路基板40を収納しているものである。
【0012】
第1、第2のケース体10、20には、各々が孔形状の第1、第2のネジ止め固定部11、21が形成され、これらネジ止め固定部11、21をネジSを介して相互にネジ止め固定することにより、両ケース体10、20が強固に接合固定される。
【0013】
なお、ここでは、各ネジ止め固定部11、21の間に回路基板40が挟持され、ネジSのネジ部は各ネジ止め固定部11、21だけではなく、回路基板40に開口形成されたネジ孔41をも貫通しているものとする。
【0014】
また、この場合、第1のケース体10は、無色透明の樹脂材料にて形成された本体部50と、不透過性の黒色樹脂材料にて形成された不可視部60とが一体形成された構成となっており、この場合、第1のケース体10側のネジ止め固定部11は不可視部60側に備えられているとともに、ネジ止め固定部11と不可視部60とは後述する連結部を介して連結されている。
【0015】
本体部50は、視認者側から前記車両情報が表示される表示手段30の表示領域(図示せず)を透視可能な略平板状の可視部(透視部)51と、この可視部51の周囲に延在する延長部52とを有している。
【0016】
延長部52は、可視部51を取り囲むように設けられた湾曲壁形状からなる第1の延長部53と、第1の延長部53の周縁から垂下形成された傾斜壁形状からなる第2の延長部54とを備えている。
【0017】
第1の延長部53(延長部52)は、第1のケース体10側のネジ止め固定部11を覆うように構成されており、このネジ止め固定部11に対応する第1の延長部53箇所(延長部52箇所)には、第1のケース体10側のネジ止め固定部11の幅寸法W1よりも幅狭の開口幅W2を有する貫通孔形状からなる貫通部55が設けられている。
【0018】
不可視部60は、延長部52を覆うように延長部52と当接しており、視認者側からネジ止め固定部11やホルダ70等が視認されないようにするための隠蔽部としての機能を有している。
【0019】
また、不可視部60は、第1の延長部53に対応するように設けられる湾曲壁形状からなる第1の不可視部61と、第2の延長部54に対応するように設けられる傾斜壁形状からなる第2の不可視部62とを備えている。
【0020】
なお、63は、第1の不可視部61と、第1のケース体10側のネジ止め固定部11とを繋ぐように設けられた連結リブからなる連結部であり、この連結部63は、第1の延長部53に形成された貫通部55の内部に配設される。つまり、このことは、第1の不可視部61(不可視部60)と、ネジ止め固定部11とが貫通部55に配設された連結部63を介して連結されることを意味している。
【0021】
なお、70は合成樹脂材料にて形成されたホルダであり、このホルダ70は、表示手段30と回路基板40との間に位置し、表示手段30の背面側周縁を保持している。
【0022】
以上のように本実施形態では、第1のケース体10と第2のケース体20との間に表示手段30を収納するとともに、第1、第2のケース体10、20をこれら各ケース体10、20の各々に形成した各ネジ止め固定部11、21を介して相互にネジ止め固定してなる車両用計器において、第1のケース体10は、視認者側から表示手段30の前記表示領域を透視可能な可視部51と可視部51の周囲に延在する延長部52とを有する本体部50と、延長部52を覆うように延長部52と当接している不可視部60とが一体形成された構成となっていることにより、延長部52の外表面全体が不可視部60にて覆われるように延長部52と不可視部60とが重なっていることから、表示手段30の外形サイズの大型化に伴って第1のケース体10の外形サイズが大きくなった場合であっても、第1のケース体10の外周部に備えられる延長部52の剛性を確保する(高める)ことが可能となる。
【0023】
また本実施形態では、第1の延長部53(延長部52)が、第1の不可視部61(不可視部60)に備えられる第1のケース体10側のネジ止め固定部11を覆うように構成されており、第1の延長部53(延長部52)には、第1のケース体10側のネジ止め固定部11の幅寸法W1よりも幅狭の開口幅W2を有する貫通部55が設けられ、第1の不可視部61(不可視部60)と、第1のケース体10側のネジ止め固定部11とが貫通部55に配設された連結部63を介して連結されていることにより、各不可視部61、62と連結部63とネジ止め固定部11とで構成される不可視部60の成形時において、連結リブ63の真上に位置する第1の不可視部61の表面箇所に発生するヒケを抑制することが可能となる。
【0024】
また本実施形態では、表示手段30が液晶表示器にて構成されている例について説明したが、例えば表示手段30を線状に延びる指針と当該指針によって指示される指標部を有する指標板とを備えた指針式表示部にて構成してもよい。
【符号の説明】
【0025】
10 第1のケース体
11、21 ネジ止め固定部
20 第2のケース体
30 表示手段
40 回路基板
50 本体部
51 可視部(透視部)
52 延長部
53 第1の延長部
54 第2の延長部
55 貫通部
60 不可視部
61 第1の不可視部
62 第2の不可視部
63 連結部
S ネジ
図1